(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
更にカチオン性界面活性剤(B1)、ベタイン型両性界面活性剤(B2)、非イオン性界面活性剤(B3)及びアニオン性界面活性剤(B4)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1に記載の洗浄剤組成物であり、カチオン性界面活性剤(B1)がジデシルジメチルアンモニウムクロライドであり、ベタイン型両性界面活性剤(B2)が2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインであり、非イオン性界面活性剤(B3)がn−ヘキサデシルアミンにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドが付加した物であり、アニオン性界面活性剤(B4)がポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムである洗浄剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の洗浄剤組成物は一般式(1)で示される環状ポリエーテルエステル化合物(A)を含む。
【0010】
一般式(1)において、R
1は水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されていてもよい炭素数2〜21の炭化水素基である。
【0011】
炭素数2〜21の炭化水素基としては、炭素数2〜21のアルキレン基、炭素数2〜21のアルケニレン基、炭素数6〜21のアリーレン基及び炭素数7〜21のアラルキレン基等が挙げられる。
【0012】
炭素数2〜21のアルキレン基としては、炭素数2〜21の直鎖アルキレン基(エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基及びn−ヘンイコサニレン基)及び炭素数3〜21の分岐アルキレン基(1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、2−エチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1−n−ブチルトリメチレン基、1−n−ヘキシルトリメチレン基、1−n−プロピルトリメチレン基、1−n−ヘプチルトリメチレン基、1−n−オクチルトリメチレン基、1−n−ヘプチルテトラメチレン基及び1−n−オクチルエチレン基等)及び炭素数4〜21のシクロアルキレン基(シクロブチレン基、シクロペンチレン基、2−メチルシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、1,3−ジメチルシクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、1−エチルシクロペンチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロウンデシレン基、シクロドデシレン基、シクロトリデレン基、シクロテトラデシレン基、シクロペンタデシレン基、シクロヘキサデシレン基、シクロヘプタデシレン基、シクロオクタデシレン基、シクロノナデシレン基、シクロエイコシレン基、ノルボルニレン基、ジシクロペンチレン基、イソプロピリデンジシクロヘキシレン基及びシクロヘキサンジメチレン基等)等が挙げられる。
【0013】
炭素数2〜21のアルケニレン基としては、炭素数2〜21の直鎖アルケニレン基(エテニレン基、プロペニレン基及びヘンイコセニレン基等)及び炭素数3〜21の分岐アルケニレン基(1−エチルエテニレン基、1,2−ジメチルエテニレン基、1−ブチルエテニレン基、1−ヘキシルエテニレン基及び1−オクチルエテニレン基等)等が挙げられる。
【0014】
炭素数6〜21のアリーレン基としては、o−、p−又はm−フェニレン基、2,4−ナフチレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、フルオレニレン基及びピレニレン基等が挙げられる。
【0015】
炭素数7〜21のアラルキレン基としては、フェニルメチレン基、ジフェニルメチン基、1−フェニルエチレン基、o−フェニレンエチル基及びナフチルメチレン基等が挙げられる。
【0016】
これらの基の有する水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換された基としては、1−ブロモ−トリメチレン基、1−アセチル−トリメチレン基、1−メトキシ−トリメチレン基及び1−フェノキシ−トリメチレン基等が挙げられる。
【0017】
これらのうち、R
1としては、好ましくは炭素数3〜16の直鎖又は分岐アルキレン基であり、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、テトラデカメチレン基、メチルエチレン基、1−n−プロピルトリメチレン基、1−n−ヘプチルトリメチレン基、1−n−オクチルトリメチレン基、1−n−ヘプチルテトラメチレン基、1−n−ヘキシルトリメチレン基、1−n−ヘキシルテトラメチレン基、1−n−ウンデシルトリメチレン基及び1−n−ウンデシルテトラメチレン基が更に好ましい。
【0018】
一般式(1)において、R
2は炭素数2〜8の2価の炭化水素基である。炭素数2〜8の2価の炭化水素基のうち好ましいものとしては、フェニルエチレン基、炭素数2〜4のアルキレン基が挙げられ、更に好ましくは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基(エチレン基、プロピレン基及びブチレン基等)及び炭素数3又は4の分岐アルキレン基(メチルエチレン基、エチルエチレン基、メチルプロピレン基及び2−メチルプロピレン等)が挙げられ、特に好ましくは炭素数2〜4の直鎖アルキレン基及び炭素数3〜4の分岐アルキレン基であり、最も好ましくはエチレン基及びプロピレン基である。
【0019】
一般式(1)において、mは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
mが2又は3である場合、m個あるR
1、及びm個ある(OR
2)
nは同じであっても異なっていてもよい。
【0020】
一般式(1)において、nは(OR
2)で表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を意味し、nは1〜500の数であり、洗浄性等の観点から、好ましくは5〜200の数である。なお、環状ポリエーテルエステル化合物(A)のオキシアルキレン基の付加モル数(n)は、洗浄対象である汚れの種類や洗浄剤組成物に含有する界面活性剤成分の量や種類に応じて調整することができる。
【0021】
一般式(1)において、nが平均付加モル数1〜500である場合、R
2は同じであっても異なっていてもよく、洗浄対象である汚れの種類に応じて調整することができる。
なお、nの値、R
2の組成は、Polym. Chem., 2014, 5, 6905.に記載のマトリックス支援レーザー脱離イオン化法による飛行時間型質量分析(MALDI−TOF MSともいう)により測定分析することができる。
【0022】
本発明の洗浄剤組成物に含まれる環状ポリエーテルエステル(A)化合物としては、mが1〜3であれば、一般式(1)においてnで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数が特定の値である環状ポリエーテルエステル(A)を用いてもよく、nの値が異なる複数の環状ポリエーテルエステル(A)化合物を併用してもよい。
一般式(1)においてnで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数の値(n)が異なる複数の環状ポリエーテルエステル(A)を併用する場合、使用する環状ポリエーテルエステル化合物(A)のオキシアルキレン基の付加モル数の値と比率は、洗浄対象である汚れの種類等に応じて調整することができる。
【0023】
一般式(1)中のm及びnの値の調整及び特定の範囲のnを有する環状ポリエーテルエステル化合物(A)の含有量の調整は、後述のアルコキシル化反応において用いる活性水素含有基を有さないラクトンと炭素数2〜8のアルキレンオキサイドとの濃度比の調整及びアルキレンオキサイドの付加方法を変えること等で行うことができる。アルキレンオキサイド付加方法とは例えば、連続的または断続的にアルキレンオキサイドを導入する方法が挙げられる。
【0024】
本発明の洗浄剤組成物に含まれる環状ポリエーテルエステル化合物(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記する)は、本発明の洗浄剤組成物が対象とする汚れの種類に応じて調整することができ、洗浄性等の観点から200〜5000が好ましく、環状ポリエーテルエステル化合物(A)のMnはオキシアルキレン基の付加モル数を調整すること等によって好ましい範囲にすることができる。
【0025】
本発明の洗浄剤組成物に用いる環状ポリエーテルエステル化合物(A)として、好ましいものとしては、R
1がテトラデカメチレン基、ヘキサメチレン基、及びプロピレン基であり、R
2がエチレン基及びプロピレン基であり、mが1〜3、平均付加モル数nが1〜500である環状ポリエーテルエステルが挙げられる。
【0026】
本発明の洗浄剤組成物に用いる環状ポリエーテルエステル化合物(A)は、活性水素含有基を有さないラクトンと炭素数2〜8のアルキレンオキサイドとを用いて、前記の活性水素含有基を有さないラクトンのオキシカルボニル基が有するカルボニルと酸素原子との間にオキシアルキレン基を挿入する反応(アルコキシル化反応ともいう)を行うことで得ることができる。前記アルコキシル化反応は、活性水素含有基を有さないラクトンと炭素数2〜8のアルキレンオキサイドとを、アルキレンオキサイドの開環付加反応及びアルコキシル化反応等に用いられる触媒をアルコキシル化反応の触媒として用いて行ってもよい。
なお、前記活性水素含有基はアルキレンオキサイドが開環付加し得る官能基を意味し、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基及びアミノ基等が挙げられる。
【0027】
アルコキシル化反応では、アルコキシル化反応で生成した一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステル化合物(A)に対して、更に他の一般式(1)で表される環状ポリエーテルエステルが挿入付加する副反応がおこる。
そのため、アルコキシル化反応で得られた反応生成物には、一般式(1)においてm=1である環状ポリエーテルエステル(A)の他に、一般式(1)において[R
1CO(OR
2)
nO]で表される単位を一分子中に2個有する環状ポリエーテルエステル(すなわちm=2)及び/又は3個有する環状ポリエーテルエステル(すなわちm=3)を含み、反応生成物は、一般式(1)において[R
1CO(OR
2)
nO]で表される単位を1〜3個有する環状ポリエーテルエステルを主成分とするポリエーテル組成物となる。
なお、反応生成物に含まれる環状ポリエーテルの組成は、Polym. Chem., 2014, 5, 6905.に記載のMALDI−TOF MSにより分析し、確認することが出来る。
【0028】
アルコキシル化反応の反応生成物[すなわち、環状ポリエーテルエステル化合物(A)を含む混合物]を、更にゲル透過法及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の方法により分画、精製を行うことで特定のmとnを有する環状ポリエーテルエステル(A)を得ることができる。なお、本発明の洗浄剤組成物に含まれる環状ポリエーテルエステル(A)としては、アルコキシル化反応の反応生成物をそのまま用いても、反応生成物を分画、精製して得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A)を用いてもよい。
【0029】
環状ポリエーテルエステル化合物(A)を得るために用いる活性水素含有基を有さないラクトンとしては、1つの水酸基と1つのカルボキシル基とを有し、他の活性水素含有基を有していない炭素数4〜22のモノヒドロキシカルボン酸について水酸基とカルボキシル基とを分子内脱水することで得られる環状エステルを用いることができる。分子内脱水してラクトンを合成する方法としては、公知の方法で加熱脱水する方法、J.S.Nimitz,R.H.Wollemberg,Terahedron Lett.1978,19,3523に記載方法、及びリパーゼ等の酵素を用いる方法の公知の合成方法を用いることができる。
【0030】
1つの水酸基と1つのカルボキシル基とを除く他の活性水素含有基を有していない炭素数4〜22のモノヒドロキシカルボン酸としては、炭素数4〜22の直鎖ヒドロキシカルボン酸(3−ヒドロキシプロパン酸、4−ヒドロキシ酪酸、5−ヒドロキシペンタン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸及び4−ヒドロキシ−2−ブテン酸等)及び炭素数3〜22の分岐ヒドロキシカルボン酸(3−ヒドロキシブタン酸、5−ヒドロキシトリデカン酸、2−メチレン−4−ヒドロキシ酪酸、4−フェニル−4−ヒドロキシ酪酸、2,2−ジメチル−4−ヒドロキシ酪酸、4−ヘキシル−4−ヒドロキシ酪酸及び4−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテン酸等)等が挙げられる。
【0031】
活性水素含有基を有さないラクトンとしては、前記の炭素数4〜22のモノヒドロキシカルボン酸の炭素原子に結合した水素原子のうち、少なくとも1つの水素原子がハロゲノ基、アセチル基、アルコキシ基又はフェノキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸が分子内脱水した構造を有するラクトンも用いることもできる。
炭素数4〜22のモノヒドロキシカルボン酸のうち、炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがハロゲノ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−ブロモ−4−ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、アセチル基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−アセチル−4−ヒドロキシブタン酸等が挙げられ、アルコキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−メトキシ−4−ヒドロキシ酪酸等が挙げられ、フェノキシ基で置換されたヒドロキシカルボン酸としては、2−フェニル−4−ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。
【0032】
活性水素含有基を有さないラクトンとして、好ましいものとしては、β−ラクトン(β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン等)、γ−ラクトン(γ−ブチロラクトン等)、δ−ラクトン(δ−バレロラクトン等)、ε−ラクトン(ε−カプロラクトン等)、長鎖アルキル基を有するラクトン(γ−エナントラクトン、γ−ウンデカノラクトン、γ−ドデカラクトン及びδ-ドデカノラクトン等)、大環状ラクトン(15−ペンタデカノラクトン)及び芳香族ラクトン(3,4−ジヒドロクマリン)等が挙げられる。
これらのラクトンは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
アルコキシル化反応に用いる炭素数2〜8のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する場合がある)としては、エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、オキセタン、1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレンオキサイド及びスチレンオキサイド等が挙げられ、炭素数2〜3のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド及びオキセタン)が好ましく、エチレンオキサイド及び1,2−プロピレンオキサイドが更に好ましい。
アルキレンオキサイドは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その結合形式はランダムであっても、ブロックであっても、その両方であってもよい。
アルキレンオキサイドとして2種以上を併用する場合、得られる環状ポリエーテルエステル化合物(A)は、一般式(1)において使用したアルキレンオキサイドの種類に対応した異なる種類のR
2を有する環状ポリエーテルエステルである。
【0034】
環状ポリエーテルエステル(A)の平均付加モル数nは取り扱い易さの観点から1〜500、好ましくは1〜350、更に好ましくは1〜100である。
【0035】
本発明の洗浄剤組成物に用いる環状ポリエーテルエステル化合物(A)は、活性水素含有基を有さないラクトンと炭素数2〜8のアルキレンオキサイドとを用いて、活性水素含有基を有さないラクトンのオキシカルボニル基が有するカルボニルと酸素原子との間にオキシアルキレン基を挿入する反応(アルコキシル化反応ともいう)を行うことで得ることができる。アルコキシル化反応は、活性水素含有基を有さないラクトンと炭素数2〜8のアルキレンオキサイドとを、アルキレンオキサイドの開環付加反応及びアルコキシル化反応等に用いられる触媒をアルコキシル化反応の触媒として用いて行ってもよい。
なお、活性水素含有基はアルキレンオキサイドが開環付加し得る官能基を意味し、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基及びアミノ基等が挙げられる。
【0036】
前記アルコキシル化反応は、触媒の存在下で行うことが好ましい。
反応工程で用いる触媒としては、金属(ホウ素、錫、ニッケル、亜鉛及びアルミニウム等)のハロゲン化物、無機酸(硫酸及びリン酸等)、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム等)の水酸化物、アミン化合物(ジエチルアミン及びトリエチルアミン等)、ホスファゼン、複合金属シアン化物錯体触媒(特開2005−53952号公報及び特開2016−6203号公報等に記載された亜鉛ヘキサシアノコバルテート等の2種類の金属を分子内に含有する金属錯体触媒等)、特開2000−354763号公報に記載された酸化物複合体、AlとMgとの複合酸化物(C1)及び層状複水酸化物(C2)並びにそれらの焼成物(C3)等を用いて行うことができる。
【0037】
本発明の製造方法で用いる層状複水酸化物とは、2価の金属(Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co及びCu等)と3価の金属(Al、Fe及びMn等)の水酸化物とが複合して積層構造を形成した無機の層状化合物を意味し、一般式が[M
2+1−hM
3+h(OH)
2][(W
i−)
h/i・jH
2O][ここで、M
2+は2価の金属、M
3+は3価の金属、W
i−はi価の陰イオン(HCO
3−、CO
32−、PO
43−、SO
42−、Cl
−、NO
2−及びNO
3−等)、h、i及びjはそれぞれ独立の正数である。]で表さる化合物であり、ハイドロタルサイト、モツコレアイト、マナセイト、スティッヒタイト、パイロアウライト、タコバイト、イヤードライト及びメイキセネライト等が含まれる。これらの層状複水酸化物は、粘土鉱物として知られており、天然に産する鉱物に含まれたものであっても、合成によって得られたものであってもよい。
【0038】
触媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの内、反応効率の観点から好ましいのは、AlとMgとの複合酸化物(C1)及びAlとMgを有するハイドロタルサイト(C2−1)並びにそれらの焼成物(C3)である。
【0039】
本発明において用いられる複合酸化物(C1)は、AlとMgを有する酸化物であれば、特に限定されないが、好ましい複合酸化物としては下記一般式(2)又は(3)で示される化合物等が挙げられる。
〔aMgO・Al
2 O
3 ・bH
2O〕 (2)
〔Mg
sAl
tO
u〕 (3)
【0040】
一般式(2)において、a及びbは、それぞれ独立の正数である。
一般式(3)において、s、t及びuは、それぞれ独立の正数である。
反応性の観点から、s/tは0.1以上0.9未満であることが好ましい。
複合酸化物(C1)としては、2.5MgO・Al
2O
3 ・bH
2O及びMg
0.7Al
0.3O
1.15等が挙げられ、それぞれキョーワード300[協和化学工業(株)製]及びキョーワード2000[協和化学工業(株)製]等として市場から入手することができる。
【0041】
本発明に用いるハイドロタルサイト(C2−1)としては、下記一般式(4)で示される化合物等が挙げられる。
〔Mg
1−cAl
c(OH)
2〕
c+ 〔CO
3c/2・dH
2 O〕
c− (4)
【0042】
また、一般式(4)において、cは0<c≦0.33を満たす数であり、dは0<d≦1.0を満たす数である。
【0043】
ハイドロタルサイト(C2−1)としては、Mg
6Al
2 (OH)
16CO
3 ・4H
2O及びMg
4.5 Al
2 (OH)
13CO
3 ・3.5H
2O等が挙げられ、それぞれキョーワード500[協和化学工業(株)製]及びキョーワード1000[協和化学工業(株)製]等として市場から入手することができる。
【0044】
本発明に用いるハイドロタルサイト(C2−1)としては、上記の化合物以外にも、西ドイツ特許公告第1592126号及びヨーロッパ特許公開第0207811号等に記載の既知の鉱物も使用することができる。
【0045】
(C1)及び(C2−1)は、それぞれ1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの内、反応性の観点から好ましいのは複合酸化物(C1)であり、更に好ましいのは2.5MgO・Al
2O
3 ・nH
2O(nは正数)及びMg
0.7Al
0.3O
1.15である。
【0046】
AlとMgとの複合酸化物(C1)の焼成物又はAlとMgを有するハイドロタルサイト(C2−1)の焼成物である(C3)は、AlとMgとの複合酸化物(C1)又はハイドロタルサイト(C2−1)を空気雰囲気下、好ましくは窒素気流下で、好ましくは400〜1500℃(更に好ましくは600〜1000℃)にて1〜4時間加熱処理する方法等で得ることができる。
【0047】
アルコキシル化の反応工程において、触媒の含有量は特に限定されないが、反応速度及び濾過効率の観点から、ラクトンとアルキレンオキサイドとの合計重量に対して0.0001〜10重量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜1.0重量%である。
【0048】
また、ラクトンのアルコキシル化反応工程において、ハンドリングの観点から、ラクトン、アルキレンオキサイド及び触媒以外に、溶剤を添加してもよい。
溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジグリム、トリグリム、1,4−ジオキサン、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、四塩化炭素、N−メチルピロリドン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジクロロエタン及びクロロホルム等が挙げられる。
溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの内、ラクトン及びアルキレンオキサイド等との混和性の観点から、トルエン及びキシレンが好ましい。
アルコキシル化反応に用いる溶剤の重量は、反応速度等の観点から、環状化合物と環状エーテルと触媒との合計重量に対して、0〜99重量%が好ましく、更に好ましくは0〜90重量%である。
【0049】
アルコキシル化反応においては、ラクトン及びラクトン、アルキレンオキサイド並びに必要に応じて、触媒及び溶媒の混合物の温度が90〜250℃となることが好ましく、更に好ましくは100〜190℃である。
また、上記の温度とする時間は、1〜200時間が好ましい。
【0050】
アルコキシル化反応は、ラクトン、アルキレンオキサイド並びに必要に応じて、触媒及び溶媒を反応装置へ入れ不活性ガス(窒素及びアルゴン等)により系内を置換・密閉し、前記の反応温度と反応時間とで撹拌混合することで行うことができる。
反応装置としては撹拌装置及び加熱装置の付属した混合容器(スターラー付きフラスコ及びオートクレーブ等)等の公知の反応装置を用いることができる。
【0051】
本発明の製造方法は、アルコキシル化反応で得られる生成物[すなわち環状ポリエーテルエステル化合物(A)を含む混合物]を、更に濾過操作(特開2011−213864号公報に記載の方法等)、ゲル透過法及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の方法により精製する工程(以下精製工程と略記する)を含んでいてもよい。
上記の精製工程により、特定の構造を有する環状ポリエーテルエステル化合物(A)のみを抽出することができる。
【0052】
本発明の洗浄剤組成物は、環状ポリエーテルエステル化合物(A)の他、洗浄力を向上させる観点から、カチオン性界面活性剤(B1)、ベタイン型両性界面活性剤(B2)、非イオン性界面活性剤(B3)、アニオン性界面活性剤(B4)を含有することで、化合物(A)が有する硬水中での洗浄性が更に向上するため好ましく、
生分解性の観点から、非イオン性界面活性剤を加えることが更に好ましい。
【0053】
カチオン性界面活性剤(B1)としては、第1級アミン塩型カチオン性界面活性剤、第2級アミン塩型カチオン性界面活性剤、第3級アミン塩型カチオン性界面活性剤及び第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤、ピリジニウム塩型4級アンモニウム塩、イミダゾリン型カチオン性界面活性剤およびアミン塩型のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、アンモニウムイオン又はイミニウムイオンと、アニオン性基との両方の官能基を有する界面活性剤は、通常、両性界面活性剤に分類され、本発明で用いるカチオン性界面活性剤には含まれない。
【0054】
第1級アミン塩型カチオン性界面活性剤としては、第1級アミンを無機酸(塩酸、硝酸、硫酸及びヨウ化水素酸等)又は有機酸(酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸及びアルキルリン酸等)で中和することにより得られる化合物が使用でき、第1級アミンとしては、炭素数2〜21であるモノアルキルアミン(エチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン及びヘンイコシルアミン等)等が挙げられる。
【0055】
第2級アミン塩型カチオン性界面活性剤としては、第2級アミンを無機酸(塩酸、硝酸、硫酸及びヨウ化水素酸等)又は有機酸(酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸及びアルキルリン酸等)で中和することにより得られる化合物が使用でき、第2級アミンとしては、炭素数2〜20の脂肪族2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルプロピルアミン、メチルペンチルアミン及びエチルオクタデシルアミン)及びモノアルキルアミンが有する窒素原子に結合した1つの水素原子にアルキレンオキサイドを付加したアミン等が挙げられる。
【0056】
第3級アミン塩型カチオン性界面活性剤としては、第3級アミンを無機酸(塩酸、硝酸、硫酸及びヨウ化水素酸等)又は有機酸(酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸及びアルキルリン酸等)で中和することにより得られる化合物が使用でき、第3級アミンとしては、炭素数6〜20の脂肪族3級アミン(トリエチルアミン、エチルジメチルアミン及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等)、脂環式アミン[N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン及び1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン等]、含窒素ヘテロ環芳香族アミン(4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール及び4,4’−ジピリジル等)、水酸基含有第3級アミン(トリエタノールアミンモノステアレート等)及び第2級アミンが有する窒素原子に結合した1つの水素原子にアルキレンオキサイドを付加したアミン等が挙げられる。
【0057】
第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤としては、第3級アミンを公知の4級化剤[ハロゲン化アルキル(メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド及びベンジルクロライド等)、ジメチル硫酸、ジメチルカーボネート及びアルキレンオキサイド等]を用いて4級化したアミン等があげられ、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ジオクチルジメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム(塩化ベンザルコニウム)、塩化セチルピリジニウム及びポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0058】
なお、第1級〜第3級アミン塩型カチオン性界面活性剤としては、上記の他に「新・界面活性剤入門」[藤本武彦著、三洋化成工業(株)発行(1996年)、P70−74]に記載のソロミンA型カチオン界面活性剤、サパミンA型界面活性剤、アーコベルA型界面活性剤及びイミダゾリン型界面活性剤等も用いることができ、第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤としては、上記の他に「新・界面活性剤入門」[藤本武彦著、三洋化成工業(株)発行(1996年)、P74−81]に記載のソロミンA型4級アンモニウム塩及びピリジニウム塩等も用いることができる。
【0059】
これらのうち、好ましくは第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤であり、更に好ましくは、ポリオキシエチレン(分子量:120〜1,200)ジデシルメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレン(分子量:120〜1,200)ラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレン(分子量:120〜1,200)ラウリルジメチルアンモニウムメチル硫酸塩、トリプロピレングリコールステアリルアンモニウムクロライド、アミンステアリルPGトリモニウムクロリド及びベヘニルPGトリモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0060】
ベタイン型両性界面活性剤(B2)は、第4級アンモニウム塩であるカチオン部分とカルボン酸塩であるアニオン部分を有する両性界面活性剤であり、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等が挙げられる。これらのうち好ましいものは2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインである。
【0061】
本発明の洗浄剤組成物がカチオン性界面活性剤(B1)及び/又はベタイン型両性界面活性剤(B2)を含む場合、洗浄性等の観点から、洗浄剤組成物において、環状ポリエーテルエステル化合物(A)に由来するエーテル結合の合計数と、カチオン性界面活性剤(B1)及びベタイン型両性界面活性剤(B2)に由来する窒素原子の合計数との比が1:1000〜1000:1であることが好ましい。
【0062】
本発明の洗浄剤組成物がカチオン性界面活性剤(B1)及び/又はベタイン型両性界面活性剤(B2)を含む場合、洗浄剤組成物中に含まれるカチオン性界面活性剤(B1)及びベタイン型両性界面活性剤(B2)が有する窒素原子の合計数と、環状ポリエーテルエステル化合物(A)が有するエーテル結合の合計数との比は、洗浄剤組成物中に含まれる環状ポリエーテルエステル化合物(A)の重量と、カチオン性界面活性剤(B1)及び/又はベタイン型両性界面活性剤(B2)との重量を調整することで好ましい範囲にすることができる。
【0063】
本発明の洗浄剤組成物は、環状ポリエーテルエステル化合物(A)を含有していればよく、環状ポリエーテルエステル化合物(A)を洗浄剤組成物の合計重量に基づいて0.1〜99.9重量%有することが好ましい。
【0064】
本発明の洗浄剤組成物がカチオン性界面活性剤(B1)及び/又はベタイン型両性界面活性剤(B2)を含む場合、本発明の洗浄剤組成物が含む環状ポリエーテルエステル化合物(A)とカチオン性界面活性剤(B1)とベタイン型両性界面活性剤(B2)との合計重量は、洗浄剤組成物の合計重量に基づいて0.1〜99.9重量%であることが好ましい。
【0065】
本発明の洗浄剤組成物について、洗浄力向上の観点から、カチオン性界面活性剤(B1)及び/又はベタイン型両性界面活性剤(B2)を含有することが好ましい。4級窒素原子はエーテル結合に含まれる酸素原子に配位することが知られており、同様のことが本発明の洗浄剤組成物中においても起こると考えられる。
環状ポリエーテルエステル化合物(A)のエーテル結合にカチオン性界面活性剤(B1)及び/又はベタイン型両性界面活性剤(B2)が有する窒素原子が配位すると環状ポリエーテルエステル化合物(A)の親油性の程度と水への溶解性が変化し、洗浄剤組成物の汚れに対する吸着性と洗浄液への分散性が良好になるためと洗浄剤組成物の洗浄性が良好になるものと推測される。
【0066】
非イオン性界面活性剤(B3)としては、アルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤、多価アルコール型非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
アルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤としては、高級アルコール(炭素数10〜18)アルキレン(炭素数2〜4、好ましくは2〜3)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜50)付加物、アルキル(炭素数1〜12)フェノールEO(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物、脂肪酸(炭素数8〜18)EO(活性水素1個当たりの付加モル数1〜30)付加物、ポリプロピレングリコール(分子量200〜4000)EO(活性水素1個当たりの付加モル数1〜50)付加物およびポリオキシエチレン(活性水素1個当たりの付加モル数3〜30)アルキル(炭素数6〜20)アリルエーテル、ソルビタンモノラウレートEO(付加モル数1〜30)付加物、ソルビタンモノオレートEO(付加モル数1〜30)付加物などの多価(2〜8価またはそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステルEO付加物(活性水素1個あたりの付加モル数1〜30)などが挙げられる。
【0067】
多価アルコール型非イオン性界面活性剤としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等の多価(2〜8価またはそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステル、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
【0068】
本発明の洗浄剤組成物に併用するアルキレンオキサイド付加型非イオン性界面活性剤として、生分解性の観点から高級アルコール(炭素数10〜18)アルキレン(炭素数2〜4、好ましくは2〜3)オキサイド(活性水素1個当たりの付加モル数1〜50)付加物が好ましい。具体的にはデシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、又はオクタデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物、またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物が更に好ましい。
【0069】
アニオン性界面活性剤(B4)としては、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸(塩)[(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテル硫酸エステル塩[(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホコハク酸エステル塩[モノ又はジアルキルスルホコハク酸エステルジ又はモノナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)モノ又はジアルキルスルホコハク酸エステルジ又はモノナトリウム等]、(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、炭素数8〜24の炭化水素基を有するリン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩(ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等)、アシル化アミノ酸塩(ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等)等が挙げられる。
【0070】
本発明の洗浄剤組成物に併用するアニオン性界面活性剤としては、生分解性の観点から、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸(塩)[(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテル硫酸エステル塩[(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム等]、(ポリ)オキシエチレン(繰り返し単位数1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、脂肪酸塩(ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等)、アシル化アミノ酸塩(ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等)が好ましい。
【0071】
本発明の洗浄剤組成物に含まれる成分としては、環状ポリエーテルエステル化合物(A)以外に制限はないが、貯蔵安定性及び環境への負荷等の観点から、水を含有させてもよい。本発明の洗浄剤組成物に水及び/又は有機溶剤を含有させる場合の水及び有機溶剤の含有率は、洗浄剤組成物の合計重量に基づいて、好ましくは1〜99重量%である。
【0072】
本発明の洗浄剤組成物に含んでもよい水としては、蒸留水、逆浸透水及び脱イオン水等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物に含んでもよい有機溶剤として好ましいものとしては、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等のアルコールが挙げられる。
【0073】
本発明の洗浄剤組成物は、取り扱い性等の観点から、粘度が10〜30,000mPa・sであることが好ましい。洗浄剤組成物に含まれる環状ポリエーテルエステル化合物(A)の量、水及び有機溶剤の量等を調製することで粘度を好ましい範囲にすることができる。
【0074】
本発明の洗浄剤組成物は、必要により、更に公知のその他の成分、例えば特開2004−27181号公報に記載のビルダー、キレート剤、酵素、消泡剤、蛍光増白剤、漂白剤、柔軟剤、除菌剤、香料及び着色剤等を含有してもよい。
【0075】
公知のその他の成分を含む場合、好ましいその他の成分として、ビルダーとしては、ポリカルボン酸塩(アクリル酸塩ホモポリマー及びマレイン酸塩ホモポリマー等)、多価カルボン酸塩(クエン酸及びリンゴ酸等)、及びアルカリビルダー(苛性ソーダ、ソーダ灰、アンモニア、トリエタノールアミン、トリポリリン酸ソーダ及びケイ酸ソーダ等)等が、キレート剤としては、クエン酸塩、リンゴ酸塩、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸ナトリウム等の多価カルボン酸塩が挙げられる。
【0076】
本発明の洗浄剤組成物が界面活性剤(B1)〜(B4)及びその他の成分を含む場合、それらの含有率は、液体洗浄剤組成物の合計重量に基づいて、洗浄性及び起泡性の観点から好ましくは80重量%以下であり、更に好ましくは50重量%以下であり、その他の成分のうち、キレート剤及びアルカリ剤の含有率は、洗浄剤組成物の合計重量に基づいて、好ましくは10重量%以下である。酵素、除菌剤、香料及び着色剤の含有率は、洗浄剤組成物の全重量に基づいて、好ましくは5重量%以下である。
【0077】
本発明の洗浄剤組成物は、環状ポリエーテルエステル化合物(A)及び化合物(A)以外の成分を公知の混合装置で均一に混合することで得ることができ、混合の順番に制限はない。例えば、撹拌機及び加熱冷却装置を備えた混合槽で10〜50℃で均一になるまで攪拌して製造することで得ることができる。
【0078】
本発明の洗浄剤組成物を食器用又は台所用の液体洗浄剤組成物として使用する場合、本発明の洗浄剤組成物をスポンジ等(好ましくは水を含む)に染み込ませ、食器、食品調理用器具、キッチンシンク、ガスレンジ及び換気扇等に前記スポンジ等を直接接触させて洗浄する方法や、本発明の洗浄剤組成物をスプレー等で吹き付けて洗浄する方法等に適用できる。
【実施例】
【0079】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例中の部は重量部を示す。
【0080】
<製造例1>
「キョーワード300」〔化学式:2.5MgO・Al
2O
3 ・nH
2O(nは正数)、協和化学工業(株)製〕を電気炉にて窒素気流下900℃で24時間加熱処理し、焼成物を調整した。
【0081】
<製造例2>
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン30部[東京化成工業(株)製]と製造例1で得られた焼成物1部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド27.5部を150℃にて、10時間かけて圧入した。その後、10時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物(A)を含有する混合物(PA−1)を得た。
得られた混合物(PA−1)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A−1)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−1)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−1)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=5である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0082】
<製造例3>
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、製造例2で得られた環状ポリエーテルエステル化合物5部と製造例1で得られた焼成物2部、及びキシレン25部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド45.4部を150℃にて、10時間かけて圧入した。その後、10時間熟成し、環状化合物(A)を含有する混合物(PA−2)を得た。
得られた混合物(PA−2)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A−2)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−2)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−2)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=100である本発明の環状化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状化合物と3個有する環状化合物とを含有する混合物であった。
【0083】
<製造例4>
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、製造例2で得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−1)30部と製造例1で得られた焼成物1部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド28.7部を150℃にて、10時間かけて圧入した。その後、10時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA−3)を得た。
得られた混合物(PA−3)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A−1)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−3)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−3)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=15である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0084】
<製造例5>
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、製造例3で得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−2)10部と製造例1で得られた焼成物1部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド37.9部を150℃にて、10時間かけて圧入した。その後、10時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA−4)を得た。
得られた混合物(PA−4)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A−1)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−4)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−4)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=500である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状化合物環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0085】
<製造例6>
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、製造例4で得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−3)20部と製造例1で得られた焼成物3部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド24.4部を150℃にて、5時間かけて圧入後、10時間熟成した。次いでプロピレンオキサイド12.8部を5時間かけて圧入後、10時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA−5)を得た。
得られた混合物(PA−5)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A−5)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−5)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−5)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=50(EO40モル,PO10モル)である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0086】
<製造例7>
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン20部[東京化成工業(株)製]と製造例1で得られた焼成物3部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(モル比4/1)混合物39部を150℃にて、10時間かけて圧入後、10時間熟成した。次いでオートクレーブから反応混合物41.0部を抜き取り、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(モル比4/1)混合物52.9部を10時間かけて圧入後、10時間熟成することで環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA−6)を得た。
得られた混合物(PA−6)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A−6)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−6)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−6)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=50(EO40モル,PO10モル)である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0087】
<製造例8>
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、製造例4で得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−3)20部と製造例1で得られた焼成物5部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド19.5部を150℃にて、10時間かけて圧入後10時間熟成し、プロピレンオキサイド25.7部を10時間かけて圧入した。10時間熟成させた後、オートクレーブから反応混合物26.9部抜き取り、続いでエチレンオキサイド20.7部を150℃にて、15時間かけて圧入後、10時間熟成することで環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA−7)を得た。
得られた混合物(PA−7)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A−7)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−7)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−7)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=90(EO70モル,PO20モル)である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0088】
<製造例9>
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、γ−ブチロラクトン30部[東京化成工業(株)製]と製造例1で得られた焼成物5部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、プロピレンオキサイド50.5部を150℃にて、10時間かけて圧入後、10時間熟成した。次いでオートクレーブから反応混合物54.1部抜き取り、続いてプロピレンオキサイド43.5部を150℃にて、15時間かけて圧入後、10時間熟成した。その後、オートクレーブから反応混合物34.2部抜き取り、続いてエチレンオキサイド55.2部を150℃にて、15時間かけて圧入後、10時間熟成することで環状ポリエーテルエステル化合物を含有する混合物(PA−8)を得た。
得られた混合物(PA−8)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状ポリエーテルエステル化合物(A−8)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−8)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−8)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=55(EO40モル,PO15モル)である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0089】
<製造例10>
攪拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、γ−ブチロラクトン30部[東京化成工業(株)製]と製造例1で得られた焼成物1部を投入した。窒素通気を1時間行った後、減圧(ゲージ圧−0.1MPa)した。次いで150℃に昇温し、エチレンオキサイド30.7部を150℃にて、10時間かけて圧入した。その後、10時間熟成し、環状ポリエーテルエステル化合物(A)を含有する混合物(PA−9)を得た。
得られた混合物(PA−9)を50℃まで冷却し、エタノール100部を加えて50℃に温調した後、濾過助剤であるラヂオライト#700[昭和化学工業(株)製]5部及びキョーワード600[協和化学工業(株)製]5部を層状に充填した吸引漏斗で濾過して触媒を濾別した。次いで、エタノールを減圧留去し、環状化合物(A−1)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−9)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−9)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=2である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0090】
<製造例11>
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部(1モル)、「キョーワード500」[協和化学工業(株)製:Mg
6 Al
2 (OH)
16 CO
3 ・4H
2 O]24.2部(0.04モル)及び過塩素酸アルミニウム九水和物1部(0.002モル)を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで180℃まで昇温し、180℃でゲージ圧が1〜5kgf/cm
2 の範囲に入るように調整しながらエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)88部(2モル)をオートクレーブ内に導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.13kgf/cm
2Gになるまで撹拌を継続した。その後、水酸化カリウム0.3部を追加して、更にEO176部(4モル)を180℃でゲージ圧が1〜5kgf/cm
2 となるように導入した。EO全量を導入した後、圧力が0.13kgf/cm
2Gになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとEOとの反応を行った。EOの付加反応に要した合計時間は8時間であった。その後、EOの付加反応で得られた反応混合物から触媒をろ別して、環状ポリエーテルエステル組成物(A−10)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−10)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−10)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=6である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0091】
<製造例12>
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部(1モル)、「キョーワード500」24.2部(0.04モル)、及び過塩素酸アルミニウム九水和物1部(0.002モル)を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで150℃に温調し、150℃でゲージ圧が1〜3kgf/cm
2Gとなるように調整しながらプロピレンオキサイド61部(1.05モル)をオートクレーブ内に導入した。PO全量を導入した後、圧力が0.13kgf/cm
2Gになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとPOとの反応を行った。POの付加反応に要した時間は12時間であった。次いで180℃に温調し、180℃でゲージ圧が1〜3kgf/cm
2 となるように調整しながらエチレンオキサイド220部(5モル)をオートクレーブ内に導入した。EO全量を導入した後、更に圧力が0.13kgf/cm
2Gになるまで撹拌を継続してEOの反応を行った。EOの付加反応に要した時間は7時間であった。EOの付加反応を終えて得られた反応混合物から触媒をろ別し、環状ポリエーテルエステル組成物(A−11)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−11)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−11)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=6(EO5モル、PO1モル)である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0092】
<製造例13>
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに、15−ペンタデカノラクトン240部(1モル)、「キョーワード500」〔協和化学工業(株)製:Mg
6 Al
2 (OH)
16 CO
3 ・4H
2 O〕24.2部(0.04モル)を入れて密閉した後、減圧下で160℃にて3時間加熱し、脱水処理した。次いで180℃に温調し、180℃でゲージ圧が1〜5kgf/cm
2 の範囲に入るように調整しながらEO264部(6モル)をオートクレーブ内に導入した。EO全量を投入した後、圧力が0.13kgf/cm
2Gになるまで撹拌を継続して15−ペンタデカノラクトンとEOとの反応を行った。EOの付加反応に要した時間は10時間であった。その後、EOの付加反応で得られた反応混合物から触媒をろ別して、環状ポリエーテルエステル組成物(A−12)を得た。
得られた環状ポリエーテルエステル化合物(A−12)について、MALDI−TOF MS[MALDI質量分析装置AXIMA−Performance、(株)島津製作所製、以下同様]による分析を行った結果、環状ポリエーテルエステル化合物(A−12)は、一般式(1)において、R
1がペンタメチレン基であり、R
2がメチルエチレン基であり、n=6である本発明の環状ポリエーテルエステル化合物と、更に[R
1CO(OR
2)
nO]で表される繰り返し単位を2個有する環状ポリエーテルエステル化合物と3個有する環状ポリエーテルエステル化合物とを含有する混合物であった。
【0093】
<製造例14>
特開2013−122047号公報の製造例1と同様にしてn−ヘキサデシルアミンにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドが付加した比較用の洗浄剤組成物に用いる非イオン性界面活性剤(B3−1)を得た。
【0094】
<製造例15>
撹拌装置及び温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブに1−テトラデカノール73.6部及び水酸化カリウム2.0部を投入し、窒素置換後密閉し、140℃に昇温した。撹拌した、140℃にて圧力が0.5MPa以下になるように調整しながら、プロピレンオキサイド229.6部を10時間かけて滴下し、3時間熟成後、エチレンオキサイド696.8部を15時間かけて滴下し、5時間熟成することで、非イオン性界面活性剤1−テトラデカノールプロピレンオキサイド・エチレンオキサイド付加物(B3−2)を得た。
【0095】
<実施例1〜39、比較例1〜5>
洗浄剤組成物を構成する原料を、表1に記載した量で撹拌機と温度調節機能とを備えた混合槽に投入し、20〜30℃で10分間撹拌して洗浄剤組成物(実施例1〜39、比較例1〜5)を作製した。
なお、表1に記載のカチオン性界面活性剤(B1−1)としては、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド[三洋化成工業(株)製]を用い、ベタイン型両性界面活性剤(B2−1)としては、レボン105[三洋化成工業(株)製、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインを34重量%含む]、アニオン性界面活性剤(B4−1)としては、サンテッド[三洋化成工業(株)製]であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムをそれぞれ用いた。
【0096】
実施例1〜39及び比較例1〜5の洗浄剤組成物について、以下の方法で硬水中での洗浄性を評価し、その結果を表1に示した。
【0097】
【表1】
【0098】
(硬水中での洗浄性)
実施例1〜39、比較例1〜5の洗浄剤組成物それぞれ0.3gをJIS K 0101:1998工業用水試験法に記載の方法で測定される全硬度が71である硬水999.7gに溶解させた溶液に、表2に示した汚垢組成を有する財団法人洗濯科学協会製の湿式人工汚染布10枚を投入し、ターゴトメーター[(株)大栄科学精器製作所製]を用いて以下の条件で洗浄及びすすぎをした後、布を取り出し、ギヤーオーブン「GPS−222」[エスペック(株)製]を用いて70℃で60分間乾燥し、試験布を得た。次いで、分光式色差計「SpectroPhotometer SD5000」[日本電色工業(株)製]を使用して、この試験布の540nmの反射率を、試験布1枚ごとに表裏1個所ずつ計2個所(合計20個所)測定し、その平均値を求め、以下の(計算式1)で洗浄率(%)を算出した。洗浄率が高いほど、洗浄性に優れることを示す。
[洗浄条件]
時間:10分、温度:25℃、回転速度:85rpm
[すすぎ条件]
時間:1分、温度:25℃、回転速度:85rpm
洗浄率(%)=[(RW−RS)/(RI−RS)]×100 (計算式1)
上記の(計算式1)中、RIは清浄布の反射率、RWは洗浄布の反射率、RSは汚染布の反射率を示す。また、使用した人工汚染布は、表2の汚垢組成を有する財団法人洗濯科学協会製の湿式人工汚染布(540nmにおける反射率が40±5%)である
【0099】
【表2】
<生分解性試験>
実施例1〜12及び比較例4の洗浄剤組成物それぞれ1gを水999gに溶解させた溶液について、生物化学的酸素消費量(BOD)および化学的酸素消費量(COD)を測定した。生物化学的酸素消費量(BOD)はJIS K0102−17、化学的酸素消費量(COD)はJIS K0102−21及び32.2にそれぞれ従い求めた。生分解度を以下の式(5)により求め、生分解性を評価した。
生分解度(%)=(BOD/COD)×100 (5)
表3には、生分解度60%以上を○、60%未満を×で表した。
【0100】
【表3】