(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施の形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。更に、以下の説明において基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機で遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0012】
1.遊技機の全体構成
まず、本発明の実施の形態に係る遊技機としてのスロットマシン1の全体構成について
図1に基づいて説明をする。本実施の形態に係るスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルなどの遊技媒体に対して一定の遊技価値を設定し、このような遊技媒体を用いて更なる遊技媒体を遊技者に付与するための遊技を行う種類の遊技機である。
図1に示すように、スロットマシン1は、6面体構造のうち遊技者に対向する前面が開口した筐体10を備えていると共に、この開口した筐体10の前面を開閉可能な前扉50により被覆して構成されている。また、筐体10の内部には、複数の回転リールとしての第1リールR1〜第3リールR3を備えたリールユニットRE、リールユニットREの下部に配置されたメダルの払出装置としてのホッパーユニット(不図示)、及びリールユニットREの上部に配置され、遊技を実行するための各種の演算を行うと共にリールユニットREやホッパーユニットの動作を制御する制御基板(不図示)が収められている。
【0013】
第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれの外周面が一定の間隔で21の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマにスロットマシン1の機種固有のデザインとして印刷される複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ左右方向に延びるステッピングモータの軸周りに回転駆動され、リールを駆動させるアクチュエータとしてのステッピングモータの、駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。
【0014】
前扉50は、上扉ユニット50Uと、下扉ユニット50Lとに上下に分割して構成されており、上扉ユニット50Uは、その中央部から上方部に亘って大型の液晶からなる表示装置52が設けられていると共に、表示装置52の下方には、バックライト基板と略平行となるように前方やや上向きとなるように起立して配置され、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓51が設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓51を通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン1では、各リールの上段・中段・下段の表示位置の組合せ(例えば中段1列)によって有効ラインLfが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3の中段によって構成される有効ラインLfが有効化される。
【0016】
前扉50の下扉ユニット50Lには、演出用の絵柄などを表示する下パネル55が設けられていると共に、下パネル55の上方には各種の操作手段が設けられている操作部65が配置されている。操作部65は、各種の操作手段と、各種の操作手段を支持する操作ベース66と、を有して、スロットマシン1の左端部から右端部に亘って形成されている。操作部65は、操作ベース66の上面部66aに、操作手段として、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段としての、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットを実行するマックスベットボタンユニットMBなどが配置されており、操作ベース66の前面部66bに、操作手段として、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3などが配置されている。
【0017】
更に、下扉ユニット50Lには、遊技者がメダルを投入するメダル投入口56が設けられており、このメダル投入口56から投入されたメダルは、下扉ユニット50Lの裏側に設けられたセレクタ(不図示)によってカウントされてホッパーユニットへと案内されるようになっている。本実施の形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口56に投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、シングルベットボタンBTを規定投入数と同じ回数押下する操作又はマックスベットボタンユニットMBを押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下、つまり遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において乱数値を用いた内部抽選が行われた後に第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の押下操作が許可、即ちストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3による停止操作が有効化される。
【0018】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)し、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3を解放状態にすると、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3のそれぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板(不図示)へ出力するリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
【0019】
そして、制御基板は、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
【0020】
また、制御基板は、第1リールR1〜第3リールR3を停止させた後に、有効ラインLf上に停止している図柄の組合せに応じて、各種処理を実行する。制御基板が実行する各種処理としては、例えば、有効ラインLf上に停止している図柄の組合せが複数種類の役のうちメダルの払い出しを伴う小役の図柄組合せである場合、即ち小役が入賞した場合に、入賞した小役に設定されている配当に基づきホッパーユニットからメダルを払い出す払出処理や、有効ラインLf上に停止している図柄の組合せが遊技者にメダルを消費させることなく1回の遊技を実行可能にするリプレイの図柄組合せである場合に、今回の遊技における規定投入数のメダルを投入状態に設定するリプレイ処理等がある。
【0021】
また、下扉ユニット50Lの下部にはメダル受け皿60が設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口からメダル受け皿60へ払い出されるようになっている。更に、例えば、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンが押下された場合、精算ボタンの押下に伴ってホッパーユニットからクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口からメダル受け皿60へメダルを払い出す。
【0022】
上扉ユニット50Uは、正面視において上扉ユニット50Uと略同じ大きさのベース部材53を有している。ベース部材53には、遊技を盛り上げるための音響装置(不図示)、スロットマシン1を装飾すると共に遊技の進行に応じて発光する演出を行う電飾装置75,76L,76R,77,78、演出用の可動役物71、及び上述した表示装置52など、上扉ユニット50Uを構成する複数の装飾部材や演出装置、演出装置を制御する副制御基板(不図示)等が支持されている。具体的には、表示装置52の前面には、可動役物としてシャッタ装置71が設けられており、遊技の進行に応じて左右のシャッタ(可動部材)71L,71Rを移動(開閉)させて表示装置52の画面を遮蔽させたり露出させたりすることができるようになっている。
【0023】
また、電飾装置として、表示装置52の上方には上部ランプユニット75が設けられていると共に、表示装置52の左右側方には、サイドランプユニット76L,76Rが設けられている。更に、リールユニットREの図柄を観察する表示窓51の左右側方には、演出用の図柄を発光させるランプ装置77及び演出時に発光したり遊技者が操作を行ったりする演出ボタンSBが設けられている。また、表示装置52の下方には、ベース部材53に固定されているナビランプユニット78が設けられている。これら上部ランプユニット75及びサイドランプユニット76L,76R及びナビランプユニット78は、遊技に合わせて点灯して演出用の照明装置として機能したり、遊技に係る情報を遊技者に報知する報知装置として機能したりする。
【0024】
次に、リールユニットREの詳細について説明をする。リールユニットREは、リール本体(不図示)と、リール本体に支持される第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータと、第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータにより回転する第1リールR1〜第3リールR3と、を有する。
【0025】
第1リールR1〜第3リールR3は、第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータに軸支されている第1リールフレーム〜第3リールフレーム(不図示)と、可視光を透過する合成樹脂製で、それぞれ複数の図柄が印刷されている薄い帯状の第1リールテープT1〜第3リールテープT3と、を有する。第1リールフレーム〜第3リールフレームの各リールフレームは、第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータの回転軸と同心である円環状の1対のリム部と、左右方向に延設されて1対のリム部を複数個所で互いに接続する接続部と、第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータの回転軸に取付けられるハブ部と、一方のリム部とハブ部とを接続して第1ステッピングモータ〜第3ステッピングモータの回転力をハブ部からリム部へ伝達するスポーク部と、を有して、合成樹脂により一体的に形成されている。第1リールテープT1は第1リールフレームの、第2リールテープT2は第2リールフレームの、第3リールテープT3は第3リールフレームの、それぞれの1対のリム部に対して、巻き掛けるように粘着材で着脱可能に貼り付けて固定されており、第1リールテープT1〜第3リールテープT3の各リールテープは、第1リールフレーム〜第3リールフレームの各リールフレームに固定されている状態において、それぞれ円筒状に形成されるように構成されている。
【0026】
第1リールテープT1〜第3リールテープT3は、図柄の印刷に使用されている塗料や図柄の形状に応じて、可視光の透過率が低い遮光部(不図示)と、遮光部より可視光の透過率が高い透光部(不図示)と、を有している。遮光部は、例えば可視光の透過率が低いインクで印刷されて、図柄の一部を構成している。
【0027】
また、リールユニットREは、リール本体に固定されて第1リールテープT1〜第3リールテープT3を内部から前方へ向けて照明するバックライト基板(不図示)と、リール本体に固定されて第1リールテープT1〜第3リールテープT3とバックライト基板との間に配置されているバックライトリフレクタ(不図示)と、を有する。なお、バックライト基板はリール本体に直接固定されているものに限定されない。バックライト基板は、例えば、バックライトリフレクタに直接固定されて、リール本体に対して間接的に固定されていてもよい。
【0028】
バックライト基板は、第1リールテープT1の内周面を後方から照明する第1バックライト基板、第2リールテープT2の内周面を後方から照明する第2バックライト基板、及び第3リールテープT3の内周面を後方から照明する第3バックライト基板からなる。第1バックライト基板〜第3バックライト基板は、円筒状に形成されている第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内部の空間に表面が前方やや上向きとなるように起立して配置されている。第1バックライト基板〜第3バックライト基板は、発光源として、それぞれ各バックライト基板の表面の上部に設置されて、上段図柄を後方から照明する上段LED、各バックライト基板の表面の下部に設置されて、下段図柄を後方から照明する下段LED、及び各バックライト基板の表面の上段LEDと下段LEDとの間に設置されて、中段図柄を照明する中段LEDと、を有する。
【0029】
バックライトリフレクタは、第1バックライト基板と第1リールテープT1の内周面との間の空間に、第1バックライト基板の表面に対向して配置されている第1リフレクタと、第2バックライト基板と第2リールテープT2の内周面との間の空間に第2バックライト基板の表面に対向して配置されている第2リフレクタと、第3バックライト基板と第3リールテープT3の内周面との間の空間に、第3バックライト基板の表面に対向して配置されている第3リフレクタと、からなる。第1リフレクタ〜第3リフレクタは、遮光性を有すると共に光を反射しやすい材料製、例えば白色の合成樹脂製で、それぞれ有底で前方が開放する箱状に形成されており、第1バックライト基板〜第3バックライト基板に対向する底板と、底板の周囲から前方に延出して前端が対応する第1リールテープT1〜第3リールテープT3のいずれかの内周面に近接する外壁と、を有している。底板には、上段LED〜下段LEDのそれぞれに対応する位置に配置され、上段LEDを露出させる上段開口、中段LEDを露出させる中段開口、及び下段LEDを露出させる下段開口が形成されている。
【0030】
底板及び外壁は、上段LED〜下段LEDからの光を第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内周面に案内する導光空間(不図示)を形成し、導光空間と周囲の空間とを仕切っている。また、第1リフレクタ〜第3リフレクタは、上段開口と中段開口との間、及び中段開口と下段開口との間の、それぞれに配置されて、導光空間を仕切る仕切り板を有している。導光空間は、仕切り板により、上段LEDからの光を第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内周面に案内する上段導光空間、中段LEDからの光を第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内周面に案内する中段導光空間、及び下段LEDからの光を第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内周面に案内する下段導光空間に、仕切られている。バックライトリフレクタは、上述のように構成されて、バックライト基板に設置されている上段LED〜下段LEDからの光を反射して、上段導光空間〜下段導光空間により前方、即ち第1リールテープT1〜第3リールテープT3の内周面へ向けて上段LED〜下段LEDからの光を案内すると共に、上段導光空間と中段導光空間との間及び中段導光空間と下段導光空間との間における光漏れや、第1リフレクタと第2リフレクタとの間における光漏れ及び第2リフレクタと第3リフレクタとの間における光漏れ、リールユニットREの外部への光漏れ等を低減するように構成されている。
【0031】
次に、
図2を参照して、マックスベットボタンユニットMB及びストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3について説明をする。マックスベットボタンユニットMBは、押しボタン部90と、摺動支持部93と、付勢手段としてのボタンばね94と、マックスベットスイッチとしてのスイッチ部95と、を有している。
【0032】
摺動支持部93は、操作部65(
図1参照)に固定されており、押しボタン部90を、押圧されていない状態である初期位置としての解除位置と押圧された押圧位置との間で、上下方向に摺動自在に支持している。ボタンばね94は、押しボタン部90を押圧方向である下方と逆の方向、即ち上方へ付勢している。スイッチ部95は、透過型のフォトインタラプタであり、制御基板に電気的に接続されるコネクタ95aと、発光部95bと、図示しない受光部と、を有している。スイッチ部95は、押しボタン部90が押圧方向へ摺動して、押しボタン部90の遮光部91aが発光部95bからの光を遮光した際に、制御基板へ検知信号を出力するように構成されている。押しボタン部90は、遮光部91aを有するボタン本体91と、ボタン本体91に固定されてボタン本体91の上部を覆う装飾部92と、を備えており、遊技が行われる際に遊技者により押圧操作されて、スイッチ部95に検知信号を出力させる。なお、以下の記載において、押しボタン部90が解除位置から押圧方向へ摺動して、スイッチ部95に検知信号を出力させない状態から検知信号を出力させる状態となる押しボタン部90の位置を、動作位置とも記載する。マックスベットボタンユニットMBを押圧操作する際に遊技者の指が触れる面、即ち装飾部92の操作面92aは、左右方向の大きさが大人の標準的な指の太さ2本分より十分に大きな値、例えば約40mmとなるように形成されて、遊技者により複数本の指で押圧操作されるように構成されている。
【0033】
動作位置は、解除位置から押圧位置まで間のいずれかの位置となるように設定されている。仮に、解除位置と動作位置との距離が小さく設定されている場合、ボタンばね94の経年劣化等による付勢力の低下や、埃等の挟み込み、振動、部品寸法のばらつき等により、遊技者の押圧操作によらず、押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させてしまう虞がある。また、動作位置と押圧位置との距離が小さく設定されている場合、埃等の挟み込み、部品寸法のばらつき等により、遊技者が押圧操作を行っても、押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させられない虞がある。このため、動作位置は、解除位置から、遊技者の押圧操作によらず押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させる虞がある位置までの第1の範囲、及び遊技者が押圧操作を行っても押しボタン部90がスイッチ部95に検知信号を出力させられない虞がある位置から、押圧位置までの第2の範囲を除く動作位置設定可能範囲に位置するように設定されている。例えば、第1の範囲は、解除位置から押圧方向へ0.5mm離間する位置までの範囲、第2の範囲は押圧位置から押圧方向とは反対の方向へ0.5mm離間する位置までの範囲となっている。
【0034】
また、解除位置と押圧位置との距離Lが大きい場合、動作位置設定可能範囲も大きくなり、動作位置を動作位置設定可能範囲内で自由に設定することができるが、一般に、解除位置と押圧位置との距離Lを大きく設定すると、操作性が低下して押圧操作により遊技者が疲労を感じる虞がある。また、設計段階で想定した動作位置と、製品を操作して実際に検知信号が出力される動作位置とは、部品寸法のばらつき等により、例えば、±0.2mmの誤差が生じる。このため、解除位置と押圧位置との距離Lを、第1の範囲及び第2の範囲と比較して十分に大きく確保できない場合は、動作位置は、解除位置と押圧位置との中央位置に設定されていることが望ましい。
【0035】
具体的には、本実施形態のマックスベットボタンユニットMBは、押しボタン部90が、解除位置から押圧方向へ約1mm摺動した際に押しボタン部90が動作位置に到達し、遮光部91aにより発光部95bからの光を遮光し、解除位置から押圧方向へ約2mm摺動した際に押圧位置に到達して、押しボタン部90が摺動支持部93に形成されている規制面93aに当接して、更なる押圧方向への移動が規制されるように構成されている。
【0036】
なお、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の構成は、マックスベットボタンユニットMBの構成に対して、押圧方向が後方(押しボタン部90の摺動する方向が前後方向)であること、装飾部92の大きさ及び動作に必要な力が異なるのみで、他の構成はマックスベットボタンユニットMBと同様であるため、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の構成についての説明を省略する。なお、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の装飾部92の操作面92aは、左右方向の大きさがマックスベットボタンユニットMBの装飾部92の操作面92aより小さな値、例えば約30mmとなるように形成されてかつマックスベットボタンユニットMBの装飾部92の操作面92aより小さな面積となるように形成されて、遊技者により1本の指で押圧操作されるように構成されている。
【0037】
マックスベットボタンユニットMB及びストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3は、上述のように構成されていることにより、ボタンばね94の経年劣化や、埃等の挟み込み、振動、それぞれの部品寸法のばらつき等を許容して、遊技者の押圧によって確実にマックスベットスイッチやストップスイッチとしてのスイッチ部95がオン動作、即ち検知信号を出力するように構成されている。
【0038】
また、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力、即ちボタンばね94の付勢力に抗してマックスベットボタンユニットMBの押しボタン部90を動作位置に保持する力は、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の動作に必要な力、即ちボタンばね94の付勢力に抗してストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の押しボタン部90を動作位置に保持する力より、大きい値となるように設定されている。具体的には、マックスベットボタンユニットMBの押しボタン部90を動作位置に保持するには、マックスベットボタンユニットMBのボタンばね94の付勢力に抗して、約1.0N(ニュートン)の力を要するように構成されている。また、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の押しボタン部90を動作位置に保持するには、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3のボタンばね94の付勢力に抗して、約0.7N(ニュートン)の力を要するように構成されている。
【0039】
これにより、遊技者が手の重さを利用して複数本の指で押圧可能なマックスベットボタンユニットMBの押しボタン部90を押圧する際には、遊技者に対して適度に大きな操作力を要求し、マックスベットボタンユニットMBを操作したことを遊技者が認識しやすくすると共に、遊技者が手の重さを利用せずに1本の指で押圧するストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の押しボタン部90を押圧する際には、遊技者が比較的に軽い力で操作可能とし、遊技者の疲労を軽減するように構成されている。また、このように構成されている場合、特に遊技者が長時間遊技を行う際における疲労軽減効果が大きい。また、このように、本実施形態のスロットマシン1では、押圧操作されるボタンの装飾部92の操作面92aの、左右方向の大きさや面積が大きいほど、ボタンの動作に必要な力が大きくなるように構成されている。
【0040】
2.上部ランプユニットの構成
次に、
図3を参照して、上部ランプユニット75の構成を説明する。上部ランプユニット75は、ベース部材53(
図1参照)に固定されている上部ランプベース80と、上レンズ82と、下レンズ81と、仕切り部材83と、発光ユニット40と、を有する。発光ユニット40は、複数のLED31,32(発光源)を有しており、上レンズ82、下レンズ81及び仕切り部材83の後方に配置されて、後述する発光ユニット40の各構成部品を互いに分解することなく上部ランプベース80に対して着脱可能に固定されている。また、発光ユニット40は、遊技の進行に応じた制御基板による演出制御により複数のLED31,32が発光、点滅、色の変化等を行い、後方から上レンズ82及び下レンズ81を照明する。具体的には、発光ユニット40は、上レンズ82の後方に配置されているLED31が発光することにより、上レンズ透光面82aに向けて光を照射可能に構成されていると共に、下レンズ81の後方に配置されているLED32が発光することにより、下レンズ透光面81aに向けて光を照射可能に構成されている。
【0041】
仕切り部材83は、前後方向において、発光ユニット40と、上レンズ82及び下レンズ81と、の間に配置されており、上部ランプベース80に固定されている。仕切り部材83は、上レンズ82と下レンズ81との間に配置され、発光ユニット40からの光を上レンズ82に導光する空間と、発光ユニット40からの光を下レンズ81に導光する空間と、に、発光ユニット40と、上レンズ82及び下レンズ81と、の間の空間を仕切る仕切り板83aを有している。下レンズ81は、透光性の透光材料で形成され、正面視において上レンズ82に対して下方に隣接して配置されると共に上部ランプベース80に固定されて、前方に向く下レンズ透光面81aを有している。下レンズ81は、上レンズ82の下端に沿って左右方向に延びて形成されており、下レンズ透光面81aの表面に凹凸を有して、透過する光が屈折するように構成されている。
【0042】
上レンズ82は、透光性の透光材料で形成され、上部ランプベース80に固定されて、前方に向く上レンズ透光面82aを有している。上レンズ82と仕切り部材83とは、拡散シート86と、拡散シート86の前方に配置されている印刷シート85と、を前後に挟んで固定している。拡散シート86は、可視光を透過する合成樹脂性のシートであり、表面に形成されている微小な凹凸で透過する光を複雑に屈折させることで発光源が直視されないようにして、発光ユニット40からの光によって遊技者が感じる眩しさを軽減すると共に、印刷シート85の後面に照射される光の偏りを軽減し、発光ユニット40からの光を前方へ均一に照射するように構成されている。印刷シート85は、可視光を透過する合成樹脂製のシートであり、前面85aにスロットマシン1の機種固有の文字や図形等が印刷されている。印刷シート85は、印刷の塗料や形状に応じて、発光ユニット40からの可視光の透過率が低い遮光部(不図示)と、発光ユニット40からの可視光の透過率が遮光部より高い透光部(不図示)と、を有している。遮光部は、例えば印刷シート85の前面85aに可視光の透過率が低いインクで印刷された文字や図形等である。このように、上部ランプユニット75は、遊技の進行に応じた制御基板による演出制御により、発光ユニット40が後方から拡散シート86及び印刷シート85を介して上レンズ透光面82aを照明し、また下レンズ透光面81aを照明して、これらを透過した可視光を遊技者が視認可能とすることにより、印刷シート85に印刷された文字や図形を浮かび上がらせたり、下レンズで屈折した光を見せたりすることにより、演出を盛り上げるように構成されている。
【0043】
また、上レンズ82、拡散シート86、印刷シート85及び下レンズ81は、発光ユニット40が上部ランプベース80に取付けられている状態を維持したまま、上部ランプベース80に対して着脱可能に構成されている。このように構成されて、スロットマシン1は、例えば、複数の製品のラインナップ間での共通部分のみ作り置きしておき、製造工程における最終工程で上レンズ82、拡散シート86及び印刷シート85等、機種固有の部品に係る部品を取付けることで、在庫管理を容易としている。また、このように構成されて、スロットマシン1は、市場から返却された中古品の印刷シート85等、機種固有の部品のみを交換して再度販売する際の作業を容易としている。
【0044】
3.発光ユニットの構成
次に、発光ユニット40の構成を説明する。発光ユニット40は、前面30a(表面)に設置されている複数のLED31,32や後面に設置されているコネクタ(不図示)等を有し、前面30aを前方に向けて配置されている発光基板30と、発光基板30の前面30aに対向して配置されているリフレクタ41(対向部材)と、発光基板30の後方に配置されて発光基板30の後面を保護する基板カバー42と、を有している。基板カバー42は、発光基板30の後方からリフレクタ41に固定されており、発光基板30を基板カバー42とリフレクタ41とにより挟んで支持している。基板カバー42には、発光基板30のコネクタが貫通するコネクタ孔42aが形成されており、基板カバー42がリフレクタ41に固定されている状態でコネクタに対して配線ケーブル(不図示)を挿抜可能に構成されている。
【0045】
図4及び
図5に示すように、リフレクタ41は、上部ランプベース80に複数のねじ(不図示)で固定されており、複数のLED31,32に対応する位置に複数のLED孔41a(開口)が形成されて、各LED孔41aがLED31,32を露出させるように構成されている。なお、1つのLED孔41aは、単数のLED31,32を露出させるように構成されていてもよいし、複数のLED31,32を露出させるように構成されていてもよい。また、リフレクタ41は、遮光性を有すると共に光を反射しやすい材料、例えば白色の合成樹脂で形成されている。リフレクタ41は、LED孔41aから露出するLED31,32の上下左右に形成されて、LED31,32の光を前方の遊技者へ向けて反射する反射面41bを有している。リフレクタ41は、前後方向に延設されている仕切り板41cを有している。仕切り板41cは、互いに隣接する2つのLED孔41aの間を仕切ってそれぞれのLED孔41aに対応するLED31,32からの光が互いに混ざらないようにしたり、発光基板30と上レンズ82及び下レンズ81(
図3参照)との間の空間と、発光ユニット40の周囲の空間と、を仕切って周囲への光漏れを低減したりしている。
【0046】
発光基板30は、前面30a及び後面のいずれか一方又は両方に、各LED31,32へ電力を供給するプリント配線(不図示)が形成されている。また、発光基板30は、制御基板に接続される不図示のコネクタや、不図示のIC、抵抗、コンデンサ等、即ちLED31,32以外の電子部品の全てを後面に有している。制御基板からの電力は、コネクタや、IC、抵抗、コンデンサ、プリント配線等を介して各LED31,32へ供給される。また、発光基板30は、発光源としての複数のLED31,32の全てを前面30aに有している。LED31,32は、上部LED31と、上部LED31の下方に配置されている上部LED31とは異なる種類のLEDである下部LED32と、からなり、それぞれ発光することにより発光基板30の前方の空間に光を照射する。下部LED32は、非対称性を有して下部LED32の向きを識別可能な識別部32cを有しており、複数の下部LED32が全て同じ向きとなるように発光基板30に設置されている。また、上部LED31は、非対称性を有して上部LED31の向きを識別可能な識別部31cを有しており、複数の上部LED31が全て同じ向きとなるように発光基板30に設置されている。
【0047】
発光基板30は、複数のLED31,32のそれぞれを識別可能にする文字列からなるLED番号識別表示31a,32a(識別表示)と、複数のLED31,32のそれぞれが設置される正しい向きを識別可能とする記号であるLED向き識別表示31b,32bと、が前面30aにおけるLED31,32のそれぞれの近傍に印刷されている。なお、本実施形態における「文字列」とは、文字や数字等を意味し、1字であるものを含む。各LED番号識別表示31a及び各LED向き識別表示31bは、各LED31の近傍に配置されており、各LED番号識別表示32a及び各LED向き識別表示32bは、各LED32の近傍に配置されている。
【0048】
各LED番号識別表示31a,32aは、部品の種類を識別させる表示と、部品が設置される位置を識別させる表示と、からなる。部品の種類を識別させる表示は、例えば「LED」の文字列であり、部品が設置される位置を識別させる表示は、例えば「LED」の文字列に隣接するそれぞれが重複しない数字、具体的には連番で付与された、各LED31,32が設置される位置のそれぞれに固有の固有番号である。LED番号識別表示31a,32aは、より具体的には、前面30aにおける各LED31,32のそれぞれの近傍に、文字列「LED1」、文字列「LED2」、文字列「LED3」、・・・、文字列「LEDn」と、印刷されている文字列である。また、複数のLED番号識別表示31aの文字列は、全て同じ向きとなるように配置され、複数のLED番号識別表示32aの文字列は、全て同じ向きとなるように配置されている。なお、複数のLED番号識別表示31aの全ての文字列は、スロットマシン1に取付けられている状態で読める向きとなるように配置されている。
【0049】
各LED向き識別表示31b,32bは、形状の非対称性により方向性を有する記号であり、各LED31,32が設置される正しい向きを識別可能に前面30aに印刷されている。作業者は、各LED向き識別表示31b,32bと、各LED31,32の識別部31c,32cと、を比較することにより、設置されている各LED31,32が正しい向きに配置されているか否かを識別することができるように構成されている。なお、上述したように、複数の下部LED31は、全て同じ向きとなるように発光基板30に設置されていると共に、複数の上部LED32は、全て同じ向きとなるように発光基板30に設置されている。このため、LED向き識別表示31bは、全て同じ向きとなるように発光基板30配置されていると共に、LED向き識別表示32bは、全て同じ向きとなるように発光基板30に配置されている。
【0050】
このように、本実施形態のスロットマシン1では、複数の下部LED32は全てが同じ向きに設置されていると共に下部LED32に対応するLED番号識別表示32a及びLED向き識別表示32bも全て同じ向きに印刷され、複数の上部LED31は全てが同じ向きに設置されていると共に上部LED31に対応するLED番号識別表示31a及びLED向き識別表示31bも全て同じ向きに印刷されているので、少なくとも同種のLED、即ち、複数の下部LED32、及び複数の上部LED31を、それぞれ検査する際に、作業者が各LED31,32が設置されている位置の固有番号や各LED31,32が正しい向きに設置されているか否かを識別する際の視認性を向上している。
【0051】
また、複数のLED番号識別表示31a,32a及び複数のLED向き識別表示31b,32bは、全てLED孔41aから露出するように配置されている。このように構成されていることにより、例えば、上レンズ82、拡散シート86、印刷シート85及び下レンズ81(
図3参照)が退避した状態又はスロットマシン1から発光ユニット40を取外した状態で作業者が発光ユニット40の検査を行う際に、発光ユニット40を分解することなく、発光基板30に設置されている各LED31,32の固有番号や各LED31,32が正しい向きに設置されているか否かを識別することができるように構成されている。
【0052】
4.本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態のスロットマシン1は、LED31,32を有する発光基板30に対向するリフレクタ41に形成されたLED孔41aが、LED31,32と、各LED31,32に固有のLED番号識別表示31a,32aと、LED向き識別表示31b,32bと、を露出させている。これにより、作業者は、発光ユニット40の前方に配置されてLED番号識別表示31a,32aの視認を妨げる部品が取外されている状態、即ち上レンズ82、拡散シート86、印刷シート85及び下レンズ81等を作業者の視点と発光基板30とを結ぶ作業者の視線から退避させた状態、かつ発光基板30とリフレクタ41とが分解されていない状態で、複数設置されているLED31,32のうちいずれのLED31,32であるかを識別することや、LED31,32が正しい向きに設置されているか否か等を確認することができる。このため、製造ラインでのスロットマシン1の半完成状態や、市場から返却された中古品を一部分解した状態等において、上記識別や確認を行う際の作業性の向上を図ることができる。
【0053】
また、本実施形態のスロットマシン1は、LED番号識別表示31a,32aの文字列のうち、同種のLEDに対応するLED番号識別表示の文字列は、全て同じ向きとなるように配置されている。即ち、LED番号識別表示31aの文字列とLED番号識別表示32aの文字列とは向きが異なっているが、複数のLED番号識別表示31aの文字列同士、及び複数のLED番号識別表示32aの文字列同士は、それぞれが同じ向きとなるように配置されている。これにより、LED番号識別表示31a,32aの視認性が向上されて、作業者は、LED番号識別表示31a,32aの文字列を容易に読取ることができるので、複数設置されているLED31,32のうちいずれのLED31,32であるかを識別する際の作業性の向上を図ることができる。
【0054】
また、本実施形態のスロットマシン1は、同種のLEDは全て同じ向きとなるように発光基板30に配置されている。即ち、複数のLED31同士、及び複数のLED32同士は、全て同じ向きとなるように発光基板30に配置されている。これにより、作業者は、LED31,32が正しい向きに設置されているか否かを容易に確認することができ、当該確認を行う際の作業性の向上を図ることができる。
【0055】
5.変形例
なお、本実施形態において、リフレクタ41は、LED孔41aが、LED31,32、LED番号識別表示31a,32a、及びLED向き識別表示31b,32bを露出させるように構成されているが、単一のLED孔41aが、LED31,32のうちいずれか1つ、LED番号識別表示31a,32aのうちいずれか1つ、及びLED向き識別表示31b,32bのうちいずれか1つを、露出させるように構成されているものに限定されない。リフレクタ41は、例えば、単一のLED孔41aが、複数の発光源と、これら発光源のそれぞれに対応する複数のLED番号識別表示及び複数のLED向き識別表示を露出させるように構成されていてもよい。
【0056】
また、本実施形態において、基板としての発光基板30及び発光基板30の前面30aに対向して配置されている対向部材としてのリフレクタ41は、いずれも上扉ユニット50Uの上部ランプユニット75の一部として構成されているが、これに限定されない。基板及び対向部材は、例えば、サイドランプユニット76L,76R、ランプ装置77、ナビランプユニット78、可動役物71、マックスベットボタンユニットMB、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3及び演出ボタンSBの一部として構成されていてもよい。また、基板及び対向部材は、リールユニットREの一部として構成されていてもよい。例えば、第1リールR1〜第3リールR3を内側から前方へ向けて照明するバックライト基板が本実施形態における基板を構成し、バックライト基板の表面に対向して配置されているバックライトリフレクタが本実施形態における対向部材を構成してもよい。また、バックライト基板は、表面に設置されている発光源としての上段LED〜下段LEDの近傍に配置され、各発光源を識別可能にするLED番号識別表示や各発光源が設置される正しい向きを識別可能にするLED向き識別表示を有し、バックライトリフレクタは、バックライト基板の各発光源を露出させると共にバックライト基板のLED番号識別表示やLED向き識別表示を識別可能となるように露出させる上段開口〜下段開口を有するように構成されていてもよい。このように構成されていることにより、作業者は、第1リールR1〜第3リールR3が退避した状態で、バックライト基板とバックライトリフレクタとを分解することなく、バックライト基板のLED番号識別表示やLED向き識別表示を識別することが可能となる。また、上段LED〜下段LEDは、それぞれ単一の発光源で構成されているものに限定されない。上段LED〜下段LEDは、複数の発光源、例えばステッピングモータの軸方向に並べてバックライト基板の表面に設置されている複数のLEDからそれぞれが構成されて、上段開口〜下段開口のうちいずれか1つが上記複数のLEDと、対応する複数のLED番号識別表示や複数のLED向き識別表示を露出させるように構成されていてもよい。
【0057】
また、本実施形態において、リフレクタ41のLED孔41aは、LED番号識別表示31a,32a、及びLED向き識別表示31b,32bの全体を露出させるように構成されているが、これに限定されない。LED孔41aは、LED番号識別表示31a,32a、及びLED向き識別表示31b,32bの少なくとも一部を露出させるように構成されていればよく、各LED31,32の固有番号及び各LED31,32が設置される正しい向きが識別可能となる程度に、LED番号識別表示31a,32a、及びLED向き識別表示31b,32bを露出させるように構成されていればよい。LED孔41aは、例えば、
図5(b)におけるLED向き識別表示31bの右半分のみを露出させ、又は
図5(c)におけるLED向き識別表示32bの下半分のみを露出させて、各LED31,32が設置される正しい向きが識別可能となるように構成されていてもよい。
【0058】
また、LED孔41aは、いずれか1つのLED番号識別表示31a,32aにおける50%以上(例えば上側半分以上、等)を露出させるように構成されていてもよいし、LED番号識別表示31a,32aの固有番号のみを露出させるように構成されていてもよい。また、LED孔41aは、いずれか1つ又は複数のLED番号識別表示31a,32aの全体を露出させないが、隣接する又は周辺に設置されているLED31,32に付与されて、識別可能となるように露出しているLED番号識別表示31a,32aの内容から、露出していないLED番号識別表示31a,32aの内容が類推可能となるように構成されていてもよい。具体的には、LED孔41aは、発光基板30に左右方向に沿って直線的に複数設置されているLED32に対して付与されているLED番号識別表示32aを、1つおきに露出させて、露出していないLED番号識別表示32aの内容を類推可能となるように構成されていてもよいし、左端のLED32及び右端のLED32に付与されているLED番号識別表示32aのみを露出させ、左端のLED32又は右端のLED32の内容から何個目のLED32に付与されているLED番号識別表示32aであるかを数えることにより、露出していないLED番号識別表示32aの内容を類推可能となるように構成されていてもよい。
【0059】
また、本実施形態において、LED番号識別表示31aの文字列とLED番号識別表示32aの文字列とは異なる向きとなるように配置されているが、これに限定されない。例えば、全てのLED番号識別表示31a,32aの文字列が同じ向きとなるように配置されていてもよいし、発光ユニット40が上部ランプベース80から外されていない状態で、全てのLED番号識別表示31a,32aの文字列が読める向きとなるように配置されていてもよい。このように構成されている場合、作業者は、LED番号識別表示31a,32aの文字列を更に容易に読取ることができる。また、スロットマシン1は、複数のLED番号識別表示31a,32aのうち一部の文字列の向きが、他のLED番号識別表示31a,32aの文字列の向きとは異なる例外的な向きとなるように配置されていてもよい。
【0060】
また、本実施形態において、LED31とLED32とは異なる向きとなるように発光基板30に配置されているが、これに限定されない。例えば、全てのLED31,32が同じ向きとなるように発光基板30に配置されていてもよい。このように構成されている場合、作業者は、LED31,32が正しい向きに設置されているか否かを更に容易に確認することができる。
【0061】
また、リフレクタ41が本実施形態における対向部材を構成するものとしたが、これに限定されない。対向部材は、発光基板30の前面30aに対向して配置されているものであればよく、例えば発光基板30のLEDが設置されている面を保護する基板カバーや、LED31,32からの光が互いに漏れて混ざらないように仕切る仕切り部材、LED31,32からの光を屈折させるレンズ部材、その他各種飾り部材等が本実施形態における対向部材を構成してもよい。
【0062】
また、本実施形態において、LED番号識別表示31a,32aやLED向き識別表示31b,32b等の識別表示は、発光基板30に設置されている複数のLED31,32の固有番号を識別可能であるように構成されているが、これに限定されない。識別表示は、例えば、基板に設置されている抵抗やICの固有番号を識別可能であるように構成されていてもよいし、基板に抵抗やICを設置する正しい向きを識別可能であるように構成されていてもよい。
【0063】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力が、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の動作に必要な力より大きい値となるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力と、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の動作に必要な力と、が同じ値、例えば、マックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力と、ストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の動作に必要な力と、が共に、1.0N及び0.7Nのいずれか一方の値となるように構成されていてもよい。このように、遊技を行う際に操作される複数種類のボタンの動作に必要な力が同じ値となるように構成された場合、遊技者に対して押下操作の際に違和感を与えることの防止を図ることができる。また、このように構成された場合、特に遊技者が短時間遊技を行う際において違和感を防止する効果が大きい。
【0064】
また、スロットマシン1は、前後方向に押下操作可能な演出ボタンSBの動作に必要な力がマックスベットボタンユニットMBの動作に必要な力より大きい値、例えば5N(ニュートン)となるように構成されていてもよい。このように構成されている場合、演出ボタンSBを押圧操作する際に遊技者の指が触れる操作面は、左右方向の大きさ及び面積がいずれもマックスベットボタンユニットMBより大きくなるように構成されていることが望ましい。なお、本実施形態の演出ボタンSBの構成は、マックスベットボタンユニットMBの構成に対して、押圧方向が後方(押しボタン部の摺動する方向が前後方向)であることと、装飾部92の大きさと、動作に必要な力と、解除位置から動作位置及び押圧位置へ到達するまでに摺動する長さと、が異なるのみで、他の構成はマックスベットボタンユニットMBと同様である。本実施形態の演出ボタンSBは、押しボタン部90が、解除位置から押圧方向へ約5mm摺動した際に押しボタン部90が動作位置に到達し、遮光部91aにより発光部95bからの光を遮光し、解除位置から押圧方向へ約10mm摺動した際に押圧位置に到達して、押しボタン部90が摺動支持部93に形成されている規制面93aに当接して、更なる押圧方向への移動が規制されるように構成されている。また、演出ボタンSBの押圧方向は後方であるように構成されているものに限定されない。演出ボタンSBの押圧方向は下方であるように構成されていてもよいし、前方であるように構成されていてもよいし、上述した方向以外の方向であるように構成されていてもよい。
【0065】
また、スロットマシン1は、演出ボタンSBの動作に必要な力がマックスベットボタンユニットMBやストップボタンユニットB1〜ストップボタンユニットB3の動作に必要な力より小さい値、例えば0.6から0.8N(ニュートン)のいずれかの値となるように構成されていてもよい。これにより、例えば、遊技者に対して演出ボタンSBを短時間のうちに連続押下させる演出を行う場合に、遊技者の疲労を軽減して、演出ボタンSBの操作性の向上を図ることができる。
【0066】
また、本実施形態においては、遊技機の一例である、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行うスロットマシンを例にして説明したが、本発明は、遊技球を遊技媒体として用いた遊技を行うスロットマシンや、入賞口への入球を抽選契機とした抽選が実行されるパチンコ機を含む弾球遊技機等の各種の遊技機に適用可能である。