(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6783295
(24)【登録日】2020年10月23日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】抗菌性生体内埋込用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20201102BHJP
【FI】
A61B17/80
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-503335(P2018-503335)
(86)(22)【出願日】2017年2月28日
(86)【国際出願番号】JP2017007822
(87)【国際公開番号】WO2017150542
(87)【国際公開日】20170908
【審査請求日】2019年10月23日
(31)【優先権主張番号】特願2016-38141(P2016-38141)
(32)【優先日】2016年2月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502322464
【氏名又は名称】メドトロニックソファモアダネック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100112634
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】杉野 篤史
(72)【発明者】
【氏名】福▲崎▼ 智司
【審査官】
槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0123485(US,A1)
【文献】
特表2013−528411(JP,A)
【文献】
特許第5175185(JP,B2)
【文献】
特表2002−536048(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/148800(WO,A1)
【文献】
国際公開第2017/150532(WO,A1)
【文献】
国際公開第2017/150534(WO,A1)
【文献】
国際公開第2017/150535(WO,A1)
【文献】
国際公開第2017/150537(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/80
A61L 27/04
A61L 27/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の材料と第二の材料から構成される生体内埋込用器具であって、
第一の材料の少なくとも表面は抗菌性金属を含み、
第二の材料の少なくとも表面は第一の材料より貴である抗菌性金属であり、
生体内に埋め込んで使用される際に当該第一の材料と当該第二の材料との間で電気回路が構成され、
電解質存在下において当該第一の材料から抗菌性金属のイオンが溶出し、
当該第一の材料表面及び/又は近傍を抗菌性とすること、及び
前記抗菌性生体内埋込用器具はプレートであり、
前記第二の材料を含む繊維が絡合あるいは接合してなる多孔質構造体の上に、前記第一の材料を含む繊維が絡合あるいは接合してなる多孔質構造体が積層されている
を特徴とする抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項2】
第一の材料と第二の材料から構成される生体内埋込用器具であって、
第一の材料の少なくとも表面は抗菌性金属を含み、
第二の材料の少なくとも表面は第一の材料より貴である抗菌性金属であり、
生体内に埋め込んで使用される際に当該第一の材料と当該第二の材料との間で電気回路が構成され、
電解質存在下において当該第一の材料から抗菌性金属のイオンが溶出し、
当該第一の材料表面及び/又は近傍を抗菌性とすること、及び
前記抗菌性生体内埋込用器具はプレートであり、
プレートの本体が前記第二の材料を含み、
前記第二の材料を含む中実部と、前記第二の材料を含む多孔質部とが積層されている
ことを特徴とする抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項3】
第一の材料と第二の材料から構成される生体内埋込用器具であって、
第一の材料の少なくとも表面は抗菌性金属を含み、
第二の材料の少なくとも表面は第一の材料より貴である抗菌性金属であり、
生体内に埋め込んで使用される際に当該第一の材料と当該第二の材料との間で電気回路が構成され、
電解質存在下において当該第一の材料から抗菌性金属のイオンが溶出し、
当該第一の材料表面及び/又は近傍を抗菌性とすること、及び
前記抗菌性生体内埋込用器具はプレートであり、
プレートの本体が前記第二の材料を含み、
前記第二の材料の粉末粒子を含む多孔質部の上に、前記第一の材料を含む多孔質部が積層されている
ことを特徴とする抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項4】
前記第一の材料は、コバルト、銀、亜鉛、銅、タングステン、マグネシウム、ニッケル、リンの少なくともいずれか一つの抗菌性金属を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項5】
前記第一の材料は、コバルト基含有合金である請求項1〜4のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項6】
前記コバルト基含有合金は、コバルト:29〜69mass%を含む、請求項5に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項7】
前記コバルト基含有合金が、コバルトクロム合金である請求項5又は6に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項8】
前記コバルトクロム合金は、クロム:18〜30mass%を含む、請求項7に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項9】
前記第二の材料は、チタンあるいはチタン基含有合金である請求項1〜8のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項10】
前記チタンあるいはチタン合金は、チタン:68〜100mass%を含む、請求項9に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項11】
前記第一の材料の表面積と第二の材料の表面積との比率が、第二の材料/第一の材料=0.2〜10.8の範囲にあることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
【請求項12】
前記第一の材料からコバルトイオンが7nmol/l〜81μmol/lの範囲で溶出することを特徴とする請求項4〜11のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体内埋込用器具に関し、特に生体内に埋め込まれて使用されている状態で抗菌性を発現する生体内埋込用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科用の生体内埋込用器具としては、ケージ、ワイヤー、プレート、スクリュー、ロッド、コネクター、クロスリンク、フック、セットスクリュー、人工椎体、人工椎間板など種々の器具が用いられている。これらの器具は、生体内に埋め込まれて使用される際に、菌により汚染される場合がある。生体内埋込用器具に菌が定着すると、菌の繁殖を防止することは非常に困難である。体内での菌の繁殖及び感染を防止するためには、生体内埋込用器具を取り出して取り替えるために外科的手術を行う必要があり、患者に対する負荷が非常に大きい。抗菌性生体内埋込用器具の提供が要望されている。
【0003】
生体内埋込用器具に抗菌性を付与する技術としては、インプラント本体の外面上に設けられた抗菌性金属を含む金属コンポーネントと、第1の端子及び第2の端子を備えた電源と、を有し、前記端子のうち一方は、前記金属コンポーネントと電気的連絡状態にあり、更に、前記電源の第1の端子と前記電源の第2の端子との間の電流路中に配置された絶縁体を有し、前記絶縁体は、植え込み時、前記インプラントシステムの外面に隣接して位置する導電性体組織又は体液を含む回路を構成することなしに前記第1の端子から流れる電流が前記第2の端子に到達するのを阻止する、医用インプラントシステムが提案されている(特許文献1)。特許文献1では、抗菌性金属として、銀、銅、銀と銅の両方、銀とカドミウムの両方、又は銀、銅及びカドミウムの組合せが挙げられている。特許文献1において、抗菌性を発現するためには、インプラント本体に加えて、外部の電源設備及び端子が必要であり、抗菌性を付与するために施術又は外部からの操作が必要となる。患者の負荷低減の観点からさらなる改良が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5175185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、患者の負荷軽減のため、生体内に埋め込むだけで抗菌性を発現できる生体内埋込用器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の具体的態様は以下のとおりである。
[1]第一の材料と第二の材料から構成される生体内埋込用器具であって、
第一の材料の少なくとも表面は抗菌性金属を含み、
第二の材料の少なくとも表面は第一の材料より貴である抗菌性金属であり、
生体内に埋め込んで使用される際に当該第一の材料と当該第二の材料との間で電気回路が構成され、
電解質存在下において当該第一の材料から抗菌性金属のイオンが溶出して、
当該第一の材料表面及び/又は近傍を抗菌性とすることを特徴とする抗菌性生体内埋込用器具。
[2]前記第一の材料は、コバルト、銀、亜鉛、銅、タングステン、マグネシウム、ニッケル、リンの少なくともいずれか一つの抗菌性金属を含むことを特徴とする[1]の抗菌性生体内埋込用器具。
[3]前記第一の材料は、コバルト基含有合金である[1]又は[2]の抗菌性生体内埋込用器具。
[4]前記コバルト基含有合金は、コバルト:29〜69mass%を含む、[3]に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
[5]前記コバルト基含有合金が、コバルトクロム合金である[3]又は[4]に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
[6]前記コバルトクロム合金は、クロム:18〜30mass%を含む、[5]に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
[7]前記第二の材料は、チタンあるいはチタン基含有合金である[1]〜[6]のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
[8]前記チタンあるいはチタン合金は、チタン:68〜100mass%を含む、[7]に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
[9]前記第一の材料の表面積と第二の材料の表面積との比率が、第二の材料/第一の材料=0.2〜10.8の範囲にあることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
[10]前記第一の材料からコバルトイオンが7nmol/l〜81μmol/lの範囲で溶出することを特徴とする[2]〜[9]のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
[11]前記抗菌性生体内埋込用器具はプレートであり、
プレートの本体が前記第二の材料を含み、
前記第一の材料をプレートの本体の少なくとも一部にコーティングしてなる、[1]〜[10]のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
[12]前記抗菌性生体内埋込用器具はプレートであり、
前記第二の材料を含む繊維が絡合あるいは接合してなる多孔質構造体の上に、前記第一の材料を含む繊維が絡合あるいは接合してなる多孔質構造体が積層されている、[1]〜[10]のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
[13]前記抗菌性生体内埋込用器具はプレートであり、
プレートの本体が前記第二の材料を含み、
前記第二の材料を含む中実部と、前記第二の材料を含む多孔質部とが積層されている、[1]〜[10]のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
[14]前記抗菌性生体内埋込用器具はプレートであり、
プレートの本体が前記第二の材料を含み、
前記第二の材料の粉末粒子を含む多孔質部の上に、前記第一の材料を含む多孔質部が積層されている、[1]〜[10]のいずれか1に記載の抗菌性生体内埋込用器具。
【発明の効果】
【0007】
本発明の生体内埋込用器具は、一旦生体内に埋め込んだ後に、外部からの操作又は施術なしに、抗菌性を発現できるので、患者に対する負荷を著しく軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)プレート1の平面図及び(b)プレート1の断面図である。
【
図2】別の実施態様の(a)プレート1の平面図及び(b)プレート1の断面図である。
【
図3】また別の実施態様の(a)プレート1の平面図及び(b)プレート1の断面図である。
【
図4】さらに別の実施態様の(a)プレート1の平面図及び(b)プレート1の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照しながら、本発明を説明する。
【0010】
本発明の抗菌性生体内埋込用器具は、第一の材料と第二の材料から構成される生体内埋込用器具であって、第一の材料の少なくとも表面は抗菌性金属を含み、第二の材料の少なくとも表面は第一の材料より貴であり、生体内に埋め込んで使用される際に当該第一の材料と当該第二の材料との間で電気回路が構成され、電解質存在下において当該第一の材料から抗菌性金属のイオンが溶出し、当該第一の材料表面及び/又は近傍を抗菌性とすることを特徴とする。本発明の抗菌性生体内埋込用器具は、少なくとも二種類の材料からなり、これら二種類の材料を生体内で接触させるだけで、短絡して電気回路が形成される。
【0011】
第一の材料は、コバルト、銀、亜鉛、銅、タングステン、マグネシウム、ニッケル、リンの少なくともいずれか一つの抗菌性金属を含み、コバルト基含有合金であることが好ましい。コバルト基含有合金は、コバルト:29〜69mass%を含むことがより好ましい。また、コバルト基含有合金が、クロム:18〜30mass%を含むコバルトクロム合金であることがさらに好ましい。
【0012】
第二の材料は、チタンあるいはチタン基含有合金であることが好ましい。チタンあるいはチタン合金は、チタン:68〜100mass%を含むことがより好ましい。
【0013】
第一の材料の面積と第二の材料の面積との比率は、第二の材料/第一の材料=0.2〜10.8の範囲にあることがより好ましい。
【0014】
コバルト:29〜69mass%を含むコバルト基含有合金から構成される第一の材料と、チタン:68〜100mass%を含むチタン合金から構成される第二の材料との組み合わせを用いる場合には、第一の材料からコバルトイオンが7nmol/l〜81μmol/lの範囲で溶出し、良好な抗菌性を提供する。
【0015】
図1は、(a)プレート1の平面図及び(b)プレート1の断面図である。プレート1は、プレート本体11を固定するスクリューを設置する複数のスクリューホール2を有する。プレート1の本体11は第二の材料1aと、第二の材料1aの表面の少なくとも一部をコーティングする第一の材料1bを含む。プレート1の形態は、本体の少なくとも表面を覆うコーティング1bを備える他、他の構造は一般的なプレートの構造を適宜採用することができる。プレート本体11は、第二の材料1aから構成され、本体11の少なくとも表面は第一の材料1bでコーティングされている。第一の材料の少なくとも表面は抗菌性金属を含み、第二の材料の少なくとも表面は第一の材料より貴であり、第一の材料と第二の材料とは電位差を有する材料の組合せであるため、第一の材料1bと第二の材料1aとが接触していることで短絡により電気回路が形成され、電解質存在下において第一の材料1bから抗菌性金属イオンが溶出し、プレート本体11の表面及び/又は近傍は抗菌性となる。
【0016】
図2(a)は、プレート1の本体11を第二の材料を含む繊維が絡合あるいは接合してなる多孔質構造体11aから構成し、この多孔質構造体1aの上に第一の材料を含む繊維が絡合あるいは接合してなる多孔質構造体11bが積層されている変形例の平面図であり、
図2(b)は断面図である。第一の材料及び第二の材料ともに繊維形状とすることで共に表面積が増大して第一の材料と第二の材料との接触面積が増え、また多孔質構造体とすることで、抗菌性金属イオンの溶出を増大させるばかりでなく、溶出を促進することができる。
【0017】
図3(a)は、プレート1の本体11を第二の材料の複数の粉末粒子が溶融されて形成される中実部21aから構成し、中実部21aの上に第二の材料の粉末粒子を焼結して形成される多孔質部21bが積層されている変形例の平面図であり、
図3(b)は中実部21aと多孔質部21bとの積層状態を示す説明図である。図示した形態においては、中実部21aの上に多孔質部21bが積層されているが、多孔質部21bの上に中実部21aが積層されていてもよい。中実部と多孔質部とを積層させるには、圧縮成型法や焼結法、拡散接合法、電子ビームやレーザーなどを用いた付加製造法(Additive Manufacturing)、金属粉末射出成型法(Metal Injection Molding)、放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)及びこれらの組合せなどを好適に用いることができる。第二の材料を粉末粒子のまま含む多孔質部が存在することによって、第二の材料の表面積が増大し、第一の材料に対する第二の材料の表面積比率を大きくすることができ、第一の材料からの抗菌性金属イオンの溶出量を増大させることができる。
【0018】
図4(a)は、プレート1の本体11を第二の材料の粉末粒子を焼結してなる多孔質部21cから構成し、多孔質部21cの上に第一の材料の粉末粒子を焼結してなる多孔質部21bが積層されている変形例の平面図であり、
図4(b)は多孔質部21cと多孔質部21bとの積層状態を示す説明図である。多孔質部21cと多孔質部21bとを積層させるには、圧縮成型法や焼結法、拡散接合法、電子ビームやレーザーなどを用いた付加製造法(Additive Manufacturing)、金属粉末射出成型法(Metal Injection Molding)、放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)及びこれらの組合せなどを好適に用いることができる。第一の材料及び第二の材料の多孔質部が存在することによって共に表面積が増大し、第一の材料と第二の材料との接触面積が増え、第一の材料からの抗菌性金属イオンの溶出量を増大させることができる。
【実施例】
【0019】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
[実施例1]
(試験片作製)
市販の生体適合性チタン合金(チタン含有量:88〜91mass%)及び生体適合性コバルトクロム合金(コバルト含有量:58〜69mass%、クロム含有量:26〜30mass%)を表1に示す種々の面積を有する厚さ3mmのコイン形状の試験片(試験片番号3のチタン合金のみ平板形状)に加工し、表1に示す種々の組合せで積層させて短絡させた。比較対象として、厚さ1mmの平板形状のポリエチレン製試験片(対照)、厚さ3mmのコイン形状のコバルトクロム合金製試験片(比較1)及び厚さ3mmのコイン形状のチタン合金性試験片(比較2)も同様に作製した。
【0021】
【表1】
【0022】
(抗菌性試験)
JIS Z2801抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果を参考に抗菌性評価を行った。
【0023】
表1に示す各試験片をペトリディッシュに設置し、普通ブイヨン培地(1/100)に懸濁させたStaphylococcus aureus(NBRC12732)を40μl滴下した。滴下した試験菌液の上にポリエチレンフィルムを被せ、35°Cにて24時間培養後、試験片から菌体を洗い出した。得られた洗い出し液を10倍希釈系列で段階希釈し、寒天平板培養法に供して35°Cにて24時間培養し、形成されたコロニー数(CFU: Colony Forming Unit)から生菌数を算出した。24時間接触後の対照のポリエチレン製試験片上の生菌数(Nc)と各試験片の生菌数(N)の対数値の差を抗菌活性値とした。
【0024】
【数1】
【0025】
表2に、各試験片の生菌数及び抗菌活性値を示す。抗菌活性値が2.0以上のとき、抗菌効果があるものと判断した。面積比(チタン合金製試験片の表面積/コバルトクロム合金製試験片の表面積)が大きくなるに従い、生菌数が小さくなった(抗菌活性値は大きくなった)。
【0026】
【表2】
【0027】
[実施例2]
(試験片作製)
チタン合金及びコバルトクロム合金からなる生体内埋込用器具(コバルトクロム合金に対するチタン合金の面積比を0.89に設計した)を作製した(生体内埋込用器具1)。比較例として、全く同じ形状のチタン合金のみからなる生体内埋込用器具も同様に作製した(生体内埋込用器具2)。
【0028】
【表3】
【0029】
(抗菌性試験)
ポリプロピレン製チューブに生体内埋込用器具を設置し、普通ブイヨン培地(1/100)に懸濁させたStaphylococcus aureus(NBRC12732)1mlに浸漬した。35°Cにて24時間培養後に溶液を回収した。得られた回収液を10倍希釈系列で段階希釈し、寒天平板培養法に供して35°Cにて24時間培養し、形成されたコロニー数(CFU: Colony Forming Unit)から生菌数を求めた。
【0030】
表4に各生体内埋込用器具の生菌数及び抗菌活性値を示す。チタン合金及びコバルトクロム合金の面積比を適切に設計した生体内埋込用器具1は、生菌数が著しく減少した。これに対して、チタン合金のみからなる生体内埋込用器具2では、生菌数の減少は認められなかった。
【0031】
【表4】