特許第6783286号(P6783286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6783286
(24)【登録日】2020年10月23日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20201102BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20201102BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20201102BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20201102BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   G09F9/30 338
   G09F9/30 365
   G09F9/30 349Z
   G06F3/044 125
   G06F3/041 430
   H05B33/14 A
   H01L27/32
【請求項の数】17
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-205105(P2018-205105)
(22)【出願日】2018年10月31日
(65)【公開番号】特開2019-82687(P2019-82687A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2018年10月31日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0143997
(32)【優先日】2017年10月31日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】グォン, ヒャンミョン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ミンジュ
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジェウォン
(72)【発明者】
【氏名】パク, サンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ビョンフ
(72)【発明者】
【氏名】リー, サンフン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, サンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジョンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ソンジン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジェヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ユナ
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−199795(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0285038(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0288008(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G06F 3/041
G06F 3/044
H01L 27/32
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素が配置された表示領域、及びパッド領域、ルーティング領域及び前記パッド領域と前記ルーティング領域との間に配置されたベンディング領域を有する非表示領域を含む第1基板と、
前記ルーティング領域上に配置され、かつ前記表示領域の外縁を取り囲むように配置されたダムと、
前記表示領域を覆う第1無機膜、前記第1無機膜上に配置された第2無機膜、及び前記第1無機膜と前記第2無機膜との間に配置された有機膜を含む封止膜と、
前記パッド領域上かつ前記第2無機膜上に配置されたパッド電極と、
前記封止膜上に配置され、前記パッド電極と電気的に接続されている、タッチセンシング層と、
前記ベンディング領域上に配置された有機パターンと、
前記非表示領域に配置され、前記パッド電極及び前記ルーティング領域のルーティングラインと電気的に連結される接続ラインと
を含み、
前記パッド領域及び前記ベンディング領域は前記ダムの外側に配置されており、前記ルーティング領域は前記ベンディング領域と前記表示領域との間に配置されている、表示装置。
【請求項2】
前記タッチセンシング層は、第1タッチ電極、第2タッチ電極、及び絶縁膜を含み、前記パッド電極は前記タッチセンシング層の前記絶縁膜上に配置されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
記第1無機膜の終端と前記第2無機膜の終端は互いに一致する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板の表示領域に備えられる薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に配置される平坦化膜とをさらに含み、前記封止膜が前記平坦化膜上に配置される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記有機パターンは前記平坦化膜と同一層に配置される、請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記接続ラインは第1及び第2接続ラインを含み、
前記第1及び第2接続ラインは互いに異なる層に配置される、請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1接続ラインは前記薄膜トランジスタのゲート電極と同一層に配置される、請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2接続ラインは前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極と同一層に配置される、請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記有機パターンの上部が露出される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記封止膜は前記有機パターンの前記上部を露出させるように、前記有機パターンの少なくとも一部の上には配置されていない、請求項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2接続ラインは前記第1接続ライン上に配置され、コンタクトホールを介して前記第1接続ラインの一側と電気的に連結され、
記第2接続ラインと同一層で互いに離隔して配置され、コンタクトホールを介して前記第1接続ラインの他側と電気的に連結される第3接続ラインをさらに含み、
前記封止膜上に配置され、タッチコンタクトホールを介して前記第3接続ラインと電気的に連結される第1タッチラインをさらに含み、
前記パッド電極はパッドコンタクトホールを介して前記第2接続ラインと電気的に連結される、請求項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2接続ラインの終端を覆うライン保護膜をさらに含み、
前記ライン保護膜は前記平坦化膜と同一層に配置される、請求項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記タッチセンシング層は、前記封止膜上に配置され、前記パッド電極と電気的に連結される前記第1タッチ電極と前記第1タッチ電極と同一層に離隔して配置される前記第2タッチ電極をブリッジコンタクトホールを介して電気的に連結するブリッジ電極と、
前記封止膜を覆い、前記ブリッジ電極上に配置された絶縁膜とをさらに含む、
請求項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1タッチラインは前記ルーティング領域で前記封止膜の側面上に配置される、請求項11に記載の表示装置。
【請求項15】
第1基板の表示領域に画素を形成し、前記第1基板の非表示領域に第1〜第3接続ラインを有する接続ライン、有機パターン、及び前記表示領域を取り囲むように配置されたダムを形成する段階と、
前記第1基板を全体的に覆うように前記第1基板上に第1無機膜を形成する段階と、
前記第1無機膜上に有機膜を形成する段階と、
前記第1無機膜と前記有機膜を全体的に覆うように前記第1無機膜上に第2無機膜を形成する段階と、
前記第2無機膜上にブリッジ電極を形成する段階と、
前記第1基板を全体的に覆うように前記ブリッジ電極上に絶縁膜を形成する段階と、
前記ブリッジ電極を露出させるブリッジコンタクトホール、前記第3接続ラインを露出させるタッチコンタクトホール、前記有機パターンを露出させるオープンホール、及び前記第2接続ラインを露出させるパッドコンタクトホールを形成する段階と、
前記ブリッジ電極及び前記第2及び第3接続ラインと電気的に連結される第1タッチ電極及び第1タッチライン、並びに第2タッチ電極、並びに前記パッドコンタクトホールを介して前記第2接続ラインに電気的に連結されるパッド電極を形成する段階とを含む、表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記ブリッジ電極を露出させる前記ブリッジコンタクトホール、前記第3接続ラインを露出させる前記タッチコンタクトホール、前記有機パターンを露出させる前記オープンホール、及び前記第2接続ラインを露出させる前記パッドコンタクトホール同時に形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ブリッジコンタクトホール、前記タッチコンタクトホール、前記オープンホール、及び前記パッドコンタクトホールを形成する前記段階は、
前記第2及び第3接続ラインと前記有機パターン上に備えられる前記第1無機膜の一部を残しておき、前記タッチコンタクトホール、前記オープンホール、及び前記パッドコンタクトホール上の前記第2無機膜及び前記絶縁膜を除去する段階と、
前記ブリッジ電極を露出させるブリッジコンタクトホール、前記第3接続ラインを露出させる前記タッチコンタクトホール、前記有機パターンを露出させる前記オープンホール、及び前記第2接続ラインを露出させる前記パッドコンタクトホールを同時に形成する段階とを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会が発展するに従って映像を表示するための表示装置に対する要求が多様な形態として増加している。これにより、最近では、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマ表示装置(PDP:Plasma Display Panel)、有機発光表示装置(OLED:Organic Light Emitting Display)のようなさまざまな表示装置が活用されている。
【0003】
表示装置のうち有機発光表示装置は自己発光型のもので、液晶表示装置(LCD)に比べ、視野角、コントラスト比などに優れ、別途のバックライトが必要でなく軽薄短小化が可能であり、消費電力で有利な利点がある。また、有機発光表示装置は、直流低電圧駆動が可能であり、応答速度が早く、特に製造コストが低い利点がある。
【0004】
ただ、有機発光表示装置は画素のそれぞれに有機発光素子を含んでいるが、有機発光素子が外部の水分、酸素のような外的要因によって易しく劣化する欠点がある。これを防止するために、有機発光表示装置は、外部の水分や酸素が有機発光素子に浸透しないように封止膜を形成する。
【0005】
封止膜は少なくとも一つの無機膜及び少なくとも一つの有機膜を含むことにより、有機発光層と電極に酸素又は水分が浸透することを防止する。ここで、少なくとも一つの有機膜は一般的にポリマー(polymer)からなり、液状で基板上に塗布された後、硬化工程を経ることによって形成される。このような有機膜は硬化工程前まで流動性を有するため、封止膜を形成しようとする領域外に、例えば複数のパッドが備えられたパッド領域に溢れる場合が発生し得る。これを防止するために、最近では、有機発光素子の外縁に沿って有機膜の流れを遮断するダムが形成されている。
【0006】
また、少なくとも一つの無機膜は、有機発光素子を酸素又は水分から保護するために、パッド電極が配置されるパッド領域を除いた有機発光素子の上部に全体的に形成される。従来の製造方法においては、パッド電極を露出させるために、パッド電極をカバーするマスク(mask)をパッド電極の上部に配置し、無機膜を形成した。無機膜がパッド領域には形成されないようにマスクをパッド電極に近く配置することになる。ここで、パッド領域をカバーするマスクの境界面とパッド電極の間にアーク放電(arcing)現象が発生し得る。マスクとパッド電極の間にアーク放電現象が発生する場合、マスクからパッド電極に流入した大電流がパッド電極に沿って表示装置の内部に流れて不良を引き起こすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述した問題点を解決するために案出されたもので、アーク放電現象を防止することができる表示装置及びその製造方法を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した技術的課題を達成するための本発明は、画素が配置された表示領域、及び表示領域を取り囲む非表示領域を含む第1基板と、表示領域を取り囲み、非表示領域に配置されるダムと、ダムの外側に配置されるパッド電極と、表示領域を覆い、第1無機膜及び第1無機膜上に配置される第2無機膜を含む封止膜とを含み、第2無機膜はパッド電極と重畳する表示装置及びその製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施例による表示装置は、第1無機膜がパッド領域まで延設されるから、パッド領域に第1無機膜を形成しないようにするために、パッド領域をカバーするマスクを配置する必要がない。
【0010】
したがって、本発明の一実施例による表示装置は、パッド領域にマスクを配置しないことにより、マスクの境界面とパッド領域に配置されるパッド電極又は金属ラインの間にアーク放電現象が発生することを防止することができ、マスクから流入する大電流が金属ラインに沿って表示装置の内部に流れて不良を引き起こすことを防止することができる。
【0011】
また、本発明の一実施例による表示装置は、ブリッジ電極の形成時に金属ラインが第1無機膜によって露出されないので、バッファー層を省略して製造コストを節減し、工程を減らすことができる。
【0012】
本発明で得られる効果は以上で言及した効果に制限されず、言及しなかった他の効果は下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例による表示装置を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施例による表示装置を示すブロック図である。
図3図1の表示パネルの一側を概略的に示す断面図である。
図4】本発明の一実施例による第1基板を概略的に示す平面図である。
図5】第1基板に配置されるタッチセンシング層を示す平面図である。
図6図5のI−I’線についての一実施例を示す断面図である。
図7】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図8a】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図8b】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図8c】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図8d】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図8e】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図8f】本発明の一実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図9a】本発明の他の実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図9b】本発明の他の実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図9c】本発明の他の実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
図9d】本発明の他の実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で記述される用語の意味は次のように理解されなければならないであろう。
【0015】
単数の表現は、文脈上明白に他に定義しない限り、複数の表現を含むものと理解されなければならなく、“第1”、“第2”などの用語は一構成要素を他の構成要素と区別するためのもので、これらの用語によって権利範囲が限定されてはいけない。“含む”又は“有する”などの用語は一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組合せなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。“少なくとも一つ”という用語は一つ以上の関連項目から提示可能な全ての組合せを含むものと理解されなければならない。例えば、“第1項目、第2項目及び第3項目の少なくとも一つ”の意味は、第1項目、第2項目又は第3項目のそれぞれだけでなく第1項目、第2項目及び第3項目の中で二つ以上から提示可能な全ての項目の組合せを意味する。“上に”という用語はある構成が他の構成のすぐ上面に形成される場合だけではなくこれらの構成の間に第3構成が挟まれる場合まで含むことを意味する。
【0016】
以下では、本発明による表示装置及びその製造方法の好適な例を添付図面に基づいて詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付け加えるにあたり、同じ構成要素に対しては、たとえ相異なる図に表示されていても、できるだけ同じ符号を有することができる。また、本発明の説明において、関連の公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにすることができると判断される場合には、その詳細な説明は省略することができる。
【0017】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施例による表示装置を示す斜視図、図2は本発明の一実施例による表示装置を示すブロック図である。
【0019】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例による表示装置は、表示パネル110、スキャン駆動部120、データ駆動部130、タイミングコントローラー160、ホストシステム170、タッチ駆動部180、及びタッチ座標算出部190を含む。
【0020】
本発明の実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)、電界放出表示装置(Field Emission Display:FED)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel、PDP)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display、OLED)、電気泳動表示装置(Electrophoresis、EPD)などの平板表示装置から具現されることができる。以下の実施例で、本発明の実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置が有機発光表示装置から具現されたものを中心に説明するが、これに限定されないことに注意すべきである。
【0021】
前記表示パネル110は、画素Pを備えて画像を表示する領域である表示領域を含む。表示パネル110には、データラインD1〜Dm(mは2以上の正の整数)とスキャンラインS1〜Sn(nは2以上の正の整数)が備えられる。データラインD1〜DmはスキャンラインS1〜Snと交差するように配置されることができる。画素Pはゲートラインとデータラインの交差構造によって定義される領域に備えられることができる。
【0022】
表示パネル110の画素PのそれぞれはデータラインD1〜Dmのいずれか一つとスキャンラインS1〜Snのいずれか一つに接続されることができる。表示パネル110の画素Pのそれぞれは、ゲート電極に印加されたデータ電圧によってドレイン−ソース間の電流を調整する駆動トランジスタ(transistor)、スキャンラインのスキャン信号によってターンオンされて、データラインのデータ電圧を駆動トランジスタのゲート電極に供給するスキャントランジスタ、駆動トランジスタのドレイン−ソース間の電流によって発光する有機発光ダイオード(organic light emitting diode)、及び前記駆動トランジスタのゲート電極の電圧を保存するためのキャパシター(capacitor)を含むことができる。これにより、画素Pのそれぞれは有機発光ダイオードに供給される電流によって発光することができる。
【0023】
前記スキャン駆動部120は前記タイミングコントローラー160からスキャン制御信号GCSを入力される。スキャン駆動部120はスキャン制御信号GCSによってスキャン信号をスキャンラインS1〜Snに供給する。
【0024】
スキャン駆動部120は表示パネル110の表示領域の一側又は両側の外側の非表示領域にGIP(gate driver in panel)方式で形成されることができる。もしくは、スキャン駆動部120は駆動チップから製作されて軟性フィルムに実装され、TAB(tape automated bonding)方式で表示パネル110の表示領域の一側又は両側の外側の非表示領域に付着されることもできる。
【0025】
前記データ駆動部130はタイミングコントローラー160からデジタルビデオデータDATAとデータ制御信号DCSを入力される。データ駆動部130は、データ制御信号DCSによってデジタルビデオデータDATAをアナログ正極性/負極性データ電圧に変換してデータラインに供給する。すなわち、スキャン駆動部120のスキャン信号によってデータ電圧が供給される画素Pが選択され、選択された画素Pにデータ電圧が供給される。
【0026】
データ駆動部130は複数のソースドライブICを含むことができる。複数のソースドライブICのそれぞれはCOF(chip on film)又はCOP(chip on plastic)方式で軟性フィルム140に実装されることができる。軟性フィルム140は異方性導電フィルム(antisotropic conducting film)を用いて表示パネル110の非表示領域に備えられたパッド上に付着され、これによって複数のソースドライブICはパッドに連結されることができる。
【0027】
前記回路ボード150は軟性フィルム140に付着されることができる。回路ボード150には駆動チップから具現された多数の回路が実装されることができる。例えば、回路ボード150にはタイミングコントローラー160が実装されることができる。回路ボード150はプリント基板(printed circuit board)又はフレキシブルプリント基板(flexible printed circuit board)であり得る。
【0028】
前記タイミングコントローラー160はホストシステム170からデジタルビデオデータDATA及びタイミング信号を入力される。タイミング信号は、垂直同期信号(vertical synchronization signal)、水平同期信号(horizontal synchronization signal)、データイネーブル信号(data enable signal)、ドットクロック(dot clock)などを含むことができる。垂直同期信号は1フレーム期間を定義する信号である。水平同期信号は表示パネルDISの1水平ラインの画素にデータ電圧を供給するのに必要な1水平期間を定義する信号である。データイネーブル信号は有効なデータが入力される期間を定義する信号である。ドットクロックは所定の短い周期で繰り返される信号である。
【0029】
タイミングコントローラー160は、スキャン駆動部120とデータ駆動部130の動作タイミングを制御するために、タイミング信号に基づいてデータ駆動部130の動作タイミングを制御するためのデータ制御信号DCSとスキャン駆動部120の動作タイミングを制御するためのスキャン制御信号GCSを発生する。タイミングコントローラー160はスキャン駆動部120にスキャン制御信号GCSを出力し、データ駆動部130にデジタルビデオデータDATAとデータ制御信号DCSを出力する。
【0030】
前記ホストシステム170は、ナビゲーションシステム、セットップボックス、DVDプレーヤー、ブルーレイプレーヤー、パソコン(PC)、ホームシアターシステム、放送受信機、フォンシステム(Phone system)などに具現されることができる。ホストシステム170はスケーラー(scaler)を内蔵したSoC(Systemonchip)を含み、入力映像のデジタルビデオデータDATAを表示パネル110に表示するのに適したフォーマットに変換する。ホストシステム170は、デジタルビデオデータDATAとタイミング信号をタイミングコントローラー160に伝送する。
【0031】
表示パネル110には、データラインD1〜DmとスキャンラインS1〜Snの他に、第1及び第2タッチ電極が形成されることができる。第1タッチ電極は第2タッチ電極と交差するように形成されることができる。第1タッチ電極は第1タッチラインT1〜Tj(jは2以上の正の整数を介して第1タッチ駆動部181に連結されることができる。第2タッチ電極は第2タッチラインR1〜Ri(iは2以上の正の整数)を介して第2タッチ駆動部182に連結されることができる。第1タッチ電極と第2タッチ電極の交差部のそれぞれにはタッチセンサーが形成されることができる。本発明の実施例においてはタッチセンサーが相互容量(mutual capacitance)から具現されたものを例示したが、これに限定されないことに注意すべきである。第1及び第2タッチ電極についての詳細な説明は図4に基づいて後述する。
【0032】
前記タッチ駆動部180は、第1タッチラインT1〜Tjを介して第1タッチ電極に駆動パルスを供給し、第2タッチラインR1〜Riを介してタッチセンサーのそれぞれのチャージ変化量をセンシングする。すなわち、図2では、第1タッチラインT1〜Tjが駆動パルスを供給するTxラインであり、第2タッチラインR1〜Riがタッチセンサーのそれぞれのチャージ変化量をセンシングするRxラインであるものを中心に説明した。
【0033】
タッチ駆動部180は、第1タッチ駆動部181、第2タッチ駆動部182、及びタッチコントローラー183を含む。第1タッチ駆動部181、第2タッチ駆動部182、及びタッチコントローラー183は一つのROIC(Read−out IC)内に集積することができる。
【0034】
前記第1タッチ駆動部181はタッチコントローラー183の制御の下で駆動パルスを出力する第1タッチラインを選択し、選択された第1タッチラインに駆動パルスを供給する。例えば、第1タッチ駆動部181は第1タッチラインT1〜Tjに順次駆動パルスを供給することができる。
【0035】
前記第2タッチ駆動部182は、タッチコントローラー183の制御の下でタッチセンサーのチャージ変化量を受信する第2タッチラインを選択し、選択された第2タッチラインを介してタッチセンサーのチャージ変化量を受信する。第2タッチ駆動部182は、第2タッチラインR1〜Riを介して受信されたタッチセンサーのチャージ変化量をサンプリングしてデジタルデータであるタッチローデータ(touch raw data、TRD)に変換する。
【0036】
前記タッチコントローラー183は、第1タッチ駆動部181で駆動パルスが出力される第1タッチラインを設定するためのTxセットアップ信号と、第2タッチ駆動部182でタッチセンサー電圧を受信する第2タッチラインを設定するためのRxセットアップ信号とを発生させることができる。また、タッチコントローラー183は、第1タッチ駆動部181と第2タッチ駆動部182の動作タイミングを制御するためのタイミング制御信号を発生させる。
【0037】
前記タッチ座標算出部190はタッチ駆動部180からタッチローデータ(TRD)を入力される。タッチ座標算出部190は、タッチ座標算出方法でタッチ座標(ら)を算出し、タッチ座標(ら)の情報を含むタッチ座標データHIDxyをホストシステム170に出力する。
【0038】
タッチ座標算出部190はMCU(Micro Controller Unit、MCU)から具現されることができる。ホストシステム170は、タッチ座標算出部190から入力されるタッチ座標データHIDxyを分析し、使用者によってタッチが発生した座標と連結された応用プログラム(application program)を実行する。ホストシステム170は、実行された応用プログラムによってデジタルビデオデータDATAとタイミング信号をタイミングコントローラー160に伝送する。
【0039】
タッチ駆動部180はソースドライブICに含まれるとかあるいは別途の駆動チップから製作されて回路ボード150上に実装されることができる。また、タッチ座標算出部190は駆動チップに製作されて回路ボード150上に実装されることができる。
【0040】
図3図1の表示パネルの一側を概略的に示す断面図である。
【0041】
図3を参照すると、表示パネル110は、第1基板111、第2基板112、第1及び第2基板111、112の間に配置された薄膜トランジスタ層10、有機発光素子層20、封止層30、及びタッチセンシング層40を含むことができる。
【0042】
前記第1基板111はプラスチックフィルム又はガラス基板であり得る。
【0043】
第1基板111上には前記薄膜トランジスタ層10が配置される。薄膜トランジスタ層10は、スキャンライン、データライン、及び薄膜トランジスタを含むことができる。薄膜トランジスタのそれぞれは、ゲート電極、半導体層、ソース電極及びドレイン電極を含む。スキャン駆動部がGIP(gate driver in panel)方式で形成される場合、スキャン駆動部は薄膜トランジスタ層10とともに形成されることができる。
【0044】
薄膜トランジスタ層10上には前記有機発光素子層20が配置される。有機発光素子層20は、第1電極、有機発光層、第2電極、及びバンクを含む。有機発光層のそれぞれは正孔輸送層(hole transporting layer)、発光層(organic light emitting layer)、及び電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。この場合、第1電極と第2電極に電圧が印加されれば、正孔と電子がそれぞれ正孔輸送層と電子輸送層を介して発光層に移動され、発光層で互いに結合して発光することになる。有機発光素子層20が配置された領域には画素Pが備えられるので、有機発光素子層20が配置された領域は表示領域と定義されることができる。表示領域の周辺領域は非表示領域と定義されることができる。
【0045】
有機発光素子層20上には前記封止層30が配置される。封止層30は有機発光素子層20に酸素又は水分が浸透することを防止する役割をする。封止層30は少なくとも一つの無機膜を含むことができる。
【0046】
封止層30上には前記タッチセンシング層40が形成される。タッチセンシング層40は使用者のタッチをセンシングするための第1及び第2タッチ電極を含み、第1タッチ電極を電気的に連結するかまたは第2タッチ電極を電気的に連結する、ブリッジ電極を含むことができる。
【0047】
以下では、図4図9に基づいて本発明の一実施例による封止層30及びタッチセンシング層40についてより具体的に説明する。
【0048】
図4は本発明の一実施例による第1基板を概略的に示す平面図、図5は第1基板に配置されるタッチセンシング層を示す平面図である。図6は本発明の一実施例による表示装置の断面図で、図5のI−I’線についての一実施例を示す断面図である。
【0049】
図4図6を参照すると、第1基板111は表示領域DAと非表示領域NDAに区分され、表示領域DAには画素Pが配置される。非表示領域NDAは表示領域DAを取り囲み、ダムDAMが形成され、ダムDAMの外側にベンディング領域BA及びパッド電極PADが形成されるパッド領域PAが備えられる。
【0050】
前記第1基板111上には薄膜トランジスタ層10及び有機発光素子層20が形成される。
前記薄膜トランジスタ層10は、薄膜トランジスタ210、ゲート絶縁膜220、層間絶縁膜230、及び平坦化膜241を含む。
【0051】
第1基板111の一面上にはバッファー膜が配置されることができる。前記バッファー膜は、透湿に弱い第1基板111を通じて侵透する水分から薄膜トランジスタ210と有機発光素子250を保護するために、第1基板111の一面上に配置されることができる。第1基板111の一面は第2基板112と向き合う面であり得る。バッファー膜は交互に積層された複数の無機膜からなることができる。例えば、バッファー膜は、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、SiONの一つ以上の無機膜が交互に積層された多重膜から形成されることができる。このようなバッファー膜は省略することができる。
【0052】
バッファー膜上には前記薄膜トランジスタ210が配置される。薄膜トランジスタ210は、アクティブ層211、ゲート電極212、ソース電極213及びドレイン電極214を含む。図6では、薄膜トランジスタ210が、ゲート電極212がアクティブ層211の上部に位置する上部ゲート(トップゲート、top gate)方式で形成されたものを例示したが、これに限定されないことに注意すべきである。すなわち、薄膜トランジスタ210は、ゲート電極212がアクティブ層211の下部に位置する下部ゲート(ボトムゲート、bottom gate)方式又はゲート電極212がアクティブ層211の上部及び下部の両方に位置するダブルゲート(double gate)方式で形成されることができる。
【0053】
第1基板111上には前記アクティブ層211が配置される。アクティブ層211はシリコン系半導体物質又は酸化物系半導体物質から形成されることができる。第1基板111とアクティブ層211の間には、アクティブ層211に入射する外部光を遮断するための遮光層が配置されることができる。
【0054】
アクティブ層211上には前記ゲート絶縁膜220が配置されることができる。ゲート絶縁膜220は無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、又はこれらの多重膜から形成されることができる。
【0055】
ゲート絶縁膜220上には前記ゲート電極212と第1接続ライン215が配置されることができる。前記第1接続ライン215はゲート電極212から離隔して非表示領域NDAに配置される。ゲート電極212とゲートラインは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか1種又はこれらの合金からなる単一層又は多重層から形成されることができる。
【0056】
ゲート電極212と第1接続ライン215上には前記層間絶縁膜230が配置されることができる。層間絶縁膜230は無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、又はこれらの多重膜から形成されることができる。
【0057】
層間絶縁膜230上には、前記ソース電極213、ドレイン電極214、第2接続ライン216、及び第3接続ライン217が配置されることができる。ソース電極213とドレイン電極214のそれぞれはゲート絶縁膜220と層間絶縁膜230を貫通するコンタクトホールを介してアクティブ層211に接続されることができる。また、第2接続ライン216及び第3接続ライン217は非表示領域NDAに配置され、層間絶縁膜230を貫通するコンタクトホールを介して第1接続ライン215に接続されることができる。ソース電極213、ドレイン電極214、第2接続ライン216、及び第3接続ライン217は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか1種又はこれらの合金からなる単一層又は多重層から形成されることができる。
【0058】
ソース電極213及びドレイン電極214上には薄膜トランジスタ210を絶縁するための保護膜が配置されることができる。保護膜は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、又はこれらの多重膜から形成されることができる。このような保護膜は省略することができる。
【0059】
ソース電極213及びドレイン電極214上には薄膜トランジスタ210による段差を平坦にするための前記平坦化膜241が配置されることができる。また、第3接続ライン217上には有機パターン242及びライン保護膜243が配置される。
【0060】
前記有機パターン242はダムDAMとパッド電極PADの間に配置され、第3接続ライン217の上部の一部を覆うように配置されることができる。このような有機パターン242は、第1基板111が曲がるベンディング領域BAで第3接続ライン217が外部に露出されることを防止し、保護する役割をする。また、有機パターン242には上部が露出されるオープンホールOHが備えられる。すなわち、有機パターン242の上部に配置され得る無機膜、一例として第1無機膜310、第2無機膜330、及び絶縁膜410を除去する。有機パターン242の上部に無機膜が配置される場合、ベンディング領域BAが曲がるとき、無機膜にクラック(crack)が発生することがあり、クラックが発生した無機膜に水分などが浸透することができるから、有機パターン242の上部に備えられる無機膜を除去する。
【0061】
前記ライン保護膜243は第3接続ライン217の終端を取り囲むように配置される。このようなライン保護膜243は非表示領域NDAの外端に配置される第3接続ライン217の終端を保護する。
【0062】
有機パターン242及びライン保護膜243は平坦化膜241と同じ層に配置され、同じ素材からなることができる。このような平坦化膜241、有機パターン242、及びライン保護膜243は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜から形成されることができる。
【0063】
薄膜トランジスタ層10上には前記有機発光素子層20が配置される。有機発光素子層20は、有機発光素子250とバンク260を含む。
【0064】
前記有機発光素子250とバンク260は平坦化膜241上に配置される。有機発光素子250は、第1電極251、有機発光層252、及び第2電極253を含む。前記第1電極251はアノード電極であってもよく、第2電極253はカソード電極であってもよい。
【0065】
第1電極251は平坦化膜241上に配置されることができる。第1電極251は保護膜と平坦化膜241を貫通するコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ210のソース電極213に接続される。第1電極251はアルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、及びAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)のような反射率の高い金属物質から形成されることができる。APC合金は銀(Ag)、パラジウム(Pd)、及び銅(Cu)の合金である。
【0066】
バンク260は、画素Pを区画するために、平坦化膜241上で第1電極251の縁部を覆うように配置されることができる。すなわち、バンク260は画素Pを定義する画素定義膜として役割する。バンク260は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜から形成されることができる。
【0067】
第1電極251とバンク260上には前記有機発光層252が配置される。有機発光層252は、正孔輸送層(hole transporting layer)、少なくとも一つの発光層(light emitting layer)、及び電子輸送層(electron transporting layer)を含むことができる。この場合、第1電極251と第2電極253に電圧が印加されれば、正孔と電子がそれぞれ正孔輸送層と電子輸送層を介して発光層に移動することになり、発光層で互いに結合して発光することになる。
【0068】
有機発光層252は白色光を発光する白色発光層からなることができる。この場合、第1電極251とバンク260を覆うように配置されることができる。また、第2基板112上にはカラーフィルター(図示せず)が配置されることができる。
【0069】
もしくは、有機発光層252は、赤色光を発光する赤色発光層、緑色光を発光する緑色発光層、又は青色光を発光する青色発光層からなることができる。この場合、有機発光層252は第1電極251に対応する領域に配置されることができ、第2基板112上にはカラーフィルターが配置されなくてもよい。
【0070】
第2電極253は有機発光層252上に配置される。有機発光表示装置が上部発光(top emission)構造に形成される場合、第2電極253は光を透過させることができるITO、IZOのような透明な金属物質(TCO、Transparent Conductive Material)、又はマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、又はマグネシウム(Mg)と銀(Ag)の合金のような半透過金属物質(Semi−transmissive Conductive Material)から形成されることができる。第2電極253上にはキャッピング層(capping layer)が配置されることができる。
【0071】
有機発光素子層20上には封止層30が第1基板111の表示領域DAはもちろんのこと、非表示領域NDAまで配置される。封止層30は、ダムDAM及び封止膜300を含む。
【0072】
前記ダムDAMは非表示領域NDAに配置され、封止膜300を構成する有機膜320の流れを遮断する。より具体的に、ダムDAMは表示領域DAの外縁を取り囲むように配置され、封止膜300を構成する有機膜320の流れを遮断することができる。また、ダムDAMは非表示領域NDAに配置され、封止膜300を構成する有機膜320がパッド電極PADに侵犯することができないように有機膜320の流れを遮断することができる。これにより、ダムDAMは有機膜320が表示装置の外部に露出されるとかパッド電極PADに侵犯することを防止することができる。
【0073】
このようなダムDAMは、第1ダムD1及び第2ダムD2を含むことができる。
【0074】
前記第1ダムD1は表示領域DAの外縁を取り囲むように配置され、封止膜300を構成する有機膜320の流れを1次的に遮断することができる。また、第1ダムD1は表示領域DAとパッド領域PAの間に配置され、パッド電極PAに有機膜320が侵犯することができないように有機膜320の流れを1次的に遮断することができる。
【0075】
前記第2ダムD2は第1ダムD1の外縁を取り囲むように配置され、第1ダムD1から離隔して並んで配置される。第2ダムD2は第1ダムD1の外側に溢れる有機膜320を2次的に遮断することができる。これにより、第1ダムD1及び第2ダムD2は、有機膜320が表示装置の外部に露出されるかあるいはパッド領域PAを侵犯することをより効果的に遮断することができる。
【0076】
このようなダムDAMは平坦化膜241又はバンク260と同時に形成されることができ、平坦化膜241又はバンク260と同じ物質からなることができる。この場合、ダムDAMは、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機物質から形成されることができる。
【0077】
前記封止膜300は表示領域DAを覆うように配置され、有機発光層252と第2電極253に酸素又は水分が浸透することを防止する役割をする。このために、封止膜300は少なくとも一つの無機膜と少なくとも一つの有機膜を含むことができる。例えば、封止膜300は、第1無機膜310、有機膜320、及び第2無機膜330を含むことができる。
【0078】
前記第1無機膜310は第2電極253上に配置される。第1無機膜310は第2電極253を覆うように配置される。本発明の一実施例による第1無機膜310は第2電極253を覆い、非表示領域NDAまで伸びてダムDAMを覆う。また、本発明の一実施例による第1無機膜310はダムDAMの外側に配置されるパッド領域PAまで伸びてパッド電極PADと重畳する。
【0079】
このような本発明の一実施例による表示装置100は、第1無機膜310がパッド領域PAまで延設されるから、パッド領域PAに第1無機膜310を形成しないために、パッド領域PAをカバーするマスクを配置する必要がない。よって、本発明の一実施例による表示装置100は、パッド領域PAにマスクを配置しないことにより、マスクの境界面とパッド領域PAに配置されるパッド電極PAD又は第3接続ライン217のような金属ラインの間にアーク放電現象が発生することを防止することができ、マスクから流入する大電流が金属ラインに沿って表示装置の内部に流れて不良を引き起こすことを防止することができる。
【0080】
前記有機膜320は第1無機膜310上に配置される。有機膜320は、異物(particles)が第1無機膜310を通過して有機発光層252と第2電極253に侵入することを防止するために、十分な厚さで形成されることができる。有機膜320は液状でインクジェット(inkjet)工程によって塗布された後、硬化工程によって形成されることができる。
【0081】
前記第2無機膜330は有機膜320上に配置される。第2無機膜330は有機膜320を覆うように配置される。本発明の一実施例による第2無機膜330は有機膜320を覆い、非表示領域NDAまで伸びてダムDAMを覆う。また、本発明の一実施例による第1無機膜310はダムDAMの外側に配置されるパッド領域PAまで伸びてパッド電極PADと重畳する。この時、本発明の一実施例による第1無機膜310及び第2無機膜330は終端の位置が同一であるように形成されることができる。
【0082】
このような本発明の一実施例による表示装置100は、第2無機膜330がパッド領域PAまで延設されるから、パッド領域PAに第2無機膜330を形成しないために、パッド領域PAをカバーするマスク(mask)を配置する必要がない。したがって、本発明の一実施例による表示装置100は、パッド領域PAにマスク(mask)を配置しないことにより、マスク(mask)の境界面とパッド領域PAに配置されるパッド電極PAD又は第3接続ライン217のような金属ラインの間にアーク放電(arcing)現象が発生することを防止することができ、マスク(mask)から流入する大電流が金属ラインに沿って表示装置の内部に流れて不良を引き起こすことを防止することができる。
【0083】
また、本発明の一実施例による表示装置100は、パッド領域PAに第1無機膜310が形成されているから、パッド領域PAにマスクを配置しても、マスクの境界面とパッド領域PAに配置されるパッド電極PAD又は第3接続ライン217のような金属ラインの間にアーク放電現象が発生しない。すなわち、第1無機膜310が絶縁膜の役割をすることができる。このように、本発明の一実施例による表示装置100は、パッド領域PAまで形成された第1無機膜310が絶縁膜の役割をすることにより、第2無機膜330の製造工程でパッド領域PAにマスクを配置してもアーク放電現象が発生しない。
【0084】
このような第1及び第2無機膜310、330のそれぞれは、シリコン窒化物、アルミニウム窒化物、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、又はチタン酸化物から形成されることができる。有機膜320は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)又はポリイミド樹脂(polyimide resin)から形成されることができる。
【0085】
前記封止層30上にはタッチセンシング層40が形成される。前記タッチセンシング層40は、ブリッジ電極BE、絶縁膜410、第1タッチ電極TE1、第2タッチ電極TE2、パッド電極PAD及びパッシベーション膜420を含む。
【0086】
本発明の一実施例による表示装置100は、封止膜300の上面にブリッジ電極BEが形成され、封止膜300とブリッジ電極BEの間に無機膜が形成されない。従来の表示装置100は、ブリッジ電極BEの形成時に露出されたパッド電極PAD又は金属ラインを保護するために封止膜300上にバッファー層を形成したが、本発明の一実施例による表示装置100は、ブリッジ電極BEの形成時に第3接続ライン217のような金属ラインが第1無機膜310及び第2無機膜330によって露出されないので、バッファー層を形成する必要がない。よって、本発明の一実施例による表示装置100は、バッファー層を省略して製造コストを節減し、工程を減らすことができる。
【0087】
第2無機膜330上には前記ブリッジ電極BEが配置される。ブリッジ電極BEは、第1タッチ電極TE1と第2タッチ電極TE2がそれらの交差領域で互いに短絡することを防止するために、第1方向に隣り合った第1タッチ電極TE1を電気的に連結する。ブリッジ電極BEは第1及び第2タッチ電極TE1、TE2と違う層に配置され、ブリッジコンタクトホールBCTを介して隣接した第1タッチ電極TE1に接続されることができる。ブリッジ電極BEは第2タッチ電極TE2と交差することができる。
【0088】
ブリッジ電極BE上には絶縁膜410が配置される。絶縁膜410はブリッジ電極BEを覆うように配置され、ブリッジ電極BEと第1及び第2タッチ電極TE1、TE2を絶縁させる。本発明の一実施例による絶縁膜410はブリッジ電極BEを覆い、非表示領域NDAまで伸びてパッド領域PAまで形成されることができる。本発明の一実施例による絶縁膜410はダムDAMの外側に配置されるパッド領域PAまで伸びて配置されることができる。
【0089】
このような本発明の一実施例による表示装置100は、絶縁膜410がパッド領域PAまで延設されるから、パッド領域PAに絶縁膜410を形成しないために、パッド電極PADをカバーするマスクをパッド電極PADの上部に配置する工程が必要ない。
【0090】
第3接続ライン217上に形成された第1無機膜310、第2無機膜330及び絶縁膜410はブリッジコンタクトホールBCTの形成工程で同時に除去されることができる。すなわち、ブリッジコンタクトホールBCTとパッドコンタクトホールPCTは同時に形成されることができる。
【0091】
絶縁膜410上には前記第1タッチ電極TE1及び第2タッチ電極TE2が配置される。第1タッチ電極TE1、第2タッチ電極TE2、第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2は同じ層に配置されることができる。第1タッチ電極TE1は第1方向(y軸方向)に配置されて互いに連結され、第2タッチ電極TE2は第2方向(x軸方向)に配置されて互いに連結される。第1方向(y軸方向)はスキャンラインS1〜Snに平行な方向であり、第2方向(x軸方向)はデータラインD1〜Dmに平行な方向であり得る。もしくは、第1方向(y軸方向)はデータラインD1〜Dmに平行な方向であり、第2方向(x軸方向)はスキャンラインS1〜Snに平行な方向であり得る。
【0092】
第1方向(y軸方向)に連結された第1タッチ電極TE1のそれぞれは第2方向(x軸方向)に隣接した第1タッチ電極TE1と電気的に絶縁される。第2方向(x軸方向)に連結された第2タッチ電極TE2のそれぞれは第1方向(y軸方向)に隣接した第2タッチ電極TE2と電気的に絶縁される。
【0093】
これにより、第1タッチ電極TE1と第2タッチ電極TE2の交差領域にはタッチセンサーに相当する相互容量(mutual capacitance)が形成されることができる。
【0094】
第1方向(y軸方向)に互いに連結された第1タッチ電極TE1の一側端に配置された第1タッチ電極TE1は非表示領域NDAで第1タッチラインTL1と連結されることができる。第1タッチラインTL1は第1タッチ電極TE1から伸びて非表示領域NDAまでパターンを形成することができる。より具体的に、本発明の一実施例による第1タッチラインTL1は封止膜300上でダムDAMの上部まで延設され、タッチコンタクトホールTCTによって下部に配置される第2接続ライン216と電気的に連結される。すなわち、本発明の一実施例による第1タッチラインTL1はベンディング領域BAに形成されない。このような第1タッチラインTL1は第1接続ライン215、第2接続ライン216、及び第3接続ライン217からパッド電極PADと電気的に接続され、パッド電極PADを介して第1タッチ駆動部181に連結されることができる。よって、第1方向(y軸方向)に互いに連結された第1タッチ電極TE1は第1タッチラインTL1を介して第1タッチ駆動部181から駆動パルスを入力されることができる。
【0095】
第2方向(x軸方向)に互いに連結された第2タッチ電極TE2の一側端に配置された第2タッチ電極TE2は非表示領域NDAで第2タッチラインTL2と連結されることができる。第2タッチラインTL2は第2タッチ電極TE2から伸びて非表示領域NDAまでパターンを形成することができる。より具体的に、本発明の一実施例による第2タッチラインTL2は封止膜300上でダムDAMの上部まで延設され、タッチコンタクトホールTCTによって下部に配置される第2接続ライン216と電気的に連結される。すなわち、本発明の一実施例による第2タッチラインTL2はベンディング領域BAに形成されない。このような第2タッチラインTL2は第1接続ライン215、第2接続ライン216、及び第3接続ライン217からパッド電極PADと電気的に接続され、パッド電極PADを介して第2タッチ駆動部182に連結されることができる。よって、第2タッチ駆動部182は第2方向(x軸方向)に互いに連結された第2タッチ電極TE2のタッチセンサーのチャージ変化量を入力されることができる。
【0096】
前記パッド電極PADはダムDAMとベンディング領域BAの外側に配置されるパッド領域PAに配置される。より具体的に、本発明の一実施例によるパッド電極PADは第3接続ライン217、ライン保護膜243、第1無機膜310、第2無機膜330、及び絶縁膜410上に配置されることができ、第1無機膜310及び第2無機膜330と重畳する。このような本発明の一実施例による表示装置100は、ベンディング領域BAで金属ラインが外部に露出されることを防止するために、パッド電極PADが第1無機膜310、第2無機膜330、及び絶縁膜410を貫通するパッドコンタクトホールPCTを介して第3接続ライン217と電気的に連結される。
【0097】
前記パッシベーション膜420は第1タッチ電極TE1及び第2タッチ電極TE2上に配置される。パッシベーション膜420は外部からの有害な環境を遮断して表示装置の特性安定化を維持する。また、パッシベーション膜420は第1タッチ電極TE1及び第2タッチ電極TE2上に配置されるだけでなく、第1タッチ電極TE1及び第2タッチ電極TE2の間に配置されることもできる。第1タッチ電極TE1のそれぞれはパッシベーション膜420によって第2タッチ電極TE2のそれぞれと絶縁されることができる。
【0098】
本発明の実施例は封止層30上にタッチセンシング層40を直接形成することにより、第1基板111と第2基板112の合着時、整列する必要がない。
【0099】
上述したように、本発明の一実施例による表示装置100は、第1無機膜310がパッド領域PAまで延設されるから、パッド領域PAに第1無機膜310を形成しないために、パッド領域PADをカバーするマスクを配置する必要がない。
【0100】
したがって、本発明の一実施例による表示装置100は、パッド領域PAにマスクを配置しないことにより、マスクの境界面とパッド領域PAに配置されるパッド電極PAD又は第3接続ライン217のような金属ラインの間にアーク放電現象が発生することを防止することができ、マスクから流入する大電流が金属ラインに沿って表示装置の内部に流れて不良を引き起こすことを防止することができる。
【0101】
また、本発明の一実施例による表示装置100は、パッド領域PAまで形成された第1無機膜310が絶縁膜の役割をすることにより、第2無機膜330の製造工程でパッド領域PAにマスクを配置してもアーク放電現象が発生しない。
【0102】
本発明の一実施例による表示装置100は、ブリッジ電極BEの形成時に第3接続ライン217のような金属ラインが第1無機膜310及び第2無機膜320によって露出されないから、バッファー層を形成する必要がない。したがって、本発明の一実施例による表示装置100は、バッファー層を省略して製造コストを節減し、工程を減らすことができる。
【0103】
図7は本発明の一実施例による表示装置の製造方法を説明するためのフローチャート、図8a〜図8fは本発明の一実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0104】
図8a〜図8fに示した平面図は前述した図6に示した本発明の一実施例による表示装置の製造方法に関するもので、同じ構成に対して同じ図面符号を付与した。以下では、図7及び図8a〜図8fに基づいて本発明の一実施例による表示装置の製造方法を説明する。
【0105】
一番目で、図8aに示すように、第1基板111の表示領域DAに画素Pを形成し、前記表示領域DAを取り囲む非表示領域NDAに第2及び第3接続ライン216、217、有機パターン242及びダムDAMを形成する。(S701)
【0106】
具体的に説明すると、まず、第1基板111上に薄膜トランジスタ210のアクティブ層211を形成する。より具体的に、スパッタリング法(Sputtering)又はMOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)などを用いて第1基板111上の全面にアクティブ金属層を形成する。その後、フォトレジストパターンを用いたマスク工程でアクティブ金属層をパターニングしてアクティブ層211を形成する。アクティブ層211はシリコン系半導体物質又は酸化物系半導体物質から形成されることができる。
【0107】
その後、アクティブ層211上にゲート絶縁膜220を形成する。ゲート絶縁膜220は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、又はこれらの多重膜から形成されることができる。
【0108】
その後、ゲート絶縁膜220上に薄膜トランジスタ210のゲート電極212及び第1接続ライン215を形成する。具体的に、スパッタリング法又はMOCVD法などを用いてゲート絶縁膜220上の全面に第1金属層を形成する。ついで、フォトレジストパターンを用いたマスク工程で第1金属層をパターニングしてゲート電極212及び第1接続ライン215を形成する。ゲート電極212及び第1接続ライン215は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか1種又はこれらの合金からなる単一層又は多重層から形成されることができる。
【0109】
その後、ゲート電極212上に層間絶縁膜230を形成する。層間絶縁膜230は、無機膜、例えばシリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)、又はこれらの多重膜から形成されることができる。
【0110】
その後、ゲート絶縁膜220と層間絶縁膜230を貫いてアクティブ層211を露出させるコンタクトホールと層間絶縁膜230を貫いてゲートライン215を露出させるコンタクトホールを形成する。
その後、層間絶縁膜230上に薄膜トランジスタ210のソース電極及びドレイン電極213、214、及び第2及び第3接続ライン216、217を形成する。具体的に、スパッタリング法又はMOCVD法などを用いて層間絶縁膜230上の全面に第2金属層を形成する。ついで、フォトレジストパターンを用いたマスク工程で第2金属層をパターニングしてソース電極及びドレイン電極213、214、及び第2及び第3接続ライン216、217を形成する。ソース電極及びドレイン電極213、214のそれぞれはゲート絶縁膜220と層間絶縁膜230を貫通するコンタクトホールを介してアクティブ層211に接続されることができる。また、第2及び第3接続ライン216、217は層間絶縁膜230を貫通するコンタクトホールを介して第1接続ライン215に接続されることができる。ソース電極及びドレイン電極213、214、及び第2及び第3接続ライン216、217は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)及び銅(Cu)のいずれか1種又はこれらの合金からなる単一層又は多重層から形成されることができる。
【0111】
その後、薄膜トランジスタ210のソース電極及びドレイン電極213、214上に、薄膜トランジスタ210による段差を平坦化するための平坦化膜241を形成する。第2及び第3接続ライン216、217上には有機パターン242及びライン保護膜243を形成する。平坦化膜241、有機パターン242、及びライン保護膜243は同時に形成されることができ、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜から形成されることができる。一方、ライン保護膜243は平坦化膜241及び有機パターン242より低い高さで形成されることができる。
【0112】
その後、平坦化膜241上に有機発光素子250を形成する。具体的に、平坦化膜241上に有機発光素子250の第1電極251を形成する。より具体的に、スパッタリング法又はMOCVD法などを用いて平坦化膜241上の全面に第3金属層を形成する。その後、フォトレジストパターンを用いたマスク工程で第3金属層をパターニングして第1電極251を形成する。第1電極251は平坦化膜241を貫通するコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ210のソース電極213に接続されることができる。第1電極251はアルミニウムとチタンの積層構造(Ti/Al/Ti)、アルミニウムとITOの積層構造(ITO/Al/ITO)、APC合金、及びAPC合金とITOの積層構造(ITO/APC/ITO)のような反射率の高い金属物質から形成されることができる。
【0113】
その後、画素Pを区画するために平坦化膜241上で第1電極251の縁部を覆うようにバンク260を形成するとともにダムDAMを形成する。このとき、ダムDAMは非表示領域NDAに形成される。ダムDAM及びバンク260のそれぞれは、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)などの有機膜から形成されることができる。
【0114】
一方、ダムDAMがバンク260と同時に形成されるものとして説明しているが、これに限定されなく、ダムDAMは平坦化膜241と同時に形成されることもできる。
【0115】
その後、第1電極251とバンク260上に有機発光層252を蒸着工程又は溶液工程で形成する。その後、有機発光層252上に第2電極253を形成する。第2電極253は画素Pに共通して形成される共通層であり得る。第2電極253は光を透過させることができるITO、IZOのような透明な金属物質(TCO、Transparent Conductive Material)から形成されることができる。第2電極253はスパッタリング法のような物理的気象蒸着法(physical vapor deposition)で形成されることができる。第2電極253上にはキャッピング層(capping layer)が形成されることができる。
【0116】
二番目で、図8bに示すように、第1基板111上に第1無機膜310を全体的に形成する。(S702)
【0117】
本発明の一実施例による第1無機膜310は第2電極253を覆い、非表示領域NDAまで伸びてダムDAM及び第3接続ライン217を覆うように形成される。このような本発明の一実施例による表示装置100は、第1無機膜310がパッド領域PAまで延設されるから、パッド領域PAに第1無機膜310を形成しないために、パッド領域PAをカバーするマスクをパッド領域PAに配置する必要がない。したがって、本発明の一実施例による表示装置100は、パッド領域PAにマスクを配置しないことにより、マスクの境界面と金属ラインの間にアーク放電現象が発生することを防止することができ、マスクから流入する大電流が表示装置の内部に流れて不良を引き起こすことを防止することができる。
【0118】
三番目で、図8cに示すように、第1無機膜310上に有機膜320を形成し、第1基板111上に第2無機膜330を全体的に形成し、第2無機膜330上にブリッジ電極BEを形成する。(S703)
【0119】
有機膜320は第1無機膜310を覆うように形成される。有機膜320は異物(particles)が第1無機膜310を通過して有機発光層252と第2電極253に侵入することを防止するために十分な厚さで形成されることが好ましい。第2無機膜330は有機膜を覆うように第1基板111上に全体的に形成される。
【0120】
第1及び第2無機膜310、330のそれぞれは、シリコン酸化物、シリコン窒化物、酸窒化珪素、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、又はチタン酸化物から形成されることができる。有機膜320は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)又はポリイミド樹脂(polyimide resin)から形成されることができる。
【0121】
その後、第2無機膜330の表示領域DAにブリッジ電極BEを形成する。このとき、ブリッジ電極BEはバンク260と重畳するように形成されることができるが、必ずしもそうではない。
【0122】
本発明の一実施例による表示装置100は、封止膜300上にバッファー層が形成されず、封止膜300の上面にブリッジ電極BEが形成される。従来の表示装置100は、ブリッジ電極BEの形成時に露出された金属ラインを保護するために封止膜300上にバッファー層を形成したが、本発明の一実施例による表示装置100は、ブリッジ電極BEの形成時に金属ラインが第1無機膜310によって露出されないので、バッファー層を形成する必要がない。よって、本発明の一実施例による表示装置100は、バッファー層を省略して製造コストを節減し、工程を減らすことができる。
【0123】
ブリッジ電極BEを形成する工程は、具体的にスパッタリング法又はMOCVD法などを用いて第2無機膜330上の全面に第4金属層を形成する。その後、フォトレジストパターンを用いたマスク工程で第4金属層をパターニングしてブリッジ電極BEを形成する。
【0124】
四番目で、図8dに示すように、第1基板111上に絶縁膜410を全体的に形成する。(S704)
【0125】
本発明の一実施例による絶縁膜410はブリッジ電極BEを覆い、非表示領域NDAまで伸びてダムDAM及び第3接続ライン217を覆うように形成される。このような本発明の一実施例による表示装置100は、絶縁膜410がパッド領域PAまで延設されるから、パッド領域PAに絶縁膜410を形成しないために、マスクをパッド領域PAに配置する工程が必要でない。
【0126】
五番目で、図8eに示すように、ブリッジコンタクトホールBCT、タッチコンタクトホールTCT、オープンホールOH、及びパッドコンタクトホールPCTを形成する。(S705)
【0127】
ブリッジコンタクトホールBCTは絶縁膜410を貫通してブリッジ電極BEを露出させる。タッチコンタクトホールTCTは第1及び第2無機膜310、330、及び絶縁膜410を貫通して第2接続ライン216を露出させる。オープンホールOHは第1及び第2無機膜310、330、及び絶縁膜410を貫通して有機パターン242を露出させる。パッドコンタクトホールPCTは第1及び第2無機膜310、330、及び絶縁膜410を貫通して第3接続ライン217を露出させる。このようなブリッジコンタクトホールBCT、タッチコンタクトホールTCT、オープンホールOH、及びパッドコンタクトホールPCTは食刻(etching)工程によって同時に形成されることができる。
【0128】
ブリッジ電極BEは絶縁膜410を貫通するブリッジコンタクトホールBCTを介して第1タッチ電極TE1に接続されて電気的に連結されることができる。
【0129】
第1及び第2タッチラインTL1、TL2は第1及び第2無機膜310、330、及び絶縁膜410を貫通するタッチコンタクトホールTCTを介して第2接続ライン216に接続されて電気的に連結されることができる。
【0130】
パッド電極PADは第1及び第2無機膜310、330、及び絶縁膜410を貫通するパッドコンタクトホールPCTを介して第3接続ライン217に接続されて電気的に連結されることができる。
【0131】
六番目で、図8fに示すように、第1及び第2タッチ電極TE1、TE2、第1及び第2タッチラインTL1、TL2、及びパッド電極PADを形成し、パッシベーション膜420を形成する。(S706)
【0132】
具体的に、絶縁膜410上に第1タッチ電極TE1、第2タッチ電極TE2、第1及び第2タッチラインTL1、TL2及びパッド電極PADを形成する。第1タッチ電極TE1は第1方向に一定の間隔で離隔して配置され、第2タッチ電極TE2は第2方向に互いに連結されるように形成される。このとき、第1タッチ電極TE1及び第2タッチ電極TE2のそれぞれは長方形、八角形、円形又は菱形を有することができる。
【0133】
第1方向に互いに連結された第1タッチ電極TE1の一側端に配置された第1タッチ電極TE1は非表示領域NDAで第1タッチラインTL1と連結されることができる。第1タッチラインTL1は第1タッチ電極TE1から伸びてダムDAMの上部までパターンを形成することができる。第1タッチ電極TE1、第1タッチラインTL1及びパッド電極PADは同じ層に形成されることができ、同じ物質から形成されることができる。
【0134】
第2方向に互いに連結された第2タッチ電極TE2の一側端に配置された第2タッチ電極TE2は非表示領域NDAで第2タッチラインTL2と連結されることができる。第2タッチラインTL2は第2タッチ電極TE2から伸びてダムDAMの上部までパターンを形成することができる。第2タッチ電極TE2、第2タッチラインTL2及びパッド電極PADは同じ層に形成されることができ、同じ物質から形成されることができる。
【0135】
このような第1タッチ電極TE1、第2タッチ電極TE2、第1タッチラインTL1及び第2タッチラインTL2は、光を透過させることができるITO、IZOのような透明な金属物質(TCO、Transparent Conductive Material)から形成されることができる。
【0136】
スパッタリング法又はMOCVD法などを用いて絶縁膜410上の全面に第5金属層を形成する。その後、フォトレジストパターンを用いたマスク工程で第5金属層をパターニングして第1タッチ電極TE1、第2タッチ電極TE2、第1タッチラインTL1、第2タッチラインTL2、及びパッド電極PADを形成する。
【0137】
その後、第1タッチ電極TE1、及び第2タッチ電極TE2上にパッシベーション膜420を形成する。
【0138】
図面に具体的に示されていないが、パッシベーション膜420が形成された第1基板111は第2基板112と合着される。接着層(図示せず)を介して第1基板111のパッシベーション膜420と第2基板112を接着することにより、第1基板111と第2基板112を合着することができる。接着層(図示せず)は透明な接着レジン(optically clear resin、OCR)又は透明な接着レジンフィルム(optically clear adhesive film、OCA)であり得る。
【0139】
このような本発明の一実施例による表示装置100は、第1無機膜310がパッド領域PAまで延設されるから、パッド領域PAに第1無機膜310を形成しないために、パッド領域PAをカバーするマスクを配置する必要がない。したがって、本発明の一実施例による表示装置100は、パッド領域PAにマスクを配置しないことにより、アーク放電現象が発生することを防止することができ、マスクから流入する大電流が表示装置の内部に流れて不良を引き起こすことを防止することができる。
【0140】
図9a〜図9dは本発明の他の実施例による表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0141】
図9a〜図9dに示した平面図は前述した図6に示した本発明の一実施例による表示装置の製造方法に関するものであり、同じ構成に対しては同じ図面符号を付与した。また、本発明の他の実施例による表示装置の製造方法は、ブリッジコンタクトホールBCT、タッチコンタクトホールTCT、オープンホールOH、及びパッドコンタクトホールPCTを形成する方法に関するものである。したがって、以下の説明では、ブリッジコンタクトホールBCT、タッチコンタクトホールTCT、オープンホールOH、及びパッドコンタクトホールPCTの製造方法のみについて説明し、同じ構成についての重複説明は省略する。
【0142】
一番目で、図9aに示すように、第1基板111上に絶縁膜410を全体的に形成する。
【0143】
二番目で、図9bに示すように、第2及び第3接続ライン216、217と有機パターン242の上部に備えられる第1無機膜310の一部を残しておき、タッチコンタクトホールTCT1、オープンホールOH1、及びパッドコンタクトホールTCT1上の第2無機膜330及び絶縁膜410を除去する。このとき、ブリッジコンタクトホールBCTは形成しない。一実施例と同様に、ブリッジコンタクトホールBCT、タッチコンタクトホールTCT、オープンホールOH、及びパッドコンタクトホールPCTを一括して食刻(etchcing)工程によって同時に形成する場合、ブリッジ電極BEと第2及び第3接続ライン216、217に損傷(damage)が発生することがある。よって、本発明の他の実施例による製造方法は、比較的厚い層を貫通しなければならないタッチコンタクトホールTCT1、オープンホールOH1、及びパッドコンタクトホールTCT1を第1無機膜310が一部残るように優先して形成し、ブリッジコンタクトホールBCTは形成しない。
【0144】
三番目で、図9cに示すように、ブリッジコンタクトホールBCT、タッチコンタクトホールTCT、オープンホールOH、及びパッドコンタクトホールPCTを形成する。
【0145】
タッチコンタクトホールTCT1、オープンホールOH1、及びパッドコンタクトホールTCT1に一部残された第1無機膜310とブリッジ電極BE上の絶縁膜410を食刻(etchcing)工程で同時に除去する。比較的薄く残った第1無機膜310とブリッジ電極BE上の絶縁膜410を、第2及び第3接続ライン216、217及びブリッジ電極BEに損傷を与えないように、弱い食刻(etchcing)工程で除去する。よって、本発明の他の実施例による製造方法は、ブリッジコンタクトホールBCT、タッチコンタクトホールTCT、オープンホールOH、及びパッドコンタクトホールPCTの形成時に第2及び第3接続ライン216、217及びブリッジ電極BEに損傷が発生することを防止することができる。
【0146】
四番目で、図9dに示すように、第1及び第2タッチ電極TE1、TE2、第1及び第2タッチラインTL1、TL2、及びパッド電極PADを形成し、パッシベーション膜420を形成する。
【0147】
図9a〜図9dに示した表示装置の製造方法は前述した図8a〜図8fで説明した一実施例による表示装置の製造方法と同一である。したがって、同じ構成についての重複説明は省略する。
【0148】
上述したように、本発明の一実施例による表示装置100は、パッド領域PAにマスク(mask)を配置しないことにより、マスク(mask)の境界面とパッド領域PAに配置されるパッド電極PAD又は第3接続ライン217のような金属ラインの間にアーク放電(arcing)現象が発生することを防止することができ、マスク(mask)から流入する大電流が金属ラインに沿って表示装置の内部に流れて不良を引き起こすことを防止することができる。
【0149】
また、本発明の一実施例による表示装置100は、パッド領域PAまで形成された第1無機膜310が絶縁膜の役割をすることにより、第2無機膜330の製造工程でパッド領域PAにマスク(mask)を配置してもアーク放電(arcing)現象が発生しない。
【0150】
また、本発明の一実施例による表示装置100は、ブリッジ電極BEの形成時に第3接続ライン217のような金属ラインが第1無機膜310及び第2無機膜320によって露出されないので、バッファー層を形成する必要がない。したがって、本発明の一実施例による表示装置100は、バッファー層を省略して製造コストを節減し、工程を減らすことができる。
【0151】
以上で添付図面に基づいて本発明の実施例をより詳細に説明したが、本発明は必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範疇内で多様に変形して実施可能である。したがって、本発明に開示された実施例は本発明の技術思想を限定するためのものではなくて説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。したがって、以上で記述した実施例は全ての面で例示的なもので、限定的なものではことを理解しなければならない。本発明の保護範囲は請求範囲によって解釈されなければならなく、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0152】
10 薄膜トランジスタ層
20 有機発光素子層
30 封止層
40 タッチセンシング層
100 タッチスクリーン一体型表示装置
110 表示パネル
111 第1基板(下部基板)
112 第2基板(上部基板)
120 ゲート駆動部
130 データ駆動部
131 ソースドライブIC
140 軟性フィルム
150 回路ボード
160 タイミングコントローラー
170 ホストシステム
180 タッチ駆動部
181 第1タッチ駆動部
182 第2タッチ駆動部
183 タッチコントローラー
190 タッチ座標算出部
210 薄膜トランジスタ
211 アクティブ層
212 ゲート電極
213 ソース電極
214 ドレイン電極
220 ゲート絶縁膜
230 層間絶縁膜
241 平坦化膜
242 ベンディング膜
243 ライン保護膜
250 有機発光素子
251 第1電極
252 有機発光層
253 第2電極
300 封止膜
310 第1無機膜
320 有機膜
330 第2無機膜
410 絶縁膜
420 パッシベーション膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図9a
図9b
図9c
図9d