(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記陽極ターゲットよりも前記固定軸の前記第2部分に近い位置において前記回転体に設けられたロータと、前記真空外囲器を介して前記ロータと対向するステータと、を含むモータをさらに備える、
請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各実施形態では、陽極が回転する回転陽極型かつ陽極が接地された陽極接地型のX線管装置を開示する。但し、各実施形態にて開示する構造は、中性点接地型などの他種のX線管装置に適宜応用されても良い。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るX線管装置TDを概略的に示す断面図である。
この図に示すように、X線管装置TDは、X線管1と、ステータ2(ステータコイル)と、筐体3とを備えている。筺体3は、X線管1及びステータ2を収容している。
【0012】
X線管1は、固定軸10と、回転体20と、陽極ターゲット30と、真空外囲器40とを備えている。固定軸10の一部、回転体20、及び陽極ターゲット30は、真空外囲器40に収容されている。真空外囲器40は密閉され、内部が真空状態に維持されている。
【0013】
以下の説明においては、固定軸10の軸A1に沿う方向(図中の左右方向)を第1方向Xと呼び、第1方向Xと垂直に交わる方向(図中の上下方向)を第2方向Yと呼ぶ。さらに、第1方向X及び第2方向Yの双方と垂直に交わる方向を第3方向Zと呼ぶ。すなわち、
図1は、X線管装置TDのXY断面図に相当する。
【0014】
固定軸10は、第1方向Xにおいて、第1端部E1と、第2端部E2とを有している。さらに、固定軸10は、真空外囲器40に収容された第1部分11と、真空外囲器40の外部に延出した第2部分12とを有している。
図1の例において、固定軸10は、第1端部E1及び第2端部E2の双方に開口した中空構造を有している。固定軸10の内部には冷却液が流され、これによりX線管1が冷却される。
【0015】
回転体20は、固定軸10の第1部分11の周囲で、軸受により回転自在に支持されている。回転体20は、第1円筒21と、第2円筒22と、第3円筒23と、を備えている。第1円筒21、第2円筒22、及び第3円筒23は、固定軸10の軸A1(回転軸)と同軸的に設けられている。例えば、固定軸10、第1円筒21、第2円筒22、第3円筒23、及び陽極ターゲット5は、いずれも軸A1に沿うあらゆる方向の断面が軸A1に関して点対称の形状である。
【0016】
固定軸10の第1部分11と第1円筒21との間に形成される微小な隙間には、潤滑剤LMが充填されている。すなわち、回転体20は、第1部分11の外周面に相当する第1ラジアル軸受面と、第1円筒21の内周面に相当する第2ラジアル軸受面と、潤滑剤LMとを備えるラジアル動圧軸受により、第1部分11に対して回転自在に支持されている。なお、潤滑剤LMとしては、例えば液体金属を用いることができる。
【0017】
第2円筒22は、第1円筒21に接続され、第1円筒21の外周面との間に隙間を有した状態で第1端部E1の方向に延びている。陽極ターゲット30は、円環状に形成され、第2円筒22に接続されている。陽極ターゲット30は、固定軸10等と同軸的に設けられており、回転体20と一体的に回転する。陽極ターゲット30は、第2円筒22と一体的に形成されても良い。また、陽極ターゲット30は、第2円筒22を介さずに、第1円筒21と一体的に形成されても良い。
【0018】
陽極ターゲット30は、重金属等の金属材料で形成されている。一例として、陽極ターゲット30の金属材料としては、モリブデン合金を用いることができる。また、陽極ターゲット30は、第1端部E1の側の面(図中右側の面)に円環状のX線放射層31を有している。X線放射層31は、高温に耐え得るために、融点の高い金属材料で形成される必要がある。X線放射層31の金属材料としては、例えばタングステン合金を用いることができる。
【0019】
第3円筒23は、陽極ターゲット30よりも固定軸10の第2部分12に近い位置において第1円筒21に接続され、第2端部E2の方向に延びている。第3円筒23は、ステータ2とともにモータMを構成するロータの役割を担い、その材料としては例えば銅を用いることができる。第3円筒23は、真空外囲器40を介してステータ2と対向している。ステータ2は、真空外囲器40の外側を環状に囲むように設けられている。
【0020】
ステータ2は、第3円筒23に与える磁界を発生する。この磁界を第3円筒23が受けることにより、回転体20は、陽極ターゲット30とともに軸A1を中心に回転する。X線放射層31に対向して配置された陰極(不図示)に相対的に負の電圧が印加され、陽極ターゲット30に相対的に正の電圧が印加され、陰極及び陽極ターゲット30に電位差が生じる。陰極が備えるフィラメントから電子が放出され、この電子が陽極ターゲット30に向かって加速されて、X線放射層31に衝突する。これにより、X線放射層31から発生したX線は、真空外囲器40を透過し、さらに筐体3に設けられたX線放射窓を透過してX線管装置TDの外部に放出される。上記陰極は、例えば真空外囲器40の内部に配置されている。
【0021】
筐体3は、第1筐体3aと、第2筐体3bとを有している。これら第1筐体3a及び第2筐体3bは、ねじ止め等の適宜の手段により互いに接続されている。第1筐体3a及び第2筐体3bは、例えばアルミニウム合金の鋳物によって形成されている。また、第1筐体3a及び第2筐体3bの内部には、鉛或いは鉛合金を主成分とするX線遮蔽層が形成されている。上述の冷却液が水である場合、X線遮蔽層などの腐食を防止するために、X線遮蔽層を覆う防錆層がさらに形成されても良い。
【0022】
真空外囲器40は、少なくともステータ2と第3円筒23の間に位置する部分がガラス或いはセラミック材料などの絶縁部材41によって形成され、他の部分が金属材料によって形成されている。
図1の例において、真空外囲器40は、陽極ターゲット30に応じて突出した部分が第2筐体3bに接触した状態で、筐体3に対して固定されている。
【0023】
固定軸10は、第1端部E1の近傍において、真空外囲器40に対して気密に接続されている。また、固定軸10は、第1部分11と第2部分12の境界においても、真空外囲器40に対して気密に接続されている。このような構成において、固定軸10は、第1端部E1の近傍と第1部分11と第2部分12の境界で、真空外囲器40によって支持される。
【0024】
真空外囲器40において、第1端部E1の近傍を支持する部分は、第2筐体3bに接触する部分から連続的に金属材料で形成されている。したがって、第1端部E1の近傍においては、固定軸10が安定的に支持される。一方で、第1部分11と第2部分12の境界を支持する部分と第2筐体3bに接触する部分との間には非金属の絶縁部材41が介在する。したがって、第2端部E2の側では、固定軸10を安定的に支持することが困難となる。
【0025】
そこで、本実施形態では、支持体50を筐体3の内部に設け、この支持体50によって固定軸10の第2端部E2の近傍を支持している。以下、
図1に加え、
図2及び
図3を参照して、支持体50について説明する。
図2は、支持体50の概略的な斜視図である。
図3は、支持体50の一部及び固定軸10のYZ平面に沿う概略的な断面図である。
【0026】
図1及び
図2に示すように、支持体50は、第2方向Yに長尺な板状の部材である。支持体50の材料としては、例えばステンレス鋼などの防錆性に優れた金属材料を用いることができる。
【0027】
図1に示すように、支持体50の下端は、第2筐体3bに固定されている。この固定は、例えばねじ止めなどの適宜の方法を用いることができる。支持体50の上端には、支持面51が形成されている。
【0028】
本実施形態において、支持面51は、半円弧状に窪んだ曲面である。この曲面は、固定軸10の第2部分12の外周面の半径以上の曲率半径を有している。
図3に示すように、支持面51には固定軸10の第2部分12が置かれる。これにより、支持面51と固定軸10とが接触し、固定軸10が支持体50によって支持される。
【0029】
固定軸10は、支持体50に対して固定されていない。したがって、固定軸10は、支持面51に支持された状態で、軸A1の方向(第1方向Xと平行な方向)に移動可能である。
【0030】
以上説明した本実施形態において、固定軸10は、第1端部E1が真空外囲器40によって支持され、第2端部E2が支持体50によって支持される。これにより、固定軸10をいわゆる両持ち構造により安定的に支持することができる。
【0031】
また、真空外囲器40において、ステータ2と第2円筒22(ロータ)の間に位置する部分は非金属材料の絶縁部材41によって形成されている。これにより、ステータ2が発する磁界に起因した誘導電流の発生が防止される。結果として、モータMの駆動に際しての不要な発熱が抑制されるとともに、回転体20の回転効率を高めることができる。さらに本実施形態では、支持体50によって固定軸10を支持しているために、絶縁部材41に大きな負荷が加わらない。したがって、真空外囲器40の破損を防ぐことができる。
【0032】
固定軸10は、X線管装置TDの使用時の発熱により熱膨張し、その後の不使用時には温度低下に伴って収縮する。このような膨張及び収縮において、固定軸10は、主に軸A1の方向に大きく変形する。本実施形態において、支持体50は固定軸10を軸A1の方向に移動可能に支持している。したがって、固定軸10は、支持面51を摺動して変形することができる。これにより、固定軸10の膨張及び収縮に起因した応力の発生が抑制され、X線管装置TDの信頼性が向上する。
【0033】
なお、
図1の例では、固定軸10の第1端部E1の近傍を支持する真空外囲器40の厚さが、第1部分11と第2部分12の境界を支持する真空外囲器40の厚さよりも大きい。そのため、真空外囲器40は、第1端部E1の近傍では固定軸10の膨張及び収縮に伴う応力を受けても殆ど変形することなく固定軸10を強固に支持するが、第1部分11と第2部分12の境界においては固定軸10の膨張及び収縮に伴って変形し易い。これにより、固定軸10や真空外囲器40に発生する応力を緩和することができる。
【0034】
本実施形態に係るX線管装置TDは、例えばX線CT(Computed Tomography)装置のX線源として利用することができる。この場合、X線管装置TDは、YZ平面内で回転するように、X線CT装置の架台に取り付けられる。架台の回転中心は、
図1におけるX線管装置TDの上方に位置する。架台の駆動時には、X線管装置TDの回転に伴って、真空外囲器40や支持体50が取り付けられた第2筐体3bの底面に向けた遠心力が発生する。本実施形態の構成であれば、このときX線管1に加わる遠心力は、真空外囲器40と支持体50によって安定的に受けることができる。
以上のほかにも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
【0035】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、支持体50の構成において、第1実施形態と相違する。第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0036】
図4は、第2実施形態に係るX線管装置TDのXY平面に沿う概略的な断面図である。また、
図5は支持体50の概略的な斜視図であり、
図6は支持体50の一部及び固定軸10のYZ平面に沿う概略的な断面図である。
【0037】
各図に示すように、本実施形態における支持体50は、第1部材52と、第2部材53と、一対の雄ねじ54とを備えている。第1部材52、第2部材53、及び各雄ねじ54の材料としては、例えばステンレス鋼などの防錆性に優れた金属材料を用いることができる。
【0038】
図5及び
図6に示すように、第1部材52は、一対の脚部52a,52bと、各脚部52a,52bの上端を繋ぐブリッジ52cとを有している。さらに、第1部材52は、ブリッジ52cに設けられた一対の貫通孔52dを有している。例えば、各貫通孔52dは、雌ねじが設けられていない通し孔であり、第2方向Yに延びている。脚部52a,52b及びブリッジ52cは、一体的に形成されていても良いし、別個に形成されて互いに接続されていても良い。
図4に示すように、脚部52a,52bの下端は、第2筐体3bに固定されている。この固定は、例えばねじ止めなどの適宜の方法を用いることができる。
【0039】
図5及び
図6に示すように、第2部材53は、脚部52a,52b及びブリッジ52cで囲われた空間に配置されている。第2部材53の両側面は、それぞれ脚部52a,52bに接触している。第2部材53は、各貫通孔52dに対応する位置に設けられた一対の雌ねじ53aを有している。
図6の例において、各雌ねじ53aは第2方向Yに延び、第2部材53の上面から下面まで貫通している。但し、各雌ねじ53aは第2部材53を貫通していなくても良い。
【0040】
さらに、第2部材53は、ブリッジ52cと対向する上面に、支持面51を有している。例えば支持面51は、第1実施形態と同じく半円弧状に窪んだ曲面であり、固定軸10の第2部分12の外周面の半径以上の曲率半径を有している。なお、支持面51は、
図4に示すように、XY平面に沿う断面形状も、所定の曲率で丸められている。すなわち、支持面51は、円環面(トーラス面)の一部に相当する形状を有している。
【0041】
各雄ねじ54は、ブリッジ52cの上面から各貫通孔52dにそれぞれ通される。さらに、各雄ねじ54は、それぞれ各雌ねじ53aにねじ込まれる。これにより、第1部材52と第2部材53が互いに固定される。なお、各雄ねじ54と各雌ねじ53aとの締め過ぎを防止するために、各雄ねじ54の頭部とブリッジ52cの上面との間に弾性体を介在させても良い。この弾性体としては、例えば各雄ねじ54が通されたコイルばねや皿ばねなどを利用することができる。
【0042】
図6に示すように、第2部材53の支持面51には固定軸10の第2部分12が置かれる。このとき、支持面51は、第2部分12を介してブリッジ52cと対向する。支持面51は第2部分12と接触し、これにより固定軸10が支持体50によって支持される。また、固定軸10は、支持面51に支持された状態で、軸A1の方向(第1方向Xと平行な方向)に移動可能である。また、本実施形態では支持面51が円環面の一部に相当する形状を有するため、固定軸10と支持面51は滑らかに摺動する。
【0043】
第2筐体3bの内面には防水層やX線遮蔽層が形成されているため、第1実施形態の構成では、固定軸10の真空外囲器40によって支持された第1端部E1の高さと、第2端部E2を支持する支持面51の高さとを正確に一致させることが困難となる可能性がある。また、これらの高さを正確に一致させるためには、筐体3や真空外囲器40の精度を極めて高める必要がある。これに対し、本実施形態の構成では、各雄ねじ54を各雌ねじ53aにねじ込む量を調整することにより支持面51の高さを調整できるので、容易に固定軸10を精度良く支持することが可能となる。また、支持面51の高さを調整することで、固定軸10を適度に与圧することもできる。
その他、本実施形態からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0044】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、支持体50の構成において、上述の各実施形態と相違する。上述の各実施形態と同一又は類似の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0045】
図7は第3実施形態における支持体50を示す分解斜視図であり、
図8はこの支持体50を
図7とは異なる角度から見た分解斜視図である。各図に示す支持体50は、第2実施形態にて開示した支持体50と同じく、第1部材52と、第2部材53と、一対の雄ねじ54とを備えている。さらに、支持体50は、一対の雄ねじ55を備えている。
【0046】
第1部材52は、一対の脚部52a,52bと、これら脚部52a,52bを接続するブリッジ52cとを有している。ブリッジ52cは、第2実施形態と同じく一対の貫通孔52dを有している。さらに、ブリッジ52cは、第1方向Xに延びる一対の貫通孔52eを有している。貫通孔52eは、例えば雌ねじが設けられていない通し孔であり、第2方向Yに長尺な形状を有している。ブリッジ52cは、各貫通孔52eの間に、第2部材53が嵌め込まれる空間Sを形成する。
図7の例では、この空間Sに面するブリッジ52cの下面に、円弧状の凹部RSが設けられている。
【0047】
各脚部52a,52bは、貫通孔52fをそれぞれ有している。貫通孔52fは、雌ねじが設けられていない通し孔であり、第2方向Yに延びている。
【0048】
第2部材53は、支持面51と、一対の雌ねじ53aとを有している。支持面51は、第2実施形態と同じく、円環面の一部に相当する形状である。さらに、第2部材53は、一対の雌ねじ53bを有している。
【0049】
図8に示すように、第1部材52は、一対の第1平面F1を有している。各貫通孔52eは、これら第1平面F1にそれぞれ設けられている。また、
図7に示すように、第2部材53は、一対の第2平面F2を有している。各雌ねじ53bは、これら第2平面F2にそれぞれ設けられている。第1平面F1及び第2平面F2は、第1方向X(軸方向)と垂直に交わる面であり、YZ平面と平行である。但し、第1平面F1及び第2平面F2は、第1方向Xと垂直以外の角度で交わっても良い。
【0050】
図9は、支持体50の第2筐体3b及び固定軸10に対する取付例を示す斜視図である。
図10は、
図9に示す支持体50、第2筐体3b、及び固定軸10のYZ平面に沿う断面図である。
【0051】
本実施形態では、第2筐体3bが内面から突出する一対の台座60を有している。各台座60は、第2方向Yにおける上面に雌ねじ61を有している。各雌ねじ61には、スタッドボルト62の一方の雄ねじがねじ込まれている。さらに、このスタッドボルト62は、第1プレート63の貫通孔、脚部52a,52bの貫通孔52f、第2プレート64の貫通孔、ワッシャ65が順に通されている。スタッドボルト62の他方の雄ねじには、ナット66が締め付けられている。このようにして、第1部材52は第2筐体3bに固定されている。
【0052】
第1部材52に第2部材53を取り付けるに際しては、第1平面F1と第2平面F2とを接触させた状態で、各雄ねじ55をそれぞれ貫通孔52eを介して雌ねじ53bにねじ込む。さらに、各雄ねじ54をそれぞれ貫通孔52dを介して雌ねじ53aにねじ込む。各貫通孔52eは第2方向Yに長尺であるため、各雄ねじ55を各雌ねじ53bにねじ込んだ後でも、各雄ねじ54を各雌ねじ53aにねじ込む量を変えることにより、第2部材53の位置を第2方向Yに微調整することができる。
【0053】
なお、
図9及び
図10の例では、第1平面F1が真空外囲器40の方向を向くように第1部材52が第2筐体3bに取り付けられ、第2平面F2がその反対方向を向くように第2部材53が第1部材52に取り付けられている。
【0054】
固定軸10の第2部分12は、第2方向Yにおける下側の外周面が支持面51に接触する。また、
図10の例では、雄ねじ54が雌ねじ53aに最大限にねじ込まれた状態を示している。この状態では、ブリッジ52cの凹部RSが第2部分12の第2方向Yにおける上側の外周面に接触する。但し、雄ねじ54を雌ねじ53aにねじ込む量を低減した場合には、第2部分12の外周面と凹部RSとの間に隙間が生じる。固定軸10の荷重(或いは上述の遠心力)は支持面51に向くことから、このような隙間が生じた状態でも固定軸10は支障なく支持することができる。
【0055】
以上説明した本実施形態の構成であっても、第2実施形態と同じく、支持面51の高さを調整できるので、固定軸10を精度良く支持することが可能となる。さらに、支持面51の高さを調整することで、固定軸10を適度に与圧することもできる。
【0056】
また、第1平面F1と第2平面F2とが接触し、且つ雄ねじ55と雌ねじ53bを接続しているので、第1部材52と第2部材53とが第1方向Xにずれにくくなる。例えば、本実施形態のように第1平面F1が真空外囲器40の方向を向いている場合には、第2部材53に加わる真空外囲器40から離れる方向に向けた荷重を第1平面F1により好適に受けることができる。この逆方向の荷重が問題となる場合には、第1平面F1が真空外囲器40の反対方向を向くようにすれば良い。
【0057】
その他、本実施形態からは上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。