(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、負荷スイッチの出力を放電するための出力放電技法を説明する。負荷スイッチは、スイッチがオフにされると、負荷スイッチの出力を放電するために出力放電回路を用い得る。出力放電回路は、負荷スイッチに結合される一つまたは複数の電力供給により給電される、受電(powered)回路であり得る。負荷スイッチがオフになる間(またはその後間もなく)負荷スイッチへの電力供給がオフにされる場合、これが、出力放電回路の動作を妨げ得、それにより、スイッチの出力が放電されるのを防止する。
【0012】
本開示よれば、負荷スイッチのための出力放電回路は、出力放電回路の電力レールと接地リードとの間に結合されるコンデンサ、および、出力放電回路の電力入力と電力レールとの間に結合されるダイオードを含み得る。電力が負荷スイッチに供給されている間、出力放電回路は、ダイオードにより形成される電流経路を介してコンデンサを充電し得る。出力放電回路への電力供給がオフにされると、ダイオードは、電流経路を通じてコンデンサが放電するのを防止し得、コンデンサの蓄積された電荷が、電力供給がオフにされた後の或る時間期間の間、出力放電スイッチを充電するために用いられ得る。このように、電力が負荷スイッチに供給されなくなる場合でも、出力放電回路は、負荷スイッチの出力を放電し続け得る。
【0013】
いくつかの例において、出力放電回路は、負荷スイッチの出力と接地レールとの間に結合される放電スイッチを含み得る。出力放電回路はさらに、放電スイッチの制御入力に結合されるバッファ(例えば、インバータ)を含み得る。バッファは、入力制御信号に基づいて放電スイッチを制御し得、また、電力供給入力によって給電され得る。負荷スイッチを放電するように放電スイッチを閉じるために、ハイ論理電圧が必要とされ得る。例えば、放電スイッチは、n型金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタであり得、NMOSトランジスタのターンオン閾値電圧よりも高い電圧が、トランジスタをオンにするために必要とされ得る。バッファが十分な電力を受信しない場合、バッファは、NMOSトランジスタをオンにするために十分な電圧を生成することが不可能であり得、これが、負荷スイッチの出力が放電するのを防止し得る。
【0014】
本開示によれば、バッファの電力レールと接地レールとの間にコンデンサが結合され得、出力放電回路の電力入力とバッファの電力レールとの間にダイオードが結合され得る。出力放電回路の電力入力から電力が取り除かれた後の或る時間期間、コンデンサおよびダイオードは、バッファに、ハイ論理電圧を供給させ得る。このように、能動的な電力供給がなくても、バッファベース(またはインバータベース)の出力放電回路が、負荷スイッチの出力を放電し続けることが可能であり得る。
【0015】
バッファベース(例えば、インバータベース)の出力放電回路により、アクティブローの出力放電制御信号が、アクティブハイの放電スイッチを制御するために用いられ得る。アクティブローの出力放電制御信号は、電圧が閾値を下回ると放電スイッチを閉じて負荷スイッチ出力を放電させ、電圧が閾値を上回ると放電スイッチを開かせる、制御信号と呼ばれることもある。アクティブハイの放電スイッチは、電圧が閾値を上回ると閉じ、電圧が閾値を下回ると開くスイッチであり得る。
【0016】
いくつかの例において、バッファは、抵抗負荷または能動負荷を備えるNMOSインバータなどのインバータであり得る。NMOSインバータは、入力電圧をより高い電圧にレベルシフトすることが可能であり得る。
【0017】
また、アクティブローの出力放電制御信号を用いるバッファベースの出力放電回路により、出力放電回路が、(少なくとも部分的に)負荷スイッチのパストランジスタゲート電圧によって制御されることが可能となり得る。パストランジスタのゲート電圧を制御信号として用いることにより、パストランジスタがオフにされることを確実にするために十分に低い電圧にパストランジスタのゲートが達するまで、出力放電回路のアクティベートが延期され得、それにより、パストランジスタがオンされた場合に起こり得る過度の電流突入を防止する。
【0018】
負荷スイッチのパストランジスタがオンにされるとき、パストランジスタのゲート電圧は、出力放電回路および/または関連する制御回路要素におけるその他の構成要素を損傷させるのに十分に高いものであり得る。出力放電スイッチをオンにすることを延期するためにゲート電圧が用いられる例では、ゲート電圧が閾値電圧を上回るとき、パストランジスタのゲート電圧を出力放電回路の制御入力からデカップリングするために、および、ゲート電圧が閾値電圧を下回るとき、ゲート電圧を制御入力に結合するために、ゲート電圧結合回路が用いられ得る。このように、ゲート電圧は、出力放電回路がオンになるときを制御するために用いられ得、一方で、過度に高いゲート電圧が出力放電スイッチの制御入力に直接的に印加されることによって引き起こされ得る損傷を防ぐ。
【0019】
いくつかの例において、ゲート電圧結合回路は、パストランジスタのゲート電圧と出力放電回路の制御入力との間に結合されるトランジスタを含み得る。そのような例では、トランジスタの制御電極は基準電圧に結合され得、基準電圧は、ゲート電圧結合回路のための閾値電圧を規定または制御し得る。パストランジスタゲート電圧が閾値電圧を下回ると、ゲート電圧結合回路トランジスタは、出力放電回路の制御入力にパストランジスタゲート電圧を出力し得る。これに対して、パストランジスタゲート電圧が閾値電圧を上回ると、ゲート電圧結合回路トランジスタは、出力放電回路の制御入力に閾値電圧を出力し得る。このように、ゲート電圧結合回路の出力は、負荷スイッチにおけるその他の制御回路要素を損傷させることのない比較的低い電圧に制限され得る。
【0020】
ゲート電圧結合回路トランジスタのための基準電圧は、電力供給によって供給され得る。しかし、電力供給がオフにされる場合、パストランジスタのゲート電圧が、依然として、パストランジスタをオンにするのに十分に高い場合であっても、ゲート電圧結合回路トランジスタは、出力放電回路をアクティベートさせる低い電圧を出力し得る。パストランジスタが依然としてオンにされる間、出力放電回路がアクティベートされる場合、望ましくないレベルの突入電流が生じ得る。
【0021】
本開示によれば、ゲート電圧結合回路トランジスタの制御電極と接地レールとの間にコンデンサが結合され得、基準電圧入力とゲート電圧結合回路トランジスタの制御電極との間にダイオードが結合され得る。コンデンサおよびダイオードは、電力が基準電圧入力に供給されなくなった後であっても、ゲート電圧結合回路トランジスタが動作し続けることを可能にし得る。このように、電力がゲート電圧結合回路に供給されなくなるときでも、負荷スイッチのパストランジスタがオフにされる後まで、出力放電回路のアクティベートが遅延され得る。
【0022】
いくつかの例において、出力放電回路のための制御回路要素はさらに、パストランジスタがオフにされるとパストランジスタのゲート電圧のための放電経路を形成する、パストランジスタゲート放電回路を含み得る。そのような回路は、出力放電回路の制御入力と接地レールとの間に結合されるトランジスタを含み得る。このトランジスタは、ゲート電圧結合回路と共にパストランジスタ放電経路を形成し得る。
【0023】
パストランジスタゲート放電回路はさらに、トランジスタの制御電極に結合される出力を備えるバッファ(例えば、インバータ)を含み得る。バッファは、負荷スイッチのイネーブル入力によって制御され得、また、電力入力から受信される電力供給によって給電され得る。電力供給がオフにされる場合、バッファはロー論理電圧を出力し得、このロー論理電圧は、ゲート放電回路がパストランジスタのための放電経路を形成することを防止し得、それにより、負荷スイッチがディスエーブルにされるときパストランジスタがオフになることを防止する。
【0024】
本開示によれば、バッファの電力レールと接地レールとの間にコンデンサが結合され得、負荷スイッチの電力入力とバッファの電力レールとの間にダイオードが結合され得る。コンデンサおよびダイオードにより、電力が負荷スイッチに供給されなくなった後であっても、バッファが、ゲート放電回路トランジスタにハイ論理電圧を供給し続けることが可能となり得る。このように、電力が負荷スイッチに供給されない場合でも、パストランジスタのゲートは放電され続け得る。
【0025】
付加的な例において、電力レールまたは制御電極に電力供給を接続するために単一のダイオードを用いる代わりに、電力レールまたは制御電極に複数の異なる電力供給を接続するために複数のダイオードが用いられ得る。このように、一つの電力供給がオフにされる場合であっても、電力供給の別のものが、制御回路要素に電力を供給し続け得、それにより、単一の電力供給における電力の損失に対して一層堅牢である出力放電回路を提供する。
【0026】
図1は、例示的なシステム10のブロック図であり、システム10は、電力供給12、負荷スイッチ14、システム負荷16、スイッチ制御回路18、および、リード20、22、24、26、28を含む。
【0027】
システム10の電力出力が、リード20を介して負荷スイッチ14の電圧入力(VIN)に、および、リード24を介して負荷スイッチ14のバイアス電圧入力(VBIAS)に結合される。スイッチ制御回路18の出力が、リード26を介して負荷スイッチ14のイネーブル入力(ON)に接続される。負荷スイッチ14の電圧出力(VOUT)が、リード22を介してシステム負荷16に結合される。負荷スイッチ14の接地入力(GND)が、リード28を介して接地端子に結合される。
【0028】
いくつかの例において、システム負荷16は、一つまたは複数の給電される電子構成要素を含み得る。一例において、給電される電子構成要素は、一つまたは複数のソリッドステートドライブ構成要素であり得る。さらなる例において、システム負荷16は一つまたは複数のコンデンサを含み得る。
【0029】
動作の間、電力供給12は、電圧入力に、および、リード24を介してバイアス電圧入力に、電力を供給する。スイッチ制御回路18は、リード26を介して負荷スイッチ14のイネーブル入力に一つまたは複数の制御信号を送信することにより、負荷スイッチ14をイネーブルおよびディスエーブルする(例えば、負荷スイッチ14をオンおよびオフにする)。負荷スイッチ14がオンにされると、負荷スイッチ14は、VINとVOUTとの間に結合されるパストランジスタをオンにし得、その結果、VINとVOUTとの間に電流経路が形成される。負荷スイッチ14によって形成される電流経路により、電力(例えば、電圧および/または電流)が、負荷スイッチ14を通じてシステム負荷16における一つまたは複数の電力レールまで通過することが可能となり得、それにより、リード22およびシステム負荷16における一つまたは複数の電力レールを充電する。負荷スイッチ14がオフにされると、負荷スイッチ14はパストランジスタをオフにし得、その結果、VINとVOUTとの間に開回路が形成される。負荷スイッチ14により形成される開回路は、負荷スイッチ14を通じてシステム負荷16における一つまたは複数の電力レールに電力が伝達されるのを防止し得る。
【0030】
負荷スイッチ14をオフにするために、スイッチ制御回路18は、リード26により搬送される制御信号を、第1の論理状態から第2の論理状態に遷移(例えば、制御信号をハイ論理状態からロー論理状態に遷移)し得る。この遷移に応答して、負荷スイッチ14は、VINとVOUTとの間に結合されるパストランジスタをオフにし得る。しかし、いくらかの残留電荷が、依然として、リード22およびシステム負荷16における電力レールに残留することがある。
【0031】
負荷スイッチ14は、負荷スイッチ14がオフにされるときVOUTを放電するように構成される、出力放電回路を含み得る。出力放電回路は、一つまたは複数の電力源により給電される、受電回路であり得る。
図1の例示的なシステム10において、出力放電スイッチは電力供給12によって給電される。例えば、出力放電スイッチの電力入力が、VINまたはVBIASの一方、またはその両方に結合され得る。負荷スイッチ14がオフになる間(またはその後間もなく)電力供給12がオフにされる場合、これが、出力放電回路の動作を妨げ得、それにより、負荷スイッチ14の出力が放電されるのを防止する。
【0032】
負荷スイッチ14は、出力放電回路の電力レールと接地リードとの間に結合されるコンデンサ、および、出力放電回路の電力入力と電力レールとの間に結合されるダイオードを含み得る。電力供給12が負荷スイッチ14に電力を供給しているとき、出力放電回路は、ダイオードにより形成される電流経路を介してコンデンサを充電し得る。電力供給12が負荷スイッチ14に電力を供給するのを停止するとき、ダイオードは、ダイオードにより形成される電流経路を通じてコンデンサが放電するのを防止し得、コンデンサの蓄積された電荷が、負荷スイッチ14が電力を供給するのを停止した後の或る時間期間の間、出力放電スイッチを給電するために用いられ得る。このように、電力が負荷スイッチ14に供給されなくなる場合でも、負荷スイッチ14はVOUTを放電し続け得る。
【0033】
いくつかの例において、負荷スイッチ14における出力放電回路は、負荷スイッチ14におけるパストランジスタのゲート電圧に少なくとも部分的に基づいて制御され得る。これにより、パストランジスタがオフにされる後まで、出力放電回路のアクティベートが遅延され得る。出力放電回路のための制御回路要素にゲート電圧を結合するとき、パストランジスタのゲートの高い電圧が制御回路を損傷するのを防ぐために、ゲート電圧結合回路が用いられ得る。ゲート電圧結合回路は、VINおよびVBIASの一方または両方を介して電力供給12により供給される基準電圧に基づいて動作し得る。しかし、電力供給12がオフにされる場合、パストランジスタが依然としてオンにされていても、ゲート電圧結合回路は出力放電回路をアクティベートさせ得、これが、望ましくないレベルの突入電流を引き起こし得る。
【0034】
ゲート電圧結合回路の制御電極と接地レールとの間にコンデンサが結合され得る。基準電圧入力とゲート電圧結合回路の制御電極との間にダイオードが結合され得る。電力がゲート電圧結合回路の基準電圧入力に供給されなくなった後であっても、コンデンサおよびダイオードにより、ゲート電圧結合回路が動作し続けることが可能となり得る。このように、電力が負荷スイッチ14に供給されなくなる場合でも、負荷スイッチ14のパストランジスタがオフになる後まで、出力放電回路のアクティベートは遅延され得る。
【0035】
付加的な例において、負荷スイッチ14の出力放電回路のための制御回路要素はまた、パストランジスタゲート放電回路を含み得、パストランジスタゲート放電回路は、パストランジスタがオフにされるとき、パストランジスタのゲート電圧のための放電経路を形成する。このような回路は、バッファ(例えば、インバータ)を含み得、バッファは、負荷スイッチ14のイネーブル入力(ON)によって制御され、また、VINおよびVBIASの一方または両方を介して電力供給12によって給電される。電力供給12がオフにされる場合、バッファは低電圧を出力し得、これが、ゲート放電回路がパストランジスタのための放電経路を形成するのを防止し得、これが、負荷スイッチがディスエーブルされるときパストランジスタがオフになるのを防止し得る。
【0036】
バッファの電力レールと接地レールとの間にコンデンサが結合され得、負荷スイッチの電力入力とバッファの電力レールとの間にダイオードが結合され得る。電力が負荷スイッチに供給されなくなった後であっても、コンデンサおよびダイオードにより、バッファが、ゲート放電回路トランジスタに高電圧を供給し続けることが可能となり得る。このように、電力が負荷スイッチ14に供給されなくなる場合であっても、パストランジスタのゲートは放電され続け得る。
【0037】
図2は、例示的な負荷スイッチ14の付加的な詳細を示す概略図である。負荷スイッチ14は、パストランジスタ30、ゲート制御回路32、ゲートドライバ34、チャージポンプ36、トランジスタ38、40、42、44、インバータ46、レジスタ48、コンデンサ50、52、ダイオード54、56、58、60、入力電圧リード62、出力電圧リード64、バイアス電圧リード66、スイッチイネーブルリード68、接地リード70、および、導体72、74、76、78、80、82、84、86を含む。導体72、74、76、78、80、82、84、86は、負荷スイッチ14においてそれぞれの回路ノードを形成し得る。
【0038】
いくつかの例において、負荷スイッチ14の全部または一部が、一つまたは複数の集積回路上に形成され得る。そのような例では、入力電圧リード62、出力電圧リード64、バイアス電圧リード66、スイッチイネーブルリード68、および接地リード70の一つまたは複数が、集積回路のそれぞれの入力または出力ピンに結合され得る。
【0039】
パストランジスタ30のドレイン電極が、入力電圧リード62に結合される。パストランジスタ30のソース電極が、出力電圧リード64に結合される。ゲート制御回路32の制御入力が、スイッチイネーブルリード68に結合される。ゲート制御回路32の出力が、導体72を介して入力ゲートドライバ34に結合される。ゲートドライバ34の出力が、導体76を介してパストランジスタ30のゲート電極に結合される。チャージポンプ36の基準電圧入力が、バイアス電圧リード66に結合される。チャージポンプ36の出力が、導体74を介してゲートドライバ34の第1の電力入力に結合される。ゲートドライバ34の第2の電力入力が、接地リード70に結合される。
【0040】
トランジスタ44のドレイン電極が、パストランジスタ30のソース電極に、および、出力電圧リード64に結合される。トランジスタ44のソース電極が、接地リード70に結合される。トランジスタ42のドレイン電極が、導体86を介してトランジスタ44のゲート電極に結合される。トランジスタ42のソース電極が、接地リード70に結合される。
【0041】
ダイオード54のアノードが、バイアス電圧リード66に結合される。ダイオード56のアノードが、入力電圧リード62に結合される。ダイオード54、56のカソードは、導体84を介して、相互に、ならびに、レジスタ48およびコンデンサ50の第1の端子に結合される。コンデンサ50の第2の端子が、接地リード70に結合される。レジスタ48の第2の端子が、トランジスタ42のドレイン電極に結合される。
【0042】
トランジスタ40のドレイン電極が、導体76を介してパストランジスタ30のゲート電極に結合される。トランジスタ40のソース電極が、導体82を介してトランジスタ42のゲート電極に結合される。
【0043】
ダイオード58のアノードが、バイアス電圧リード66に結合される。ダイオード60のアノードが、入力電圧リード62に結合される。ダイオード58、60のカソードは、導体78を介して、相互に、コンデンサ52の第1の端子に、トランジスタ40のゲート電極に、および、インバータ46の電力入力に結合される。コンデンサ52の第2の端子が、接地リード70に結合される。
【0044】
トランジスタ38のドレイン電極が、導体82を介して、トランジスタ40のソース電極に、および、トランジスタ42のゲート電極に結合される。トランジスタ38のソース電極が、接地リード70に結合される。
【0045】
インバータ46の入力が、スイッチイネーブルリード68に結合される。インバータ46の出力が、導体80を介してトランジスタ38のゲート電極に結合される。インバータ46の電力入力が、導体78を介して、ダイオード58、60のカソードに、および、コンデンサ52の第1の端子に結合される。
【0046】
図2に示すように、トランジスタ30、38、40、42、44の各々は、n型金属酸化物半導体である。いくつかの例において、パストランジスタ30およびトランジスタ40は高電圧トランジスタであり得、トランジスタ38、42、44は低電圧トランジスタであり得る。高電圧トランジスタは、低電圧トランジスタより高いドレイン‐ソース降伏電圧を有し得る。いくつかの例において、トランジスタ40は、ドレイン拡張n型MOS(DENMOS)トランジスタであり得る。
【0047】
図2の例示的な負荷スイッチ14はNMOSトランジスタに関して説明されたが、同じまたは異なるタイプのトランジスタの任意の組合せが、同じまたは異なる導電型と共に用いられ得る。トランジスタ30、38、40、42、44は、スイッチおよび/または制御された電流源(例えば、電圧制御電流源)の例であり得、ゲート電極は制御電極に対応し、ソースおよびドレイン電極は、電流導通電極に対応する。その他の例において、トランジスタ30、38、40、42、44の一つまたは複数が、同じまたは異なるタイプのスイッチおよび/または制御された電流源(例えば、電圧または電流制御電流源)の組合せで置換され得る。
【0048】
いくつかの例において、コンデンサ50、52の一方または両方が、相対的に大きなコンデンサであり得、および/または、負荷スイッチ14におけるその他の回路要素と同じ集積回路上に形成され得る。例えば、コンデンサ50は、10ピコファラッド(pF)より大きいかまたはこれと等しくし得、例えば、15pFまたは20pFより大きいかまたはこれと等しい。
【0049】
ゲート制御回路32は、スイッチイネーブルリード68により搬送されるイネーブル信号に応答して、パストランジスタ30の動作を制御し得る。例えば、ゲート制御回路32は、導体72上で一つまたは複数の信号を生成し得、この信号は、ゲートドライバ34に、パストランジスタ30をオンにするために十分な電圧を生成させるか、或いは生成させない。ゲートドライバ34は、導体72を介して適切な制御信号を受信することに応答して、パストランジスタ30をオンにするために十分な電圧を提供し得る。
【0050】
チャージポンプ36は、バイアス電圧リード66により搬送される電圧に基づいて、パストランジスタ30をオンにするために十分な電圧を生成し得る。ゲートドライバ34は、パストランジスタ30をオンにするのに十分な電圧をパストランジスタ30のゲートに提供するために(例えば、この電圧は、パストランジスタ30のターンオン閾値電圧に付加されるパストランジスタ30のソース電圧より大きいものであり得る)、チャージポンプ36により生成される電圧を用い得る。いくつかの例において、バイアス電圧リード66により搬送される電圧は、パストランジスタ30をオンにするのに不十分なことがある(例えば、この電圧は、パストランジスタ30のターンオン閾値電圧に付加されるパストランジスタ30のソース電圧より小さいものであり得る)。
【0051】
トランジスタ44は、出力電圧リード64と接地リード70との間に結合される出力放電スイッチを形成し得る。トランジスタ44の制御電極に高電圧信号が印加されると、出力放電スイッチが閉じ得、それにより、出力電圧リード64と接地リード70との間の電流導通経路を形成する。低電圧信号(例えば、ゼロボルト)がトランジスタ44の制御電極に印加されると、出力放電スイッチが開き得、それにより、接地リード70から出力電圧リード64を接続解除する。
【0052】
トランジスタ42およびレジスタ48は、NMOSインバータ、または、より一般的にはインバータ、および、さらにより一般的にはバッファ(例えば、反転バッファ)を形成し得る。トランジスタ42のゲート電極は、バッファの入力を形成し得、トランジスタ42のドレイン電極は、バッファの出力を形成し得る。導体84は、バッファのための電力レールを形成し得る。
【0053】
トランジスタ42の制御電極で低電圧信号が受信されると、バッファは高電圧信号を出力し得る。例えば、トランジスタ42はオフになり得、これが、出力電圧(すなわち、トランジスタ42のドレインの電圧)を、導体84により形成される電力レールにより搬送される電圧と実質的に等しくさせる。導体84により形成される電力レールにより搬送される電圧は、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66により搬送される電圧の一方または両方とほぼ等しくし得、これは、ハイ論理電圧に対応し得る。
【0054】
トランジスタ42の制御電極で高電圧信号が受信されると、バッファは低電圧信号を出力し得る。例えば、トランジスタ42はオンになり得、これが、レジスタ48の両端の電圧降下を形成し得、それにより、導体86によって搬送される低電圧を生じさせる。この低電圧は、ロー論理電圧に対応し得る。
【0055】
(トランジスタ42およびレジスタ48により形成される)インバータならびに(トランジスタ44により形成される)出力放電スイッチは共に、出力電圧リード64と接地リード70との間に結合される出力放電回路を形成し得る。出力放電回路は、トランジスタ42の制御電極により形成される入力を有する。
【0056】
トランジスタ40は、パストランジスタ30のゲートと、トランジスタ42の制御電極により形成される出力放電回路の入力との間に結合されるゲート電圧結合回路を形成し得る。トランジスタ40の制御電極は、導体78により搬送される基準電圧を受信し得、基準電圧は、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66により搬送される電圧の一方または両方とほぼ等しくし得る。基準電圧は、トランジスタ40が三極管モードで動作するか、または飽和モードで動作するかを判定し得る。トランジスタ40が三極管モードで動作しているとき、トランジスタ40は、導体76により搬送されるパストランジスタゲート電圧とほぼ等しい電圧をトランジスタ40のソース電極で出力し得る。トランジスタ40が飽和モードで動作しているとき、トランジスタ40は、パストランジスタゲート電圧の大きさに関係なく、トランジスタ40のゲート電極の電圧より低い電圧を出力し得る。
【0057】
トランジスタ38は、(トランジスタ42、44、およびレジスタ48により形成される)出力放電回路の入力と接地リード70との間に結合されるゲート電圧放電スイッチを形成し得る。トランジスタ38の制御電極に高電圧信号が印加されると、ゲート電圧放電スイッチは閉じ得、それにより、パストランジスタ30のゲートと接地リード70との間に電流導通経路を形成する。具体的には、電流導通経路(または放電経路)は、トランジスタ38と40の両方を通じて形成され得る。低電圧信号(例えば、ゼロボルト)がトランジスタ38の制御電極に印加されると、ゲート電圧放電スイッチは開き得、それにより、パストランジスタ30のゲートを接地リード70から接続解除する。
【0058】
トランジスタ38により形成されるゲート電圧放電スイッチは、インバータ46の出力により搬送される電圧によって制御され得、インバータ46は、スイッチイネーブルリード68により搬送される電圧によって制御され得る。スイッチイネーブルリード68が低電圧を搬送することに応答して、インバータ46は高電圧を出力し得、それにより、トランジスタ38をオンにし、ゲート電圧放電経路を形成する。スイッチイネーブルリード68が高電圧を搬送することに応答して、インバータ46は低電圧を出力し得、それにより、トランジスタ38をオフにし、パストランジスタ30のゲートを接地リード70から接続解除する。導体78は、インバータ46のための電力レールを形成し得る。導体78により形成される電力レールにより搬送される電圧は、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66により搬送される電圧の一方または両方とほぼ等しくし得る。
【0059】
トランジスタ38、40、およびインバータ46は、制御回路を形成し得、制御回路は、トランジスタ42、44、およびレジスタ48により形成される出力放電回路を制御する。制御回路は、パストランジスタ30のゲート電圧に少なくとも部分的に基づいて、出力放電回路を制御し得、また、負荷スイッチ14がディスエーブルされることに応答して(すなわち、スイッチイネーブルリードにより搬送される電圧が、ロー論理電圧に遷移することに応答して)、ゲート電圧放電経路を形成することにより、パストランジスタ30のゲート電圧を放電し得る。
【0060】
バイアス電圧リード66および入力電圧リード62の一方または両方に電圧が印加されると、ダイオード54および56は、バイアス電圧リード66および入力電圧リード62から、コンデンサ50へのそれぞれの電流経路を形成し得、それにより、コンデンサ50が充電され得る。それぞれバイアス電圧リード66および入力電圧リード62に電圧が印加されなくなると、ダイオード54および56は、コンデンサ50が(ダイオード54および56を通じて)放電されるのを防止し得る。
【0061】
同様に、バイアス電圧リード66および入力電圧リード62の一方または両方に電圧が印加されると、ダイオード58および60は、バイアス電圧リード66および入力電圧リード62から、コンデンサ52へのそれぞれの電流経路を形成し得、それにより、コンデンサ52が充電され得る。それぞれバイアス電圧リード66および入力電圧リード62に電圧が印加されなくなると、ダイオード58および60は、コンデンサ52が(ダイオード58および60を通じて)放電されるのを防止し得る。
【0062】
少なくとも一つの例示的な動作において、負荷スイッチ14がイネーブルされ、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66の両方に電力が供給される。負荷スイッチ14をイネーブルするために、スイッチ制御回路(例えば、
図1におけるスイッチ制御回路18)が、スイッチイネーブルリード68のハイ論理電圧をアサートする。ハイ論理電圧を受信することに応答して、ゲート制御回路32は、導体72を介して、ゲートドライバ34にパストランジスタ30をオンにさせる信号を出力する。チャージポンプ36は、バイアス電圧リード66により搬送される電圧に基づいて、パストランジスタ30をオンにするために十分な電圧を生成し、ゲートドライバ34の電力入力に電圧を出力する。ゲート制御回路32から導体72を介して信号を受信することに応答して、ゲートドライバ34は、パストランジスタ30をオンにするために十分な電圧を生成する。パストランジスタ30がオンになり、それにより、入力電圧リード62と出力電圧リード64との間の電流導通経路を形成する。
【0063】
インバータ46は、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66の一方または両方によって給電される。スイッチイネーブルリード68により搬送されるハイ論理電圧を受信することに応答して、インバータ46はトランジスタ38のゲート電極にロー論理電圧を出力し、これがトランジスタ38をオフにする。その結果、パストランジスタ30のゲート電極は、接地リード70から接続解除される(すなわち、パストランジスタ30のゲート電極と接地リード70の間に電流経路が形成されない)。パストランジスタ30がオンにされるとき、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66により供給される電圧は、パストランジスタ30のゲート電極の電圧より低いものであり得る。それゆえ、導体82の電圧がトランジスタ40をカットオフするのに十分な電圧に到達するまで、トランジスタ40は、飽和状態で動作し得、導体82を充電し得る。トランジスタ40は、トランジスタ40のゲート電極の電圧にほぼ等しく、トランジスタ40のゲートターンオン閾値電圧より低い電圧レベルまで、導体82を充電し得る。この電圧は、トランジスタ42をオンにするのに十分であり得る。
【0064】
トランジスタ42およびレジスタ48により形成されるインバータは、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66の一方または両方によって給電される。比較的高い電圧がトランジスタ40によって提供されることに応答して、トランジスタ42が、オンになり、レジスタ48と接地リード70との間に電流経路を形成する。これが、レジスタ48の両端で電圧降下を生じさせ、また、トランジスタ44のゲート電極においてロー論理電圧を生成させる。ゲート電極においてロー論理電圧を受信することに応答して、トランジスタ44はオフにされたままであり、それにより、出力電圧リード64から接地リード70への放電経路の形成を防止する。
【0065】
通常動作の間、負荷スイッチ14がイネーブルされると、ダイオード54および56により、コンデンサ50が、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66の一方または両方にほぼ等しい電圧レベルまで充電され得る。同様に、ダイオード58および60により、コンデンサ52が、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66の一方または両方にほぼ等しい電圧レベルまで充電され得る。
【0066】
少なくとも一つのその他の例示的な動作において、負荷スイッチ14がディスエーブルされ、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66の両方に電力が供給され続ける。負荷スイッチ14をディスエーブルするため、スイッチ制御回路(例えば、
図1におけるスイッチ制御回路18)が、スイッチイネーブルリード68上でロー論理電圧をアサートする。ロー論理電圧を受信することに応答して、ゲート制御回路32は、導体72を介して、ゲートドライバ34にパストランジスタ30をオンにするために十分な電圧を生成するのを停止させる信号を出力する。トランジスタ38および40を通じて放電経路が形成されるまで、および、パストランジスタ30のゲート電極が、パストランジスタ30をオフにするために十分に放電されるまで、パストランジスタ30は、初期はオンにされたままであり得る。
【0067】
インバータ46は、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66の一方または両方によって給電される。スイッチイネーブルリード68により搬送されるロー論理電圧を受信することに応答して、インバータ62は、トランジスタ38のゲート電極にハイ論理電圧を出力し、これが、トランジスタ38をオンにする。その結果、電流導通経路(例えば、放電経路)が、パストランジスタ30のゲート電極と接地リード70との間に形成される。負荷スイッチ34が初めにディスエーブルされるとき、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66により供給される電圧は、初期はパストランジスタ30のゲート電極の電圧より低いものであり得る。それゆえ、トランジスタ40は、初期は飽和モードで動作し得、トランジスタ40のゲートの電圧より低いが、依然としてトランジスタ42をオンに維持するために十分な電圧まで、導体82を充電し得る。
【0068】
パストランジスタ30のゲート電極が放電し続けるので、パストランジスタ30のゲート電圧は、飽和モードにおける動作から、代わりに三極管モードにおける動作へ、トランジスタ40の遷移を引き起こすために十分な量だけ、トランジスタ40のゲートの電圧より低くなり得る。三極管モードで動作することに応答して、トランジスタ40は、パストランジスタ30のゲート電極の電圧にほぼ等しい電圧レベルまで導体82を充電し得、それにより、トランジスタ40のソース電極をパストランジスタ30のゲート電極に効果的に結合する。
【0069】
パストランジスタ30のゲート電極の放電の間、パストランジスタ30はオフになり、それにより、出力電圧リード64から入力電圧リード62を接続解除する。パストランジスタ30のゲート電極がさらに放電し続けるので、パストランジスタ30のゲート電圧は、トランジスタ42をオンに維持するために必要とされる電圧より低くなり得、それにより、トランジスタ42をオフにさせる。トランジスタ42がオフになることに応答して、トランジスタ42のドレインは、バイアス電圧リード66および入力電圧リード62の一方または両方の電圧とほぼ等しい電圧まで充電され得る。この電圧は、トランジスタ44をオンにするために十分であり、それにより、出力電圧リード64と接地リード70との間に電流導通経路(例えば、放電経路)を形成する。出力電圧リード64に蓄積された電荷は、接地リード70により形成される電流導通経路を通じて放電される。
【0070】
上述のように、出力放電回路のアクティベート(例えば、トランジスタ44をオンにすること)は、トランジスタ42およびレジスタ48により形成されるインバータが、トランジスタ44をオンにするために十分に高い電圧にトランジスタ44のゲートの電圧を上昇させることに依存する。トランジスタ42およびレジスタ48により形成されるインバータの電力レール(例えば、導体84)に十分な電力が提供されない場合、インバータは、トランジスタ44をオンに維持するために十分に高い電圧を生成することが不可能となり得、それにより、負荷スイッチ14の出力が放電されるのを防止する。
【0071】
負荷スイッチ14は、出力放電回路の電力レール(例えば、導体84)と接地リード70との間に結合されるコンデンサ50、ならびに、出力放電回路の電力入力と電力レール(例えば、導体84)との間に結合されるダイオード54および56を含み得る。電力供給が負荷スイッチ14に電力を供給している(例えば、入力電圧リード62および/またはバイアス電圧リード66を介して電力を供給している)とき、出力放電回路は、ダイオード54、56により形成される電流経路を介してコンデンサ50を充電し得る。電力供給が入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66に電力を供給しなくなるとき、ダイオード54および56は、コンデンサ50が電流経路を通じて放電するのを防止し得、コンデンサ50の蓄積された電荷が、電力供給が電力を供給しなくなった後の或る期間の間、出力放電スイッチを給電するために用いられ得る。このように、電力が負荷スイッチ14に供給されなくなる場合でも、負荷スイッチ14はVOUTを放電し続け得る。
【0072】
図2における出力放電回路は、パストランジスタ30のゲート電圧に少なくとも部分的に基づいて制御され得る。これにより、パストランジスタ30がオフにされるまで、出力放電回路のアクティベートが遅延され得る。出力放電回路のための制御回路要素にパストランジスタ30のゲート電圧を結合するとき、ゲート電圧結合回路(例えば、トランジスタ40)が、パストランジスタのゲートの高電圧が制御回路を損傷するのを防止するために用いられ得る。トランジスタ40は、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66の一方または両方により供給される基準電圧に基づいて動作し得る。基準電圧がトランジスタ40に供給されない場合、パストランジスタ30が依然としてオンにされている場合でも、トランジスタ40は、出力放電回路をアクティベートさせ得、これは、望ましくないレベルの突入電流を引き起こすおそれがある。
【0073】
コンデンサ52は、トランジスタ40の制御電極と接地リード70との間に結合され得る。ダイオード58および60は、基準電圧入力(例えば、入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66)とトランジスタ40の制御電極との間に結合され得る。電力供給が負荷スイッチ14に電力を供給している(例えば、入力電圧リード62および/またはバイアス電圧リード66を介して電力を供給している)とき、制御回路は、ダイオード58、60により形成される電流経路を介してコンデンサ52を充電し得る。電力供給が入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66に電力を供給しなくなるとき、ダイオード58および60は、電流経路を通じてコンデンサ52が放電するのを防止し得、コンデンサ52の蓄積された電荷が、電力供給が電力を供給しなくなった後の或る期間の間、トランジスタ40に基準電圧を提供するために用いられ得、それにより、電力が基準電圧入力に供給されなくなった後であっても、トランジスタ40が動作し続けることが可能となる。このように、電力が負荷スイッチ14に供給されなくなる場合でも、パストランジスタ30がオフになる後まで、出力放電回路のアクティベートが遅延され得る。
【0074】
付加的な例において、負荷スイッチ14の出力放電回路のための制御回路要素はまた、パストランジスタゲート放電回路(例えば、トランジスタ38)を含み得、パストランジスタゲート放電回路は、負荷スイッチ14がオフにされるとき、パストランジスタ30のゲート電圧のための放電経路を形成する。そのような回路は、バッファ(例えば、インバータ46)を含み得、バッファは、負荷スイッチ14のイネーブル入力により制御され、また、負荷スイッチ14のバイアス電圧リード66および入力電圧リード62の一方または両方により給電される。電力がインバータ46に供給されなくなる場合、インバータ46は低電圧を出力し得、これが、ゲート放電回路が、パストランジスタ30のゲートのための放電経路を形成するのを防止し得、また、パストランジスタ30が、ディスエーブルされたときにオフになるのを防止または遅延し得る。
【0075】
コンデンサ52は、インバータ46の電力レール(例えば、導体78)と接地リード70との間に結合され得、ダイオード58および60は、負荷スイッチ14の電力入力とインバータ46の電力レールとの間に結合され得る。電力が負荷スイッチ14に供給されなくなった後であっても、コンデンサ52およびダイオード58、60により、インバータ46が、トランジスタ38に高い電圧を供給し続けることが可能となり得る。このように、電力が負荷スイッチ14に供給されなくなる場合でも、パストランジスタ30のゲートは放電され続け得る。
【0076】
図2の例示的な負荷スイッチ14は、出力放電回路の2つの電力入力にそれぞれ結合される2つのダイオード54、56を含む。その他の例において、より多いまたはより少ない電力入力およびダイオードが用いられ得る。例えば、単一の電力入力(例えば、入力電圧リード62)および単一のダイオード(例えば、ダイオード56)を残して、ダイオード54およびバイアス電圧リード66が取り除かれてもよい。別の例として、単一の電力入力(例えば、ダイオード54)および単一のダイオード(例えば、バイアス電圧リード66)を残して、入力電圧リード62およびダイオード56が取り除かれてもよい。
【0077】
同様に、より多いまたはより少ない電力入力およびダイオードが、制御回路に結合されるダイオード58、60のために用いられ得る。例えば、単一の電力入力(例えば、入力電圧リード62)および単一のダイオード(例えば、ダイオード60)を残して、ダイオード58およびバイアス電圧リード66が取り除かれてもよい。別の例として、単一の電力入力(例えば、ダイオード58)および単一のダイオード(例えば、バイアス電圧リード66)を残して、入力電圧リード62およびダイオード60が取り除かれてもよい。
【0078】
図3は、例示的な負荷スイッチ14を含む別の例示的なシステム90のブロック図である。システム90は、(a)スイッチ制御回路18が省かれていること、および、(b)リード26が、リード20を介して電力供給12に結合されることを除いて、
図1のシステム10と類似している。負荷スイッチユーザが、イネーブルピン(ONピン)をVINに結合または連結し得、その結果、電力供給12がオフにされると、負荷スイッチ14はオフになり得る。
【0079】
負荷スイッチ14をディスエーブルするために、電力供給12がオフにされ得る。しかし、電力供給12がオフにされると、電力供給12は、
図2の入力電圧リード62およびバイアス電圧リード66への電力供給もオフにし得る。それにもかかわらず、電力がVINおよびVBIASに供給されなくなる場合であっても、
図2の負荷スイッチ14により、依然として、スイッチがスムーズにオフになること、および、出力放電回路がVOUTをシームレスに放電することが可能となり得る。従って、本開示の技法は、VINおよびVBIASの一方または両方に負荷スイッチ14のイネーブルピン(ON)を互いに結合することを設計者が望み得るシステムにおいて特に有用となる。
【0080】
図4は、本開示に従った、負荷スイッチの出力放電回路を制御するための例示的な技法のフローチャートである。100で、スイッチの出力放電回路の電力入力に電圧が印加されることに応答して、負荷スイッチ14は、バッファの電力レールと接地リードとの間に結合されるコンデンサ50を(電流経路を介して)充電する。出力放電回路の電力入力に電圧が印加されなくなることに応答して、負荷スイッチ14は、(a)102で、コンデンサ50が電流経路を通じて放電するのを防止し、(b)104で、充電されたコンデンサに蓄積された電荷に基づいて、出力放電回路に電力を供給する。
【0081】
再び
図2を参照すると、集積回路(例えば、負荷スイッチ14)が、入力電圧リード(例えば、62)、出力電圧リード(例えば、64)、入力電圧リードと出力電圧リードとの間に結合されるパストランジスタ(例えば、30)、および、出力放電回路(例えば、42、44、48、50、54、56)を含む。出力放電回路は、電力入力(例えば、VIBASおよびVINなど、ダイオード54および56の一方のアノード)、制御入力(例えば、トランジスタ42のゲート電極)、出力電圧リードと接地リードとの間に結合される第1のトランジスタ(例えば、44)を含む。第1のトランジスタは制御電極を有する。出力放電回路はさらに、電力入力に結合されるアノードを有するダイオード(例えば、54または56)、ダイオードのカソードと接地リードとの間に結合されるコンデンサ(例えば、50)、ダイオードのカソードと第1のトランジスタ(例えば、44)の制御電極との間に結合されるレジスタ(例えば、48)、および、第1のトランジスタ(例えば、44)の制御電極と接地リードとの間に結合される第2のトランジスタ(例えば、42)を含む。第2のトランジスタ(例えば、42)は、出力放電回路の制御入力に結合される制御電極を有する。
【0082】
いくつかの例において、集積回路はさらに、スイッチイネーブルリード(例えば、68)および制御回路(例えば、38、40、46、52、58、60)を含む。制御回路は、電力入力(例えば、VIBASおよびVINなど、ダイオード58および60の一方のアノード)、および、パストランジスタのゲート電極と出力放電回路の制御入力(例えば、トランジスタ42のゲート電極)との間に結合される第3のトランジスタ(例えば、40)を含む。第3のトランジスタは制御電極を有する。制御回路はさらに、出力放電回路の制御入力(例えば、トランジスタ42のゲート電極)と接地リードとの間に結合される第4のトランジスタ(例えば、38)、および、スイッチイネーブルリードに結合される入力と、第4のトランジスタ(例えば、38)の制御電極に結合される出力と、第3のトランジスタ(例えば、40)の制御電極に結合される電力レールとを有するバッファ(例えば、46)を含む。制御回路はさらに、第3のトランジスタ(例えば、40)の制御電極と接地リードとの間に結合される第2のコンデンサ(例えば、52)、ならびに、制御回路の電力入力に結合されるアノードと、第3のトランジスタの制御電極におよびバッファ(例えば、46)の電力レール(例えば、導体78)に結合されるカソードとを有する第2のダイオード(例えば、58または60)を含む。
【0083】
本開示は、集積回路(例えば、負荷スイッチ14)を説明し、集積回路は、入力電圧リード(例えば、62)、出力電圧リード(例えば、64)、入力電圧リードと出力電圧リードとの間に結合されるパストランジスタ(例えば、30)、および、出力電圧リードと接地リードとの間に結合される出力放電回路(例えば、42、44、48、50、54、56)を含む。出力放電回路は、電力入力(例えば、VIBASおよびVINなど、ダイオード54および56の一方のアノード)、電力入力に結合されるアノードを有するダイオード(例えば、54または56)、および、ダイオードのカソードと接地リードとの間に結合されるコンデンサ(例えば、50)を含む。
【0084】
いくつかの例において、出力放電回路はさらに、制御入力(例えば、トランジスタ42のゲート電極)、および、出力電圧リードと接地リードとの間に結合されるスイッチ(例えば、44)を含む。スイッチは、制御電極(例えば、トランジスタ44のゲート)を有する。出力放電回路はさらに、出力放電回路の制御入力に結合される入力(例えば、トランジスタ42のゲート電極)と、スイッチ(例えば、44)の制御電極に結合される出力(例えば、トランジスタ42のドレイン電極)と、ダイオード(例えば、54または56)のカソードに結合される電力レール(例えば、84)とを有するバッファ(例えば、42および48)含む。
【0085】
いくつかの例において、バッファ(例えば、42および48)はインバータである。さらなる例において、インバータは、n型金属酸化物半導体(NMOS)インバータである。その他の例において、インバータは、非反転バッファで置換されてもよい。
【0086】
いくつかの例において、集積回路はさらに、パストランジスタ(例えば、30)のゲート電極と出力放電回路の制御入力(例えば、トランジスタ42のゲート電極)との間に結合される制御回路(例えば、38、40、46、52、58、60)を含む。
【0087】
さらなる例において、制御回路は、基準電圧入力(例えば、VIBASおよびVINなど、ダイオード58および60の一方のアノード)、パストランジスタ(例えば、30)のゲート電極と出力放電回路の制御入力(例えば、トランジスタ42のゲート電極)との間に結合されるトランジスタ(例えば、40)を含む。トランジスタ(例えば、40)は制御電極を有する。制御回路はさらに、制御電極と接地リードとの間に結合される第2のコンデンサ(例えば、52)、および、基準電圧入力に結合されるアノードと、トランジスタ(例えば、40)の制御電極に結合されるカソードとを有する第2のダイオード(例えば、58または60)を含む。
【0088】
いくつかの例において、基準電圧入力(例えば、ダイオード60のアノード)は、入力電圧リード(例えば、62)に結合される。付加的な例において、集積回路はさらに、バイアス電圧リード(例えば、66)、バイアス電圧リードに結合されるチャージポンプ回路(例えば、36)、および、チャージポンプ回路に結合される電力入力(例えば、74)と、パストランジスタ(例えば、12)のゲートに結合される出力(例えば、76)とを有するゲート駆動回路(例えば、34)を含む。制御回路はさらに、バイアス電圧リード(例えば、66)に結合されるアノードと、トランジスタ(例えば、40)の制御電極に結合されるカソードとを有する第3のダイオード(例えば、58)を含む。
【0089】
いくつかの例において、制御回路は、出力放電回路の制御入力(例えば、トランジスタ42のゲート電極)と接地リードとの間に結合されるゲート電極放電回路(例えば、38)を含む。さらなる例において、集積回路はさらに、スイッチイネーブルリード(例えば、68)を含み、ゲート電極放電回路は、出力放電回路の制御入力と接地との間に結合されるトランジスタ(例えば、38)を含む。そのような例では、制御回路はさらに、電力入力(VIBASおよびVINなど、ダイオード58および60の一方のアノード)、スイッチイネーブルリード(例えば、68)に結合される入力と、トランジスタ(例えば、38)の制御電極に結合される出力と、電力レール(例えば、78)とを有するバッファ(例えば、インバータ46)、バッファの電力レールと接地リードとの間に結合される第2のコンデンサ(例えば、52)、および、制御回路の電力入力に結合されるアノードと、バッファ(例えば、46)の電力レールに結合されるカソードとを有する第2のダイオード(例えば、58または60)を含む。
【0090】
いくつかの例において、制御回路の電力入力(例えば、ダイオード60のアノード)は、入力電圧リード(例えば、62)に結合される。さらなる例において、集積回路はさらに、バイアス電圧リード(例えば、66)、バイアス電圧リードに結合されるチャージポンプ回路(例えば、36)、チャージポンプ回路に結合される電力入力(例えば、74)と、パストランジスタのゲートに結合される出力(例えば、76)とを有するゲート駆動回路(例えば、34)、および、バイアス電圧リード(例えば、66)に結合されるアノードと、バッファ(例えば、46)の電力レールに結合されるカソードとを有する第3のダイオード(例えば、58)を含む。
【0091】
いくつかの例において、出力放電回路はさらに、制御入力(例えば、トランジスタ42のゲート電極)、出力電圧リードと接地リードとの間に結合されるスイッチ(例えば、44)を含む。スイッチは、制御電極(例えば、トランジスタ44のゲート電極)、ダイオード(例えば、54または56)のカソードとスイッチ(例えば、44)の制御電極との間に結合される抵抗構成要素(例えば、48)、および、スイッチ(例えば、44)の制御電極と接地リードとの間に結合されるトランジスタ(例えば、42)を有する。トランジスタ(例えば、42)は、出力放電回路の制御入力に結合される制御電極(例えば、トランジスタ42のゲート)を有する。
【0092】
いくつかの例において、出力放電回路の電力入力(例えば、ダイオード56のアノード)は、入力電圧リード(例えば、62)に結合される。さらなる例において、集積回路はさらに、バイアス電圧リード(例えば、66)、バイアス電圧リードに結合されるチャージポンプ回路(例えば、36)、チャージポンプ回路に結合される電力入力(例えば、74)と、パストランジスタ(例えば、12)のゲートに結合される出力(例えば、76)とを有するゲート駆動回路(例えば、34)を含む。そのような例では、出力放電回路の電力入力(例えば、ダイオード54のアノード)は、バイアス電圧リード(例えば、66)に結合される。
【0093】
いくつかの例において、出力放電回路はさらに、第2の電力入力(VIBASおよびVINなど、ダイオード54および56の一方のアノード)、および、第2の電力入力に結合されるアノードを有する第2のダイオード(例えば、54または56)を含む。第2のダイオードのカソードが、コンデンサ(例えば、50)に、および、第1のダイオード(例えば、54または56)のカソードに結合される。
【0094】
急速な出力放電回路を備える負荷スイッチは、その部分が入力電力を失う場合、不適切に機能するおそれがある。ソリッドステートドライブなどのいくつかの用途において、出力が不適切に放電されると、下流の回路要素が不適切に停止される場合にデータ破壊が生じるおそれがある。
【0095】
いくつかの例は、内部の電力供給を成すために大きなコンデンサを用いることがあり、これにより、外部電力供給が取り除かれた場合であっても、放電バッファが電力を有することが可能となる。例示の実施形態により、入力電力損失の後でも、出力放電が機能し続けることが可能となり得る。
【0096】
また、例示的な実施形態により、デバイスへの電力供給の損失があっても、比較的大きな静電容量負荷(例えば、約200μF)が負荷スイッチの出力に結合される場合に負荷スイッチユーザが負荷スイッチの出力を放電することが可能となり得る。
【0097】
電力が印加される一方で負荷スイッチが放電されると、出力が放電され得、その結果、下流の回路要素で起こり得る問題が回避される。いくつかの例において、負荷スイッチユーザが、入力供給にイネーブルピン(ONピン)を結合または連結し得、その結果、電力が降下するとき負荷スイッチは停止し得る。
【0098】
いくつかの例において、負荷スイッチ14の出力放電回路は、50マイクロファラッド(μF)より大きいかまたはこれと等しい、例えば100μFまたは200μFより大きいかまたはこれと等しい、負荷静電容量(例えば、システム負荷16の静電容量)を放電するように構成され得る。
【0099】
いくつかの例は、VIN供給が取り除かれる場合、VOUTピンに連結される負荷コンデンサを放電し得る。さらなる例は、負荷スイッチがディスエーブルされるとき、VBIAS(例えば、集積回路(IC)への電力供給)およびVIN(例えば、パストランジスタへの電圧)が降下している状態で、出力静電容量が放電されることを可能とし得る。付加的な例が、VBIAが無くてもVINが利用可能であるとき、VOUTをローに(例えば、接地に)プルし続け得、これが、安全機能として、および/または、データ破壊を防止するように、機能し得る。
【0100】
また、例示的な実施形態が、上述の機能性のいくつかまたは全てに低い静止電流を提供し得る。こうした例示的な実施形態は、シュートスルー電流を防止するために出力放電回路が関与される前にVBIAS或いはVINが存在するとき、通過電力FET(例えば、トランジスタ30)が完全にオフであることを確実にし得る。いくつかの例において、負荷スイッチが、VIN或いはVBIASの損失の際、電力FETのゲートプルダウンに給電するための回路を含み得る。さらなる例において、負荷スイッチが、VINまたはVBIAS損失の事象においてインバータまたはバッファ電力供給のための電圧を保持するための回路を含み得る。
【0101】
例示的な実施形態により、入力電力が突如消失する状態で、出力放電回路が、大きな静電容量負荷を放電することが可能となり得る。例えば、供給電圧損失の状態で、本開示に従って設計される出力放電回路が、100μFコンデンサの電圧を、10ミリ秒(ms)未満、例えば約2ms未満で、ほぼゼロまで放電可能となり得る。
【0102】
いくつかの例において、ダイオード54、56、58、60の一つまたは複数が、一つまたは複数のMOSトランジスタ(例えば、NMOSトランジスタ)におけるp‐n接合により形成される寄生ダイオードを用いて実装され得る。さらなる例において、インバータ46は、共通ソーストランジスタ段で置換され得、共通ソーストランジスタ段は、(例えば、トランジスタにより)能動的にロードされるか、或いは、(例えば、レジスタにより)受動的にロードされる。付加的な例において、トランジスタ42およびレジスタ48は、受動的にロードされる共通ソース段を形成し得る。
【0103】
いくつかの例において、本開示において説明される技法および回路要素は、一つまたは複数の集積回路またはその他のデバイスの任意の組合せにおいて実装され得る。
【0104】
特許請求の範囲内で、説明される実施形態における改変が可能であり、他の実施形態が可能である。