特許第6783663号(P6783663)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6783663
(24)【登録日】2020年10月26日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】新規グルタミナーゼ阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 417/14 20060101AFI20201102BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20201102BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20201102BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20201102BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20201102BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20201102BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20201102BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20201102BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20201102BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20201102BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20201102BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20201102BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20201102BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   C07D417/14
   A61K31/4545
   A61K31/501
   A61P3/00
   A61P9/00
   A61P11/00
   A61P19/08
   A61P25/00
   A61P29/00
   A61P35/00
   A61P37/02
   A61P43/00 111
   C07D401/04CSP
   C07D401/14
【請求項の数】8
【全頁数】81
(21)【出願番号】特願2016-562078(P2016-562078)
(86)(22)【出願日】2015年1月5日
(65)【公表番号】特表2017-505808(P2017-505808A)
(43)【公表日】2017年2月23日
(86)【国際出願番号】IB2015050075
(87)【国際公開番号】WO2015101957
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2017年12月7日
【審判番号】不服2019-6203(P2019-6203/J1)
【審判請求日】2019年5月13日
(31)【優先権主張番号】36/CHE/2014
(32)【優先日】2014年1月6日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】39/CHE/2014
(32)【優先日】2014年1月6日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】2639/CHE/2014
(32)【優先日】2014年5月29日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】2647/CHE/2014
(32)【優先日】2014年5月29日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】2783/CHE/2014
(32)【優先日】2014年6月6日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】3525/CHE/2014
(32)【優先日】2014年7月18日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】3612/CHE/2014
(32)【優先日】2014年7月24日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】3613/CHE/2014
(32)【優先日】2014年7月24日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】5438/CHE/2014
(32)【優先日】2014年10月31日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】512117133
【氏名又は名称】ライゼン・ファーマシューティカルズ・エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】プラシャント・カシナス・バヴァール
(72)【発明者】
【氏名】スワループ・クマール・ヴェンカタ・サティア・ヴァッカランカ
(72)【発明者】
【氏名】シュリカント・ヴィスワナダ
(72)【発明者】
【氏名】メリカプディ・ガヤトリ・スワロープ
(72)【発明者】
【氏名】ゴヴィンダラジュル・バブー
【合議体】
【審判長】 瀬良 聡機
【審判官】 冨永 保
【審判官】 関 美祝
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−514795(JP,A)
【文献】 特表2011−528329(JP,A)
【文献】 特表2011−516557(JP,A)
【文献】 特表2010−533721(JP,A)
【文献】 特開2010−138082(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/025006(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/126535(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/117996(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/093501(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/048149(WO,A2)
【文献】 国際公開第2010/013849(WO,A1)
【文献】 国際公開第2004/074283(WO,A1)
【文献】 国際公開第2004/074278(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/040280(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/020222(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/131129(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/101958(WO,A2)
【文献】 国際公開第2013/078123(WO,A1)
【文献】 特開2019−163290(JP,A)
【文献】 Journal of Molecular Graphics and Modelling,20−Dec−2012,(2013),Vol.40,pp.40−47
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D401/04-14
C07D417/14
A61K31/435-501
REGISTRY(STN)
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
(R)−2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
(S)−2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
(R)−2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
(S)−2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(3−シアノフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(4−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(3−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(2−クロロフェニル)−N−(6−(4−(5−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
2−(2−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(2−フルオロフェニル)−N−(6−(4−(5−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
2−(ピラジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド二塩酸塩;
2−(ピリジン−2−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−3−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−3−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(2,3,6−トリフルオロフェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−2−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(2,3,6−トリフルオロフェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(2−フルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(3−フルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(4−フルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(2−メトキシフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(2−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(5−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(4−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(キノリン−6−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−o−トリル−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
N−(6−(4−(5−(2−(1H−インドール−3−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド;
2−(2−フルオロフェニル)−N−(6−(4−(5−(2−(ピラジン−2−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
2−(3−(アゼチジン−1−イル)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(3−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
3−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンアミド;
(R)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(3−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−((1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
およびそれらの薬剤的に許容される塩から選択される化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物と薬剤的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項3】
抗癌剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、ステロイド、非ステロイド系抗炎症剤、抗ヒスタミン、鎮痛剤、およびそれらの混合物から選択される1以上のさらなる治療剤をさらに含む、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項4】
グルタミナーゼの触媒活性の阻害から恩恵を受ける疾患、障害、または状態の治療用薬剤の製造における請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項5】
グルタミナーゼ関連疾患障害、または状態の治療のための、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの他の抗癌剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、ステロイド、非ステロイド系抗炎症剤、抗ヒスタミン、鎮痛剤、またはそれらの混合物と同時にまたは連続して投与される、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記グルタミナーゼ関連疾患、障害または状態が、免疫系に関連する疾患、炎症を伴う疾患もしくは障害、癌もしくは他の増殖性疾患、肝疾患もしくは障害、または腎疾患もしくは障害である、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記グルタミナーゼ関連疾患、障害または状態が、リンパ球系造血器腫瘍、白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリーセルリンパ腫およびバーケットリンパ腫;骨髄細胞系列の造血器腫瘍、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、前骨髄球性白血病;膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝癌、肺癌、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌、皮膚癌、扁平上皮癌;間葉起原の腫瘍、線維肉腫、横紋筋肉腫;中枢および末梢神経系の腫瘍、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、シュワン細胞腫;黒色腫、セミノーマ、奇形腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞癌、カポジ肉腫、炎症、糸球体腎炎、ブドウ膜炎、肝疾患もしくは障害、腎疾患もしくは障害、慢性閉塞性肺疾患、関節リウマチ、炎症性腸疾患、血管炎、皮膚炎、骨関節炎、炎症性筋疾患、アレルギー性鼻炎、膣炎、間質性膀胱炎、強皮症、骨粗しょう症、湿疹、移植片拒絶、移植片対宿主病、紅斑性狼瘡、肺線維症、皮膚筋炎、甲状腺炎、重症筋無力症、自己免疫溶血性貧血、嚢胞性線維症、慢性再発性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アレルギー性結膜炎、肝炎、アトピー性皮膚炎、喘息、シェーグレン症候群、移植臓器拒絶、多発性硬化症、ギラン・バレー、自己免疫性ブドウ膜炎、悪性貧血、自己免疫性血小板減少症、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、乾癬、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、クローン病、大腸炎、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝炎、1型または免疫介在性真性糖尿病、バセドウ病、橋本甲状腺炎、自己免疫性卵巣炎および精巣炎、副腎の自己免疫障害、全身性紅斑性狼瘡、多発性筋炎、強直性脊椎炎、移植拒絶、皮膚移植片拒絶、関節炎、骨吸収の増加に関連する骨疾患;回腸炎、バレット症候群、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性気道疾患;角膜ジストロフィー、トラコーマ、オンコセルカ症、交感性眼炎、眼内炎;歯肉炎、歯周炎;結核;ハンセン病;尿毒症合併症、ネフローゼ;硬化性皮膚炎、神経系の慢性脱髄性疾患、AIDS関連神経変性、アルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ウイルス性または自己免疫性脳炎;自己免疫障害、免疫複合体性血管炎、全身性狼瘡およびエリテマトーデス;全身性紅斑性狼瘡;心筋症、虚血性心疾患、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、子癇前症;慢性肝不全、脳および脊髄損傷、ならびに癌から選択される、請求項またはに記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2014年1月6日出願のインド国特許出願第36/CHE/2014、2014年1月6日出願の39/CHE/2014、2014年5月29日出願の2639/CHE/2014、2014年5月29日出願の2647/CHE/2014、2014年6月6日出願の2783/CHE/2014、2014年7月18日出願の3525/CHE/2014、2014年7月24日出願の3612/CHE/2014、2014年7月24日出願の3613/CHE/2014、および2014年10月31日出願の5438/CHE/2014の恩恵を請求し、各々は全体として参照により本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本発明は、グルタミナーゼ阻害剤としての式(I)〜(III)の化合物、それらの調製方法、それらを含む医薬組成物、ならびにグルタミンが関与する疾患もしくは障害の治療、予防および/または改善の方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
グルタミナーゼ(グルタミナーゼI、L−グルタミナーゼ、グルタミンアミノヒドロラーゼ)は、グルタミンからグルタメートを生成させるアミド−ヒドロラーゼ酵素である。グルタミナーゼは組織特異的アイソザイムを有することが報告されている。グルタミナーゼはグリア細胞で重要な役割を果たす。グルタミンは人体内で最も豊富な遊離アミノ酸であり、正常細胞および腫瘍性細胞の成長のため、ならびに多くの細胞型の培養のために必須である。グルタミンは腫瘍性組織の重要なエネルギー源であり、その代謝産物としては、なかでも、腫瘍増殖、侵襲性、および治療に対する抵抗性において重要な役割を果たす2つの分子である、グルタメート(Glu)およびグルタチオン(GSH)が挙げられる。正常およびトランスフォーミング哺乳類組織におけるグルタミン加水分解は、グルタミナーゼの異なるイソ型によって実施され、グルタミナーゼの2つの主な種類は肝臓タイプグルタミナーゼ(LGA)と腎臓タイプグルタミナーゼ(KGA)である(Neurochem Int., 2009 Jul-Aug; 55(1-3):71-5. doi: 10.1016/j.neuint.2009.01.008. Epub 2009 Febを参照のこと)。
【0004】
癌細胞は、ヌクレオチド、非必須アミノ酸および高い細胞レドックス活性を得るために還元窒素の豊富な供給を要求する。グルタミンは、呼吸のための主要基質、ならびにタンパク質、ヘキソサミン、および巨大分子の産生のための窒素を提供する。したがって、グルタミンは、細胞増殖の間のがん代謝における重要な分子の1つである。当初、この栄養素が供給される経路の数によって合理的に説明された癌におけるグルタミン代謝を標的とする概念は、代謝ががん遺伝子によって調節されることを証明する最近の研究によって補強された。グルタミナーゼ(GA)は、グルタミンをグルタメートに変換する第1酵素であり、グルタメートを次にトリカルボン酸サイクルのさらなる代謝のためにアルファ−ケトグルタル酸に変える。哺乳類における異なるGAイソ型は、GlsおよびGls2の2つの遺伝子によってコード化される。GAの各酵素型は異なる動力学的および分子的特性を有するので、GAイソ型の差異的調節は、異なる組織または細胞状態における異なる機能または要求を反映し得ると考えられた。Gls2遺伝子によってコード化されるGA(GLS2)は、おそらくはグルタチオン依存性抗酸化防衛により活性酸素種に関連するアポトーシスに対する細胞感受性を低下させ、したがってむしろ腫瘍サプレッサのように挙動する。したがって、GA機能の調節は、癌治療の新規治療標的であり得る(Mates et al., Curr. Mol. Med., 2013 May; 13(4), 514-534を参照のこと)。
【0005】
癌細胞の1つの特徴は、ワールブルク効果として知られる解糖経路における変化、およびグルタミン代謝を含む変更された代謝スキームに依存するようにそれらを適合させることである。ミトコンドリア酵素であるグルタミナーゼは、癌細胞におけるグルタミンの代謝で重要な役割を果たし、その阻害は悪性形質転換に著しい影響を及ぼし得る(Katt et al., Mol. Cancer Ther., 11(6); 1269-78, 2012を参照のこと)。グルタミンの分解物をエサにして、癌細胞は成長し、分裂して腫瘍になり得る。したがって、グルタミナーゼは腫瘍進行の予防のための有望な治療標的を創出する。この酵素の阻害によって、癌細胞のエネルギー源を効果的に枯渇させることができる。Medina et al., J. Nutr., September 1, 2001, Vol. 131, No. 9 2539S-2542Sを参照のこと。
【0006】
グルタミナーゼは、細胞生存、増殖および成長などの癌の機序において重要な役割を果たす。2つのグルタミナーゼ阻害剤、すなわち、当初、ペルーの土壌サンプル中のStreptomycesから単離され、Henry W Dion(Dion et al., Antibiotics and Chemotherapy, 1954, 78, 3075-3077を参照のこと)によって1956年に特性化され、癌療法として示唆される6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン(DON)と、Elan Pharmaceuticalsによって開示されているビス−2−(5−フェニルアセトアミド−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチルスルフィド(BPTES)とが報告されている。Cornell UniversityおよびCalithera Biosciencesisでグルタミナーゼ阻害剤の小分子阻害剤を発見し、特定するための研究を行っている他のグループにより報告された研究努力が進行中である。DONもNew Medical Enzymes AGによってPEG−PGAと組み合わせて評価することが報告されている。BPTESおよびDONに加えて、他の報告されているグルタミナーゼ阻害剤を下表にまとめる。
【0007】
【表1】
【0008】
癌および他の疾患(discesase)におけるグルタミンおよびグルタミナーゼに関する総説および研究は、Medina et al., J. Nutr., September 1, 2001, Vol. 131, No. 9, 2539S-2542S; Ajit G. Thmas et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 443, 2014, 32-36; Monica Szeliga et al., Neurochemistrt Intermationa, 55, 2009, 71-77;およびCurthoys et al., Annu. Rev. Nutr., 1995, 15, 133-159によって記載されている。これら文献の開示すべては、あらゆる目的についてその全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0009】
グルタミナーゼ阻害剤に関連する特許文献としては、国際公開番号WO99/09825、WO00/59533、WO03/022261、WO04/108153、WO07/128588、WO10/033871、WO10/111504、WO11/076967、WO11/143160、WO12/006506、WO12/034123、WO13/044596、WO13/078123、WO14/078645,WO14/089048、WO14/043633、WO14/079011、WO14/079136、WO14/079150、およびWO14/081925、米国特許第2002/0115698号、同第2006/0276438号、同第2013/0157998号、同第2014/0050699号、同第2014/0194421号、同第2014/0369961号、同第2015/0004134号、同第20140142081号、同第および同20140142146号、米国特許第5,552,427号、同第6,451,828号、同第8,465,736号、同第8,604,016号、および同第8,865,718号ならびに欧州公開第656210号が挙げられ、その各々は、あらゆる目的に関してその全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】インド国特許出願第36/CHE/2014
【特許文献2】インド国特許出願第39/CHE/2014
【特許文献3】インド国特許出願第2639/CHE/2014
【特許文献4】インド国特許出願第2647/CHE/2014
【特許文献5】インド国特許出願第2783/CHE/2014
【特許文献6】インド国特許出願第3525/CHE/2014
【特許文献7】インド国特許出願第3612/CHE/2014
【特許文献8】インド国特許出願第3613/CHE/2014
【特許文献9】インド国特許出願第5438/CHE/2014
【特許文献10】WO99/09825
【特許文献11】WO00/59533
【特許文献12】WO03/022261
【特許文献13】WO04/108153
【特許文献14】WO07/128588
【特許文献15】WO10/033871
【特許文献16】WO10/111504
【特許文献17】WO11/076967
【特許文献18】WO11/143160
【特許文献19】WO12/006506
【特許文献20】WO12/034123
【特許文献21】WO13/044596
【特許文献22】WO13/078123
【特許文献23】WO14/078645
【特許文献24】WO14/089048
【特許文献25】WO14/043633
【特許文献26】WO14/079011
【特許文献27】WO14/079136
【特許文献28】WO14/079150
【特許文献29】WO14/081925
【特許文献30】米国特許第2002/0115698号
【特許文献31】米国特許第2006/0276438号
【特許文献32】米国特許第2013/0157998号
【特許文献33】米国特許第2014/0050699号
【特許文献34】米国特許第2014/0194421号
【特許文献35】米国特許第2014/0369961号
【特許文献36】米国特許第2015/0004134号
【特許文献37】米国特許第20140142081号
【特許文献38】米国特許第20140142146号
【特許文献39】米国特許第5,552,427号
【特許文献40】米国特許第6,451,828号
【特許文献41】米国特許第8,465,736号
【特許文献42】米国特許第8,604,016号
【特許文献43】米国特許第8,865,718号
【特許文献44】欧州公開第656210号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Neurochem Int., 2009 Jul-Aug; 55(1-3):71-5. doi: 10.1016/j.neuint.2009.01.008. Epub 2009 Feb
【非特許文献2】Mates et al., Curr. Mol. Med., 2013 May; 13(4), 514-534
【非特許文献3】Katt et al., Mol. Cancer Ther., 11(6); 1269-78, 2012
【非特許文献4】Medina et al., J. Nutr., September 1, 2001, Vol. 131, No. 9 2539S-2542S
【非特許文献5】Dion et al., Antibiotics and Chemotherapy, 1954, 78, 3075-3077
【非特許文献6】Medina et al., J. Nutr., September 1, 2001, Vol. 131, No. 9, 2539S-2542S
【非特許文献7】Ajit G. Thmas et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 443, 2014, 32-36
【非特許文献8】Monica Szeliga et al., Neurochemistrt Intermationa, 55, 2009, 71-77
【非特許文献9】Curthoys et al., Annu. Rev. Nutr., 1995, 15, 133-159
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
癌や他の免疫および神経障害などの細胞増殖と関連した疾患および障害の治療のための新規グルタミナーゼ阻害剤のいまだ満たされていないニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、式(I)〜(III)の化合物、それらの調製方法、それらを含む医薬組成物、およびそれらを使用する治療方法に関する。特に、式(I)〜(III)の化合物およびそれらの薬剤的に許容される塩は、グルタミンが関与する疾患もしくは障害の治療、予防および/または改善で有用である。
【0014】
1つの態様では、本発明は、式(I):
【0015】
【化1】
【0016】
の化合物またはその互変異性体、そのプロドラッグ、そのN−オキシド、その立体異性体、その薬剤的に許容されるエステルもしくはその薬剤的に許容される塩に関し、式中、
Lは−L−L−L−であり;
は、存在しないか、または置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C2〜6アルケニル、置換もしくは非置換C2〜6アルキニル、O、S、−S(=O)−、−C(=O)−および−NR−から独立して選択され;
は、置換もしくは非置換3〜14員ヘテロシクリルであり;
は、存在しないか、または置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C2〜6アルケニル、置換もしくは非置換C2〜6アルキニル、O、S、−S(=O)−、−C(=O)−および−NR−から独立して選択される;
AおよびBは、
【0017】
【化2】
【0018】
から独立して選択され;
AおよびBの各々は、1以上のRで場合によって置換されていてもよい;
の各々は、独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換C1〜3アルキルニトロ、アミノ、置換もしくは非置換C1〜6アルコキシ、または置換もしくは非置換C1〜6アルキルアミノである;
PおよびQは独立して、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アルコキシ、−NR−C(=O)−(CR−、−NH−C(=O)−C(R)−、−(CR−C(=O)−NR−、−(CR)−C(=O)−NH−、−C(=O)NR−(CR−、−C(=O)NH−C(R)−、−(CR−NR−C(=O)−、−(CR)−NH−C(=O)−、−NR−、−NRC(=O)−、−NRC(=S)−、−NRS(=O)−、−C(=O)NR−、−C(=S)NR−、−S(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=S)NR−、−C(=O)−、−C(=S)−、−C(=O)ONR−、=N−N(R)−、−N(R)−N=または−NRC(=O)O−から選択される;
およびRは独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、−C(=O)OR、−C(=O)R、−C(=S)R、−C(=O)NR、−C(=O)ONR、−NR、−NRC(=O)NR、−NRS(=O)R、−NRS(=O)、=N−N−R、−NRC(=O)OR、−NRC(=O)R、−NRC(=S)R−NRC(=S)NR、−SONR、−SONR、−OR、−ORC(=O)NR、−ORC(=O)OR、−OC(=O)R、−OC(=O)NR、−RNRC(=O)R、−ROR、−RC(=O)OR、−RC(=O)NR、−RC(=O)R、−ROC(=O)R、−SR、−SOR、−SO、−CRC(=O)Rまたは−CRC(=S)Rから選択される;
、RおよびRの各々は独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換ヘテロサイクリック環、置換ヘテロシクリルアルキル環、または置換もしくは非置換アミノから選択されるか、あるいはRおよびRのいずれか2つは、共通の原子に結合している場合、一緒になって、(i)同一もしくは異なっていてもよく、O、NRおよびSから選択される1以上のヘテロ原子を場合によって含んでもよい置換もしくは非置換飽和もしくは不飽和3〜14員環、または(ii)オキソ(=O)、チオ(=S)もしくはイミノ(=NR)基を形成してもよい;
qの各々は、独立して、0、1または2である;そして
rの各々は、独立して、0、1または2である。
【0019】
誤解を避けるため、そして別段の指示がない限り、式はそれらが示されている指示で読み取らなければならない。例えば、(a)式(I)(すなわち、R−P−A−L−B−Q−R)中、Pが−CH−C(=O)−NH−である場合、化合物は式R−CH−C(O)−NH−A−L−B−Q−Rを有する、または(b)式(I)(すなわち、R−P−A−L−B−Q−R)中、Pが−CH−C(=O)−NH−であり、Qが−NH−C(=O)−CH−である場合、化合物は式R−CH−C(O)−NH−A−L−B−NH−C(=O)−CH−Rを有する。
【0020】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、AおよびBが独立して、
【0021】
【化3】
【0022】
から選択され、Rが水素、ハロゲンまたは置換もしくは非置換C1〜3アルキル(例えば、メチル)であるものである。
【0023】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、AおよびBが独立して、
【0024】
【化4】
【0025】
から選択されるものである。
【0026】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、AおよびBが独立して、
【0027】
【化5】
【0028】
から選択されるものである。
【0029】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、AおよびBが独立して、
【0030】
【化6】
【0031】
から選択されるものである。
【0032】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、AおよびBが独立して、
【0033】
【化7】
【0034】
から選択されるものである。
【0035】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、Aが
【0036】
【化8】
【0037】
であり、Bが
【0038】
【化9】
【0039】
であるものである。
【0040】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、
Aが
【0041】
【化10】
【0042】
であり、Bが
【0043】
【化11】
【0044】
であるものである。
【0045】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、PおよびQの各々が独立して、−NRC(=O)−(CR−、−(CR−C(=O)−NR−、−C(=O)NR−(CR−、−(CR−NR−C(=O)−、−NH−C(=O)−C(R)−、−(CR)−C(=O)−NH−、−NRC(=O)−、−NRC(=S)−、−NRS(=O)−、−C(=O)NR−、−C(=S)NR−、または−NR−から選択されるものである。
【0046】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、PおよびQの各々が独立して、−NRC(=O)−(CR)−、−(CR)−C(=O)−NR−、−NRC(=O)−または−NR−から選択され、RおよびRが独立して、水素、置換または非置換C1〜3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシおよび置換または非置換C1〜3アルコキシから選択されるものである。
【0047】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、PおよびQの各々が独立して、−NH−C(=O)−(CR)−、−(CR)−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−または−NH−であり、RおよびRが水素であるものである。
【0048】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、PおよびQの各々が独立して、−NH−C(=O)−(CH)−、−(CH)−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−または−NH−であるものである。
【0049】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、Pが−(CH)−C(=O)−NH−であり、Qが−NH−C(=O)−CH−、−NH−C(=O)−または−NH−であるものである。
【0050】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、Pが−(CH)−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−または−NH−であり、Qが−NH−C(=O)−CH−であるものである。
【0051】
さらに好ましいのは、式(I)を有する化合物であって、式中、Pが−(CH)−C(=O)−NH−であり、Qが−NH−C(=O)−CH−であるものである。
【0052】
さらに別の実施形態は、式(II)または(III):
【0053】
【化12】
【0054】
を有する化合物またはその互変異性体、そのプロドラッグ、そのN−オキシド、その立体異性体、その薬剤的に許容されるエステルもしくはその薬剤的に許容される塩であって、式中、変数L、R、R、R、RおよびRの各々が式(I)に関して前記定義のとおりであるものである。
【0055】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、
が存在しないか、置換もしくは非置換C1〜6アルキルまたは−NR−であり、Rが水素またはC1〜3アルキルである;
が置換もしくは非置換3〜10員ヘテロシクリルである;そして
が存在しないか、置換もしくは非置換C1〜6アルキルまたは−NR−であり、Rが水素またはC1〜3アルキルであるものである。
【0056】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、
が存在しないか、または置換もしくは非置換C1〜6アルキルである;
が置換もしくは非置換3〜10員ヘテロシクリルである;そして
が存在しないか、または置換もしくは非置換C1〜6アルキルであるものである。
【0057】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、
が置換もしくは非置換C1〜6アルキルである;
が置換もしくは非置換3〜10員ヘテロシクリルである;そして
が置換もしくは非置換C1〜6アルキルであるものである。
【0058】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、
が置換もしくは非置換C1〜6アルキルである;
が置換もしくは非置換3〜10員ヘテロシクリルである;そして
が存在しないものである。
【0059】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、
が存在しないものである。
は置換もしくは非置換3〜10員ヘテロシクリルである;そして
は置換もしくは非置換C1〜6アルキルである。
【0060】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、
が存在しないものである。
は置換もしくは非置換3〜10員ヘテロシクリルである;そして
は存在しない。
【0061】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、Lが、
【0062】
【化13】
【0063】
(式中、
DおよびEは、CR”またはNから独立して選択され、R”の各々は独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲンまたは置換もしくは非置換C1〜3アルキルである;
、R、R、R、R、R、RおよびRの各々は、水素、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、置換もしくは非置換C1〜6アルキル、置換もしくは非置換C2〜6アルケニル、置換もしくは非置換C2〜6アルキニル、置換もしくは非置換C3〜6シクロアルキル、置換もしくは非置換C3〜6シクロアルキルアルキル、および置換もしくは非置換C3〜6シクロアルケニルから独立して選択される;またはR、R、R、R、R、R、RおよびRのいずれか2つ(例えば、共通の原子もしくは隣接する原子と結合した2つの基または一緒になった場合に化学的に安定した構造を形成するいずれか2つの基)は、一緒になって、(i)同一もしくは異なっていてもよく、O、NR(R’はHもしくはC1〜3アルキルである)およびSから選択される1以上のヘテロ原子を場合によって含んでもよい、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和3〜14員環、または(ii)オキソ(=O)、チオ(=S)もしくはイミノ(=NR)基を形成してもよく;そして、s、t、uおよびvの各々は0、1または2である。ただし、s、t、uおよびvの合計は0でないとする(すなわち、s+t+u+v≧1))から選択されるものである。
【0064】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々が独立して、水素、ヒドロキシ、および置換もしくは非置換C1〜3アルキルから選択されるか、またはR、R、R、R、R、R、RおよびRのいずれか2つは、共通の原子と結合する場合、オキソ(=O)を形成し得るか、またはR、R、R、R、R、R、RおよびRのいずれか2つが置換もしくは非置換シクロアルキル基を形成する。
【0065】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々が水素であり、そしてs、t、uおよびvの合計が1〜4、例えば1、2、3または4であるものである。
【0066】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、R、R、R、R、R、R、RおよびRが水素であり、sが0であり、tが1であり、そしてuおよびvの合計が3であるものである。
【0067】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、
(i)R、R、R、R、R、R、RおよびRが水素であり、t、uおよびvの各々が1である;
(ii)R、R、R、R、R、R、RおよびRが水素であり、sが0であり、そしてt、uおよびvの各々が1である;
(iii)R、R、R、R、R、R、RおよびRが水素であり、sが0であり、tおよびvの各々が1であり、uが2である;または
(iv)R、R、R、R、R、R、RおよびRが水素であり、sが0であり、tが1であり、uおよびvの合計が1、2または3であるものである。
【0068】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、
(i)R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々が水素であり、sが0であり、tが1であり、u+v=3である;
(ii)R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々が水素であり、s、t、uおよびvが各々1である;
(iii)R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々が水素であり、sが0であり、t、uおよびvが各々1である;
(iv)R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々が水素であり、そしてs、t、uおよびvの合計が2である;または
(v)R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々が水素であり、s、t、uおよびvの合計が1であるものである。
【0069】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、DおよびEが独立して、CHおよびNから選択されるものである。
【0070】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、DがCHであり、EがNであるものである。
【0071】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、DがNであり、EがCHであるものである。
【0072】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、L(すなわち、L−L−L)が、
【0073】
【化14】
【0074】
から選択されるものである。
【0075】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、L(すなわち、L−L−L)が、
【0076】
【化15】
【0077】
から選択されるものである。
【0078】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、L(すなわち、L−L−L)が、
【0079】
【化16】
【0080】
から選択されるものである。
【0081】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、L
【0082】
【化17】
【0083】
から選択されるものである。
【0084】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、L
【0085】
【化18】
【0086】
から選択されるものである。
【0087】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、LおよびLが独立して存在しないか、または−CH−であるものである。
【0088】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、
(i)LおよびLが存在しない;
(ii)LおよびLが−CH−である;
(iii)Lが存在せず、Lが−CH−である;または
(iv)Lが−CH−であり、Lが存在しないものである。
【0089】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、Rの各々が独立して、水素、ハロゲンまたは置換もしくは非置換C1〜3アルキルであるものである。
【0090】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、Rの各々が独立して、水素、フッ素またはメチルであるものである。
【0091】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、RまたはRの少なくとも1つが水素であるものである。
【0092】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、RおよびRの各々が独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、−NR、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキルから選択されるものである。
【0093】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、RおよびRの各々が独立して、−NR、置換もしくは非置換アリールおよび置換もしくは非置換ヘテロアリールから選択されるものである。
【0094】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、RおよびRの各々が独立して、置換もしくは非置換アリールであるものである。
【0095】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、RおよびRの各々が独立して、置換もしくは非置換ヘテロアリールであるものである。
【0096】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、
(i)Rが、置換もしくは非置換アリールであり、Rが置換もしくは非置換ヘテロアリールである;
(ii)Rが、置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、Rが置換もしくは非置換アリールである;
(iii)両RおよびRが、独立して、置換もしくは非置換アリールである;または
(iv)両RおよびRが、独立して、置換もしくは非置換ヘテロアリールであるものである。
【0097】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、RおよびRの各々が、
【0098】
【化19】
【0099】
から独立して選択されるものである。
【0100】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、RおよびRの各々は、水素、ヒドロキシルまたは−CHOHから独立して選択されるものである。
【0101】
さらに好ましいのは、式(I)、(II)または(III)を有する化合物であって、式中、RおよびRが水素であるものである。
【0102】
本発明の代表的な化合物としては、以下に列挙するもの(表1も参照のこと)およびその薬剤的に許容される塩が挙げられる。本発明は、これらの化合物に限定されると解釈すべきではない。
1.2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2.2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2A.(R)または(S)2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
2B.(S)または(R)2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
3.2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
3A.(R)または(S)2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
3B.(S)または(R)2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
4.2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
5.2−(3−シアノフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
6.2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(4−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド;
7.2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(3−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド;
8.2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
9.2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
10.2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
11.2−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
12.2−(2−クロロフェニル)−N−(6−(4−(5−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
13.2−(2−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
14.2−(2−フルオロフェニル)−N−(6−(4−(5−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
15.2−(ピラジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
16.2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド二塩酸塩;
17.2−(ピリジン−2−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
18.2−(ピリジン−3−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
19.2−(ピリジン−3−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(2,3,6−トリフルオロフェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
20.2−(ピリジン−2−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(2,3,6−トリフルオロフェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
21.2−(2,3−ジフルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
22.2−(3,4−ジフルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
23.2−(2−フルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
24.2−(3−フルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
25.2−(4−フルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
26.2−(2−メトキシフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
27.2−(2−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
28.2−(5−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
29.2−(4−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
30.2−(キノリン−6−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
31.2−o−トリル−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
32.N−(6−(4−(5−(2−(1H−インドール−3−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド;
33.2−(2−フルオロフェニル)−N−(6−(4−(5−(2−(ピラジン−2−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド;
34.2−(3−(アゼチジン−1−イル)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
35.2−(3−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
36.3−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンアミド;
37.(R)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
38.2−(3−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
39.2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−((1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド;
またはその薬剤的に許容される塩。
【0103】
【表2A】
【表2B】
【表2C】
【0104】
本発明のさらに別の実施形態は、患者に有効量の少なくとも1つの本発明の化合物(例えば、前記定義の式(I)、(II)または(III)の化合物)を投与することによって前記患者においてグルタミナーゼを阻害するための方法である。
【0105】
本発明のさらに別の実施形態は、そのような治療を必要とする患者に有効量の少なくとも1つの本発明の化合物を投与することによって(例えば、グルタミナーゼの阻害により)炎症性、自己免疫または増殖性疾患を治療するための方法である。1つの実施形態では、本発明の化合物はグルタミナーゼを阻害する(すなわち、有効量の化合物を投与してグルタミナーゼを阻害する)。
【0106】
本発明のさらに別の実施形態は、そのような治療を必要とする患者に有効量の少なくとも1つの本発明の化合物を、少なくとも1つの他の抗炎症剤、免疫調節剤または抗癌剤と組み合わせて(同時にまたは連続して)投与することによって(例えばグルタミナーゼの阻害により)炎症性、自己免疫または増殖性疾患を治療するための方法である。1つの実施形態では、本発明の化合物はグルタミナーゼを阻害する。
【0107】
さらに詳細には、式(I)〜(III)の化合物およびその薬剤的に許容されるエステルまたは塩を、グルタミンに関連する疾患もしくは障害の治療、予防および/または改善のために、特に、炎症性疾患または障害、自己免疫疾患または障害、および癌ならびに他の増殖性疾患または障害を含むがこれらに限定されない、グルタミンが関与する疾患または障害の改善のために投与できる。
【0108】
本発明の化合物は、限定されるものではないが、以下のものをはじめとする様々なガンの治療で有用である:
・膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、小細胞肺癌を含む肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌、および扁平上皮癌を含む皮膚癌をはじめとする癌;
・白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリーセルリンパ腫およびバーケットリンパ腫をはじめとするリンパ球系造血器腫瘍;
・急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群ならびに骨髄球性白血病をはじめとする骨髄細胞系列の造血器腫瘍;
・線維肉腫および横紋筋肉腫をはじめとする間葉起原の腫瘍;
・星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫およびシュワン細胞腫をはじめとする中枢および末梢神経系の腫瘍;ならびに
・黒色腫、セミノーマ、奇形腫、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)、角化棘細胞腫(keratoctanthoma)、甲状腺濾胞癌およびカポジ肉腫をはじめとする他の腫瘍。
【0109】
細胞増殖の調節におけるグルタミナーゼおよびグルタミンの重要な役割のために、本発明のグルタミナーゼ阻害剤は可逆的細胞分裂阻害剤として作用することができ、したがって、異常な細胞増殖を特徴とするいかなる疾患過程、例えば、良性前立腺肥大症、家族性腺腫症ポリポーシス、神経線維腫症、アテローム性動脈硬化症、肺線維症、関節炎疾患(例えば、関節炎)、乾癬、糸球体腎炎、血管形成術または血管手術後の再狭窄、肥厚性瘢痕形成、炎症性腸疾患、移植拒絶、内毒素性ショック、および真菌感染症の治療において有用であり得る。
【0110】
アポトーシスのモジュレータとしての本発明の化合物は、癌(本明細書中で言及する種類のものを含むが、これらに限定されるものではない)、ウイルス感染症(ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、エプスタイン・バー・ウイルス、シンドビスウイルスおよびアデノウイルスを含むが、これらに限定されるものではない)の治療、HIVに感染した個体におけるAIDS発症、自己免疫疾患(全身性狼瘡、エリテマトーデス、自己免疫介在性糸球体腎炎、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、および自己免疫性真性糖尿病を含むが、これらに限定されない)、神経変性障害(アルツハイマー病、AIDS関連認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、網膜色素変性症、脊髄性筋萎縮症および小脳変性症を含むが、これらに限定されない)、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、心筋梗塞、卒中および再かん流傷害に関連する虚血性傷害、不整脈、アテローム性動脈硬化症、毒素誘発性またはアルコール関連肝疾患、血液病(慢性貧血および再生不良性貧血を含むが、これらに限定されない)、筋骨格系の変性疾患(骨粗しょう症および関節炎を含むが、これらに限定されるものではない)アスピリン感受性副鼻腔炎、嚢胞性線維症、多発性硬化症、腎疾患および癌性疼痛の予防で有用である。
【0111】
本発明の化合物は細胞RNAおよびDNA合成のレベルを調節できる。これらの薬剤はしたがって、ウイルス感染症(HIV、ヒトパピローマウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、エプスタイン・バー・ウイルス、シンドビスウイルスおよびアデノウイルスを含むが、これらに限定されるものではない)の治療で有用である。
【0112】
本発明の化合物は癌の化学防御で有用である。化学防御は、変異原性事象の惹起の阻止によるか、またはすでに損傷を受けている前がん状態の細胞の進行の阻止もしくは腫瘍再発の阻害による、浸潤がんの発症の阻害と定義される。本明細書中で記載する化合物はさらに、腫瘍血管形成および転移の阻害でも有用である。本発明の1つの実施形態は、有効量の1以上の本発明の化合物を投与することにより、それを必要とする患者において腫瘍血管形成または転移を阻害する方法である。
【0113】
本発明の別の実施形態は、免疫系に関連する疾患(例えば、自己免疫疾患)、炎症を伴う疾患または障害(例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患、関節リウマチ、炎症性腸疾患、糸球体腎炎、神経炎症性疾患、多発性硬化症、ブドウ膜炎および免疫系の障害)、癌または他の増殖性疾患、肝疾患もしくは障害、または腎疾患もしくは障害を治療する方法である。方法は、有効量の1以上の本発明の化合物を投与することを含む。
【0114】
免疫障害の例としては、乾癬、関節リウマチ、血管炎、炎症性腸疾患、皮膚炎、骨関節炎、喘息、炎症性筋疾患、アレルギー性疾患(例えば、アレルギー性鼻炎)、膣炎、間質性膀胱炎、強皮症、骨粗しょう症、湿疹、同種もしくは異種移植(臓器、骨髄、幹細胞ならびに他の細胞および組織)移植片拒絶、移植片対宿主病、紅斑性狼瘡、炎症性疾患、I型糖尿病、肺線維症、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、甲状腺炎(例えば、橋本および自己免疫性甲状腺炎)、重症筋無力症、自己免疫溶血性貧血、多発性硬化症、嚢胞性線維症、慢性再発性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アレルギー性結膜炎およびアトピー性皮膚炎が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0115】
1つの実施形態では、本明細書中で記載する化合物を免疫抑制剤として使用して、移植片拒絶、同種もしくは異種移植拒絶(臓器、骨髄、幹細胞、他の細胞および組織)、ならびに移植片対宿主病を予防する。他の実施形態では、移植片拒絶は組織または臓器移植に起因する。さらなる実施形態では、移植片対宿主病は骨髄または幹細胞移植に起因する。1つの実施形態は、有効量の1以上の本発明の化合物を投与することによって、移植片拒絶、同種もしくは異種移植拒絶(臓器、骨髄、幹細胞、他の細胞および組織)、または移植片対宿主病の危険性を予防または減少させる方法である。
【0116】
本発明の化合物はさらに、放射線療法などの公知抗癌治療または細胞分裂阻害剤、細胞毒性剤もしくは抗癌剤、例えば限定されるものではないが、DNA相互作用剤、例えばシスプラチンまたはドキソルビシン;トポイソメラーゼII阻害剤、例えばエトポシド;トポイソメラーゼI阻害剤、例えばCPT−11またはトポテカン;天然または合成の、チューブリン相互作用剤、例えばパクリタキセル、ドセタキセルまたはエポチロン(例えばイクサベピロン);ホルモン剤、例えばタモキシフェン;チミジル酸シンターゼ阻害剤、例えば5−フルオロウラシル;および代謝拮抗剤、例えばメトトレキサート、他のチロシンキナーゼ阻害剤、例えばイレッサおよびOSI−774;血管新生阻害剤;EGF阻害剤;VEGF阻害剤;CDK阻害剤;SRC阻害剤;c−Kit阻害剤;Her1/2阻害剤および成長因子受容体に対するモノクローナル抗体、たとえばエルビタックス(EGF)およびハーセプチン(Her2)および他のタンパク質キナーゼモジュレータとの組み合わせ(一緒にまたは連続して投与)でも有用である。
【0117】
本発明の化合物は、1以上のステロイド系抗炎症薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)または免疫選択的抗炎症性誘導体(ImSAID)との組み合わせ(一緒にまたは連続して投与)でも有用である。
【0118】
本発明は、1以上の本発明の化合物(例えば、式(I)、(II)もしくは(III)を有する化合物)を薬剤的に許容される担体とともに含む医薬組成物をさらに提供する。医薬組成物は、他のステロイド系抗炎症薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、免疫選択的抗炎症性誘導体(ImSAID)または抗癌剤などの1以上の前記活性成分をさらに含んでもよい。
【0119】
1つの実施形態では、医薬組成物は、治療上有効な量の1以上の式(I)、(II)または(III)の化合物を含む。
【0120】
さらに別の実施形態は、治療上有効量の本発明の化合物を投与することにより、それを必要とする患者において自己免疫障害を治療する方法である。例えば、本発明の化合物は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、関節リウマチ、乾癬、狼瘡および実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を治療するために有効である。
【0121】
さらに別の実施形態は、治療上有効な量の本発明の化合物を投与することによりそれを必要とする患者においてアレルギー性鼻炎を治療する方法である。
【0122】
さらに別の実施形態は、治療上有効な量の本発明の化合物を投与することによりそれを必要とする患者において癌を治療する方法である。例えば、本発明の化合物は、リンパ球系造血器腫瘍、白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリーセルリンパ腫およびバーケットリンパ腫;骨髄細胞系列の造血器腫瘍、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病を治療するために有効である。本発明の化合物はさらに、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝癌、肺癌、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌(gall bladdercancer)、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌、皮膚癌、扁平上皮癌、間葉起原の腫瘍、線維肉腫、横紋筋肉腫,中枢および末梢神経系の腫瘍、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、シュワン細胞腫、黒色腫、セミノーマ、奇形腫、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)、角化棘細胞腫(keratoctanthoma)、甲状腺濾胞癌およびカポジ肉腫を治療するためにも有効である。
【0123】
さらに別の実施形態は、治療上有効な量の本発明の化合物を投与することによって、それを必要とする患者において白血病を治療する方法である。例えば、本発明の化合物は、慢性リンパ性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、多発性骨髄腫(MM)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、および無通性非ホジキンリンパ腫(I−NHL)を治療するために有効である。
【発明を実施するための形態】
【0124】
本明細書中で使用する場合、別段の指示がない限り以下の定義が当てはまる。さらに、本明細書中で定義する基の多くは、場合によって置換され得る。定義における置換基のリストは典型例であり、明細書中の別の場所で定義した置換基を限定すると解釈されるべきではない。
【0125】
「アルキル」という語は、特別の定めのないかぎり、炭素および水素原子だけからなり。不飽和を含まず、1〜8個の炭素原子を有する線状または分岐炭化水素鎖ラジカルであって、単結合によって分子の残りと結合しているもの、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、および1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)を指す。「C1〜6アルキル」という語は、6個までの炭素原子を有する前記定義のアルキル基を指す。「C1〜3アルキル」という語は、3個までの炭素原子を有する前記定義のアルキル基を指す。適切な状況では、「アルキル」という語は、二価である前記炭化水素鎖ラジカルを指す。
【0126】
「アルケニル」という語は、特別の定めのないかぎり、1以上の炭素−炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基であって、約2〜約10個の炭素原子を有する線状または分岐または分岐鎖であり得るもの、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソ−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、および2−ブテニルを指す。「C2〜6アルケニル」とうい語は、6個までの炭素原子を有する前記定義のアルケニル基を指す。適切な状況では、「アルケニル」という語は、二価である前記炭化水素基を指す。
【0127】
「アルキニル」という語は、特別の定めのないかぎり、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、2から12個までの範囲内の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖ヒドロカルビルラジカル(2から10個までの範囲内の炭素原子を有するラジカルがここでは好ましい)、例えば、エチニル、プロピニル、およびブチニル(butnyl)を指す。「C2〜6アルキニル」という語は、6個までの炭素原子を有する前記定義のアルキニル基を指す。適切な状況では、「アルキニル」という語は、二価である前記ヒドロカルビルラジカルを指す。
【0128】
「アルコキシ」という語は、特別の定めのないかぎり、酸素結合を介して分子の残りと結合した前記定義のアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキル基を意味する。「置換アルコキシ」という語は、アルキル構成成分が置換されているアルコキシ基(すなわち、−O−(置換アルキル)を指す。例えば、「アルコキシ」は、酸素原子を介して親構造に結合した、直線状、分岐、環状構造1〜8個の炭素原子を含む−O−アルキル基、およびその組み合わせを指す。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、およびシクロヘキシルオキシが挙げられる。適切な状況では、「アルコキシ」という語は、二価である前記の基を指す。
【0129】
「シクロアルキル」という語は、特別の定めのないかぎり、約3〜12個の炭素原子の非芳香族単環式または多環式環系、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルを意味する。多環式シクロアルキル基の例としては、パーヒドロナフチル、アダマンチルおよびノルボルニル基、架橋環基、ならびにスピロ二環式基、例えば、スピロ(4,4)ノン−2−イルが挙げられる。「C3〜6シクロアルキル」という語は、6個までの炭素原子を有する前記定義のシクロアルキル基を指す。
【0130】
「シクロアルキルアルキル」という語は、特別の定めのないかぎり、アルキル基に直接結合した約3個から8個までの範囲内の炭素原子を含むサイクリック環含有ラジカルであって、これが次いでアルキル基からのいずれかの炭素で主構造に結合したもの、例えばシクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、およびシクロペンチルエチルを指す。
【0131】
「シクロアルケニル」という語は、特別の定めのないかぎり、約3から8個までの範囲内の炭素原子と少なくとも1つの炭素−炭素二重結合とを含むサイクリック環含有ラジカル、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、およびシクロペンテニルを指す。「シクロアルケニルアルキル」という語は、アルキル基に直接結合したシクロアルケニル基であって、これが次いでアルキル基からのいずれかの炭素で主構造に結合したものを指す。
【0132】
「アリール」という語は、特別の定めのないかぎり、6から20個までの範囲内の炭素原子を有する芳香族ラジカル、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、およびビフェニルを指す。
【0133】
「アリールアルキル」という語は、特別の定めのないかぎり、前記定義のアルキル基に直接結合した前記定義のアリール基、例えば、−CHおよび−Cを指す。
【0134】
「ヘテロサイクリック環」という語は、特別の定めのないかぎり、炭素原子と、窒素、リン、酸素およびイオウから選択される少なくとも1つのヘテロ原子とからなる非芳香族3〜15員環ラジカルを指す。本発明に関して、ヘテロサイクリック環ラジカルは、単環式、二環式、または三環式環系であり得、これは縮合、架橋またはスピロ環系を含み得、前記ヘテロヘテロサイクリック環系中の窒素、リン、炭素、酸素またはイオウ原子は場合によって様々な酸化状態に酸化されていてもよい。加えて、窒素原子は場合によって四級化されていてもよい。ヘテロサイクリック環ラジカルは、任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に結合していてもよい。
【0135】
「ヘテロシクリル」という語は、特別の定めのない限り、前記定義のヘテロサイクリック環ラジカルを指す。ヘテロサイクリック環ラジカルは、任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に結合させることができる。適切な状況で、「ヘテロシクリル」という語は、二価である上述の炭化水素鎖ラジカルを指す。
【0136】
「ヘテロシクリルアルキル」という語は、特別の定めのないかぎり、アルキル基に直接結合した前記定義のヘテロサイクリック環ラジカルを指す。ヘテロシクリルアルキルラジカルは、アルキル基中の任意の炭素原子で主構造に結合していてもよい。そのようなヘテロシクロアルキルラジカルの例としては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0137】
「ヘテロアリール」という語は、特別の定めのない限り、環原子としてN、O、およびSから選択される1以上のヘテロ原子を有する、場合によって置換されていてもよい5〜14員芳香環を指す。ヘテロアリールは、単環式、二環式または三環式環系であり得る。そのような「ヘテロサイクリック環」または「ヘテロアリール」ラジカルの例としては、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、キノリル、イソキノリル、アゼチジニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、インドリジニル、ナフチリジニル、パーヒドロアゼピニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、テトラゾリル、テトラヒドロイソキノリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピリダジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、インダニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、デカヒドロイソキノリル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジオキサホスホラニル、オキサジアゾリル、クロマニル、およびイソクロマニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヘテロアリール環ラジカルは、任意のヘテロ原子または炭素原子で主構造に結合していてもよい。「置換ヘテロアリール」という語はまた、ピリジニルN−オキシドなどの、1以上のオキシド(−O−)置換基で置換された環系も含む。
【0138】
「ヘテロアリールアルキル」という語は、特別の定めのない限り、アルキル基に直接結合した前記定義のヘテロアリール環ラジカルを指す。ヘテロアリールアルキルラジカルは、アルキル基からの任意の炭素原子で主構造に結合していてもよい。
【0139】
「サイクリック環」という語は、3〜10個の炭素原子を含むサイクリック環を指す。
【0140】
「置換」という語は、特別の定めのないかぎり、同一または異なっていてもよく、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、オキソ(=O)、チオ(=S)、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルケニルアルキル、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロサイクリック環、置換ヘテロシクリルアルキル環、置換もしくは非置換グアニジン、−COOR、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)NR、−C(O)ONR、−NR、−NRCONR、−N(R)SOR、−N(R)SO、=N−N(R)R)、−NRC(O)OR、−NR、−NRC(O)R−、−NRC(S)R−NRC(S)NR、−SONR−、−SONR−、−OR、−ORC(O)NR、−ORC(O)OR−、−OC(O)R、−OC(O)NR、−RNRC(O)R、−ROR、−RC(O)OR、−RC(O)NR、−RC(O)R、−ROC(O)R、−SR、−SOR、−SO、および−ONOから独立して選択される以下の置換基のいずれか1つまたはいずれかの組み合わせでの置換を指し、前記基の各々において、R、RおよびRは、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキルアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換ヘテロサイクリック環、または置換ヘテロシクリルアルキル環であり得るか、あるいはR、RおよびRのいずれか2つが結合して置
換もしくは非置換飽和もしくは不飽和3〜10員環を形成してもよく、この環は、同一もしくは異なっていてもよく、O、NR(例えば、Rは水素もしくはC1〜6アルキルであり得る)またはSから選択されるヘテロ原子を場合によって含んでいてもよい。本発明によって想定される置換または置換基の組み合わせは、好ましくは、安定または化学的に適した化合物の形成をもたらすものである。本明細書中で使用する安定なという語は、それらの製造、検出、好ましくはそれらの回収、精製および医薬組成物中への組み入れを可能にする条件に供された場合に実質的に変わらない化合物または構造を指す。前記「置換された」基中の置換基は、さらに置換することができない。例えば、「置換アルキル」上の置換基が「置換アリール」である場合、「置換アリール」上の置換基は「置換アルケニル」であり得ない。
【0141】
「ハロ」、「ハライド」、または「ハロゲン」という語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」および「ハロアルコキシ」という語には、1以上のハロ基またはその組み合わせで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアルコキシ構造が含まれる。例えば、「フルオロアルキル」および「フルオロアルコキシ」という語には、それぞれ、ハロがフッ素である、ハロアルキルおよびハロアルコキシ基が含まれる。
【0142】
「保護基」または「PG」という語は、特定の官能基をブロックまたは保護するために用いられる置換基を指す。化合物上の他の官能基は反応性のままであってもよい。例えば、「アミノ保護基」は、化合物中のアミノ官能基をブロックまたは保護する、前記アミノ基に結合した置換基である。好適なアミノ保護基としては、アセチル、トリフルオロアセチル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。同様に、「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシ官能基をブロックまたは保護する、ヒドロキシ基の官能基を指す。好適なヒドロキシ保護基としては、アセチルおよびシリルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。「カルボキシ保護基」は、カルボキシ官能基をブロックまたは保護する、カルボキシ基の官能基を指す。好適なカルボキシ保護基としては、−CHCHSOPh、シアノエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、2−(p−トルエンスルホニル)エチル、2−(p−ニトロフェニルスルフェニル)エチル、2−(ジフェニルホスフィノ)−エチル、およびニトロエチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。保護基およびそれらの使用の一般的な説明については、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons, New York, 1991を参照のこと。
【0143】
本明細書中で記載する、ある化合物は1以上の不斉中心を含み、したがってエナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学の点から(R)−または(S)−として定義できる他の立体異性体型を生じ得る。本発明の化学物質、医薬組成物および方法は、ラセミ混合物、場合によって純粋な形態および中間体混合物を含むそのような可能な異性体すべてを含むことが意図される。中間体混合物の非限定例は、10:90、13:87、17:83、20:80、または22:78の比の異性体混合物を含む。光学活性な(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製できるか、または従来型技術を使用して分割できる。本明細書中で記載する化合物がオレフィン性二重結合または他の幾何学的不斉中心を含む場合、そして特別の定めのない限り、化合物はEおよびZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。
【0144】
「互変異性体」という語は、平衡状態での異性体型の比較的容易な相互変換によって特徴づけられる化合物を指す。これらの異性体は、本発明の対象となることが意図される。「互変異性体」は、互変異性化によって相互変換する構造的に異なる異性体である。「互変異性化」は、異性化の形態であり、プロトトロピーまたはプロトン−シフト互変異性化を含み、これは酸−塩基化学のサブセットとみなされる。「プロトロピトー互変異性化」または「プロトン−シフト互変異性化」は、結合次数の変化を伴うプロトンの移動、多くの場合、隣接する二重結合との単結合の交換を含む。互変異性化が可能な場合(例えば溶液中)、互変異性体の化学平衡に到達できる。互変異性化の一例はケト−エノール互変異性化である。ケト−エノール互変異性化の具体例は、ペンタン−2,4−ジオンおよび4−ヒドロキシペント−3−エン−2−オン互変異性体の相互交換である。互変異性化の別の例は、フェノール−ケト互変異性化である。フェノール−ケト互変異性化の具体例はピリジン−4−オールおよびピリジン−4(1H)−オン互変異性体の相互変換である。
【0145】
「脱離基または原子」は、反応条件下で出発物質から開裂し、かくして特定部位での反応を促進する任意の基または原子である。そのような基の好適な例は、特別の定めのないかぎり、ハロゲン原子およびメシルオキシ、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシおよびトシルオキシ基である。
【0146】
「プロドラッグ」という語は、化合物の不活性な前駆体である化合物であって、通常の代謝過程によって体内でその活性形態に変わる化合物を指す。プロドラッグデザインは、Hardma, et al. (Eds.), Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th ed., pp. 11-16 (1996)で概して説明されている。Higuchi, et al., Prodrugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ASCD Symposium Series, and in Roche (ed.) Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press (1987)で徹底的な考察が提示されている。説明すると、例えば、エステルまたはアミド結合を加水分解し、それによって結果としての生成物上の官能基を導入または露出させることにより、プロドラッグを薬理活性な形態に変えることができる。プロドラッグは、内因性化合物と反応して、化合物の薬理学的活性をさらに増強する、例えば循環半減期を増加させる水性複合体を形成するように設計できる。別法として、プロドラッグは、例えば、グルクロン酸、スルフェート、グルタチオン、アミノ酸、またはアセテートでの官能基上の共有結合修飾を受けるように設計できる。結果として得られる複合体は、不活性化して尿中に排出させることができるか、または親化合物よりも強力にすることができる。高分子量複合体は、胆汁中に排出させることもでき、酵素的切断に供することができ、そして放出させて循環に戻し、それによって最初に投与した化合物の生物学的半減期を効果的に延長することもできる。
【0147】
「エステル」という語は、酸とアルコールとを反応させ、水を脱離させることによって生じる化合物を指す。エステルは、一般式RCOOR’によって表すことができる。
【0148】
これらのプロドラッグおよびエステルは本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0149】
さらに、本発明は、1以上の同位体標識された原子の存在、例えば水素が重水素もしくは三重水素で置換されていること、または炭素が13C−もしくは14C−標識炭素で置換されていることだけが異なる化合物も含む。
【0150】
本発明の化合物は、そのような化合物を構成する1以上の原子の不自然な割合の原子同位体を含んでもよい。例えば、化合物は、例えば三重水素(H)、ヨウ素−125(125I)または炭素−14(14C)などの放射性同位体で放射性標識してもよい。本発明の化合物の同位体変化はすべて、放射性であるか否かを問わず、本発明の範囲内に含まれる。
【0151】
本発明の一部を形成する薬剤的に許容される塩には、Li、Na、K、Ca、Mg、Fe、Cu、Zn、およびMnなどの無機塩基;N,N’−ジアセチルエチレンジアミン、グルカミン、トリエチルアミン、コリン、ヒドロキシド、ジシクロヘキシルアミン、メトホルミン、ベンジルアミン、トリアルキルアミン、およびチアミンなどの有機塩基の塩;アルキルフェニルアミン、グリシノール、およびフェニルグリシノールなどのキラル塩基;グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、チロシン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン、オミチン(omithine)、リジン、アルギニン、およびセリンなどの天然アミノ酸の塩;本発明の化合物とMeIおよび(Me)SOなどのハロゲン化アルキル、アルキル硫酸塩との4級アンモニウム塩;D−異性体または置換アミノ酸などの非天然アミノ酸;グアニジン;ならびに置換基がニトロ、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アンモニウムまたは置換アンモニウム塩およびアルミニウム塩から選択される置換グアニジンから誘導される塩が挙げられる。塩には、適切な場合、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、ハロゲン化水素酸塩(例えば塩酸塩)、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、パルモエート(palmoate)、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、グリセロリン酸塩、およびケトグルタル酸塩などの酸付加塩が含まれ得る。
【0152】
分子量などの物理的特性または化学式などの化学的特性に関して本明細書中で範囲を使用する場合、範囲のすべての組み合わせおよび副次的組み合わせ(subcombination)ならびにその特定の実施形態が含まれることが意図される。「約」という語は、数値または数値範囲に言及する場合、言及した数値または数値範囲が実験の変動内(または統計的実験誤差内)の近似であることを意味し、したがって、その数値または数値範囲は、例えば表示した数値または数値範囲の1%〜15%で変化し得る。「含む(comprising)」(および「含む(compriseもしくはcomprises)」または「有する(having)または「包含する(including)」などの関連する語)は、実施形態、例えば、記載した特徴「からなる」または「本質的になる」任意の組成物(composition of matter)、組成、方法、または過程などの実施形態を包含する。
【0153】
以下の略語および用語は全体にわたって以下に表示した意味を有する:AIDS=後天性免疫不全症候群;HIV=ヒト免疫不全ウイルス;本明細書中で用いられる略語は、それらの化学および生物学分野での通常の意味を有する。
【0154】
「細胞増殖」という語は、それによって分裂の結果として細胞数が変化した現象を指す。この語はまた、それによって増殖シグナルと一致して細胞形態学が変化した(例えば、サイズが増加した)細胞の成長も包含する。
【0155】
「同時投与」、「〜と組み合わせて投与する」という語、およびそれらの文法的等価物は、本明細書中で用いられる場合、薬剤および/またはそれらの代謝産物が同時に動物中で存在するように、2以上の薬剤を動物に投与することを包含する。同時投与は、別の組成物で同時に投与すること、別の組成物で異なる時間に投与すること、または両薬剤が存在する組成物で投与することを包含する。
【0156】
「有効量」または「治療有効量」という語は、限定されるものではないが、以下で定義する疾患治療を含む意図する適用を実施するために充分な、本明細書中で記載する化合物の量を指す。治療有効量は、意図する適用(インビトロもしくはインビボ)、または治療する対象および疾患状態、例えば対象の体重および年齢、疾患状態の重篤度、投与用式などによって変化し得、当業者が容易に決定できる。この語は、標的細胞において特定の応答、例えば血小板粘着の減少および/または細胞遊走などを誘導する用量にも当てはまる。特定の用量は、選択された特定の化合物、他の化合物と組み合わせて投与するか否かを問わず従うべき投与計画、投与のタイミング、投与する組織、および運ばれる身体の送達系に依存して変わる。1つの実施形態では、投与する化合物の量は、約0.1mg〜5g、約1mg〜2.0g、約100mg〜1.5g、約200mg〜1.5g、約400mg〜1.5g、および約400mg〜1.0gの範囲である。
【0157】
本明細書中で用いられる場合、「治療」、「治療する」、または「改善する」は交換可能に用いられる。これらの語は、治療的有用性および/または予防効果を含むが、これらに限定されない、有益かつ所望の結果を得るための方法を指す。治療的有用性によって、治療する根本的な障害の根絶または改善を意味する。また、治療的有用性は、患者が依然として基礎疾患を患っている可能性があっても患者において改善が観察されるような基礎疾患に関連する1以上の生理的症状の根絶または改善をともなって達成される。予防効果のために、組成物を、特定の疾患を発症する危険性がある患者、またはこの疾患の診断がなされていなくても疾患の1以上の生理的症状を報告する患者に投与することができる。
【0158】
「治療効果」は、この語が本明細書中で用いられる場合、前記の治療的有用性および/または予防効果を包含する。予防効果には、疾患もしくは状態の出現の遅延または除去、疾患もしくは状態の症状の開始の遅延または除去、疾患もしくは状態の進行の減速、停止、または逆転、あるいはそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0159】
「対象」または「患者」という語は、哺乳類などの動物、例えばヒトを指す。本明細書中で記載する方法は、ヒトの治療および獣医学的適用(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ヤギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、およびガチョウ)の治療で有用であり得る。
【0160】
ある実施形態では患者は哺乳類であり、ある実施形態では患者はヒトである。
【0161】
「放射線療法」は、施術者に公知の日常的な方法および組成物を使用して、アルファ粒子を放出する放射性核種(例えば、アクチニウムおよびトリウム放射性核種)などの放射線放出体、低線形エネルギー移動(LET)放射線放出体(すなわち、ベータ放射体)、転換電子放射体(例えばストロンチウム−89およびサマリウム−153−EDTMP)、またはX線、ガンマ線、およびニュートロンを含む高エネルギー放射線に患者を暴露することを意味する。
【0162】
「薬剤的に許容される賦形剤」という語は、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤、1以上の好適な希釈剤、フィラー、塩、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、湿潤剤、制御放出マトリックス、着色剤/香味料、担体、緩衝液、安定剤、可溶化剤、およびそれらの組み合わせを包含するが、これらに限定されるものではない。従来型媒体または薬剤が活性成分と不適合性である場合を除いて、本発明の治療組成物でのその使用が想定される。追加の活性成分も組成物中に組み入れることができる。
【0163】
「炎症反応」は本明細書中で使用する場合、発赤、ほてり、腫れおよび疼痛(すなわち、炎症)によって特徴づけられ、典型的には、組織傷害または破壊を含む。炎症反応は、通常、組織の損傷または破壊によって誘発される限局性の防御反応であり、これは、有害物質および傷害組織の両方を破壊、希薄化または包囲(隔離)する働きをする。炎症反応は、白血球の流入および/または白血球(例えば、好中球)化学走性と特に関連している。炎症反応は、病原生物およびウイルスでの感染、外傷または心筋梗塞もしくは卒中後の再潅流、外来抗原に対する免疫応答、および自己免疫疾患などの非感染性手段に起因する可能性がある。本発明の方法および化合物での治療に適した炎症反応は、特異的防御系の反応に関連する状態ならびに非特異的防御系の反応に関連する状態を含む。
【0164】
本発明の治療方法は、炎症細胞活性化と関連する状態の改善のための方法を含む。「炎症細胞活性化」は、増殖細胞応答の刺激(サイトカイン、抗原もしくは自己抗体を含むが、これらに限定されるものではない)、可溶性メディエータ(サイトカイン、酸素ラジカル、酵素、プロスタノイド、もしくは血管作用性アミンを含むが、これらに限定されるものではない)の産生、または炎症細胞(単球、マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球、顆粒球(好中球、好塩基球、および好酸球を含む多形核白血球)肥満細胞、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、および内皮細胞を含むが、これらに限定されるものではない)における新規もしくは数が増加したメディエータ(主要組織適合抗原もしくは細胞接着分子を含むが、これらに限定されるものではない)の細胞表面発現による誘導を指す。これらの細胞におけるこれらの表現型の1つまたは組み合わせの活性化が炎症状態の開始、永続化、または悪化の一因となり得ることを当業者は理解するであろう。
【0165】
「自己免疫疾患」は、本明細書中で使用する場合、組織傷害が身体自体の構成成分に対する液性または細胞性応答に関連する障害の群を指す。「移植物拒絶」(または「移植拒絶」)は、本明細書中で用いる場合、移植された組織に対する免疫応答(臓器または細胞(例えば、骨髄)を含み、移植された組織および周囲の組織の機能喪失、疼痛、腫れ、白血球増加、および血小板減少によって特徴づけられる)を指す。「アレルギー性疾患」は、本明細書中で用いられる場合、アレルギーに起因する症状、組織損傷、または組織機能の喪失を指す。「関節炎疾患」は、本明細書中で用いられる場合、様々な病因に起因する関節の炎症性病巣によって特徴づけられる疾患を指す。「皮膚炎」は、本明細書中で用いられる場合、様々な病因に起因する皮膚の炎症によって特徴づけられる大きなファミリーの皮膚疾患のいずれかを指す。
【0166】
本発明の方法をインビボまたはエクスビボの細胞集団に適用することができる。「インビボ」は、動物もしくはヒトの内部または対象の体内のような生きている個体内を意味する。この文脈では、本発明の方法は、個体内で治療的または予防的に使用することができる。「エクスビボ」または「インビトロ」は、生きている個体の外側を意味する。エクスビボ細胞集団の例としては、インビトロ細胞培養および個体から得られる液体もしくは組織サンプルを含むが、これらに限定されない生体サンプルが挙げられる。そのようなサンプルは、当該技術分野で公知の方法によって得ることができる。典型的な体液サンプルとしては、血液、脳脊髄液、尿、および唾液が挙げられる。典型的な組織サンプルとしては、腫瘍およびその生検が挙げられる。この文脈で、本発明は、治療目的および実験目的をはじめとする様々な目的のために使用できる。例えば、本発明は、所与の適応症、細胞型、個体、ならびに他のパラメータに対するグルタミナーゼ阻害剤の最適投与スケジュールおよび/または投与量を決定するためにエクスビボまたはインビトロで使用できる。そのような使用から集められる情報を、実験もしくは診断目的で、または診療所で使用して、インビボ治療のプロトコルを設定することができる。本発明が適する可能性がある他のエクスビボ使用は、後述するか、または当業者には明らかになるであろう。
医薬組成物
【0167】
本発明は1以上の本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、本明細書中で記載する1以上のさらなる活性成分を含んでもよい。本明細書中で記載する障害のいずれかのために医薬組成物を投与することができる。
【0168】
対象の医薬組成物は、典型的には活性成分としての治療上有効な量の本発明の化合物を提供するように処方される。望ましい場合、医薬組成物は、活性成分としての本発明の化合物と、1以上の薬剤的に許容される担体または賦形剤、例えば不活性固体希釈剤およびフィラー、無菌水溶液およびさまざまな有機溶媒をはじめとする希釈剤、透過促進剤、可溶化剤およびアジュバントとを含む。
【0169】
医薬組成物は、単独または、これもまた典型的には医薬組成物の形態で投与される1以上の他の薬剤と組み合わせて投与することができる。望ましい場合、対象化合物および他の1つまたは複数の薬剤を調製物中に混合してもよいし、または両成分を別の調製物に処方して、別々に組み合わせて、もしくは同時に使用する。
【0170】
方法は、本発明の化合物の単独、または本明細書中で記載する組み合わせでの投与を含み、各々の場合、1以上の好適な希釈剤、フィラー、塩、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、流動促進剤、湿潤剤、制御放出マトリックス、着色剤/香味料、担体、賦形剤、緩衝液、安定剤、可溶化剤、およびそれらの組み合わせを含む。
【0171】
様々な医薬組成物の調製は当該技術分野で公知である。例えば、Anderson, Philip O.; Knoben, James E.; Troutman, Williamg、eds., Handbook of Clinical Drug Data, Tenth Edition, McGraw-Hill, 2002; Pratt and Taylor, eds., Principles of Drug Action, Third Edition, Churchill Livingston, New York, 1990; Katzung, ed., Basic and Clinical Pharmacology, Ninth Edition, McGraw Hill, 2003; Goodman and Gilman, eds., The Pharmacological Basis of Therapeutics, Tenth Edition, McGraw Hill, 2001; Remingtons Pharmaceutical Sciences, 20th Ed., Lippincott Williams & Wilkins., 2000; Martindale, The Extra Pharmacopoeia, Thirty-Second Edition (The Pharmaceutical Press, London, 1999)(すべて全体が参照することによって本明細書中に組み込まれる)を参照のこと。
【0172】
本発明の化合物または医薬組成物は、作用部位への化合物の送達を可能にする任意の経路、例えば、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、血管内、腹腔内または注入を含む)、局所投与(例えば経皮投与)、直腸投与、カテーテルもしくはステントによる局所送達による、あるいは吸入により、投与できる。化合物は、脂肪内(intraadiposally)または髄腔内投与することもできる。
【0173】
組成物は、固体、半固体、液体もしくは気体形態で投与できるか、または凍結乾燥形態などの乾燥粉末であってもよい。医薬組成物は、例えば、カプセル、サシェ、カシェ剤、ゼラチン、ペーパー、錠剤、カプセル、坐剤、ペレット、ピル、トローチ、およびロゼンジなどの固体投与形態をはじめとする、送達に都合のよい形態で包装できる。包装の種類は、概して、所望の投与経路に依存するであろう。移植可能な持続放出処方も経皮処方と同様に想定される。
治療方法
【0174】
本発明はさらに、本発明の化合物または医薬組成物を用いて、限定されるものではないが、グルタミナーゼの過剰発現に関連する、および/または過剰のグルタミンに起因する疾患をはじめとする疾患状態を治療するための方法も提供する。
【0175】
本明細書中で提供する治療方法は、対象に治療上有効な量の本発明の化合物を投与することを含む。1つの実施形態では、本発明は、哺乳類における自己免疫疾患をはじめとする炎症障害を治療する方法を提供する。方法は、哺乳類に治療上有効な量の本発明の化合物を投与することを含む。
【0176】
本発明の治療方法がヒト薬剤および獣医学的薬剤の分野で有用であることは言うまでもない。したがって、治療する個体は、哺乳類、好ましくはヒト、または他の動物であり得る。獣医学的目的に関して、個体としては、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、およびヤギをはじめとする家畜;イヌおよびネコなどのペット;エキゾチックおよび/または動物園動物;マウス、ラット、ウサギ、モルモット、およびハムスターをはじめとする実験動物;ならびにニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、およびガチョウなどの家禽が挙げられる。
【0177】
いくつかの実施形態では、炎症性または自己免疫疾患を治療する方法は、対象(例えば哺乳類)に治療上有効な量の1以上の、グルタミナーゼを阻害する本発明の化合物を投与することを含む。グルタミナーゼのそのような阻害は、本明細書中で記載する疾患または状態のいずれかを治療するために有利であり得る。例えば、グルタミナーゼの阻害は、限定されるものではないが、喘息、気腫、アレルギー、皮膚炎、関節リウマチ、乾癬、紅斑性狼瘡、または移植片対宿主病をはじめとする、望ましくない免疫応答に関連する炎症性疾患、自己免疫疾患、または疾患に伴う炎症反応を阻害し得る。グルタミナーゼの阻害は、細菌、ウイルス、および/または真菌感染症を軽減する能力が同時に低下することなく、炎症性または望ましくない免疫応答の減少をさらに提供し得る。
【0178】
他の実施形態では、本発明は、肺葉、胸膜腔、気管支、気管、上部気道、または呼吸のための神経および筋肉に提供を及ぼす疾患を含むが、これらに限定されない呼吸器系疾患を治療するために化合物または医薬組成物を使用する方法を提供する。例えば、閉塞性肺疾患を治療するための方法を提供する。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、気流閉塞または制限によって特徴づけられる気道疾患の群の包括的用語である。包括的用語に含まれる状態としては、慢性気管支炎、気腫、および気管支拡張症が挙げられる。
【0179】
別の実施形態では、本明細書中で記載する化合物を喘息の治療のために使用する。さらに、本明細書中で記載する化合物または医薬組成物を、内毒素血症および敗血症の治療のために使用してもよい。1つの実施形態では、本明細書中で記載する化合物または医薬組成物を関節リウマチ(RA)の治療のために使用する。さらに別の実施形態では、本明細書中で記載する化合物または医薬組成物を接触性またはアトピー性皮膚炎の治療のために使用する。接触性皮膚炎としては、刺激性皮膚炎、光毒性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、光アレルギー性皮膚炎、接触性蕁麻疹、全身性接触型皮膚炎などが挙げられる。刺激性皮膚炎は、皮膚がある物質に対して感受性である場合に皮膚上で非常に多くの物質を使用する場合に起こり得る。場合によって湿疹と呼ばれるアトピー性皮膚炎は、アトピー性皮膚疾患である皮膚炎の一種である。
【0180】
本発明はまた、哺乳類における過剰増殖性障害を治療する方法であって、前記哺乳類に治療上有効な量の本発明の化合物、またはその薬剤的に許容される塩,エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物もしくは誘導体を投与することを含む方法にも関する。いくつかの実施形態では、前記方法は、急性骨髄性白血病、胸腺、脳、肺、扁平上皮細胞、皮膚、眼、網膜芽細胞腫、眼内黒色腫、口腔および口腔咽頭、膀胱、胃(gastric, stomach)、膵臓、膀胱、乳房、頚部、頭部、首、腎臓(renal, kidney)、肝臓、卵巣、前立腺、結腸直腸、食道、睾丸、婦人科、甲状腺、CNS、PNS、AIDS関連(例えばリンパ腫およびカポジ肉腫)またはウイルス誘導性癌などの癌の治療に関する。いくつかの実施形態では、前記方法は、皮膚の良性過形成(例えば乾癬)、再狭窄、または前立腺(例えば、良性前立腺肥大症(BPH))などの非癌性過剰増殖性障害の治療に関する。
【0181】
本発明はさらに、哺乳類において脈管形成または血管形成に関連する疾患を治療する方法であって、前記哺乳類に治療上有効な量の本発明の化合物を投与することを含む方法にも関する。いくつかの実施形態では、前記方法は、腫瘍血管形成、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患などの慢性炎症性疾患、乾癬、湿疹、および強皮症などの皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性症、血管腫、神経膠腫、黒色腫、カポジ肉腫ならびに卵巣、乳房、肺、膵臓、前立腺、結腸および類表皮癌からなる群から選択される疾患を治療するためである。
【0182】
本発明の方法にしたがって本発明の化合物で治療できる患者には、乾癬;再狭窄;アテローム性動脈硬化症;BPH;乳腺における管組織の腺管がん、髄様がん、膠様がん、管状癌、および炎症性乳がんなどの乳がん;卵巣の腺癌および卵巣から腹腔へ移った腺癌などの上皮卵巣腫瘍を含む卵巣癌;子宮癌;子宮頸癌、例えば扁平上皮癌および腺癌を含む頚部上皮における腺癌;前立腺癌、例えば以下のものから選択される前立腺癌:腺癌または骨に移った腺癌(adenocarinoma);膵臓癌、例えば膵臓管組織における類上皮(epitheliod)癌および膵管における腺癌;膀胱癌、例えば膀胱における移行上皮がん、尿路上皮癌(移行上皮がん)、膀胱の内側を覆う尿路上皮細胞における腫瘍、扁平上皮癌、腺癌、および小細胞癌;白血病、例えば急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ヘアリーセル白血病、骨髄異形成、骨髄増殖性疾患、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、肥満細胞症、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)、および骨髄異形成症候群(MDS);骨肉腫;肺癌、例えば扁平上皮癌、腺癌、および未分化大細胞がんに分類される非小細胞肺癌(NSCLC)、ならびに小細胞肺癌;扁平上皮癌になる場合がある皮膚状態である、皮膚癌、例えば基底細胞がん、黒色腫、扁平上皮癌および光線角化症;眼網膜芽細胞腫;皮膚または眼内(眼)黒色腫;原発性肝癌(肝臓で始まる癌);腎臓癌;甲状腺癌、例えば甲状腺乳頭がん、濾胞性甲状腺がん、甲状腺髄様がんおよび未分化甲状腺がん;AIDS関連リンパ腫、例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、B細胞免疫芽球性リンパ腫および小型非開裂細胞性リンパ腫;カポジ肉腫;B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、および肝細胞がんをはじめとするウイルス誘導性癌;ヒトリンパ向性ウイルス1型(HTLV−I)および成人T細胞白血病/リンパ腫;ならびにヒトパピローマウイルス(HPV)および子宮頸癌;中枢神経系癌(CNS)、例えば、神経膠腫(星状細胞腫、未分化星状細胞腫、または多形性膠芽腫)、乏突起神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、リンパ腫、シュワン細胞腫、および髄芽腫を含む原発性脳腫瘍;末梢神経系(PNS)癌、たとえば聴神経腫瘍および神経線維腫およびシュワン細胞腫を含む悪性末梢神経鞘腫(MPNST)、悪性線維細胞腫、悪性線維性組織球腫、悪性髄膜腫、悪性中皮腫、および悪性混合型ミュレリアン腫瘍(Mullerian tumor);下咽頭癌、喉頭癌、鼻咽頭癌、および口腔咽頭癌などの口腔および口腔咽頭癌;リンパ腫、胃間質腫瘍、およびカルチノイド腫瘍などの胃癌;セミノーマおよび非セミノーマを含む、胚細胞腫(GCT)などの睾丸癌、ならびにライディッヒ細胞腫およびセルトリ細胞腫を含む生殖腺間質腫;胸腺種、胸腺がん、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫カルチノイドまたはカルチノイド腫瘍などの胸腺癌;直腸癌;および結腸癌に罹っていると診断された患者が含まれる。
【0183】
別の態様では、本発明は、白血球の機能を妨げるか、または破骨細胞の機能を妨げる方法を提供する。方法は、白血球または破骨細胞と機能妨害量の本発明の化合物とを接触させることを含む。
【0184】
本発明の別の態様では、1以上の本明細書中で記載する化合物または医薬組成物を対象の眼に投与することによって眼疾患を治療するための方法を提供する。
【0185】
本発明はさらに、グルタミナーゼと、グルタミナーゼ酵素の活性を阻害するために充分な量の本発明の化合物とを接触させることによってグルタミナーゼを阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、グルタミナーゼ酵素とグルタミナーゼ酵素の活性を阻害するために充分な量の本発明の化合物とを接触させることによってグルタミナーゼ酵素活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、グルタミナーゼ酵素活性を阻害する方法を提供する。そのような阻害は、溶液中、1以上のグルタミナーゼ酵素を発現する細胞中、グルタミナーゼを発現する細胞を含む組織中、またはグルタミナーゼを発現する器官中で起こり得る。いくつかの実施形態では、本発明は、前記動物と、前記動物においてグルタミナーゼ酵素の活性を阻害するために充分な量の本発明の化合物とを接触させることによって、動物(ヒトなどの哺乳類を含む)においてグルタミナーゼ活性を阻害する方法を提供する。
【0186】
本明細書中で記載する一般法は、本発明の化合物を作製し、使用する方法および過程を提供し、限定的ではなく例示的である。提供した方法のさらなる修正およびさらに新しい方法も、本発明の目的を達成し、目的を果たすために考案できる。したがって、明細書によって定義される本発明の主旨および範囲内に含まれる他の実施形態があり得ると理解すべきである。
【0187】
本発明の化合物の実例には、表1で前記のものおよびその薬剤的に許容される塩が含まれる。本発明は、これらの化合物だけに限定されると解釈されるべきではない。
一般的調製方法
【0188】
本発明の化合物は、以下の過程によって調製することができる。別段の指示がない限り、変数(例えば、R、R、P、Q、A、BおよびL)は、以下の式で使用する場合、式(I)に関して前述の基を表すと理解されるべきである。これらの方法は、修飾の有無を問わず本明細書中で前記の式(I)の他の化合物にも同様に適用できる。
【0189】
スキーム1:このスキームは、RおよびRが独立して置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、PおよびQが独立して−NRC(O)−(CR−または−C(R−C(O)−NR−であり、Lが−L−L−L−であり、Lが、置換もしくは非置換3〜14員ヘテロシクリルであり、LおよびLが存在しないかまたは置換もしくは非置換C1〜6アルキル(例えばメチル)であり、Aが
【0190】
【化20】
【0191】
であり、Bが
【0192】
【化21】
【0193】
であり、rが0または1であり、他の変数(RおよびRを含む)がすべて式(I)に関して前述のとおりである、式(I)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0194】
【化22】
【0195】
式(1)の化合物(式中、sおよびvは0または1であり、Rはアルキルである)を式(2)の化合物とカップリングさせて式(3)の化合物を形成できる。式(3)の化合物を、例えばFe/NHCl、EtOHおよび水などの好適な還元剤を使用して還元して、式(4)の化合物を形成できる。式(4)の化合物を次いで式(5)の化合物とカップリングさせて、例えばHATU、DMFおよびDIPEAの存在下で式(6)の化合物を形成できる。式(6)の化合物を次いで加水分解して式(7)の化合物を得ることができ、これを次いで式(8)の化合物とPOClの存在下で反応させて、式(9)の化合物を形成できる。式(9)の化合物を次いで式(10)の化合物と、例えばHATU、DMFおよびDIPEAの存在下でカップリングさせて式(I)の化合物を形成できる。このスキームを下記説明1および2で説明する。
【0196】
【化23】
【0197】
スキーム2:このスキームは、RおよびRが独立して置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、PおよびQが独立して−NRC(O)−(CR−または−C(R−C(O)−NR−であり、Lが−L−L−L−であり、Lが置換もしくは非置換3〜14員ヘテロシクリルであり、LおよびLが存在しない、または置換もしくは非置換C1〜6アルキル(例えばメチル)であり、Aが
【0198】
【化24】
【0199】
であり、Bが
【0200】
【化25】
【0201】
であり、rが0または1であり、全ての他の変数(RおよびRを含む)が式(I)に関して前記のとおりである、式(I)の化合物の調製方法を提供する。
【0202】
【化26】
【0203】
式(11)の化合物をXが脱離基である式(12)の化合物とカップリングさせて式(13)の化合物を形成できる。式(13)の化合物を式(14)の化合物と反応させて式(15)の化合物を形成でき、これを次いで式(8)の化合物と、例えばPOClの存在下で反応させて式(16)の化合物を形成できる。式(16)の化合物を式R−CH−COOHの化合物とカップリングさせて、変数が前記定義のとおりである式(I)の化合物を得ることができる。
【0204】
【化27】
【0205】
式(12)の化合物を式(14a)の化合物とカップリングさせて式(17)の化合物を形成できる。式(17)の化合物を式R−CH−COOHの化合物と反応させ、続いてエステル加水分解を行って、式(15)の化合物を形成できる。式(15)の化合物を次いで式(8)の化合物と、例えばPOClの存在下で反応させて、式(16)の化合物を形成することができ、これを式R−CH−COOHの化合物とカップリングさせて、変数が前記定義のとおりである式(I)の化合物を得ることができる。このスキームを下記説明1および2で説明する。
【0206】
【化28】
【0207】
スキーム3:このスキームは、RおよびRが独立して置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、PおよびQが独立して−NRC(O)−(CR−または−C(R−C(O)−NR−であり、Lが−L−L−L−であり、Lが置換もしくは非置換3〜14員ヘテロシクリルであり、LおよびLが存在しないかまたは置換もしくは非置換C1〜6アルキル(例えばメチル)であり、Aが
【0208】
【化29】
【0209】
であり、Bが
【0210】
【化30】
【0211】
であり、rが0または1であり、sが0または1であり、vが0または1であり、他の変数(RおよびRを含む)がすべて式(I)に関して前述のとおりである式(I)の化合物の調製方法を提供する。
【0212】
【化31】
【0213】
ステップ1:FGがニトロまたはアミノであり、Xが臭素などの脱離基である式(18)の化合物を、Pgが保護基である式(19)の化合物と、場合によってテトラブチルアンモニウムヨージド(TBAI)およびKCOなどの好適な塩基の存在下でカップリングさせて、式(20)の化合物を形成できる。式(20)の化合物(式中、FGはニトロ(−NO)である)を還元して、式(21)の化合物を形成でき、これを式(22)の化合物とカップリングさせて、式(23)の化合物を形成できる。別法として、式(20)の化合物(式中、FGはアミノ(−NH)である)を式(22)の化合物とカップリングさせて、式(23)の化合物を形成できる。
ステップ2:式(23)の化合物を脱保護して、式(23a)の化合物を形成することができる。式(23a)の化合物を式(8)の化合物と、例えばPOClの存在下で反応させて、式(24)の化合物を形成することができ、これを式(25)の化合物とHATUおよびDIPEAなどの好適な試薬の存在下でカップリングさせて、式(I)の化合物を形成することができる。このスキームを、以下の説明1および2で説明する。
【0214】
【化32】
【化33】
【0215】
スキーム4:このスキームは、RおよびRが独立して置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、PおよびQが独立して−NRC(O)−(CR−または−C(R−C(O)−NR−であり、Lが−L−L−L−であり、Lが置換もしくは非置換3〜14員ヘテロシクリルであり、LおよびLが存在しない、または置換もしくは非置換C1〜6アルキル(例えばメチル)であり、Aが
【0216】
【化34】
【0217】
であり、Bが
【0218】
【化35】
【0219】
であり、rが0または1であり、sが0または1であり、vが0または1であり、他の変数(RおよびRを含む)がすべて式(I)に関して前述のとおりである、式(I)の化合物の調製方法を提供する。
【0220】
【化36】
【0221】
ステップ1:FGがニトロまたはアミノであり、Xが臭素などの脱離基である式(18)の化合物をPgが保護基である式(19)の化合物と、例えばテトラブチルアンモニウムヨージド(TBAI)およびKCOなどの好適な塩基の存在下でカップリングさせて、式(20)の化合物を形成できる。式(20)の化合物を、アンモニア水を使用して変換して式(26)の化合物を形成でき、これを、例えば塩化チオニルを使用して変換して、式(27)の化合物を形成できる。式(27)の化合物(式中、FGはニトロ(−NO)である)を還元して、化合物(28)を形成でき、これを式(22)の化合物とHATUおよびDIPEAなどの好適な試薬の存在下でカップリングさせて、式(29)の化合物を形成できる。別法として、式(27)の化合物(式中、FGはアミノ(−NH)である)を式(22)の化合物とHATUおよびDIPEAなどの好適な試薬の存在下でカップリングさせて、式(29)の化合物を形成できる。
ステップ2:式(29)の化合物を式(8)の化合物と反応させて、式(24)の化合物を形成できる。式(24)の化合物を式(25)の化合物とHATUおよびDIPEAなどの好適な試薬の存在下でカップリングさせて、式(I)の化合物を形成できる。このスキームを以下の説明1および2で説明する。
【0222】
【化37】
【0223】
スキーム5:このスキームは、RおよびRが独立して置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、PおよびQが独立して−NRC(O)−(CR−または−C(R−C(O)−NR−であり、Lが−L−L−L−であり、Lが置換もしくは非置換3〜14員ヘテロシクリルであり、LおよびLが存在しない、または置換もしくは非置換C1〜6アルキル(例えばメチル)であり、Aが
【0224】
【化38】
【0225】
であり、Bが
【0226】
【化39】
【0227】
であり、rが0または1であり、sが0または1であり、vが0または1であり、他の変数(RおよびRを含む)がすべて式(I)に関して前述のとおりである式(I)の化合物の調製方法を提供する。
【0228】
【化40】
【0229】
ステップ1:FGがニトロまたはアミノであり、Xが臭素などの脱離基である式(18)の化合物を式(30)の化合物とカップリングさせて、式(27)の化合物を形成できる。式(27)の化合物(式中、FGはニトロ(−NO)である)を還元して、化合物(28)を形成でき、これを式(22)の化合物とHATUおよびDIPEAなどの好適な試薬の存在下でカップリングさせて、式(29)の化合物を形成できる。別法として、式(27)の化合物(式中、FGはアミノ(−NH)である)を式(22)の化合物とHATUおよびDIPEAなどの好適な試薬の存在下でカップリングさせて、式(29)の化合物を形成できる。
ステップ2:式(29)の化合物を式(8)の化合物と反応させて、式(24)の化合物を形成することができ、これを式(25)の化合物とHATUおよびDIPEAなどの好適な試薬の存在下でカップリングさせて、式(I)の化合物を形成できる。このスキームを下記説明1および2で説明する。
【0230】
【化41】
【0231】
好適な中間体および試薬を使用して、すべての変数が前記基を表すものと理解される式(I)、(II)および(III)の化合物を合成するために、当業者に公知の修飾を加えた類似の方法を使用できる。
【実施例】
【0232】
実験
以下に記載する実施例および調製は、本発明の化合物およびそのような化合物を調製する方法をさらに説明し、例示する。本発明の範囲は、以下の実施例および調製の範囲によって決して限定されないと理解すべきである。以下の実施例では、1つのキラル中心を有する分子は、特に断りのない限り、ラセミ混合物として存在する。2以上のキラル中心を有する分子は、特に断りのない限り、ジアステレオマーのラセミ混合物として存在する。1つのエナンチオマー/ジアステレオマーを当業者に公知の方法によって得ることができる。
【0233】
【表3A】
【表3B】
【0234】
中間体1:1−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル:3−ブロモ−6−ニトロピリジン(2g、9.85ミリモル)、イソニペコチン酸エチル(1.7g、10.8ミリモル)、KCO(1.36g、9.84ミリモル)およびテトラブチルアンモニウムヨージドをDMSO(10ml)中に溶かした。この混合物を100℃にて不活性雰囲気下、16時間撹拌した。反応完了後、反応を室温まで冷却し、水で希釈した。水層をEtOAcで抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。EtOAcをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、EtOAcおよび石油エーテル(1:2)を溶離液として使用してcombi-flashで精製して、表題化合物(2.2g)を黄色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 8.16-8.10 (m, 2H), 7.20 (dd, J 9.1, 2.8, 1H), 4.18 (q, J 7.1, 2H), 3.92-3.82 (m, 2H), 3.20-3.10 (m, 2H), 2.65-2.55 (m, 1H), 2.15-2.03 (m, 2H), 1.95-1.85 (m, 2H), 1.27 (t, J 7.1, 3H).
【0235】
中間体2:1−(6−アミノピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル:中間体1(2.2g、7.9ミリモル)をEtOH(25ml)およびHO(5ml)混合物中に溶解させた。この混合物に、この混合物に、鉄粉(2.2g、39.4ミリモル)およびNHCl(850mg、15.9ミリモル)を添加した。この混合物を90℃で16時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をセライト床で濾過した。セライト床をDCMで洗浄した。ろ液をNaHCO水溶液で塩基性にした。水層をDCMで抽出した。まとめたDCM層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、MeOHおよびDCM(3:97)を溶離液として使用して60〜120メッシュシリカゲル上カラムにより精製して、表題化合物(1.7g)を褐色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 7.59 (d, J 2.8, 1H), 7.13 (dd, J 8.8, 2.8, 1H), 6.38 (d, J 8.8, 1H), 5.32 (bs, 2H), 4.07 (q, J 7.1, 2H), 3.31-3.25 (m, 2H), 2.63-2.55 (m, 2H), 2.45-2.33 (m, 1H), 1.87 (d, J 12.6, 2H), 1.73-1.62 (m, 2H), 1.18 (t, J 7.1, 3H).
【0236】
中間体3:1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル:中間体2(1.0g、3.8ミリモル)、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸(1.03g、4.7ミリモル)、HATU(1.82g、4.7ミリモル)、DIPEA(1.1ml、8.5ミリモル)をDMF(6ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、12時間撹拌した。反応物を水で希釈して、固体を得た。固体を濾過し、乾燥して、表題化合物を灰色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.43 (s, 1H), 7.99 (d, J 2.7, 1H), 7.86 (d, J 9, 1H), 7.47-7.41 (m, 1H), 7.39-7.31 (m, 3H), 7.22 (d, J 8, 1H), 4.07 (q, J 7.1, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.56 (d, J 12.2, 2H), 2.75 (t, J 11.4, 2H), 2.50-2.41 (m, 1H), 1.90 (d, J 11.1, 2H), 1.72-1.60 (m, 2H), 1.18 (t, J 7, 3H).
【0237】
中間体4:1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸:中間体3(1.59g、3.5ミリモル)をMeOHおよび水中に溶解させた。この混合物にNaOHを添加した(590mg、14.7ミリモル)。この混合物を室温で1時間撹拌した。MeOHをrotavapourで除去し、残渣を2N HClでpH約5まで酸性化した。上記水層をMeOHおよびDCM(1:9)混合物で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、rotavapourで蒸発させて、粗物質を得た。粗物質をEt2Oで摩砕して、表題化合物を褐色固体(1.19g)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.14 (bs, 1H), 10.43 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.86 (d, J 7.9, 1H), 7.49-7.41 (m, 1H), 7.29-7.30 (m, 3H), 7.22 (d, J 8.2, 1H), 3.73 (s, 2H), 3.56 (d, J 11.8, 2H), 2.74 (t, J 11.1, 2H), 2.41-2.33 (m, 1H), 1.93-1.85 (m, 2H), 1.70-1.58 (m, 2H).
【0238】
中間体5:N−(5−(4−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)−2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド:中間体4(290mg、0.45ミリモル)、チオセミカルバジド(230mg)およびPOCl(12ml)を混合し、90℃まで16時間加熱した。反応完了後、反応物を室温まで冷却し、クラッシュアイス(150g)中でクエンチした。結果として得られた混合物をNaOH飽和水溶液でpH14に塩基性化した。水層をDCMおよびMeOH(9:1)混合物で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、rotavapourで蒸発させて、粗物質(110mg)を得た。粗物質をさらに精製することなく次のステップで使用した。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.44 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.88 (d, J 9, 1H), 7.48-7.30 (m, 4H), 7.22 (d, J 7.8, 1H), 6.97 (s, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.63 (d, 12.4, 2H), 3.19-3.09 (m, 1H), 2.88 (t, J 10.9, 2H), 2.8 (d, 13.3, 2H), 1.90-1.78 (m, 2H).
【0239】
中間体6:1−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボン酸エチル:3−ブロモ−6−ニトロピリジン(2g、9.85ミリモル)、ニペコチン酸エチル(1.7g、10.8ミリモル)、KCO(1.36g、9.84ミリモル)およびテトラブチルアンモニウムヨージド(360mg、0.98ミリモル)をDMSO(10ml)中に溶かした。この混合物を100℃にて不活性雰囲気下、16時間撹拌した。反応完了後、反応を室温まで冷却し、水で希釈した。水層をEtOAcで抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。EtOAcをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、EtOAcおよび石油エーテル(1:2)を溶離液として使用してcombi-flashで精製して、表題化合物(2.3g)を黄色固体として得た。
【0240】
中間体7:1−(6−アミノピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボン酸エチル:中間体6(2.2g、7.9ミリモル)をEtOH(25ml)およびHO(5ml)混合物中に溶解させた。この混合物に、鉄粉(2.2g、39.4ミリモル)およびNHCl(850mg、15.9ミリモル)を添加した。この混合物を90℃で16時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をセライト床で濾過した。セライト床をDCMで洗浄した。ろ液をNaHCO水溶液で塩基性にした。水層をDCMで抽出した。まとめたDCM層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用してcombi-flashにより精製して、表題化合物(1.8g)を褐色液体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 7.60 (d, J 2.8, 1H), 7.13 (dd, J 8.8, 2.9, 1H), 6.38 (dd, J 8.8, 3, 1H), 5.35 (bs, 2H), 4.10 (q, J 6.8, 2H), 3.30-3.20 (m, 1H), 3.11-3.04 (m, 1H), 2.84-2.76 (m, 1H), 2.69-2.58 (m, 2H), 1.88-1.81 (m, 1H), 1.75-1.68 (m, 1H), 1.60-1.50 (m, 2H), 1.18 (t, J 7.1, 3H).
【0241】
中間体8:1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボン酸エチル:中間体7(1.8g、7.2ミリモル)、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸(1.9g、8.63ミリモル)、HATU(3.3g、8.7ミリモル)、DIPEA(3.8ml、21.6ミリモル)をDMF(5ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、12時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。DCM層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して表題化合物(3.2g)を得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.45 (s, 1H), 7.99 (d, J 2.6, 1H), 7.87 (d, J 9, 1H), 7.48-7.41 (m, 1H), 7.39-7.30 (m, 3H), 7.22 (d, J 8, 1H), 4.08 (q, J 7.1, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.60-3.53 (m, 1H), 3.41-3.33 (m, 1H), 3.05-2.96 (m, 1H), 2.86-2.78 (m, 1H), 2.70-2.50 (m, 1H), 1.95-1.85 (m, 1H), 1.78-1.68 (m, 1H), 1.63-1.54 (m, 2H), 1.18 (t, J 7.1, 3H).MS(m/z):452.6[M+H]
【0242】
中間体9:1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボン酸:中間体8(1.6g、3.5ミリモル)をMeOHおよび水中に溶解させた。この混合物にNaOHを添加した(430mg、10.5ミリモル)。この混合物を室温で30分間撹拌した。MeOHをrotavapourで除去し、残渣を2N HClでpH約5まで酸性化した。その後、前記水層をMeOHおよびDCM(2:8)混合物で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、rotavapourで蒸発させて、粗物質を得た。粗物質をEt2Oで摩砕して、表題化合物を褐色固体(950mg)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.25 (s, 1H), 10.44 (s, 1H), 7.99 (d, J 2.7, 1H), 7.87 (d, J 8.8, 1H), 7.47-7.41 (m, 1H), 7.38-7.31 (m, 3H), 7.22 (d, J 7.2, 1H), 3.73 (s, 2H), 3.58 (d, J 12.4, 1H), 3.40 (d, J 11.4, 1H), 3.07-2.90 (m, 1H), 2.82-2.73 (m, 1H), 2.60-2.50 (m, 1H), 1.95-1.83 (m, 1H), 1.75-1.68 (m, 1H), 1.60-1.50 (m, 2H).
【0243】
中間体10:N−(5−(3−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)−2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド:中間体9(950mg、2.24ミリモル)、チオセミカルバジド(610mg、6.7ミリモル)およびPOCl(10ml)を混合し、90℃まで16時間加熱した。反応完了後、反応物を室温まで冷却し、クラッシュアイス(150g)中でクエンチした。結果として得られた混合物をNaOH飽和水溶液でpH14に塩基性化した。水層をDCMおよびMeOH(9:1)混合物で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、rotavapourで蒸発させて、粗物質を得た。粗物質をEtOAcおよび石油エーテル(Petether)(1:1)混合物で磨砕して、表題化合物(1g)を褐色固体として得た。MS(m/z):479.4[M+H]
【0244】
中間体11:1−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド:中間体1(7.8g、27.9ミリモル)をMeOH(39ml)中に溶解させ、アンモニア水(46.8mlを添加した。この混合物を50℃まで12時間加熱した。反応混合物中に生じた固体をろ過し、真空下で乾燥して、表題化合物(1.7g)を黄色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 8.23 (d, J 2.9, 1H), 8.11 (d, J 9.2, 1H), 7.45 (dd, J 3, 9.2, 1 H), 7.25 (bs, 1H), 6.74 (bs, 1H), 4.06 (d, J 12.3, 2H), 3.10-3.00 (m, 2H), 2.45-2.35 (m, 1H), 1.81 (d, J 10.8, 2H), 1.65-1.51 (m, 2H).MS(m/z):250.9[M+H]
【0245】
中間体12:1−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル:中間体11(1.7g 6.79ミリモル)をクロロホルム(25ml)中に溶解させ、TEA(4.8ml、34ミリモル)を添加した。この混合物を−5℃まで冷却し、無水トリフルオロ酢酸(2.23ml、17ミリモル)を滴加した。前記混合物を1時間室温にてN雰囲気下で撹拌した。反応物を水で希釈し、有機層を分離した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。有機層をrotavapourで蒸留して、表題化合物(1.36g)を黄色固体として得た。それをさらに精製することなく次のステップで使用した。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 8.25 (d, J 3, 1H), 8.13 (d, J 9.2, 1H), 7.48 (dd, J 3, 9.2, 1H), 3.80-3.70 (m, 2H), 3.42-3.33 (m, 2H), 3.20-3.11 (m, 1H), 2.05-1.96 (m, 2H), 1.85-1.75 (m, 2H).
【0246】
中間体13:1−(6−アミノピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル:中間体12(1.36g、5.85ミリモル)をEtOH(40ml)およびHO(8ml)混合物中に溶解させた。この混合物に、鉄粉(1.63g、29.3ミリモル)およびNHCl(624mg、11.7ミリモル)を添加した。この混合物を90℃で16時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をセライト床で濾過した。セライト床をDCMで洗浄した。ろ液をNaHCO水溶液で塩基性にした。水層をDCMで抽出した。まとめたDCM層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質をEtOで摩砕して、表題化合物(1g)を褐色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 7.61 (d, J 2.6, 1H), 7.15 (dd, J 3, 8.8, 1H), 6.39 (d, J 8.8, 1H), 5.38 (bs, 2H), 3.10-3.03 (m, 2H), 2.99-2.91 (m, 1H), 2.86-2.78 (m, 2H), 2.00-1.93 (m, 2H), 1.85-1.75 (m, 2H).
【0247】
中間体14:N−(5−(4−シアノピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)−2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド:中間体13(440mg、2.29ミリモル)、2−ピリジル酢酸塩酸塩(453mg、2.6ミリモル)、HATU(992mg、2.6ミリモル)、DIPEA(1.1ml、6.5ミリモル)をDMF(3ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、12時間撹拌した。反応物を水で希釈し、生じた固体を濾過した。固体を水で洗浄し、高真空で乾燥して、表題化合物を灰白色固体(320mg)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.42 (s, 1H), 8.49 (d, J 4.3, 1H), 8.01 (d, J 1.8, 1H), 7.89 (d, J 9, 1H), 7.73 ((t, J 7.5, 1H), 7.41-7.35 (m, 2H), 7.27-7.21 (m, 1H), 3.87 (s, 2H), 3.35-3.28 (m, 2H), 3.07-2.98 (m, 3H), 2.03-1.94 (m, 2H), 1.86-1.77 (m, 2H).
【0248】
中間体15:N−(5−(4−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)−2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド:中間体14(320mg、0.894ミリモル)、チオセミカルバジド(162mg、1.79ミリモル)およびトリフルオロ酢酸(2ml)を混合し、90℃まで2時間加熱した。2時間後、反応混合物を室温まで冷却し、pH14に塩基性化して、固体を得た。固体をEtOで摩砕して、表題化合物(300mg)を褐色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.39 (s, 1H), 8.49 (d, J 3.2, 1H), 8.02 (d, J 2.2, 1H), 7.89 (d, J 8.7, 1H), 7.73 (t, J 7.8, 1H), 7.41-7.35 (m, 2H), 7.28-7.22 (m, 1H), 6.96 (bs, 2H), 3.87 (s, 2H), 3.67 (d, J 12.1, 2H), 3.07-2.98 (m, 1H), 2.80 (t, J 11.9, 2H), 2.03 (d, J 11.3, 2H), 1.82-1.70 (m, 2H).
【0249】
中間体16:1−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド:中間体6(5g、17.9ミリモル)をMeOH(25ml)中に溶解させ、アンモニア水(30ml)を添加した。この混合物を50℃まで12時間加熱した。反応混合物中に生じた固体をろ過し、真空下で乾燥して、表題化合物(1.4g)を黄色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 8.24 (d, J 2.7, 1H), 8.10 (d, J 9.2, 1H), 7.46 (dd, J 2.9, 9.2, 1H), 7.35 (bs, 1H), 6.85 (bs, 1H), 4.09-3.95 (m, 2H), 3.13 (t, J 11, 1H), 3.03 (t, J 10, 1H), 2.45-2.35 (m, 1H), 1.93-1.85 (m, 1H), 1.79-1.61 (m, 2H), 1.55-1.42 (m, 1H).MS(m/z):251.0[M+H]
【0250】
中間体17:1−(6−ニトロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボニトリル:中間体16(1.4g 5.6ミリモル)をクロロホルム(20ml)中に溶解させ、TEA(3.9ml、28ミリモル)を添加した。この混合物を−5℃まで冷却し、無水トリフルオロ酢酸(1.95ml、14ミリモル)を滴加した。前記混合物を1時間室温にてN雰囲気下で撹拌した。反応物を水で希釈し、有機層を分離した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。有機層をrotavapourで蒸留して、表題化合物(1g)を黄色固体として得た。それをさらに精製することなく次のステップで使用した。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 8.30 (d, J 2.9, 1H), 8.13 (d, J 9.2, 1H), 7.54 (dd, J 3, 9.2, 1H), 3.88-3.75 (m, 2H), 3.62-3.45 (m, 2H), 3.17-3.09 (m, 1H), 2.01-1.75 (m, 2H), 1.70-1.58 (m, 2H).MS(m/z):232.9[M+H]
【0251】
中間体18:1−(6−アミノピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボニトリル:中間体17(1g、4.3ミリモル)をEtOH(30ml)およびHO(6ml)混合物中に溶解させた。この混合物に、鉄粉(1.20g、21.5ミリモル)およびNHCl(460mg、8.7ミリモル)を添加した。この混合物を90℃で16時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をセライト床で濾過した。セライト床をDCMで洗浄した。ろ液をNaHCO水溶液で塩基性にした。水層をDCMで抽出した。まとめたDCM層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、MeOHよびDCM(3:97)を溶離液として使用してcombi-flashにより精製して、表題化合物(880mg)を黒色ゲルとして得た。
【0252】
中間体19:N−(5−(3−シアノピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)−2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド:中間体18(440mg、2.2ミリモル)、2−ピリジル酢酸塩酸塩(453mg、2.6ミリモル)、HATU(992mg、2.6ミリモル)、DIPEA(1.1ml、6.5ミリモル)をDMF(3ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、12時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。DCMを無水NaSO上で乾燥し、DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、MeOHおよびDCM(3:97)を溶離液として使用してcombi-flashにより精製して、表題化合物(450mg)を褐色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.45 (s, 1H), 8.49 (d, J 4, 1H), 8.03 (d, J 2.5, 1H), 7.90 (d, J 8.4, 1H), 7.73 (t, J 6.3, 1H), 7.44-7.33 (m, 2H), 7.27-7.21 (m, 1H), 3.87 (s, 2H), 3.40-3.31 (m, 2H), 3.20-3.04 (m, 3H), 1.90-1.71 (m, 3H), 1.70-1.59 (m, 1H).MS(m/z):322.0[M+H]
【0253】
中間体20:N−(5−(3−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)−2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド:中間体19(425mg、1.87ミリモル)、チオセミカルバジド(216mg、2.37ミリモル)およびトリフルオロ酢酸(2ml)を混合し、90℃まで2時間加熱した。2時間後、反応混合物を室温まで冷却し、pH14に塩基性化した。水層をMeOHおよびDCM(1:9)混合物で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、rotavapourでMeOHおよびDCMを除去して、粗物質を得た。粗物質を、MeOHおよびDCM(7:93)を溶離液として使用してcombi-flashによって精製して、表題化合物(164mg)をピンク色固体として得た。MS(m/z):396.1[M+H]
【0254】
中間体21:1−(6−アミノピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル:3−アミノ−6−クロロピリダジン(1g、7.72ミリモル)およびイソニペコチン酸エチル(2.4g、15.39ミリモル)を混合し、180℃まで6時間加熱した。6時間後、反応物を室温まで冷却し、NaHCO飽和水溶液(50ml)を添加した。この混合物をDCMで抽出した。DCMをrotavapourで除去して粗物質を得た。粗物質を、MeOHおよびDCM(3:97)を溶離液として使用してcombi-flashによって精製して、表題化合物を褐色固体(1.5g)として得た。
【0255】
中間体22:1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル:中間体21(1.5g、5.99ミリモル)、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸(1.58g、7.17ミリモル)、HATU(5g、13.14ミリモル)、DIPEA(3.1ml、17.78ミリモル)をDMF(4ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、12時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。DCM層を無水NaSO上で乾燥し、DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、MeOHおよびDCM(1:99)を溶離液として使用してcombi-flashによって精製して、表題化合物を褐色ガム状固体(1.1g)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.93 (s, 1H), 7.98 (d, J 9.8, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.38-7.30 (m, 3H), 7.24 (d, J 8, 1H), 4.15 (d, J 13.3, 2H), 4.06 (q, J 7.1, 2H), 3.78 (s, 2H), 2.98 (t, J 11.4, 2H), 2.63-2.55 (m, 1H), 1.89 (d, J 10.6, 2H), 1.62-1.50 (m, 2H), 1.17 (t, J 7.1, 3H).
【0256】
中間体23:1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸:中間体22(1.1g、2.43ミリモル)をMeOHおよび水中に溶解させた。この混合物にNaOHを添加した(290mg、7.25ミリモル).この混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を希HClでpH約5に酸性化して、固体を得た。固体を濾過し、乾燥して、表題化合物を黄色固体(450mg)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.27 (bs, 1H), 10.92 (s, 1H), 7.97 (d, J 9.8, 1H), 7.47-7.42 (m, 1H), 7.37-7.29 (m, 3H), 7.28-7.20 (m, 1H), 4.14 (d, J 13.2, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.40-3.30 (m, 1H), 3.01-2.93 (m, 2H), 1.87 (d, J 10.6, 2H), 1.60-1.49 (m, 2H).MS(m/z):425.0[M+H]
【0257】
中間体24:N−(6−(4−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド:中間体23(510mg、1.20ミリモル)、チオセミカルバジド(330mg、3.6ミリモル)およびPOCl(5ml)を混合し、90℃まで3時間加熱した。反応完了後、反応物を室温まで冷却し、クラッシュアイス(150g)中でクエンチした。結果として得られた混合物を飽和NaOH水溶液で塩基性化してpH10にした。水層をDCMおよびMeOH(9:1)混合物で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、rotavapourで蒸発させて、粗物質を得た。粗物質を、MeOHおよびDCM(6:94)を溶離液として使用してcombi-flashによって精製して、表題化合物を淡黄色固体(100mg)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.93 (s, 1H), 7.98 (d, J 9.8, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.37-7.32 (m, 3H), 7.24 (d, J 8, 1H), 7.00 (s, 2H), 4.27 (d, J 13.3, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.20-3.10 (m, 1H), 3.01 (t, J 11.6, 2H), 2.02 (d, J 10.8, 2H), 1.70-1.58 (m, 2H).MS(m/z):479.8[M+H]
【0258】
中間体25:1−(6−アミノピリダジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボン酸エチル:3−アミノ−6−クロロピリダジン(3g、23.2ミリモル)およびニペコチン酸エチル(7.3g、46.4ミリモル)を混合し、180℃まで6時間加熱した。6時間後、反応物を室温まで冷却し、NaHCO飽和水溶液(50ml)を添加した。この混合物をDCMで抽出した。DCMをrotavapourで除去して粗物質を得た。粗物質を、MeOHおよびDCM(3:97)を溶離液として使用して60〜120メッシュシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を褐色ガム状固体(2.9g)として得た。MS(m/z):250.8[M+H]
【0259】
中間体26:1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボン酸エチル:中間体25(2.9g、11.6ミリモル)、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸(3.06g、13.9ミリモル)、HATU(9.7g、25.5ミリモル)、DIPEA(2ml、34.75ミリモル)をDMF(6ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、12時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。DCM層を無水NaSO上で乾燥し、DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、60〜120メッシュシリカゲル上、MeOHおよびDCM(1:99)を溶離液として使用してカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を褐色固体(3.1g)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.91 (s, 1H), 7.97 (d, J 9.8, 1H), 7.47-7.43 (m, 1H), 7.37-7.31 (m, 3H), 7.24 (d, J 8, 1H), 4.25 (d, J 13, 1H), 4.06 (q, J 7, 2H), 3.90 (d, J 12.9, 1H), 3.78 (s, 2H), 3.21-3.05 (m, 2H), 2.60-2.51 (m, 1H), 2.00-1.91 (m, 1H), 1.72-1.53 (m, 2H), 1.52-1.41 (m, 1H), 1.17 (t, J 7.1, 3H).
【0260】
中間体27:1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボン酸:中間体26(3.1g、6.85ミリモル)をMeOHおよび水中に溶解させた。この混合物にNaOHを添加した(1.64g、41.1ミリモル)。この混合物を室温で3時間撹拌した。反応物を希HClでpH約5に酸性化して、固体を得た。固体を濾過し、乾燥して、表題化合物を黄色固体(1.4g)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz):MS(m/z):425.0[M+H]+。12.33 (bs, 1H), 10.92 (s, 1H), 7.97 (d, J 9.7, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.38-7.31 (m, 3H), 7.24 (d, J 7.6, 1H), 4.25 (d, J 11.3, 1H), 3.95 (d, J 13.3, 1H), 3.78 (s, 2H), 3.15-3.00 (m, 2H), 2.00-1.90 (m, 1H), 1.75-1.60 (m, 2H), 1.55-1.40 (m, 1H).MS(m/z):425.0[M+H]
【0261】
中間体28:N−(6−(3−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド:中間体27(1.4g、3.3ミリモル)、チオセミカルバジド(900mg、9.9ミリモル)およびPOCl(14ml)を混合し、90℃まで3時間加熱した。反応完了後、反応物を室温まで冷却し、クラッシュアイス中でクエンチした。結果として得られた混合物を飽和NaOH水溶液で塩基性化してpH10にした。水層をDCMおよびMeOH(9:1)混合物で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、rotavapourで蒸発させて、粗物質を得た。粗物質を、MeOHおよびDCM(6:94)を溶離液として使用してcombi-flashによって精製して、表題化合物を白色固体(180mg)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10-94 (s, 1H), 7.98 (d, J 9.5, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.41-7.32 (m, 3H), 7.24 (d, J 7.7, 1H), 7.04 (s, 2H), 4.38 (d, J 12.2, 1H), 4.02 (d, J 12.4, 1H), 3.78 (s, 2H), 3.23-3.05 (m, 3H), 2.11-2.03 (m, 1H), 1.80-1.70 (m, 2H), 1.65-1.53 (m, 1H).MS(m/z):480.4[M+H]
【0262】
中間体29:1−(6−(2−(2−クロロフェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル:中間体21(1.35g、5.4ミリモル)、2−クロロフェニル酢酸(1.11g、6.5ミリモル)、HATU(4.5g、11.85ミリモル)、DIPEA(2.8ml、16.2ミリモル)をDMF(4ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、12時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。DCM層を無水NaSO上で乾燥し、DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、60〜120メッシュシリカゲル上、MeOHおよびDCM(1:99)を溶離液として使用してカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を褐色ガム状固体(510mg)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.91 (s, 1H), 7.97 (d, J 9.7, 1H), 7.45-7.38 (m, 2H), 7.36-7.25 (m, 3H), 4.20-4.13 (m, 2H), 4.06 (q, J 7.1, 2H), 3.90 (s, 2H), 2.99 (t, J 11.1, 2H), 2.64-2.56 (m, 1H), 1.93-1.85 (m, 2H), 1.62-1.51 (m, 2H), 1.17 (t, J 7.1, 3H).
【0263】
中間体30:1−(6−(2−(2−クロロフェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸:中間体29(510mg、1.26ミリモル)をMeOHおよび水中に溶解させた。この混合物にNaOH(302mg、7.6ミリモル)を添加した。この混合物を室温で6時間撹拌した。反応物を希HClでpH約5に酸性化して、固体を得た。固体を濾過し、乾燥して、表題化合物を黄色固体(350mg)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.22 (s, 1H), 10.90 (s, 1H), 7.96 (d, J 9.5, 1H), 7.45-7.38 (m, 2H), 7.36-7.25 (m, 3H), 4.14 (d, J 13.2, 2H), 3.90 (s, 2H), 2.98 (t, J 11.4, 2H), 2.55-2.50 (m, 1H), 1.87 (d, J 11.2, 2H), 1.61-1.50 (m, 2H).
【0264】
中間体31:N−(6−(4−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(2−クロロフェニル)アセトアミド:中間体30(350mg、0.93ミリモル)、チオセミカルバジド(255mg、2.3ミリモル)およびPOCl(3.5ml)を混合し、90℃まで3時間加熱した。反応完了後、反応物を室温まで冷却し、クラッシュアイス(150g)中でクエンチした。結果として得られた混合物を飽和NaOH水溶液で塩基性化してpH10にした。水層をDCMおよびMeOH(9:1)混合物で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、rotavapourで蒸発させて、粗物質を得た。粗物質を、MeOHおよびDCM(6:94)を溶離液として使用してcombi-flashにより精製して、表題化合物を褐色固体(40mg)として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.91 (s, 1H), 7.98 (d, J 9.4, 1H), 7.46-7.35 (m, 3H), 7.31-7.25 (m, 2H), 7.01 (s, 2H), 4.28 (d, J 12.9, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.20-3.11 (m, 1H), 3.10 (t, J 11.4, 2H), 2.02 (d, J 11.6, 2H), 1.70-1.59 (m, 2H).
【0265】
中間体32:1−(6−アミノピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル:3−アミノ−6−クロロピリダジン(3g、23.2ミリモル)および4−シアノピペリジン(3.8g、34.7ミリモル)を混合し、180℃まで4時間加熱した。4時間後、反応物を室温まで冷却し、硬質反応物をMeOHおよびDCM(1:9)混合物中に溶解させた。MeOHおよびDCMをrotavapourで除去して粗物質を得た。粗物質を60〜120メッシュシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(4.6g)を暗赤色固体として得た。
【0266】
中間体33:N−(6−(4−シアノピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(2−フルオロフェニル)アセトアミド:中間体32(365mg、1.8ミリモル)、2−フルオロフェニル酢酸(388mg、2.5ミリモル)、HATU(1.5g、3.95ミリモル)、DIPEA(0.9ml、5.4ミリモル)をDMF(3ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、1時間撹拌した。反応物を水で希釈して、固体を得た。固体を高真空で乾燥して、表題化合物(80mg)を褐色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.93 (s, 1H), 7.99 (d, J 9.8, 1H), 7.40-7.25 (m, 3H), 7.19-7.11 (m, 2H), 3.85-3.75 (m, 4H), 3.41-3.35 (m, 2H), 3.16-3.05 (m, 1H), 1.98-1.90 (m, 2H), 1.80-1.70 (m, 2H).
【0267】
中間体34:N−(6−(4−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(2−フルオロフェニル)アセトアミド:中間体33(80mg、0.24ミリモル)、チオセミカルバジド(43mg、0.47ミリモル)およびトリフルオロ酢酸(1ml)を混合し、90℃まで3時間加熱した。反応完了後、反応物を室温まで冷却し、NaOH飽和水溶液でpH14に塩基性化して、固体を得た。固体をろ過し、高真空で乾燥して、表題化合物(60mg)を淡褐色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.91 (s, 1H), 7.98 (d, J 10, 1H), 7.40-7.26 (m, 3H), 7.19-7.12 (m, 2H), 7.01 (s, 2H), 4.28 (d, J 12.6, 2H), 3.80 (s, 2H), 3.20-3.10 (m, 1H), 3.01 (t, J 12.2, 2H), 2.03 (d, J 11.6, 2H), 1.70-1.58 (m, 2H).
【0268】
中間体35:N−(6−(4−シアノピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド:中間体32(500mg、2.5ミリモル)、2−ピリジン酢酸塩酸塩(500mg、2.95ミリモル)、HATU(2.05g、5.41ミリモル)、DIPEA(1.27ml、7.38ミリモル)をDMF(3ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、1時間撹拌した。反応物を水で希釈して、固体を得た。固体を高真空で乾燥して、表題化合物(370mg)を褐色固体として得た。MS(m/z):322.26[M+H]
【0269】
中間体36:N−(6−(4−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド:中間体35(360mg、1.1ミリモル)、チオセミカルバジド(203mg、2.22ミリモル)およびトリフルオロ酢酸(4ml)を混合し、90℃まで3時間加熱した。反応完了後、反応物を室温まで冷却し、NaOH飽和水溶液でpH14に塩基性化して、固体を得た。固体をろ過し、高真空で乾燥して、表題化合物(180mg)を淡褐色固体として得た。
【0270】
中間体37:N−(6−(4−シアノピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(ピリジン−3−イル)アセトアミド:中間体32(500mg、2.5ミリモル)、3−ピリジン酢酸塩酸塩(500mg、2.95ミリモル)、HATU(2.05g、5.41ミリモル)、DIPEA(1.27ml、7.38ミリモル)をDMF(3ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、1時間撹拌した。反応物を水で希釈して、固体を得た。固体を、MeOHおよびDCM(5:95)を溶離液として使用してcombi-flashによって精製して、表題化合物(180mg)を褐色固体として得た。MS(m/z):322.8[M+H]
【0271】
中間体38:N−(6−(4−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(ピリジン−3−イル)アセトアミド:中間体37(180mg、0.55ミリモル)、チオセミカルバジド(101mg、1.1ミリモル)およびトリフルオロ酢酸(3ml)を混合し、90℃まで3時間加熱した。反応完了後、反応物を室温まで冷却し、NaOH飽和水溶液でpH14に塩基性化して、固体を得た。固体をろ過し、高真空で乾燥して、表題化合物(60mg)を淡褐色固体として得た。
【0272】
中間体39:2−(1−(6−アミノピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)アセトニトリル:3−アミノ−6−クロロピリダジン(350mg、2.70ミリモル)および2−(ピペリジン−4−イル)アセトニトリル(670mg、5.4ミリモル)を混合し、180℃まで4時間加熱した。4時間後、反応物を室温まで冷却し、硬質反応物をMeOHおよびDCM(1:9)混合物中に溶解させた。MeOHおよびDCMをrotavapourで除去して粗物質を得た。粗物質を60〜120メッシュシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(300mg)を褐色ガム状固体として得た。
【0273】
中間体40:N−(6−(4−(シアノメチル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド:中間体39(300mg、1.38ミリモル)、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸(360mg、1.63ミリモル)、HATU(1.2g、3.16ミリモル)、DIPEA(0.73ml、4.2ミリモル)をDMF(3ml)中に溶かした。この混合物を室温にて不活性雰囲気下、1時間撹拌した。反応物を水で希釈して、固体を得た。MeOHおよびDCM(2:98)を溶離液として使用してカラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(50mg)を褐色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 10.91 (s, 1H), 7.96 (d, J 9.7, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.38-7.30 (m, 3H), 7.23 (d, J 8.1, 1H), 4.27 (d, J 13.2, 2H), 2.86 (t, J 11.7, 2H), 2.55-2.50 (m, 2H), 1.95-1.85 (m, 1H), 1.77 (d, J 12.9, 2H), 1.73-1.58 (m, 2H).
【0274】
中間体41:N−(6−(4−((5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド:中間体40(50mg、0.12ミリモル)、チオセミカルバジド(22mg、0.24ミリモル)およびトリフルオロ酢酸(2ml)を混合し、90℃まで12時間加熱した。反応完了後、反応物を室温まで冷却し、NaOH飽和水溶液でpH14に塩基性化して、固体を得た。固体をろ過し、高真空で乾燥して、表題化合物(34mg)を褐色固体として得た。MS(m/z):494.1[M+H]
【0275】
実施例1
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体5(100mg、0.21ミリモル)、2−ピリジル酢酸塩酸塩(44mg、0.25ミリモル)、HATU(96mg、0.25ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.1ml、0.62ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で30分間撹拌した。反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。EtOAcをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、メタノールおよびDCM(3:97)を溶離液として使用して60〜120メッシュシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(15mg)を褐色固体として得た。融点:195〜197℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.64 (s, 1H), 10.44 (s, 1H), 8.47 (d, J 4.2, 1H), 8.03 (d, J 2.7, 1H), 7.87 (d, J 9, 1H), 7.75 (t, J 7.7, 1H), 7.48-7.32 (m, 5H), 7.30-7.20 (m, 2H), 4.00 (s, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.72-3.65 (m, 2H), 3.30-3.20 (m, 1H), 2.84 (t, J 11.7, 2H), 2.11 (d, J 11.5, 2H), 1.90-1.78 (m, 2H).
【0276】
実施例2
(RS)−2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体10(500mg、1.04ミリモル)、2−ピリジル酢酸塩酸塩(220mg、1.27ミリモル)、HATU(480mg、1.27ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.5ml、3.09ミリモル)をDMF(3ml)中に溶解させた。この混合物を室温で30分間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、メタノールおよびDCM(4:96)を溶離液として使用するcombi-flashによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(10mg)を褐色固体として得た。融点:187〜190℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.63 (s, 1H), 10.46 (s, 1H), 8.48 (d, J 4, 1H), 8.04 (d, J 2.6, 1H), 7.88 (d, J 9, 1H), 7.75 (d, J 7.6, 1H), 7.46-7.30 (m, 5H), 7.29-7.20 (m, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.79-3.69 (m, 3H), 3.48-3.40 (m, 1H), 3.15-3.08 (m, 1H), 3.00-2.90 (m, 1H), 2.30-2.20 (m, 1H), 2.15-2.05 (m, 1H), 1.82-1.70 (m, 3H).
【0277】
実施例2A
(R)または(S)2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
エナンチオマー的に純粋な異性体を分取SFC条件によって2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド(実施例2)(0.300g)からCHIRALPAK IC 4.6*250、5um(Daicel)で、n−ヘキサン(0.1%DEA)/エタノール(0.1%DEA)=40/60を移動相として1.0ml/分の流量で使用して分離して、表題化合物(55mg)を褐色固体e.e.100%として得た。Rt:12.34分。融点:122〜124℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.63 (s, 1H), 10.46 (s, 1H), 8.48 (d, J 4, 1H), 8.04 (d, J 2.6, 1H), 7.88 (d, J 9, 1H), 7.75 (d, J 7.6, 1H), 7.46-7.30 (m, 5H), 7.29-7.20 (m, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.79-3.69 (m, 3H), 3.48-3.40 (m, 1H), 3.15-3.08 (m, 1H), 3.00-2.90 (m, 1H), 2.30-2.20 (m, 1H), 2.15-2.05 (m, 1H), 1.82-1.70 (m, 3H).
【0278】
実施例2B
(S)または(R)2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
エナンチオマー的に純粋な異性体を分取SFC条件によって2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド(実施例2)(0.300g)からCHIRALPAK IC 4.6*250、5um(Daicel)で、n−ヘキサン(0.1%DEA)/エタノール(0.1%DEA)=40/60を移動相として1.0ml/分の流量で使用して分離して、表題化合物(45mg)を褐色固体e.e.100%として得た。Rt:14.47分。融点:129〜131℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.63 (s, 1H), 10.46 (s, 1H), 8.48 (d, J 4, 1H), 8.04 (d, J 2.6, 1H), 7.88 (d, J 9, 1H), 7.75 (d, J 7.6, 1H), 7.46-7.30 (m, 5H), 7.29-7.20 (m, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.79-3.69 (m, 3H), 3.48-3.40 (m, 1H), 3.15-3.08 (m, 1H), 3.00-2.90 (m, 1H), 2.30-2.20 (m, 1H), 2.15-2.05 (m, 1H), 1.82-1.70 (m, 3H).
【0279】
実施例3
(RS)−2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体10(500mg、1.04ミリモル)、3−ピリジル酢酸塩酸塩(220mg、1.26ミリモル)、HATU(480mg、1.25ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.5ml、3.1ミリモル)をDMF(3ml)中に溶解させた。この混合物を室温で30分間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、メタノールおよびDCM(5:95)を溶離液として使用してcombi-flashによって精製して、表題化合物(6mg)を淡黄色固体として得た。融点:145〜147℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.69 (s, 1H), 10.47 (s, 1H), 8.55-8.51 (m, 2H), 8.03 (s, 1H), 7.90-7.80 (m, 2H), 7.49-7.40 (m, 3H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.22 (d, J 8, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.75-3.70 (m, 3H), 3.20-3.10 (m, 2H), 3.05-2.92 (m, 2H), 2.13-2.04 (m, 1H), 1.80-1.60 (m, 3H).
【0280】
実施例3A
(R)または(S)2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
エナンチオマー的に純粋な異性体を分取SFC条件によって2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド(実施例3)(460mg)からCHIRALPAK IC4.6*250、5um(Daicel)で、n−ヘキサン(0.1%DEA)/エタノール(0.1%DEA)=50/50を移動相として1.0ml/分の流量で使用して分離して表題化合物(100mg)を褐色固体e.e.100%として得た。Rt:12.11分。融点:170〜172℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.69 (s, 1H), 10.47 (s, 1H), 8.55-8.51 (m, 2H), 8.03 (s, 1H), 7.90-7.80 (m, 2H), 7.49-7.40 (m, 3H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.22 (d, J 8, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.75-3.70 (m, 3H), 3.20-3.10 (m, 2H), 3.05-2.92 (m, 2H), 2.13-2.04 (m, 1H), 1.80-1.60 (m, 3H).
【0281】
実施例3B
(S)または(R)2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
エナンチオマー的に純粋な異性体を、分取SFC条件によって2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド(実施例3)(460mg)からCHIRALPAK IC4.6*250、5um(Daicel)で、n−ヘキサン(0.1%DEA)/エタノール(0.1%DEA)=50/50を移動相として1.0ml/分の流量で使用して分離して、表題化合物(100mg)を褐色固体e.e.100%として得た。Rt:14.12分。融点:141〜143℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.69 (s, 1H), 10.47 (s, 1H), 8.55-8.51 (m, 2H), 8.03 (s, 1H), 7.90-7.80 (m, 2H), 7.49-7.40 (m, 3H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.22 (d, J 8, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.75-3.70 (m, 3H), 3.20-3.10 (m, 2H), 3.05-2.92 (m, 2H), 2.13-2.04 (m, 1H), 1.80-1.60 (m, 3H).
【0282】
実施例4
2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体5(70mg、0.15ミリモル)、3−ピリジル酢酸塩酸塩(31mg、0.18ミリモル)、HATU(67mg、0.18ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.1ml、0.45ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、メタノールおよびDCM(5:95)を溶離液として使用して60〜120メッシュシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(15mg)を淡褐色固体として得た。融点:208〜210℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.70 (s, 1H), 10.47 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.54 (d, J 4.8, 1H), 8.03 (d, J 2.7, 1H), 7.91-7.85 (m, 2H), 7.51-7.39 (m, 3H), 7.38-7.32 (m, 2H), 7.22 (d, J 7.6, 1H), 3.92 (s, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.72-3.65 (m, 2H), 3.31-3.20 (m, 1H), 2.85 (t, J 10.8, 2H), 2.10 (d, J 11.9, 2H), 1.90-1.76 (m, 2H).
【0283】
実施例5
2−(3−シアノフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体5(100mg、0.15ミリモル)、3−シアノフェニル酢酸(58mg、0.36ミリモル)、HATU(96mg、0.25ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.11ml、0.63ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、メタノールおよびDCM(5:95)を溶離液として使用してcombi-flashによって精製して、表題化合物(50mg)を淡黄色固体として得た。融点:211〜213℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.71 (s, 1H), 10.5 (s, 1H), 8.03 (d, J 2.4, 1H), 7.88 (d, J 9, 1H), 7.79-7.73 (m, 2H), 7.65 (d, J 7.9, 1H), 7.57-7.51 (m, 1H), 7.48-7.37 (m, 2H), 7.36-7.31 (m, 2H), 7.23 (d, J 7.9, 1H), 3.90 (s, 2H), 3.75-3.65 (m, 4H), 3.30-3.20 (m, 1H), 2.83 (t, J 11.6, 2H), 2.10 (d, J 12.6, 2H), 1.88-1.78 (m, 2H).
【0284】
実施例6
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(4−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド:
中間体15(100mg、0.25ミリモル)、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸(66mg、0.3ミリモル)、HATU(114mg、0.3ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1.5ml)中に溶解させた。この混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、メタノールおよびDCM(8:92)を溶離液として使用してcombi-flashによって精製して、表題化合物(60mg)を淡黄色固体として得た。融点:188〜191℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.65 (s, 1H), 10.40 (s, 1H), 8.49 (d, J 4.8, 1H), 8.03 (d, J 2.8, 1H), 7.89 (d, J 9, 1H), 7.73 (dt, J 1.8, 7.7, 1H), 7.49-7.43 (m, 1H), 7.42-7.31 (m, 4H), 7.28-7.22 (m, 2H), 3.88 (s, 2H), 3.87 (s, 2H), 3.70 (d, J 12.6, 2H), 3.25-3.20 (m, 1H), 2.84 (t, J 11.6, 2H), 2.11 (d, J 11.5, 2H), 1.90-1.77 (m, 2H).
【0285】
実施例7
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(3−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリジン−2−イル)アセトアミド:
中間体20(100mg、0.25ミリモル)、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸(66mg、0.3ミリモル)、HATU(114mg、0.3ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1.5ml)中に溶解させた。この混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、メタノールおよびDCM(5:95)を溶離液として使用してcombi-flashによって精製して、表題化合物(40mg)を淡黄色固体として得た。融点:151〜153℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.69 (s, 1H), 10.47 (s, 1H), 8.48 (d, J 4.0, 1H), 8.04 (d, J 2.8, 1H), 7.90 (d, J 9, 1H), 7.73 (dt, J 1.7, 7.7, 1H), 7.49-7.40 (m, 2H), 7.39-7.32 (m, 3H), 7.28-7.23 (m, 2H), 3.87 (s, 4H), 3.70 (d, J 12.4, 1H), 3.49-3.39 (m, 2H), 3.14-3.06 (m, 1H), 2.99-2.90 (m, 1H), 2.10-2.04 (m, 1H), 1.80-1.65 (m, 3H).MS(m/z):597.8[M+H]
【0286】
実施例8
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体24(100mg、0.2ミリモル)、2−ピリジイル酢酸塩酸塩(44mg、0.25ミリモル)、HATU(170mg、0.44ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.1ml、0.57ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。DCMをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、DCMおよびMeOH(95:5)を溶離液として使用してCombi-flashで精製して、表題化合物(60mg)を黄色固体として得た。融点:202〜205℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.68 (bs, 1H), 10.93 (s, 1H), 8.48 (d, J 4.2, 1H), 7.99 (d, J 9.8, 1H), 7.75 (dt, J 1.7, 7.7, 1H), 7.47-7.43 (m, 1H), 7.39-7.32 (m, 4H), 7.29-7.21 (m, 2H), 4.30 (d, J 13.2, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.40-3.30 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.7, 2H), 2.09 (d, J 10.6, 2H), 1.80-1.65 (m, 2H).MS(m/z):599.6[M+H]
【0287】
実施例9
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体28(80mg、0.17ミリモル)、2−ピリジイル酢酸塩酸塩(34mg、0.2ミリモル)、HATU(138mg、0.37ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.08ml、0.5ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCM:MeOH(9:1)で抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。DCMおよびMeOHをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、DCMおよびMeOH(95:5)を溶離液として使用してCombi-flashで精製して、表題化合物(20mg)を淡黄色固体として得た。融点:202〜205℃。融点:243〜246℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.71 (s, 1H), 10.95 (s, 1H), 8.47 (d, J 4.4, 1H), 7.99 (d, J 9.5, 1H), 7.75 (t, J 7.4, 1H), 7.48-7.32 (m, 5H), 7.30-7.21 (m, 2H), 4.42 (d, J 10, 1H), 4.05-3.97 (m, 3H), 3.78 (s, 2H), 3.45-3.35 (m, 2H), 3.15 (t, J 11.1, 1H), 2.19-2.10 (m, 1H), 1.90-1.74 (m, 2H), 1.67-1.58 (m, 1H).MS(m/z):599.5[M+H]
【0288】
実施例10
2−(ピリジン−3−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体24(80mg、0.17ミリモル)、3−ピリジイル酢酸塩酸塩(35mg、0.2ミリモル)、HATU(140mg、0.37ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.08ml、0.5ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水で希釈して、固体を得た。固体を濾過し、DCMおよびMeOH(94:6)を溶離液として使用してCombi-flashで精製して、表題化合物(25mg)を淡黄色固体として得た。融点:222〜223℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.72 (s, 1H), 10.93 (s, 1H), 8.50 (bs, 1H), 8.46 (bs, 1H), 7.99 (d, J 9.7, 1H), 7.72 (d, J 7.8, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.39-7.32 (m, 4H), 7.24 (d, J 8.1, 1H), 4.30 (d, J 13.3, 2H), 3.85 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.40-3.35 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.7, 2H), 2.09 (d, J 11.2, 2H), 1.80-1.67 (m, 2H).
【0289】
実施例11
2−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体24(80mg、0.17ミリモル)、2−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)酢酸(46mg、0.2ミリモル)、HATU(140mg、0.37ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.08ml、0.5ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水で希釈した。水層をDCMおよびMeOH(9:1)混合物で抽出した。有機層を水およびNaHCO水溶液で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、有機層をrotavapourで蒸留して、粗物質を得た。粗物質を、DCMおよびMeOH(95:5)を溶離液として使用してCombi-flashで精製して、表題化合物(20mg)を淡褐色固体として得た。融点:228〜231℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.69 (s, 1H), 10.93 (s, 1H), 9.72 (s, 1H), 7.99 (d, J 9.8, 1H), 7.49-7.42 (m, 1H), 7.39-7.32 (m, 3H), 7.30-7.22 (m, 2H), 7.16 (s, 1H), 7.10 (d, J 7.9, 1H), 7.04 (d, J 7.5, 1H), 4.30 (d, J 13, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.76 (s, 2H), 3.40-3.30 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.6, 2H), 2.97 (s, 3H), 2.13-2.05 (m, 2H), 1.80-1.65 (m, 2H).
【0290】
実施例12
2−(2−クロロフェニル)−N−(6−(4−(5−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド
中間体31(38mg、0.09ミリモル)、2−ピリジイル酢酸塩酸塩(18mg、0.1ミリモル)、HATU(73mg、0.19ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.05ml、0.26ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCM:MeOH(9:1)で抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。DCMおよびMeOHをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、DCMおよびMeOH(95:5)を溶離液として使用してCombi-flashで精製して、表題化合物(8mg)を淡褐色固体として得た。融点:225〜227℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.68 (s, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.48 (d, J 4.1, 1H), 7.98 (d, J 9.8, 1H), 7.75 (dt, J 1.8, 7.7, 1H), 7.44-7.36 (m, 4H), 7.33-7.25 (m, 3H), 4.31 (d, J 13, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.40-3.35 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.8, 2H), 2.10 (d, J 11.8, 2H), 1.81-1.69 (m, 2H).
【0291】
実施例13
2−(2−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体28(100mg、0.2ミリモル)、2−クロロフェニル酢酸(42mg、0.25ミリモル)、HATU(173mg、0.46ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.1ml、0.6ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCM:MeOH(9:1)で抽出した。有機層を水で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥した。DCMおよびMeOHをrotavapourで除去して、粗物質を得た。粗物質を、DCMおよびMeOH(97:3)を溶離液として使用してCombi-flashで精製して、表題化合物(40mg)を淡褐色固体として得た。融点:202〜205℃。融点:127〜130℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.75 (s, 1H), 10.94 (s, 1H), 7.98 (d, J 9.7, 1H), 7.48-7.29 (m, 8H), 7.24 (d, J 7.5, 1H), 4.41 (d, J 10.1, 1H), 4.05-3.95 (m, 3H), 3.78 (s, 2H), 3.40-3.35 (m, 2H), 3.20-3.10 (m, 1H), 2.19-2.10 (m, 1H), 1.88-1.71 (m, 2H), 1.68-1.57 (m, 1H).
【0292】
実施例14
2−(2−フルオロフェニル)−N−(6−(4−(5−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド:
中間体34(60mg、0.15ミリモル)、2−ピリジル酢酸塩酸塩(30mg、0.17ミリモル)、HATU(121mg、0.32ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.08ml、0.5ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水で希釈した。水層をDCMおよびMeOH(9:1)混合物で抽出した。有機層を水およびNaHCO水溶液で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、有機層をrotavapourで蒸留して、粗物質を得た。粗物質を、DCMおよびMeOH(96:4)を溶離液として使用してCombi-flashで精製して、表題化合物(13mg)を褐色固体として得た。融点:229〜231℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.69 (s, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.48 (d, J , 1H), 7.98 (d, J 9.9, 1H), 7.75 (dt, J 1.8, 7.7, 1H), 7.40-7.25 (m, 5H), 7.19-7.11 (m, 2H), 4.31 (d, J 13.3, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.80 (s, 2H), 3.41-3.35 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.4, 2H), 2.10 (d, J 11, 2H), 1.80-1.69 (m, 2H).
【0293】
実施例15
2−(ピラジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体24(80mg、0.17ミリモル)、2−(ピラジン−2−イル)酢酸(27mg、0.2ミリモル)、HATU(140mg、0.37ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.08ml、0.5ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水で希釈した。水層をDCMおよびMeOH(9:1)混合物で抽出した。有機層を水およびNaHCO水溶液で洗浄した。有機層を無水NaSO上で乾燥し、有機層をrotavapourで蒸留して、粗物質を得た。粗物質を、DCMおよびMeOH(94:6)を溶離液として使用してCombi-flashで精製して、表題化合物(10mg)を淡黄色固体として得た。融点:216〜218℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.76 (s, 1H), 10.94 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.58-8.53 (m, 2H), 7.99 (d, J 9.6, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.39-7.32 (m, 3H), 7.24 (d, J 8.3, 1H), 4.30 (d, J 12.8, 2H), 4.08 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.40-3.35 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.9, 2H), 2.10 (d, J 13.4, 2H), 1.80-1.65 (m, 2H).
【0294】
実施例16
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド二塩酸塩:
実施例8(50mg、0.08ミリモル)をTHF(15ml)中に溶解させ、EtO.HCl(5ml)を添加した。この混合物を窒素雰囲気下で30分間撹拌した。30分後、THFおよびジエチルエーテルをrotavapourで除去して、残渣を得た。残渣をジエチルエーテルで摩砕して、表題化合物(40mg)を褐色固体として得た。融点:240〜243℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.95 (bs, 1H), 11.45 (s, 1H), 8.76 (d, J 5, 1H), 8.30 (t, J 6.6, 1H), 8.24 (d, J 10.1, 1H), 7.94 (d, J 10, 1H), 7.83 (d, J 7.7, 1H), 7.76 (t, J 6.4, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.38-7.34 (m, 2H), 7.25 (d, J 8, 1H), 4.35-4.27 (m, 4H), 3.84 (s, 2H), 3.51-3.44 (m, 1H), 3.39-3.29 (m, 2H), 2.20-2.10 (m, 2H), 1.91-1.79 (m, 2H).
【0295】
実施例17
2−(ピリジン−2−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド:
中間体36(150mg、0.38ミリモル)、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸(100mg、0.45ミリモル)、HATU(316mg、0.37ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.2ml、1.134ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た固体を濾過し、MeOHおよびDCM(8:92)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(30mg)を淡褐色固体として得た。融点:220〜222℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.70 (s, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.01 (d, J 8.7, 1H), 7.80-7.70 (m, 1H), 7.50-7.20 (m, 7H), 4.30 (d, J 12.2, 2H), 3.92 (s, 2H), 3.87 (s, 2H), 3.50-3.40 (m, 1H), 3.05 (t, J 12.2, 2H), 2.10 (d, J 11.1, 2H), 1.80-1.65 (m, 2H).
【0296】
実施例18
2−(ピリジン−3−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド:
中間体38(75mg、0.19ミリモル)、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸(50mg、0.22ミリモル)、HATU(158mg、0.42ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.1ml、0.5ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た固体を濾過し、MeOHおよびDCM(7:93)を溶離液として使用して60〜120メッシュシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(15mg)を淡褐色固体として得た。融点:125〜127℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.70 (s, 1H), 10.97 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 7.99 (d, J 9.5, 1H), 7.73 (d, J 6.9, 1H), 7.50-7.42 (m, 1H), 7.40-7.30 (m, 4H), 7.26 (d, J 7.4, 1H), 4.30 (d, J 12.2, 2H), 3.87 (s, 2H), 3.76 (s, 2H), 3.40-3.35 (m, 1H), 3.04 (t, J 12, 2H), 2.09 (d, J 12, 2H), 1.80-1.68 (m, 2H).
【0297】
実施例19
2−(ピリジン−3−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(2,3,6−トリフルオロフェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド:
中間体38(75mg、0.19ミリモル)、2,3,6−トリフルオロフェニル酢酸(120mg、0.30ミリモル)、HATU(255mg、0.67ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.15ml、0.92ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た固体を濾過し、高真空で乾燥した。この固体をEtOで摩砕して、表題化合物(70mg)を褐色固体として得た。融点:252〜254℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.84 (s, 1H), 10.96 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 7.98 (d, J 8.1, 1H), 7.76-7.70 (m, 1H), 7.51-7.29 (m, 3H), 7.20-7.10 (m, 1H), 4.30 (d, J 10.6, 2H), 3.96 (s, 2H), 3.76 (s, 2H), 3.41-3.35 (m, 1H), 3.10-3.00 (m, 2H), 2.10 (d, J 10, 2H), 1.81-1.69 (m, 2H).
【0298】
実施例20
2−(ピリジン−2−イル)−N−(6−(4−(5−(2−(2,3,6−トリフルオロフェニル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、2,3,6−トリフルオロフェニル酢酸(58mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(40mg)を褐色固体として得た。融点:214〜218℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.84 (s, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.49 (d, J 3.7, 1H), 8.01 (d, J 9.8, 1H), 7.74 (dt, J 1.6, 7.7, 1H), 7.50-7.43 (m, 1H), 7.40-7.35 (m, 2H), 7.28-7.23 (m, 1H), 7.20-7.13 (m, 1H), 4.31 (d, J 13.3, 2H), 3.97 (s, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.40-3.30 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.8, 2H), 2.10 (d, J 11.2, 2H), 1.80-1.70 (m, 2H).
【0299】
実施例21
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、2,3−ジフルオロフェニル酢酸(52mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(18mg)を褐色固体として得た。融点:203〜206℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.76 (s, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.49 (d, J 3.7, 1H), 8.01 (d, J 10.1, 1H), 7.75 (t, J 6.4, 1H), 7.40-7.33 (m, 3H), 7.27-7.23 (m, 1H), 7.20-7.15 (m, 2H), 4.30 (d, J 13.2, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.40-3.35 (m, 1H), 3.05 (t, J 12.4, 2H), 2.10 (d, J 11.4, 2H), 1.80-1.70 (m, 2H).
【0300】
実施例22
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、3,4−ジフルオロフェニル酢酸(52mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(37mg)を淡褐色固体として得た。融点:211〜214℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.67 (s, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.49 (d, J 4, 1H), 8.01 (d, J 9.8, 1H), 7.74 (dt, J 1.7, 7.7, 1H), 7.41-7.33 (m, 4H), 7.29-7.23 (m, 1H), 7.16-7.10 (m, 1H), 4.30 (d, J 13.1, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.81 (s, 2H), 3.40-3.35 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.4, 2H), 2.09 (d, J 11.2, 2H), 1.80-1.58 (m, 2H).
【0301】
実施例23
2−(2−フルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、2−フルオロフェニル酢酸(47mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(40mg)を淡褐色固体として得た。融点:220〜223℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.71 (bs, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.49 (d, J 4.1, 1H), 8.01 (d, J 9.5, 1H), 7.74 (t, J 7.8, 1H), 7.41-7.30 (m, 4H), 7.29-7.23 (m, 1H), 7.20-7.13 (m, 2H), 4.30 (d, J 13, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.87 (s, 2H), 3.41-3.35 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.6, 2H), 2.10 (d, J 11.1, 2H), 1.81-1.67 (m, 2H).
【0302】
実施例24
2−(3−フルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、3−フルオロフェニル酢酸(47mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た固体を濾過し、MeOHおよびDCM(7:93)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(40mg)を褐色固体として得た。融点:210〜213℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.69 (bs, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.49 (d, J 4, 1H), 8.01 (d, J 9.8, 1H), 7.74 (dt, J 1.7, 7.4, 1H), 7.40-7.33 (m, 3H), 7.27-7.23 (m, 1H), 7.18-7.05 (m, 3H), 4.30 (d, J 13.1, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.40-3.35 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.8, 2H), 2.09 (d, J 11.4, 2H), 1.80-1.67 (m, 2H).
【0303】
実施例25
2−(4−フルオロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、4−フルオロフェニル酢酸(47mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(25mg)を褐色固体として得た。融点:194〜197℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.67 (s, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.49 (d, J 4.6, 1H), 8.01 (d, J 9.8, 1H), 7.74 (dt, J 1.7, 7.7, 1H), 7.40-7.31 (m, 4H), 7.28-7.22 (m, 1H), 7.17-7.11 (m, 2H), 4.30 (d, J 13.1, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.40-3.35 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.8, 2H), 2.09 (d, J 11.6, 2H), 1.80-1.65 (m, 2H).
【0304】
実施例26
2−(2−メトキシフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、2−メトキシフェニル酢酸(50mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(37mg)を黄色固体として得た。融点:160〜163℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.55 (s, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.49 (d, J 4.1, 1H), 8.01 (d, J 9.8, 1H), 7.75 (dt, J 1.8, 7.7, 1H), 7.40-7.36 (m, 2H), 7.29-7.23 (m, 2H), 7.21-7.18 (m, 1H), 6.96 (d, J 8.2, 1H), 6.91-6.86 (m, 1H), 4.31 (d, J 13.2, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.76 (s, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.40-3.33 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.6, 2H), 2.10 (d, J 11.2, 2H), 1.80-1.69 (m, 2H).
【0305】
実施例27
2−(2−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、2−クロロフェニル酢酸(52mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(35mg)を褐色固体として得た。融点:194〜196℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.73 (s, 1H), 10.91 (s, 1H), 8.49 (d, J 3.9, 1H), 8.01 (d, J 8.6, 1H), 7.77-7.71 (m, 1H), 7.47-7.35 (m, 4H), 7.34-7.28 (m, 2H), 7.27-7.22 (m, 1H), 4.30 (d, J 13.1, 2H), 3.98 (s, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.41-3.36 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.8, 2H), 2.10 (d, J 11.5, 2H), 1.80-1.66 (m, 2H).
【0306】
実施例28
2−(5−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、5−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル酢酸(72mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(17mg)を黄色固体として得た。融点:232〜234℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.74 (s, 1H), 10.91 (s, 1H), 8.49 (d, J 4.5, 1H), 8.01 (d, J 9.6, 1H), 7.77-7.72 (m, 2H), 7.67 (s, 1H), 7.60 (d, J 8.8, 1H), 7.41-7.34 (m, 2H), 7.27-7.23 (m, 1H), 4.30 (d, J 13, 2H), 4.09 (s, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.41-3.30 (m, 1H), 3.05 (t, J 12, 2H), 2.10 (d, J 11.2, 2H), 1.80-1.67 (m, 2H).
【0307】
実施例29
2−(4−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、4−クロロフェニル酢酸(52mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(40mg)を淡黄色固体として得た。融点:220〜222℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.68 (s, 1H), 10.91 (s, 1H), 8.49 (d, J 3.5, 1H), 8.01 (d, J 9.7, 1H), 7.75 (dt, J 1.5, 7.7, 1H), 7.41-7.32 (m, 6H), 7.28-7.23 (m, 1H), 4.30 (d, J 13.3, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.79 (s, 2H), 3.41-3.35 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.8, 2H), 2.09 (d, J 12.7, 2H), 1.80-1.65 (m, 2H).
【0308】
実施例30
2−(キノリン−6−イル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体24(100mg、0.25ミリモル)、キノリン−6−酢酸(47mg、0.25ミリモル)、HATU(173mg、0.46ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.11ml、0.62ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(35mg)を白色固体として得た。融点:219〜221℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.77 (s, 1H), 10.92 (s, 1H), 8.87-8.85 (m, 1H), 8.33 (d, J 8.6, 1H), 8.01-7.95 (m, 2H), 7.88 (s, 1H), 7.70 (dd, J 1.7, 8.7, 1H), 7.54-7.49 (m, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.37-7.32 (m, 3H), 7.23 (d, J 8, 1H), 4.29 (d, J 13, 2H), 4.02 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.40-3.32 (m, 1H), 3.04 (t, J 11.7, 2H), 2.09 (d, J 12.2, 2H), 1.80-1.67 (m, 2H).
【0309】
実施例31
2−o−トリル−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体24(100mg、0.25ミリモル)、O−トリル酢酸(37mg、0.25ミリモル)、HATU(173mg、0.46ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.11ml、0.62ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(5:95)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(40mg)を白色固体として得た。融点:198〜200℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.69 (bs, 1H), 10.94 (s, 1H), 7.98 (d, J 9.8, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.38-7.32 (m, 3H), 7.26-7.19 (m, 2H), 7.17-7.09 (m, 3H), 4.29 (d, J 13.1, 2H), 3.79 (s, 2H), 3.77 (s, 2H), 3.40-3.32 (m, 1H), 3.04 (t, J 11.7, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.08 (d, J 10.9, 2H), 1.80-1.67 (m, 2H).
【0310】
実施例32
N−(6−(4−(5−(2−(1H−インドール−3−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)−2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド:
中間体24(100mg、0.25ミリモル)、インドール−3−酢酸(43mg、0.25ミリモル)、HATU(173mg、0.46ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.11ml、0.62ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(5:95)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(35mg)を褐色固体として得た。融点:220〜223℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.60 (s, 1H), 10.92 (s, 1H), 7.98 (d, J 9.9, 1H), 7.55 (d, J 7.8, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.38-7.32 (m, 4H), 7.28-7.21 (m, 2H), 7.08-7.03 (m, 1H), 6.98-6.94 (m, 1H), 4.29 (d, J 13, 2H), 3.87 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.40-3.30 (m, 1H), 3.04 (t, J 11.8, 2H), 1.80-1.66 (m, 2H).
【0311】
実施例33
2−(2−フルオロフェニル)−N−(6−(4−(5−(2−(ピラジン−2−イル)アセトアミド)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−イル)アセトアミド:
中間体34(300mg、0.75ミリモル)、2−(ピラジン−2−イル)酢酸(120mg、0.87ミリモル)、HATU(600mg、1.59ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.3ml、2.17ミリモル)をDMF(4ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(5:95)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(13mg)を淡褐色固体として得た。融点:232〜234℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.74 (s, 1H), 10.90 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.57-8.52 (m, 2H), 7.98 (d, J 9.8, 1H), 7.40-7.36 (m, 2H), 7.35-7.25 (m, 1H), 7.18-7.12 (m, 2H), 4.30 (d, J 13.3, 2H), 4.06 (s, 2H), 3.79 (s, 2H), 3.40-3.31 (m, 1H), 3.05 (t, J 12, 2H), 2.10 (d, J 10.7, 2H), 1.80-1.66 (m, 2H).
【0312】
実施例34
2−(3−(アゼチジン−1−イル)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体24(100mg、0.25ミリモル)、2−(3−(アゼチジン−1−イル)フェニル)酢酸(45mg、0.25ミリモル)、HATU(170mg、0.44ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.11ml、0.62ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(40mg)を白色固体として得た。融点:140〜142℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.60 (s, 1H), 10.93 (s, 1H), 7.99 (d, J 9.8, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.40-7.32 (m, 3H), 7.24 (d, J 7.6, 1H), 7.07 (t, J 7.8, 1H), 6.59 (d, J 7.3, 1H), 6.36 (s, 1H), 6.28 (d, J 7.8, 1H), 4.29 (d, J 12.9, 2H), 3.81-3.73 (m, 6H), 3.66 (s, 2H), 3.40-3.31 (m, 1H), 3.04 (t, J 11.8, 2H), 2.81-2.72 (m, 2H), 2.08 (d, J 11, 2H), 1.80-1.66 (m, 2H).
【0313】
実施例35
2−(3−クロロフェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(ピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体36(100mg、0.25ミリモル)、3−クロロフェニル酢酸(52mg、0.30ミリモル)、HATU(211mg、0.55ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.13ml、0.76ミリモル)をDMF(1ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(35mg)を淡黄色固体として得た。融点:198〜201℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.68 (s, 1H), 10.91 (s, 1H), 8.49 (d, J 4.2, 1H), 8.01 (d, J 9.8, 1H), 7.76-7.72 (m, 1H), 7.40-7.30 (m, 5H), 7.28-7.22 (m, 2H), 4.30 (d, J 13.2, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.40-3.29 (m, 1H), 3.05 (t, J 11.8, 2H), 2.10 (d, J 11.7, 2H), 1.80-1.77 (m, 2H).
【0314】
実施例36
3−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンアミド:
中間体24(100mg、0.21ミリモル)、トロパ酸(42mg、0.25ミリモル)、HATU(173mg、0.46ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.11ml、0.62ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(5:95)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(12mg)を白色固体として得た。融点:212〜214℃。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.66 (s, 1H), 10.94 (s, 1H), 7.99 (d, J 9.9, 1H), 7.48-7.42 (m, 4H), 7.39-7.22 (m, 9H), 5.06-5.02 (m, 1H), 4.30 (d, J 13.8, 2H), 4.10-4.00 (m, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.62-3.57 (m, 1H), 3.40-3.30 (m, 2H), 3.05 (t, J 12.4, 2H), 2.09 (d, J 10.8, 2H), 1.80-1.68 (m, 2H).
【0315】
実施例37
(R)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体24(100mg、0.21ミリモル)、(R)−(−)−マンデル酸(35mg、0.25ミリモル)、HATU(173mg、0.46ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.11ml、0.62ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(5:95)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(15mg)を淡褐色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.41 (s, 1H), 10.93 (s, 1H), 7.98 (d, J 9.7, 1H), 7.50-7.30 (m, 10H), 6.32 (bs, 1H), 5.30 (s, 1H), 4.29 (d, J 13, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.50-3.40 (m, 1H), 3.04 (t, J 11.7, 2H), 2.09 (d, J 11, 2H), 1.80-1.65 (m, 2H).
【0316】
実施例38
2−(3−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)フェニル)−N−(5−(1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体24(100mg、0.21ミリモル)、2−(3−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)フェニル)酢酸(53mg、0.25ミリモル)、HATU(173mg、0.46ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.11ml、0.62ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用して60〜120シリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって固体を精製して、表題化合物(40mg)を白色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.62 (s, 1H), 10.93 (s, 1H), 7.99 (d, J 9.7, 1H), 7.48-7.42 (m, 1H), 7.39-7.22 (m, 4H), 7.11 (t, J 5.8, 1H), 6.65 (d, J 7.5, 1H), 6.43 (s, 1H), 6.36 (d, J 8, 1H), 4.29 (d, J 13.2, 2H), 4.18-4.06 (m, 2H), 3.90-3.76 (m, 5H), 3.68 (s, 2H), 3.40-3.30 (m, 1H), 3.04 (t, J 11.8, 2H), 2.07 (d, J 12.2, 2H), 1.80-1.66 (m, 2H).
【0317】
実施例39
2−(ピリジン−2−イル)−N−(5−((1−(6−(2−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド:
中間体41(34mg、0.07ミリモル)、2−ピリジル酢酸塩酸塩(15mg、0.086ミリモル)、HATU(58mg、0.15ミリモル)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.04ml、0.15ミリモル)をDMF(2ml)中に溶解させた。この混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を水中に注いで、固体を得た。固体を濾過し、MeOHおよびDCM(4:96)を溶離液として使用してcombi-flashによって固体を精製して、表題化合物(2mg)を白色固体として得た。1H-NMR (δ ppm, DMSO-d6, 400 MHz): 12.67 (s, 1H), 10.90 (s, 1H), 8.48 (d, J 4, 1H), 7.95 (d, J 9.8, 1H), 7.76 (dt, J 2, 7.7, 1H), 7.48-7.22 (m, 7H), 4.23 (d, J 12.9, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.77 (s, 2H), 2.93 (d, J 7, 2H), 2.82 (t, J 12, 2H), 2.00-1.90 (m, 1H), 1.72 (d, J 12, 2H), 1.30-1.18 (m, 2H).
【0318】
生物学的アッセイ
本明細書中で記載する化合物の薬理学的特性は、後述するような多くの薬理アッセイによって確認することができる。
【0319】
アッセイ1:グルタミナーゼ酵素の測定
2段階法における生化学アッセイ:1.GACによるL−グルタミンのグルタメートへの変換、および2.グルタメートデヒドロゲナーゼ(GDH)によって触媒されるグルタメートのアルファ−ケトグルタル酸への変換の生化学アッセイを使用して、化合物が組換えグルタミナーゼ1(GAC)の酵素活性を阻害する能力について、化合物を評価した。吸光度の変化によって表されるNADからNADHへの還元を分光光度法で決定する。基質溶液を調製し(50mMのTris−HCl pH8.0、0.2mMのEDTA、150mMのKHPO、0.1mg/mlのBSA、1mMのDTT、20mMのL−グルタミン、2mMのNAD、および10ppm消泡剤)、50μlの基質溶液を96ウェルハーフエリアクリアプレートに添加する。化合物をDMSO溶液として添加する。50μlの酵素溶液(50mMのTris−HCl pH8.0、0.2mMのEDTA、150mMのKHPO、0.1mg/mlのBSA、1mMのDTT、10ppm消泡剤、4単位/mlのGDH、4mMのアデノシン二リン酸、および4nMのGAC)の添加によって酵素反応を開始させ、そしてMolecular Devices M5プレートリーダーで20℃にて読み取った。プレートリーダーは吸光度(λ=340nm)を動力学モードで15分間読み取るように設定されている。データを1分あたりのミリ吸光度単位として記録し、勾配を対照化合物およびDMSOのみの対照と同じプレート上で比較する。DMSO対照よりも低い勾配を有する化合物は、阻害剤と見なすことができ、対照化合物を使用してプレート変動制を評価する。試験化合物の活性を%阻害として報告する。データを、Graphpad Prism(Graphpadソフトウェア;カリフォルニア州サンディエゴ)を使用してIC50測定のために分析する。
【0320】
アッセイ2:アンモニアの推定による酵素活性の測定
L−グルタミナーゼ酵素アッセイは、ネスラー試薬を使用する分光光度分析でアンモニア形成を定量化することによって比色法を使用して実施できる。手順は、British Microbiology Research Journal, 4(1), 97-115, 2014から修正を加えて採用する。
【0321】
通常のアッセイについては、0.1mlの適切に希釈した酵素(試験化合物の有無を問わずインキュベートしたもの)を0.1Mホウ酸−ホウ酸塩緩衝液(pH8.0)中0.4mlの0.025M L−グルタミン溶液に添加する。30分間37℃でインキュベーションした後、0.5mlの1N HSOを添加することによって反応を停止させる。析出したタンパク質を遠心分離によって除去し、0.2mlの上清を3.8mlの蒸留水に添加する。その後、0.5mlのネスラー試薬を添加し、そして3分以内に400nmで吸光度を測定する。酵素および基質ブランクはすべてのアッセイに含まれ、塩化アンモニウムで標準曲線を作製する。酵素活性を単位(U)/mlとして表す。1単位のL−グルタミナーゼは、標準的条件下で1分あたり1マイクロモル(μmol)のアンモニアを放出する酵素の量と定義される。比活性(sp活性)は、1ミリグラムのタンパク質あたりのL−グルタミナーゼの単位として定義される。したがって、試験化合物の存在下および非存在下でのグルタミナーゼの比活性の変化を報告する。
【0322】
アッセイ3:マウス脳/腎臓由来のグルタミナーゼ酵素を使用するグルタミナーゼ酵素の測定
ステップ1:組織ホモジネートの調製:オスBalb/cマウスに飲料水中0.28M塩化アンモニウムを7日間投与した。動物を屠殺し、脳/腎臓臓器をドライアイス上に集めた。これらの臓器を、20mMのリン酸塩緩衝液−pH7.4、0.5mMのEDTA、5mMの2−メルカプトエタノール、25%のグリセロールおよび0.02%のBSAを含む均質化緩衝液中に懸濁させた。組織を均質化し、酵素アッセイを実施するまで上清を−80℃で保存した。
ステップ2:酵素アッセイ
目的:化合物を、マウス脳/腎臓ホモジネート中に存在するL−グルタミナーゼの酵素活性を阻害するそれらの能力について評価した。
プロトコル:L−グルタミンからグルタメートへの酵素変換の間に副生成物として生じるアンモニアの量を定量することによってネスラー試薬を使用する比色法を使用してアッセイを実施した。通常のアッセイでは、16μlの組織ホモジネートを33μlのTris−Hclリン酸塩緩衝液(pH8)に、所望の最終濃度を含む1μlのDMSO/試験化合物とともに添加し、短時間ボルテックスした。50μlの20mM L−グルタミンTris緩衝液を添加して反応を開始し、15分間37℃でインキュベートした。20μlの反応混合物を96ウェルプレート中の冷水に添加し、続いて20μlのネスラー試薬を添加することによって、生じたアンモニアを検出する。450nmで発色を測定する。データ分析:試験化合物の活性を%阻害として報告し、そしてIC50測定のためにGraphpad Prism(Graphpadソフトウェア;カリフォルニア州サンディエゴ)を使用してデータを分析する。
【0323】
【表4A】
【表4B】
【0324】
阻害率(%)に関して:Aは75%超から100%までであり;Bは50%超から75%以下であり、Cは25%超から50%以下であり、そしてDは25%以下である。IC50に関して:Aは50nM未満であり;Bは50nM以上から200nM未満であり;Cは200nM以上から500nM未満であり;Dは500nM以上から1000nM未満であり;そしてEは1000nM以上から2000nM以下である。
【0325】
アッセイ4:癌化細胞株におけるインビトロ細胞増殖アッセイ
成長阻害アッセイを、10%FBS添加培地を用いて実施した。細胞を96ウェルプレート中5000〜20,000細胞/ウェルの濃度で播種した。0.01〜10000nMの濃度範囲の試験化合物を24時間後に添加した。3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)色素還元試験を用いて0時(試験化合物の添加前)および試験化合物の添加後72時間で成長を評価した。吸光度をFluostar Optima(ドイツ国のBMG Labtech)で450nmの波長にて読みとった。GraphPad Prismを用いてデータを分析し、対照と比較した試験化合物の阻害率(%)を適切に算出した。結果は以下に示すとおりである。
【0326】
【表5】
【0327】
GI50:Aは100nM未満である;Bは100nM以上250nM未満である;Cは250nM以上500nM未満である;Dは500nM以上1000nM未満であり、Eは1000nM以上3000nM以下である。
【0328】
本発明を本明細書中で特定の実施形態を参照して記載したが、これらの実施形態は本発明の原則および適用の単なる実例に過ぎないと理解すべきである。したがって、例示的実施形態に対して多くの修飾を加えることができ、上述の本発明の主旨および範囲から逸脱することなく他のアレンジを考案することができると理解すべきである。添付の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、これらの請求項の範囲内の方法および構造ならびにその同等物がそれにより対象となることが意図される。
【0329】
本願で言及するすべての刊行物および特許および/または特許出願は、各々の刊行物または特許出願が参照により本明細書中に組み込まれると具体的かつ個別に表示されているのと同等に参照により本明細書中に組み込まれる。