(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
過去、所与の研磨層の研磨面に関するGSQ及びGFQ値が、効果的な研磨層を設計するための動作可能範囲を提供してきた。驚くことに、本発明は、研磨層設計の研磨層剛性とスラリー分布性能とを切り離すことにより、研磨層に関してこれまで定着していたGSQ及びGFQパラメータの型を打破するための手段を提供して、それにより、研磨層設計の範囲を、これまで得られなかった研磨性能特性のバランスへと拡大する、複合研磨層を製造する方法を提供する。
【0014】
明細書及び特許請求の範囲の中でポリマー相を参照して使用される「不揮発性」とは、ポリマー相(たとえば第二の不揮発性ポリマー相)が、複合研磨層中に存在する別のポリマー相(たとえば第一の連続不揮発性ポリマー相)に対して選択的に融解、溶解、分解又は他のやり方で消失しないことをいう。
【0015】
明細書及び特許請求の範囲の中で金型キャビティ(20)を参照して使用される「実質的に円形の断面」とは、x−y面(28)上で金型キャビティの中心軸C
axis(22)から周囲壁(15)の垂直内部境界(18)まで投影された金型キャビティ(20)の最長半径r
cが、x−y面(28)上で金型キャビティの中心軸C
axis(22)から垂直内部境界(18)まで投影された金型キャビティ(20)の最短半径r
cよりも≦20%しか長くないことをいう(
図1を参照)。
【0016】
明細書及び特許請求の範囲の中で使用される「金型キャビティ」とは、ベース(12)と周囲壁(15)の垂直内部境界(18)とによって画定される容積をいう(
図1を参照)。
【0017】
明細書及び特許請求の範囲の中で第一の形体(たとえば水平内部境界、垂直内部境界)を第二の形体(たとえば軸、x−y面)に対して参照して使用される「実質的に垂直」とは、第一の形体が第二の形体に対して80〜100°の角度にあることをいう。
【0018】
明細書及び特許請求の範囲の中で第一の形体(たとえば水平内部境界、垂直内部境界)を第二の形体(たとえば軸、x−y面)に対して参照して使用される「本質的に垂直」とは、第一の形体が第二の形体に対して85〜95°の角度にあることをいう。
【0019】
明細書及び特許請求の範囲の中で、研磨側(37)を有する第一の研磨層構成部品(32)を参照して使用される「平均第一の構成部品厚さT
1-avg」とは、研磨側(37)に対して垂直に第一の研磨層構成部品の研磨側(37)からベース面(35)までで計測される第一の研磨層構成部品(32)の第一の構成部品厚さT
1の平均をいう(
図2を参照)。
【0020】
明細書及び特許請求の範囲の中で、研磨面(95)を有するケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)を参照して使用される「平均複合研磨層厚さT
P-avg」とは、研磨面(95)に対して垂直な方向にケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)研磨面(95)から下面(92)までのケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)の平均研磨層厚さT
pをいう(
図3を参照)。
【0021】
明細書及び特許請求の範囲の中でケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)を参照して使用される「実質的に円形の断面」とは、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)の中心軸(98)からケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)の研磨面(95)の外周(110)までの断面の最長半径r
pが、中心軸(98)から研磨面(95)の外周(110)までの断面の最短半径r
pよりも≦20%しか長くないことをいう(
図3を参照)。
【0022】
本発明のケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は、好ましくは、中心軸(98)を中心に回転するように適合されている。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)の研磨面(95)は、中心軸(98)に対して垂直な平面(99)にある。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は、中心軸(98)に対して85〜95°、好ましくは中心軸(98)に対して90°の角度γにある平面(99)において回転するように適合されている。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は、中心軸(98)に対して垂直な実質的に円形の断面を有する研磨面(95)を有する。好ましくは、中心軸(98)に対して垂直な研磨面(95)の断面の半径r
pは、断面に関して≦20%、より好ましくは断面に関して≦10%しか変化しない(
図3を参照)。
【0023】
明細書及び特許請求の範囲の中で、本発明の軸混合装置中で形成されるポリ側(P)液状成分とイソ側(I)液状成分との混合物を参照して使用される「ゲル化時間」とは、ASTM D3795−00a(2006年再承認)(Standard Test Method for Thermal Flow, Cure, and Behavior Properties of Pourable Thermosetting Materials by Torque Rheometer)にしたがって標準試験法を使用して測定される、その混合物の全硬化時間をいう。
【0024】
明細書及び特許請求の範囲の中で使用される「ポリ(ウレタン)」とは、(a)(i)イソシアネート類と(ii)ポリオール類(ジオール類を含む)との反応から形成されるポリウレタン類、ならびに(b)(i)イソシアネート類と(ii)ポリオール類(ジオール類を含む)及び(iii)水、アミン類又は水とアミン類との混合物との反応から形成されるポリ(ウレタン)を包含する。
【0025】
ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)を形成する方法は、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)の第一の研磨層構成部品(32)を提供する工程であって、第一の研磨層構成部品(32)が、研磨側(37)、ベース面(35)、複数の周期性凹部(40)及び研磨側(37)に対して垂直にベース面(35)から研磨側(37)までで計測される平均第一の構成部品厚さT
1-avgを有し、第一の研磨層構成部品(32)が第一の連続不揮発性ポリマー相(30)を含み、複数の周期性凹部(40)が、研磨側(37)に対して垂直に研磨側(37)からベース面(35)に向けて計測される平均凹部深さD
avgを有し、平均凹部深さD
avgが平均第一の構成部品厚さT
1-avg未満であり、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)が、8〜12重量%の未反応NCO基を有する第一の連続相末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーと第一の連続相硬化剤との反応生成物である、工程、(P)側ポリオール類、(P)側ポリアミン類及び(P)側アルコールアミン類の少なくとも一つを含むポリ側(P)液状成分を提供する工程、少なくとも一つの多官能イソシアネート類を含むイソ側(I)液状成分を提供する工程、加圧ガスを提供する工程、内部円柱形チャンバ(65)を有する軸混合装置(60)を提供する工程であって、内部円柱形チャンバ(65)が、閉止端(62)、開放端(68)、対称軸(70)、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)、及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(好ましくは少なくとも二つの)接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有し、閉止端(62)及び開放端(68)が対称軸(70)に対して垂直であり、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)が、閉止端(62)に近い内部円柱形チャンバ(65)の周囲に沿って配置され、少なくとも一つの(好ましくは少なくとも二つの)接線方向加圧ガス供給ポート(85)が、閉止端(62)から少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)より下流で内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って配置され、ポリ側(P)液状成分が、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)を介して6,895〜27,600kPaの(P)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入され、イソ側(I)液状成分が、少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を介して6,895〜27,600kPaの(I)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入され、内部円柱形チャンバへのポリ側(P)液状成分とイソ側(I)液状成分との合計質量流量が1〜500g/s(好ましくは2〜40g/s、より好ましくは2〜25g/s)であり、ポリ側(P)液状成分、イソ側(I)液状成分及び加圧ガスが内部円柱形チャンバ(65)内で混ぜ合わされて混合物を形成し、加圧ガスが、少なくとも一つの(好ましくは少なくとも二つの)接線方向加圧ガス供給ポート(85)を介して150〜1,500kPaの供給圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入され、内部円柱形チャンバ(65)への加圧ガスの入口速度が、20℃及び1気圧の理想気体条件に基づいて計算して50〜600m/s、好ましくは75〜350m/sである工程、混合物を内部円柱形チャンバ(65)の開放端(68)から第一の研磨層構成部品(32)の研磨側(37)に向けて5〜1,000m/sec、好ましくは10〜600m/sec、より好ましくは15〜450m/secの速度で放出して、複数の周期性凹部(40)を混合物で埋める工程、混合物を複数の周期性凹部(40)中で第二の研磨層構成部品(45)として固化させて複合構造(58)を形成する工程であって、第二の研磨層構成部品(45)が第二の不揮発性ポリマー相(50)である工程、及び複合構造(58)からケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)を得る工程であって、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)が、第一の研磨層構成部品(32)の研磨側(37)に研磨面(95)を有し、研磨面(95)が、基材を研磨するように適合されている工程を含む(
図1〜14を参照)。
【0026】
好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、8〜12重量%の未反応NCO基を有する第一の連続相末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーと硬化剤との反応生成物を含む。より好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、8.75〜12重量%の未反応NCO基を有する第一の連続相末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーと第一の連続相硬化剤との反応生成物を含む。より好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、9.0〜9.25重量%の未反応NCO基を有する第一の連続相末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーと第一の連続相硬化剤との反応生成物を含む。
【0027】
好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、8〜12重量%の未反応NCO基を有する第一の連続相末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーと第一の連続相硬化剤との反応生成物であり、第一の連続相末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、第一の連続ポリイソシアネート類(好ましくはジイソシアネート類)と第一の連続相ポリオール類との相互作用から得られ、第一の連続相ポリオール類は、ジオール類、ポリオール類、ポリオールジオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、第一の連続相ポリオール類は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール類(PTMEG)、PTMEGとポリプロピレングリコール(PPG)とのブレンド、及び低分子量ジオール類(たとえば1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール)とのそれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、8〜12重量%の未反応NCO基を有する第一の連続相末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーと第一の連続相硬化剤との反応生成物であり、第一の連続相硬化剤は第一の連続相ポリアミン類である。好ましくは、第一の連続相ポリアミン類は芳香族ポリアミン類である。より好ましくは、第一の連続相ポリアミン類は、4,4′−メチレン−ビス−o−クロロアニリン(MbOCA)、4,4′−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(MCDEA)、ジメチルチオトルエンジアミン、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシドジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシドモノ−p−アミノベンゾエート、ポリプロピレンオキシドジ−p−アミノベンゾエート、ポリプロピレンオキシドモノ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4′−メチレン−ビス−アニリン、ジエチルトルエンジアミン、5−tert−ブチル−2,4−トルエンジアミン、3−tert−ブチル−2,6−トルエンジアミン、5−tert−アミル−2,4−トルエンジアミン、3−tert−アミル−2,6−トルエンジアミン、5−tert−アミル−2,4−クロロトルエンジアミン及び3−tert−アミル−2,6−クロロトルエンジアミンからなる群から選択される芳香族ポリアミン類である。もっとも好ましくは、第一の連続相ポリアミン類は4,4′−メチレン−ビス−o−クロロアニリン(MbOCA)である。
【0029】
市販のPTMEG系の末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販されている、たとえばPET-80A、PET-85A、PET-90A、PET-93A、PET-95A、PET-60D、PET-70D、PET-75D)、Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから市販されている、たとえばLF800A、LF900A、LF910A、LF930A、LF931A、LF939A、LF950A、LF952A、LF600D、LF601D、LF650D、LF667、LF700D、LF750D、LF751D、LF752D、LF753D及びL325)、Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販されている、たとえば70APLF、80APLF、85APLF、90APLF、95APLF、60DPLF、70APLF、75APLF)を含む。
【0030】
好ましくは、本発明の方法に使用される第一の連続相末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、0.1重量%未満の遊離トルエンジイソシアネート(TDI)モノマー含量を有する、低遊離イソシアネートで末端修飾されたウレタンプレポリマーである。
【0031】
好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、多孔構造及び無孔(すなわち非充填)構造の両方で提供されることができる。好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、ASTM D1622にしたがって計測して≧0.5の比重を有する。より好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、ASTM D1622にしたがって計測して0.5〜1.2(さらに好ましくは0.55〜1.1、もっとも好ましくは0.6〜0.95)の比重を有する。
【0032】
好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、ASTM D2240にしたがって計測して40〜90のショアーD硬さを有する。より好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、ASTM D2240にしたがって計測して50〜75のショアーD硬さを有する。もっとも好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は、ASTM D2240にしたがって計測して55〜70のショアーD硬さを有する。
【0033】
好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は多孔性である。好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相は複数の微小要素を含む。好ましくは、複数の微小要素は第一の連続不揮発性ポリマー相(30)全体に均一に分散している。好ましくは、複数の微小要素は、閉じ込められた気泡、中空コアポリマー材料、液体充填中空コアポリマー材料、水溶性材料及び不溶相材料(たとえば鉱油)から選択される。より好ましくは、複数の微小要素は、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)全体に均一に分散した閉じ込められた気泡及び中空コアポリマー材料から選択される。好ましくは、複数の微小要素は、150μm未満(より好ましくは50μm未満、もっとも好ましくは10〜50μm)の重量平均直径を有する。好ましくは、複数の微小要素は、ポリアクリロニトリル又はポリアクリロニトリルコポリマーのシェル壁を有するポリマーマイクロバルーン(たとえば、Akzo NobelのExpancel(登録商標))を含む。好ましくは、複数の微小要素は、0〜58容量%の気孔率(より好ましくは1〜58容量%、もっとも好ましくは10〜35容量%の気孔率)で第一の連続不揮発性ポリマー相(30)に配合される。好ましくは、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)は≦6容量%(より好ましくは≦5容量%、さらに好ましくは≦4容量%、もっとも好ましくは≦3容量%)の連続気泡気孔率を有する。
【0034】
好ましくは、本発明のケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)を製造する方法で提供される第一の研磨層構成部品(32)は、研磨側(37)に対して垂直にベース面(35)から研磨側(37)までで計測される第一の構成部品厚さT
1を有する。好ましくは、第一の研磨層構成部品(32)は、研磨側(37)に対して垂直にベース面(35)から研磨側(37)までで計測される平均第一の構成部品厚さT
1-avgを有する。より好ましくは、第一の研磨層構成部品(32)は20〜150ミル(より好ましくは30〜125ミル、もっとも好ましくは40〜120ミル)の平均第一の構成部品厚さT
1-avgを有する(
図2、4及び5を参照)。
【0035】
好ましくは、第一の研磨層構成部品(32)は、研磨側(37)に対して垂直に研磨面(37)からベース面に向けて計測される深さDを有する複数の周期性凹部(40)を有する。好ましくは、複数の周期性凹部(40)は平均深さD
avg(D
avg<T
1-avg)を有する。より好ましくは、複数の周期性凹部(40)は平均深さD
avg(D
avg≦0.5*T
1-avg、より好ましくはD
avg≦0.4*T
1-avg、もっとも好ましくはD
avg≦0.375*T
1-avg)を有する(
図4及び5を参照)。
【0036】
好ましくは、複数の周期性凹部(40)は、カーブした凹部、直線状の凹部及びそれらの組み合わせから選択される。
【0037】
好ましくは、第一の研磨層構成部品は複数の周期性凹部を含み、複数の周期性凹部は少なくとも二つの同心的な凹部の群である。好ましくは、少なくとも二つの同心的な凹部は、≧15ミル(好ましくは15〜40ミル、より好ましくは25〜35ミル、もっとも好ましくは30ミル)の平均凹部深さD
avg、≧5ミル(好ましくは5〜150ミル、より好ましくは10〜100ミル、もっとも好ましくは15〜50ミル)の幅及び≧10ミル(好ましくは25〜150ミル、より好ましくは50〜100ミル、もっとも好ましくは60〜80ミル)のピッチを有する。好ましくは、少なくとも二つの同心的な凹部は幅及びピッチを有し、幅とピッチは等しい。
【0038】
好ましくは、複数の周期性凹部(40)は、複数の不連続な周期性凹部及び複数の相互接続された周期性凹部からなる群から選択されることができる。好ましくは、複数の周期性凹部が複数の不連続な周期性凹部である場合、第二の不揮発性ポリマー相は第二の不連続不揮発性ポリマー相である。好ましくは、複数の周期性凹部が複数の相互接続された周期性凹部である場合、第二の不揮発性ポリマー相は第二の連続不揮発性ポリマー相である。
【0039】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は内部円柱形チャンバ(65)を有する。好ましくは、内部円柱形チャンバ(65)は閉止端(62)及び開放端(68)を有する。好ましくは、閉止端(62)及び開放端(68)はそれぞれ内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して実質的に垂直である。より好ましくは、閉止端(62)及び開放端(68)はそれぞれ内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して本質的に垂直である。もっとも好ましくは、閉止端(62)及び開放端(68)はそれぞれ内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直である(
図6〜8を参照)。
【0040】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、対称軸(70)を有する内部円柱形チャンバ(65)を有し、開放端(68)は円形の開口(69)を有する。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、対称軸(70)を有する内部円柱形チャンバ(65)を有し、開放端(68)は円形の開口(69)を有し、円形の開口(69)は内部円柱形チャンバ(65)と同心的である。もっとも好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、対称軸(70)を有する内部円柱形チャンバ(65)を有し、開放端(68)は円形の開口(69)を有し、円形の開口(69)は内部円柱形チャンバ(65)と同心的であり、円形の開口(69)は内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直である。好ましくは、円形の開口(69)は1〜10mm(より好ましくは1.5〜7.5mm、さらに好ましくは2〜6mm、もっとも好ましくは2.5〜3.5mm)の直径を有する(
図6〜8を参照)。
【0041】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)を有する。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)を有する。好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)を有し、少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置されている。より好ましくは、本発明に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)を有する場合、少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置され、内部円柱形チャンバ(65)の閉止端(62)から等しい距離にある。好ましくは、少なくとも一つの(P)側液体供給ポートは、0.05〜3mm(好ましくは0.1〜0.1mm、より好ましくは0.15〜0.5mm)の内径を有するオリフィスを介して内部円柱形チャンバ(65)に通じる。好ましくは、少なくとも一つの(P)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に向けられる。より好ましくは、少なくとも一つの(P)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して本質的に垂直に向けられる。もっとも好ましくは、少なくとも一つの(P)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直に向けられる。
【0042】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を有する。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する。好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有し、少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置されている。より好ましくは、本発明に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置され、内部円柱形チャンバ(65)の閉止端(62)から等しい距離にある。好ましくは、少なくとも一つの(I)側液体供給ポートは、0.05〜3mm(好ましくは0.1〜0.1mm、より好ましくは0.15〜0.5mm)の内径を有するオリフィスを介して内部円柱形チャンバ(65)に通じる。好ましくは、少なくとも一つの(I)側液体供給ポートは、0.05〜1mm(好ましくは0.1〜0.75mm、より好ましくは0.15〜0.5mm)の内径を有するオリフィスを介して内部円柱形チャンバ(65)に通じる。好ましくは、少なくとも一つの(I)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に向けられる。より好ましくは、少なくとも一つの(I)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して本質的に垂直に向けられる。もっとも好ましくは、少なくとも一つの(I)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直に向けられる。
【0043】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を有し、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置されている。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を有し、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置され、内部円柱形チャンバ(65)の閉止端(62)から等しい距離にある。
【0044】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する。好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置され、少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置されている。好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、(P)側液体供給ポート(75)及び(I)側液体供給ポート(80)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って交互に位置する。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、(P)側液体供給ポート(75)及び(I)側液体供給ポート(80)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って交互に位置し、均等に離間する。もっとも好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、(P)側液体供給ポート(75)及び(I)側液体供給ポート(80)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って交互に位置し、均等に離間し、(P)側液体供給ポート(75)及び(I)側液体供給ポート(80)はすべて内部円柱形チャンバ(65)の閉止端(62)から等しい距離にある。
【0045】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有する。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有し、少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は、閉止端(62)から少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)より下流で内部円柱形チャンバ(65)の周囲に沿って配置されている。さらに好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有し、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は、閉止端(62)から少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)より下流で内部円柱形チャンバ(65)の周囲に沿って配置されている。なおさらに好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有し、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は、閉止端(62)から少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)より下流で内部円柱形チャンバ(65)の周囲に沿って配置され、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置されている。もっとも好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有し、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は、閉止端(62)から少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)より下流で内部円柱形チャンバ(65)の周囲に沿って配置され、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置され、内部円柱形チャンバ(65)の閉止端(62)から等しい距離にある。好ましくは、少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポートは、0.1〜5mm(好ましくは0.3〜3mm、より好ましくは0.5〜2mm)の限界寸法を有するオリフィスを介して内部円柱形チャンバ(65)に通じる。好ましくは、少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の内周に沿って接線方向に向けられる。より好ましくは、少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバの内周に沿って接線方向に向けられ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して本質的に垂直である面にある。もっとも好ましくは、少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバの内周に沿って接線方向に向けられ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直である面にある。
【0046】
好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分は、(P)側ポリオール類、(P)側ポリアミン類及び(P)側アルコールアミン類の少なくとも一つを含む。
【0047】
好ましくは、(P)側ポリオール類は、ジオール類、ポリオール類、ポリオールジオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、(P)側ポリオール類は、ポリエーテルポリオール類(たとえばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール及びそれらの混合物)、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類、それらの混合物、ならびにエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールからなる群から選択される一つ以上の低分子量ポリオール類とのそれらの混合物からなる群から選択される。さらに好ましくは、少なくとも一つの(P)側ポリオール類は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、エステル系ポリオール類(たとえばエチレンアジペート、ブチレンアジペート)、ポリプロピレンエーテルグリコール類(PPG)、ポリカプロラクトンポリオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
好ましくは、本発明の方法において、使用されるポリ側(P)液状成分は少なくとも一つの(P)側ポリオール類を含み、少なくとも一つの(P)側ポリオールは、2,500〜100,000の数平均分子量M
Nを有する高分子量ポリオール類を含む。より好ましくは、使用される高分子量ポリオール類は、5,000〜50,000(さらに好ましくは7,500〜25,000、もっとも好ましくは10,000〜12,000)の数平均分子量M
Nを有する。
【0049】
好ましくは、本発明の方法において、使用されるポリ側(P)液状成分は少なくとも一つの(P)側ポリオール類を含み、少なくとも一つの(P)側ポリオール類は、1分子あたり平均3〜10個のヒドロキシル基を有する高分子量ポリオール類を含む。より好ましくは、使用される高分子量ポリオール類は、1分子あたり平均4〜8個(さらに好ましくは5〜7個、もっとも好ましくは6個)のヒドロキシル基を有する。
【0050】
市販の高分子量ポリオール類の例は、Specflex(登録商標)ポリオール類、Voranol(登録商標)ポリオール類及びVoralux(登録商標)ポリオール類(The Dow Chemical Companyから市販)、Multranol(登録商標)スペシャルティーポリオール及びUltracel(登録商標)フレキシブルポリオール(Bayer MaterialScience LLCから市販)ならびにPluracol(登録商標)ポリオール(BASFから市販)を含む。いくつかの好ましい高分子量ポリオール類を表1に挙げる。
【0052】
好ましくは、(P)側ポリアミン類は、ジアミン類及び他の多官能アミン類からなる群から選択される。より好ましくは、(P)側ポリアミン類は、芳香族ジアミン類及び他の多官能芳香族アミン類、たとえば4,4′−メチレン−ビス−o−クロロアニリン(「MbOCA」)、4,4′−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(「MCDEA」)、ジメチルチオトルエンジアミン、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシドジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシドモノ−p−アミノベンゾエート、ポリプロピレンオキシドジ−p−アミノベンゾエート、ポリプロピレンオキシドモノ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4′−メチレン−ビス−アニリン、ジエチルトルエンジアミン、5−tert−ブチル−2,4−トルエンジアミン、3−tert−ブチル−2,6−トルエンジアミン、5−tert−アミル−2,4−トルエンジアミン及び3−tert−アミル−2,6−トルエンジアミン及びクロロトルエンジアミンからなる群から選択される。
【0053】
好ましくは、(P)側アルコールアミン類は、アミン開始ポリオール類からなる群から選択される。より好ましくは、(P)側アルコールアミン類は、1分子あたり1〜4個(さらに好ましくは2〜4個、もっとも好ましくは2個)の窒素原子を含むアミン開始ポリオール類からなる群から選択される。好ましくは、(P)側アルコールアミン類は、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール類からなる群から選択される。より好ましくは、(P)側アルコールアミン類は、1分子あたり平均3〜6個(さらに好ましくは3〜5個、もっとも好ましくは4個)のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール類からなる群から選択される。特に好ましいアミン開始ポリオール類は、≦700(好ましくは150〜650、より好ましくは200〜500、もっとも好ましくは250〜300)の数平均分子量M
N(を有し)、350〜1,200mgKOH/gのヒドロキシル価(ASTM試験法D4274−11によって測定)を有する。より好ましくは、使用されるアミン開始ポリオール類は400〜1,000mgKOH/g(もっとも好ましくは600〜850mgKOH/g)のヒドロキシル価を有する。市販のアミン開始ポリオール類の例は、Voranol(登録商標)ファミリーのアミン開始ポリオール類(The Dow Chemical Companyから市販)、Quadrol(登録商標)スペシャルティーポリオール(N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン)(BASFから市販)、Pluracol(登録商標)アミン系ポリオール類(BASFから市販)、Multranol(登録商標)アミン系ポリオール類(Bayer MaterialScience LLCから市販)、トリイソプロパノールアミン(TIPA)(The Dow Chemical Companyから市販)及びトリエタノールアミン(TEA)(Mallinckrodt Baker Inc.から市販)を含む。いくつかの好ましいアミン開始ポリオール類を表2に挙げる。
【0055】
好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分は、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)を介して6,895〜27,600kPaの(P)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。より好ましくは、ポリ側(P)液状成分は、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)を介して8,000〜20,000kPaの(P)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。もっとも好ましくは、ポリ側(P)液状成分は、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)を介して10,000〜17,000kPaの(P)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。
【0056】
好ましくは、本発明の方法において、イソ側(I)液状成分は少なくとも一つの多官能イソシアネート類を含む。好ましくは、少なくとも一つの多官能イソシアネート類は二つの反応性イソシアネート基(すなわちNCO)を含む。
【0057】
好ましくは、少なくとも一つの多官能イソシアネート類は、脂肪族多官能イソシアネート類、芳香族多官能イソシアネート類及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、多官能イソシアネート類は、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジ−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、パラ−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート及びそれらの混合物からなる群から選択されるジイソシアネート類である。さらに好ましくは、少なくとも一つの多官能イソシアネート類は、ジイソシアネート類とプレポリマーポリオール類との反応によって形成される末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーである。
【0058】
好ましくは、少なくとも一つの多官能イソシアネート類は末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーであり、末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは2〜12重量%の未反応イソシアネート(NCO)基を有する。より好ましくは、本発明の方法に使用される末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは2〜10重量%(さらに好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは5〜7重量%)の未反応イソシアネート(NCO)基を有する。
【0059】
好ましくは、使用される末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、ジイソシアネート類とプレポリマーポリオール類との反応生成物であり、プレポリマーポリオール類は、ジオール類、ポリオール類、ポリオールジオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、プレポリマーポリオール類は、ポリエーテルポリオール類(たとえばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール及びそれらの混合物)、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類、それらの混合物、ならびにエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールからなる群から選択される一つ以上の低分子量ポリオール類とのそれらの混合物からなる群から選択される。さらに好ましくは、プレポリマーポリオール類は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、エステル系ポリオール類(たとえばエチレンアジペート、ブチレンアジペート)、ポリプロピレンエーテルグリコール類(PPG)、ポリカプロラクトンポリオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される。もっとも好ましくは、プレポリマーポリオール類は、PTMEG及びPPGからなる群から選択される。
【0060】
好ましくは、プレポリマーポリオール類がPTMEGである場合、末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは2〜10重量%(より好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは6〜7重量%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有する。市販されているPTMEG系の末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販されている、たとえばPET-80A、PET-85A、PET-90A、PET-93A、PET-95A、PET-60D、PET-70D、PET-75D)、Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから市販されている、たとえばLF800A、LF900A、LF910A、LF930A、LF931A、LF939A、LF950A、LF952A、LF600D、LF601D、LF650D、LF667、LF700D、LF750D、LF751D、LF752D、LF753D及びL325)、Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販されている、たとえば70APLF、80APLF、85APLF、90APLF、95APLF、60DPLF、70APLF、75APLF)を含む。
【0061】
好ましくは、プレポリマーポリオール類がPPGである場合、末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは3〜9重量%(より好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは5〜6重量%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有する。市販されているPPG系の末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販されている、たとえばPPT-80A、PPT-90A、PPT-95A、PPT-65D、PPT-75D)、Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから市販されている、たとえばLFG963A、LFG964A、LFG740D)及びAndur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販されている、たとえば8000APLF、9500APLF、6500DPLF、7501DPLF)を含む。
【0062】
好ましくは、本発明の方法に使用される末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、0.1重量%未満の遊離トルエンジイソシアネート(TDI)モノマー含量を有する、低遊離イソシアネートで末端修飾されたウレタンプレポリマーである。
【0063】
また、非TDI系の末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーを本発明の方法に使用することもできる。たとえば、末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びポリオール類、たとえばポリテトラメチレングリコール(PTMEG)と、任意選択のジオール類、たとえば1,4−ブタンジオール(BDO)との反応によって形成されるものを含む(が許容できる)。そのような末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーが使用される場合、未反応イソシアネート(NCO)濃度は、好ましくは4〜10重量%(より好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは5〜7重量%)である。この範疇の市販されている末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販されている、たとえば27-85A、27-90A、27-95A)、Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販されている、たとえばIE75AP、IE80AP、IE85AP、IE90AP、IE95AP、IE98AP)、Vibrathane(登録商標)プレポリマー(Chemturaから市販されている、たとえばB625、B635、B821)、Isonate(登録商標)改質プレポリマー(The Dow Chemical Companyから市販されている、たとえば、NCO18.7%のIsonate(登録商標)240、NCO23%のIsonate(登録商標)181、NCO29.2%のIsonate(登録商標)143L)及びポリマーMDI(The Dow Chemical Companyから市販されている、たとえばPAPI(登録商標)20、27、94、95、580N、901)を含む。
【0064】
好ましくは、本発明の方法において、イソ側(I)液状成分は、少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を介して6,895〜27,600kPaの(I)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。より好ましくは、イソ側(I)液状成分は、少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を介して8,000〜20,000kPaの(I)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。もっとも好ましくは、イソ側(I)液状成分は、少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を介して10,000〜17,000kPaの(I)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。
【0065】
好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分及びイソ側(I)液状成分の少なくとも一つは、任意選択で、さらなる液状物質を含有することができる。たとえば、ポリ側(P)液状成分及びイソ側(I)液状成分の少なくとも一つは、発泡剤(たとえばカルバメート発泡剤、たとえば、The Dow Chemical Companyから市販されているSpecflex(商標)NR556CO
2/脂肪族アミンアダクト)、触媒(たとえば第三級アミン触媒、たとえば、Air Products, Inc.から市販されているDabco(登録商標)33LV触媒及びスズ触媒、たとえばMomentiveから市販されているFomrez(登録商標)スズ触媒)及び界面活性剤(たとえば、Evonikから市販されているTegostab(登録商標)シリコン界面活性剤)からなる群から選択される液状物質を含有することができる。好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分はさらなる液状物質を含有する。より好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分はさらなる液状物質を含有し、さらなる液状物質は触媒及び界面活性剤の少なくとも一つである。もっとも好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分は触媒及び界面活性剤を含有する。
【0066】
好ましくは、本発明の方法において、使用される加圧ガスは、二酸化炭素、窒素、空気及びアルゴンからなる群から選択される。より好ましくは、使用される加圧ガスは、二酸化炭素、窒素及び空気からなる群から選択される。さらに好ましくは、使用される加圧ガスは、窒素及び空気からなる群から選択される、もっとも好ましくは、使用される加圧ガスは空気である。
【0067】
好ましくは、本発明の方法において、使用される加圧ガスは≦10ppmの水分含量を有する。より好ましくは、使用される加圧ガスは≦1ppmの水分含量を有する。さらに好ましくは、使用される加圧ガスは≦0.1ppmの水分含量を有する。もっとも好ましくは、使用される加圧ガスは≦0.01ppmの水分含量を有する。
【0068】
好ましくは、本発明の方法において、加圧ガスは、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を介して入口速度で内部円柱形チャンバ(65)に導入され、入口速度は、20℃及び1気圧の理想気体条件に基づいて計算して50〜600m/s、好ましくは75〜350m/sである。理論によって拘束されることを望まないが、入口速度が低すぎる場合、金型中に付着する研磨層が望まれない亀裂を発生させる危険性が増すことが留意されよう。
【0069】
好ましくは、本発明の方法において、加圧ガスは、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を介して150〜1,500kPaの供給圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。より好ましくは、加圧ガスは、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を介して350〜1,000kPaの供給圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。もっとも好ましくは、加圧ガスは、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を介して550〜830kPaの供給圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。
【0070】
好ましくは、本発明のケミカルメカニカル研磨パッド研磨層を形成する方法は、ポリ側(P)液状成分及びイソ側(I)液状成分を提供する工程を含み、ポリ側(P)液状成分及びイソ側(I)液状成分は、イソ側(I)液状成分中の未反応イソシアネート(NCO)基に対するポリ側(P)液状成分中の反応性水素基(すなわち、アミン(NH
2)基とヒドロキシル(OH)基との合計)の化学量論比0.85〜1.15(より好ましくは0.90〜1.10、もっとも好ましくは0.95〜1.05)で提供される。
【0071】
好ましくは、本発明の方法において、内部円柱形チャンバ(65)へのポリ側(P)液状成分とイソ側(I)液状成分との合計質量流量は1〜500g/s(好ましくは2〜40g/s、より好ましくは2〜25g/s)である。
【0072】
好ましくは、本発明の方法において、(a)内部円柱形チャンバ(65)へのポリ側(P)液状成分とイソ側(I)液状成分との合計質量流量と、(b)内部円柱形チャンバ(65)への加圧ガスの質量流量との比(20℃及び1気圧の理想気体条件に基づいて計算)は≦46:1(より好ましくは≦30:1)である。
【0073】
好ましくは、本発明の方法において、軸混合装置(60)中で形成された混合物は、内部円柱形チャンバ(65)の開放端(68)から第一の研磨層構成部品(32)の研磨側(37)に向けて10〜300m/secの速度で放出されて、複数の周期性凹部(40)を埋め、固化して複合構造(58)を形成することが可能である。より好ましくは、混合物は、軸混合装置(60)の開放端(68)の開口(69)から第一の研磨層構成部品(32)の研磨側(37)に向けて、z軸(Z)に平行な方向にz成分を有する速度10〜300m/secで放出されて、複数の周期性凹部(40)を埋め、固化して複合構造(58)を形成することが可能である(
図9を参照)。
【0074】
好ましくは、本発明の方法において、混合物は、軸混合装置(60)の開放端(68)から、第一の研磨層構成部品(32)の研磨側(37)より上のz次元に沿って高さEで放出される。より好ましくは、混合物は、軸混合装置(60)の開放端(68)から高さEで放出され、平均高さEは2.5〜125cm(より好ましくは7.5〜75cm、もっとも好ましくは12.5〜50cm)である(
図9を参照)。
【0075】
好ましくは、本発明の方法において、軸混合装置中で形成された混合物は5〜900秒のゲル化時間を有する。より好ましくは、軸混合装置中で形成された混合物は10〜600秒のゲル化時間を有する。もっとも好ましくは、軸混合装置中で形成された混合物は15〜120秒のゲル化時間を有する。
【0076】
当業者は、所与の研磨作業のためにケミカルメカニカル研磨パッド(200)における使用に適した研磨層厚さT
Pを有するケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)を選択することを理解するであろう。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は、研磨面(95)の平面(99)に対して垂直な軸(98)に沿って平均研磨層厚さT
P-avgを有する。より好ましくは、平均研磨層厚さT
P-avgは20〜150ミル(より好ましくは30〜125ミル、もっとも好ましくは40〜120ミル)である。もっとも好ましくは、平均研磨層厚さT
P-avgは平均第一の構成部品厚さT
1-avgに等しい(
図3、10及び11を参照)。
【0077】
好ましくは、第二の研磨層構成部品(45)は、本発明のケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)中の複数の周期性凹部(40)を埋める第二の不揮発性ポリマー相(50)であり、研磨面(95)に対して垂直に研磨層(90)の下面(92)から研磨面(95)に向けて計測される高さHを有する。好ましくは、第二の研磨層構成部品(45)は、複数の周期性凹部(40)を埋める第二の不揮発性ポリマー相(50)であり、研磨面(95)に対して垂直に研磨層(90)の下面(92)から研磨面(95)に向けて計測される平均高さ平均H
avgを有し、平均研磨層厚さT
P-avgと平均高さH
avgとの差ΔSの絶対値は≦0.5μmである。より好ましくは、差ΔSの絶対値は≦0.2μmである。さらに好ましくは、差ΔSの絶対値は≦0.1μmである。もっとも好ましくは、差ΔSの絶対値は≦0.05μmである(たとえば
図11を参照)。
【0078】
好ましくは、第二の研磨層構成部品(45)は、第一の研磨層構成部品(32)の第一の連続不揮発性ポリマー相(30)中の複数の周期性凹部(40)を埋める第二の不揮発性ポリマー相(50)であり、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)と第二の不揮発性ポリマー相(50)との間には化学結合がある。より好ましくは、第二の不揮発性ポリマー相(50)は第一の連続不揮発性ポリマー相(30)中の複数の周期性凹部(40)を埋め、第一の連続不揮発性ポリマー相(30)と第二の不揮発性ポリマー相(50)との間には共有結合があり、相間の共有結合が分断されない限り、相を分離することはできない。
【0079】
好ましくは、本発明の方法において、混合物は、複数の凹部(40)中で第二の研磨層構成部品(45)として固化して複合構造(58)を形成し、第二の研磨層構成部品(45)は第二の不揮発性ポリマー相(50)であり、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は複合構造(58)から得られ、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は、第一の研磨層構成部品(32)の研磨側(37)に研磨面(95)を有し、研磨面(95)は、基材を研磨するように適合されている。
【0080】
好ましくは、本発明の方法において、複合構造(58)からケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)を得る工程はさらに、複合構造(58)を機械加工してケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)を得る工程を含む。より好ましくは、複合構造(58)を機械加工してケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)を得、そのようにして得られるケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は、研磨面(95)に対して垂直に下面(92)から研磨面(95)までで計測される平均研磨層厚さT
P-avgを有し、平均第一の構成部品厚さT
1-avgは平均研磨層厚さT
P-avgに等しく、複数の周期性凹部を埋める第二の不揮発性ポリマー相は、研磨面(95)に対して垂直に下面(92)から研磨面(95)に向けて計測される平均高さH
avgを有し、平均研磨層厚さT
P-avgと平均高さH
avgとの差ΔSの絶対値は≦0.5μm(好ましくは≦0.2μm、より好ましくは≦0.1μm、もっとも好ましくは≦0.05μm)である(たとえば
図11を参照)。
【0081】
好ましくは、本発明の方法において、複合構造(58)は、摩耗(ダイアモンドコンディショニングディスクを使用する)、切削、フライス削り(フライス盤上で回転切削ビットを使用する)、旋盤加工(たとえば、回転する複合構造(58)に適用される固定切削ビットを使用する)及びスライシングの少なくとも一つによって機械加工される。より好ましくは、本発明の方法において、複合構造(58)はフライス削り及び旋盤加工の少なくとも一つによって機械加工されて、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)が得られる。
【0082】
好ましくは、本発明の方法を使用して調製されるケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は、基材を研磨するように適合され、基材は、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つである。より好ましくは、本発明の方法を使用して調製されるケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は、基材を研磨するように適合され、基材は半導体基材である。もっとも好ましくは、本発明の方法を使用して調製されるケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は、基材を研磨するように適合され、基材は半導体ウェーハである。
【0083】
好ましくは、本発明の方法において、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層は、研磨面に形成された溝パターンを有する研磨面を有する。好ましくは、溝パターンは、研磨面上に配置された一つ以上の溝を含み、研磨中にケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層が回転するとき、一つ以上の溝が、研磨されている基材の表面を掃くようになっている。好ましくは、一つ以上の溝は、カーブした溝、直線状の溝及びそれらの組み合わせからなる。
【0084】
好ましくは、溝パターンは複数の溝を含む。より好ましくは、溝パターンは溝デザインから選択される。好ましくは、溝デザインは、同心状の溝(円形又はらせん状であることができる)、カーブした溝、クロスハッチ溝(たとえばパッド表面上にX−Y格子として配置)、他の規則的デザイン(たとえば六角形、三角形)、タイヤトレッド型パターン、不規則なデザイン(たとえばフラクタルパターン)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、溝デザインは、ランダムな溝、同心状の溝、らせん溝、クロスハッチ溝、X−Y格子溝、六角形の溝、三角形の溝、フラクタルな溝及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。もっとも好ましくは、研磨面は、その中に形成されたらせん溝パターンを有する。溝プロフィールは、好ましくは、まっすぐな側壁を有する長方形から選択され、又は、溝断面は「V」字形、「U」字形、鋸子状及びそれらの組み合わせであることもできる。
【0085】
好ましくは、溝パターンは、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層の研磨面に形成された複数の溝を含み、複数の溝はカーブした溝である。
【0086】
好ましくは、溝パターンは、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層の研磨面に形成された複数の溝を含み、複数の溝は同心円状の溝である。
【0087】
好ましくは、溝パターンは、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層の研磨面に形成された複数の溝を含み、複数の溝は線形X−Y溝である。
【0088】
好ましくは、溝パターンは、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層の研磨面に形成された複数の溝を含み、複数の溝は同心円状の溝及び線形X−Y溝を含む。
【0089】
好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は、研磨面(95)に開口し、研磨面(95)に対して垂直に研磨面(95)から下面(92)に向けて計測される、研磨面(95)からの溝深さG
depthを有する、研磨面(95)に形成された少なくとも一つの溝(105)を有する。より好ましくは、少なくとも一つの溝(105)は≧10ミル(好ましくは10〜150ミル)の平均溝深さG
depth-avgを有する。さらに好ましくは、少なくとも一つの溝(105)は平均溝深さG
depth-avg≦複数の周期性凹部の平均深さD
avgを有する。好ましくは、少なくとも一つの溝(105)は平均溝深さG
depth-avg>複数の周期性凹部の平均深さD
avgを有する。好ましくは、少なくとも一つの溝(105)は、≧10ミル、≧15ミル及び15〜150ミルから選択される平均溝深さG
depth-avg、≧10ミル及び10〜100ミルから選択される幅、及び≧30ミル、≧50、50〜200ミル、70〜200ミル及び90〜200ミルから選択されるピッチの組み合わせを有する少なくとも二つの溝(105)を含む溝パターンを形成する。好ましくは、少なくとも一つの溝(105)は、(a)少なくとも二つの同心状の溝、(b)少なくとも一つのらせん溝、(c)クロスハッチ溝パターン、及び(d)それらの組み合わせから選択される(
図12、13a及び13bを参照)。
【0090】
好ましくは、本発明の方法を使用して調製されるケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は20〜150ミルの平均研磨層厚さT
P-avgを有する。より好ましくは、本発明の方法を使用して調製されるケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層(90)は30〜125ミル(より好ましくは40〜120ミル、もっとも好ましくは50〜100ミル)の平均研磨層厚さT
P-avgを有する(
図3を参照)。
【0091】
好ましくは、本発明の方法において、第一の研磨層構成部品を提供する工程はさらに、床面(12)及び周囲壁(15)を有する金型(10)を提供する工程であって、床面(12)及び周囲壁(15)が金型キャビティ(20)を画定する、工程、8〜12重量%の未反応NCO基を有する第一の連続相末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマー、第一の連続相硬化剤及び任意選択で複数の中空コアポリマー材料を提供する工程、第一の連続相末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーと第一の連続相硬化剤とを混合して混合物を形成する工程、混合物を金型キャビティ(20)に注加する工程、混合物を第一の連続不揮発性ポリマー相のケーキへと固化させる工程、ケーキからシートを得る(好ましくは、ケーキから複数のシートを得る)工程、シート中に複数の周期性凹部を形成して第一の研磨層構成部品を提供する(好ましくは、複数のシート中に複数の周期性凹部を形成して複数の第一の研磨層構成部品を提供する)工程を含む。より好ましくは、複数の中空コアポリマー材料は1〜58容量%で第一の連続不揮発性ポリマー相に配合される(
図1を参照)。
【0092】
好ましくは、本発明の方法において、金型キャビティ(20)は、z軸と一致し、中心点(21)で金型(10)の床面(12)の水平内部境界(14)と交差する中心軸C
axis(22)を有する。好ましくは、中心点(21)は、x−y面(28)に投影された金型キャビティ(20)の断面C
x-sect(24)の幾何学的中心に位置する(
図1を参照)。
【0093】
好ましくは、x−y面(28)に投影された金型キャビティの断面C
x-sect(24)は規則的又は不規則な二次元形状であることができる。好ましくは、金型キャビティの断面C
x-sect(24)は多角形及び楕円から選択される。より好ましくは、金型キャビティの断面C
x-sect(24)は、平均半径r
c(好ましくはr
cは20〜100cmであり、より好ましくはr
cは25〜65cmであり、もっとも好ましくはr
cは40〜60cmである)を有する実質的に円形の断面である。もっとも好ましくは、金型キャビティ(20)は、実質的に円形の断面C
x-sectを有する直円柱形領域を近似し、金型キャビティは、金型キャビティの中心軸C
axis(22)と一致する対称軸C
x-sym(25)を有し、直円柱形領域は、次式によって求められる断面積C
x-areaを有する。
【0095】
式中、r
cは、x−y面(28)に投影された金型キャビティの断面積C
x-areaの平均半径であり、r
cは20〜100cm(より好ましくは25〜65cm、もっとも好ましくは40〜60cm)である(
図1を参照)。
【0096】
好ましくは、本発明の方法を使用して調製されたケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層は、ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するために、少なくとも一つのさらなる層とインタフェースさせることができる。好ましくは、本発明の方法を使用して調製されたケミカルメカニカル研磨パッド複合研磨層は、スタック接着剤(210)を使用して、サブパッド(220)とインタフェースされる。好ましくは、サブパッド(220)は、連続気泡発泡体、独立気泡発泡体、織布材料、不織材料(たとえばフェルト、スパンボンデッド及びニードルパンチド材料)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料でできている。当業者は、サブパッド(220)としての使用に適切な材料構成及びサブパッド厚さT
sを選択することを承知しているであろう。好ましくは、サブパッド(220)は≧15ミル(より好ましくは30〜100ミル、もっとも好ましくは30〜75ミル)の平均サブパッド厚さT
S-avgを有する(
図11を参照)。
【0097】
当業者は、ケミカルメカニカル研磨パッドにおける使用に適切なスタック接着剤を選択する方法を承知しているであろう。好ましくは、スタック接着剤はホットメルト接着剤である。より好ましくは、スタック接着剤は反応性ホットメルト接着剤である。さらに好ましくは、ホットメルト接着剤は、その非硬化状態で50〜150℃、好ましくは115〜135℃の融解温度を示し、融解後≦90分の可使時間を示す硬化反応性ホットメルト接着剤である。もっとも好ましくは、その非硬化状態の反応性ホットメルト接着剤はポリウレタン樹脂(たとえば、The Dow Chemical Companyから市販されているMor-Melt(商標)R5003)を含む。
【0098】
好ましくは、本発明のケミカルメカニカル研磨パッドは、研磨機のプラテンとインタフェースするように適合されている。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッドは、研磨機のプラテンに固定されるように適合されている。より好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッドは、感圧接着剤及び真空の少なくとも一つを使用してプラテンに固定されるとができる。
【0099】
好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッド(200)は、サブパッド(220)に適用される感圧プラテン接着剤(230)を含む。当業者は、感圧プラテン接着剤としての使用に適切な感圧接着剤を選択する方法を承知しているであろう。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッドはまた、感圧プラテン接着剤(230)の上に適用される剥離ライナ(240)を含み、感圧プラテン接着剤(230)はサブパッド(220)と剥離ライナ(240)との間に挿入される(
図11を参照)。
【0100】
基材研磨作業における重要な工程は、加工の終点を決定することである。終点検出のための一つの一般的なインサイチュー法は、選択された波長の光に対して透過性であるウィンドウを研磨パッドに設けることを含む。研磨中、光ビームがそのウィンドウを通してウェーハ表面に当てられると、そこで反射し、ウィンドウを反対に通過して検出器(たとえば分光光度計)に達する。この戻り信号に基づき、終点検出のために基材表面の性質(たとえばその上の膜の厚さ)を測定することができる。そのような光学終点検出法を容易にするために、本発明のケミカルメカニカル研磨パッド(200)はさらに、任意選択で、終点検出ウィンドウ(270)を含む。好ましくは、終点検出ウィンドウは、複合研磨層に組み込まれた一体型ウィンドウ及びケミカルメカニカル研磨パッドに組み込まれた嵌め込み型終点検出ウィンドウブロックから選択される。当業者は、所期の研磨加工に使用するための終点検出ウィンドウに適切な構成材料を選択することを承知しているであろう(
図14を参照)。
【0101】
以下の実施例において本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する。
【0102】
実施例1〜3:ケミカルメカニカル研磨パッド
市販のポリウレタン研磨パッドを、実施例1〜3それぞれにしたがって調製されたケミカルメカニカル研磨パッド中の第一の連続不揮発性ポリマー相として使用した。特に、実施例1においては、30ミルの平均凹部深さD
avg、60ミルの幅及び120ミルのピッチを有する複数の同心円状の周期性凹部を有する市販のIC1000(商標)ポリウレタン研磨パッドを第一の連続不揮発性ポリマー相として提供した。実施例2においては、30ミルの平均凹部深さD
avg、35ミルの幅及び70ミルのピッチを有する複数の同心円状の凹部を有する市販のVP5000(商標)ポリウレタン研磨パッドを第一の連続不揮発性ポリマー相として提供した。実施例3においては、30ミルの平均凹部深さD
avg、60ミルの幅及び120ミルのピッチを有する複数の同心円状の凹部を有する市販のVP5000(商標)ポリウレタン研磨パッドを第一の連続不揮発性ポリマー相として提供した。
【0103】
高分子量ポリエーテルポリオール(The Dow Chemical Companyから市販されているVoralux(登録商標)HF505ポリオール)77.62重量%、モノエチレングリコール21.0重量%、シリコーン界面活性剤(Evonikから市販されているTegostab(登録商標)B8418界面活性剤)1.23重量%、スズ触媒(Momentiveから市販されているFomrez(登録商標)UL-28)0.05重量%及び第三級アミン触媒(Air Products, Inc.から市販されているDabco(登録商標)33LV触媒)0.10重量%を含有するポリ側(P)液状成分を提供した。さらなる液状物質(The Dow Chemical Companyから市販されているSpecflex(商標)NR556CO
2/脂肪族アミンアダクト)を、ポリ側(P)液状成分100重量部あたり4重量部でポリ側(P)液状成分に加えた。改質ジフェニルメタンジイソシアネート類(The Dow Chemical Companyから市販されているIsonate(商標)181MDIプレポリマー)100重量%を含有するイソ側(I)液状成分を提供した。加圧ガス(乾燥空気)を提供した。
【0104】
次いで、(P)側液体供給ポート、(I)側液体供給ポート及び四つの接線方向加圧ガス供給ポートを有する軸混合装置(Hennecke GmbHから市販されているMicroLine 45CSM軸混合装置)を使用して、第一の連続不揮発性ポリマー相材料それぞれの複数の同心円状の凹部中に第二の連続不揮発性ポリマー相を提供した。ポリ側(P)液状成分及びイソ側(I)液状成分を、それぞれの供給ポートを介して、(P)側チャージ圧12,500kPa、(I)側チャージ圧17,200kPa及び(I)/(P)重量比1.564(NCO基に対する反応性水素基の化学量論比0.95を与える)で軸混合装置に供給した。接線方向加圧ガス供給ポートを介して加圧ガスを830kPaの供給圧で供給して、軸混合装置を通過する合計液状成分:ガス質量流量の比3.8:1を与えて混合物を形成した。次いで、混合物を、軸混合装置から、前記第一の連続不揮発性ポリマー相それぞれに向けて254m/secの速度で放出して複数の凹部に充填し、複合構造を形成した。複合構造を100℃で16時間、硬化させた。次いで、複合構造を旋盤上で平坦に機械加工して、実施例1〜3のケミカルメカニカル研磨パッドを得た。次いで、実施例1〜3のケミカルメカニカル研磨パッドそれぞれの研磨面に溝を形成して、70ミルの溝幅、32ミルの溝深さ及び580ミルのピッチを有するX−Y溝パターンを設けた。
【0105】
連続気泡気孔率
市販のIC1000(商標)研磨パッド研磨層及びVP5000(商標)研磨パッド研磨層の連続気泡気孔率は<3容量%であると報告されている。実施例1〜3それぞれにおいてケミカルメカニカル研磨パッド中に形成された第二の不揮発性ポリマー相の連続気泡気孔率は>10容量%であった。
【0106】
比較例PC1〜PC2及び実施例P1〜P3
ケミカルメカニカルポリッシング除去速度実験
実施例1〜3それぞれにしたがって調製したケミカルメカニカル研磨パッドを使用して二酸化ケイ素除去速度研磨試験を実施し、実施例に記した同じX−Y溝パターンをそれぞれ有するIC1000(商標)ポリウレタン研磨パッド及びVP5000(商標)(いずれもRohm and Haas Electronic Materials CMP Inc.から市販)を使用して比較例PC1〜PC2で得られた試験と比較した。具体的に、各研磨パッドの場合の二酸化ケイ素除去速度を表3に提示する。研磨除去速度実験は、Novellus Systems, Inc.の200mmブランケットS15KTEN TEOSシートウェーハに対して実施した。Applied Materialsの200mm Mirra(登録商標)研磨機を使用した。すべての研磨実験を、8.3kPa(1.2psi)のダウンフォース、200ml/minのスラリー(Rohm and Haas Electronic Materials CMP Inc.から市販されているACuPlane(商標)5105スラリー)流量、93rpmのテーブル回転速度及び87rpmのキャリヤ回転速度で実施した。Saesol 8031Cダイアモンドパッドコンディショナ(Saesol Diamond Ind. Co., Ltd.から市販)を使用して研磨パッドをコンディショニングした。各研磨パッドを、コンディショナにより、31.1Nのダウンフォースを使用して10分間ならし運用した。さらに、研磨中、研磨パッドを、研磨パッドの中心から1.7〜9.2インチまで、31.1Nのダウンフォースを使用して毎分10スイープで、インサイチューで50%コンディショニングした。研磨の前後で、49点スパイラルスキャンを使用するKLA-Tencor FX200計測ツールを使用して、エッジ除外領域3mmで膜厚さを計測することにより、除去速度を測定した。除去速度実験それぞれを三回実施した。研磨パッドそれぞれの三重反復除去速度実験の平均除去速度を表3に提示する。