特許第6783588号(P6783588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6783588タブコンタクトと高電流導体との間の電気接続を確立するための機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6783588
(24)【登録日】2020年10月26日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】タブコンタクトと高電流導体との間の電気接続を確立するための機構
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/193 20060101AFI20201102BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20201102BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20201102BHJP
   H01R 13/24 20060101ALI20201102BHJP
   H01R 4/58 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   H01R13/193
   H01R13/639 Z
   H01R13/64
   H01R13/24
   H01R4/58 C
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-164249(P2016-164249)
(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公開番号】特開2017-50281(P2017-50281A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2019年5月31日
(31)【優先権主張番号】10 2015 216 632.5
(32)【優先日】2015年8月31日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー シュタンゲ
(72)【発明者】
【氏名】リュディガー マイアー
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/014591(WO,A1)
【文献】 特表2016−525782(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02211425(EP,A1)
【文献】 特表2005−505104(JP,A)
【文献】 特開2014−207213(JP,A)
【文献】 特開2000−243498(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01429424(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/193
H01R 13/187
H01R 13/11
H01R 13/24
H01R 4/58
H01R 13/639
H01R 13/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タブコンタクト(73)と高電流導体(1)との間の電気接続を確立するための機構(31)であって、
前記機構(31)は、高電流導体(1)の接触区域(9)に装着するための少なくとも1つの装着器(63)を有する接続区域(33)を有する保持構造(29)と、前記タブコンタクト(73)用のレセプタクル(35)と、を有しており、
前記保持構造(29)が、前記接続区域(33)の方向に接触圧力を生成するように構成される少なくとも1つの押圧要素(41)を有し、
前記保持構造(29)が、少なくとも1つの挟持要素(57)を有しており、
前記挟持要素(57)は、前記レセプタクル(35)内へと少なくとも部分的に突出し、かつ前記押圧要素(41)を押圧する方向(A)に対して垂直に前記レセプタクル(35)から外に弾性偏向して前記タブコンタクト(73)を摩擦結合により保持可能であることを特徴とする、
機構(31)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの押圧要素(41)が、前記保持構造(29)と一体に形成され、前記レセプタクル(35)から離れるように弾性偏向可能であることを特徴とする、
請求項1に記載の機構(31)。
【請求項3】
前記接続区域(33)が、前記タブコンタクト(73)用の前記レセプタクル(35)を越えて、前記少なくとも1つの押圧要素(41)の反対側に存在することを特徴とする、
請求項1または2に記載の機構(31)。
【請求項4】
前記接続区域(33)において、前記保持構造(29)が、前記高電流導体(1)の前記接触区域(9)の背後で係合するための、少なくとも1つの形態拘束要素(65)を有することを特徴とする、
請求項1から3のいずれかに記載の機構(31)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの形態拘束要素(65)が、前記接続区域(33)から離れるように偏向可能なラッチ手段(71)の形態で作製されることを特徴とする、
請求項4に記載の機構(31)。
【請求項6】
前記保持構造(29)が、前記押圧要素(41)を押圧する方向(A)と実質的に平行に延びる組み付け方向(M)に沿って、前記高電流導体(1)の前記接触区域(9)にロック可能であることを特徴とする、
請求項4または5に記載の機構(31)。
【請求項7】
前記接続区域(33)に、前記タブコンタクト(73)用の前記レセプタクル(35)とともに共通の空洞(39)を形成する、前記高電流導体(1)の前記接触区域(9)用の受容空間(37)が配設されていることを特徴とする、
請求項1から6のいずれかに記載の機構(31)。
【請求項8】
前記保持構造(29)が前記接続区域(33)において、前記少なくとも1つの押圧要素(41)の反対側に存在するその面上で少なくとも部分的に開口していることを特徴とする、
請求項1から7いずれかに記載の機構(31)。
【請求項9】
前記保持構造(29)が、鋼から1つの個片として形成されることを特徴とする、
請求項1からのいずれかに記載の機構(31)。
【請求項10】
前記機構(31)が、前記高電流導体(1)の前記接触区域(9)への確実な接続のための接続面(15)、および前記レセプタクル(35)内に収容される前記タブコンタクト(73)の接触のための接触面(13)を有する少なくとも1つの板形状のインタフェース部材(3)を備えることを特徴とする、
請求項1からのいずれかに記載の機構(31)。
【請求項11】
前記接触面(13)が、前記インタフェース部材(3)から少なくとも部分的に離れるように延在する少なくとも1つの接触要素(17)を有することを特徴とする、
請求項10に記載の機構(31)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの接触要素(17)が、前記インタフェース部材(3)の残りの部分に向かって弾性偏向可能なコンタクトばね(19)の形態で作製されることを特徴とする、
請求項11に記載の機構(31)。
【請求項13】
少なくとも1つの圧縮された端部(5)を有する高電流導体(1)であって 前記少なくとも1つの圧縮された端部(5)に、請求項1から12のいずれかに記載の機構(31)が設けられることを特徴とする、
高電流導体(1)。
【請求項14】
前記高電流導体(1)が、アース用ストラップであることを特徴とする、
請求項13に記載の高電流導体(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブコンタクトと高電流導体との間の電気接続を確立するための機構に関し、この機構は、高電流導体の接触区域に装着するための少なくとも1つの装着器を有する接続区域を有する保持構造と、タブコンタクト用のレセプタクルと、を有する。さらに、本発明は、高電流導体、特に少なくとも1つの圧縮された端部を有する、アース用ストラップ、またはバスバーに関する。
【背景技術】
【0002】
高電流技術において、特に自動車産業に関する直流技術においては、多くの場合、アース用ストラップまたはバスバーなどの高電流導体を、タブコンタクト、たとえばケーブルラグに接続することが必要である。特に自動車産業においては、これらの接続部が振動耐性を有することが必要である。高電流は一般にこれらの接続部を通って伝えられるので、高電流導体とタブコンタクトとの間の良好な電気的接触が、さらに要求される。さらに、多くの場合、この種類の接続部は、短時間で閉鎖および/または解放できることが望ましい。前述の種類の機構が、先行技術において知られている。たとえば、接続されることになる高電流導体の端部およびタブコンタクトの両方のそれぞれに、タブコンタクトが高電流導体に螺着可能となるように、ねじを通過させ導くことのできる開口部を設けることができる。
この方法は、良好な電気接続をもたらすが、取り扱いが複雑である。別の知られている種類の接続は、高電流導体にまず、タブコンタクト用のブッシングを確実に設けるものである。次いでタブコンタクトを、ブッシング内へと導入することができる。このことにより単純な接続が可能となるが、この場合も、確立するのに手間がかかり、また電気的接触は、ブッシングにより追加的に達成される。この場合、いくつかの箇所で、高い接触抵抗が生じる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、高電流を伝えるために高電流導体とタブコンタクトとの間の良好な電気的接触を保証し、高電流導体およびタブコンタクトの迅速な接続および迅速な解放を可能とし、短時間で容易に製造可能な、上で明記した種類の機構および高電流導体を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上で明記した種類の機構に関して、本発明による目的は、保持構造が、接続区域の方向に接触圧力を生成するように構成される少なくとも1つの押圧要素を有する、という形で達成される。
【0005】
冒頭に明記した高電流導体に関して、本発明による目的は、少なくとも1つの圧縮された端部が、摩擦結合および/または接着結合によって、板形状のインタフェース部材に接続され、このインタフェース部材が、少なくとも1つの接触要素がインタフェース部材から少なくとも部分的に離れるように延在する状態で、圧縮された端部から離れる方向を指す接触面を有する、という形で達成される。
【0006】
本発明による機構により、たとえばねじ接続部など、組み付けに手間のかかる装置を不要にすることが可能となる。たとえば、タブコンタクトは、タブコンタクト用のレセプタクル内に容易に挿入可能である。タブコンタクトを通る開口部または穿孔を、不要とすることができる。本発明による押圧要素により、レセプタクル内に配設されるタブコンタクトを、高電流導体の接触区域に押し付けることができる。タブコンタクトをこのことにより、たとえば、高電流導体の接触区域に直接押し付けることができる。別法として、高電流導体の接触区域にまず、タブコンタクトと高電流導体の接触区域との間の接触を改善する役割を果たし得る、板形状のインタフェース部材を設けることもできる。この場合、少なくとも1つの押圧要素は、タブコンタクトをインタフェース部材に押し付けることができる。
明記した両方の場合において、タブコンタクトは、押圧要素によって、接続部内に配設される高電流導体の接触区域の方向に押圧される。この押圧は好ましくは、少なくとも1つの押圧要素から接続区域の方向に延びる押圧の方向に沿って生じる。一般に、押圧方向は、レセプタクル内に配設されるタブコンタクトの平坦な面に対して垂直に、または高電流導体の接触区域の平坦な面に対して垂直に延びる。高電流導体の接触区域は好ましくは、少なくとも部分的に平坦または板形状とされる。高電流導体の接触区域は好ましくは、編組ケーブルの圧縮された端部によって形成される。特に、ケーブルはアースケーブルとすることができる。たとえば、はんだ付け、抵抗溶接、圧着、圧着とはんだ付けとの組み合わせによって、または超音波溶接によって、端部を圧縮することができる。接触区域は、必ず高電流導体の端部に配設せねばならない訳ではない。接触区域を2つの導体端部間に配設することも考えられる。
【0007】
本発明による高電流導体は、板形状のインタフェース部材によって形成され、これに押し付けられるタブコンタクトが、高電流導体との良好な電気的接触を確立できるようになっている。特に、インタフェース部材を、タブコンタクトのための良好な接触表面が作り出されるように形成することができる。少なくとも1つの接触要素は、高電流導体とタブコンタクトとの間の改善された電気接続をもたらす役割も果たし得る。
【0008】
本発明による解決法を、任意の方法で互いと組み合わせ可能な、各々それ自体で有利である様々な構成によって、さらに改善することができる。これらの実施形態およびこれらと関連付けられる利点について、以下で検討する。
【0009】
本発明による機構の第1の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの押圧要素は、保持構造と一体に形成することができ、レセプタクルから離れるように弾性偏向可能である。少なくとも1つの押圧要素はしたがって、ばねのようにすることができる。一体の構成により、これは保持構造の残りの部分に取り外し不可能に接続される。加えて、保持構造をこの場合、容易に作り出すことができる。弾性偏向可能な性質により、レセプタクル内へのタブコンタクトの導入およびそこからの再度の引き出しを、繰り返すことが可能になる。
【0010】
少なくとも保持構造のレセプタクル内に配置されるタブコンタクトが存在しないときは、少なくとも1つの押圧要素は、レセプタクル内へと少なくとも部分的に突出し得る。タブコンタクトを導入した時点で、少なくとも1つの押圧要素を弾性的に偏向させることができ、この結果この押圧要素は、ばね張力に曝され得る。このようにして、この押圧要素は、タブコンタクトに対向するように押すか、または接続区域のもしくは接続区域に配設される高電流導体の接触区域の方向に、タブコンタクトを押圧する。
【0011】
好ましくは、保持構造は複数の押圧要素を有する。このようにして、接続区域の方向において、タブコンタクト上への高く均等な接触圧力を生成することができる。
【0012】
少なくとも1つの押圧要素は、実質的に細長い形態を有することができ、一方の端部が保持構造に確実に接続されて、自由に揺動する板ばねまたはばねアームが形成されるようになっている。好ましくは、この種類の押圧要素の1つの長手方向は、タブコンタクトの挿入方向と平行に延びる。タブコンタクトがレセプタクル内に導入されると、次いでタブコンタクトは摺動して押圧要素を越えることができ、このことにより、押圧要素は均等に偏向される。タブコンタクトは多くの場合、要求される良好な導電特性を理由として柔らかい材料から形成されるので、少なくとも1つの押圧要素の記載される機構は、タブコンタクトの表面の保護に寄与し得る。
【0013】
細長い押圧要素は、特にその自由端によって、レセプタクル内へと突出し得る。この自由端上で、押圧要素を、レセプタクルから離れるように曲げることができ、この結果、丸みを帯びた面によってタブコンタクトとの接触を確立できる、丸みを帯びた構造が作り出される。このことは同様に、タブコンタクトの表面の保護に寄与する。
【0014】
好ましくは、保持構造は、それらの長手方向を横断する方向に互いに隣り合ってかつそれらの長手方向に関して互いと平行に配される、細長い形態を有する複数の押圧要素を有する。それぞれ隣接する複数の押圧要素を、反対方向において保持構造の残りの部分に確実に接続することができる。このようにして、押圧要素の交互の位置合わせを実現でき、このことは、接触圧力の特に均等な分布に寄与し得る。
【0015】
レセプタクル内に配設されるタブコンタクトを、接続区域の方向において、特に接続区域に配設される高電流導体の接触区域に対して、特に効果的に押圧するために、接続区域は、タブコンタクト用のレセプタクルを越えて、少なくとも1つの押圧要素の反対側に存在し得る。
【0016】
接続区域において、保持構造は、高電流導体の接触区域の背後で係合するための、少なくとも1つの形態拘束要素(form closure element)を有し得る。これは、保持構造を高電流導体に確実に固定する役割を果たし得る。さらに、少なくとも1つの形態拘束要素は、保持構造の少なくとも1つの押圧要素がレセプタクル内に配設されるタブコンタクトを高電流導体の接触区域に押し付ける場合に、高電流導体のためのカウンタベアリングとしての役割を果たし得る。好ましくは、保持構造は、複数の形態拘束要素を有する。
【0017】
少なくとも1つの形態拘束要素による、接触区域の背後での短時間での容易な係合を実現するために、少なくとも1つの形態拘束要素を、接続区域から離れるように偏向可能なラッチ手段の形態とすることができる。このようにして、少なくとも1つの形態拘束要素を、高電流導体から非破壊的な様式で再度解放することができる。
【0018】
保持構造を、押圧要素を押圧する方向と実質的に平行に延びる組み付け方向に沿って、高電流導体の接触区域にロックすることができる。特に、ロックのために、ラッチ手段の形態の形態拘束要素を使用することができる。ロックが可能であるので、保持構造を、高電流導体に短時間で容易に接続することができる。同様に、たとえば保持構造の高電流導体を交換すべきである場合、高電流導体から保持構造を、非破壊的な様式で再度解放することも可能である。
【0019】
好ましくは、保持構造は、組み付け方向を横断する方向に偏向可能な、ラッチ要素を有する。ロック状態において、ラッチ要素は、高電流導体の背後で係合し得る。
【0020】
少なくとも1つの押圧要素を押圧する方向は、好ましくは、タブコンタクトに関する挿入方向を横断する方向に延びる。この結果、組み付け方向も、タブコンタクトの挿入方向を横断する方向に延びる。このようにして、タブコンタクトをレセプタクル内へと導入すると、またはタブコンタクトをレセプタクルから解放すると、保持構造が高電流導体から分離されなくなることが保証され得る。
【0021】
保持構造のための材料を節減するために、およびさらに、レセプタクル内に配設されるタブコンタクトが高電流導体の接触区域上へと何ら問題なく押圧されることを保証するために、接続区域に、高電流導体の接触区域用の受容空間を配設することができる。この受容空間は、タブコンタクト用のレセプタクルとともに、共通の空洞を形成する。接続状態では、タブコンタクトおよび高電流導体の接触区域の両方を、この共通の空洞内に配設することができる。共通の空洞により、タブコンタクトを高電流導体に押し付けることが可能であり、このとき高電流導体は、少なくとも1つの形態拘束要素上に支持されている。
【0022】
タブコンタクト用のレセプタクルは、少なくともレセプタクルを、好ましくは共通の空洞を、タブコンタクトに関する挿入方向または差込方向(plug-in direction)に対向する方向において外側に開口する、挿入開口部を有し得る。好ましくは、少なくともレセプタクルは、これがタブコンタクト用の挿入開口部のみを有するように、およびしたがって挿入方向を事前に決定するように、設計される。レセプタクルおよび保持構造を、他の方向には閉じることができ、したがって、平坦なプラグの不適正な挿入または所望の挿入位置を越える挿入が、防止される。
【0023】
高電流導体への保持構造の装着を容易にするために、または高電流導体を接続区域内へと容易に挿入するために、保持構造は接続区域において、少なくとも1つの押圧要素の反対側に存在するその面上で少なくとも部分的に開口することができる。特に、保持構造は、高電流導体の挿入のための組み付け開口部を有し得る。上記のように、保持構造が共通の空洞を有する場合、この共通の空洞は、好ましくは組み付け開口部により外側からアクセス可能である。
【0024】
保持構造は、レセプタクル内へと少なくとも部分的に突出しかつレセプタクルから弾性偏向してタブコンタクトを摩擦結合により保持可能な、少なくとも1つの挟持要素を有し得る。挟持要素は好ましくは、押圧の方向を横断する方向に偏向可能である。特に、少なくとも1つの挟持要素は、レセプタクル内に配設されるタブコンタクトの狭い面に押し付けられて留まり、その位置を確保することができる。可動端部において、少なくとも1つの挟持要素は、タブコンタクトを補完するように形成されるタブコンタクトの凹部内に係合可能な、ラッチ要素を有し得る。少なくとも1つの挟持要素は、少なくともレセプタクル内に配設されるタブコンタクトが存在しない場合は、レセプタクル内へと少なくとも部分的に突出し得る。好ましくは、少なくとも1つの挟持要素は、保持構造と一体に形成される。保持構造がレセプタクルを挟んで対向して存在する2つの挟持要素を有して、挿入された状態においてタブコンタクトが、2つの挟持要素間で少なくとも力拘束によって保持されるようになっていれば、特に有利である。
【0025】
別の有利な改善形態によれば、保持構造を、鋼から1つの個片として作製することができる。このようにして、保持構造を、特に剛性で抵抗力のあるものとすることができる。このようにして、高電流導体上での良好な保持が保証され得る。別の利点は、少なくとも1つの押圧要素が、鋼の良好なばね特性から恩恵を受けられることである。これが鋼で作製される場合、少なくとも1つの押圧要素は、接続区域の方向において高い接触圧力を生成し得る。このようにして、レセプタクル内に配設されるタブコンタクトを、高い圧力で高電流導体の接触区域に押し付けることができる。保持構造、特に少なくとも1つの押圧要素が、対照的に導電性の観点から選ばれた金属材料で作製されたならば、少なくとも1つの押圧要素が時間経過とともに塑性変形するリスクが存在したであろう。
銅を高いパーセンテージで有する材料は、たとえば、時間経過とともにクリープする傾向があり、これに起因して接触圧力が低下する。少なくとも1つの押圧要素の頻繁な偏向により、たとえばレセプタクル内へのタブコンタクトの繰り返しの導入に起因して、少なくとも1つの押圧要素がその剛性を失うことになるというリスクも存在する。本発明による保持構造においては、レセプタクル内に配設されるタブコンタクトの高電流導体への電気接続は本質的に、高電流導体の接触区域とのまたは接触区域上に配設されるインタフェース部材との直接の接触によって確立される。本発明による機構においては、保持構造の、特に押圧要素の導電性はしたがって、一番重要なことではない。鋼で作製される実施形態の別法として、保持構造を他の材料、特に要求されるばね特性を有する材料から形成することもできる。たとえば、保持構造を他の金属から、またはプラスチックから形成することもできる。
【0026】
レセプタクル内に配設されるタブコンタクトと高電流導体の接触区域との間の電気接続を保証またはさらに改善するために、機構は、高電流導体の接触区域への確実な接続のための接続面、およびレセプタクル内に収容されるタブコンタクトの接触のための接触面を有する、少なくとも1つの板形状のインタフェース部材を備え得る。このようにして、接触区域が良好に画定された表面を有することが可能である。板形状のインタフェース部材は好ましくは、良好な導電特性を有する材料から形成される。同様に、インタフェース部材の形態または表面は、タブコンタクトとの可能な最大の接触面積を確立できるように作製することができる。インタフェース部材の別の利点は、高電流導体の圧縮された端部の凹凸をならすことができることである。
【0027】
少なくとも1つの板形状のインタフェース部材を、好ましくは、高電流導体の接触区域に溶接することができる。インタフェース部材を高電流導体に溶接することによって、これらの部品間で確実で高導電性の接続を生成し得る。別法としてまたは加えて、板形状のインタフェース部材を、はんだ付け、圧着、またはリベット止めによって、高電流導体に接続することもできる。好ましくは、板形状のインタフェース部材を、レーザ溶接によって接触区域に固着することができる。
【0028】
少なくとも1つの板形状のインタフェース部材とレセプタクル内に配設されるタブコンタクトとの間の電気的接触をさらに改善するために、接触面は、インタフェース部材から少なくとも部分的に離れるように延在する、少なくとも1つの接触要素を有し得る。接触要素は、たとえば、接触面からレセプタクルの方向を指す、突出部とすることができる。接触要素は、たとえば、点状またはリブ状となるようにすることができる。組み付けられた状態では、板形状のインタフェース部材が高電流導体に接続され本発明による保持構造が高電流導体に取り付けられるとき、少なくとも1つの接触要素は好ましくは、タブコンタクト用のレセプタクル内へと少なくとも部分的に突出する。
【0029】
好ましくは、少なくとも1つの接触要素は、インタフェース部材の残りの部分に向かって弾性偏向可能な、コンタクトばねの形態である。少なくとも1つの接触要素はしたがって、板形状のインタフェース部材の接触表面から離れるように延在することができ、かつこれに向けて弾性的に偏向可能である。このことは、タブコンタクトに接触するために有利であり得る。なぜなら、たとえば、タブコンタクトと少なくとも1つのインタフェース部材との間の距離の小さい変動を、均等にすることができるからである。
【0030】
好ましくは、少なくとも1つの板形状のインタフェース部材は、複数のコンタクトばねを有する。コンタクトばねはたとえば、細長い形態を有することができ、それらの長手方向がタブコンタクトの挿入方向と平行となるように配され得る。このようにして、レセプタクル内への導入中のタブコンタクトのねじれ、およびこのようにして生じるタブコンタクトの材料の研磨摩耗を、回避することができる。各コンタクトばねの自由に移動する端部を、タブコンタクトの表面をさらに保護するために、曲げるおよび/または丸めることができる。タブコンタクトの表面にわたって、可能な最も均等な接触を実現するために、互いに隣り合って配されるコンタクトばねの列に沿ったコンタクトばねは、交互に位置合わせされ得る。
【0031】
本発明による高電流導体を、上記のように、本発明による機構を設けられる少なくとも1つの圧縮された端部によって、さらに改善することができる。高電流導体が、本発明による板形状のインタフェース部材および本発明による保持構造の両方を有すれば、特に有利である。
【0032】
圧縮された端部の領域において、高電流導体は、保持構造の形態拘束要素を補完するように形成されかつこれらの形態拘束要素を受容する役割を果たし得る、凹部を有し得る。凹部の中に配される形態拘束要素が、タブコンタクトの平坦な面と平行に広がる平面における、高電流導体に沿った保持構造の移動を防止するように、凹部を配することができる。好ましくは、高電流導体の圧縮された端部は、平坦な部品として作製される。凹部はその場合、平坦な部品を通ってその中へと広がる平面と、平行に延在し得る。
【0033】
本発明による機構は、本発明による高電流導体上で本発明による保持構造を取り囲んで、操作者のために接触に対する保護を形成するようになっている、保護ハウジングを追加的に含み得る。本発明による保護ハウジングは特に、VDE試験指が、保護ハウジングの内部の導電性の部品とのどのような接触も確立し得ないように、閉じることができる。保護ハウジングを、保持構造におけるタブコンタクト用のレセプタクルから外側まで通っている、タブコンタクト用の単一の開口部のみが存在するような程度まで、閉じることができる。
【0034】
以下では、本発明について、図面を参照し有利な実施形態を使用して、例により詳細に記載する。実施形態により例として示される特徴の組み合わせを、上で記述した内容に従い、特定の適用例に関する追加の特徴によって補完することができる。個々の特徴の効果が特定の適用例において重要ではない場合、その特徴を、同じく上で記述した内容に従い、記載される実施形態において省略することもできる。
【0035】
図面において、同じ参照符号は常に、同じ機能および/または同じ構造を有する要素に対して使用される。
【0036】
図面は以下の通り示されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】板形状のインタフェース部材を有する本発明による高電流導体の斜視図である。
図2】共通の空洞の中が見える、本発明による保持構造の斜視図である。
図3図1からの本発明による高電流導体上に組み付けられた状態の、図2からの本発明による保持構造の図である。
図4】挿入されたタブコンタクトを有する、図3からの本発明による機構の図である。
図5図4からの機構の断面図である。
図6】本発明による機構の第2の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下では、図1により、本発明による板形状のインタフェース部材3を有する本発明による高電流導体1について記載する。同時に、本発明による高電流導体1を断面図で示す図5を参照する。
【0039】
高電流導体1は、圧縮された端部5を有する。圧縮された端部5を、抵抗溶接、超音波溶接、圧着、はんだ付けによって、または他の適切な技法によって、形成することができる。同様に、端部5を、これらの技法のうちのいくつかを組み合わせることによって、圧縮することもできる。圧縮された端部5は、導体平面7にまたがる、実質的に平坦な形態を有する。圧縮された端部5は、高電流導体1の接触区域9を構成する。高電流導体1の圧縮された端部5としての接触区域は、例としてのみ与えられる。接触区域9を、高電流導体1の端部を構成しない、高電流導体1の領域に配設することもできる。高電流導体1は好ましくは、上で規定したような圧縮された端部5を有する、アース用ストラップである。別法として、高電流導体1は、バスバーまたは何らかの他の導体とすることができる。バスバーの場合、接触されることになるバスバーの部分は予め十分にコンパクトにすることができ、したがって追加の圧縮は必ずしも必要とされない。バスバーの端部5はその場合、それ自体圧縮されている。
【0040】
高電流導体1は、保持構造のおよび/またはインタフェース部材3の形態拘束要素を受容する役割を果たし得る、凹部11を有する。圧縮された端部5は、導電方向Lに実質的に沿って延在する。凹部11は好ましくは、導体平面7と平行な導電方向Lを横断する方向に、圧縮された端部5内へと延在する。このようにして、凹部11の1つまたは複数内に、1つまたは複数の形態拘束要素が配設される場合、少なくとも導電方向Lにおいて圧縮された端部5との形態拘束が存在し得る。
【0041】
板形状のインタフェース部材3は接触区域9上に存在し、接着結合によっておよび/または形態ロック(form locking)を用いて、接触区域9に接続される。好ましくは、インタフェース部材3は、レーザ溶接によって高電流導体1に接続される。ただし、他の種類の接続も可能である。たとえば、インタフェース部材3を、高電流導体1にはんだ付け、リベット止め、または圧着することができる。これらの種類の接続の組み合わせも可能である。
【0042】
インタフェース部材3は、高電流導体1に接続された状態において圧縮された端部5から離れる方向を指す、接触面13を有する。接触面13は、タブコンタクトに接触する役割を果たす。インタフェース部材3の接続面15は、接触面13から離れる方向に面して位置付けられる。組み付けられた状態では、接続面15は、圧縮された端部5または接触区域9上に存在する。
【0043】
インタフェース部材3は、複数の接触要素17を有する。接触要素17は、弾性偏向可能なコンタクトばね19の形態である。これらは接触面13から離れるように延在し、接触面13に向かって弾性偏向可能である。コンタクトばね19の各々は、全体に細長い形態を有し、コンタクトばね19の長手方向21は、導電方向Lに対して実質的に垂直に延びる。これらの自由端23上で、コンタクトばね19は、接触面13の方向に少なくとも部分的に曲げ戻される。このようにして、自由端23は丸められ、このことにより、接触面13に接続されるタブコンタクトの表面を、保護することができる。
好ましくは、コンタクトばね19は、導電方向Lと平行に延びる列を成して配される。この場合、互いに隣り合って存在するコンタクトばね19の長手方向21は、互いと平行に延びる。好ましくは、互いに隣り合って存在するコンタクトばね19は、反対の方向において整合している。これは、それらの自由端23が、各々反対の方向を指すことを意味する。好ましくは、インタフェース部材3は、導電方向Lと平行にかつ互いと平行に延びる、コンタクトばね19の2つの列25を有する。このようにして、接触面13をコンタクトばね19でまたは接触要素17で覆うことさえも実現できる。
【0044】
インタフェース部材3は、たとえば溶接などの固止工程中に位置を確保するために、インタフェース部材3を圧縮された端部5上に配置する役割を果たし得る、形態拘束要素27を有する。形態拘束要素27は好ましくは、インタフェース部材3の外側端部上に配設される。これらは接触面13から離れるように延在し、高電流導体1に装備された状態において、凹部11内に配設される。このようにして、導体平面7内で、インタフェース部材3の変位が、導電方向Lにおいておよびこれに対する横断方向においての両方で、効果的に防止される。
【0045】
図2は、本発明による保持構造29を斜視図で示す。保持構造29は、本発明による機構31を構成し得るか、または機構31が追加の構成要素、たとえばインタフェース部材3を含む場合、そのような機構の一部とすることができる。
【0046】
保持構造29は好ましくは、鋼から1つの個片として形成される。保持構造29は、高電流導体1の接触区域9に保持構造29を装着するための接続区域33、およびタブコンタクト用のレセプタクル35を有する。高電流導体1の接触区域9用の受容空間37を、接続区域33に配設することができる。この受容空間37は好ましくは、タブコンタクト用のレセプタクル35とともに、共通の空洞39を形成する。接続区域33において、保持構造29は好ましくは、レセプタクル35の反対側に存在するその面上に開口している。このように形成される組み付け開口部40は、高電流導体1への接続を容易にし得る。
【0047】
保持構造29は、接続区域33の方向に接触圧力を生成するように設計される、押圧要素41を有する。このようにして、押圧の方向Aは、事前に決定される。高電流導体1が接続区域33に配設される場合、押圧する方向Aはこうして、高電流導体1の方向を指す。押圧する方向Aにおいて見たとき、接続区域33は、レセプタクル35の背後に配設される。言い換えれば、接続区域33は、レセプタクル35を越えて押圧要素41の反対側に存在する。このようにして、レセプタクル35内に配設されるタブコンタクトを、接続区域33の方向にまたはここに固定された高電流導体1上へと、押圧することができる。
【0048】
押圧要素41は、保持構造29と一体に形成され、レセプタクル35から離れるように弾性偏向可能である。すなわちこれらは、レセプタクル35から、押圧する方向Aと反対の方向に弾性偏向可能である。少なくともレセプタクル35内に配設されるタブコンタクトが存在しない場合は、押圧要素41は、レセプタクル35内へと少なくとも部分的に突出する。押圧要素41は、全体に細長い形態を有し、押圧する方向Aを実質的に横断する方向に延びる。
【0049】
押圧要素41は、ばねアームの形態で好ましくは作製され、1つの自由端43は偏向可能であり、1つの基部45は保持構造29の残りの部分に接続されている。好ましくは、複数の押圧要素41が互いに隣り合って配設され、隣接する押圧要素41の自由端43および基部45は、それぞれ交互となっている。押圧要素41はしたがって、交互に位置合わせされている。
【0050】
隣接する押圧要素41の長手方向47は、自由端43へのそれぞれの1つの基部45の接続線によって事前に決定され、好ましくは互いと平行に延びる。押圧要素41は、凸状面をレセプタクル35に向けて配向される、湾曲領域49を有する。このようにして、レセプタクル35内への導入時のタブコンタクトの表面の研磨摩耗が回避され得る。
【0051】
保持構造29は、タブコンタクト用にレセプタクル35を開いている、挿入開口部51を有する。好ましくは、レセプタクル35または保持構造29は、ちょうど1つの挿入開口部51を有して、タブコンタクトに関する規定された挿入方向Eを事前決定する。押圧要素41は好ましくは、それらの長手方向47が挿入方向Eと平行となるように延びる。
【0052】
挿入開口部51の反対側に存在するこれらの端部上に、保持構造は、レセプタクル35内で所望の位置を越えてタブコンタクトが押し通されるのを防止できる、停止要素53を有し得る。さらに、停止要素53により、タブコンタクトが挿入方向E以外の方向において保持構造29内へと導入されるのを防止することができる。
【0053】
好ましくは、保持構造29は、押圧する方向Aおよび挿入方向Eが、互いを横断するように延びるような形状とされる。押し込みの方向Eおよび押圧の方向Aが、高電流導体1の導電方向Lを横断する方向に延びるのであっても好ましい。導電方向Lにおいて見たとき、保持構造は好ましくは、対向する両方の端部上に、もう1つの停止要素55をそれぞれ有する。これらの停止要素55も、挿入方向Eから逸れる方向におけるタブコンタクトの導入を防止する役割を果たし得る。停止要素53および55は、加えてまたは別法として、接触区域9上の保持構造29に関して、スペーサとしてのまたは支持部としての役割も果たす。したがって、停止要素53および55とともに保持構造29を、高電流導体1によって、押圧する方向Aにおいて支持することができる。
【0054】
保持構造29は、レセプタクル35の側方に挿入方向Eと平行に位置する、挟持要素57を有する。挟持要素57は、レセプタクル35内へと突出し、レセプタクル35から外に弾性偏向可能である。挟持要素57はばねアームの形態で作製され、挿入方向Eと実質的に平行に延びる。この場合、挟持要素57を、導電方向Lと平行に、または挿入方向Eを横断する方向にかつ押圧する方向Aを横断する方向に、偏向させることができる。挟持要素57は、レセプタクル35内に配設されるタブコンタクトを、摩擦結合によって保持する役割を果たし得る。
【0055】
タブコンタクトを挿入方向Eにおいてレセプタクル35内により確実に保持するために、挟持要素57は、自由な偏向可能な端部59上に、ラッチ要素61を有する。これらのラッチ要素61は、タブコンタクトの相補凹部内に係合して、タブコンタクトを挿入方向Eにおいて追加的に固着し得る。この場合、挟持要素57は、ラッチ要素61とともに、タブコンタクト用の形態限定部を構成する。レセプタクル35内に配設されるタブコンタクトを固着することに加えて、挟持要素57は、レセプタクル35内への導入中にタブコンタクトを案内する役割も果たし得る。
【0056】
接続区域33において、保持構造29は、高電流導体1の接触区域9に保持構造29を固定する役割を果たす、装着器63を有する。装着器63は好ましくは、形態拘束要素65の形態で作製される。形態拘束要素65は、高電流導体1の接触区域9の背後で係合するように設計される。この目的のために、これらは、まず押圧する方向Aと平行に延び、次いで、押圧する方向Aを横断する方向に延びる区域67を有する。この場合、挿入方向Eにおいて互いに対向して存在する2つの区域67はそれぞれ、互いの方を指す。接続区域33は、区域67によって、押圧する方向Aにおいて境界を定められる。高電流導体1上に装備された状態において、高電流導体1またはその接触区域9は、区域67に押し付けられて留まることができる。この時点でタブコンタクトが、押圧要素41によって、接続区域33に配設される高電流導体に押し付けられる場合、形態拘束要素65は、高電流導体1のためのカウンタベアリングとしての役割を果たす。したがって、高電流導体1は形態拘束要素65に押し付けられるように支持され、接触圧力によって保持構造29から外に移動され得ない。このようにして、タブコンタクトを、接触区域9に高い圧力で押し付けることができる。
【0057】
好ましい実施形態によれば、保持構造29は、2つの固定形態拘束要素69、および弾性偏向可能なラッチ手段71の形態である2つの形態拘束要素65を有する。2つの固定形態拘束要素69はこの場合、挿入方向Eと平行に存在し、ラッチ手段71の形態で作製される2つの形態拘束要素65も、挿入方向Eと平行に存在する。
【0058】
ラッチ手段71は、押圧する方向Aを横断する方向において、接続区域33から離れるように偏向可能である。好ましくは、ラッチ手段71は、挿入方向Eと平行に、接続区域33から離れるように偏向可能である。弾性偏向可能な性質により、ラッチ手段71の区域67は、高電流導体1を接続区域33内に挿入できるように、接続区域33から離れるように偏向可能である。高電流導体1を挿入するために、または保持構造29を高電流導体1上に置くために、高電流導体1の一部を、まず組み付け開口部40を通して接続区域33内へと挿入することができ、固定された形態拘束要素69は、接続区域33の背後で係合する。
次いで、保持構造29のラッチ手段71を有する部分を、高電流導体1に押し付けることができ、この結果、ラッチ手段71は偏向される。このようにして、高電流導体1を、接続区域33内へと移動させることができ、ラッチ手段71は、図2に示すそれらの最初の位置へと戻ることができる。次いで、保持構造29の全ての形態拘束要素65が、高電流導体1の背後で係合する。したがって、高電流導体1を、組み付け方向Mに沿って、押圧する方向Aと反対の方向に延びる保持構造29内へと、移動させることができる。
【0059】
図3は、高電流導体1の接触区域9上に装備された、保持構造29を示す。ここでは、高電流導体1は、図1を参照して記載された実施形態に対応し、保持構造29は、図2を参照して記載された実施形態に対応する。この場合、板形状のインタフェース部材3および保持構造29は、本発明による機構31の実施形態に含まれる。保持構造29は特に、図2を参照して記載された方法で、接触区域9に接続されていることが可能である。
【0060】
組み付けられた状態において、接触区域9は、保持構造29の接続区域33に配設される。保持構造29の形態拘束要素65は、保持構造29の背後で係合する。形態拘束要素65はこの場合、接触区域9の凹部11内に配設される。このようにして、保持構造29が分離した状態になることが回避される。
【0061】
保持構造の押圧要素41は、押圧する方向Aにおいて板形状のインタフェース部材3の接触要素17に対向するように存在して配設される。停止要素53および55は、高電流導体1に押し付けられて留まり、この場合、保持構造29は、押圧する方向Aにおいて高電流導体1上に支持される。同時に、上記のように、これらは、挿入方向E以外の方向に沿ってタブコンタクトが導入されるのを防止する役割を果たす。このときタブコンタクト用のレセプタクル35には、挿入開口部51を通してのみアクセス可能である。
【0062】
図4は、図3に示すような本発明による機構31を示すが、挿入されたタブコンタクト73が示されている。図5は、図4においてA−Aとして表示される切断線に沿った断面を示す。
【0063】
タブコンタクト73は、レセプタクル35内に配設される。この場合、押圧要素41はその上面75上に存在し、接触要素17はその下面77上に存在する。押圧要素41は、接続区域33の方向に接触圧力を生成する。この接触圧力により、タブコンタクト73は、押圧する方向Aにおいて板形状のインタフェース部材3に押し付けられる。このようにして、接触要素17を介してまたはインタフェース部材3を介して、タブコンタクトと高電流導体1との間の電気的接触が確立される。本発明による機構31が、純粋に保持構造29から成る場合もあることに留意すべきである。板形状のインタフェース部材3は、本発明による機構31の改善の一部であるが、必ず必要とされる訳ではない。
【0064】
以下では、高電流導体1上に本発明による保持構造29を有する、本発明による機構31の第2の実施形態について、図6を参照して記載する。簡潔さのために、図1図5を参照して記載された実施形態と比較した場合の違いについてのみ、検討するものとする。
【0065】
第1の実施形態では、挿入方向Eは導電方向Lを横断する方向に延び、この結果これは90°のプラグ接続部となるが、第2の実施形態における挿入方向Eおよび導電方向Lは、互いと平行に延びる。図5に示す実施形態はしたがって、180°のプラグ接続部を構成する。
【0066】
保持構造29は、導電方向Lにおいてまたは挿入方向Eと反対の方向においてレセプタクル35を開口する、挿入開口部51を有する。高電流導体1に向かって、保持構造は、停止要素53を有する。導電方向Lを横断する方向に存在する両方の端部上に、保持構造29は、互いに対向して存在する2つのさらなる停止要素55を有する。
【0067】
押圧要素41は、それらの長手方向47が挿入方向Eと平行になるように配され、この結果、第2の実施形態においてもタブコンタクト73の問題のない導入が可能となる。板形状のインタフェース部材3のコンタクトばね19の長手方向21も、挿入方向Eと平行に位置合わせされる。
【符号の説明】
【0068】
1 高電流導体
3 インタフェース部材
5 圧縮された端部
7 導体平面
9 接触区域
11 凹部
13 接触面
15 接続面
17 接触要素
19 コンタクトばね
21 コンタクトばねの長手方向
23 コンタクトばねの自由端
25 コンタクトばねの列
27 インタフェース部材の形態拘束要素
29 保持構造
31 機構
33 接続区域
35 レセプタクル
37 受容空間
39 共通の空洞
40 組み付け開口部
41 押圧要素
43 押圧要素の自由端
45 押圧要素の基部
47 押圧要素の長手方向
49 押圧要素の湾曲領域
51 挿入開口部
53 停止要素
55 追加の停止要素
57 挟持要素
59 偏向可能な端部
61 ラッチ要素
63 装着器
65 形態拘束要素
67 形態拘束要素の区域
69 固定された形態拘束要素
71 ラッチ手段
73 タブコンタクト
75 タブコンタクトの上面
77 タブコンタクトの下面
L 導電方向
A 押圧する方向
E 挿入方向
M 組み付け方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6