(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
ケミカルメカニカル研磨層を形成するための様々な従来法、たとえば流込み成形法(すなわち、複数の研磨層へと薄くはがれるケーキを形成する)及び発泡法は、処理を促進するために十分に長いゲル化時間を要する。発泡法及び流込み成形法は、形成された研磨層の表面に最終的な溝パターンを機械加工することを要する。本発明の方法は、研磨層の研磨面に形成される溝パターンの質を大きく改善し、多くの従来の研磨層製造法によって求められるような、完成した研磨層に溝パターンを機械加工する必要性を除く。本発明の方法はまた、従来技術に固有の制約(すなわちゲル化時間の制約)を考慮すると、従来の研磨層製造法に適当であろう組成範囲よりも広い組成範囲を可能にする。
【0011】
明細書及び特許請求の範囲の中で金型キャビティ(20)を参照して使用される「実質的に円形の断面」とは、x−y面(30)上で金型キャビティの中心軸C
axis(22)から周囲壁(15)の垂直内部境界(18)まで投影された金型キャビティ(20)の最長半径r
cが、x−y面(30)上で金型キャビティの中心軸C
axis(22)から垂直内部境界(18)まで投影された金型キャビティ(20)の最短半径r
cよりも≦20%しか長くないことをいう(
図1を参照)。
【0012】
明細書及び特許請求の範囲の中で使用される「金型キャビティ」とは、ベース(12)と周囲壁(15)の垂直内部境界(18)とによって画定される容積をいう(
図1及び4を参照)。
【0013】
明細書及び特許請求の範囲の中で、第二の特性(たとえば軸、x−y面)に対する第一の特性(たとえば水平内部境界、垂直内部境界)を参照して使用される「実質的に垂直」とは、第一の特性が第二の特性に対して80〜100°の角度にあることをいう。
【0014】
明細書及び特許請求の範囲の中で第一の形体(たとえば水平内部境界、垂直内部境界)を第二の形体(たとえば軸、x−y面)に対して参照して使用される「本質的に垂直」とは、第一の形体が第二の形体に対して85〜95°の角度にあることをいう。
【0015】
明細書及び特許請求の範囲の中で、研磨面(95)を有するケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)を参照して使用される「平均厚さT
P-avg」とは、研磨面(95)に対して垂直な方向にケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の研磨面(95)から底面(92)までの平均厚さT
Tpをいう(
図5を参照)。
【0016】
明細書及び特許請求の範囲の中でケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)を参照して使用される「実質的に円形の断面」とは、ケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の中心軸(98)からケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の研磨面(95)の外周(110)までの断面の最長半径r
pが、中心軸(98)から研磨面(95)の外周(110)までの断面の最短半径r
pよりも≦20%しか長くないことをいう(
図5を参照)。
【0017】
本発明のケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)は、好ましくは、中心軸(98)を中心に回転するように適合されている(
図5を参照)。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の研磨面(95)は、中心軸(98)に対して垂直な平面(99)にある。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)は、中心軸(98)に対して85〜95°、好ましくは中心軸(98)に対して90°の角度γにある平面(99)において回転するように適合されている。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)は、中心軸(98)に対して垂直な実質的に円形の断面を有する研磨面(95)を有する。好ましくは、中心軸(98)に対して垂直な研磨面(95)の断面の半径r
pは、断面において≦20%、より好ましくは断面において≦10%しか変化しない。
【0018】
明細書及び特許請求の範囲の中で、本発明の軸混合装置中で形成されるポリ側(P)液状成分とイソ側(I)液状成分との混合物を参照して使用される「ゲル化時間」とは、ASTM D3795−00a(2006年再承認)(Standard Test Method for Thermal Flow, Cure, and Behavior Properties of Pourable Thermosetting Materials by Torque Rheometer)にしたがって標準試験法を使用して測定される、その混合物の全硬化時間をいう。
【0019】
明細書及び特許請求の範囲の中で使用される「ポリ(ウレタン)」とは、(a)(i)イソシアネート類と(ii)ポリオール類(ジオール類を含む)との反応から形成されるポリウレタン類、ならびに(b)(i)イソシアネート類と(ii)ポリオール類(ジオール類を含む)及び(iii)水、アミン類又は水とアミン類との混合物との反応から形成されるポリ(ウレタン)を包含する。
【0020】
好ましくは、本発明のケミカルメカニカル研磨パッド研磨層を形成する方法は、ベース(12)を有する金型(10)を提供する工程であって、金型(10)のベース(12)が、その中に形成された溝パターン(100)のネガ(14)を有する、工程、(P)側ポリオール類、(P)側ポリアミン類及び(P)側アルコールアミン類の少なくとも一つを含むポリ側(P)液状成分を提供する工程、少なくとも一つの多官能イソシアネート類を含むイソ側(I)液状成分を提供する工程、加圧ガスを提供する工程、内部円柱形チャンバ(65)を有する軸混合装置(60)を提供する工程であって、内部円柱形チャンバ(65)が、閉止端(62)、開放端(68)、対称軸(70)、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)、及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(好ましくは少なくとも二つの)接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有し、閉止端(62)及び開放端(68)が内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直であり、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)が、閉止端(62)に近い内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って配置され、少なくとも一つの(好ましくは少なくとも二つの)接線方向加圧ガス供給ポート(85)が、閉止端(62)から少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)より下流で内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って配置され、ポリ側(P)液状成分が、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)を介して6,895〜27,600kPaの(P)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入され、イソ側(I)液状成分が、少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を介して6,895〜27,600kPaの(I)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入され、内部円柱形チャンバ(65)へのポリ側(P)液状成分とイソ側(I)液状成分との合計質量流量が1〜500g/s(好ましくは2〜40g/s、より好ましくは2〜25g/s)であり、ポリ側(P)液状成分、イソ側(I)液状成分及び加圧ガスが内部円柱形チャンバ(65)内で混ぜ合わされて混合物を形成し、加圧ガスが、少なくとも一つの(好ましくは少なくとも二つの)接線方向加圧ガス供給ポート(85)を介して150〜1,500kPaの供給圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入され、内部円柱形チャンバ(65)への加圧ガスの入口速度が、20℃及び1気圧の理想気体条件に基づいて計算して50〜600m/s、好ましくは75〜350m/sである、工程、混合物を内部円柱形チャンバ(65)の開放端(68)から金型(10)のベース(12)に向けて5〜1,000m/sec、好ましくは10〜600m/sec、より好ましくは15〜450m/secの速度で放出する工程、混合物をケーキへと固化させる工程、ケーキを金型(10)から分離させる工程、及びケーキからケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)を得る工程であって、ケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)が研磨面(95)を有し、研磨面(95)に溝パターン(100)が形成されており、研磨面(95)が、基材を研磨するように適合されている、工程を含む。
【0021】
好ましくは、本発明の方法に使用される金型(10)のベース(12)は溝パターンのネガ(14)を画定し、溝パターン(100)はケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の研磨面(95)に転写される。好ましくは、金型(10)のベース(12)は、平均半径r
c(好ましくはr
cは20〜100cmであり、より好ましくはr
cは25〜65cmであり、もっとも好ましくはr
cは40〜60cmである)を有する実質的に円形の断面を有する(
図1及び4を参照)。
【0022】
好ましくは、本発明の方法に使用される金型(10)は周囲壁(15)を有することができる。好ましくは、周囲壁は、x−y面(30)に対して実質的に垂直である金型キャビティ(20)の垂直内部境界(18)を画定する。より好ましくは、周囲壁は、x−y面(30)に対して本質的に垂直である金型キャビティ(20)の垂直内部境界(18)を画定する(
図1及び4を参照)。
【0023】
好ましくは、金型キャビティ(20)は、z軸と一致し、中心点(21)で金型(10)のベース(12)の水平内部境界(14)と交差する中心軸C
axis(22)を有する。好ましくは、中心点(21)は、x−y面(30)に投影された金型キャビティ(20)の断面C
x-sect(24)の幾何学的中心に位置する(
図1を参照)。
【0024】
好ましくは、x−y面(30)に投影された金型キャビティの断面C
x-sect(24)は規則的又は不規則な二次元形状であることができる。好ましくは、金型キャビティの断面C
x-sect(24)は多角形及び楕円から選択される。より好ましくは、金型キャビティの断面C
x-sect(24)は、平均半径r
c(好ましくはr
cは20〜100cmであり、より好ましくはr
cは25〜65cmであり、もっとも好ましくはr
cは40〜60cmである)を有する実質的に円形の断面である。もっとも好ましくは、金型キャビティ(20)は、実質的に円形の断面C
x-sectを有する直円柱形領域に近似し、金型キャビティは、金型キャビティの中心軸C
axis(22)と一致する対称軸C
x-sym(25)を有し、直円柱形領域は、次式によって求められる断面積C
x-areaを有する。
【0026】
式中、r
cは、x−y面(30)に投影された金型キャビティの断面積C
x-areaの平均半径であり、r
cは20〜100cm(より好ましくは25〜65cm、もっとも好ましくは40〜60cm)である(
図1及び4を参照)。
【0027】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は内部円柱形チャンバ(65)を有する。好ましくは、内部円柱形チャンバ(65)は閉止端(62)及び開放端(68)を有する。好ましくは、閉止端(62)及び開放端(68)はそれぞれ内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して実質的に垂直である。より好ましくは、閉止端(62)及び開放端(68)はそれぞれ内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して本質的に垂直である。もっとも好ましくは、閉止端(62)及び開放端(68)はそれぞれ内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直である(
図2、3及び11を参照)。
【0028】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、対称軸(70)を有する内部円柱形チャンバ(65)を有し、開放端(68)は円形の開口(69)を有する。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、対称軸(70)を有する内部円柱形チャンバ(65)を有し、開放端(68)は円形の開口(69)を有し、円形の開口(69)は内部円柱形チャンバ(65)と同心である。もっとも好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、対称軸(70)を有する内部円柱形チャンバ(65)を有し、開放端(68)は円形の開口(69)を有し、円形の開口(69)は内部円柱形チャンバ(65)と同心であり、円形の開口(69)は内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直である。好ましくは、円形の開口(69)は1〜10mm(より好ましくは1.5〜7.5mm、さらに好ましくは2〜6mm、もっとも好ましくは2.5〜3.5mm)の直径を有する(
図2、3及び11を参照)。
【0029】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)を有する。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)を有する。好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)を有し、少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置されている。より好ましくは、本発明に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)を有する場合、少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置され、内部円柱形チャンバ(65)の閉止端(62)から等しい距離にある。好ましくは、少なくとも一つの(P)側液体供給ポートは、0.05〜3mm(好ましくは0.1〜0.1mm、より好ましくは0.15〜0.5mm)の内径を有するオリフィスを介して内部円柱形チャンバ(65)に通じる。好ましくは、少なくとも一つの(P)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に向けられる。より好ましくは、少なくとも一つの(P)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して本質的に垂直に向けられる。もっとも好ましくは、少なくとも一つの(P)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直に向けられる。
【0030】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を有する。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する。好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置されている。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置され、内部円柱形チャンバ(65)の閉止端(62)から等しい距離にある。好ましくは、少なくとも一つの(I)側液体供給ポートは、0.05〜3mm(好ましくは0.1〜0.1mm、より好ましくは0.15〜0.5mm)の内径を有するオリフィスを介して内部円柱形チャンバ(65)に通じる。好ましくは、少なくとも一つの(I)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に向けられる。より好ましくは、少なくとも一つの(I)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して本質的に垂直に向けられる。もっとも好ましくは、少なくとも一つの(I)側液体供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直に向けられる。
【0031】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を有し、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置されている。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を有し、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置され、内部円柱形チャンバ(65)の閉止端(62)から等しい距離にある。
【0032】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する。好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置され、少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置されている。好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、(P)側液体供給ポート(75)及び(I)側液体供給ポート(80)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って交互に位置する。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、(P)側液体供給ポート(75)及び(I)側液体供給ポート(80)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って交互に位置し、均等に離間する。もっとも好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)が、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(P)側液体供給ポート(75)及び内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの(I)側液体供給ポート(80)を有する場合、(P)側液体供給ポート(75)及び(I)側液体供給ポート(80)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って交互に位置し、均等に離間し、(P)側液体供給ポート(75)及び(I)側液体供給ポート(80)はすべて内部円柱形チャンバ(65)の閉止端(62)から等しい距離にある。
【0033】
好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有する。より好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有し、少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は、閉止端(62)から少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)より下流で内部円柱形チャンバ(65)の周囲に沿って配置されている。さらに好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有し、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は、閉止端(62)から少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)より下流で内部円柱形チャンバ(65)の周囲に沿って配置されている。なおさらに好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有し、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は、閉止端(62)から少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)より下流で内部円柱形チャンバ(65)の周囲に沿って配置され、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置されている。もっとも好ましくは、本発明の方法に使用される軸混合装置(60)は、内部円柱形チャンバ(65)に通じる少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を有し、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は、閉止端(62)から少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)及び少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)より下流で内部円柱形チャンバ(65)の周囲に沿って配置され、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)は、内部円柱形チャンバ(65)の周囲(67)に沿って均等に配置され、内部円柱形チャンバ(65)の閉止端(62)から等しい距離にある。好ましくは、少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポートは、0.1〜5mm(好ましくは0.3〜3mm、より好ましくは0.5〜2mm)の限界寸法を有するオリフィスを介して内部円柱形チャンバ(65)に通じる。好ましくは、少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の内周に沿って接線方向に向けられる。より好ましくは、少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の内周に沿って接線方向に向けられ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して本質的に垂直である面にある。もっとも好ましくは、少なくとも一つの接線方向加圧ガス供給ポートは、内部円柱形チャンバ(65)に通じ、内部円柱形チャンバ(65)の内周に沿って接線方向に向けられ、内部円柱形チャンバ(65)の対称軸(70)に対して垂直である面にある。
【0034】
好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分は、(P)側ポリオール類、(P)側ポリアミン類及び(P)側アルコールアミン類の少なくとも一つを含む。
【0035】
好ましくは、(P)側ポリオール類は、ジオール類、ポリオール類、ポリオールジオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、(P)側ポリオール類は、ポリエーテルポリオール類(たとえばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール及びそれらの混合物)、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類、それらの混合物、ならびにエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールからなる群から選択される一つ以上の低分子量ポリオール類とのそれらの混合物からなる群から選択される。さらに好ましくは、少なくとも一つの(P)側ポリオール類は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、エステル系ポリオール類(たとえばエチレンアジペート、ブチレンアジペート)、ポリプロピレンエーテルグリコール類(PPG)、ポリカプロラクトンポリオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0036】
好ましくは、本発明の方法において、使用されるポリ側(P)液状成分は少なくとも一つの(P)側ポリオール類を含み、少なくとも一つの(P)側ポリオールは、2,500〜100,000の数平均分子量M
Nを有する高分子量ポリオール類を含む。より好ましくは、使用される高分子量ポリオール類は、5,000〜50,000(さらに好ましくは7,500〜25,000、もっとも好ましくは10,000〜12,000)の数平均分子量M
Nを有する。
【0037】
好ましくは、本発明の方法において、使用されるポリ側(P)液状成分は少なくとも一つの(P)側ポリオール類を含み、少なくとも一つの(P)側ポリオール類は、1分子あたり平均3〜10個のヒドロキシル基を有する高分子量ポリオール類を含む。より好ましくは、使用される高分子量ポリオール類は、1分子あたり平均4〜8個(さらに好ましくは5〜7個、もっとも好ましくは6個)のヒドロキシル基を有する。
【0038】
市販の高分子量ポリオール類の例は、Specflex(登録商標)ポリオール類、Voranol(登録商標)ポリオール類及びVoralux(登録商標)ポリオール類(The Dow Chemical Companyから市販)、Multranol(登録商標)スペシャルティーポリオール及びUltracel(登録商標)フレキシブルポリオール(Bayer MaterialScience LLCから市販)ならびにPluracol(登録商標)ポリオール(BASFから市販)を含む。いくつかの好ましい高分子量ポリオール類を表1に挙げる。
【0040】
好ましくは、(P)側ポリアミン類は、ジアミン類及び他の多官能アミン類からなる群から選択される。より好ましくは、(P)側ポリアミン類は、芳香族ジアミン類及び他の多官能芳香族アミン類、たとえば4,4′−メチレン−ビス−o−クロロアニリン(「MbOCA」)、4,4′−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(「MCDEA」)、ジメチルチオトルエンジアミン、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシドジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシドモノ−p−アミノベンゾエート、ポリプロピレンオキシドジ−p−アミノベンゾエート、ポリプロピレンオキシドモノ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4′−メチレン−ビス−アニリン、ジエチルトルエンジアミン、5−tert−ブチル−2,4−トルエンジアミン、3−tert−ブチル−2,6−トルエンジアミン、5−tert−アミル−2,4−トルエンジアミン及び3−tert−アミル−2,6−トルエンジアミン及びクロロトルエンジアミンからなる群から選択される。
【0041】
好ましくは、(P)側アルコールアミン類は、アミン開始ポリオール類からなる群から選択される。より好ましくは、(P)側アルコールアミン類は、1分子あたり1〜4個(さらに好ましくは2〜4個、もっとも好ましくは2個)の窒素原子を含むアミン開始ポリオール類からなる群から選択される。好ましくは、(P)側アルコールアミン類は、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール類からなる群から選択される。より好ましくは、(P)側アルコールアミン類は、1分子あたり平均3〜6個(さらに好ましくは3〜5個、もっとも好ましくは4個)のヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオール類からなる群から選択される。特に好ましいアミン開始ポリオール類は、≦700(好ましくは150〜650、より好ましくは200〜500、もっとも好ましくは250〜300)の数平均分子量M
N(を有し)、350〜1,200mgKOH/gのヒドロキシル価(ASTM試験法D4274−11によって測定)を有する。より好ましくは、使用されるアミン開始ポリオール類は400〜1,000mgKOH/g(もっとも好ましくは600〜850mgKOH/g)のヒドロキシル価を有する。市販のアミン開始ポリオール類の例は、Voranol(登録商標)ファミリーのアミン開始ポリオール類(The Dow Chemical Companyから市販)、Quadrol(登録商標)スペシャルティーポリオール類(N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン)(BASFから市販)、Pluracol(登録商標)アミン系ポリオール類(BASFから市販)、Multranol(登録商標)アミン系ポリオール類(Bayer MaterialScience LLCから市販)、トリイソプロパノールアミン(TIPA)(The Dow Chemical Companyから市販)及びトリエタノールアミン(TEA)(Mallinckrodt Baker Inc.から市販)を含む。いくつかの好ましいアミン開始ポリオール類を表2に挙げる。
【0043】
好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分は、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)を介して6,895〜27,600kPaの(P)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。より好ましくは、ポリ側(P)液状成分は、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)を介して8,000〜20,000kPaの(P)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。もっとも好ましくは、ポリ側(P)液状成分は、少なくとも一つの(P)側液体供給ポート(75)を介して10,000〜17,000kPaの(P)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。
【0044】
好ましくは、本発明の方法において、イソ側(I)液状成分は少なくとも一つの多官能イソシアネート類を含む。好ましくは、少なくとも一つの多官能イソシアネート類は二つの反応性イソシアネート基(すなわちNCO)を含む。
【0045】
好ましくは、少なくとも一つの多官能イソシアネート類は、脂肪族多官能イソシアネート類、芳香族多官能イソシアネート類及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、多官能イソシアネート類は、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジ−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、パラ−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート及びそれらの混合物からなる群から選択されるジイソシアネート類である。さらに好ましくは、少なくとも一つの多官能イソシアネート類は、ジイソシアネート類とプレポリマーポリオール類との反応によって形成される末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーである。
【0046】
好ましくは、少なくとも一つの多官能イソシアネート類は末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーであり、末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは2〜12重量%の未反応イソシアネート(NCO)基を有する。より好ましくは、本発明の方法に使用される末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは2〜10重量%(さらに好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは5〜7重量%)の未反応イソシアネート(NCO)基を有する。
【0047】
好ましくは、使用される末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、ジイソシアネート類とプレポリマーポリオール類との反応生成物であり、プレポリマーポリオール類は、ジオール類、ポリオール類、ポリオールジオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、プレポリマーポリオール類は、ポリエーテルポリオール類(たとえばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール及びそれらの混合物)、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類、それらの混合物、ならびにエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールからなる群から選択される一つ以上の低分子量ポリオール類とのそれらの混合物からなる群から選択される。さらに好ましくは、プレポリマーポリオール類は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、エステル系ポリオール類(たとえばエチレンアジペート、ブチレンアジペート)、ポリプロピレンエーテルグリコール類(PPG)、ポリカプロラクトンポリオール類、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される。もっとも好ましくは、プレポリマーポリオール類は、PTMEG及びPPGからなる群から選択される。
【0048】
好ましくは、プレポリマーポリオール類がPTMEGである場合、末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは2〜10重量%(より好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは6〜7重量%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有する。市販されているPTMEG系の末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販されている、たとえばPET-80A、PET-85A、PET-90A、PET-93A、PET-95A、PET-60D、PET-70D、PET-75D)、Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから市販されている、たとえばLF800A、LF900A、LF910A、LF930A、LF931A、LF939A、LF950A、LF952A、LF600D、LF601D、LF650D、LF667、LF700D、LF750D、LF751D、LF752D、LF753D及びL325)、Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販されている、たとえば70APLF、80APLF、85APLF、90APLF、95APLF、60DPLF、70APLF、75APLF)を含む。
【0049】
好ましくは、プレポリマーポリオール類がPPGである場合、末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは3〜9重量%(より好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは5〜6重量%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有する。市販されているPPG系の末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販されている、たとえばPPT-80A、PPT-90A、PPT-95A、PPT-65D、PPT-75D)、Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから市販されている、たとえばLFG963A、LFG964A、LFG740D)及びAndur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販されている、たとえば8000APLF、9500APLF、6500DPLF、7501DPLF)を含む。
【0050】
好ましくは、本発明の方法に使用される末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、0.1重量%未満の遊離トルエンジイソシアネート(TDI)モノマー含量を有する、低遊離イソシアネートで末端修飾されたウレタンプレポリマーである。
【0051】
また、非TDI系の末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーを本発明の方法に使用することもできる。たとえば、末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びポリオール類、たとえばポリテトラメチレングリコール(PTMEG)と、任意選択のジオール類、たとえば1,4−ブタンジオール(BDO)との反応によって形成されるものを含む(が許容できる)。そのような末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーが使用される場合、未反応イソシアネート(NCO)濃度は、好ましくは4〜10重量%(より好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは5〜7重量%)である。この範疇の市販されている末端イソシアネート修飾ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販されている、たとえば27-85A、27-90A、27-95A)、Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販されている、たとえばIE75AP、IE80AP、IE85AP、IE90AP、IE95AP、IE98AP)、Vibrathane(登録商標)プレポリマー(Chemturaから市販されている、たとえばB625、B635、B821)、Isonate(登録商標)改質プレポリマー(The Dow Chemical Companyから市販されている、たとえば、NCO18.7%のIsonate(登録商標)240、NCO23%のIsonate(登録商標)181、NCO29.2%のIsonate(登録商標)143L)及びポリマーMDI(The Dow Chemical Companyから市販されている、たとえばPAPI(登録商標)20、27、94、95、580N、901)を含む。
【0052】
好ましくは、本発明の方法において、イソ側(I)液状成分は、少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を介して6,895〜27,600kPaの(I)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。より好ましくは、イソ側(I)液状成分は、少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を介して8,000〜20,000kPaの(I)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。もっとも好ましくは、イソ側(I)液状成分は、少なくとも一つの(I)側液体供給ポート(80)を介して10,000〜17,000kPaの(I)側チャージ圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。
【0053】
好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分及びイソ側(I)液状成分の少なくとも一つは、任意選択で、さらなる液状物質を含有することができる。たとえば、ポリ側(P)液状成分及びイソ側(I)液状成分の少なくとも一つは、発泡剤(たとえばカルバメート発泡剤、たとえば、The Dow Chemical Companyから市販されているSpecflex(商標)NR556CO
2/脂肪族アミンアダクト)、触媒(たとえば第三級アミン触媒、たとえば、Air Products, Inc.から市販されているDabco(登録商標)33LV触媒及びスズ触媒、たとえば、Momentiveから市販されているFomrez(登録商標)スズ触媒)及び界面活性剤(たとえば、Evonikから市販されているTegostab(登録商標)シリコン界面活性剤)からなる群から選択される液状物質を含有することができる。好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分はさらなる液状物質を含有する。より好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(P)液状成分はさらなる液状物質を含有し、さらなる液状物質は触媒及び界面活性剤の少なくとも一つである。もっとも好ましくは、本発明の方法において、ポリ側(I)液状成分は触媒及び界面活性剤を含有する。
【0054】
好ましくは、本発明の方法において、使用される加圧ガスは、二酸化炭素、窒素、空気及びアルゴンからなる群から選択される。より好ましくは、使用される加圧ガスは、二酸化炭素、窒素及び空気からなる群から選択される。さらに好ましくは、使用される加圧ガスは、窒素及び空気からなる群から選択される、もっとも好ましくは、使用される加圧ガスは空気である。
【0055】
好ましくは、本発明の方法において、使用される加圧ガスは≦10ppmの水分含量を有する。より好ましくは、使用される加圧ガスは≦1ppmの水分含量を有する。さらに好ましくは、使用される加圧ガスは≦0.1ppmの水分含量を有する。もっとも好ましくは、使用される加圧ガスは≦0.01ppmの水分含量を有する。
【0056】
好ましくは、本発明の方法において、加圧ガスは、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を介して内部円柱形チャンバ(65)に導入され、入口速度は、20℃及び1気圧の理想気体条件に基づいて計算して50〜600m/s、好ましくは75〜350m/sである。理論によって拘束されることを望まないが、入口速度が低すぎる場合、金型中に堆積する研磨層が望まれない亀裂を発生させる危険性が増すことが留意されよう。
【0057】
好ましくは、本発明の方法において、加圧ガスは、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を介して150〜1,500kPaの供給圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。より好ましくは、加圧ガスは、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を介して350〜1,000kPaの供給圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。もっとも好ましくは、加圧ガスは、少なくとも二つの接線方向加圧ガス供給ポート(85)を介して550〜830kPaの供給圧で内部円柱形チャンバ(65)に導入される。
【0058】
好ましくは、本発明のケミカルメカニカル研磨パッド研磨層を形成する方法は、ポリ側(P)液状成分及びイソ側(I)液状成分を提供する工程を含み、ポリ側(P)液状成分及びイソ側(I)液状成分は、イソ側(I)液状成分中の未反応イソシアネート(NCO)基に対するポリ側(P)液状成分中の反応性水素基(すなわち、アミン(NH
2)基とヒドロキシル(OH)基との合計)の化学量論比0.85〜1.15(より好ましくは0.90〜1.10、もっとも好ましくは0.95〜1.05)で提供される。
【0059】
好ましくは、本発明の方法において、内部円柱形チャンバ(65)へのポリ側(P)液状成分とイソ側(I)液状成分との合計質量流量は1〜500g/s(好ましくは2〜40g/s、より好ましくは2〜25g/s)である。
【0060】
好ましくは、本発明の方法において、(a)内部円柱形チャンバ(65)へのポリ側(P)液状成分とイソ側(I)液状成分との合計質量流量と、(b)内部円柱形チャンバ(65)への加圧ガスの質量流量との比(20℃及び1気圧の理想気体条件に基づいて計算)は≦46:1(より好ましくは≦30:1)である。
【0061】
好ましくは、本発明の方法において、軸混合装置(60)中で形成された混合物は、内部円柱形チャンバ(65)の開放端(68)から金型(10)のベース(12)に向けて10〜300m/secの速度で放出される。より好ましくは、混合物は、軸混合装置(60)の開放端(68)の開口(69)から金型(10)のベース(12)に向けて、z軸(Z)平行な方向にz成分を有する速度10〜300m/secで放出される。
【0062】
好ましくは、本発明の方法において、混合物は、軸混合装置(60)の開放端(68)から、金型(10)中に形成されたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の底面(92)からz次元に沿って距離Dで放出される。より好ましくは、混合物は、軸混合装置(60)の開放端(68)から、金型(10)中に形成されたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の底面(92)からz次元に沿って距離Dで放出され、平均距離D
avgは2.5〜125cm(より好ましくは7.5〜75cm、もっとも好ましくは12.5〜50cm)である。
【0063】
好ましくは、本発明の方法において、軸混合装置中で形成された混合物は5〜900秒のゲル化時間を有する。より好ましくは、軸混合装置中で形成された混合物は10〜600秒のゲル化時間を有する。もっとも好ましくは、軸混合装置中で形成された混合物は15〜120秒のゲル化時間を有する。
【0064】
好ましくは、本発明の方法を使用して調製されたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層は、ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するために、少なくとも一つのさらなる層と接合させることができる。好ましくは、本発明の方法を使用して調製されたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層は圧縮性のサブパッド(図示せず)と接合され、圧縮性サブパッドは、スタック接着剤を使用して、研磨層(90)と接合され、スタック接着剤は、研磨層(90)の底面(92)と圧縮性サブパッドとの間に挿入される。サブパッドは、好ましくは、研磨される基材の表面に対する研磨層の適合を改善する。好ましくは、使用されるスタック接着剤は、感圧接着剤、反応性ホットメルト接着剤、コンタクト接着剤及びそれらの混合物からなる群から選択される接着剤である。より好ましくは、スタック接着剤は、反応性ホットメルト接着剤及び感圧接着剤からなる群から選択される。もっとも好ましくは、使用されるスタック接着剤は反応性ホットメルト接着剤である。
【0065】
好ましくは、本発明の方法を使用して調製されたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層はケミカルメカニカル研磨パッドに組み込まれ、ケミカルメカニカル研磨パッドは、研磨機のプラテンと接触するように適合されている。好ましくは、ケミカルメカニカル研磨パッドは、真空及び感圧プラテン接着剤の少なくとも一つを使用してプラテンと接触するように適合されている。
【0066】
好ましくは、本発明の方法を使用して調製されたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層は、基材を研磨するように適合され、基材は、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つである。より好ましくは、本発明の方法を使用して調製されたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層は、基材を研磨するように適合され、基材は半導体基材である。もっとも好ましくは、本発明の方法を使用して調製されたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層は、基材を研磨するように適合され、基材は半導体ウェーハである。
【0067】
好ましくは、本発明の方法において、ケーキから得られたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層は、研磨面(95)に形成された溝パターン(100)を有する研磨面を有する。好ましくは、溝パターンは、研磨中にケミカルメカニカル研磨パッド研磨層が回転するとき、研磨されている基材の表面を掃くように研磨面上に配置された一つ以上の溝を含む。好ましくは、一つ以上の溝は、カーブした溝、直線状の溝及びそれらの組み合わせからなる。
【0068】
好ましくは、溝パターンは複数の溝を含む。より好ましくは、溝パターンは溝デザインから選択される。好ましくは、溝デザインは、同心状の溝(円形又はらせん状であることができる)、カーブした溝、クロスハッチ溝(たとえばパッド表面上にX−Y格子として配置)、他の規則的デザイン(たとえば六角形、三角形)、タイヤトレッド型パターン、不規則なデザイン(たとえばフラクタルパターン)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、溝デザインは、ランダムな溝、同心状の溝、らせん溝、クロスハッチ溝、X−Y格子溝、六角形の溝、三角形の溝、フラクタルな溝及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。もっとも好ましくは、研磨面は、その中に形成されたらせん溝パターンを有する。溝プロフィールは、好ましくは、まっすぐな側壁を有する長方形から選択され、又は、溝断面は「V」字形、「U」字形、鋸歯状及びそれらの組み合わせであることもできる。
【0069】
好ましくは、溝パターン(100)は、ケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の研磨面(95)に形成された複数の溝を含み、複数の溝はカーブした溝(120)である(
図6を参照)。
【0070】
好ましくは、溝パターン(100)は、ケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の研磨面(95)に形成された複数の溝を含み、複数の溝は同心円状の溝(130)である(
図7及び8を参照)。
【0071】
好ましくは、溝パターン(100)は、ケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の研磨面(95)に形成された複数の溝を含み、複数の溝はX−Y溝(140)である(
図9を参照)。
【0072】
好ましくは、溝パターン(100)は、ケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)の研磨面(95)に形成された複数の溝を含み、複数の溝は同心円状の溝(130)及びX−Y溝(140)を含む(
図10を参照)。
【0073】
好ましくは、本発明の方法を使用して調製されたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)は20〜150ミルの平均厚さT
P-avgを有する。より好ましくは、本発明の方法を使用して調製されたケミカルメカニカル研磨パッド研磨層(90)は30〜125ミル(さらに好ましくは40〜120ミル、もっとも好ましくは50〜100ミル)の平均厚さT
P-avgを有する(
図5を参照)。
【0074】
以下の実施例において本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する。
【0075】
実施例1:ケミカルメカニカル研磨パッド研磨層
高分子量ポリエーテルポリオール(The Dow Chemical Companyから市販されているVoralux(登録商標)HF505ポリオール)77.62重量%、モノエチレングリコール21.0重量%、シリコーン界面活性剤(Evonikから市販されているTegostab(登録商標)B8418界面活性剤)1.23重量%、スズ触媒(Momentiveから市販されているFomrez(登録商標)UL-28)0.05重量%及び第三級アミン触媒(Air Products, Inc.から市販されているDabco(登録商標)33LV触媒)0.10重量%を含有するポリ側(P)液状成分を準備した。改質ジフェニルメタンジイソシアネート(The Dow Chemical Companyから市販されているIsonate(商標)181MDIプレポリマー)100重量%を含有するイソ側(I)液状成分を準備した。加圧ガス(乾燥空気)を準備した。
【0076】
(P)側液体供給ポート、(I)側液体供給ポート及び四つの接線方向加圧ガス供給ポートを有する軸混合装置(Hennecke GmbHから市販されているMicroLine 45CSM)を有する軸混合装置を準備した。ポリ側(P)液状成分及びイソ側(I)液状成分を、それぞれの供給ポートを介して、(P)側チャージ圧10,500kPa、(I)側チャージ圧14,600kPa及び(I)/(P)重量比1.36(NCO基に対する反応性水素基の化学量論比0.95を与える)で軸混合装置に供給した。接線方向加圧ガス供給ポートを介して加圧ガスを830kPaの供給圧で供給して、軸混合装置を通過する合計液状成分:ガス質量流量の比3.7:1を与えて混合物を形成した。混合物を、軸混合装置から、その中に形成された溝パターンのネガ(同心円状溝のネガK7型パターン)を有する金型ベースに向けて254m/secの速度で放出して、金型ベース上にケーキを形成した。ケーキを100℃で16時間、硬化させた。次いで、ケーキを室温まで冷ましたのち、金型ベースから分離させた。ケーキの底面を旋盤上で平坦に機械加工して研磨層を得た。次いで、ホットメルト接着剤を使用して、研磨層をSuba IVサブパッドと結合して、K7型溝パターン(幅20ミル、深さ30ミル、ピッチ70ミルの同心円状溝)を有するケミカルメカニカル研磨層を有するケミカルメカニカル研磨パッドを得た。
【0077】
実施例1からの研磨層を分析して、表3に報告するような物性を測定した。報告する密度データはASTM D1622にしたがって測定されたものであり、報告するショアーD硬さデータはASTM D2240にしたがって測定されたものであり、報告する破断点伸びデータはASTM D412にしたがって測定されたものであることに留意すること。また、比較のために、IC1000(商標)研磨層材料の物性の報告値を表3に報告する。
【0079】
実施例1にしたがって調製したケミカルメカニカル研磨パッドを使用して二酸化ケイ素除去速度研磨試験を実施し、K7溝を有するIC1000(商標)ポリウレタン研磨パッド(Rohm and Haas Electronic Materials CMP Inc.から市販)を使用して比較例PC1で得られた試験と比較した。具体的に、各研磨パッドの場合の二酸化ケイ素除去速度を表4に提示する。研磨除去速度実験は、Novellus Systems, Inc.の200mmブランケットS15KTEN TEOSシートウェーハに対して実施した。Applied Materialsの200mm Mirra(登録商標)研磨機を使用した。すべての研磨実験を、20.7kPa(3psi)のダウンフォース、200ml/minのスラリー(Rohm and Haas Electronic Materials CMP Inc.から市販されているKlebosol(商標)1730スラリー)流量、93rpmのテーブル回転速度及び87rpmのキャリヤ回転速度で実施した。Saesol 8031Cダイアモンドパッドコンディショナ(Saesol Diamond Ind. Co., Ltd.から市販)を使用して研磨パッドをコンディショニングした。研磨パッドを、コンディショナにより、31.1Nのダウンフォースを使用して30分間ならし運用した。さらに、研磨中、研磨パッドを、研磨パッドの中心から1.7〜9.2インチまで、31.1Nのダウンフォースを使用して毎分10スイープで、インサイチューで100%コンディショニングした。研磨の前後で、49点スパイラルスキャンを使用するKLA-Tencor FX200計測ツールを使用して、エッジ除外領域3mmで膜厚さを計測することにより、除去速度を測定した。除去速度実験それぞれを三回実施した。研磨パッドごとの三回の除去速度実験の平均除去速度を表4に提示する。