特許第6783695号(P6783695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧 ▶ トヨタ自動車九州株式会社の特許一覧 ▶ トヨタ車体株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6783695-燃料電池単セルの製造方法 図000002
  • 特許6783695-燃料電池単セルの製造方法 図000003
  • 特許6783695-燃料電池単セルの製造方法 図000004
  • 特許6783695-燃料電池単セルの製造方法 図000005
  • 特許6783695-燃料電池単セルの製造方法 図000006
  • 特許6783695-燃料電池単セルの製造方法 図000007
  • 特許6783695-燃料電池単セルの製造方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6783695
(24)【登録日】2020年10月26日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】燃料電池単セルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0258 20160101AFI20201102BHJP
   H01M 8/0265 20160101ALI20201102BHJP
   H01M 8/0273 20160101ALI20201102BHJP
   H01M 8/0284 20160101ALI20201102BHJP
   H01M 8/2483 20160101ALI20201102BHJP
   H01M 8/10 20160101ALI20201102BHJP
【FI】
   H01M8/0258
   H01M8/0265
   H01M8/0273
   H01M8/0284
   H01M8/2483
   H01M8/10 101
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-76390(P2017-76390)
(22)【出願日】2017年4月7日
(65)【公開番号】特開2018-181500(P2018-181500A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596002767
【氏名又は名称】トヨタ自動車九州株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽田 智之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 祐介
(72)【発明者】
【氏名】菅野 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山縣 慶浩
(72)【発明者】
【氏名】蟹江 誉将
【審査官】 小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−076380(JP,A)
【文献】 特開2012−033325(JP,A)
【文献】 特開2015−207505(JP,A)
【文献】 特開2017−117780(JP,A)
【文献】 特開2018−129213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/0258
H01M 8/0265
H01M 8/0273
H01M 8/0284
H01M 8/10
H01M 8/2483
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池単セルの製造方法であって、
(i)膜電極ガス拡散層接合体と前記膜電極ガス拡散層接合体の周囲に接合された樹脂製のフレーム部材とを有するMEGAプレートと、前記MEGAプレートを挟持する2つのセパレータと、を準備する工程と、
(ii)前記MEGAプレートと前記2つのセパレータを積層して熱プレスすることによって前記燃料電池単セルを形成する工程と、
を備え、
前記フレーム部材は、前記2つのセパレータに設けられたマニホールド孔に連通するマニホールド開口部と、前記膜電極ガス拡散層接合体が配置される面内開口部と、前記マニホールド開口部と前記面内開口部との間に形成された反応ガス流路としてのスリット状の貫通孔と、を有し、
前記2つのセパレータのうちの一方のセパレータには、平面視において、前記フレーム部材の前記貫通孔と交差するライン上の位置に、前記貫通孔の長手方向に沿って測った底面の幅が前記貫通孔の長さよりも小さな凹部が形成されており、
前記工程(i)において、前記貫通孔には、前記凹部の前記底面に対応する位置に、前記貫通孔の幅を増大させる増幅部が設けられており、
前記工程(ii)において、前記フレーム部材は、前記増幅部の位置において前記凹部の前記底面によって押圧される、
燃料電池単セルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池単セルの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池スタックを構成する燃料電池単セルが開示されている。単セルは、樹脂枠付きの膜電極ガス拡散層接合体と、膜電極ガス拡散層接合体を挟む2つのセパレータとを有する。セパレータの一方の面には、単セル内に反応ガスを流すための反応ガス流路が形成され、他方の面には単セル内に冷却媒体を流すための冷却媒体流路が形成されている。また、セパレータの周縁部には、反応ガスの入口及び出口として機能する反応ガスマニホールド孔と、冷却媒体流路の入口及び出口として機能する冷却媒体マニホールド孔とが形成されている。なお、複数の単セルを積層して燃料電池スタックを形成する際、単セルの間を密封するために、セパレータと一体化され、セパレータの外周端部を周回するシール部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−63727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、各単セルのセパレータの外周端部に配置されたシール部材が積層方向において積み重なり、積層方向における燃料電池スタックの厚さが過度に増大するという問題があった。ここで、本発明の発明者は、セパレータに凹部を設け、当該凹部にシール部材(ガスケット)を配置することによって、積層方向における燃料電池スタックの厚さを凹部の深さ分だけ減少させ、燃料電池スタックの厚さの過度の増大を防止するという発想を生み出した。また、当該凹部によりセパレータの反応ガス流路と反応ガスマニホールド孔との間を流れる反応ガスが隔てられることを抑制するために、樹脂枠(フレーム部材)において当該凹部が通るライン上に、長さが当該凹部の底面の幅よりも大きなスリット状の貫通孔を設けることを試みた。ところが、上述したような燃料電池単セルを製造するにあたり、熱プレス時に樹脂枠に設けられた貫通孔がセパレータの凹部に押圧されると、押圧された部分が変形して貫通孔を塞いでしまい、単セルの性能の低下を引き起こす可能性があるという問題があることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池単セルの製造方法が提供される。この燃料電池単セルの製造方法は、(i)膜電極ガス拡散層接合体と前記膜電極ガス拡散層接合体の周囲に接合された樹脂製のフレーム部材とを有するMEGAプレートと、前記MEGAプレートを挟持する2つのセパレータと、を準備する工程と、(ii)前記MEGAプレートと前記2つのセパレータを積層して熱プレスすることによって前記燃料電池単セルを形成する工程と、を備える。前記フレーム部材は、前記2つのセパレータに設けられたマニホールド孔に連通するマニホールド開口部と、前記膜電極ガス拡散層接合体が配置される面内開口部と、前記マニホールド開口部と前記面内開口部との間に形成された反応ガス流路としてのスリット状の貫通孔と、を有し、前記2つのセパレータのうちの一方のセパレータには、平面視において、前記フレーム部材の前記貫通孔と交差するライン上の位置に、前記貫通孔の長手方向に沿って測った底面の幅が前記貫通孔の長さよりも小さな凹部が形成されている。前記工程(i)において、前記貫通孔には、前記凹部の前記底面に対応する位置に、前記貫通孔の幅を増大させる増幅部が設けられている。前記工程(ii)において、前記フレーム部材は、前記増幅部の位置において前記凹部の前記底面によって押圧される。
この形態の燃料電池単セルの製造方法によれば、フレーム部材の貫通孔において、セパレータの凹部の底面に対応する位置に増幅部が設けられているので、熱プレスする際に凹部の底面の押圧により貫通孔の周縁部分が過度に変形して貫通孔を塞ぐことを抑制できる。この結果、貫通孔の閉塞による単セルの性能低下を抑制できる。また、セパレータの凹部は、フレーム部材の貫通孔と交差するライン上の位置に形成されるとともに、貫通孔の長手方向に沿って測った底面の幅が貫通孔の長さよりも小さいので、反応ガスが凹部に隔てられることなく、貫通孔を介してセパレータの反応ガス流路と反応ガスマニホールド孔との間を流れることができる。
【0007】
本発明は、上記以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料電池スタックの製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における燃料電池単セルの各構成部材を示す説明図。
図2】カソード側セパレータ側から見た平面図。
図3】貫通孔付近の断面図。
図4】貫通孔付近の拡大図。
図5】セパレータとMEGAプレートの積層体を熱プレスする様子を示す図。
図6】熱プレスした後の貫通孔付近の拡大図。
図7】比較例における貫通孔の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態における燃料電池単セル140の製造方法において準備する各部材を示す説明図である。燃料電池単セル140は、例えば固体高分子形燃料電池である。この燃料電池単セル140が複数積層された燃料電池スタックは、例えば動力源として燃料電池車両に搭載される。本明細書では、燃料電池単セル140の積層方向をX方向とし、水平方向をZ方向とする。なお、積層方向Xと水平方向Zに垂直な方向は鉛直方向Yである。
【0010】
燃料電池単セル140の製造方法は、まず、膜電極ガス拡散層接合体(以下、「MEGA」(Membrane−Electrode Gass−diffusion−layer Assembly)と呼ぶ)32とMEGA32の周囲に接合されたフレーム部材31とを有するMEGAプレート30と、MEGAプレート30を挟持するカソード側セパレータ40及びアノード側セパレータ50とを準備する。
【0011】
カソード側セパレータ40及びアノード側セパレータ50は、ガス遮断性及び電子伝導性を有する部材によって構成され、例えば、カーボン粒子を圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン等のカーボン製部材や、プレス成形したステンレス鋼やチタンなどの金属部材によって形成されている。フレーム部材31は、樹脂製であり、接着性を有することが好ましい。この接着性により、カソード側セパレータ40とアノード側セパレータ50がフレーム部材31に接着される。
【0012】
カソード側セパレータ40及びアノード側セパレータ50のそれぞれの一端縁部には、燃料ガス入口マニホールド孔62と、冷却媒体出口マニホールド孔84と、酸化剤ガス入口マニホールド孔72と、が鉛直方向Yに沿って上から順に配置されている。他端縁部には、酸化剤ガス出口マニホールド孔74と、冷却媒体入口マニホールド孔82と、燃料ガス出口マニホールド孔64と、が鉛直方向Yに沿って上から順に並んで配置されている。カソード側セパレータ40のMEGAプレート30側の面には、筋状の凹凸によって酸化剤ガス流路溝42が形成されている。アノード側セパレータ50の両面のうち、MEGAプレート30側の面には、筋状の凹凸によって燃料ガス流路溝52が形成され、その反対側の面には、燃料ガス流路溝52の裏側の位置に冷却媒体流路溝54が形成されている。
【0013】
燃料ガス入口マニホールド孔62から供給された燃料ガスのうち、利用されなかった燃料ガスは、燃料ガス流路溝52を流れて、燃料ガス出口マニホールド孔64によって集められる。また、酸化剤ガス入口マニホールド孔72から供給された酸化剤ガスのうち、利用されなかった酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路溝42を流れて、酸化剤ガス出口マニホールド孔74によって集められる。さらに、冷却媒体入口マニホールド孔82から供給された冷却媒体は、冷却媒体流路溝54を流れて、冷却媒体出口マニホールド孔84によって集められる。
【0014】
なお、カソード側セパレータ40のMEGAプレート30側の面には、各マニホールド孔62,64,72,74,82,84及び酸化剤ガス流路溝42を囲むように、底面がフレーム部材31と接する凹部92が設けられている。アノード側セパレータ50のMEGAプレート30側とは反対側の面には、各マニホールド孔62,64,72,74,82,84及び冷却媒体流路溝54を囲むように、底面がフレーム部材31と接する凹部91が設けられている。本明細書では、セパレータ40,50における「凹部」とは、MEGAプレート30の表面に近付くように突出している部分のことをいう。また、凹部91のMEGAプレート30と反対側の面には、燃料電池単セル140の間を密封し、かつ、各反応ガス及び冷却媒体のそれぞれをシールするためのガスケット81が配置される。なお、ガスケット81は、カソード側セパレータ40の凹部92のMEGAプレート30と反対側の面に配置してもよい。こうすれば、燃料電池単セル140が複数積層された燃料電池スタックの積層方向における厚さを凹部91(又は凹部92)の深さ分だけ減少することができ、燃料電池スタックの厚さの過度の増大を防止できる。
【0015】
MEGAプレート30のフレーム部材31は、2つのセパレータ40,50の各マニホールド孔62,64,72,74,82,84に連通するマニホールド開口部62a,64a,72a,74a,82a,84aと、MEGA32が配置される面内開口部33と、を有する。また、マニホールド開口部62aと面内開口部33との間には、スリット状の貫通孔34が形成されており、同様に、マニホールド開口部64aと面内開口部33との間には、スリット状の貫通孔35が、マニホールド開口部72aと面内開口部33との間には、スリット状の貫通孔36が、マニホールド開口部74aと面内開口部33との間には、スリット状の貫通孔37がそれぞれ形成されている。貫通孔34,35は、燃料ガス用のマニホールド孔62,64と燃料ガス流路溝52との間の燃料ガス流路の一部を構成する。貫通孔36,37は、酸化剤ガス用のマニホールド孔72,74と酸化剤ガス流路溝42との間の酸化剤ガス流路の一部を構成する。
【0016】
なお、各貫通孔34〜37としては、それぞれ複数の孔を設けてもよいし、1つの孔のみを設けてもよい。本明細書において、「スリット状」とは、長手方向と短手方向とを有する細長い形状を意味する。
【0017】
図2は、カソード側セパレータ40とMEGAプレート30とアノード側セパレータ50とが積層された状態で、カソード側セパレータ40側から見た平面図である。図示の便宜上、各貫通孔34〜37を破線で示した。また、破線の矢印は、カソード側セパレータ40の裏側の酸化剤ガス流路溝42を流れる酸化剤ガスを示している。カソード側セパレータ40の凹部92は、酸化剤ガス用の貫通孔36,37のそれぞれと交差するライン上の位置に形成されている。なお、燃料ガス用の貫通孔34,35の位置では、凹部92は貫通孔34,35を覆うように形成されている。こうすれば、凹部92の底面によって貫通孔34,35を塞ぐことができるので、燃料ガスが酸化剤ガス流路溝42に流れ込むことを防止できる。
【0018】
図3は、図2に示す貫通孔36の長手方向に沿って切った断面IIIの説明図である。カソード側セパレータ40の凹部92の底面92bの幅Wbは、貫通孔36の長さLhよりも小さい。ここで、凹部92の底面92bの幅Wbは、貫通孔36の長手方向に沿って測った寸法を意味する。また、カソード側セパレータ40のうち、凹部92の両側に隣接する凸部40a,40bはそれぞれ、フレーム部材31との間に隙間Ga,Gbが形成されるように構成されており、これらの隙間を酸化剤ガスが流れる。酸化剤ガス入口マニホールド孔72から隙間Gaに流れてきた酸化剤ガスは、貫通孔36の一端縁部と凹部92の底面92bの一端縁部との間に形成された隙間G1を通って、貫通孔36に流れた後、貫通孔36の他端縁部と凸部40bとの間に形成された隙間G2を介して隙間Gbに流れて、最終的に酸化剤ガス流路溝42(図2)に流れる。
【0019】
このように、凹部92の底面92bの幅Wbが貫通孔36の長さLhよりも小さいので、酸化剤ガスは、凹部92に隔てられることなく、貫通孔36を介して、酸化剤ガス入口マニホールド孔72と酸化剤ガス流路溝42との間を流れることができる。酸化剤ガス出口マニホールド孔74(図2)に隣接して設けられた貫通孔37についても同様である。なお、本明細書では、セパレータ40,50における「凸部」とは、前述した凹部よりMEGAプレート30の表面から離れている部分を意味する。従って、通常は、凹部の周囲は凸部となっている。
【0020】
図4は、図2に示す貫通孔36付近の拡大図であり、熱プレスする前の状態を表している。図示の便宜上、フレーム部材31のみが描かれており、カソード側セパレータ40の凹部92の底面92bと接する部分を破線で示している。図4に示すように、貫通孔36には、カソード側セパレータ40の凹部92の底面92bに対応する位置に、貫通孔36の幅を増大させる増幅部36Cuが設けられている。増幅部36Cuは、貫通孔36の周縁部分38が一部切り欠かれたように構成されている。セパレータ40,50とMEGAプレート30の積層体(図2)を熱プレスする際、フレーム部材31は、増幅部36Cuの位置において周縁部分38が、カソード側セパレータ40の凹部92の底面92bに押圧される。
【0021】
図5は、セパレータ40,50とMEGAプレート30の積層体を熱プレスする様子を示す図である。セパレータ40,50とMEGAプレート30の積層体は、熱プレス治具210,220によって挟まれ、熱プレスされる。カソード側セパレータ40の凹部92の底面92bは、熱プレス治具210によってフレーム部材31に押圧される。アノード側セパレータ50(図1)の凹部91の底面についても同様に、熱プレス治具220によってフレーム部材31に押圧される。この熱プレスによって、セパレータ40,50それぞれの凹部92,91がフレーム部材31に接着される。これにより、燃料電池単セル140(図1)の製造が終了する。
【0022】
図6は、熱プレスした後の貫通孔36付近の拡大図である。貫通孔36の周縁部分38は、熱プレスによって貫通孔36の幅を減少させるように貫通孔36の内側に向かって変形する。ここで、予め増幅部36Cuが設けられていたので、周縁部分38が過度に変形して貫通孔36を塞ぐことを抑制できる。また、周縁部分38が変形した後には、増幅部36Cuが凹部と凸部が交互に並ぶ形状に変形している。これにより、貫通孔36の生成水の排水性を高めることができる。
【0023】
なお、燃料ガス用の貫通孔34,35についても同様に、増幅部を設けることが好ましい。また、凹部92及び貫通孔36,37と、凹部91及び貫通孔34,35のどちらか一方を省略してもよい。この場合には、ガスケット81は残りの一方の凹部に配置される。
【0024】
図7は、比較例における貫通孔36aの拡大図であり、熱プレスする前と熱プレスした後の状態を表している。図示の便宜上、カソード側セパレータ40の凹部92の底面92bと接する部分を破線で示している。比較例の貫通孔36aには、増幅部が設けられていない。熱プレスする際に、貫通孔36aの周縁部分38aが凹部92の底面92bに押圧される。熱プレスした後、貫通孔36aの周縁部分38aが変形し、貫通孔36aの内側に向かって突起36Prを形成する。この結果、貫通孔36aが突起36Prによって塞がれ、酸化剤ガスの流れが阻害されてしまう。
【0025】
以上説明したように、本発明の一実施形態では、フレーム部材31の貫通孔36において、カソード側セパレータ40の凹部92の底面92bに対応する位置に増幅部36Cuが設けられているので、熱プレスする際に凹部92の底面92bの押圧により貫通孔36の周縁部分38が過度に変形して貫通孔36を塞ぐことを抑制できる。この結果、貫通孔36の閉塞による燃料電池単セル140の性能低下を抑制できる。
【0026】
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0027】
30…MEGAプレート
31…フレーム部材
32…膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)
33…面内開口部
34〜37…貫通孔
36Cu…増幅部
36Pr…突起
36a…貫通孔
38…周縁部分
38a…周縁部分
40…カソード側セパレータ
40a…凸部
40b…凸部
42…酸化剤ガス流路溝
50…アノード側セパレータ
52…燃料ガス流路溝
54…冷却媒体流路溝
62…燃料ガス入口マニホールド孔
62a,64a,72a,74a,82a,84a…マニホールド開口部
64…燃料ガス出口マニホールド孔
72…酸化剤ガス入口マニホールド孔
74…酸化剤ガス出口マニホールド孔
81…ガスケット
82…冷却媒体入口マニホールド孔
84…冷却媒体出口マニホールド孔
91…凹部
92…凹部
92b…底面
140…燃料電池単セル
210,220…熱プレス治具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7