【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、
本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法は、
(a)親水性シリカと水溶性アルカリ金属水酸化物を超純水に加水分解させた後、1時間以上攪拌して二酸化ケイ素の濃度が15%以上のケイ酸アルカリ水溶液を製造するステップと、
(b)前記ケイ酸アルカリ水溶液を超純水で希釈して二酸化ケイ素の濃度を希釈させながら1次冷却を行った後
、2次冷却を行い、0〜5℃の範囲のケイ酸アルカリ水溶液を製造するステップと、
(c)前記冷却されたケイ酸アルカリ水溶液をイオン交換塔に注入し、H
+型陽イオン交換処理してコロイドシリカゾル水溶液を製造するステップと、
(d)前記コロイドシリカゾル水溶液に第1添加剤を添加し、これを攪拌して解離溶出およびイオン交換するステップと、
(e)前記コロイドシリカゾル水溶液に第2添加剤を添加し、20〜80℃の範囲内で攪拌させてコロイドシリカの粒径を成長させるステップと、
(f)濾過膜に前記コロイドシリカゾル水溶液を用いてこれを濃縮させ、アンモニア水をさらに添加して湿潤ゲルを製造するステップと、
(g)前記湿潤ゲルを蒸発させた後、乾燥させて湿潤ゲルに含まれている水分を除去し、乾燥シリカゲルを製造するステップと、
(h)前記乾燥シリカゲルを加工して合成石英粉を製造するステップと、を含むことができる。
【0010】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(a)ステップの親水性シリカは、金属不純物の含有量が1ppm未満および比表面積の範囲が90〜300m
2/gであるヒュームドシリカ又は溶融シリカのうちいずれか1つを選択することができる。
【0011】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(a)ステップの水溶性アルカリ金属水酸化物は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムのうちいずれか1つである。
【0012】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(a)ステップの親水性シリカ
/アルカリ金属水酸化物のモル比は、1〜4.5であり、上記したモル比で前記親水性シリカおよびアルカリ金属水酸化物を反応させることができる。
【0013】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(b)ステップは、例えば、超純水の温度が0〜15℃の範囲内である。
【0014】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(b)ステップで製造されるケイ酸アルカリ水溶液は、二酸化ケイ素(SiO
2)の濃度が1〜6.5%の範囲内で製造することができる。
【0015】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(c)ステップのイオン交換塔は、空気遮断式密閉構造からなっており、前記ケイ酸アルカリ水溶液の二酸化炭素を吸収してケイ酸がゲルとして析出される現象を防止することができる。
【0016】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(c)ステップのイオン交換塔は、前記ケイ酸アルカリ水溶液を注入する前に、不活性ガスを真空置換又は圧入送風で注入して交換塔の内部空気を除去することができる。
【0017】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(d)ステップの第1添加剤は、塩酸、硝酸、硫酸および過酸化水素のうちいずれか1つを選択して添加することができる。
【0018】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(d)ステップは、ケイ酸の重合体粒子の内部に結合されたアルカリ金属および多価金属イオンを解離して溶出させることができる。
【0019】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(e)ステップの第2添加剤は、アンモニア水又はアミンのうちいずれか1つを選択して添加することができる。
【0020】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記第2添加剤は、電子グレード以上の薬液を用いて滴下速度を1分当たり1L未満に管理して前記コロイドシリカの局所ゲル化を防止することができる。
【0021】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(e)ステップで前記コロイドシリカの粒径を10nm以上に成長させることができる。
【0022】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(f)ステップの濾過膜は、空隙サイズが10〜15nmであり、耐薬品性の材料からなることができる。
【0023】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(f)ステップのアンモニア水は、電子グレード以上の薬液を用い、滴下速度を1分当たり1L未満で製造することができる。
【0024】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(f)ステップは、前記アンモニア水を添加した後、高周波、赤外線加熱、熱風加熱により湿潤ゲルを製造することができる。
【0025】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記高周波、赤外線加熱、熱風加熱は160℃未満に加熱して湿潤ゲルを製造することができる。
【0026】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(g)ステップは、水蒸気分圧の低い不活性ガス状態で赤外線ヒーターで前記湿潤ゲルを加熱させて前記湿潤ゲルに含有された水分を蒸発させ、真空状態で乾燥させることができる。
【0027】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記(h)ステップは、
(h)-1.前記乾燥シリカゲルを粉砕してシリカゲルの微粒子を生成するステップと、
(h)-2.前記シリカゲルの微粒子を酸水溶液又は超純水のうちいずれか1つで洗浄するステップと、
(h)-3.洗浄を完了したシリカゲルを乾燥するステップと、
(h)-4.乾燥シリカゲルを焼成するステップと、をさらに含むことができる。
【0028】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記粉砕は粉砕手段によって行われ、前記粉砕手段は、ロールミル、ボールミル、ディスクミル、ジェットミルのうちいずれか1つを選択して前記乾燥シリカゲルを粉砕し、ジルコニウム又は合成石英の材料からなることができる。
【0029】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記酸水溶液は、電子グレード以上の塩酸、硝酸、硫酸のうちいずれか1つを選択して用いられ、100℃以下の温度で加熱および攪拌を同時に行うことができる。
【0030】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記洗浄は、洗浄容器内で行われ、前記洗浄容器は、例えば、合成石英、フッ素樹脂、炭化ケイ素、窒化ケイ素のうちいずれか1つの材料からなる。
【0031】
本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記乾燥は、真空状態での不活性ガスを注入させた後、300℃未満の温度内で乾燥させることができる。
【0032】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記焼成は、真空状態で乾燥空気および不活性ガスを注入させることができる。
【0033】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記不活性ガスは、窒素、ヘリウム、水素、アルゴンのうちいずれか1つを選択して用いられ、露点が−40℃以下のガスを用いることができる。
【0034】
又、本発明の一実施例に係る合成石英粉の製造方法において、前記焼成温度は、100〜300℃、600〜1000℃、1200〜1300℃の区間に区画して行い、前記乾燥シリカゲルの多孔質を閉孔して合成石英粉を製造することができる。