(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
【0028】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
【0029】
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0030】
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(
図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(
図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(
図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(
図3を参照)が内蔵されている。
【0031】
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(
図3を参照)が設けられていればよい。
図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
【0032】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
【0033】
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0034】
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
【0035】
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
【0036】
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
【0037】
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
【0038】
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0039】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
【0040】
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
【0041】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0042】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
【0043】
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
【0044】
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0045】
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
【0046】
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0047】
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0048】
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、第1保留記憶表示部9aと第2保留記憶表示部9bとに代えて、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるように構成してもよい。
【0049】
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
【0050】
また、
図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
【0051】
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
【0052】
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0053】
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
【0054】
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0055】
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0056】
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この実施の形態では、時短状態に移行)する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
【0057】
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0058】
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
【0059】
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
【0060】
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
【0061】
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、
図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
【0062】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定のバックアップ期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
【0063】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0064】
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0065】
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
【0066】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
【0067】
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
【0068】
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
【0069】
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
【0070】
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ125や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(
図3参照)、
図2では図示を省略している。
【0071】
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、
図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
【0072】
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
【0073】
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
【0074】
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
【0075】
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
【0076】
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。
図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、
図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
【0077】
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
【0078】
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
【0079】
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
【0080】
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定の演出期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0081】
次に、遊技機の動作について説明する。
図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0082】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
【0083】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
【0084】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0085】
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0086】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
【0087】
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(
図13参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
【0088】
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
【0089】
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
【0090】
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
【0091】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0092】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
【0093】
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
【0094】
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
【0095】
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
【0096】
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0097】
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0098】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、
図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0099】
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
【0100】
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
【0101】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0102】
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0103】
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
【0104】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0105】
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0106】
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
【0107】
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
【0108】
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
【0109】
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
【0110】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0111】
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。
図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−2の変動パターンが用意されている。このうち、非リーチPA1−1は、リーチを伴わず且つ擬似連や滑り演出も伴わない変動パターンであって、短縮変動でない通常変動用の変動パターン(本例では、変動時間12.50秒)である。また、非リーチPA1−2は、リーチを伴わず且つ擬似連や滑り演出も伴わない変動パターンであって、通常変動よりも変動時間が短い短縮変動用の変動パターン(本例では、変動時間2.00秒)である。
【0112】
なお、この実施の形態では、
図6に示すように、非リーチはずれとなる場合には擬似連や滑り演出を伴う変動パターンが含まれない場合を示しているが、非リーチはずれとなる場合にも擬似連や滑り演出を伴う変動パターンを設けるように構成してもよい。
【0113】
また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、
図6に示すように、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
【0114】
また、
図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、
図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、
図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
【0115】
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
【0116】
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
【0117】
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、
図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、
図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。
図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
【0118】
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、
図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、
図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、
図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
【0119】
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が
図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が
図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、
図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、
図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0120】
なお、この実施の形態では、
図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
【0121】
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、
図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、
図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
【0122】
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、
図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
【0123】
この実施の形態では、
図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
【0124】
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
【0125】
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
【0126】
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS169,S170参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および時短状態が継続する(ステップS132参照)。
【0127】
なお、突然確変大当りの態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや突然確変大当りと同じ15回(15ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
【0128】
なお、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
【0129】
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
【0130】
図9(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0131】
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0132】
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる
図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる
図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
【0133】
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
【0134】
なお、
図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
【0135】
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
【0136】
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
【0137】
また、
図9(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、
図9(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
【0138】
図10(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、
図10(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、
図10(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、
図10(C)は、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0139】
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−2、ノーマルCA2−3〜ノーマルCA2−4、スーパーCA2−5の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0140】
なお、
図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
【0141】
また、
図10(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜89であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されること(非リーチCA2−1の変動パターン種別となることから、後述する
図12に示すように非リーチ通常変動の非リーチPA1−1の変動パターンとなること)がわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(
図10(A),(B)に示す例では1〜89)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
【0142】
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
【0143】
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
【0144】
図13および
図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図13および
図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、
図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
【0145】
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
【0146】
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
【0147】
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
【0148】
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
【0149】
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
【0150】
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
【0151】
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。また、A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
【0152】
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
【0153】
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
【0154】
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
【0155】
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
【0156】
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
【0157】
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
【0158】
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
【0159】
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
【0160】
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
【0161】
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(
図22参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
【0162】
図15は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図15に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
【0163】
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
【0164】
図16および
図17は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。
図16および
図17に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
【0165】
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜89となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜89となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜89の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−5の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ7コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−5となることを認識することができる。
【0166】
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値89、99、169、199、214および229は、具体的には、
図10(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ8〜9,21〜29についても同様であり、
図9(A)〜(D)や
図10(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
【0167】
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態または時短状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−2の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−5の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。
【0168】
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−5の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−5の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
【0169】
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
【0170】
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
【0171】
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
【0172】
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
【0173】
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−5およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(
図9、
図10参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−5またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になるとの入賞時判定結果にもとづいて先読み予告演出の一種である保留予告演出が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−5およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、
図16および
図17に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ7コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−5およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
【0174】
なお、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、後述するように、始動入賞が発生したときに先読み予告演出の一種である保留予告演出の実行を決定すると、保留表示を通常態様(本例では、白色の丸形表示)とは異なる特別表示態様(本例では、青色や赤色の丸形表示)に最終的に変化させる保留予告演出を実行する。なお、この実施の形態では、保留予告演出を実行する場合、保留表示が通常態様から特別表示態様に直接変化するのではなく、保留表示が特殊表示態様(本例では、三角形表示や矩形表示)に一旦変化し、その後の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて予告対象の保留表示がいずれかの特別表示態様に変化する演出が実行される場合がある。以下、通常態様により表示された保留表示を「通常保留」ともいい、特殊表示態様により表示された保留表示を「特殊保留」ともいう。また、特別表示態様のうちの青色の表示色により表示された保留表示を「青色保留」ともいい、赤色の表示色により表示された保留表示を「赤色保留」ともいう。
【0175】
なお、先読み予告演出の演出態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、保留予告演出に加えて、例えば、先読み予告演出として、複数変動にわたって連続してチャンス目図柄などの特殊表示結果を停止表示させる演出を実行したり、複数変動にわたってカウントダウンするような態様の演出を実行したり、背景画面が変化するような態様で演出モードを変更する演出を実行したりするなど、様々な態様が考えられる。
【0176】
また、この実施の形態では、保留表示の表示態様のみを変化可能に保留予告演出を実行する場合を示しているが、例えば、保留表示の表示態様を引き継いだ表示態様により現在実行中の変動表示に対応したアクティブ表示を表示可能に構成されている遊技機において、保留表示が消化されて予告対象の変動表示が実行中となった場合であっても、そのアクティブ表示の表示態様も変更可能に構成してもよい。
【0177】
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、
図13および
図14に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
【0178】
図18および
図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
【0179】
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
【0180】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
【0181】
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
【0182】
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
【0183】
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
【0184】
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(
図30参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
【0185】
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
【0186】
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
【0187】
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0188】
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
【0189】
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
【0190】
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0191】
図20は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、
図20(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、
図20(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【0192】
まず、
図20(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
【0193】
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(
図21参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
【0194】
図21は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。
図21に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
【0195】
次いで、CPU56は、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1215A)。セットされていれば、そのままステップS1220Aに移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS1216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU56は、そのままステップS1220Aに移行する。
【0196】
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220A)。
【0197】
なお、ステップS1218A,S1219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
【0198】
また、この実施の形態では、ステップS1218A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
【0199】
ただし、ステップS1215AまたはステップS1216AでYと判定したことによりステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、ステップS1220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行わない。なお、ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
【0200】
また、この実施の形態では、ステップS1215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が通常状態である場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、ステップS1216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。なお、大当り遊技状態である場合にのみステップS1217Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはステップS1217Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
【0201】
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305参照)から大当り終了処理(ステップS307参照)までの処理が実行されている状態である。
【0202】
次に、
図20(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
【0203】
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(
図21参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
【0204】
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1217B)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220B)。
【0205】
なお、ステップS1218B,S1219Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してステップS1217Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
【0206】
また、この実施の形態では、ステップS1218B〜S1220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してステップS1217Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
【0207】
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1215Aと同様の処理を行い、時短状態(確変状態とともに時短状態に制御されている場合も含む)であればステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、通常状態である場合にのみステップS1217Bの入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、後述するように、時短状態であるときには第2保留記憶に対してのみ先読み予告演出を実行するのであるから、逆に時短状態である場合にのみステップS1217Bの入賞時演出処理を実行して図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにし、通常状態である場合にはステップS1217Bの入賞時演出処理を実行せず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。
【0208】
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1216Aと同様の処理を行い、大当り遊技中であればステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(すなわち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。そのように構成すれば、先読み予告演出がある程度の期間実行される場合に、変動時間が短くて先読み予告演出が途中で途切れてしまうことを確実に防止することができる。
【0209】
図22は、ステップS1217A,S1217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する保留予告演出を実行する。
【0210】
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
【0211】
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、
図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、
図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
【0212】
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
【0213】
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
【0214】
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、
図16および
図17に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
【0215】
例えば、CPU56は、遊技状態が確変状態または時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(
図16参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(
図16参照)。
【0216】
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値89以下であるか否かを判定し、閾値89以下である場合(すなわち、1〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(
図16参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(
図16参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(
図16参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(
図16参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(
図16参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(
図16参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(
図16参照)。
【0217】
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値89以下であるか否かを判定した後に、閾値99以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜89の範囲内となることはなく、90〜99の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99および89と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
【0218】
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
【0219】
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
【0220】
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(
図17参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
【0221】
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、
図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、
図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
【0222】
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
【0223】
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
【0224】
例えば、CPU56は、「通常大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(
図17参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(
図17参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(
図17参照)。
【0225】
また、例えば、CPU56は、「確変大当り」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(
図17参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(
図17参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(
図17参照)。
【0226】
また、例えば、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(
図17参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(
図17参照)。
【0227】
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1214A,S1214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
【0228】
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(
図9、
図10参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
【0229】
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、
図16および
図17に示すような「00(H)」〜「08(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
【0230】
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する保留予告演出を実行するようにしてもよい。
【0231】
図23および
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
【0232】
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
【0233】
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14への入賞順に第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行するように構成してもよい。
【0234】
なお、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、
図22に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、確変状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
【0235】
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
【0236】
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
【0237】
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
【0238】
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
【0239】
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
【0240】
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
【0241】
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
【0242】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(
図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
【0243】
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態や時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における
図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における
図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
【0244】
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
【0245】
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(
図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、
図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、
図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
【0246】
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
【0247】
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、
図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、
図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
【0248】
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、
図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
【0249】
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
【0250】
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
【0251】
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
【0252】
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
【0253】
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(
図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
【0254】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(
図9(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
【0255】
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を確変状態や時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
【0256】
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(
図10(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
【0257】
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(
図10(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
【0258】
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば(この実施の形態では、確変状態に移行される場合には必ず時短状態にも移行されるので(ステップS169,S170参照)、ステップS95でYと判定された場合には、確変状態の場合と時短状態のみに制御されている場合とがある)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(
図10(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
【0259】
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、
図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が確変状態または時短状態である場合には、
図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−2が決定される場合があり、非リーチCA2−2の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(
図12参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(
図10(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(
図10(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
【0260】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
【0261】
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(
図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(
図12参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
【0262】
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
【0263】
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
【0264】
図26は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(
図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
【0265】
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
【0266】
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
【0267】
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
【0268】
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
【0269】
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
【0270】
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」または「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
【0271】
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
【0272】
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
【0273】
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。また、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りのラウンド時間と同じ0.1秒が、小当り遊技における大入賞口の1回あたりの開放時間としてセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
【0274】
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
【0275】
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「通常大当り」または「確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
【0276】
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
【0277】
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。
【0278】
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS170)。
【0279】
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
【0280】
図30は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
【0281】
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。
【0282】
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図31は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0283】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
【0284】
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
【0285】
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
【0286】
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
【0287】
図32は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
【0288】
図33〜
図35は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0289】
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
【0290】
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
【0291】
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
【0292】
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
【0293】
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS622)。
【0294】
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS624)。
【0295】
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS626)。ただし、遊技状態が確変状態や時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態中である場合には、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが送信されず、第1保留記憶数加算指定コマンドのみが送信される場合もある(ステップS1215A〜S1219A参照)ので、その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
【0296】
また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて通常態様(本例では、白色の丸形表示)により保留表示を1つ増加させて、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留記憶数表示を更新する(ステップS627)。また、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS628)。
【0297】
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS630)。
【0298】
また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて通常態様(本例では、白色の丸形表示)により保留表示を1つ増加させて、第2保留記憶表示部9bにおける第2保留記憶数表示を更新する(ステップS631)。また、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS632)。
【0299】
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおける保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留記憶数表示を更新する(ステップS634)。また、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS635)。
【0300】
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS636)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおける保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、第2保留記憶表示部9bにおける第2保留記憶数表示を更新する(ステップS637)。また、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS638)。
【0301】
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS639)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS640)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS641)。
【0302】
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS642)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS643)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS644)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグをリセットする(ステップS645)。
【0303】
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS646)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS647)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS648)。
【0304】
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS649)、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS650)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652)。
【0305】
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS653)。例えば、受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば大当り開始指定コマンド受信フラグをセットし、受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする。そして、ステップS611に移行する。
【0306】
図36は、
図31に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、保留予告演出の有無や変化パターンを設定する保留予告演出設定処理を実行する(ステップS800A)。
【0307】
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
【0308】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
【0309】
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
【0310】
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
【0311】
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0312】
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0313】
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
【0314】
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0315】
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0316】
図37は、保留予告演出設定処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。保留予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のセット)を新たに受信したか否かを確認する(ステップS6001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。
【0317】
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6002)。確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされていれば(すなわち、確変状態または時短状態であれば)、そのまま処理を終了する。
【0318】
確変状態フラグおよび時短状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、演出制御用CPU101は、新たに受信した保留記憶数加算指定コマンド(始動入賞時コマンド格納領域に新たに格納された保留記憶数加算指定コマンド)が第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS6003)。第1保留記憶数加算指定コマンドを新たに受信した場合でなければ(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドを新たに受信した場合であれば)、そのまま処理を終了する。
【0319】
ステップS6002,S6003の処理が実行されることによって、この実施の形態では、遊技状態が通常状態に制御されているときに第1始動入賞口13への始動入賞が新たに発生した場合にのみ、ステップS6004以降の処理が実行され、保留予告演出を実行することが可能に構成されている。
【0320】
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、確変状態や時短状態に制御されているときに第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合にも保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
【0321】
また、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14への入賞順に第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行するように構成する場合には、遊技状態が通常状態、確変状態または時短状態であるか否かに関係なく、また第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに対しての始動入賞であるかに関係なく、保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
【0322】
次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数が2以上であるか否かを確認する(ステップS6004)。なお、第1保留記憶数が2以上であるか否かは、例えば、第1保留記憶数保存領域(ステップS628,S635参照)に格納されている第1保留記憶数を確認することにより判定できる。第1保留記憶数が2以上でなければ(すなわち、第1保留記憶数が1であれば)、そのまま処理を終了する。
【0323】
この実施の形態では、保留予告演出を実行する場合、始動入賞時には通常態様により保留表示の表示を開始し、その後、保留シフトのタイミングで保留表示を特殊保留や青色保留、赤色保留に変化させるのであるが、始動入賞のタイミングで第1保留記憶数が1しかないということは、その後、第1保留記憶の保留シフトが行われた場合に直ちにその保留を消化して変動表示が行われるのであるから、保留予告演出を実行する余地がない。そこで、この実施の形態では、ステップS6004で第1保留記憶数が2以上でなければ、保留予告演出を実行できないと判断して、そのまま処理を終了するように構成している。
【0324】
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、始動入賞のタイミングで直ちに青色保留や赤色保留を表示して保留予告演出の実行を開始可能に構成する場合には、第1保留記憶数が1であってもステップS6005以降の処理に移行して保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
【0325】
また、例えば、保留表示の表示態様を引き継いだ表示態様により現在実行中の変動表示に対応したアクティブ表示を表示可能に構成した遊技機である場合には、保留予告演出を実行した後にアクティブ表示の表示態様を変化させることも可能であるので、第1保留記憶数が1であってもステップS6005以降の処理に移行して保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
【0326】
第1保留記憶数が2以上であれば、演出制御用CPU101は、受信した最新の変動カテゴリコマンドおよび第1保留記憶数にもとづいて、最新の保留表示の最終表示態様を決定する(ステップS6005)。ステップS6005では、演出制御用CPU101は、最新の変動カテゴリコマンドおよび第1保留記憶数にもとづいて、最新の保留表示の最終表示態様を決定するための最終表示態様決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した最終表示態様決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、最新の保留表示の最終表示態様を決定する。
【0327】
図38および
図39は、最終表示態様決定テーブルの具体例を示す説明図である。
図38および
図39に示すように、この実施の形態では、最終表示態様決定テーブルにおいて、保留表示の最終表示態様として、通常保留(特殊保留経由なし)、通常保留(特殊保留経由あり)、青色保留、および赤色保留に対して、それぞれ判定値が割り振られている。なお、このうち、「通常保留(特殊保留経由あり)」とは、始動入賞の後の保留シフトのタイミングにおいて特殊保留に一旦変化した後、さらにその後の保留シフトのタイミングで最終的に通常保留に戻るものであり、最終表示態様自体は通常保留であるが保留予告演出は実行されるものである。一方、「通常保留(特殊保留経由なし)」とは、全く特殊保留にも変化することなく、その保留が消化されて保留表示が消去されるまで通常保留のまま変化しないものであり、保留予告演出自体を実行しないものに相当する。
【0328】
なお、第1保留記憶数が2である場合には、始動入賞の後の保留シフトのタイミングで保留表示を変化させる機会は1回しかないのであるから、保留表示を特殊保留に一旦変化させる余地がない。そのため、
図38(A)〜(C)に示す第1保留記憶数「2」用の最終表示態様決定テーブルには、通常保留(特殊保留経由なし)、青色保留、および赤色保留に対してのみ、それぞれ判定値が割り振られ、通常保留(特殊保留経由あり)に対する判定値の割り振りはない。
【0329】
なお、1回の変動表示中に保留表示を複数回変化可能に構成したり、アクティブ表示を表示可能に構成したりする場合には、第1保留記憶数が2である場合であっても、特殊保留を表示可能に構成してもよい。
【0330】
また、
図38および
図39に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリが非リーチはずれ、スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りである場合に、保留予告演出を実行可能に構成されており、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリがそれ以外の変動カテゴリである場合には、演出制御用CPU101は、そのまま保留表示の最終表示態様を「通常保留(特殊保留経由なし)」に決定し、保留予告演出を実行しないことに決定する。
【0331】
演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域(ステップS628,S635参照)に格納されている第1保留記憶数が「2」である場合には、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリが非リーチはずれを示すもの(
図16に示す変動カテゴリ1)であれば、
図38(A)に示す保留2個且つ非リーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリがスーパーリーチはずれを示すもの(
図16に示す変動カテゴリ7)であれば、
図38(B)に示す保留2個且つスーパーリーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリがスーパーリーチ大当りを示すもの(
図17に示す変動カテゴリ23,26)であれば、
図38(C)に示す保留2個且つスーパーリーチ大当り用の最終表示態様決定テーブルを選択する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域(ステップS628,S635参照)に格納されている第1保留記憶数が「3」または「4」である場合には、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリが非リーチはずれを示すもの(
図16に示す変動カテゴリ1)であれば、
図39(D)に示す保留3〜4個且つ非リーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリがスーパーリーチはずれを示すもの(
図16に示す変動カテゴリ7)であれば、
図39(E)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチはずれ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリがスーパーリーチ大当りを示すもの(
図17に示す変動カテゴリ23,26)であれば、
図39(F)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチ大当り用の最終表示態様決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した最終表示態様決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、最新の保留表示の最終表示態様を決定する。
【0332】
図38および
図39に示すように、この実施の形態では、スーパーリーチはずれやスーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれとなる場合と比較して、最終的に通常保留よりも青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなっている。従って、この実施の形態では、保留表示が最終的に青色保留や赤色保留に変化する場合には、最終的に通常保留となる場合と比較して、スーパーリーチに対する期待度(リーチ信頼度)が高くなっている。
【0333】
また、
図38および
図39に示すように、この実施の形態では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に通常保留よりも青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなっている。また、
図38および
図39に示すように、この実施の形態では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に青色保留よりも赤色保留に変化する割合がさらに高くなっている。従って、この実施の形態では、予告対象の保留表示が最終的に赤色保留に変化した場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、最終的に青色保留に変化した場合が次に大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高く、最終的に通常保留であった場合が最も大当りに対する期待度(大当り信頼度)が低くなっている。
【0334】
なお、この実施の形態では、
図38および
図39に示すように、入賞時判定結果が非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ、およびスーパーリーチ大当りとなる場合に保留予告演出を実行可能に構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、ノーマルリーチとなることが特定可能な変動カテゴリがある場合に、入賞時判定結果がノーマルリーチはずれやノーマルリーチ大当りとなることにもとづいて保留予告演出を実行可能に構成してもよい。
【0335】
保留予告演出を実行しないことに決定した場合(ステップS6006のN)、すなわち、最終表示態様として通常保留(特殊保留経由なし)に決定した場合や、変動カテゴリがスーパーリーチはずれやスーパーリーチ大当りを示すものでなかった場合には、そのまま処理を終了する。保留予告演出を実行することに決定した場合(ステップS6006のY)、演出制御用CPU101は、受信した最新の変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数および最終表示態様にもとづいて、予告対象の保留表示の変化パターンを決定する(ステップS6007)。ステップS6007では、演出制御用CPU101は、最新の変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数および最終表示態様にもとづいて、予告対象の保留表示の変化パターンを決定するための変化パターン決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した変化パターン決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、予告対象の保留表示の変化パターンを決定する。
【0336】
図40および
図41は、変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。なお、
図40および
図41において、特殊△とは三角形表示の特殊保留を示しており、特殊□とは矩形表示の特殊保留を示している。
【0337】
演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域(ステップS628,S635参照)に格納されている第1保留記憶数が「2」である場合には、ステップS6005で決定した最終表示態様が青色保留であれば、
図40(A)に示す保留2個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、ステップS6005で決定した最終表示態様が赤色保留であれば、
図40(B)に示す保留2個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
【0338】
図40(A)に示すように、保留2個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルには、変化パターン21が100%の確率で決定されるように判定値が割り振られている。また、
図40(B)に示すように、保留2個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルには、変化パターン22が100%の確率で決定されるように判定値が割り振られている。変化パターン21は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を青色保留に変化させる変化パターンである。また、変化パターン22は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を赤色保留に変化させる変化パターンである。すなわち、第1保留記憶数が「2」であるということは、保留シフトのタイミングが1回しかないので、特殊保留を経由することなく、保留シフトのタイミングでそのまま最終表示態様の青色保留や赤色保留に変化させる。
【0339】
また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域(ステップS628,S635参照)に格納されている第1保留記憶数が「3」である場合には、ステップS6005で決定した最終表示態様が通常保留(特殊保留経由あり)であれば、
図40(C)に示す保留3個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、ステップS6005で決定した最終表示態様が青色保留であれば、
図40(D)に示す保留3個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、ステップS6005で決定した最終表示態様が赤色保留であれば、
図40(E)に示す保留3個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
【0340】
図40(C)に示すように、保留3個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルには、変化パターン31および変化パターン32に対して、それぞれ判定値が割り振られている。変化パターン31は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を三角形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を再び通常保留に変化させる変化パターンである。また、変化パターン32は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を矩形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を再び通常保留に変化させる変化パターンである。
【0341】
また、
図40(D)に示すように、保留3個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルには、変化パターン33および変化パターン34に対して、それぞれ判定値が割り振られている。変化パターン33は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を三角形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を青色保留に変化させる変化パターンである。また、変化パターン34は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を矩形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を青色保留に変化させる変化パターンである。
【0342】
また、
図40(E)に示すように、保留3個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルには、変化パターン35および変化パターン36に対して、それぞれ判定値が割り振られている。変化パターン35は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を三角形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を赤色保留に変化させる変化パターンである。また、変化パターン36は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を矩形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を赤色保留に変化させる変化パターンである。
【0343】
また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域(ステップS628,S635参照)に格納されている第1保留記憶数が「4」である場合には、ステップS6005で決定した最終表示態様が通常保留(特殊保留経由あり)であれば、
図41(F)に示す保留4個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、ステップS6005で決定した最終表示態様が青色保留であれば、
図41(G)に示す保留4個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。また、ステップS6005で決定した最終表示態様が赤色保留であれば、さらに、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリが非リーチはずれまたはスーパーリーチはずれを示すもの(
図16に示す変動カテゴリ1または変動カテゴリ7)であれば、
図41(H)に示す保留4個且つ非リーチはずれ/スーパーリーチはずれ且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択し、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリがスーパーリーチ大当りを示すもの(
図17に示す変動カテゴリ23,26)であれば、
図41(I)に示す保留4個且つスーパーリーチ大当り且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルを選択する。
【0344】
図41(F)に示すように、保留4個且つ通常保留用の変化パターン決定テーブルには、変化パターン401、変化パターン402、変化パターン403および変化パターン404に対して、それぞれ判定値が割り振られている。変化パターン401は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を三角形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を再び通常保留に変化させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま通常保留で表示させる変化パターンである。また、変化パターン402は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を三角形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま三角形表示の特殊保留で表示させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を再び通常保留に変化させる変化パターンである。また、変化パターン403は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を矩形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を再び通常保留に変化させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま通常保留で表示させる変化パターンである。また、変化パターン404は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を矩形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま矩形表示の特殊保留で表示させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を再び通常保留に変化させる変化パターンである。
【0345】
また、
図41(G)に示すように、保留4個且つ青色保留用の変化パターン決定テーブルには、変化パターン405、変化パターン406、変化パターン407および変化パターン408に対して、それぞれ判定値が割り振られている。変化パターン405は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を三角形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を青色保留に変化させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま青色保留で表示させる変化パターンである。また、変化パターン406は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を三角形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま三角形表示の特殊保留で表示させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を青色保留に変化させる変化パターンである。また、変化パターン407は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を矩形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を青色保留に変化させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま青色保留で表示させる変化パターンである。また、変化パターン408は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を矩形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま矩形表示の特殊保留で表示させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を青色保留に変化させる変化パターンである。
【0346】
また、
図41(H),(I)に示すように、保留4個且つ非リーチはずれ/スーパーリーチはずれ且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブル、および保留4個且つスーパーリーチ大当り且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルには、変化パターン409、変化パターン410、変化パターン411、変化パターン412、変化パターン413および変化パターン414に対して、それぞれ判定値が割り振られている。
【0347】
変化パターン409は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を三角形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を赤色保留に変化させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま赤色保留で表示させる変化パターンである。また、変化パターン410は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を三角形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま三角形表示の特殊保留で表示させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を赤色保留に変化させる変化パターンである。また、変化パターン411は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を三角形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を再び通常保留で表示させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を赤色保留に変化させる変化パターンである。また、変化パターン412は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を矩形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を赤色保留に変化させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま赤色保留で表示させる変化パターンである。また、変化パターン413は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を矩形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示をそのまま矩形表示の特殊保留で表示させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を赤色保留に変化させる変化パターンである。また、変化パターン414は、始動入賞時に予告対象の保留表示を通常保留で表示した後、1回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を矩形表示の特殊保留に変化させ、2回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を再び通常保留で表示させ、3回目の保留シフトのタイミングで予告対象の保留表示を赤色保留に変化させる変化パターンである。
【0348】
図41に示すように、この実施の形態では、第1保留記憶数が「4」である場合には、始動入賞時には予告対象の保留表示を通常保留で表示し、1回目の保留シフトのタイミングで特殊保留に変化させ、3回目以降の保留シフトのタイミングで通常保留や青色保留、赤色保留に変化可能に構成されている。従って、この実施の形態では、第1保留記憶表示部9aにおいて予告対象の保留表示が4つ目の位置に表示されているとき(始動入賞後の状態)と3つ目の位置に表示されているとき(1回目の保留シフト後の状態)には、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化することはない。また、
図40(C)〜(E)に示すように、この実施の形態では、第1保留記憶数が「3」である場合にも、始動入賞時には予告対象の保留表示を通常保留で表示するので、第1保留記憶表示部9aにおいて予告対象の保留表示が3つ目の位置に表示されているとき(始動入賞後の状態)には、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化することはない。従って、この実施の形態では、予告対象の保留表示が4つ目および3つ目の位置に表示されている期間においては、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留に変化しにくくなっている。そのため、予告対象の保留表示が早い段階で特殊保留から通常保留に変化して遊技者が落胆することを防止し、保留予告演出を実行する場合の演出効果の低下を防止できるものとなっている。
【0349】
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、始動入賞時に直ちに特殊保留や青色保留、赤色保留を表示可能に構成したり、特殊保留を表示した後に次の保留シフトまで待つことなく直ちに後述する作用演出を実行して特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化可能に構成したりすることにより、予告対象の保留表示が4つ目や3つ目の位置に表示されている期間であっても、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化可能となるように構成してもよい。ただし、このように構成する場合であっても、予告対象の保留表示が4つ目や3つ目の位置に表示されている期間においては、少なくとも予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留に変化する割合が低くなるように構成することが好ましい。
【0350】
また、この実施の形態では、特殊保留が表示された後の保留シフトのタイミングで後述する作用演出が実行可能となり、作用演出が実行されても予告対象の保留表示が特殊保留のまま変化しなかったり、通常保留や青色保留、赤色保留に変化したりする場合がある。例えば、
図41(F)に示す変化パターン401,403では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である。また、例えば、
図41(F)に示す変化パターン402,404では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングでは作用演出が実行されるものの特殊保留のまま変化せず、3回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である。そのように、この実施の形態では、1回の作用演出で特殊保留から通常保留に戻ってしまう場合だけでなく、複数の作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に戻る場合もあるので、保留予告演出を実行する場合の演出効果を向上できるものとなっている。
【0351】
また、
図40(C)〜(E)および
図41(F)〜(I)に示すように、この実施の形態では、特殊保留として三角形表示の特殊保留と矩形表示の特殊保留との2種類があるのであるが、矩形表示の特殊保留が表示された場合には、三角形表示の特殊保留が表示された場合と比較して、最終表示態様として赤色保留が表示される割合が高くなっている。また、逆に、三角形表示の特殊保留が表示された場合には、矩形表示の特殊保留が表示された場合と比較して、最終表示態様として通常保留に戻る割合が高くなっている。
【0352】
また、
図41(H),(I)に示すように、この実施の形態では、特殊保留から通常保留に戻っても最終的に赤色保留が表示される(すなわち、一旦通常保留に戻ったと落胆させてから赤色保留が復活して表示されたように見せる)変化パターン(変化パターン411,414)が設けられており、スーパーリーチ大当りとなる場合にのみ、この復活パターンの変化パターン411,414を決定可能に判定値が割り振られている。従って、この実施の形態では、特殊保留から一旦通常保留に戻った後に最終的に赤色保留となった場合には、大当りが確定することになり、単に特殊保留から赤色保留となった場合よりも、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
【0353】
なお、復活パターンの変化パターン411,414となる場合に大当りが確定するものにかぎらず、スーパーリーチはずれとなる場合であっても低い確率で復活パターンの変化パターン411,414を決定可能に構成してもよい。少なくとも、そのように構成する場合であっても、特殊保留から一旦通常保留に戻った後に最終的に赤色保留となった場合には、単に特殊保留から赤色保留となった場合よりも、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっているものであればよい。
【0354】
また、この実施の形態では、最終表示態様が赤色保留となる場合にのみ復活パターンの変化パターン411,414を設ける場合を示したが、最終表示態様が青色保留となる場合にも、同様の復活パターンの変化パターンを設けるように構成してもよい。
【0355】
また、この実施の形態では、
図41(H),(I)に示すように、保留4個且つ赤色保留に変化する場合のみ、入賞時判定結果が非リーチはずれ/スーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りであるかに応じて異なる変化パターン決定テーブルを用いる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、
図40(A)〜(E)に示す保留2個や保留3個用の変化パターン決定テーブルや、
図41(F),(G)に示す保留4個且つ通常保留または青色保留用の変化パターン決定テーブルも、入賞時判定結果に応じて異なる変化パターン決定テーブルを用いるように構成してもよい。この場合、例えば、上記のように最終表示態様が青色保留となる場合にも復活パターンの変化パターンを設ける場合には、
図41(H),(I)と類似の態様により非リーチはずれ/スーパーリーチはずれ用の変化パターン決定テーブルとスーパーリーチ大当り用の変化パターン決定テーブルとを設けるように構成し、特殊保留から一旦通常保留に戻った後に最終的に青色保留となった場合には、大当りとなることが確定するか、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
【0356】
また、さらに細分化して、非リーチはずれ用の変化パターン決定テーブルとスーパーリーチはずれ用の変化パターン決定テーブルとを別々に設けるように構成してもよい。
【0357】
また、この実施の形態では、
図41(H)に示すように、保留4個且つ赤色保留用の変化パターン決定テーブルとして、非リーチはずれとなる場合とスーパーリーチはずれとなる場合とで共通のテーブルを用いる場合を示したが、非リーチはずれとなる場合とスーパーリーチはずれとなる場合とで異なる変化パターン決定テーブルを用いるように構成してもよい。
【0358】
また、
図40および
図41に示した変化パターンの例を一例であり、様々な変化パターンを設けるように構成してもよい。例えば、
図40および
図41に示す例では、1回目の保留シフトのタイミングで通常保留から特殊保留に変化させる場合を示したが、始動入賞のタイミングから特殊保留を表示したり、2回目以降の保留シフトのタイミングで通常保留から特殊保留に変化させる変化パターンも設けるように構成してもよい。また、例えば、青色保留に変化した後さらに赤色保留に変化する変化パターンを設けるように構成してもよい。
【0359】
また、
図40および
図41では、三角形表示または矩形表示のいずれかの特殊保留が表示される変化パターンのみを設ける場合を示したが、例えば、三角形表示の特殊保留から矩形表示の特殊保留に変化したり、矩形表示の特殊保留から三角形表示の特殊保留に変化したりする変化パターンも設けるように構成してもよい。
【0360】
そして、演出制御用CPU101は、ステップS6005,S6007で決定した最終表示態様および変化パターンを、予告対象の保留記憶に対応付けて、RAMに設けられた保留予告演出設定情報格納領域に記憶させる(ステップS6008)。なお、この実施の形態では、第1保留記憶表示部9aに表示されている複数の保留表示に対して並行して保留予告演出を実行可能であり、第1保留記憶表示部9aには最大で4つの保留表示を表示可能であることから、保留予告演出設定情報格納領域には4つの格納領域が設けられており、それぞれの保留記憶に対応付けて、最終表示態様および変化パターンが格納される。
【0361】
図42は、
図36に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
【0362】
図43は、
図36に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
【0363】
図44は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。
図44に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
【0364】
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
【0365】
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
【0366】
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
【0367】
次いで、演出制御用CPU101は、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8002)。確変状態フラグおよび時短状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8003)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていれば(すなわち、第1特別図柄の変動表示を開始する場合であれば)、ステップS8004に移行する。すなわち、この実施の形態では、既に説明したように、遊技状態が通常状態である場合に第1保留記憶を対象として保留予告演出が実行されるのであるから、ステップS8002,S8003の処理を実行することによって、遊技状態が通常状態である場合に第1特別図柄の変動表示を実行する場合にのみ、ステップS8004〜S8010の処理を実行して、予告対象の保留表示と特殊保留に変化させたり、作用演出を実行可能に構成したりしている。
【0368】
次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶の中に特殊保留の表示タイミングとなっているものがあるか否かを確認する(ステップS8004)。なお、特殊保留の表示タイミングとなっているものがあるか否かは、例えば、保留予告演出設定情報格納領域(ステップS6008参照)に格納されている変化パターンを確認し、今回の変動開始(保留シフト)のタイミングで通常保留→特殊△または特殊□となっているものがあるか否かを確認することにより判定できる。特殊保留の表示タイミングとなっているものがあれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて、特殊保留の表示タイミングとなっている保留表示を特殊保留に変更する(ステップS8005)。この場合、変化パターンにおいて通常保留→特殊△となっている場合には三角形表示の特殊保留に変更し、通常保留→特殊□となっている場合には矩形表示の特殊保留に変更する。
【0369】
次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶の中に作用演出(保留表示に作用するような態様により実行され、保留表示の表示態様が変化することを示唆する演出)の実行可能タイミングとなっているものがあるか否かを確認する(ステップS8006)。なお、作用演出の実行可能タイミングとなっているか否かは、例えば、保留予告演出設定情報格納領域(ステップS6008参照)に格納されている変化パターンを確認し、今回の変動開始(保留シフト)のタイミングで特殊△→特殊△や、特殊△→通常保留、特殊△→青色保留、特殊△→赤色保留、特殊□→特殊□、特殊□→通常保留、特殊□→青色保留、特殊□→赤色保留となっているものがあるか否かを確認することにより判定できる。
【0370】
なお、作用演出の実行可能タイミングは、この実施の形態で示したものにかぎらず、他のタイミングでも作用演出を実行可能に構成してもよい。例えば、通常保留から特殊保留に変化する場合にも作用演出を実行可能なタイミングと判断してステップS8007以降の処理を実行して作用演出を実行可能に構成してもよい。また、例えば、通常保留から特殊保留に変化する場合の専用の作用演出を設けるように構成してもよく、この専用の作用演出が実行されても特殊保留に変化しない場合(ガセの作用演出)があるように構成してもよい。
【0371】
第1保留記憶の中に作用演出を実行可能なタイミングとなっているものがあれば、演出制御用CPU101は、作用演出の有無および種類を決定するための作用演出決定テーブルとして、保留表示の変化態様に応じたテーブルを選択する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU101は、選択した作用演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、作用演出の有無および種類を決定する(ステップS8008)。
【0372】
なお、この実施の形態では、第1保留記憶表示部9aに表示される複数の保留表示について並行して保留予告演出を実行可能に構成されているので、第1保留記憶の中に作用演出を実行可能となっているものが同時に複数存在する場合も生じる。この場合には、演出制御用CPU101は、作用演出を実行可能なタイミングとなっている第1保留記憶のうち、先に変動表示が開始されるものから優先して作用演出の有無および種類を決定するようにし、1回の変動表示中に作用演出を1回のみ実行するように制御する。例えば、第1保留記憶表示部9aに表示されている1つ目と3つ目の保留表示が作用演出の実行可能タイミングとなっている場合には、まず1つ目の保留表示に対して作用演出の有無および種類を決定し、作用演出を実行することに決定した場合には、その1つ目の保留表示に対してのみ作用演出を実行する。
【0373】
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、時間をずらして作用演出を実行することにより1回の変動表示中に複数回の作用演出を実行可能に構成してもよい。また、1回の変動表示中に作用演出を1回のみ実行するものの、その1回の作用演出が同時に複数の保留表示に対して作用するような態様で作用演出を実行するように構成してもよい。
【0374】
図45および
図46は、作用演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。演出制御用CPU101は、変化パターンにもとづいて三角形表示の特殊保留から通常保留に変化するタイミングであれば、
図45(A)に示す特殊△→通常保留用の作用演出決定テーブルを選択する。また、矩形表示の特殊保留から通常保留に変化するタイミングであれば、
図45(B)に示す特殊□→通常保留用の作用演出決定テーブルを選択する。また、三角形表示の特殊保留からそのまま三角形表示の特殊保留のまま変化しないタイミングであれば、
図45(C)に示す特殊△→特殊△用の作用演出決定テーブルを選択する。また、矩形表示の特殊保留からそのまま矩形表示の特殊保留のまま変化しないタイミングであれば、
図45(D)に示す特殊□→特殊□用の作用演出決定テーブルを選択する。また、三角形表示の特殊保留から青色保留に変化するタイミングであれば、
図46(E)に示す特殊△→青色保留用の作用演出決定テーブルを選択する。また、矩形表示の特殊保留から青色保留に変化するタイミングであれば、
図46(F)に示す特殊□→青色保留用の作用演出決定テーブルを選択する。また、三角形表示の特殊保留から赤色保留に変化するタイミングであれば、
図46(G)に示す特殊△→赤色保留用の作用演出決定テーブルを選択する。また、矩形表示の特殊保留から赤色保留に変化するタイミングであれば、
図46(H)に示す特殊□→赤色保留用の作用演出決定テーブルを選択する。
【0375】
図45および
図46に示すように、作用演出決定テーブルには、作用演出なし、作用演出A、作用演出Bおよび作用演出Cに対して、それぞれ判定値が割り振られている。なお、この実施の形態では、作用演出の種類として作用演出A〜Cの3種類がある場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、2種類のみの作用演出を用いるように構成したり、4種類以上の作用演出を用いるように構成したりしてもよい。
【0376】
図45および
図46に示すように、この実施の形態では、作用演出Aが実行された場合には、特殊保留から通常保留に変化する割合が高くなるように判定値が割り振られている。また、作用演出Bが実行された場合には、特殊保留のまま変化しない割合が高くなるように判定値が割り振られている。また、作用演出Cが実行された場合には、特殊保留から青色保留や赤色保留に変化する割合が高くなるように判定値が割り振られている。
【0377】
なお、
図45(A),(B)に示す作用演出決定テーブルは、特殊保留から通常保留に変化する場合に用いられるテーブルであり、保留表示の表示態様を期待度が低いものに成り下げるパターンを選択するためのテーブルであるといえ、特に作用演出Aの選択割合が高くなっていることから作用演出Aは保留表示の表示態様を期待度が低いものに成り下げるパターンの作用演出であるといえる(パターン1)。また、
図45(C),(D)に示す作用演出決定テーブルは、特殊保留のまま変化しない場合に用いられるテーブルであり、保留表示の表示態様を現状維持するパターンを選択するためのテーブルであるといえ、特に作用演出Bの選択割合が高くなっていることから作用演出Bは保留表示の表示態様を現状維持するパターンの作用演出であるといえる(パターン2)。また、
図46(E)〜(H)に示す作用演出決定テーブルは、特殊保留から青色保留や赤色保留に変化する場合に用いられるテーブルであり、保留表示の表示態様を期待度が高いものに成り上げるパターンを選択するためのテーブルであるといえ、特に作用演出Cの選択割合が高くなっていることから作用演出Cは保留表示の表示態様を期待度が高いものに成り上げるパターンの作用演出であるといえる(パターン3)。
【0378】
そして、上記のパターン1およびパターン2は保留表示の表示態様を成り下げるか現状維持するものであるので、作用演出としては変化失敗に見せるためのパターンであり、上記のパターン3は保留表示の表示態様を成り上げるものであるので、作用演出としては変化成功に見せるためのパターンである。なお、同じ変化失敗に見せるためのパターンであっても、上記のパターン1とパターン2とで作用演出の見せ方を異ならせてもよい。例えば、上記のパターン1に応じた作用演出を実行する場合には「大失敗」などの文字表示を行うとともに、上記のパターン2に応じた作用演出を実行する場合には「失敗」などの文字表示を行って異ならせてもよい。
【0379】
また、この実施の形態では、
図45および
図46に示すように、今回の変動表示において保留表示がいずれの表示態様に変化するかに応じて作用演出の有無や種類の決定割合を異ならせる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、今回の変動表示の変化態様に関係なく、保留表示がいずれの最終表示態様に変化するかに応じて作用演出の有無や種類の決定割合を異ならせるように構成してもよい。
【0380】
また、例えば、予告対象の変動表示の表示結果(例えば、大当りとなるか否か)や変動カテゴリ(例えば、リーチの有無や種類)に応じて作用演出の有無や種類の決定割合を異ならせるように構成してもよい。
【0381】
また、例えば、保留表示の表示態様が青色保留からさらに赤色保留に変化する場合があるように構成する場合に、今回の変動表示で青色保留のまま変化しない場合にも作用演出を実行可能に構成してもよい。
【0382】
また、上記のように保留表示の表示態様が青色保留からさらに赤色保留に変化する場合があるように構成する場合に、今回の変動表示で同じ特殊保留から青色保留に変化する場合であっても、最終表示態様が青色保留であるか赤色保留であるかに応じて作用演出の実行割合や種類を異ならせてもよい。例えば、最終表示態様が赤色保留である方が高い割合で作用演出を実行したり、期待度が高い作用演出(例えば、作用演出C)を実行したりするように構成してもよい。または、逆に、最終表示態様が青色保留である方が高い割合で作用演出を実行したり、期待度が高い作用演出(例えば、作用演出C)を実行したりするように構成してもよい。そのように構成すれば、今回実行される変動表示で保留表示の表示態様が変化するか否かに期待感をもたせるだけでなく、その後も保留表示の表示態様が変化する可能性があるかに対して期待感をもたせることができる。
【0383】
作用演出を実行することに決定した場合には(ステップS8009のY)、演出制御用CPU101は、変動パターン、およびステップS8008で決定した作用演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8010)。そして、ステップS8012に移行する。
【0384】
一方、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされていた場合(ステップS8002のY)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていなかった場合(ステップS8003のN)、第1保留記憶の中に作用演出の実行可能タイミングとなっているものがなかった場合(ステップS8006のN)、または作用演出を実行しないことに決定した場合には(ステップS8009のN)、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じた通常のプロセステーブル(作用演出を伴わないプロセステーブル)を選択する(ステップS8011)。そして、ステップS8012に移行する。
【0385】
そして、演出制御用CPU101は、ステップS8010,S8011で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8012)。
【0386】
図47は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
【0387】
図47に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
【0388】
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
【0389】
また、演出図柄の変動表示中に先読み予告演出(本例では、保留予告演出)以外の予告演出(いわゆる当該変動に対する予告演出)を実行可能に構成してもよく、その場合、変動開始時に予告演出を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8010,S8011において、決定した予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
【0390】
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8013)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0391】
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
【0392】
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8014)。
【0393】
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド))のうち、1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンドを1つ削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS8015)。
【0394】
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8016)。
【0395】
図48は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
【0396】
次いで、演出制御用CPU101は、作用演出の実行中であって作用演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8106)。なお、作用演出の終了タイミングとなっているか否かは、具体的には、ステップS8014でセットされた変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。作用演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、保留予告演出設定情報格納領域(ステップS6008参照)に記憶されている変化パターンにもとづいて、その予告対象の保留表示が青色保留または赤色保留への変更タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8107)。青色保留または赤色保留への変更タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて、その予告対象の保留表示の表示態様を青色保留または赤色保留に変更する制御を行う(ステップS8108)。
【0397】
青色保留または赤色保留への変更タイミングとなっていなければ、演出制御用CPU101は、保留予告演出設定情報格納領域(ステップS6008参照)に記憶されている変化パターンにもとづいて、その予告対象の保留表示が通常保留への変更タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8109)。通常保留への変更タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて、その予告対象の保留表示の表示態様を通常保留に変更する制御を行う(ステップS8110)。
【0398】
次いで、演出制御用CPU101は、作用演出の終了タイミングとなっていなくても、保留予告演出設定情報格納領域(ステップS6008参照)に記憶されている変化パターンにもとづいて、その他の保留記憶の中に青色保留または赤色保留への変更タイミングとなっているものがあるか否かを確認する(ステップS8111)。そして、青色保留または赤色保留への変更タイミングとなっているものがあれば(ステップS8111のY)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて、その予告対象の保留表示の表示態様を青色保留または赤色保留に変更する制御を行う(ステップS8112)。すなわち、この実施の形態では、特殊保留から青色保留や赤色保留への変更タイミングとなっている変動表示であっても作用演出を実行しないと決定される場合があることから(ステップS8008,S8009参照)、作用演出を実行しない場合であっても、特殊保留から青色保留や赤色保留への変更タイミングとなっている保留表示について青色保留または赤色保留に変更する制御を行う。
【0399】
次いで、演出制御用CPU101は、作用演出の終了タイミングとなっていなくても、保留予告演出設定情報格納領域(ステップS6008参照)に記憶されている変化パターンにもとづいて、その他の保留記憶の中に通常保留への変更タイミングとなっているものがあるか否かを確認する(ステップS8113)。そして、通常保留への変更タイミングとなっているものがあれば(ステップS8113のY)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて、その予告対象の保留表示の表示態様を通常保留に変更する制御を行う(ステップS8114)。すなわち、この実施の形態では、特殊保留から通常保留への変更タイミングとなっている変動表示であっても作用演出を実行しないと決定される場合があることから(ステップS8008,S8009参照)、作用演出を実行しない場合であっても、特殊保留から通常保留への変更タイミングとなっている保留表示について通常保留に変更する制御を行う。
【0400】
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8115)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8116)。
【0401】
図49は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
【0402】
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。
【0403】
次いで、ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311に移行する。
【0404】
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットする(ステップS8304)。
【0405】
次いで、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8305)。なお、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否かは、具体的には、コマンド解析処理においてセットされる大当り開始指定コマンドを受信したことを示すフラグ(大当り開始指定コマンド受信フラグ)や、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示すフラグ(小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認することにより判定できる。いずれかの大当り開始指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
【0406】
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
【0407】
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8311)。
【0408】
次に、保留予告演出の演出態様の具体例について説明する。
図50および
図51は、保留予告演出の演出態様の一例を示す説明図である。このうち、
図50は、予告対象の保留表示が最終的に赤色保留に変化する場合の保留予告演出の演出態様を示している。また、
図51は、予告対象の保留表示が最終的に通常保留に戻る場合の保留予告演出の演出態様を示している。なお、
図50および
図51において、(1)(2)(3)の順に演出画面の態様が遷移する。
【0409】
まず、
図50を用いて、予告対象の保留表示が最終的に赤色保留に変化する場合の保留予告演出の演出態様について説明する。
図50(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているときに新たに第1始動入賞口13への始動入賞が発生したものとする。本例では、第1保留記憶数が3である状態で新たに始動入賞が発生して第1保留記憶数が4に増加したものとし、第1保留記憶表示部9aにおいて通常保留を1つ増加させたものとする。また、本例では、新たな保留表示の最終表示態様を赤色保留に決定したものとし、変化パターンとして変化パターン410を決定したものとする。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図50(2)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0410】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図50(3)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。
図50(3)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン410にもとづいて、その予告対象の保留表示を通常保留から三角形表示の特殊保留に変化させる(ステップS8005参照)。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図50(4)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0411】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図50(5)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。
図50(5)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン410にもとづいて作用演出の実行可能タイミングであると判断し、作用演出を実行することに決定するとともに、作用演出の種類を作用演出Bに決定したものとする(ステップS8008参照)。また、その決定結果にもとづいて、
図50(5)に示すように、その演出図柄の変動表示において作用演出Bを実行する(ステップS8010,S8013,S8105参照)。
図50(5)に示す例では、作用演出Bとして、キャラクタBが登場し、そのキャラクタBが特殊保留に向かってボールを投げるような態様の演出が実行される場合を示している。また、
図50(5)に示す例では、作用演出の実行中は演出図柄の変動表示が演出表示装置9の表示画面の端部に縮小表示される場合が示されている。次いで、本例では、
図50(6)に示すように、作用演出Bの終了タイミングとなっても、変化パターン410にもとづいて予告対象の保留表示が特殊保留のまま変化しない。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図50(7)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0412】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図50(8)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。
図50(8)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン410にもとづいて作用演出の実行可能タイミングであると判断し、作用演出を実行することに決定するとともに、作用演出の種類を作用演出Cに決定したものとする(ステップS8008参照)。また、その決定結果にもとづいて、
図50(8)に示すように、その演出図柄の変動表示において作用演出Cを実行する(ステップS8010,S8013,S8105参照)。
図50(8)に示す例では、作用演出Cとして、キャラクタCが登場し、そのキャラクタCが特殊保留に向かってボールを投げるような態様の演出が実行される場合を示している。また、
図50(8)に示す例では、作用演出の実行中は演出図柄の変動表示が演出表示装置9の表示画面の端部に縮小表示される場合が示されている。次いで、本例では、
図50(9)に示すように、作用演出Cの終了タイミングとなると、変化パターン410にもとづいて予告対象の保留表示が特殊保留から赤色保留に変化する(ステップS8107,S8108参照)。
【0413】
なお、
図50に示す例では、特殊保留として三角形表示の特殊保留を表示する場合が示されているが、矩形表示の特殊保留を表示する変化パターンに決定されている場合には、
図50(3)〜(8)において矩形表示の特殊保留が表示される。また、
図50に示す例では、最終表示態様として赤色保留が表示される場合が示されているが、最終表示態様として青色保留を表示する変化パターンに決定されている場合には、
図50(9)において特殊保留から青色保留に変化する。
【0414】
次に、
図51を用いて、予告対象の保留表示が最終的に通常保留に戻る場合の保留予告演出の演出態様について説明する。
図51(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているときに新たに第1始動入賞口13への始動入賞が発生したものとする。本例では、第1保留記憶数が3である状態で新たに始動入賞が発生して第1保留記憶数が4に増加したものとし、第1保留記憶表示部9aにおいて通常保留を1つ増加させたものとする。また、本例では、新たな保留表示の最終表示態様を通常保留(特殊保留経由あり)に決定したものとし、変化パターンとして変化パターン402を決定したものとする。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図51(2)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0415】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図51(3)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。
図51(3)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン402にもとづいて、その予告対象の保留表示を通常保留から三角形表示の特殊保留に変化させる(ステップS8005参照)。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図51(4)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0416】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図51(5)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。
図51(5)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン402にもとづいて作用演出の実行可能タイミングであると判断し、作用演出を実行することに決定するとともに、作用演出の種類を作用演出Bに決定したものとする(ステップS8008参照)。また、その決定結果にもとづいて、
図51(5)に示すように、その演出図柄の変動表示において作用演出Bを実行する(ステップS8010,S8013,S8105参照)。
図51(5)に示す例では、作用演出Bとして、キャラクタBが登場し、そのキャラクタBが特殊保留に向かってボールを投げるような態様の演出が実行される場合を示している。また、
図51(5)に示す例では、作用演出の実行中は演出図柄の変動表示が演出表示装置9の表示画面の端部に縮小表示される場合が示されている。次いで、本例では、
図51(6)に示すように、作用演出Bの終了タイミングとなっても、変化パターン402にもとづいて予告対象の保留表示が特殊保留のまま変化しない。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図51(7)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0417】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図51(8)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。
図51(8)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン402にもとづいて作用演出の実行可能タイミングであると判断し、作用演出を実行することに決定するとともに、作用演出の種類を作用演出Aに決定したものとする(ステップS8008参照)。また、その決定結果にもとづいて、
図51(8)に示すように、その演出図柄の変動表示において作用演出Aを実行する(ステップS8010,S8013,S8105参照)。
図51(8)に示す例では、作用演出Aとして、キャラクタAが登場し、そのキャラクタAが特殊保留に向かってボールを投げるような態様の演出が実行される場合を示している。また、
図51(8)に示す例では、作用演出の実行中は演出図柄の変動表示が演出表示装置9の表示画面の端部に縮小表示される場合が示されている。次いで、本例では、
図51(9)に示すように、作用演出Aの終了タイミングとなると、変化パターン402にもとづいて予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留に変化する(ステップS8109,S8110参照)。
【0418】
なお、
図51に示す例では、特殊保留として三角形表示の特殊保留を表示する場合が示されているが、矩形表示の特殊保留を表示する変化パターンに決定されている場合には、
図51(3)〜(8)において矩形表示の特殊保留が表示される。
【0419】
なお、
図50および
図51に示した保留予告演出において、保留表示がいずれの表示態様に変化するのか(または変化しないのか)に応じて作用演出の見せ方を異ならせてもよい。例えば、保留表示が特殊保留のまま変化しない場合には「失敗」などの文字表示を行ったり、保留表示が特殊保留から通常保留に成り下がる場合には「大失敗」などの文字表示を行ったり、保留表示が特殊保留から青色保留や赤色保留に成り上がる場合には「成功」などの文字表示を行ったりしてもよい。
【0420】
また、例えば、保留表示の表示態様が青色保留からさらに赤色保留に変化する場合があるように構成する場合に、保留表示が青色保留から赤色保留に成り上がる場合には「成功」などの文字表示を行い、保留表示が特殊保留から一気に赤色保留に成り上がる場合には「大成功」などの文字表示を行ったりしてもよい。
【0421】
以上に説明したように、この実施の形態によれば、可変表示に対応する特定表示(本例では、保留表示)を表示可能であり、第1態様(本例では、特殊保留)により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出(本例では、作用演出を伴う保留予告演出)を実行可能である。また、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様(本例では、青色保留や赤色保留)に変化させる演出を実行可能であるとともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様(本例では、通常保留)に変化させる演出を実行可能である。そして、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも第2態様に変化する割合が低い(本例では、
図40および
図41に示すように、特殊保留から通常保留に変化した後にさらに赤色保留に変化する変化パターンは、始動入賞時に第1保留記憶数が4個でスーパーリーチ大当りの場合にのみ選択可能な変化パターン411,414しかなく、判定値の割り振りが極めて少なく、通常保留のまま変化しない変化パターン31,32,401〜404の方が判定値の割り振りが多い。なお、特殊保留から通常保留に変化した後は赤色保留に変化する場合がないものであってもよい。)。そのため、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
【0422】
また、この実施の形態によれば、第3態様により表示される特定表示は、第1態様により表示される特定表示よりも有利度が低い(本例では、
図39に示すように、特殊保留から通常保留に変化する場合(通常保留(特殊保留経由あり)の場合)には、青色保留や赤色保留の場合と比較して、スーパーリーチ大当りやスーパーリーチはずれとなる割合が低く、非リーチはずれとなる割合が高い)。そのため、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
【0423】
具体的には、保留予告演出において失敗態様の作用演出が実行されても第1態様(本例では、特殊保留)が継続して表示されてしまったのでは、第1態様(本例では、特殊保留)に対する期待感が低下するおそれがあるが、この実施の形態では、第1態様(本例では、特殊保留)から第3態様(本例では、通常保留)に変化するので、第1態様に対する期待感を高めることができ、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
【0424】
また、この実施の形態では、「第3態様により表示される特定表示」として特殊保留から通常保留に変化した保留表示を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、「第3態様により表示される特定表示」として特殊保留を経由することなく最初から通常保留で表示されるものも含むように構成し、そのような通常保留であっても、特殊保留と比較して青色保留や赤色保留に変化する割合が低くなるように構成したり、有利度が低くなるように構成したりしてもよい。
【0425】
以上のように、この実施の形態では、同じ通常保留であっても、特殊保留から通常保留に変化した場合には、最初から通常保留が表示されている場合よりも期待度が低く有利度が低くなっている。
【0426】
なお、この実施の形態では、「有利度」として大当り期待度やリーチ(スーパーリーチ)期待度が異なる場合を示したが、そのような態様にかぎらず、確変期待度が異なるように構成してもよい。
【0427】
また、この実施の形態によれば、特定表示の表示態様には、少なくとも、第1態様(本例では、特殊保留。通常保留でもよい。)と、有利度が高い第2態様(本例では、青色保留、赤色保留)とが含まれる。変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させる演出を実行可能であり、実行された変化演出の実行態様に応じて、該変化演出の後に異なる割合により変化演出を実行可能である(本例では、保留予告演出において作用演出が実行されても特殊保留のまま変化しなかった場合には、その後再び作用演出が実行されて特殊保留から青色保留や赤色保留に変化可能であるが、保留予告演出において作用演出が実行されて特殊保留から青色保留や赤色保留に変化した場合には、その後は作用演出は実行されない)。そのため、先に実行される変化演出に注目させることができ、変化演出が実行される場合の興趣を向上させることができる。
【0428】
なお、この実施の形態では、保留予告演出において作用演出が実行されて特殊保留から青色保留や赤色保留に変化した場合には、その後は作用演出は実行されないように構成されている場合を示しているが、低い割合で作用演出を実行可能に構成してもよい。そのように、「実行された変化演出の実行態様に応じて、該変化演出の後に異なる割合により変化演出を実行」には、特殊保留から青色保留や赤色保留に変化した場合に、その後の作用演出の実行割合が低いものも含まれる。
【0429】
また、この実施の形態によれば、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させる演出を実行可能であり、実行された変化演出の実行態様に応じて、該変化演出の後に異なる演出態様により変化演出を実行可能である(本例では、保留予告演出において作用演出が実行されても特殊保留のまま変化しなかった場合には、その後再び作用演出が実行されて特殊保留から青色保留や赤色保留に変化可能であるが、保留予告演出において作用演出が実行されて特殊保留から青色保留や赤色保留に変化した場合には、その後は作用演出は実行されない。保留予告演出において作用演出が実行されて特殊保留のまま変化しなかった場合には、その後再び作用演出が実行されて特殊保留から青色保留に変化する場合と赤色保留に変化する場合とがあり、演出態様のバリエーションが多い。)。そのため、先に実行される変化演出に注目させることができ、変化演出が実行される場合の興趣を向上させることができる。
【0430】
また、この実施の形態によれば、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させる演出を実行可能であり、実行した変化演出の実行態様に応じて、該変化演出の後にいずれの特定表示を対象として変化演出を実行するかの割合が異なる(本例では、複数の特殊保留が表示されているときに、保留予告演出において作用演出が実行されて1つ目の特殊保留が青色保留や赤色保留に変化した場合には、その後は2つ目以降の特殊保留に対してしか作用演出が実行されて保留表示が変化する場合はないが、1つ目の特殊保留が変化しなかった場合には、その後も1つ目の特殊保留に対しても作用演出が実行されて保留表示が変化可能である)。そのため、先に実行される変化演出に注目させることができ、変化演出が実行される場合の興趣を向上させることができる。
【0431】
また、この実施の形態によれば、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させる演出を実行可能であるとともに、複数種類の変化演出を実行可能であり(本例では、保留予告演出において作用演出A〜Cを実行可能である)、実行された変化演出の実行態様に応じて、該変化演出の後にいずれの種類の変化演出を実行するかの割合が異なる(本例では、作用演出Bが実行された場合には特殊保留のまま変化しない割合が高く、特殊保留のまま変化しなかった後に作用演出が実行される場合には、通常保留や青色保留、赤色保留に変化する場合が多いことから作用演出Aや作用演出Cの割合が高くなる)。そのため、先に実行される変化演出に注目させることができ、変化演出が実行される場合の興趣を向上させることができる。
【0432】
なお、特殊保留から通常保留に変化した後も作用演出を実行可能に構成する場合には、「実行された変化演出の実行態様に応じて、該変化演出の後にいずれの種類の変化演出を実行するかの割合が異なる」には、例えば、後に実行される作用演出では保留表示の表示態様が変化しない作用演出(ガセの作用演出)が実行されやすいものが含まれるものであってもよい。
【0433】
また、この実施の形態によれば、変化演出として、第1態様(本例では、特殊保留)により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様(本例では、青色保留や赤色保留)に変化させる演出を実行可能であるとともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様(本例では、通常保留)に変化させる演出を実行可能である。そして、変化演出の実行態様に応じて、異なる割合により特定表示の表示態様を第3態様に変化させる(本例では、
図45(A)に示すように、保留予告演出において作用演出Aが実行される場合に特殊保留から通常保留に変化する割合が高い)。そのため、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
【0434】
また、この実施の形態によれば、第1態様は複数種類あり(本例では、三角形表示の特殊保留と矩形表示の特殊保留)、変化演出として、第1態様(本例では、特殊保留)により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様(本例では、青色保留や赤色保留)に変化させる演出を実行可能であるとともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様(本例では、通常保留)に変化させる演出を実行可能である。そして、特定表示がいずれの種類の第1態様によって表示されているかに応じて、異なる割合により特定表示の表示態様を第3態様に変化させる(本例では、
図39(c)に示すように、三角形表示の特殊保留が表示される場合の方が、矩形表示の特殊保留が表示される場合と比較して、特殊保留から通常保留に変化する割合が高い)。そのため、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
【0435】
なお、この実施の形態では、複数種類の第1態様として形状が異なる2種類の特殊保留(三角形表示と矩形表示)がある場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、表示色が異なる複数種類の保留表示(例えば、青色や緑色の保留表示)があるように構成してもよい。また、例えば、2種類の第1態様(通常保留や特殊保留)にかぎらず、3種類以上の第1態様(通常保留や特殊保留)があるように構成してもよい。
【0436】
また、この実施の形態によれば、変化演出として、第1態様(本例では、特殊保留)により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様(本例では、青色保留や赤色保留)に変化させる演出を実行可能であるとともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様(本例では、通常保留)に変化させる演出を実行可能である。そして、所定期間において、特定表示の表示態様を第3態様に変化させる割合が低い(本例では、予告対象の保留表示が4つ目および3つ目の位置に表示されている期間においては、予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留に変化しにくくなっている。予告対象の保留表示が特殊保留から通常保留に変化する場合が全くないものでもよい。)。そのため、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
【0437】
また、この実施の形態によれば、第1態様として通常態様とは異なる特殊態様(本例では、特殊保留)により特定表示を表示させる。そのため、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
【0438】
なお、この実施の形態では、赤色保留となる場合が最も大当りに対する期待度(信頼度)が高く、青色保留となる場合が次に大当りに対する期待度(信頼度)が高いのであるが、通常保留と特殊保留とでは大当りに対する期待度(信頼度)は同じでもよいし、特殊保留の方が通常保留よりも大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
【0439】
なお、この実施の形態では、第1態様として特殊保留を表示するとともに、第3態様として通常保留を表示し、特殊保留から通常保留に変化させる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、通常保留を第1態様の位置づけで表示するようにし、第3態様として保留表示の表示態様の変化済みであることを示す済保留(例えば、「済」の文字表示を含む丸形表示)を表示するように構成してもよい。以下、済保留を表示可能に構成した変形例1について説明する。
【0440】
図52は、変形例1における保留予告演出の演出態様の例を示す説明図である。なお、変形例1において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する処理は、
図37〜
図41、
図43、
図45〜
図46、および
図48の各処理および各決定テーブルにおいて、特殊保留を通常保留に読み替え、特殊保留から変更した後の通常保留を済保留に読み替えたものと等価である。
【0441】
なお、
図52に示す変形例1においても、
図41に示す変化パターン411,414を読み替えた特殊保留から済保留に変化した後に赤色保留に変化する変化パターンに対する割り振りは極めて少なく、済保留から赤色保留に変化する割合は、通常保留から赤色保留に変化する割合よりも低くなっており、済保留は通常保留よりも有利度が低くなっている。
【0442】
変形例1では、
図52(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているときに新たに第1始動入賞口13への始動入賞が発生したものとする。
図52に示す例では、第1保留記憶数が3である状態で新たに始動入賞が発生して第1保留記憶数が4に増加したものとし、第1保留記憶表示部9aにおいて通常保留を1つ増加させたものとする。また、本例では、新たな保留表示の最終表示態様を済保留に決定したものとし、変化パターンとして変化パターン402(ただし、済保留などに読み替えた変化パターン)を決定したものとする。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図52(2)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0443】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図52(3)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。ただし、
図52(3)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン402にもとづいて、その予告対象の保留表示は通常保留のまま変化しない。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図52(4)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0444】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図52(5)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。
図52(5)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン402にもとづいて作用演出の実行可能タイミングであると判断し、作用演出を実行することに決定するとともに、作用演出の種類を作用演出Bに決定したものとする(ステップS8008参照)。また、その決定結果にもとづいて、
図52(5)に示すように、その演出図柄の変動表示において作用演出Bを実行する(ステップS8010,S8013,S8105参照)。
図52(5)に示す例では、作用演出Bとして、キャラクタBが登場し、そのキャラクタBが予告対象の保留表示(通常保留)に向かってボールを投げるような態様の演出が実行される場合を示している。また、
図52(5)に示す例では、作用演出の実行中は演出図柄の変動表示が演出表示装置9の表示画面の端部に縮小表示される場合が示されている。次いで、本例では、
図52(6)に示すように、作用演出Bの終了タイミングとなっても、変化パターン402にもとづいて予告対象の保留表示が通常保留のまま変化しない。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図52(7)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0445】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図52(8)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。
図52(8)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン402にもとづいて作用演出の実行可能タイミングであると判断し、作用演出を実行することに決定するとともに、作用演出の種類を作用演出Aに決定したものとする(ステップS8008参照)。また、その決定結果にもとづいて、
図52(8)に示すように、その演出図柄の変動表示において作用演出Aを実行する(ステップS8010,S8013,S8105参照)。
図52(8)に示す例では、作用演出Aとして、キャラクタAが登場し、そのキャラクタAが予告対象の保留表示(通常保留)に向かってボールを投げるような態様の演出が実行される場合を示している。また、
図52(8)に示す例では、作用演出の実行中は演出図柄の変動表示が演出表示装置9の表示画面の端部に縮小表示される場合が示されている。次いで、本例では、
図52(9)に示すように、作用演出Aの終了タイミングとなると、変化パターン402にもとづいて予告対象の保留表示が通常保留から済保留に変化する(ステップS8109,S8110参照)。
【0446】
図52に示す変形例1によれば、第1態様として通常態様(通常保留)により特定表示を表示させる。そのため、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。
【0447】
なお、この実施の形態では、通常態様(通常保留)という表現を用いているが、通常態様(通常保留)とは、例えば、保留予告演出が実行される場合に表示される保留表示の表示態様のうち最も表示される頻度が高い表示態様であり、大当りやリーチの可能性示唆しないまたは可能性が比較的低いことを示唆する表示態様である。
【0448】
また、この実施の形態では、保留表示のみを変化可能に保留予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、保留表示の表示態様を引き継いだ表示態様により現在実行中の変動表示に対応したアクティブ表示を表示可能に構成されている遊技機において、保留表示が消化されて予告対象の変動表示が実行中となった場合であっても、そのアクティブ表示の表示態様も変更可能に構成してもよい。すなわち、特定表示として保留表示を変化可能に構成する場合にかぎらず、特定表示としてアクティブ表示も変化可能に構成してもよい。以下、アクティブ表示の表示態様も変化可能に構成した変形例2について説明する。
【0449】
図53は、変形例2における保留予告演出の演出態様の例を示す説明図である。なお、変形例2において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する処理は、
図37〜
図41、
図43、
図45〜
図46、および
図48の各処理および各決定テーブルにおいて、アクティブ表示を表示する処理を追加し、アクティブ表示においても通常保留や特殊保留、青色保留、赤色保留と同様の表示を表示可能に構成し、アクティブ表示の表示態様を変化可能に変化パターンを構成したりすればよい。
【0450】
変形例2では、
図53(1)に示すように、演出表示装置9において左中右の演出図柄の変動表示を実行しているときに新たに第1始動入賞口13への始動入賞が発生したものとする。本例では、第1保留記憶数が2である状態で新たに始動入賞が発生して第1保留記憶数が3に増加したものとし、第1保留記憶表示部9aにおいて通常保留を1つ増加させたものとする。また、演出表示装置9の表示画面にはアクティブ表示部9Fが設けられており、現在実行中の変動表示に対応するアクティブ表示がアクティブ表示部9Fに表示されているものとする。また、本例では、新たな保留表示の最終表示態様を通常保留(特殊保留経由あり)に決定したものとし、変化パターンとして変化パターン402(ただし、アクティブ表示も変化可能に読み替えた変化パターン)を決定したものとする。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図53(2)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0451】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図53(3)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。
図53(3)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン402にもとづいて、その予告対象の保留表示を通常保留から三角形表示の特殊保留に変化させる(ステップS8005参照)。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図53(4)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0452】
次いで、保留記憶を1つ消化し保留表示を1つずつシフト表示して、
図53(5)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。
図53(5)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン402にもとづいて作用演出の実行可能タイミングであると判断し、作用演出を実行することに決定するとともに、作用演出の種類を作用演出Bに決定したものとする(ステップS8008参照)。また、その決定結果にもとづいて、
図53(5)に示すように、その演出図柄の変動表示において作用演出Bを実行する(ステップS8010,S8013,S8105参照)。
図53(5)に示す例では、作用演出Bとして、キャラクタBが登場し、そのキャラクタBが特殊保留に向かってボールを投げるような態様の演出が実行される場合を示している。また、
図53(5)に示す例では、作用演出の実行中は演出図柄の変動表示が演出表示装置9の表示画面の端部に縮小表示される場合が示されている。次いで、本例では、
図53(6)に示すように、作用演出Bの終了タイミングとなっても、変化パターン402にもとづいて予告対象の保留表示が特殊保留のまま変化しない。そして、変動表示時間が終了したことにもとづいて、
図53(7)に示すように、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を終了する。
【0453】
次いで、保留記憶を1つ消化して、
図53(8)に示すように、演出表示装置9において次の変動表示を開始する。また、予告対象の変動表示が開始されたことにもとづいて、
図53(8)に示すように、現在実行中の予告対象の変動表示に対応して特殊保留と同様の表示態様のアクティブ表示がアクティブ表示部9Fに表示される。また、
図53(8)に示す例では、変動表示を開始するときに、変化パターン402にもとづいて作用演出の実行可能タイミングであると判断し、作用演出を実行することに決定するとともに、作用演出の種類を作用演出Aに決定したものとする(ステップS8008参照)。また、その決定結果にもとづいて、
図53(8)に示すように、その演出図柄の変動表示において作用演出Aを実行する(ステップS8010,S8013,S8105参照)。
図53(8)に示す例では、作用演出Aとして、キャラクタAが登場し、そのキャラクタAが特殊保留と同様の表示態様のアクティブ表示に向かってボールを投げるような態様の演出が実行される場合を示している。また、
図53(8)に示す例では、作用演出の実行中は演出図柄の変動表示が演出表示装置9の表示画面の端部に縮小表示される場合が示されている。次いで、本例では、
図53(9)に示すように、作用演出Aの終了タイミングとなると、変化パターン402にもとづいて特殊保留と同様の表示態様のアクティブ表示が通常保留と同様の表示態様のアクティブ表示に変化する(ステップS8109,S8110参照)。
【0454】
なお、最終表示態様として青色や青色の表示を決定した場合には、
図53(9)において、アクティブ表示が青色保留や赤色保留と同様の表示態様のアクティブ表示に変化する場合もある。
【0455】
また、この実施の形態によれば、第1態様により表示される特定表示に作用する態様により実行される作用演出(本例では、
図50(5)や
図50(8)、
図51(5)、
図51(8)に示す態様の作用演出)を含む変化演出を実行可能である。また、1の第1態様により表示される特定表示に対して作用演出を複数回実行可能である(本例では、
図41(F)に示す変化パターン402,404では、1つ目の保留シフトのタイミングで特殊保留が表示された後、2回目の保留シフトのタイミングでは作用演出が実行されるものの特殊保留のまま変化せず、3回目の保留シフトのタイミングで作用演出が実行されて特殊保留から通常保留に変化可能である)。そのため、変化演出を実行する場合の演出効果を向上させることができる。
【0456】
なお、この実施の形態では、作用演出を最大で2回実行可能な変化パターンが設けられている場合を示しているが、作用演出を3回以上実行可能な変化パターンを設けるように構成してもよい。
【0457】
また、この実施の形態によれば、第3態様により表示される特定表示の表示態様が第2態様に変化する場合には、第1態様により表示される特定表示の表示態様が第2態様に変化する場合よりも有利度が高い(本例では、
図41に示すように、特殊保留から通常保留に戻っても最終的に赤色保留が表示される変化パターン(変化パターン411,414)が設けられており、スーパーリーチ大当りとなる場合にのみ、変化パターン411,414を決定可能である)。そのため、第3態様により表示される特定表示に対する期待感を高めることができる。
【0458】
なお、この実施の形態では、「第3態様により表示される特定表示の表示態様が第2態様に変化する場合」として特殊保留から通常保留に変化した保留表示がさらに赤色保留に変化する場合を示したが、そのような内容にかぎらず、例えば、最初から通常保留で表示されている保留表示が赤色保留に変化する場合も有利度が高くなるように構成してもよい。
【0459】
また、この実施の形態では、始動入賞時に保留表示の最終表示態様および変化パターンを決定し、その後、変動表示ごとに作用演出の有無や種類を決定する場合を示したが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、変化パターンを用いずに、変動表示ごとに、毎回作用演出の有無や種類を決定するとともに、特殊保留から通常保留や青色保留、赤色保留に変化させるか否かを決定するように構成してもよい。
【0460】
実施の形態2.
第1の実施の形態で示した遊技機において、特殊保留から通常保留に変化した場合、この通常保留に変化した保留表示が消化されるまで、他の保留表示が特殊保留から通常保留に変化することを制限するように構成してもよい。以下、特殊保留から通常保留に変化することを制限する第2の実施の形態について説明する。
【0461】
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
【0462】
図54は、第2の実施の形態における保留予告演出設定処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。この実施の形態では、保留予告演出設定処理において、第1の実施の形態で示した処理に加えて、ステップS6009,S6010の処理を実行する。ステップS6009では、演出制御用CPU101は、ステップS6007Xで決定した保留表示の変化パターンが変化パターン401〜404,412,414(特殊保留から通常保留への変化を含む変化パターン)のいずれかであるか否かを確認する(ステップS6009)。変化パターン401〜404,412,414のいずれかであれば、演出制御用CPU101は、特殊保留から通常保留に変化することを制限することを示す制限フラグをセットする(ステップS6010)。
【0463】
なお、ステップS6010でセットされた制限フラグは、特殊保留から通常保留に変化した保留表示が消化されたときに、その保留表示に対応する変動表示を開始するときや終了するときに演出図柄変動開始処理や演出図柄変動停止処理においてリセットされる。
【0464】
この実施の形態では、ステップS6005Xの処理において、第1の実施の形態で示したステップS6005の処理とは異なる最終表示態様決定テーブルを用いて、保留表示の最終表示態様を決定する(ステップS6005X)。
【0465】
図55および
図56は、第2の実施の形態における最終表示態様決定テーブルの具体例を示す説明図である。ただし、第1保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU101は、
図38(A)〜(C)と同様の最終表示態様決定テーブルを用いて、保留表示の最終表示態様を決定する。
【0466】
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域(ステップS628,S635参照)に格納されている第1保留記憶数が「3」または「4」である場合には、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリが非リーチはずれを示すもの(
図16に示す変動カテゴリ1)であれば、制限フラグがセットされていない場合には、
図55(D−1)に示す保留3〜4個且つ非リーチはずれ且つ制限フラグオフ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、制限フラグがセットされている場合には、
図55(D−2)に示す保留3〜4個且つ非リーチはずれ且つ制限フラグオン用の最終表示態様決定テーブルを選択する。また、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリがスーパーリーチはずれを示すもの(
図16に示す変動カテゴリ7)であれば、制限フラグがセットされていない場合には、
図55(E−1)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチはずれ且つ制限フラグオフ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、制限フラグがセットされている場合には、
図55(E−2)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチはずれ且つ制限フラグオン用の最終表示態様決定テーブルを選択する。また、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリがスーパーリーチ大当りを示すもの(
図17に示す変動カテゴリ23,26)であれば、制限フラグがセットされていない場合には、
図56(F−1)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチ大当り且つ制限フラグオフ用の最終表示態様決定テーブルを選択し、制限フラグがセットされている場合には、
図56(F−2)に示す保留3〜4個且つスーパーリーチ大当り且つ制限フラグオン用の最終表示態様決定テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した最終表示態様決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、最新の保留表示の最終表示態様を決定する。
【0467】
また、この実施の形態では、ステップS6007Xの処理において、第1の実施の形態で示したステップS6007の処理とは異なる変化パターン決定テーブルを用いて、保留表示の変化パターンを決定する(ステップS6007X)。
【0468】
図57は、第2の実施の形態における変化パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。ただし、演出制御用CPU101は、
図40(A)〜(E)および
図41(F)〜(H)に示した変化パターン決定テーブルについては、第1の実施の形態で示したそれらの変化パターン決定テーブルと同様のテーブルを用いて、保留表示の変化パターンを決定する。
【0469】
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域(ステップS628,S635参照)に格納されている第1保留記憶数が「4」であり、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリがスーパーリーチ大当りを示すもの(
図17に示す変動カテゴリ23,26)であり、最終表示態様として赤色保留が決定されている場合には、制限フラグがセットされていない場合には、保留4個且つスーパーリーチ大当り且つ赤色保留且つ制限フラグオフ用の変化パターン決定テーブルを選択し、制限フラグがセットされている場合には、保留4個且つスーパーリーチ大当り且つ赤色保留且つ制限フラグオン用の変化パターン決定テーブルを選択する。
【0470】
図55および
図56に示すように、この実施の形態では、制限フラグがセットされている場合(すなわち、特殊保留から通常保留に変化した保留表示が表示されている場合)には、通常保留(特殊保留経由あり)を決定しないように構成している。また、
図57に示すように、この実施の形態では、制限フラグがセットされている場合には、特殊保留から通常保留への変化を含む変化パターン411,414を決定しないように構成している。そのような構成により、この実施の形態では、特殊保留から通常保留に変化した場合、この通常保留に変化した保留表示が消化されるまで、他の保留表示が特殊保留から通常保留に変化する場合がないように制限している。
【0471】
なお、この実施の形態では、制限フラグがセットされている場合(特殊保留から通常保留に変化した保留表示が表示されている場合)、他の保留表示が特殊保留から通常保留に変化する場合がないように制限する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、他の保留表示が特殊保留から通常保留に変化する割合を低くすることによって制限するように構成してもよい。
【0472】
以上に説明したように、この実施の形態によれば、第3態様により表示される特定表示の数を制限する(本例では、制限フラグがセットされている場合(すなわち、特殊保留から通常保留に変化した保留表示が表示されている場合)には、通常保留(特殊保留経由あり)や特殊保留から通常保留への変化を含む変化パターン411,414を決定しない)。そのため、変化演出を実行する場合の遊技に対する興趣の低下を防止することができる。
【0473】
実施の形態3.
第1の実施の形態では、通常態様よりも期待度が高い表示態様(青色保留や赤色保留)に保留表示を変化させる場合を示したが、演出内容を示唆する表示態様に保留表示を変化可能に構成してもよい。以下、演出内容を示唆する表示態様に保留表示を変化可能に構成する第3の実施の形態について説明する。
【0474】
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
【0475】
また、第1の実施の形態では、第1保留記憶表示部9aおよび第2保留記憶表示部9bを設ける場合を示したが、この実施の形態では、これらに代えて、合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているものとする。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、第1保留記憶表示部9aおよび第2保留記憶表示部9bを備えた遊技機に、この実施の形態で示した構成を適用するようにしてもよい。
【0476】
また、第1の実施の形態では、大当り種別として通常大当り、確変大当り、および突然確変大当りが設けられている場合を示したが、この実施の形態では、これらに代えて、15R確変大当り、8R確変大当り、および突然確変大当りが設けられているものとする。
【0477】
本実施の形態において、合算保留記憶表示部において表示される保留表示の表示態様として、15R/8R確変大当りとなることに対する信頼度を示す通常表示態様と、所定の演出の実行を示唆する演出示唆表示態様とが設けられている。
【0478】
通常表示態様には、白色で表示される「白」、赤色で表示される「赤」、および金色で表示される「金」が含まれており、15R/8R確変大当りとなることに対する信頼度は、金>赤>白となっている。
【0479】
演出示唆表示態様には、「特殊」という文字を表示することにより特殊ゾーン演出の予告対象であることを示唆する第1特殊示唆態様と、「特殊?」という文字を表示することにより特殊ゾーン演出の予告対象であることを示唆する第2特殊示唆態様と、「NEXT」という文字を表示することにより擬似連を実行することを示唆する擬似連示唆態様と、「SP」という文字を表示することによりスーパーリーチに発展することを示唆するSP示唆態様とが含まれる。第1特殊示唆態様は、特殊ゾーン演出の予告対象である場合にのみ選択され得る表示態様である一方、第2特殊示唆態様は、特殊ゾーン演出の予告対象であるか否かにかかわらず選択され得る表示態様である。また、擬似連示唆態様は、擬似連を実行する場合にのみ選択され得る表示態様であり、SP示唆態様は、スーパーリーチに発展する場合にのみ選択され得る表示態様である。
【0480】
なお、特殊ゾーン演出とは、1回の変動または複数回の連続した変動にて、通常の背景とは異なる特殊背景を表示する演出である。また、特殊ゾーン演出は、実行回数が多いほど15R/8R確変大当りに対する信頼度が高い構成となっている。以下、特殊ゾーン演出の実行を開始することを「特殊ゾーンに突入する」ということがある。特殊ゾーンに突入する直前には、突入成功演出が実行される。突入成功演出は、特殊ゾーンに突入することを示唆した後に、特殊ゾーンに突入することが確定した旨を示す演出(例えば、後述する
図64(4)、(5)に示すように、「特殊ゾーンチャンス!」と表示した後に「成功!」と表示する演出)である。また、特殊ゾーンに突入しないときには、特殊ゾーンに突入することを示唆することにより遊技者に期待感を与える突入失敗演出が実行されることがある。例えば、突入成功演出と同様に特殊ゾーンに突入することを示唆した後に、特殊ゾーンに突入しない旨を示す演出(例えば、「特殊ゾーンチャンス!」と表示した後に「失敗・・・」と表示する演出)を突入失敗演出として実行可能である。以下、突入成功演出と突入失敗演出とを「突入予告演出」と総称することがある。突入予告演出は、変動開始時から3秒間に亘って行われる演出である。そして、特殊ゾーンに突入する場合には、変動開始から3秒後(突入成功演出の終了時)に特殊ゾーン演出が開始されるものである。なお、突入予告演出を実行する変動の変動時間が3秒より短い場合には、変動停止の1秒前に突入予告演出を強制的に終了するものとする。その際、特殊ゾーンに突入する場合には、突入成功演出を強制的に終了するとともに特殊ゾーン演出を開始するものとする。
【0481】
また、本実施の形態では、合算保留記憶表示部において、未だ変動が行われていない保留記憶に対する保留表示が行われるとともに、該保留記憶に対する変動表示を開始してから終了するまでの間、該保留記憶に対する保留表示を、合算保留記憶表示部とは異なるアクティブ表示部において継続して表示し続ける。すなわち、該アクティブ表示部において、実行中の変動表示に対応したアクティブ表示(変動表示対応画像)が表示されることとなる。アクティブ表示は、実行中の変動にもとづいて大当りが発生することに対する信頼度を示す画像である。アクティブ表示の表示態様としては、上述した保留表示と同一の表示態様(通常表示態様である「白」、「赤」、「金」、演出示唆表示態様である第1特殊示唆態様および第2特殊示唆態様、擬似連示唆態様、SP示唆態様)が設けられている。
【0482】
本実施の形態では、保留表示およびアクティブ表示を表示の表示態様ついては、対応する保留記憶が発生したとき(始動入賞時)に決定されるようになっている。具体的に、始動入賞が発生したときに、まず、通常表示態様の変化態様(後述する保留変化パターンおよび変化タイミング)を決定し、次に、演出示唆表示態様にて表示するか否かを決定する。演出示唆表示態様にて表示しないことが決定された場合には、始動入賞時のタイミングから通常表示態様にて保留表示が開始される。また、演出示唆表示態様にて表示することが決定された場合には、始動入賞時のタイミングから演出示唆表示態様にて保留表示の表示を開始し、示唆内容の演出を実行したとき(例えば、特殊ゾーン演出を開始してから5秒後、擬似連における再変動を行ってから5秒後、スーパーリーチを開始してから5秒後)、または実行しないことが確定したとき(例えば、突入失敗演出を実行したとき)に通常示唆表示態様に変化するようになっている。
【0483】
また、この実施の形態では、演出制御プロセス処理(ステップS705)において、保留表示に関する制御を行う保留表示制御処理を実行する。
図58および
図59は、第3の実施の形態における保留表示制御処理を示すフローチャートである。保留表示制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、新たに発生した保留記憶に対する保留表示の保留変化パターンを決定するための保留変化パターン決定抽選を実行する(ステップS3701)。具体的には、
図60(A)に示す保留変化パターン決定テーブルを用いて保留変化パターンを決定する。
【0484】
図60(A)は、保留変化パターン決定テーブルを示す説明図である。
図60(A)に示す各保留変化パターン決定テーブルには入賞時判定結果(15R確変大当りまたは8R確変大当り、スーパーリーチはずれ、その他)に応じて保留変化パターンに対応する判定値が割り当てられているが、
図60(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、保留変化パターン決定抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
【0485】
例えば、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りである場合、10%の割合でP01が、15%の割合でP02が、20%の割合でP03が、25%の割合でP04が、30%の割合でP05が、保留変化パターンとして決定される。
【0486】
例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合、70%の割合でP01が、15%の割合でP02が、7%の割合でP03が、5%の割合でP04が、3%の割合でP05が、保留変化パターンとして決定される。
【0487】
例えば、入賞時判定結果がその他である場合、100%の割合でP01が保留変化パターンとして決定される。
【0488】
このような割合にて保留変化パターンを決定することにより、15R確変大当りまたは8R確変大当りとなることに対する保留表示またはアクティブ表示の表示態様が有する信頼度は、白<赤<金となっている。
【0489】
また、本実施の形態における保留変化パターンは、「赤」にならない保留変化パターン(以下、「赤なし」ということがある。例えば、P01。)と、「赤」になる保留変化パターン(以下、「赤あり」ということがある。例えば、P01以外。)とに大別できる。そこで、赤ありおよび赤なしの選択割合を、
図60(B)に示している。
【0490】
図示するように、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りである場合、90%の割合で赤ありを選択し、10%の割合で赤なしを選択する。入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合、30%の割合で赤ありを選択し、70%の割合で赤なしを選択する。入賞時判定結果がその他である場合、100%の割合で赤なしを選択する。
【0491】
この実施の形態では、特殊ゾーン演出の実行の選択割合と、
図60(B)に示した赤ありの選択割合とを比較すると、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りである場合、赤ありの選択割合の方が特殊ゾーン演出を実行する割合よりも高い一方、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合、赤ありの選択割合の方が特殊ゾーン演出を実行する割合よりも低くなっている。従って、赤ありが選択された場合の方が、特殊ゾーン演出を実行することが選択された場合よりも、15R確変大当りまたは8R確変大当りとなることに対する信頼度が高くなっている。すなわち、本実施の形態においては、表示態様が「赤」の保留表示またはアクティブ表示が表示されることは、特殊ゾーン演出よりも信頼度が高いよう構成されている。
【0492】
なお、本実施の形態では、入賞時判定結果が15R確変大当り、8R確変大当りまたはスーパーリーチはずれである場合にのみP02〜P05を選択可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、入賞時判定結果が突然確変大当り、小当り、ノーマルリーチはずれまたは非リーチはずれであっても、P02〜P05を選択可能であることとしてもよい。
【0493】
次に、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域における格納領域(合算保留記憶数に応じた格納領域)に、ステップS3701にて決定した保留変化パターンを示すデータを格納することにより保留変化パターンを記憶する(ステップS3702)。記憶した保留変化パターンが変化なしの保留変化パターン(P01またはP03)である場合、ステップS3710へ移行する。記憶した保留変化パターンが変化ありの保留変化パターン(P02,P04,P05のいずれか)である場合、変化タイミングを決定するための変化タイミング決定抽選を行う(ステップS3704)。具体的には、
図61(A)に示す第1変化タイミング決定抽選テーブルまたは
図61(B)に示す第2変化タイミング決定抽選テーブルを用いて変化タイミングを決定する。
【0494】
図61(A)は、第1変化タイミング決定抽選テーブルを示す説明図である。
図61(B)は、第2変化タイミング決定抽選テーブルを示す説明図である。
図61(A),(B)に示す各変化タイミング決定抽選テーブルには合算保留記憶数毎に変化タイミングに対応する判定値が割り当てられているが、
図61(A),(B)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、変化タイミング決定抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
【0495】
まず、
図61(A)に示す第1変化タイミング決定抽選テーブルを用いて変化タイミング決定抽選を行った場合について説明する。第1変化タイミング決定抽選テーブルは、入賞時判定結果が大当りである場合に用いられる変化タイミング決定抽選テーブルである。
【0496】
例えば、合算保留記憶数が「1」である場合、60%の割合でアクティブ中を、40%の割合でアクティブ開始時を、変化タイミングとして決定する。
【0497】
例えば、合算保留記憶数が「2」である場合、50%の割合でアクティブ中を、30%の割合でアクティブ開始時を、20%の割合で1個目を、変化タイミングとして決定する。
【0498】
例えば、合算保留記憶数が「3」である場合、40%の割合でアクティブ中を、30%の割合でアクティブ開始時を、20%の割合で1個目を、10%の割合で2個目を、変化タイミングとして決定する。
【0499】
例えば、合算保留記憶数が「4」である場合、30%の割合でアクティブ中を、25%の割合でアクティブ開始時を、20%の割合で1個目を、15%の割合で2個目を、10%の割合で3個目を、変化タイミングとして決定する。
【0500】
例えば、合算保留記憶数が「5」である場合、22%の割合でアクティブ中を、20%の割合でアクティブ開始時を、18%の割合で1個目を、16%の割合で2個目を、14%の割合で3個目を、10%の割合で4個目を、変化タイミングとして決定する。
【0501】
例えば、合算保留記憶数が「6」である場合、22%の割合でアクティブ中を、18%の割合でアクティブ開始時を、16%の割合で1個目を、14%の割合で2個目を、12%の割合で3個目を、10%の割合で4個目を、8%の割合で5個目を、変化タイミングとして決定する。
【0502】
例えば、合算保留記憶数が「7」である場合、20%の割合でアクティブ中を、18%の割合でアクティブ開始時を、16%の割合で1個目を、14%の割合で2個目を、12%の割合で3個目を、10%の割合で4個目を、6%の割合で5個目を、4%の割合で6個目を、変化タイミングとして決定する。
【0503】
例えば、合算保留記憶数が「8」である場合、20%の割合でアクティブ中を、18%の割合でアクティブ開始時を、16%の割合で1個目を、14%の割合で2個目を、12%の割合で3個目を、8%の割合で4個目を、6%の割合で5個目を、4%の割合で6個目を、2%の割合で7個目を、変化タイミングとして決定する。
【0504】
次に、
図61(B)に示す第2変化タイミング決定抽選テーブルを用いて変化タイミング決定抽選を行った場合について説明する。第2変化タイミング決定抽選テーブルは、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合に用いられる変化タイミング決定抽選テーブルである。
【0505】
例えば、合算保留記憶数が「1」である場合、40%の割合でアクティブ中を、60%の割合でアクティブ開始時を、変化タイミングとして決定する。
【0506】
例えば、合算保留記憶数が「2」である場合、20%の割合でアクティブ中を、30%の割合でアクティブ開始時を、50%の割合で1個目を、変化タイミングとして決定する。
【0507】
例えば、合算保留記憶数が「3」である場合、10%の割合でアクティブ中を、20%の割合でアクティブ開始時を、30%の割合で1個目を、40%の割合で2個目を、変化タイミングとして決定する。
【0508】
例えば、合算保留記憶数が「4」である場合、10%の割合でアクティブ中を、15%の割合でアクティブ開始時を、20%の割合で1個目を、25%の割合で2個目を、30%の割合で3個目を、変化タイミングとして決定する。
【0509】
例えば、合算保留記憶数が「5」である場合、10%の割合でアクティブ中を、14%の割合でアクティブ開始時を、16%の割合で1個目を、18%の割合で2個目を、20%の割合で3個目を、22%の割合で4個目を、変化タイミングとして決定する。
【0510】
例えば、合算保留記憶数が「6」である場合、8%の割合でアクティブ中を、10%の割合でアクティブ開始時を、12%の割合で1個目を、14%の割合で2個目を、16%の割合で3個目を、18%の割合で4個目を、22%の割合で5個目を、変化タイミングとして決定する。
【0511】
例えば、合算保留記憶数が「7」である場合、4%の割合でアクティブ中を、6%の割合でアクティブ開始時を、10%の割合で1個目を、12%の割合で2個目を、14%の割合で3個目を、16%の割合で4個目を、18%の割合で5個目を、20%の割合で6個目を、変化タイミングとして決定する。
【0512】
例えば、合算保留記憶数が「8」である場合、2%の割合でアクティブ中を、4%の割合でアクティブ開始時を、6%の割合で1個目を、8%の割合で2個目を、12%の割合で3個目を、14%の割合で4個目を、16%の割合で5個目を、18%の割合で6個目を、20%の割合で7個目を、変化タイミングとして決定する。
【0513】
このように、本実施の形態では、大当りである場合よりも、はずれである場合の方が保留表示を開始してから早い時期を変化タイミングとして決定しやすい構成になっている。従って、保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化するタイミングとしては、保留表示を開始してから遅い時期であるほど大当りに対する信頼度が高い構成となっている。逆に、保留表示を開始してから早い時期であるほど大当りに対する信頼度が高い構成であってもよいし、変化タイミングは大当りに対する信頼度を示さないものであってもよい。
【0514】
なお、本実施の形態では、入賞時判定結果が大当りでもスーパーリーチはずれでもない場合(その他である場合)には、保留変化パターンとしてP01のみが選択され得る構成としてあるため、その他用の変化タイミング決定抽選テーブルは設けられていないが、その他であっても表示態様が変化する保留変化パターンを選択可能な構成とするものであれば、その他用の変化タイミング決定抽選テーブルが設けられていることとしてもよい。
【0515】
その後、演出制御用CPU101は、決定した変化タイミングを始動入賞時コマンド格納領域に記憶する(ステップS3705)。そして、ステップS3702にて記憶した保留変化パターンが、変化回数が2回の保留変化パターン(すなわち、P04)である場合(ステップS3706のY)、変化タイミング決定抽選を再度行い(ステップS3707)、決定された変化タイミングがステップS3705において記憶した変化タイミングと異なる場合には(ステップS3708のN)、ステップS3707にて決定した変化タイミングを始動入賞時コマンド格納領域に記憶する(ステップS3709)。ステップS3707において決定した変化タイミングが、ステップS3705において記憶した変化タイミングと同一であった場合(ステップS3708のY)、ステップS3705において記憶した変化タイミングと異なる変化タイミングが決定されるまで変化タイミング決定抽選(ステップS3707)を繰り返し実行する。これにより、2回の異なる変化タイミングを決定することとしている。なお、2つの変化タイミングの組み合わせパターンが複数設けられており、そのうちのいずれかを選択することにより、2回の変化タイミングを一括して決定することとしてもよい。
【0516】
その後、演出制御用CPU101は、演出示唆表示態様にて保留表示を表示することに関する処理(ステップS3710〜S3725)を実行する。該処理には、具体的に、第1特殊示唆態様にて保留表示を表示することに関する第1処理(ステップS3710〜S3713)と、第2特殊示唆態様にて保留表示を表示することに関する第2処理(ステップS3714〜S3717)と、擬似連示唆態様にて保留表示を表示することに関する第3処理(ステップS3718〜S3721)と、SP示唆態様にて保留表示を表示することに関する第4処理(ステップS3722〜S3725)とが含まれる。
【0517】
以下、第1特殊示唆態様における保留表示を「第1特殊示唆保留」、第2特殊示唆態様における保留表示を「第2特殊示唆保留」、擬似連示唆態様における保留表示を「擬似連示唆保留」、SP示唆態様における保留表示を「SP示唆保留」ということがある。
【0518】
まず、演出制御用CPU101は、新たな保留記憶が予告対象の特殊ゾーンに突入予定であるか否かを判定する(ステップS3710)。例えば、特殊ゾーンに突入することを決定したときにフラグをセットしておき、該フラグがセットされていれば、新たな保留記憶が予告対象の特殊ゾーンに突入予定であると判定するものである。
【0519】
新たな保留記憶が予告対象の特殊ゾーンに突入予定である場合、第1特殊示唆保留の表示を実行するか否かを決定するための第1特殊示唆実行抽選を行う(ステップS3711)。具体的には、
図62(A)に示す第1特殊示唆実行抽選テーブルを用いて第1特殊示唆保留を実行するか否かを決定する。
【0520】
図62(A)は、第1特殊示唆実行抽選テーブルを示す説明図である。
図62(A)に示す第1特殊示唆実行抽選テーブルには、入賞時判定結果および保留変化パターン毎に第1特殊示唆保留の表示の実行の有無に対応する判定値が割り当てられているが、
図62(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、第1特殊示唆実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
【0521】
例えば、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りである場合、保留変化パターンがP01であれば、40%の割合で第1特殊示唆保留の表示を実行することが、60%の割合で第1特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。また、保留変化パターンがP01以外であれば、80%の割合で第1特殊示唆保留の表示を実行することが、20%の割合で第1特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。
【0522】
例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合、保留変化パターンがP01であれば、30%の割合で第1特殊示唆保留の表示を実行することが、70%の割合で第1特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。また、保留変化パターンがP01以外であれば、60%の割合で第1特殊示唆保留の表示を実行することが、40%の割合で第1特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。
【0523】
第1特殊示唆保留の表示を実行することが決定された場合、新たな保留記憶に対する保留表示として、第1特殊示唆保留の表示を開始する(ステップS3713)。
【0524】
ステップS3710において新たな保留記憶が予告対象の特殊ゾーンに突入予定でない場合、またはステップS3712において第1特殊示唆保留の表示を実行ない場合、演出制御用CPU101は、新たな保留記憶が予告対象の突入予告演出を実行する(特殊ゾーンに移行する予定である場合(突入成功演出を実行する予定である場合)と、特殊ゾーンに移行しない予定であるものの、突入失敗演出を実行する予定である場合とを含む)か否かを判定する(ステップS3714)。例えば、特殊ゾーンに突入することを決定したときにフラグをセットしておき、該フラグがセットされていれば、新たな保留記憶が予告対象の突入成功演出を実行する予定であると判定するものである。また、例えば、突入失敗演出を実行することを決定したときにフラグをセットしておき、該フラグがセットされていれば、新たな保留記憶が予告対象の突入失敗演出を実行する予定であると判定するものである。
【0525】
突入予告演出を実行する予定である場合、第2特殊示唆保留の表示を実行するか否かを決定するための第2特殊示唆実行抽選を行う(ステップS3715)。具体的には、
図62(B)に示す第2特殊示唆実行抽選テーブルを用いて第2特殊示唆保留の表示を実行するか否かを決定する。
【0526】
図62(B)は、第2特殊示唆実行抽選テーブルを示す説明図である。
図61(B)に示す第2特殊示唆実行抽選テーブルには、入賞時判定結果および保留変化パターン毎に第2特殊示唆保留の表示の実行の有無に対応する判定値として、突入成功演出を実行する場合と突入失敗演出を実行する場合とで異なる値が割り当てられているが、
図62(B)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、第2特殊示唆実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
【0527】
まず、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りである場合について説明する。
【0528】
例えば、突入成功演出を実行する予定である場合(特殊ゾーンに移行する予定である場合)、保留変化パターンがP01であれば、40%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行することが、60%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。また、保留変化パターンがP01以外であれば、80%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行することが、20%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。
【0529】
例えば、突入失敗演出を実行する予定である場合(特殊ゾーンに移行しない予定である場合)、保留変化パターンがP01であれば、80%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行することが、20%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。また、保留変化パターンがP01以外であれば、40%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行することが、60%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。
【0530】
次に、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合について説明する。
【0531】
例えば、突入成功演出を実行する予定である場合(特殊ゾーンに移行する予定である場合)、保留変化パターンがP01であれば、30%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行することが、70%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。また、保留変化パターンがP01以外であれば、60%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行することが、40%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。
【0532】
例えば、突入失敗演出を実行する予定である場合(特殊ゾーンに移行しない予定である場合)、保留変化パターンがP01であれば、60%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行することが、40%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。また、保留変化パターンがP01以外であれば、30%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行することが、70%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。
【0533】
最後に、入賞時判定結果がその他である場合について説明する。
【0534】
例えば、突入失敗演出を実行する予定である場合(特殊ゾーンに移行しない予定である場合)、いずれの保留変化パターンであっても、100%の割合で第2特殊示唆保留の表示を実行しないことが決定される。なお、本実施の形態では、入賞時判定結果がその他である場合には、特殊ゾーンに突入しない構成であるため、突入成功演出を実行する場合における第2特殊示唆保留の表示の実行の有無を決定するための判定値は割り振られていない。
【0535】
このように、本実施の形態では、入賞時判定結果が15R確変大当り、8R確変大当り、またはスーパーリーチはずれである場合に限り、第2特殊示唆態様にて保留表示を表示可能であることとしたが、これに限るものではなく、入賞時判定結果が突然確変大当り、小当り、ノーマルリーチはずれ、または非リーチはずれである場合にも第2特殊示唆態様にて保留表示を表示可能であることとしてもよい。
【0536】
また、このように、保留変化パターンがP01以外であるとき、突入成功演出を実行する場合の方が、突入失敗演出を実行する場合よりも高い割合で第2特殊示唆保留の表示を実行するよう構成されている。すなわち、第2特殊示唆保留の表示が実行されるとき、特殊ゾーンに突入した場合の方が、特殊ゾーンに突入しない場合よりも表示態様が「赤」に変化しやすい構成となっている。なお、特殊ゾーンに突入しない場合には表示態様が「赤」に変化しない構成であってもよい。
【0537】
ここで、
図62(B)に示した第2特殊示唆実行抽選テーブルと、
図60(B)に示した赤保留の選択割合とを比較する。例えば、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りである場合には、赤ありの選択割合は90%である一方(
図60(B)参照)、第2特殊示唆保留の実行割合は90%未満である(
図62(B)参照)。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合には、赤ありの選択割合は30%である一方(
図60(B)参照)、第2特殊示唆保留の実行割合は30%以上である(
図62(B)参照)。従って、15R確変大当りまたは8R確変大当りとなることに対する信頼度は、赤保留>第2特殊示唆保留となっている。
【0538】
第2特殊示唆保留の表示を実行することが決定された場合、新たな保留記憶に対する保留表示として、第2特殊示唆保留の表示を開始する(ステップS3717)。
【0539】
ステップS3714において新たな保留記憶が予告対象の突入予告演出を実行しない場合、またはステップS3716において第2特殊示唆保留の表示を実行しない場合、演出制御用CPU101は、新たな保留記憶が擬似連を伴う擬似連保留であるか否かを判定する(ステップS3718)。擬似連保留である場合、擬似連示唆保留の表示を実行するか否かを決定するための擬似連示唆実行抽選を行う(ステップS3719)。具体的には、
図62(C)に示す擬似連示唆実行抽選テーブルを用いて擬似連示唆保留の表示を実行するか否かを決定する。
【0540】
図62(C)は、擬似連示唆実行抽選テーブルを示す説明図である。
図62(C)に示す擬似連示唆実行抽選テーブルには、入賞時判定結果および保留変化パターン毎に擬似連示唆保留の表示の実行の有無に対応する判定値が割り当てられているが、
図62(C)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、擬似連示唆実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
【0541】
例えば、入賞時判定結果が大当りである場合、保留変化パターンがP01であれば、20%の割合で擬似連示唆保留の表示を実行することが、80%の割合で擬似連示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。また、保留変化パターンがP01以外であれば、30%の割合で擬似連示唆保留の表示を実行することが、70%の割合で擬似連示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。
【0542】
例えば、入賞時判定結果がはずれである場合、保留変化パターンがP01であれば、10%の割合で擬似連示唆保留の表示を実行することが、90%の割合で擬似連示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。また、保留変化パターンがP01以外であれば、20%の割合で擬似連示唆保留の表示を実行することが、80%の割合で擬似連示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。
【0543】
擬似連示唆保留の表示を実行することが決定された場合、新たな保留記憶に対する保留表示として、擬似連示唆保留の表示を開始する(ステップS3721)。
【0544】
ステップS3718において新たな保留記憶が擬似連保留でない場合、またはステップS3720において擬似連示唆保留の表示を実行しない場合、演出制御用CPU101は、新たな保留記憶がスーパーリーチに発展するSPリーチ保留であるか否かを判定する(ステップS3722)。SPリーチ保留である場合、SP示唆保留の表示を実行するか否かを決定するためのSP示唆実行抽選を行う(ステップS3723)。具体的には、
図62(D)に示すSP示唆実行抽選テーブルを用いてSP示唆保留の表示を実行するか否かを決定する。
【0545】
図62(D)は、SP示唆実行抽選テーブルを示す説明図である。
図62(D)に示すSP示唆実行抽選テーブルには、入賞時判定結果および保留変化パターン毎にSP示唆保留の表示を実行の有無に対応する判定値が割り当てられているが、
図62(D)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、SP示唆実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
【0546】
例えば、入賞時判定結果が大当りである場合、保留変化パターンがP01であれば、30%の割合でSP示唆保留の表示を実行することが、70%の割合でSP示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。また、保留変化パターンがP01以外であれば、40%の割合でSP示唆保留の表示を実行することが、60%の割合でSP示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。
【0547】
例えば、入賞時判定結果がはずれである場合、保留変化パターンがP01であれば、20%の割合でSP示唆保留の表示を実行することが、80%の割合でSP示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。また、保留変化パターンがP01以外であれば、30%の割合でSP示唆保留の表示を実行することが、70%の割合でSP示唆保留の表示を実行しないことが、決定される。
【0548】
SP示唆態様における保留表示を実行することが決定された場合、新たな保留記憶に対する保留表示として、SP示唆保留の表示を開始する(ステップS3725)。
【0549】
ここで、
図62(C)に示した擬似連示唆実行抽選テーブルと、
図62(D)に示したSP示唆実行抽選テーブルとを比較すると、保留変化パターンがP01以外である場合において、擬似連示唆保留の表示の実行割合とSP示唆保留の表示の実行割合とが異なる。すなわち、演出示唆表示態様の種類にもとづいて異なる割合にて、演出示唆表示態様から「赤」に変化させる構成になっている。これにより、演出示唆表示態様の種類に注目させることができる。
【0550】
ステップS3722において新たな保留記憶がSPリーチ保留でない場合、またはステップS3724においてSP示唆保留の表示を実行しない場合、演出制御用CPU101は、ステップS3702において記憶した保留変化パターンに応じた表示態様にて、新たな保留記憶に対する保留表示の表示を開始する(ステップS3726)。具体的に、P01,P02,P04のいずれかであれば「白」にて保留表示を開始し、P03またはP05であれば「赤」にて保留表示を開始する。
【0551】
なお、本実施の形態では、ステップS3710〜S3725に示したように、演出示唆態様の保留表示の表示タイミングを始動入賞時としたが、これに限るものではない。例えば、保留表示のシフト時、変動表示中、またはアクティブ表示中など、いずれのタイミングに演出示唆態様の保留表示またはアクティブ表示を表示可能であることとしてもよい。
【0552】
また、本実施の形態では、第1処理、第2処理、第3処理、第4処理の順に処理を実行することにより、実行優先度(すなわち、実行頻度)が第1特殊示唆態様>第2特殊示唆態様>擬似連示唆態様>SP示唆態様となってしまうことが考えられる。そこで、例えば、第1特殊示唆態様、第2特殊示唆態様、擬似連示唆態様およびSP示唆態様のうちのいずれの演出示唆表示態様にて保留表示またはアクティブ表示を表示するかを一括して決定可能なテーブルを設けることにより、実行優先度(実行頻度)に偏りが生じるのを防ぐことができる。または、本実施の形態のように各演出示唆表示態様にて保留表示またはアクティブ表示を実行するか否かを順に抽選するものであっても、先に実行される抽選であるほど実行割合を低くする(後に実行される抽選であるほど実行割合を高くする)ことにより、実行優先度(実行頻度)に偏りが生じるのを防ぐことができる。
【0553】
また、本実施の形態では、複数の演出示唆表示態様のうち単一の演出示唆表示態様でのみ保留表示を表示可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、複数の演出示唆表示態様にて保留表示を表示可能であることとしてもよい。例えば、第1特殊示唆表示態様およびSP示唆表示態様にて保留表示を実行することが決定された場合には、「特殊」という文字と「SP」という文字とを含む保留表示を表示することとしてもよい。具体的には、上述した第1処理〜第4処理をそれぞれ独立して実行することにより、複数の演出示唆表示態様にて保留表示を表示可能であることとしてもよい。なお、第1特殊示唆表示態様および第2特殊示唆表示態様が示唆する予告演出はいずれも特殊ゾーン演出であるため、第1特殊示唆表示態様および第2特殊示唆表示態様の両方にて保留表示を実行することはないよう構成してもよい。例えば、第1特殊示唆表示態様の保留表示の方が第2特殊示唆表示態様の保留表示よりも優先的に表示されることとすればよい。
【0554】
図63は、第3の実施の形態における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、アクティブ表示の変化タイミングであるか否かを判定する(ステップS4701)。具体的に、上述したアクティブ情報格納領域において、変化タイミングとしてアクティブ中が格納されており、変動開始から所定時間(例えば、13秒)が経過したときに、アクティブ表示の変化タイミングであると判定する。なお、上述したように、変化タイミングとしてアクティブ中が格納されているものの、対応する変動の変動時間が13秒より短い場合には、変動が停止する1秒前をアクティブ表示の変化タイミングとして判定するものとする。アクティブ表示の変化タイミングである場合には、アクティブ情報格納領域における保留変化パターンを参照して、アクティブ表示の表示態様を変化させる(ステップS4702)。例えば、保留変化パターンがP02であれば「赤」に変化させ、P04またはP05であれば「金」に変化させる。
【0555】
また、第1特殊示唆態様にて保留表示またはアクティブ表示を表示している場合には、(ステップS4703のY)、突入成功演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS4704)。具体的に、3秒以上の変動時間を有する変動において突入成功演出を開始した場合には、突入成功演出を開始してから3秒が経過したタイミングを突入成功演出の終了タイミングであると判定し、3秒未満の変動時間を有する変動中に突入成功演出を開始した場合には、変動停止の1秒前のタイミングを突入成功演出の終了タイミングであると判定する。突入成功演出の終了タイミングである場合、第1特殊示唆態様にて表示している保留表示またはアクティブ表示の表示態様を、5秒後に保留表示パターンに応じた表示態様に変化させる(ステップS4705)。具体的には、保留変化パターンがP01であれば「白」に、P02である場合には変化タイミング以前であれば「白」に、変化タイミング以降であれば「赤」に、保留変化パターンがP03であれば「赤」に、P04である場合には両方の変化タイミング以前であれば「白」に、一方の変化タイミング以降であるが他方の変化タイミング以前である場合には「赤」に、両方の変化タイミング以降であれば「金」に、P05である場合には変化タイミング以前であれば「赤」に、変化タイミング以降であれば「金」に、変化させる。
【0556】
なお、突入成功演出を実行した変動の変動時間が8秒未満である場合(突入成功演出を実行するための期間(3秒間)と、突入成功演出を終了してから保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させるまでの待機期間(5秒間)との合計期間よりも変動時間が短い場合)、変動停止の1秒前に保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させることとする。
【0557】
また、第2特殊示唆態様にて保留表示またはアクティブ表示を表示している場合には、(ステップS4706のY)、突入予告演出(突入成功演出または突入失敗演出)の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS4707)。具体的に、3秒以上の変動時間を有する変動において突入予告演出を開始した場合には、突入予告演出を開始してから3秒が経過したタイミングを突入予告演出の終了タイミングであると判定し、3秒未満の変動時間を有する変動中に突入予告演出を開始した場合には、変動停止の1秒前のタイミングを突入予告演出の終了タイミングであると判定する。突入予告演出の終了タイミングである場合、第2特殊示唆態様にて表示している保留表示またはアクティブ表示の表示態様を、5秒後に保留表示パターンに応じた表示態様に変化させる(ステップS4708)。具体的には、保留変化パターンがP01であれば「白」に、P02である場合には変化タイミング以前であれば「白」に、変化タイミング以降であれば「赤」に、保留変化パターンがP03であれば「赤」に、P04である場合には両方の変化タイミング以前であれば「白」に、一方の変化タイミング以降であるが他方の変化タイミング以前である場合には「赤」に、両方の変化タイミング以降であれば「金」に、P05である場合には変化タイミング以前であれば「赤」に、変化タイミング以降であれば「金」に、変化させる。
【0558】
なお、突入予告演出を実行した変動の変動時間が8秒未満である場合(突入予告演出を実行するための期間(3秒間)と、突入予告演出を終了してから保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させるまでの待機期間(5秒間)との合計期間よりも変動時間が短い場合)、変動停止の1秒前に保留表示またはアクティブ表示の表示態様を変化させることとする。
【0559】
また、擬似連示唆態様にてアクティブ表示を表示している場合には、(ステップS4709のY)、擬似連の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS4710)。具体的に、擬似連ではチャンス目図柄が停止表示された後に再変動が開始されるものが一般的であるが、ステップS4710においては、1回目の再変動タイミングを擬似連の開始タイミングとして判定する。なお、1回目のチャンス目図柄の停止タイミングを擬似連の開始タイミングとして判定するものであってもよい。
【0560】
擬似連の開始タイミングである場合、擬似連示唆態様にて表示しているアクティブ表示の表示態様を、5秒後に保留表示パターンに応じた表示態様に変化させる(ステップS4711)。具体的には、保留変化パターンがP01であれば「白」に、P02である場合には変化タイミング以前であれば「白」に、変化タイミング以降であれば「赤」に、保留変化パターンがP03であれば「赤」に、P04である場合には一方の変化タイミング以降であるが他方の変化タイミング以前である場合には「赤」に、両方の変化タイミング以降であれば「金」に、P05である場合には変化タイミング以前であれば「赤」に、変化タイミング以降であれば「金」に、変化させる。
【0561】
なお、擬似連の開始タイミングから5秒が経過する前に変動が終了する変動パターンが設けられており、該変動パターンの変動中にアクティブ表示の表示態様を変化させる場合には、変動停止の所定時間前(例えば、1秒前)にアクティブ表示の表示態様を変化させることとしてもよい。
【0562】
また、SP示唆態様にてアクティブ表示を表示している場合には、(ステップS4712のY)、スーパーリーチ演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS4713)。具体的に、変動パターン毎に予め定められたタイミングをスーパーリーチ演出の開始タイミングとして判定する。スーパーリーチ演出の開始タイミングである場合、SP示唆態様にて表示しているアクティブ表示の表示態様を、5秒後に保留表示パターンに応じた表示態様に変化させる(ステップS4714)。具体的には、保留変化パターンがP01であれば「白」に、P02である場合には変化タイミング以前であれば「白」に、変化タイミング以降であれば「赤」に、保留変化パターンがP03であれば「赤」に、P04である場合には一方の変化タイミング以降であるが他方の変化タイミング以前である場合には「赤」に、両方の変化タイミング以降であれば「金」に、P05である場合には変化タイミング以前であれば「赤」に、変化タイミング以降であれば「金」に、変化させる。
【0563】
なお、スーパーリーチ演出の開始タイミングから5秒が経過する前に変動が終了する変動パターンが設けられており、該変動パターンの変動中にアクティブ表示の表示態様を変化させる場合には、変動停止の所定時間前(例えば、1秒前)にアクティブ表示の表示態様を変化させることとしてもよい。
【0564】
その後、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
【0565】
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8115)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8116)。
【0566】
図64および
図65は、第3の実施の形態における第2特殊示唆態様にて保留表示を表示する場合における表示例を示す説明図である。まず、(1)アクティブ表示と2個の保留表示とが表示されている変動中に、(2)新たな保留記憶が発生して該保留記憶に対応する保留表示が第2特殊示唆態様(「特殊?」)にて表示される。このとき、該保留記憶を予告対象とする特殊ゾーン演出を実行することが決定されるとともに、実行回数Kとして「3」が、残余回数Rとして「3」がセットされたこととする。また、保留変化パターンとしてP04が決定され、変化タイミングとして1個目および2個目が決定されたこととする。
【0567】
そして、(3)はずれ目で変動が終了し、(4)次の変動が開始される。このとき、新たな変動に対応するアクティブ表示が表示されるとともに、保留表示がシフトする。そして、残余回数Rが「2」となり、残余回数Rに「1」加算した値と実行回数Kが同値となることから、突入予告演出が実行される。それから3秒が経過すると、(5)突入成功演出であったことが報知され、特殊ゾーンに突入する。それから5秒後のタイミングで、(6)第2特殊示唆態様にて表示していた保留表示の表示態様が「赤」に変化する(ステップS4708参照)。
【0568】
その後、(7)はずれ目で変動が終了し、(8)次の変動が開始される。このとき、新たな変動に対応するアクティブ表示が表示されるとともに、保留表示がシフトする。そして、「赤」にて表示していた保留表示の保留変化パターンはP04であるとともに、変化タイミングに1個目が含まれることから、表示態様が「金」に変化する。
【0569】
以上に説明したように、この実施の形態によれば、可変表示を実行可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示(本例では、保留表示、アクティブ表示)を、少なくとも、通常態様(本例では、「白」)と、通常態様よりも期待度の高い第1特定態様(本例では、「赤」)と、演出内容を示唆する第2特定態様(本例では、演出示唆表示態様(第1特殊示唆態様、第2特殊示唆態様、擬似連示唆態様、SP示唆態様))とを含むいずれかの表示態様にて表示可能な特定表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS3713,S3717,S3721,S3725,S3726,S4702,S4705,S4708,S4711,S4714を実行する部分)と、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出を実行可能な演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS8010,S8011と同様の処理において選択したプロセステーブルに応じてステップS8013,S8105と同様の処理を実行することにより、特殊ゾーン演出、擬似連、およびスーパーリーチ演出を実行可能な部分)とを備え、特定表示手段は、第2特定態様にて特定表示を表示した後、第2特定態様の特定表示により示唆された内容の演出が実行されたとき(本例では、示唆された内容の演出が実行された5秒後)に該特定表示の表示態様を第2特定態様から第1特定態様に変化可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS4702,S4705,S4708,S4711,S4714を実行することにより、保留変化パターンとしてP02〜P05のいずれかが選択されていた場合には、第2表示態様である演出示唆表示態様にて表示していた保留表示またはアクティブ表示を、第1特定態様である「赤」に変化可能である)こととした。これにより、特定態様に対する期待感を高めることができる。
【0570】
なお、この実施の形態で示した構成を第1の実施の形態で示した遊技機に適用した場合、例えば、この実施の形態で示した第1特定態様または第2特定態様が第1の実施の形態で示した第2態様に相当し、第1態様(特殊保留)により特定表示を表示した後に、その第1態様(特殊保留)から第1特定態様や第2特定態様に変化するように構成することが可能である。
【0571】
また、上記に示した第1の実施の形態〜第3の実施の形態で示した構成を適宜組み合わせて遊技機を構成することも可能である。すなわち、上記に示した第1の実施の形態〜第3の実施の形態のうちのいずれか複数の実施の形態で示した構成を適宜組み合わせたり、全ての実施の形態で示した構成を組み合わせて遊技機を構成するようにしてもよい。
【0572】
なお、上記の各実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定の期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
【0573】
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
【0574】
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
【0575】
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
【0576】
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
【0577】
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
【0578】
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて保留予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
【0579】
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0580】
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
【0581】
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0582】
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示を行うことが可能な遊技機であって、可変表示に対応する特定表示(例えば、保留表示。アクティブ表示でもよい。)を表示可能な特定表示手段(例えば、第1保留記憶表示部9a、第2保留記憶表示部9b)と、第1態様(例えば、特殊保留)により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を変化させる変化演出(例えば、作用演出を伴う保留予告演出)を実行可能な変化演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS800A,S8004〜S8010,S8106〜S8114を実行する部分)とを備え、第1態様は複数種類あり(例えば、三角形表示の特殊保留と矩形表示の特殊保留)、変化演出実行手段は、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を有利度が高い第2態様(例えば、青色保留や赤色保留)に変化させる演出を実行可能である(例えば、
図40(D),(E)に示す変化パターン33〜36および
図41(G)〜(I)に示す変化パターン405〜S414にもとづく保留予告演出を実行可能である)とともに、変化演出として、第1態様により特定表示を表示した後に、該特定表示の表示態様を第2態様に変化させない場合に、該特定表示の表示態様を第3態様(例えば、通常保留)に変化させる演出を実行可能であり(例えば、
図40(C)に示す変化パターン31,32および
図41(F)に示す変化パターン401〜404にもとづく保留予告演出を実行可能である)、特定表示がいずれの種類の第1態様によって表示されているかに応じて、異なる割合により特定表示の表示態様を第3態様に変化させる(例えば、
図39(c)に示すように、三角形表示の特殊保留が表示される場合の方が、矩形表示の特殊保留が表示される場合と比較して、特殊保留から通常保留に変化する割合が高い)、さらに、遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段(例えば、打球操作ハンドルや打球発射装置)と、遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理(例えば、遊技制御メイン処理におけるSa9041〜Sa9048)を実行可能な第1制御手段(例えば、CPU90103)と、遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路(例えば、右遊技領域9010R)を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示(例えば、右打ち報知画像)と、復旧処理に関する復旧表示(例えば、電断復旧画面)とを表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、表示手段とは異なる手段であって、特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な報知手段(例えば、右打ち報知用LED9030)と、第1制御手段から送信される情報(例えば、実施例における右打ち報知用LED点灯指定コマンドや、変形例1における遊技状態指定コマンド)に基づいて、表示手段における表示を制御する第2制御手段(例えば、演出制御用CPU90120)と、を備え、第2制御手段は、復旧表示とともに促進表示を表示する制御が可能である(例えば、
図90及び
図92に示すように、演出制御用CPU90120が右打ち報知処理と電断復旧画面表示処理を実行することで演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示する部分)遊技機が挙げられる。そのような構成によれば、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができる。また、遊技状態の復旧時において、遊技者の不利益の発生を低減することができる。
【0583】
なお、特定表示を表示する特定表示手段と、促進表示と復旧表示とを表示する表示手段とを、同一の表示装置で構成してもよいし、別個の表示装置で構成してもよい。特定表示と促進表示や復旧表示を同一の表示装置で行う場合には、特定表示手段は表示手段に含まれることになる。また、可変表示について、特定表示を行う表示装置や、促進表示や復旧表示を行う表示装置と同一の表示装置で可変表示を行うようにしてもよいし、別個の表示装置で可変表示を行うようにしてもよい。
【0584】
さらに、変化演出を実行する場合の演出効果の低下を防止することができ、また、遊技状態の復旧時において、遊技者の不利益の発生を低減することができる遊技機の形態の一例として、遊技媒体(例えば、遊技球)を使用した遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、遊技者の操作に基づいて遊技媒体を発射可能な発射手段(例えば、打球操作ハンドルや打球発射装置)と、遊技の進行を制御するとともに、電力供給の停止後に電力供給を受けた際に遊技状態の復旧処理(例えば、遊技制御メイン処理におけるSa9041〜Sa9048)を実行可能な第1制御手段(例えば、CPU90103)と、遊技媒体が流下する流下経路のうちの特定経路(例えば、右遊技領域9010R)を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示(例えば、右打ち報知画像)と、復旧処理に関する復旧表示(例えば、電断復旧画面)とを表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置905)と、表示手段とは異なる手段であって、特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進報知が可能な報知手段(例えば、右打ち報知用LED9030)と、第1制御手段から送信される情報(例えば、実施例における右打ち報知用LED点灯指定コマンドや、変形例1における遊技状態指定コマンド)に基づいて、表示手段における表示を制御する第2制御手段(例えば、演出制御用CPU90120)と、を備え、第2制御手段は、復旧表示とともに促進表示を表示する制御が可能である(例えば、
図90及び
図92に示すように、演出制御用CPU90120が右打ち報知処理と電断復旧画面表示処理を実行することで演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示する部分)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
【0585】
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。尚、以下の形態例においては、フローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。
図66は、この実施例におけるパチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。尚、遊技盤902の前面は、遊技機用枠(台枠)903に、開閉可能に設けられたガラス扉枠903aによって覆われている。尚、これらガラス扉枠903aは、遊技場の係員が、開放鍵を開放錠Kに挿入して解鍵することで開放可能となり、一般の遊技者等はガラス扉枠903aを開放することはできないようになっている。
【0586】
遊技盤902の所定位置(
図66に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器904Aと、第2特別図柄表示器904Bとが設けられている。第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
【0587】
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器904Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器904Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
【0588】
第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。尚、この実施例では、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを方形状とした形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各セグメントを、不規則に配置したものであってもよい。
【0589】
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(演出表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う)が変動表示される。
【0590】
一例として、演出表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
【0591】
このように、演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
【0592】
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて変動表示される演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
【0593】
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア905L,905C,905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア905Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
【0594】
演出表示装置905の表示領域には、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uが配置されている。第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uでは、各特別図柄に対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、各特別図柄に対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
【0595】
この実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア905Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第2保留記憶表示エリア905Uに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、異なる表示態様であってもよい。
【0596】
また、演出表示装置905の右上方には、大当り遊技中や特定の大当り遊技の終了後、小当り遊技中において点灯することで、打球操作ハンドルの操作によって遊技球を後述する右遊技領域9010Rに打ち出すよう遊技者に報知するための右打ち報知用LED9030が設けられている。尚、この実施例の右打ち報知用LED9030は、LED制御基板9014を介して演出制御用CPU90120によって点灯・消灯制御が実行される。
【0597】
図66に示す例では、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uとともに、第1特別図柄表示器904A及び第2特別図柄表示器904Bの上部に、特図保留記憶数を発光により特定可能に表示するための第1保留表示部9025Aと第2保留表示部9025Bとが設けられている。第1保留表示部9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示部9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
【0598】
更に、第1保留表示部9025Aの上方には、大当り遊技中や特定の大当り遊技の終了後、小当り遊技中において点灯(発光)することで、打球操作ハンドルの操作によって遊技球を後述する右遊技領域9010Rに打ち出すよう遊技者に報知するための右打ち表示部9025Dが設けられている。尚、この実施例の右打ち表示部9025Dは遊技制御用マイクロコンピュータ90100(CPU90103)によって点灯・消灯制御が実行される。
【0599】
つまり、右打ち表示部9025Dは、第1特別図柄表示器904A、第2特別図柄表示器904B、普通図柄表示器9020,第1保留表示部9025A、第2保留表示部9025B、普図保留表示部9025Cと同じく発光により遊技に関する情報を報知可能な発光手段の一部である。また、この実施例における右打ち報知用LED9030及び右打ち表示部9025Dは、共に、左遊技領域9010Lよりも右遊技領域9010Rに近接して配置されている。このため、遊技者は、遊技状態が時短状態や大当り遊技状態、小当り遊技状態である場合に、視点を移動させることなく右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dとを視認することが可能となっている。
【0600】
演出表示装置905の左右には、一般入賞口9050A,9050Dが設けられているとともに、一般入賞口9050Aの下方の領域には、一般入賞口9050B,9050Cとが設けられている。また、演出表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、
図67に示す普通電動役物用となるソレノイド9081によって、垂直位置となる通常開放状態(
図66中実線位置参照)と傾動位置(
図66中点線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通電動役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
【0601】
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
【0602】
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば
図67に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば
図67に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
【0603】
また、一般入賞口9050A,9050B,9050C,9050Dを通過(進入)した遊技球は、
図67に示す第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dによって検出され、該検出に基づいて所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0604】
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの右側方には、第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907Bが一体化された特別可変入賞球ユニット907が設けられている。
【0605】
ここで、特別可変入賞球ユニット907の構成について説明する。尚、以下の説明では、パチンコ遊技機901を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する。
【0606】
図66に示すように、特別可変入賞球ユニット907は、左部側が第1特別可変入賞球装置907Aを構成し、右部側が第2特別可変入賞球装置907Bを構成している。また、特別可変入賞球ユニット907の正面側には透光性を有する合成樹脂材にて構成された図示しないカバー体が取り付けられており、遊技者は該カバー体を介して特別可変入賞球ユニット907内、特に第2特別可変入賞球装置907B内を流下する遊技球を視認できるようになっている。
【0607】
第1特別可変入賞球装置907Aは、ソレノイド9082(
図67参照)によって開閉駆動される第1大入賞口扉90701を備え、該第1大入賞口扉90701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成する。第1大入賞口は、特別可変入賞球ユニット907の左部において、上向きに開放するように形成されている。尚、第1大入賞口扉90701は、ソレノイド9082の駆動によって第1大入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、第1大入賞口を開放する開放位置との間で前後方向にスライド移動可能となっている。
【0608】
第1特別可変入賞球装置907Aでは、ソレノイド9082がオン状態であるときに第1大入賞口扉90701が第1大入賞口を開放状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、ソレノイド9082がオフ状態であるときに第1大入賞口扉90701が第1大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易い遊技者とって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
【0609】
第1大入賞口を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口内に設けられた第1カウントスイッチ9023(
図67参照)を通過することで、該第1カウントスイッチ9023によって検出される。第1カウントスイッチ9023を通過した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導される。第1カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第2状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置907Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。
【0610】
また、第1大入賞口に進入することなく流下した遊技球の大半は、図示しない障害釘等により普通可変入賞球装置906Bに誘導され、普通可変入賞球装置906Bが拡大開放状態であれば第2始動入賞口に入賞するようになっている。
【0611】
図73に示す第2特別可変入賞球装置907Bは、第1特別可変入賞球装置907Aよりも上方に向けて突出して形成されており、ソレノイド9083(
図67参照)によって開閉駆動される第2大入賞口扉90711を備え、該第2大入賞口扉90711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口を形成する。第2大入賞口は、第2特別可変入賞球装置907Bの上端部において上向きに開放するように形成されている。第2大入賞口扉90711は、ソレノイド9083の駆動によって第2大入賞口を開放する第2状態(開放状態)と、第2大入賞口を閉鎖する第1状態(閉鎖状態)との間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
【0612】
第2特別可変入賞球装置907Bでは、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083がオン状態であるときに第2大入賞口扉90711が第2大入賞口を開放状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083がオフ状態であるときに第2大入賞口扉90711が第2大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第2大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
【0613】
第2大入賞口を通過(進入)する遊技球は、
図73に示す第2大入賞口内に設置された第2カウントスイッチ9024Aを通過することで、該第2カウントスイッチ9024A内によって検出される。第2カウントスイッチ9024Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて開放状態となった第2大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて第2大入賞口が開放状態となれば、該第2大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置907Bにおいて第2大入賞口が閉鎖状態となれば、第2大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。
【0614】
図73に示すように、第2特別可変入賞球装置907B内には、第2大入賞口を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路90750が形成されている。遊技球流路90750は、第2大入賞口を通過した遊技球が通過可能な主経路90740(
図73中実線に沿う領域)と該主経路90740から分岐する分岐路90741(
図73中点線に沿う領域)とを有する。主経路90740と分岐路90741との間には後述する逆流防止部材90730が配設されている。また、主経路90740における逆流防止部材90730の上流側には、主経路90740から分岐路90741が分岐する第1分岐部90742が設けられており、主経路90740における逆流防止部材90730の下流側には、主経路90740から分岐路90741が分岐する第2分岐部90743が設けられている。つまり、主経路90740を流下する遊技球は、第1分岐部90742または第2分岐部90743から分岐路90741側に移動可能とされている。
【0615】
主経路90740の最下流部には、遊技球が通過可能な第3カウントスイッチ9024Bが設置されており、遊技球は、該第3カウントスイッチ9024Bを通過することで、該第3カウントスイッチ9024Bによって検出される。第3カウントスイッチ9024Bを通過した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導される。また、分岐路90741の最下流部に到達した遊技球は、遊技盤902に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤902の背面側に誘導され、第4カウントスイッチ9024Cを通過することで、該第4カウントスイッチ9024Cによって検出される。
【0616】
尚、この実施例では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ9024Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊技状態に制御するようになっている。よって、小当り遊技中に第2大入賞口扉90711が開放している期間において、振動等を印加することよって遊技球の進路が変更されて第3カウントスイッチ9024Bによって遊技球が検出されてしまうと、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されてしまう不正が可能となってしまうので、この実施例のパチンコ遊技機901では、このような場合に遊技を中止するようになっている。
【0617】
主経路90740における第1分岐部90742の下流側には、遊技球の第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を規制及び許容する規制部材90721が設けられている。規制部材90721は、ソレノイド9085(
図67参照)の駆動によって主経路90740内に突出することで、遊技球の主経路90740での第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を規制する規制状態と、主経路90740内から退避することで遊技球の主経路90740での第3カウントスイッチ9024Bへ向けての流下を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。
【0618】
尚、規制部材90721の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は、正面視で分岐路90741側に向けて下方に所定角度の傾斜を成すように主経路90740に設けられている。このため、規制部材90721が規制状態であるときに主経路90740を遊技球が流下してくると、該遊技球は規制部材90721の上部に形成された平坦面に沿って第2分岐部90743を経由して分岐路90741に向けて流下するように誘導される。
【0619】
主経路90740と分岐路90741との間には、前後方向を向く枢軸によって逆流防止部材90730が回動可能に枢支されている。逆流防止部材90730は、上端が枢軸により枢支された板状部材からなり、規制部材90721の平坦面にて誘導される遊技球が主経路90740側から接触したときに主経路90740側から分岐路90741側へ通過可能となるように移動(回動)可能である。具体的には、主経路90740と分岐路90741との間を開放するように傾斜する許容位置と、主経路90740と分岐路90741との間を閉鎖する規制位置と、の間で回動可能に設けられている。尚、規制部材90721の上方には前方に向けて突出する90リブ801が設けられており、逆流防止部材90730は規制位置において該リブ90801に正面視で反時計回り方向から当接する。
【0620】
尚、逆流防止部材90730は、通常は自重により規制位置に配置されており、該規制位置では、平坦面にて誘導される遊技球が主経路90740側(正面視で右側)から当接することで、該遊技球により押されて許容位置を上限に正面視で時計回り方向に回動する。
【0621】
このとき、逆流防止部材90730の先端部と第2分岐部90743の下部との間の上下幅寸法が遊技球の直径よりも短寸に変化し、第3カウントスイッチ9024Bが設けられている主経路90740側から第4カウントスイッチ9024Cが設けられている分岐路90741側への遊技球の移動が許容される。一方、逆流防止部材90730が規制位置にあるときは、遊技球が分岐路90741側(正面視で左側)から当接したとしても、逆流防止部材90730がリブ90801に当接していることによって逆流防止部材90730の反時計回り方向への回動が規制される。このとき、逆流防止部材90730の先端部と第2分岐部90743の下部との間の幅寸法は、遊技球の直径よりも短寸に維持されるため、第4カウントスイッチ9024Cが設けられている分岐路90741側から第3カウントスイッチ9024Bが設けられている主経路90740側への遊技球の移動が確実に規制される。
【0622】
図66に戻って、遊技盤902の所定位置(
図66に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
【0623】
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示部9025Cが設けられている。普図保留表示部9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を発光により表示する。尚、通過ゲート9041は、特別可変入賞球ユニット907における第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907B間に設置されている。尚、通過ゲート9041内には、後述するゲートスイッチ9021が内蔵されている。
【0624】
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、上記した各入賞口以外の入賞口を設けるようにしてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
【0625】
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果LED909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球ユニット907等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
【0626】
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
【0627】
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。
【0628】
上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。
【0629】
この実施例では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された演出表示装置905の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域9010Lと右側の右遊技領域9010Rとに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域9010Lを流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域9010Rを流下するようになっている。
【0630】
また、左遊技領域9010Lを流下した遊技球は、普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B及び一般入賞口9050A〜9050Cに入賞可能であり、右遊技領域9010Rを流下した遊技球は、普通可変入賞球装置906B、第1特別可変入賞球装置907A、第2特別可変入賞球装置907B及び一般入賞口9050Dに入賞可能、且つ、通過ゲート9041を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置907A及び第2特別可変入賞球装置907Bに入賞不能、かつ、通過ゲート9041を通過不能である。
【0631】
次に、パチンコ遊技機901における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機901では、遊技領域に設けられた通過ゲート9041を通過した遊技球が
図67に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことといった、普通図柄表示器9020にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図の変動表示が開始される。
【0632】
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置906Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
【0633】
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が
図67に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器904Aによる特図の変動表示が開始される。また、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が
図67に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示が開始される。
【0634】
第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
【0635】
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
【0636】
この実施例におけるパチンコ遊技機901では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器904Aによる特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
【0637】
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置907Aの第1大入賞口扉90701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置907Aを遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
【0638】
第1大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」、「10」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
【0639】
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置907Bの第2大入賞口扉90711が、所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置907Bは遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)となる。
【0640】
尚、この実施例では、小当り遊技状態において第2大入賞口扉90711が所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまで1回開放するように設定されているが、この発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態において複数回開放するようにしてもよい。
【0641】
小当り遊技状態において、第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置907B内に設けられた第3カウントスイッチ9024Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU90103は、該遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置907B内に設けられた第4カウントスイッチ9024Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU90103は、該遊技球の第4カウントスイッチ9024Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。
【0642】
そして、遊技球の第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置907Bの第2大入賞口扉90711が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置907Bを遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。尚、この実施例では、第3カウントスイッチ9024Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置907Bが第2状態に制御されるようになっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、第1特別可変入賞球装置907Aが第2状態に制御されるようにしてもよい。
【0643】
第2大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技は、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第2大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)によりラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
【0644】
尚、この実施例における大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、100回や20回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれかに制御される。時短制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、100回や20回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
【0645】
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器9020による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
【0646】
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
【0647】
パチンコ遊技機901には、例えば
図67に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、LED制御基板9014、ターミナル基板(情報出力基板)9016といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0648】
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
【0649】
また、主基板9011には、
図67に示すように、磁石による不正を検知するための磁気センサ9060、電磁波による不正を検知するための電波センサ9070、パチンコ遊技機901に振動を与えて遊技球の進路を変更する等の不正を検知するための振動センサ9080、遊技盤902の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠903aの開放を検知する扉開放センサ9090、第1大入賞口扉90701の開放を検知するための第1大入賞口扉センサ9091、第2大入賞口扉90711の開放を検知するための第2大入賞口扉センサ9092、遊技球が下皿に流下する経路上に設けられて遊技球が下皿に満杯になっていることを検知するための満タンセンサ9093、賞球として払い出す遊技球が所定数以下であることを検知するための球切れセンサ9094等の各種のセンサが接続されており、これらのセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。尚、
図67において球切れセンサ9094は、主基板9011に直接接続されているように表記しているが、実際には、払出基板に接続されており、該払出基板を経由して接続されている。
【0650】
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081〜9083に伝送する出力回路9011、ターミナル基板9016からセキュリティ信号等の各種の信号の出力を行うための情報出力回路90112が搭載されている。
【0651】
尚、出力回路90111は、ソレノイド9085を駆動させるためのコントローラ9084にも接続されている。コントローラ9084は、パチンコ遊技機901の起動時に出力回路90111を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100から起動信号を受信することでソレノイド9085の駆動制御を開始するようになっている。コントローラ9084がソレノイド9085を駆動することにより、規制部材90721は、遊技状態にかかわらず規制状態と許容状態とを1秒間毎に繰り返す。
【0652】
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置905における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果LED909や右打ち報知用LED9030等の点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
【0653】
図68(A)は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、
図68(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0654】
図68(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0655】
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば
図68(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0656】
変動表示結果通知コマンドでは、例えば
図68(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当りA」となる旨の事前決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「小当りB」となる旨の事前決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。
【0657】
コマンド8F00Hは、演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機901における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機901における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
【0658】
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機901においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、
図78に示す各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板9012側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理(
図91参照)によって報知される。
【0659】
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
【0660】
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
【0661】
コマンドB100Hは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ9022Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ9022Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
【0662】
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア905Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア905Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
【0663】
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
【0664】
コマンドD100Hは、V入賞したこと、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したことで第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったことを通知するV入賞通知指定コマンドである。
【0665】
コマンドD200Hは、演出表示装置905に電断復旧画面を表示することを指定する電断復旧指定コマンドである。
【0666】
コマンドD301Hは、右打ち報知用LED9030の点灯を指定する右打ち報知用LED点灯指定コマンドである。
【0667】
コマンドD302Hは、右打ち報知用LED9030の消灯を指定する右打ち報知用LED消灯指定コマンドである。
【0668】
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)90106とを備えて構成される。
【0669】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0670】
図69は、主基板9011の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。
図69に示すように、この実施例では、主基板9011の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1´の他、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´、普図表示結果判定用の乱数値MR4´、MR4´の初期値決定用の乱数値MR5´のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1´〜MR5´は、CPU90103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路90104によって更新されてもよい。乱数回路90104は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
【0671】
図70は、この実施例における変動パターンを示している。この実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、変動表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
【0672】
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、この実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、この発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
【0673】
図70に示すように、この実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、この実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
【0674】
尚、この実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
【0675】
尚、この実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3´のみを用いて決定するようにしているが、この発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3´に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
【0676】
遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行し、RAM90102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU90103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板9011の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
【0677】
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定を行うために用意された、
図71などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
【0678】
ROM90101が記憶する判定テーブルには、例えば
図71(A)に示す表示結果判定テーブル、
図71(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、
図71(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)、
図71(D)に示す小当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
【0679】
図71(A)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM90101に記憶されているデータの集まりであって、MR1´と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
【0680】
図71(A)に示すように、変動特図指定バッファが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
【0681】
また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率で大当りが発生するとともに、これら判定値のうちの半数が小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、50%(100/200)の確率(割合)で小当りに当選するようになっている。
【0682】
つまり、CPU90103は、MR1´の値が
図71(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA〜大当りC)とすることを決定する。また、MR1´が
図71(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。尚、
図71(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器904Aまたは第2特別図柄表示器904Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器904Aまたは第2特別図柄表示器904Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0683】
尚、この実施例では、CPU90103は、
図71(A)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
【0684】
また、この実施例では、変動特図指定バッファが第1である場合、大当りに対応する判定値以外の判定値が小当りに対応する判定値として設定されていない、つまり、小当りが当選しないようになっていたが、大当りに対応する判定値以外の判定値の一部を小当りに対応する判定値として設定し、小当りが当選するようにしてもよい。
【0685】
図71(B)、(C)は、ROM90101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、
図71(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、
図71(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
【0686】
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2´)に基づいて、大当りの種別を大当りA〜大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、
図71(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には、大当りCの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りAから大当りCまでの3種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りCのみとなる。
【0687】
図71(D)は、ROM90101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2´)に基づいて、小当りの種別を小当りAまたは小当りBに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、小当りAの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りDの大当り遊技が実行されるようになっており、小当りBの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りEの大当り遊技が実行されるようになっている。つまり、これら大当りD及び大当りEは、始動入賞時に抽出される当り種別判定用の乱数値MR2´によって決定される大当り種別ではなく、小当りAと小当りBのいずれの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したか否かによって決定される大当り種別である。
【0688】
ここで、この実施例における大当り種別について、
図71(E)を用いて説明すると、この実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行されない大当りA及び大当りDと、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行される大当りB、大当りC及び大当りEが設定されている。
【0689】
これら大当りA〜大当りEのうち、大当りAは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りAの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
【0690】
大当りBは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りBの大当り遊技状態の終了後は20回の特図ゲームが実行されるまで、または20回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
【0691】
大当りCは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りCの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
【0692】
大当りDは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りDの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行されない。
【0693】
大当りEは、第2大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが14回(いわゆる14ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りEの大当り遊技状態の終了後は100回の特図ゲームが実行されるまで、または100回の特図ゲームが実行されるまでに再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。
【0694】
尚、時短状態においては、「普図当り」となる確率が上昇することで通常状態よりも小当りが発生しやすくなる。このため、時短状態では、第2特別図柄の変動表示結果として大当りが発生する場合と、遊技球が小当り遊技中にV入賞することにより大当りが発生する場合があるので、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生し易い所謂連荘状態となる。
【0695】
尚、大当りBの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が20回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する割合(20回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)は約50%に設定されている。一方、大当りC及び大当りEの大当り遊技終了後の時短状態では、時短制御が実行される特図ゲーム数が100回に設定されているため、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する割合(100回の特図ゲーム中に特図ゲームの変動表示結果として大当りが発生する割合と遊技球がV入賞して大当りが発生する割合の合計)はほぼ100%に設定されている。
【0696】
尚、この実施例では大当り種別として大当りA〜大当りEの5種類が設けられているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は6種類以上設けられていても良く、また、4種類以下が設けられていてもよい。
【0697】
また、
図71(B)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)においては、MR2´の判定値の範囲0〜299のうち、0〜149までが大当りAに割り当てられており、150〜249までが大当りBに割り当てられており、250〜299までが大当りCに割り当てられている。このため、第1特別図柄の特図ゲームにおいて大当りが発生した場合は、50%の割合で大当り遊技終了に時短制御が実行されないようになっている。また、大当り遊技終了後に時短制御が実行される場合においては、時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回よりも高い割合で20回に決定されるようになっている。
【0698】
一方で、
図71(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2´の判定値の範囲0〜299のうち、全ての範囲(0〜299)が大当りCに割り当てられているため、大当り遊技終了後は必ず時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている。
【0699】
また、
図71(D)に示すように、小当り種別判定テーブルにおいては、MR2´の判定値の範囲0〜299のうち、0〜99までが小当りAに割り当てられており、100〜299までが小当りBに割り当てられている。このため、小当り遊技中にV入賞大当りが発生した場合は、75%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行される特図ゲームの回数が100回に決定されるようになっている一方で、25%の割合で大当り遊技終了後に時短制御が実行されないようになっている。
【0700】
また、ROM90101には、変動パターン判定用の乱数値MR3´に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
【0701】
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
【0702】
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1´−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1´−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1´−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、この実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「大当りB」または「大当りC」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「大当りA」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「大当りB」または「大当りC」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
【0703】
また、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、小当りの変動パターン(PC1´−1)の変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施における小当りの変動パターンとしてはPC1´−1のみが設けられているが、この発明はこれに限定されるものではなく、小当りの変動パターンとしては2以上の変動パターンを設けるようにしてもよい。
【0704】
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
【0705】
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1´−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1´−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2´−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2´−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2´−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3´がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
【0706】
尚、
図70に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1´−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1´−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1´−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1´−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1´−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
【0707】
図67に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM90102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
【0708】
このようなRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば
図72に示すような遊技制御用データ保持エリア90150が設けられている。
図72に示す遊技制御用データ保持エリア90150は、第1特図保留記憶部90151Aと、第2特図保留記憶部90151Bと、普図保留記憶部90151Cと、遊技制御フラグ設定部90152と、遊技制御タイマ設定部90153と、遊技制御カウンタ設定部90154と、遊技制御バッファ設定部90155とを備えている。
【0709】
第1特図保留記憶部90151Aは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部90151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1´や大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部90151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0710】
第2特図保留記憶部90151Bは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部90151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1´や大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部90151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0711】
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
【0712】
普図保留記憶部90151Cは、通過ゲート9041を通過した遊技球がゲートスイッチ9021によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器9020により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部90151Cは、遊技球が通過ゲート9041を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
【0713】
遊技制御フラグ設定部90152には、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部90152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
【0714】
遊技制御タイマ設定部90153には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部90153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
【0715】
遊技制御カウンタ設定部90154には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部90154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部90154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU90103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
【0716】
遊技制御カウンタ設定部90154のランダムカウンタには、乱数回路90104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1´〜MR4´を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU90103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU90103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路90104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路90104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
【0717】
遊技制御バッファ設定部90155には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部90155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0718】
図67に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるI/O90105は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
【0719】
図67に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、演出表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
【0720】
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU90120がROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU90120がRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU90120がRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
【0721】
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
【0722】
演出制御基板9012には、演出表示装置905に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板9013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板9014に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
【0723】
尚、演出制御基板9012の側においても、主基板9011と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
【0724】
図67に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
【0725】
一例として、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の演出装置(例えば演出表示装置905やスピーカ908L,908R、遊技効果LED909及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルや、各種のエラー(異常)の報知において表示する表示画面や遊技効果LED909の点灯態様や出力音声等のエラー報知パターン等が記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
【0726】
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
【0727】
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
【0728】
図67に示す演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
【0729】
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板9011から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
【0730】
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置905の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
【0731】
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
【0732】
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0733】
この実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにて保留記憶表示を行うための始動入賞バッファが設定されている。始動入賞バッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。尚、これら始動入賞バッファのデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の保留表示更新処理(S9072、
図89参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞バッファのデータに基づいて第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示が更新される。
【0734】
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたことに基づいて第1変動開始コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア905Dにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第2特図の変動が開始されたことに基づいて第2変動開始コマンドを受信したときには、第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。
【0735】
次に、この実施例のパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。
図74に示すように、遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、Sa901以降の遊技制御メイン処理を開始する。遊技制御メイン処理において、CPU90103は、まず、必要な初期設定を行う。
【0736】
初期設定処理において、CPU90103は、まず、割込禁止に設定する(Sa901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(Sa902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(Sa903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(Sa904)、RAM90102をアクセス可能状態に設定する(Sa905)。なお、割込モード2は、CPU90103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
【0737】
次いで、CPU90103は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(Sa906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU90103は、通常の初期化処理(Sa9010〜Sa9012)を実行する。
【0738】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、後述する電源断検出処理(
図76参照)におけるSd902及びSd903の処理が実行されているか否かを、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かに基づいて判定する(Sa907)。
【0739】
バックアップデータが格納されている場合、CPU90103は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(Sa908)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、Sa908では、算出したチェックサムと、電源断検出処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0740】
チェック結果が正常であれば、CPU90103は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(Sa9041〜Sa9048の処理)を行う。具体的には、ROM90101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(Sa9041)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM90102内の領域)に設定する(Sa9042)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。Sa9041およびSa9042の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。また、CPU90103は、バックアップデータから電断発生時の遊技状態を特定し(Sa9044)、該特定した遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態のいずれか、つまり、この実施例において遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態であるか否かを判定する(Sa9045)。
【0741】
バックアップデータから特定した遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態のいずれかである場合(Sa9045;Y)、CPU90103は、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(Sa9046)、右打ち表示部9025Dの点灯を開始する。そして、電断復旧指定コマンドの送信設定を行い(Sa9048)、Sa9015に進む。尚、遊技状態が遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す(左打ちを行う)通常状態である場合(Sa9045;N)は、Sa9046及びSa9047の処理を実行せずにSa9048の処理のみを実行してSa9015に進む。尚、Sa9046において送信設定される右打ち報知用LED点灯指定コマンドとSa9048において送信設定される電断復旧指定コマンドとは、後述するコマンド制御処理において演出制御基板9012に対して送信される。
【0742】
尚、バックアップデータが格納されていない場合(Sa907;N)やパリティチェックの結果が正常でない場合(Sa908;N)場合は、初期化処理を実行する。
【0743】
初期化処理では、CPU90103は、まず、RAMクリア処理を行う(Sa9010)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM90102の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM90101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(Sa9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(Sa9012)。
【0744】
Sa9011およびSa9012の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
【0745】
Sa9048またはSa9012の実行後、CPU90103は、乱数回路90104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(Sa9015)。CPU90103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路90104に特図表示結果判定用の乱数値MR1´の値を更新させるための設定を行う。
【0746】
そして、Sa9016において、CPU90103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0747】
次いで、CPU90103は、表示用乱数更新処理(Sa9018)および初期値用乱数更新処理(Sa9019)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(Sa9017)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(Sa9020)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0748】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、
図75のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図75に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、電源断検出処理を実行する(S9010)。そして、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024A、第3カウントスイッチ9024B、第4カウントスイッチ9024C、第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S9011)。続いて、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024A、第3カウントスイッチ9024B、第4カウントスイッチ9024C、第1一般入賞口スイッチ9026A,第2一般入賞口スイッチ9026B,第3一般入賞口スイッチ9026C,第4一般入賞口スイッチ9026Dといった各種スイッチから入力された検出信号に応じて賞球を払い出すための賞球処理を実行する(S9012)。 その後、所定のメイン側エラー処理(S9015)を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を実行可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、払出情報などのデータを出力する(S9016)。
【0749】
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる乱数値MR1´や乱数値MR1´〜MR4´といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S9017)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S9018)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球ユニット907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0750】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S9019)。CPU90103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
【0751】
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S9020)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部90155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0752】
以下、遊技制御用タイマ割込処理における各種処理の内容について説明する。
【0753】
図76は、この実施例の電源断検出処理の一例を示すフローチャートである。この電源断検出処理では、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(Sd901)。電源断信号の入力が無い場合は電源断検出処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は、バックアップデータを特定し(Sd902)、該特定したバックアップデータをRAM90102に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(Sd903)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(Sd904)、パチンコ遊技機901が電源断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。尚、電源断信号は電源電圧が所定値以下に低下した場合に継続して出力されるので、この実施例における電源断検出処理では、チェックデータの作成後(Sd904の実行後)にループ処理に移行することで、新たなバックアップデータをバックアップデータ格納領域に格納しないようになっている。このため、例えば、新たなバックアプデータの格納中に電源電圧が更に低下することで正常にバックアップデータ格納領域に新たなバックアップデータが格納されなくなってしまうことが防止されている。
【0754】
図77は、この実施例のメイン側エラー処理(S9015)を示すフローチャートである。メイン側エラー処理においてCPU90103は、まず、演出制御基板9012側において異常報知を所定期間において実行中であることを示す異常報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S90401)
【0755】
異常報知中タイマが動作中でない場合(S90401;N)にはS90402に進む。また、異常報知中タイマが動作中である場合(S90401;Y)には、S90420に進んで、異常報知中タイマを−1し、該減算後の異常報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S90421)。
【0756】
異常報知中タイマがタイマアップしていない場合(S90421;N)には、S90402に進む。一方、異常報知中タイマがタイマアップした場合(S90421;Y)には、異常報知中フォラグをクリアした後(S90422)、S90402に進む。
【0757】
S90402においては、
図78に示す各エラー(異常)の発生を判定する異常判定処理を行う。この実施例のパチンコ遊技機1では、
図78に示すエラー(異常)を判定する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これらエラー(異常)の種類や数は、パチンコ遊技機901の機種や仕様によって適宜に設定されればよい。
【0758】
この実施例では、
図78に示すように、1〜15の各エラー(異常)が設定されており、異常判定処理においては、これら1〜15の各エラー(異常)の発生を判定可能である。
【0759】
これら各エラー(異常)には、
図78に示すように、優先順位が設定されており、原則として、該優先順位が高いエラー(異常)が優先して報知されるようになっている。
【0760】
これらエラーとしては、例えば、優先順位「1」のスイッチコモン短絡エラーのように、機器である電源を供給するスイッチ電源の短絡異常によるエラーや、電波センサ9070による電磁波の検出や磁気センサ9060による磁力の検出等の不正の可能性が非常に高いエラーや、第1カウントスイッチ9023や第2カウントスイッチ9024Aの検出異常等のように、機器(スイッチ)の不良または不正の可能性があるエラーや、満タンエラーや球切れエラー等の不正である可能性がないが、遊技の進行において支障が生じるエラー等がある。
【0761】
また、それぞれのエラーには、発生したエラーを解除するための条件が設定されており、比較的優先度の高いエラーについては、主に「電源オフ」が解除条件とされているのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、一定時間が経過することや、当該エラーの状態が解除されることが解除条件とされている。
【0762】
また、エラー(異常)には、
図78に示すように、所定状態である遊技停止状態に制御されるエラー(異常)と、所定状態である遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とがあり、比較的優先度の高いエラーは遊技停止状態に制御されるエラー(異常)とされ、比較的優先度の低いエラー(異常)については、遊技停止状態に制御されないエラー(異常)とされている。
【0763】
尚、これらエラーには、同一のセンサによるエラーであっても、検出される時期によって異なるエラーとなるものがある。例えば、振動センサ9080により異常振動が検出された場合のエラーとしては、第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bの作動時に振動センサ9080により異常振動が検出された場合には、優先順位が「6」と高い振動検出1エラーと判定されて、電源がオフされるまで遊技停止状態に制御されるのに対し、第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bの作動時に振動センサ9080により異常振動が検出された場合には、優先順位が「11」と低い振動検出2エラーと判定され、遊技停止状態に制御されることなく、60秒後に当該エラーが解除されるようになっている。
【0764】
また、各エラー(異常)には、
図78に示すように、各々、セキュリティ信号の出力態様が設定されており、各エラー(異常)の発生が判定された場合には、各エラー(異常)に対応する態様にてセキュリティ信号がターミナル基板9016からパチンコ遊技機901の外部に出力されるようになっている。尚、セキュリティ信号は、比較的優先度が高く、遊技停止状態となるエラー(異常)については、電源がオフされるまで出力されるのに対し、比較的優先度の低いエラー(異常)については、エラー判定後の一定時間において出力されるか、或いは、出力されないようになっている。尚、優先度「10」の「不正入賞エラー」については、電源がオフされるまでだけではなく、再電源投入後から一定時間(この実施例では4分)に亘り、セキュリティ信号が出力されるように設定されている。
【0765】
このように、この実施例の異常判定処理においてCPU90103は、主基板9011に接続されている磁気センサ9060、電波センサ9070、振動センサ9080、扉開放センサ9090、第1大入賞口扉センサ9091、第2大入賞口扉センサ9092、満タンセンサ9093、球切れセンサ9094の検出状態や、払出基板の状態、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023、第2カウントスイッチ9024Aの遊技球の検知状態等に基づいて、
図78に示す各エラー(異常)を判定する。
【0766】
そして、S90402の異常判定処理を実行した後、該異常判定処理において異常の発生を判定したか否かを判断し(S90403)、異常の発生を判定していない場合(S90403;N)には当該メイン側エラー処理を終了する。
【0767】
一方、異常の発生を判定した場合(S90403;Y)には、異常報知を実行中であることを示す異常報知中フラグがセットされているか否か、つまり、既に異常の報知を行っているか否かを判定する(S90404)。
【0768】
異常報知中フラグがセットされていない場合(S90404;N)には、S90410に進んで、異常報知中フラグと異常報知中タイマをセットするとともに、報知を開始するエラー(異常)を記憶した後、S90411に進む。
【0769】
尚、異常報知中タイマには、例えば、報知を開始するエラー(異常)が振動検出2エラーであれば、60秒に対応するタイマ値がセットされ、報知を開始するエラー(異常)が始動口2異常入賞エラーであれば、300秒に対応するタイマ値がセットされる。但し、報知を開始するエラー(異常)が、「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、異常報知中タイマに「0」をセットする。これにより、S90401においては、異常報知中タイマが動作中ではないと判定されることで、セットされた異常報知中フラグは、電源がオフとされるまでセットされていることになる。つまり、これら「電源オフ」の解除条件に対応するエラーについては、電源がオフとされるまでエラーの報知が継続されることになるので、電源がオフとされるまで異常報知中フラグがクリアされないようになっている。尚、異常賞球数が所定数以上であると判定された賞球異常エラーの場合には、遊技停止状態に制御されないので、遊技が可能な状態にてエラーが報知されることになる。
【0770】
異常報知中フラグがセットされている場合(S90404;Y)には、S90410にて記憶されている報知異常のデータから報知中の異常を特定し(S90405)、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一であるか否かを判定する(S90406)。
【0771】
S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一である場合(S90406;Y)には、当該メイン側エラー処理を終了する。一方、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)と同一でない場合(S90406;N)には、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)であるか否かを判定する(S90407)。S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合(S90407;N)には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)ではない場合には、S90413の処理が実行されてエラー指定コマンドが演出制御基板9012に送信されることがないため、該エラー(異常)の報知は実行されず、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになる。
【0772】
一方、S90402にて判定したエラー(異常)が報知中のエラー(異常)より高優先度のエラー(異常)である場合(S90407;Y)には、さらに、所定状態である遊技停止状態を示す遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(S90408)。
【0773】
遊技停止フラグがセットされている場合(S90408;Y)、つまり、遊技停止状態である場合には、当該メイン側エラー処理を終了する。よって、遊技停止状態である場合には、報知中のエラー(異常)よりも優先度の高いエラー(異常)がS90402にて判定されても、S90413の処理やS90414の処理が実行されることがないため、演出制御基板9012に新たなエラー指定コマンドが送信されることがないので、報知中のエラー(異常)の報知が継続されることになるとともに、出力中のセキュリティ信号の出力が変化(信号のON・OFF)してしまうこともない。
【0774】
一方、遊技停止フラグがセットされていない場合(S90408;N)、つまり、遊技停止状態ではない場合には、S90409に進んで、異常報知中タイマを再セットするとともに、報知中のエラー(異常)を更新記憶する。尚、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が「電源オフ」の解除条件に対応するエラーである場合には、前述したS90410の場合と同様に、異常報知中タイマに「0」をセットすることで、異常報知中フラグが、電源がオフとされるまでセットされているようになる。
【0775】
そして、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)が遊技停止に該当するエラーであるか否かを判定し(S90411)、遊技停止に該当するエラーでない場合(S90411;N)には、S90412を経由することなくS90413に進む。遊技停止に該当するエラーである場合(S90411;Y)には、発射制御基板に対して発射を停止する設定を行って、打球発射装置からの遊技球の発射を不能とし、遊技停止フラグをセットして(S90412)、S90413に進む。
【0776】
S90413においては、S90402にて判定された、報知中のエラー(異常)と異なるエラー(異常)の発生を指定するエラー指定コマンドを演出制御基板9012に送信する設定を行い、その後、該エラー(異常)に対応する出力態様にてセキュリティ信号を出力する設定を行い(S90414)、メイン側エラー処理を終了する。これらS90414にてセキュリティ信号を出力する設定がなされることにより、情報出力処理(S9016)において、ターミナル基板9016からセキュリティ信号がホールコンピュータ等の外部機器に対して出力される。
【0777】
尚、S90413において送信設定されたエラー指定コマンドは、S9020のコマンド制御処理が実行されることにより演出制御基板9012に送信される。そして、演出制御基板9012においては、後述するエラー報知処理(
図91参照)が実行されることで、該送信されたエラー指定コマンドにて特定されるエラー(異常)に対応したエラー報知が実行される。
【0778】
このように、この実施例のパチンコ遊技機901の主基板9011においては、上記したメイン側エラー処理が実行され、演出制御基板9012においては、後述するエラー報知処理(
図91参照)が実行されることにより、
図79に示すように、遊技状態が所定状態である遊技停止状態であるか否かにより、エラー報知の実行態様が異なる。
【0779】
具体的には、例えば、遊技可能な状態において、最初に
図78に示す振動検出2エラーの発生が判定された場合には、該振動検出2エラーの発生が、
図79(A)に示すように、振動検出2エラーに対応する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウが、所定時間である60秒に亘って演出表示装置905において表示されることにより報知される。
【0780】
そして、これら振動検出2エラーの報知中において賞球異常エラーの発生が判定された場合には、賞球異常エラーの優先度は「7」であり、実行されている振動検出2エラーの優先度である「11」よりも高いので、実行されている振動検出2エラーを報知する「E−54 振動エラー」のポップアップウインドウに代えて、賞球異常エラーの報知、具体的には、
図79(A)に示すように、「係員をお呼びください! E−33 賞球異常エラー 電源を再投入してください」の表示を含むポップアップウインドウが表示されて、賞球異常エラーの発生が報知される。但し、この賞球異常エラーの発生では、遊技停止状態に制御されることはなく、遊技可能な状態が維持される。
【0781】
そして、賞球異常エラーの報知中において、例えば、賞球異常エラーよりも優先度の高いエラーである「磁石エラー」の発生が判定された場合には、
図79(B)に示すように、演出表示装置905の表示全体が黒表示とされることで遊技停止中であることが示されるとともに、演出表示装置905に「遊技停止中 係員をお呼びください! E−02 磁石エラー 電源を再投入してください」の表示が白文字にて表示されることで、「磁石エラー」の発生が報知されるとともに、遊技停止となったエラー(異常)が磁石エラーであることが報知される。
【0782】
そして、このように遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、該「電波エラー」の発生が判定されても遊技停止フラグがセットされていることによって、該「電波エラー」の判定に対応するエラー指定コマンドが送信されないので、
図79(B)に示すように、「電波エラー」の報知が実行されずに、遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」の報知が継続されることで、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーがどのようなエラーであるのかが特定できなくなって、これら遊技停止状態に制御される契機となったエラーである、磁石を使用した不正に対する適切な対応ができなくなってしまうことを防ぐことができる。
【0783】
また、遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、S90414の処理が実行されない、つまり、発生が判定された「電波エラー」に対応するセキュリティ信号の出力が制限されるので、出力中の「磁石エラー」に対応するセキュリティ信号が変化(信号のON・OFF)してしまうことがなく、これらセキュリティ信号が出力される契機となったエラー(異常)を、パチンコ遊技機901の外部、例えば、ホールコンピュータ等において確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
【0784】
図80は、特別図柄プロセス処理として、
図75に示すS9018にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S9021)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S9022〜S9031の処理のいずれかを選択して実行する。
【0785】
S9021の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、変動表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部90151Aにおける空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部90151Bにおける空きエントリの最上位に格納する。
【0786】
S9022の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部90151Aや第2特図保留記憶部90151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、変動表示結果判定用の乱数値MR1´を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
【0787】
S9023の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
【0788】
S9022の特別図柄通常処理やS9023の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、変動表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
【0789】
S9024の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S9024の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部90153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S9024の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
【0790】
S9025の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、更に遊技制御フラグ設定部90152に設けられた小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。尚、大当りフラグと小当りフラグの両方がオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
【0791】
S9026の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれであるかに対応して、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第1大入賞口の開放回数を、「大当りA」であれば「5回」、「大当りB」であれば「10回」、「大当りC」であれば「15回」にそれぞれ設定することにより、大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
【0792】
S9027の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、第1大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第1カウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、第1大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第1大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第1大入賞口扉90701用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
【0793】
S9028の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置905やスピーカ908L,908R、遊技効果LED909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して時短制御を開始するための各種の設定(時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
【0794】
具体的には、大当り終了処理においては、実行した大当りの種別を特定する。そして、特定した大当り種別が「大当りA」である場合は、時短フラグをセットせずに特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。特定した大当り種別が「大当りB」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りB」に対応するカウント初期値(この実施例では「20」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。また、特定した大当り種別が「大当りC」である場合は、時短フラグをセットするとともに「大当りC」に対応するカウント初期値(この実施例では「100」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
【0795】
S9029の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第2大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第2大入賞口の開放回数を「1回」に設定することにより、小当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
【0796】
尚、この実施例では、小当り状態において第2大入賞口の開放回数を「1回」、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限を「1秒」に設定する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、小当り状態における第2大入賞口の開放回数は2回以上の複数回であってもよく、また、第2大入賞口を開放状態とする期間の上限は遊技球が第2大入賞口に入賞可能な期間であれば「1秒」以外の期間であってもよい。
【0797】
S9030の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放中処理には、第2大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第2カウントスイッチ9024Aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、第2大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第2大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
【0798】
S9031の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置905やスピーカ908L,908R、遊技効果LED909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
【0799】
図81は、特別図柄通常処理として、
図80のS9022にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図81に示す特別図柄通常処理において、CPU90103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S90141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S90141の処理では、遊技制御カウンタ設定部90154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0800】
S90141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S90141;N)、第2特図保留記憶部90151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データをそれぞれ読み出す(S90142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0801】
S90142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部90151Bのデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部90151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1´〜MR3´を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S90143)。
【0802】
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S90144)、S90149に移行する。
【0803】
一方、S90141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S90141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S90145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S90145の処理では、遊技制御カウンタ設定部90154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S90145の処理は、S90141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
【0804】
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
【0805】
S90145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S90145;N)、第1特図保留記憶部90151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データをそれぞれ読み出す(S90146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0806】
S90146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部90151Aのデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部90151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1´〜MR3´を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S90147)。
【0807】
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S90148)、S90149に移行する。
【0808】
S90149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、
図71(A)に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1´を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定する(S90150)。
【0809】
S90150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S90151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S90151;Y)、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S90152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファに応じた大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S90153)。このとき、CPU90103は、変動特図指定バッファの値が「1」である場合は、
図71(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットし、変動特図指定バッファの値が「2」である場合は、
図71(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットすればよい。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2´を示す数値データが、大当り種別判定テーブルにおいて「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S90154)。
【0810】
S90154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時間単出制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90155)、決定された大当り種別を記憶してS90156に進む。一例として、大当り種別が「大当りA」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「大当りB」であれば「1」とし、「大当りC」であれば「2」とすればよい。
【0811】
一方、S90151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S90151;N)、CPU90103は、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S90151a)。「小当り」であると判定された場合には(S90151a;Y)、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S90151b)。このときには、小当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り種別判定テーブル(
図71(D)参照)を選択してセットする(S90151c)。こうしてセットされた小当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された当り種別判定用の乱数値MR2´を示す数値データが、小当り種別判定テーブルにおいて「小当りA」、「小当りB」の各小当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、小当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S90151d)。
【0812】
こうして決定された小当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた小当り種別バッファの格納値である小当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90151e)、決定された小当り種別を記憶してS90156に進む。一例として、小当り種別が「小当りA」であれば小当り種別バッファ値を「0」とし、「小当りB」であれば「1」とすればよい。
【0813】
S90156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果、更には、小当り遊技状態に制御するか否か(小当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S90151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S90154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「大当りA」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「大当りB」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「大当りC」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
【0814】
S90156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S90157)、特別図柄通常処理を終了する。
【0815】
尚、S90145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S90145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S90158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置905において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
【0816】
図82は、特別図柄停止処理として、
図80のS9025にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU90103は、S9032の特別図柄変動処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器904Aや第2特別図柄表示器904Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S90181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器904Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器904Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板9012に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S90182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S90183)、大当りフラグがセットされていない場合(S90183;N)には、S90189aに移行する。
【0817】
一方、大当りフラグがセットされている場合(S90183;Y)には、CPU90103は、時短フラグがセットされていれば時短フラグをクリアし(S90184)、演出制御基板9012に、記憶されている大当りの種別に応じて当り開始1指定コマンド(大当りA)、当り開始2指定コマンド(大当りB)、当り開始3指定コマンド(大当りC)を送信するための設定を行う(S90185)。尚、S90185において設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9017)にて演出制御基板9012に送信される。
【0818】
更にCPU90103は、演出制御基板9012に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S90186)。
【0819】
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置905において報知する時間)に相当する値を設定する(S90187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、大当りAの場合には5回、大当りBの場合には10回、大当りCの場合には15回)をセットする(S90188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S9026)に対応した値である“4”に更新し(S90189)、当該特別図柄停止処理を終了する。
【0820】
一方、S90189aにおいてCPU90103は、小当りフラグがセットされているか否かを判定する(S90189a)。小当りフラグがセットされていない場合(S90189a;Y)には、S90190に移行する。一方、小当りフラグがセットされている場合は(S90189a;Y)、CPU90103は、演出制御基板9012に、記憶されている小当りの種別に応じて当り開始4指定コマンド(小当りA)、当り開始5指定コマンド(小当りB)を送信するための設定を行う(S90189b)。尚、S90189bにおいて設定された当り開始指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9017)にて演出制御基板9012に送信される。
【0821】
そして、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置905において報知する時間)に相当する値を設定する(S90189c)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、小当りの場合には1回)をセットする(S90189d)。また、時短回数カウンタの値を−1し(S90189e)、時短回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(S90189f)。時短回数カウンタの値が0となっている場合は(S90189g;Y)、時短フラグをクリアしてS90189hに進み(S90189g)、時短回数カウンタの値が0となっていない場合は(S90189g;N)、S90189gを実行せずにS90189hに進む。
【0822】
そして、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S9026)に対応した値である“7”に更新し(S90189h)、当該特別図柄停止処理を終了する。
【0823】
一方、S90190においてCPU90103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S90190;Y)には、S90198に進む。
【0824】
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S90190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態(時短状態)である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S90191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S90193)、「0」でない場合(S90193;N)にはS90198に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S90193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S90194)、時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低ベース状態(通常状態))に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行う(S90195)。そして、CPU90103は、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(S90196)、右打ち表示部9025Dを消灯してS90198に進む(S90197)。尚、S90196において送信設定された右打ち報知用LED消灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S9020)を実行することによって演出制御基板9012に対して送信される。
【0825】
そして、CPU90103は、S90198において、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
【0826】
図83は、大当り開放前処理として、
図80のS9026にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。大当り開放前処理において、CPU90103は、既に右打ち報知用LED点灯指定コマンドの送信設定を実行したことを示す右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを判定する(S90301)。右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされていない場合(S90301;N)は、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信設定を行うとともに(S90302)、右打ち表示部を点灯させる(S90303)。そして、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグをセットしてS90305に進む(S90304)。尚、S90302において送信設定された右打ち報知用LED点灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S9020)を実行することによって演出制御基板9012に対して送信される。尚、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグがセットされている場合(S90301;Y)は、S90302〜S90304を実行せずにS90305に進む。
【0827】
S90305においてCPU90103は、大当り表示時間タイマを−1する。そして、大当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90306)。大当り表示時間タイマがタイマアウトした場合(S90306;Y)は、右打ち報知用LED点灯指定コマンド送信済フラグをクリアし(S90307)、開放時間タイマをセットする(S90308)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放中処理に応じた値にセットして大当り開放前処理を終了する(S90309)。尚、大当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合(S90306;N)は、S90307〜S90309を実行せずに大当り開放前処理を終了する。
【0828】
図84は、大当り終了処理として、
図80のS9028にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU90103は、大当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S90311)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S90311;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置905において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S90312)、大当り終了処理を終了する。
【0829】
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S90311;Y)には、大当り終了表示タイマの値を−1する(S90313)。そして、CPU90103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、即ち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S90314)。経過していなければ大当り終了処理を終了する。また、大当り終了表示時間を経過していれば(S90314;Y)、CPU90103は、記憶されている大当り種別が大当りAまたは大当りDであるかを判定する(S90315)。
【0830】
大当り種別が大当りAまたは大当りDである場合(S90315;Y)には、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの送信設定を行うとともに(S90316a)、右打ち表示部を消灯してS90319に進む(S90316b)。尚、S90316aにおいて送信設定される右打ち報知用LED消灯指定コマンドは、コマンド制御処理(S9020)を実行することで演出制御基板9012に対して送信される。また、大当り種別が大当りB、大当りC、大当りEのいずれかである場合(S90315;N)、CPU90103は、時短フラグをセットし(S90317)、時短回数カウンタに「100」をセットした後(S90318)、S90319に進む。
【0831】
S90319では、CPU90103は、大当りフラグをクリアし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S90320)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板9012に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S90321)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S90322)。尚、S90320において送信設定される大当り終了指定コマンドとS90321において送信設定される遊技状態指定コマンドとは、コマンド制御処理(S9020)を実行することで演出制御基板9012に対して送信される。
【0832】
図85は、小当り開始前処理として、
図80のS9029にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。小当り開始前処理において、CPU90103は、先ず小当り表示時間タイマを−1し(S90201)、該小当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90202)。小当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S90202;N)、小当り開放前処理を終了する一方、小当り表示時間タイマがタイマアウトした場合は(S90202;Y)、第2大入賞口を開放状態とするための開放時間タイマに予め定められている期間(例えば、1秒)に応じた値をセットする(S90203)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S9030)に対応した値である“8”に更新し(S90204)、当該小当り開放前処理を終了する。
【0833】
図86は、小当り開放中処理として、
図80のS9030にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り開放中処理において、CPU90103は、先ず開放時間タイマの値を−1する(S90211)。そして、CPU90103は、開放時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90212)。
【0834】
開放時間タイマがタイマアウトした場合は(S90212;Y)、S90230に進み、開放時間タイマがタイマアウトしていない場合は(S90212;N)、第2大入賞口の開放タイミングであるか否かを判定する(S90213)。第2大入賞口の開放タイミングである場合は、CPU90103は第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を開放状態に制御する(S90214)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放中指定コマンドの送信設定を行い(S90215)、S90216に移行する。尚、S90215において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9020)にて演出制御基板9012に送信される。第2大入賞口の開放タイミングでない場合は(S90213;N)、S90214及びS90215を経由せずにS90216に進む。
【0835】
S90216において、CPU90103は、第2大入賞口の閉鎖タイミングであるか否かを判定する(S90216)。第2大入賞口の閉鎖タイミングである場合は(S90216;Y)、CPU90103は第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御する(S90217)。そして、ラウンドに応じた大入賞口開放後指定コマンドの送信設定を行い(S90218)、S90223に進む。尚、S90218において送信設定を行った大入賞口開放中指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9020)にて演出制御基板9012に送信される。第2大入賞口の閉鎖タイミングでない場合は(S90216;N)、S90217及びS90218を経由せずにS90223に進む。
【0836】
S90223において、CPU90103は、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったか否かを判定する(S90223)。第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっていない場合は(S90223;N)、小当り開放中処理を終了し、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっている場合は(S90223;Y)、既に第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90224)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90224;Y)、小当り開放中処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S90224;N)、V入賞フラグをセットする(S90225)。
【0837】
そして、CPU90103は、演出制御基板9012に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行う(S90227)。尚、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。また、CPU90103は、第2大入賞口が開放状態であれば、第2大入賞口扉90711用のソレノイド9083を駆動させることで第2大入賞口を閉鎖状態に制御し(S90228)、開放時間タイマをクリアする(S90229)。
【0838】
そして、S90230において、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(S9031)に対応した値である“9”に更新し(S90230)、当該小当り開放中処理を終了する。
【0839】
図87は、小当り終了処理として、
図80のS9031にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り終了処理において、CPU90103は、小当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S90231)。小当り終了表示タイマが動作中でない場合は(S90231;N)、小当りフラグをクリアし(S90232)、演出制御基板9012に対して小当りに応じた当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S90233)。尚、当り終了指定コマンドは、前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。そして、小当り終了表示タイマに小当り終了表示時間に応じた値をセットし(S90234)、小当り終了処理を終了する。
【0840】
一方、小当り終了表示タイマが動作中である場合は(S90231;Y)、小当り終了表示タイマの値を−1する(S90235)。そして、小当り終了表示時間が経過したか否か、つまり、小当り終了表示タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90236)。小当り終了表示時間が経過していない場合は(S90236;N)、CPU90103は第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったか否かを判定する(S90237)。第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっていない場合は(S90237;N)、小当り終了処理を終了し、第3カウントスイッチ9024Bがオンとなっている場合は(S90237;Y)、既に第3カウントスイッチ9024Bがオンとなったこと、すなわち遊技球が第3カウントスイッチを通過したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90238)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90238;Y)、小当り終了処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は(S90238;N)、V入賞フラグをセットする(S90239)。
【0841】
そして、CPU90103は、演出制御基板9012に対するV入賞通知コマンドの送信設定を行い(S90241)、小当り終了処理を終了する。尚、V入賞通知コマンドは前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。
【0842】
また、S90236において小当り終了表示時間が経過した場合は(S90236;Y)、CPU90103は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90242)。V入賞フラグがセットされている場合は(S90242;Y)、CPU90103はV入賞フラグをクリアするとともに大当りフラグをセットする(S90243、S90244)。そして、CPU90103は、当該V入賞が発生した小当り種別にもとづいて大当り種別を「大当りD」と「大当りE」とから決定する(S90246)。尚、大当り種別は、
図71(D)に示すように、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りA」である場合は、大当り種別を「大当りD」に決定し、当該V入賞が発生した小当り種別が「小当りB」である場合は、大当り種別を「大当りE」に決定する。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S90247)、決定された大当り種別を記憶してS90248に進む。一例として、大当り種別が「大当りD」であれば大当り種別バッファ値を「3」とし、「大当りE」であれば「4」とすればよい。
【0843】
S90247の実行後、CPU90103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S9026)に対応した値である“4”に更新し(S90248)、小当り終了処理を終了する。
【0844】
つまり、この実施例では、小当り遊技中だけでなく、小当り遊技終了後の小当り終了表示時間が経過するまでの期間において遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過するようになっているため、小当り遊技終了直前に第2大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても、該遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過することで小当り終了処理の終了後に大当り遊技が実行されるようになっている。
【0845】
尚、S90242においてV入賞フラグがセットされていない場合は(S90242;N)、CPU90103は、時短フラグがセットされているか否かを判定する(S90249)。時短フラグがセットされている場合はS90253に進み、時短フラグがセットされていない場合は、通常状態を示す遊技状態指定コマンドの送信設定を行うとともに(S90250)、右打ち報知用LED消灯指定コマンド送信設定を行う(S90251)。尚、遊技状態指定コマンドと右打ち報知用LED消灯指定コマンドとは、前述したコマンド制御処理(S9020)において演出制御基板9012に送信される。また、CPU90103は、右打ち表示部9025Dを消灯してS90253に進む。
【0846】
そして、CPU90103は、S90253において特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S9022)に対応した値である“0”に更新し、小当り終了処理を終了する。
【0847】
以上のように、この実施例では、CPU90103が特別図柄プロセス処理における各処理を実行することで、時短状態や小当り遊技状態、大当り遊技状態中等の打球操作ハンドルの操作により遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態においては右打ち表示部9025Dが点灯し、打球操作ハンドルの操作により遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す(左打ちを行う)通常状態においては右打ち表示部9025Dが消灯するようになっている。
【0848】
次に、演出制御基板9012の動作を説明する。
図88は、演出制御基板9012に搭載されている演出制御用CPU90120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90120は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S9051)。その後、演出制御用CPU90120は、タイマ割込フラグの監視(S9052)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU90120は、そのフラグをクリアし(S9053)、以下の処理を実行する。
【0849】
演出制御用CPU90120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S9054)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU90120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板9011から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM90122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(
図68参照)であるのか解析する。
【0850】
次いで、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセス処理を行う(S9055)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置905の表示制御を実行する。
【0851】
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S9056)。そして、
図91に示すエラー報知処理(S9057)と
図92に示す電断復旧画面表示処理(S9059)を実行した後、S9052に移行する。
【0852】
図89は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S9055)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、遊技状態が時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す(右打ちを行う)遊技状態である場合に、演出表示装置905での表示や右打ち報知用LED9030の点灯によって遊技者に対して右打ちを行う遊技状態であることを報知する右打ち報知処理(S9071)と、演出表示装置905の第1保留記憶表示エリア905D及び第2保留記憶表示エリア905Uにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理(S9072)と、を実行する。
【0853】
その後、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS9073〜S9082のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
【0854】
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073):遊技制御用マイクロコンピュータ90100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S9074)に対応した値に変更する。
【0855】
演出図柄変動開始処理(S9074):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S9075)に対応した値に更新する。
【0856】
演出図柄変動中処理(S9075):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S9076)に対応した値に更新する。
【0857】
演出図柄変動停止処理(S9076):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S9077)、小当り表示処理(S9080)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
【0858】
大当り表示処理(S9077):変動時間の終了後、演出表示装置905に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S9078)に対応した値に更新する。
【0859】
大当り遊技中処理(S9078):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御や大当り遊技演出の表示制御及び音出力制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S9079)に対応した値に更新する。
【0860】
大当り終了演出処理(S9079):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)に対応した値に更新する。
【0861】
小当り表示処理(S9080):変動時間の終了後、演出表示装置905に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S9081)に対応した値に更新する。
【0862】
小当り遊技中処理(S9081):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置905におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S9082)に対応した値に更新する。
【0863】
小当り終了演出処理(S9082):演出表示装置905において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S9073)または大当り表示処理(S9077)に対応した値に更新する。
【0864】
この実施例では、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された後に電力の供給が再開された場合は、演出制御基板9012側のみ動作が不安定となっており、遊技球の発射を含めた遊技自体は続行可能となっている。このため、特に、この実施例のような変動表示を実行して大当り遊技状態に制御可能であるとともに、小当り遊技中に遊技球が特定領域(この実施例では第3カウントスイッチ9024B)を通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御可能なタイプのパチンコ遊技機(所謂1種2種タイプのパチンコ遊技機)や、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて大当り遊技終了後に確率変動制御が実施されるパチンコ遊技機においては、演出表示装置905に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示することで遊技者に対して遊技球を右遊技領域9010Rに対して打ち出すよう促さなければ、遊技球が特定領域を通過する機会を失ってしまい、遊技者の不利益が発生する。また、遊技場の店員等においても、パチンコ遊技機901において電断復旧画面が表示されている場合には、遊技者に対して電断復旧画面の表示が終了するまで遊技球の発射の停止を促すことがあり、遊技店側としてもパチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際の適切な対応を行うことができない場合が考えられる。このような理由から、この実施例のパチンコ遊技機901においては、以下に示す右打ち報知処理や電断復旧画面表示処理を実行することで、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、遊技者の不利益の発生を低減することができるようになっている。
【0865】
図90は、この実施例の右打ち報知処理(S9071)を示すフローチャートである。右打ち報知処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、演出表示装置905において右打ち報知画像を第2態様で表示中であるか否かを判定する(S90701)。尚、右打ち報知画像とは、時短状態や大当り遊技中、小当り遊技中であることを報知するために、演出表示装置905の右上部において右遊技領域9010R側を向くように表示される右向き矢印の画像である。また、この実施例における該右打ち報知画像の表示態様としては、第1態様と前述した第2態様とを演出表示装置905にて表示可能となっており、第2態様は、第1態様よりも大きな右向き矢印の画像を表示する態様である。
【0866】
右打ち報知画像を第2態様で表示中である場合(S90701;Y)は、S90713に進み、右打ち報知画像を第1態様で表示中または右打ち報知画像を表示していない場合(S90701;N)は、更に、右打ち報知画像を第1態様で表示中であるか否かを判定する(S90702)。右打ち報知画像を第1態様で表示中である場合は(S90702;Y)、S90710に進み、右打ち報知画像を第1態様で表示中でない場合、つまり、右打ち報知画像を表示していない場合(S90702;N)は、S90703に進む。
【0867】
S90703において演出制御用CPU90120は、電源復旧指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。電源復旧指定コマンドの受信が有る場合(S90703;Y)は、S90707に進み、電源復旧指定コマンドの受信が無い場合(S90703;N)は、更に、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S90704)。右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S90704;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S90704;Y)、演出制御用CPU90120は、LED制御基板9014を制御することによって右打ち報知用LED9030の点灯を開始する(S90705)。また、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像の表示を第1態様にて開始し(S90706)、右打ち報知処理を終了する。
【0868】
また、S90707において演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S90707;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S90707;Y)、演出制御用CPU90120は、LED制御基板9014を制御することによって右打ち報知用LED9030の点灯を開始する(S90708)。また、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像の表示を第2態様にて開始し(S90709)、右打ち報知処理を終了する。
【0869】
また、S90710において演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が無い場合(S90710;N)は、右打ち報知処理を終了し、右打ち報知用LED消灯指定コマンドの受信が有る場合(S90710;Y)、演出制御用CPU90120は、LED制御基板9014を制御することによって右打ち報知用LED9030を消灯する(S90711)。また、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905の右上部における右打ち報知画像の表示終了し(S90712)、右打ち報知処理を終了する。
【0870】
また、S90713において演出制御用CPU90120は、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信有りか否かを判定する。図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれかの受信がある場合(S90713;Y)は、S90711及びS90712の処理(右打ち報知用LED9030の消灯及び右打ち報知画像の表示終了)を実行して右打ち報知処理を終了し、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドのいずれのコマンドの受信もない場合(S90713;N)は、S90711及びS90712の処理を実行せずに右打ち報知処理を終了する。
【0871】
つまり、この実施例では、遊技中に遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)に制御されると、演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED9030を点灯するとともに、演出表示装置905の右上部に右打ち報知画像を第1態様にて表示する。そして、遊技状態が遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す遊技状態(通常状態)に制御されると、演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED9030を消灯するとともに、第1態様での右打ち報知画像の表示を終了する。
【0872】
また、遊技中に前述した電波エラー、磁石エラー、振動検出エラー等の遊技を中断するエラーが発生したこと等によりパチンコ遊技機901への電力の供給を停止し(電源をOFFにし)、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機901への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合は、パチンコ遊技機901への電力の供給を停止した時点の遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)であれば、右打ち報知用LED9030を点灯するとともに、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面を第2態様にて表示する。そして、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動停止、第1大入賞口または第2大入賞口の閉鎖、大当り遊技状態または小当り遊技状態から時短状態に移行すると、演出制御用CPU90120は、右打ち報知用LED9030を消灯するとともに、第2態様での右打ち報知画像の表示を終了する。
【0873】
また、
図75、
図82、
図84、
図87及び
図90に示すように、この実施例では、CPU90103が所定時間(例えば2ms)毎に定期的に遊技制御用タイマ割込処理においてコマンド制御処理(S9020)を実行して右打ち報知用LED点灯指定コマンドや右打ち報知用LED消灯指定コマンドを演出制御基板9012に向けて送信することによって、CPU90103が右打ち表示部9025Dを点灯させることに連動して演出制御用CPU90120が右打ち報知用LED9030を点灯させ、CPU90103が右打ち表示部9025Dを消灯させることに連動して演出制御用CPU90120が右打ち報知用LED9030を消灯させていることができる。このため、遊技者は、右打ち表示部9025Dを視認せずとも、右打ち報知用LED9030を視認することによって遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態のいずれかであるか否かを判別することが可能となっている。
【0874】
図91は、この実施例のエラー報知処理(S9057)を示すフローチャートである。エラー報知処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、エラー報知中タイマが動作中であるか否かを判定する(S90501)。
【0875】
エラー報知中タイマが動作中でない場合、つまり、エラー報知を実行していない場合には、S90502に進む。
【0876】
一方、エラー報知中タイマが動作中である場合、つまり、エラー報知を実行している場合には、エラー報知中タイマを−1した後(S90510)、該減算後のエラー報知中タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S90511)。
【0877】
エラー報知中タイマがタイマアップしていない場合(S90511;N)には、S90512とS90513を経由することなくS90502に進む。
【0878】
一方、エラー報知中タイマがタイマアップした場合(S90511;Y)には、エラー報知中フラグをクリアするとともに(S90512)、実行中のエラー報知を終了して(S90513)、S90502に進む。
【0879】
S90502では、エラー指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。エラー指定コマンド受信フラグは、主基板9011から送信されたコマンドが、エラー指定コマンドであることが前述のコマンド解析処理(S9054)にて特定されたときに、該コマンド解析処理にてセットされる。
【0880】
エラー指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(S90502;N)には、当該エラー報知処理を終了する。一方、エラー指定コマンド受信フラグがセットされている場合(S90502;Y)には、セットされているエラー指定コマンド受信フラグをクリアし(S90503)、エラー指定コマンド格納領域に格納されているエラー指定コマンド(具体的にはEXTの値)からエラー種別を特定し(S90504)、特定したエラー種別に対して設定されている報知態様、具体的には、演出表示装置905に表示する内容と、遊技効果LED909の点灯態様と、出力する音声等を特定する(S90505)し、該特定した報知態様にてエラー報知を開始する(S90506)。
【0881】
次いで、S90504にて特定したエラー種別が報知期間の有るエラー、例えば、解除期間(報知期間)として60秒が設定されている振動検出2エラーや、解除期間(報知期間)として300秒が設定されている始動口2異常入賞エラー等であるか否かを判定する。
【0882】
エラー種別が報知期間の有るエラーである場合(S90507;Y)には、エラー報知中フラグとともにエラー報知中タイマに報知期間に対応する値をセットしてエラー報知中タイマのタイマカウントとを開始して当該エラー報知処理を終了する。これにより、該S90506にて開始されたエラーの報知は、エラー報知中タイマがタイマアップした時点で終了する。
【0883】
一方、エラー種別が報知期間の有るエラーではない場合(S90507;N)には、エラー報知中フラグだけをセットし、エラー報知中タイマのタイマカウントを開始せずに当該エラー報知処理を終了する。これにより、前述したS90501にてエラー報知中タイマが動作中と判定されることがないので、S90506にて開始されたエラーの報知は、次にエラー指定コマンドを受信するまで報知が継続される。
【0884】
図92は、この実施例の電断復旧画面表示処理(S9059)を示すフローチャートである。電断復旧画面表示処理では、演出制御用CPU90120は、先ず、後述する復旧画面表示プロセスタイマの動作中であるか否か、つまり、演出表示装置905において電断復旧画面の表示中であるか否かを判定する(S90611)。復旧画面表示プロセスタイマの動作中である場合(S90611;Y)はS90618に進み、復旧画面表示プロセスタイマの動作中でない場合(S90611;N)は、電断復旧指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S90612)。電断復旧指定コマンドの受信が無い場合(S90612;N)は、電断復旧画面表示処理を終了し、電断復旧指定コマンドの受信が有る場合(S90612;Y)は、更に、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(S90613)。
【0885】
右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が無い場合(S90613;N)は、演出表示装置905において遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すように報知する電断復旧画面(左打ち用電断復旧画面)を表示するための左打ち用復旧画面表示プロセステーブルを選択してS90616に進み(S90614)、右打ち報知用LED点灯指定コマンドの受信が有る場合(S90613;Y)は、演出表示装置905において遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出すように報知する電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)を表示するための右打ち用復旧画面表示プロセステーブルを選択してS90616に進む(S90615)。
【0886】
そして、S90615において演出制御用CPU90120は、S90614またはS90615において選択した復旧画面表示プロセステーブルの復旧画面表示プロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる。尚、S90614またはS90615において選択される復旧画面表示プロセステーブルには、演出表示装置905の表示を制御するための表示制御実行データ、スピーカ908L,908Rから出力する音の制御するための音制御実行データ等が、各復旧画面表示プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
【0887】
次いで、演出制御用CPU90120は、復旧画面表示プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1や音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置905、演出用部品としての演出用部品としてのスピーカ908L,908R等)の制御を実行し、電断復旧画面の表示を開始する(S90617)。例えば、演出表示装置905においてS90614またはS90615にて選択した復旧画面表示プロセステーブルに応じた電断復旧画面を表示させるために、表示制御部90123に指令を出力する。また、スピーカ908L,908Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板9013に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、電断復旧画面表示処理を終了する。
【0888】
一方、S90618において演出制御用CPU90120は、復旧画面表示プロセスタイマの値を−1する。そして、復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S90619)。復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトした場合(S90619;Y)は、復旧画面表示プロセスデータの切り替えを行う(S90620)。即ち、復旧画面表示プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を復旧画面表示プロセスタイマに設定することによって復旧画面表示プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S90621)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S90622)。そして、S90624に進む。
【0889】
一方、復旧画面表示プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S90619;N)は、復旧画面表示プロセスタイマに対応する復旧画面表示プロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S90623)、S90624に進む。
【0890】
そして、S90624において演出制御用CPU90120は、大入賞口開放中指定コマンドの受信が有るか否かを判定する。大入賞口開放中指定コマンドの受信が有る場合(S90624;Y)は、演出表示装置905において表示中の電断復旧画面に加えて、演出表示装置905に大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知する大入賞口開放中報知画像の表示を開始してS90629に進む。また、大入賞口開放中指定コマンドの受信が無い場合(S90624;N)は、大入賞口開放中報知画像の表示中であるか否かを判定する(S90626)。大入賞口開放中報知画像の表示中でない場合(S90626;N)はS90629に進み、大入賞口開放中報知画像の表示中である場合(S90626;Y)は、大入賞口解放後指定コマンドの受信が有るか否か、つまり、大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が閉鎖されたか否かを判定する(S90627)。大入賞口解放後指定コマンドの受信が無い場合(S90627;N)は電断復旧画面表示処理を終了し、大入賞口解放後指定コマンドの受信が有る場合(S90627;Y)は、大入賞口開放中報知画像の表示を終了してS90630に進む(S90628)。
【0891】
そして、S90629において演出制御用CPU90120は、図柄確定コマンドまたは当り終了指定コマンドのいずれかの受信有りか否かを判定する。図柄確定コマンドまたは当り終了指定コマンドのいずれかの受信が有る場合(S90629;Y)は、復旧画面表示プロセスタイマをクリアし、電断復旧画面の表示を終了して電断復旧画面表示処理を終了する。また、図柄確定コマンドと当り終了指定コマンドとのいずれのコマンドの受信も無い場合(S90629;N)は、S90630を実行せずに電断復旧画面表示処理を終了する。
【0892】
つまり、この実施例では、演出制御用CPU90120は、遊技中に前述した電波エラー、磁石エラー、振動検出エラー等の遊技を中断するエラーが発生したこと等によりパチンコ遊技機901への電力の供給を停止し(電源をOFFにし)、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機901への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合は、パチンコ遊技機901への電力の供給を停止した時点の遊技状態が通常状態であれば、演出表示装置905に左打ち用電断復旧画面を表示する。そして、図柄確定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動が停止すると、演出制御用CPU90120は、左打ち用電断復旧画面の表示を終了する。
【0893】
また、クリアスイッチを操作することなく再度パチンコ遊技機901への電力の供給を再開した(電源をONにした)場合、パチンコ遊技機901への電力の供給を停止した時点の遊技状態が遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態(時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)であれば、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面を表示する。そして、図柄確定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの受信、つまり、特別図柄の変動停止、第1大入賞口または第2大入賞口の閉鎖、大当り遊技状態または小当り遊技状態から時短状態に移行すると、演出制御用CPU90120は、右打ち用電断復旧画面の表示を終了する。
【0894】
更に、右打ち用電断復旧画面の表示中に大入賞口開放中コマンドを受信する、つまり、大当り遊技状態または小当り遊技状態において第1大入賞口または第2大入賞口が開放されると、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905に大入賞口開放中報知画像を表示し、遊技者に対して第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知する。このようにこの実施例では、大当り遊技中や小当り遊技中に電断復旧画面の表示中であっても、演出表示装置905に大入賞口開放中報知画像が表示されることによって遊技者に対して遊技球が第1大入賞口または第2大入賞口に遊技球が入賞するように右遊技領域9010Rに向けて遊技球を打ち出すよう促すことができるので、大当り遊技中に第1大入賞口や第2入賞口に遊技球が入賞しないことにより遊技者が得られる賞球数が少なくなってしまうことや、小当り遊技中に第2入賞口に遊技球が入賞しないことにより遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過せず、大当り遊技が開始される(大当り遊技状態に制御される)可能性が無くなってしまうこと等の遊技者の不利益の発生を低減することができる。つまり、この実施例における遊技価値とは、遊技球が第1大入賞口や第2大入賞口に入賞したことにより付与される賞球数と、遊技球が第2大入賞口に入賞した後に第3カウントスイッチ9024Bを通過したことで大当り遊技状態に制御されることを指す。
【0895】
尚、この実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に大入賞口開放中報知画像を第1大入賞口または第2大入賞口の開放中の期間のみ表示する形態、つまり、第1大入賞口または第2大入賞口の開放が繰り返されることにより大入賞口開放中報知画像の表示と非表示とが繰り返し実行される形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口開放中報知画像は、大当り遊技または小当り遊技が終了するまで、或いは、大当り遊技または小当り遊技において最後の第1大入賞口または第2大入賞口の開放が終了するまで継続して表示してもよい。
【0896】
また、この実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることを報知するために、演出表示装置905に大入賞口開放中報知画像を表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に第1大入賞口または第2大入賞口が開放中であることの報知は、演出表示装置905での画像の表示に加えて、或いは替えて、スピーカ908L,908Rからの音出力、遊技効果LED909の発光等により実行してもよい。
【0897】
次に、この実施例における右打ち報知用LED9030の点灯態様、右打ち報知画像の表示態様、電断復旧画面の表示態様、大入賞口開放中報知画像の表示態様について、
図93及び
図94に基づいて説明する。
【0898】
先ず、遊技状態が通常状態である場合について説明する。
図93(A)に示すように、通常状態は遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す遊技状態であるので、右打ち報知用LED9030は消灯している。
図93(B)に示すように、該通常状態での変動表示の実行中に振動検出1エラー等の遊技が停止されるエラーが検出された場合は、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901への電力の供給が停止される。そして、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901に再度電力の供給が開始されると、
図93(C)に示すように、演出表示装置905に左打ち用電断復旧画面として「復旧中 しばらくおまちください」等のメッセージが表示される。
【0899】
次に、遊技状態が時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態である場合について説明する。尚、この実施例では、時短状態、小当り遊技状態、大当り遊技状態における右打ち報知用LED9030の点灯態様、右打ち報知画像の表示態様、電断復旧画面の表示態様、大入賞口開放中報知画像の表示態様は同一であるので、小当り遊技状態での例を説明する。
【0900】
図94(A)に示すように、小当り遊技状態(及び時短状態、大当り遊技状態)は遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態であるので、右打ち報知用LED9030は点灯している。また、小当り遊技状態(及び時短状態、大当り遊技状態)中は、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像が第1態様にて表示されている。
【0901】
図94(B)に示すように、該小当り遊技で振動検出1エラー等の遊技が停止されるエラーが検出された場合は、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901への電力の供給が停止される。そして、遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機901に再度電力の供給が開始されると、
図94(C)に示すように、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面として「復旧中 右打ちを続けて下さい」等のメッセージが表示される。
【0902】
尚、右打ち用電断復旧画面の表示中は、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された時点での遊技状態が小当り遊技状態であるので、右打ち報知用LED9030が点灯しており、演出表示装置905の右上部において右打ち報知画像が第2態様にて表示されている。そして、右打ち用電断復旧画面の表示中に第2大入賞口(大当り遊技中は第1大入賞口または第2大入賞口)が開放されると、演出表示装置905の下部に大入賞口開放中報知画像として「大入賞口が開いています」等のメッセージが表示される。
【0903】
尚、この実施例では、右打ち用電断復旧画面の表示中に遊技状態が大当り遊技状態である場合と小当り遊技状態である場合とで共通の大入賞口開放中報知置画像を表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に遊技状態が大当り遊技状態である場合と小当り遊技状態である場合とで異なる態様の大入賞口開放中報知画像を表示してもよい。
【0904】
また、この実施例では右打ち用電断復旧画面の表示中に開放する大入賞口が第1大入賞口と第2大入賞口とで共通の大入賞口開放中報知画像を表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち用電断復旧画面の表示中に開放する大入賞口が第1大入賞口と第2大入賞口とで異なる態様の大入賞口開放中報知画像を表示し、第1大入賞口と第2大入賞口のどちらに遊技球を入賞させればよいかを遊技者が認識し易いようにしてもよい。
【0905】
以上、この実施例におけるパチンコ遊技機901にあっては、時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態においてパチンコ遊技機901の電力供給を停止し、クリアスイッチを操作せずにパチンコ遊技機901に電力の供給を再開した際に、演出表示装置905に右打ち用電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示することで、パチンコ遊技機901に電力の供給を再開した際において、遊技球を発射する遊技領域が演出表示装置905に表示されないことにより、遊技者の不利益の発生を低減することができる。
【0906】
また、この実施例のパチンコ遊技機901では、右打ち報知用LED9030の点灯態様は、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された場合と遊技状態が通常状態から大当り遊技状態等に制御された場合とで同一である一方で、演出表示装置905における右打ち報知画像の表示態様は、遊技状態が通常状態から大当り遊技状態等に制御された場合の第1態様と、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された場合の第2態様と、の2種類となっているので、遊技者は、右打ち報知画像の表示態様が第1態様であるか第2態様であるかを確認することで、パチンコ遊技機901が電力の供給が再開された状態であるのか否かを容易に認識することができる。
【0907】
また、演出制御用CPU90120は、CPU90103から右打ち報知用LED点灯指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像を表示するので、演出表示装置905での電断復旧画面の表示の開始を指定するための専用コマンドや、演出表示装置905での右打ち報知画像の表示の開始を指定するための専用コマンドを設ける必要が無いので、コマンド数の増加を抑えることができる。更に、この実施例では、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された場合以外のタイミングにおいても右打ち報知用LED点灯指定コマンドと右打ち報知用LED消灯指定コマンドとによって細かく右打ち報知用LED9030の点灯・消灯と右打ち報知画像の表示開始・表示終了とを連動させることができる。
【0908】
また、CPU90103は、所定時間(例えば2ms)毎に遊技制御用タイマ割り込み処理を実行するとともに、遊技制御用タイマ割り込み処理においてコマンド制御処理(S9020)を実行し、同一割込のコマンド制御処理において電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドにて演出制御基板9012に対して電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドとを送信するので、演出表示装置905における電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとを同一とすることができ、これら電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとが異なってしまうことにより、右打ち報知画像が遊技者から見逃されてしまう等の不都合の発生を防ぐことができる。
【0909】
尚、この実施例では、演出表示装置905における電断復旧画面の表示開始タイミングと右打ち報知画像の表示開始タイミングとを同一とする形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち報知画像の表示開始タイミングは、電断復旧画面の表示中であれば電断復旧画面の表示開始タイミングと異なっていてもよい。
【0910】
また、この実施例のパチンコ遊技機901は、遊技球を発射すべき遊技領域が右遊技領域9010RであることをCPU90103による点灯制御と消灯制御とによって報知可能な右打ち表示部9025Dを備え、CPU90103は、右打ち表示部9025Dの点灯制御に伴って演出制御基板9012に対して右打ち報知用LED点灯指定コマンドを送信し、右打ち表示部9025Dの消灯制御に伴って演出制御基板9012に対して右打ち報知用LED消灯指定コマンドを送信するので、右打ち表示部9025Dの点灯状態と演出表示装置905における右打ち報知画像との表示状態とが連動するようになるため、演出表示装置905における右打ち報知画像の表示を適切に実行することができる。
【0911】
また、この実施例におけるパチンコ遊技機901は、第1大入賞口を遊技球が入賞不能である閉鎖状態と遊技球が入賞可能である開放状態とに制御可能な第1特別可変入賞球装置907Aと、第2大入賞口を遊技球が入賞不能である閉鎖状態と遊技球が入賞可能である開放状態とに制御可能な第2特別可変入賞球装置907Bと、を備え、第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて賞球を付与する賞球処理(S9012)を実行可能であるとともに、小当り遊技中に第2大入賞口に入賞した遊技球が第3カウントスイッチ9024Bを通過したことに基づいて遊技状態を大当り遊技状態に制御可能となっている。そして、演出表示装置905では、第1大入賞口や第2大入賞口が開放状態となったことに基づいて大入賞口開放中報知画像を表示するので、パチンコ遊技機901に電力の供給が再開された際に、第1大入賞口や第2大入賞口が遊技球の入賞可能な開放状態となったことを遊技者に認識させることができ、遊技球が発射されないことにより第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞せずに賞球が得られないことや、第3カウントスイッチ9024Bを遊技球が通過しないことにより大当り遊技状態に制御されない等の遊技者の不利益の発生を低減することができる。
【0912】
尚、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中が大当り遊技中や小当たり遊技中であれば、大入賞口開放中報知画像を第1大入賞口や第2大入賞口が解放されるよりも前から演出表示装置5に表示し、遊技者に第1大入賞口や第2大入賞口から開放されることを認識させてもよい。
【0913】
また、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中には、第1大入賞口や第2大入賞口が開放されても大入賞口開放中報知画像を表示しないようにしてもよい。
【0914】
また、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、電断復旧画面の表示中に第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となった場合(普通可変入賞球装置906Bが通常開放状態から拡大開放状態に変化した場合)は、第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となった旨を報知する画像を演出表示装置905に表示してもよい。つまり、この実施例における手段6の「可変入賞装置」とは、この実施例のように第1特別可変入賞球装置907Aや第2特別可変入賞球装置907Bでもよいし、第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置906Bであってもよい。
【0915】
また、この実施例では、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口や第2大入賞口が開放されたことに基づいて大入賞口開放中報知画像を演出表示装置905に表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、大入賞口開放中報知画像は、電断復旧画面の表示中に第1大入賞口と第2大入賞口とのいずれか一方のみが開放されたことに基づいて演出表示装置905に表示してもよい。
【0916】
また、遊技停止状態となった後に、該遊技停止状態に制御される契機となった「磁石エラー」よりも優先度の高いエラーである、例えば、「電波エラー」の発生が判定された場合には、前述したように、S90414の処理が実行されない、つまり、発生が判定された「電波エラー」に対応するセキュリティ信号の出力が制限されるので、出力中の「磁石エラー」に対応するセキュリティ信号が変化(信号のON・OFF)してしまうことがなく、これらセキュリティ信号が出力される契機となったエラー(異常)を、パチンコ遊技機901の外部、例えば、ホールコンピュータ等において確認困難となってしまうことを防ぐことができる。
【0917】
以上、この発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
【0918】
例えば、前記実施例では、演出制御用CPU90120は、電力の供給が再開された際に、CPU90103から右打ち報知用LED点灯指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置905に電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)と右打ち報知画像とを表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU90120は、電力の供給が再開された際に、CPU90103から遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置5に電断復旧画面(右打ち用電断復旧画面)と右打ち報知画像とを表示してもよい。このようにすることで、演出表示装置905に右打ち報知画像を表示するための個別のコマンドを設ける必要がなくなり、コマンド数の増加を抑えることができる。
【0919】
具体的には、変形例1として
図95〜
図97に基づいて説明する。先ず、
図95に示すように、本変形例1における遊技制御メイン処理では、CPU90103は、Sa901〜Sa908及びSa9041〜Sa9044の処理を実行した後、Sa9044の処理において特定した遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(Sa9046a)、Sa9048及びSa9015〜Sa9020の処理を実行する。尚、Sa46aにおいて送信設定された遊技状態指定コマンドはコマンド制御処理(S20)によって演出制御基板9012に対して送信される。
【0920】
次いで、
図96に示すように、演出制御用CPU90120は、S90701〜S90703を実行し、S90703において電断復旧指定コマンドの受信が有ると判定した場合、電源復旧指定コマンドともに受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定する(S90707a)。そして、該特定した遊技状態が通常状態であるか否かを判定し(S90707b)、特定した遊技状態が時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態のいずれかである場合(S90707b;N)は、S90708及びS90709の処理を実行して右打ち報知用LED9030の点灯と演出表示装置905での第1態様の右打ち報知画像の表示を開始する。
【0921】
尚、CPU90103が特別図柄プロセス処理を実行することで遊技状態が通常状態から大当り遊技状態や等に変化する場合は、S90704a〜S90704cの処理に示すように、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定し、該特定した遊技状態が通常状態ではない、つまり、大当り遊技状態であれば、S90705及びS90706を実行して右打ち報知用LED9030の点灯と演出表示装置905での第1態様の右打ち報知画像の表示を開始すればよい。そして、S90702において右打ち報知画像を第1態様で表示中であると判定した場合(S90702;Y)は、S90710a〜S90710cの処理に示すように、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した遊技状態指定コマンドから遊技状態を特定し、該特定した遊技状態が通常状態であれば、S90708及びS90709を実行して右打ち報知用LED9030の消灯と演出表示装置905での第1態様の右打ち報知画像の表示を終了すればよい。
【0922】
このように、本変形例1においては、演出表示装置905に右打ち報知画像を表示させるための個別のコマンドを設ける必要が無いことによりコマンド数の増加を抑えつつ、遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドによって細かく演出表示装置905での電断復旧画面と右打ち報知画像との表示を実現することができる。
【0923】
尚、本変形例1では、CPU90103は、パチンコ遊技機901に電力供給が再開された際に遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)に対して送信し、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した遊技状態指定コマンドから特定した遊技状態に応じて演出表示装置905に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、CPU90103は、パチンコ遊技機901に電力供給が再開された際に遊技状態に応じた電断復旧指定コマンドを演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)に対して送信し、演出制御用CPU90120は、CPU90103から受信した電断復旧指定コマンドから特定した遊技状態に応じて演出表示装置905に電断復旧画面とともに右打ち報知画像を表示してもよい。
【0924】
また、前記実施例では、大当り遊技中に演出表示装置905において大当り遊技演出の表示を実行する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技演出としては、1の演出だけでなく、複数の演出を実行可能としてもよい。また、大当り遊技演出として複数の演出を実行可能とする場合は、プッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作によって遊技者が大当り遊技中に実行する演出を選択可能としてもよい。
【0925】
また、このようにプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作によって遊技者が大当り遊技中に実行する演出を選択可能なパチンコ遊技機1においては、演出の選択中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に予め定められた1の演出を大当り遊技演出として実行することによって、演出制御用CPU90120の処理の軽減を図れるようにしてもよい。
【0926】
具体的には、変形例2として
図98(A)〜
図98(E)に示すように、演出制御用CPU90120は、演出図柄が大当りを示す組み合わせで導出表示した後、大当り遊技の1ラウンド目において、該大当り遊技中に大当り遊技演出としてスピーカ908L,908Rから出力するBGM(楽曲)の選択肢を表示する(
図98(B)に示す曲A、曲B、曲Cの選択肢)。
【0927】
図98(B)に示す画面においては、遊技者等がプッシュボタン9031Bやスティックコントローラ9031Aの操作によっていずれか1の選択肢を選択して決定操作を行うことで該
図98(B)に示す画像の表示が終了し、演出表示装置905に大当り遊技演出としての画像の表示と、決定された選択肢に応じたBGMがスピーカ908L,908Rから出力される。
【0928】
一方、未だいずれのBGMを出力するかが決定されていない状態、つまり、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合は、パチンコ遊技機901に電力が再投入されると、前記実施例と同じく演出表示装置905において右打ち用電断復旧画面と右打ち報知用画像を表示する。
【0929】
そして、第1大入賞口または第2大入賞口が閉鎖されて1ラウンド目が終了すると、演出制御用CPU90120は、演出表示装置905に大当り遊技演出としての画像を表示するとともに、
図98(B)にて表示した選択肢のうち、1のBGM(本変形例2では曲C)をスピーカ908L,908Rから出力するBGMとして決定し、該決定したBGMのスピーカ908L,908Rからの出力を開始する。
【0930】
尚、本変形例2では、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開されてから、スピーカ908L,908Rから出力するBGMを一義的に決定する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、BGMの選択肢の表示中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合は、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開されてから、スピーカ908L,908Rから出力するBGMを表示した選択肢の中からランダムに決定してもよい。
【0931】
また、前記実施例では、遊技状態が時短状態や大当り遊技状態、小当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域9010Rに向けて打ち出す遊技状態に制御されたことに基づいて演出表示装置905に右打ち報知画像を表示し、遊技者に対して右遊技領域9010Rに向けて遊技球を打ち出すよう促す形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が通常状態、つまり、遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出す遊技状態に制御されている場合、演出制御用CPU90120は、遊技球が右遊技領域9010Rに向けて打ち出されたことを検出したことに基づいて演出表示装置905での表示やスピーカ908L,908Rでの音出力、遊技効果LED909の発光等により遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すよう警告報知を行ってもよい。尚、このように、遊技球が右遊技領域9010Rに向けて打ち出されたことを検出したことに基づいて遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すよう警告報知なパチンコ遊技機901においては、該警告報知の実行中に変動表示結果として演出図柄が大当りや小当りを示す組み合わせで導出表示された場合、該警告報知を停止するようにしてもよい。
【0932】
また、前記実施例では、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された場合、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際にCPU90103が電断復旧指定コマンドと右打ち報知用LED点灯指定コマンドを演出制御基板9012に対して送信することによって演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像を表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機901への電力の供給が停止された際に演出制御用CPU90120にて実行中である処理の少なくとも一部を記憶可能な記憶部を演出制御基板9012上に設け、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際には、CPU90103から電断復旧指定コマンドや右打ち報知用LED点灯指定コマンド等の受信無しに該記憶部に記憶されている内容に基づいて演出表示装置905に電断復旧画面と右打ち報知画像とを表示可能としてもよい。
【0933】
また、前記実施例では、第1大入賞口や第2大入賞口を、右遊技領域9010Rを流下する遊技球のみが入賞可能なように右遊技領域9010Rに設ける形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら第1大入賞口や第2入賞口は、左遊技領域9010Lを流下する遊技球が入賞可能な位置に設けてもよい。尚、このように、第1大入賞口や第2入賞口を、左遊技領域9010Lを流下する遊技球が入賞可能な位置に設ける場合は、大当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、演出表示装置905に左打ち用電断復旧画面とともに、遊技球を左遊技領域9010Lに向けて打ち出すよう促す左打ち報知画像を表示してもよい。つまり、この発明における「特定経路」とは、遊技領域の左右にかかわらず、パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に開放状態である大入賞口が配置されている経路であればよい。
【0934】
更に、遊技球を打ち出すことが可能な領域であれば、第1大入賞口や第2大入賞口を、演出表示装置905の周囲を囲うセンター飾り枠の上部等の右遊技領域9010Rや左遊技領域9010L以外の領域に設けてもよい。このように、第1大入賞口や第2大入賞口を右遊技領域9010Rや左遊技領域9010L以外の領域に設ける場合は、大当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、演出表示装置905に遊技球を第1大入賞口や第2大入賞口が設けられた位置(例えば、センター飾り枠の上部等)に向けて打ち出すよう促す報知画像を表示してもよい。
【0935】
また、前記実施例では、当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際に、右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dとを点灯させる形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、当り遊技中や小当り遊技中にパチンコ遊技機901への電力の供給が停止され、該パチンコ遊技機901への電力の供給が再開された際には、右打ち報知用LED9030を点灯させなくともよい。また、前記実施例における右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dを省略し、演出表示装置905にて特定経路を流下するように遊技媒体を発射することを促進するための促進表示を行ってもよい。さらに、前記実施例における右打ち報知用LED9030と右打ち表示部9025Dとによる報知に代えて、スピーカ908L,908R等による音声出力による報知を行ってもよい。
【0936】
また、前記実施例では、右打ち表示部9025Dの点灯及び消灯をCPU90103が制御し、右打ち報知用LED9030の点灯及び消灯を演出制御用CPU90120が制御する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、右打ち表示部9025Dと右打ち報知用LED9030の点灯及び消灯は、共にCPU90103が制御してもよい。
【0937】
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機901を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にもこの発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
【0938】
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU90120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU90103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU90120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
【0939】
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機901における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
【0940】
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
【0941】
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
【0942】
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器904Aと第2特別図柄表示器904Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、この発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
【0943】
また、前記実施例では、大当り遊技の終了後に時短制御が実施される(遊技状態が時短状態に制御される)大当り種別を設ける形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技の終了後に変動表示結果が大当りとなる確率が上昇する確率変動制御が実施される大当り種別を設けてもよい。確率変動制御を実施可能なパチンコ遊技機901においては、大当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ9023Bを通過したことに基づいて、大当り遊技終了後に確率変動制御を実施するようにしてもよい。