【課題を解決するための手段】
【0008】
この問題は、ハンドル区画を備えるハウジングと、回転軸の周りで回転可能な皮膚処理要素と、ハウジングに静止的に配置され、使用中にユーザの皮膚を支持するように構成され且つ配置される軸方向皮膚接触面を有する、保護リムと、皮膚処理要素を回転軸についての回転運動において駆動するための駆動機構とを含み、皮膚処理要素は、保護リムの軸方向開口を通じて皮膚処理のためにアクセス可能な軸方向研磨処理面を有し、軸方向開口は、回転軸について360°の角度範囲に亘って延在し、皮膚処理要素は、少なくとも部分的に径方向の向きを有する周方向研磨処理面を更に有し、保護リムは、円周方向研磨処理面が回転軸について30°〜240°の角度範囲に亘って延在する領域内で皮膚処理のためにアクセス可能であるよう、回転軸について120°よりも大きいが330°よりも小さい角度範囲に亘って皮膚処理要素を部分的に円周方向に包囲する、皮膚処理デバイスによって、本発明に従って解決される。
【0009】
本発明に従った皮膚処理デバイスは、軸方向研磨処理面と周方向研磨処理面とを有する皮膚処理要素を含む。軸方向研磨処理面は、回転ディスクの前面(front side)のように軸方向に対して略垂直に方向付けられた或いはそのような向きを備える表面区画を少なくとも有する処理面であると理解されよう。周方向研磨処理面は、その表面に対して直交するベクトルが回転ディスクの周縁面のように径方向と平行な構成要素を有するように方向付けられると理解されよう。軸方向は、回転軸と平行であるものと理解されるのに対し、径方向は、回転軸に対して直交すると理解されよう。軸方向研磨処理面は、凹面形状又は凸面形状のような、平坦な又は湾曲した形状を有してよい。周方向研磨処理面は、円柱形状又は円錐形状を有してよく、或いは、周方向研磨処理面は、凹面又は凸面の曲率を備える、回転軸に沿う縦断面において湾曲した断面形状を有してよい。
【0010】
好ましくは、周方向研磨処理面及び軸方向研磨処理面は、鋭いエッジが付けられてよい、斜面が付けられてよい、或いは丸められてよい、円形リムを形成するよう、互いに隣接することが理解されるべきである。
【0011】
皮膚処理要素は、駆動機構によって回転軸の周りの回転運動に駆動される。そのような回転運動は、回転軸の周りの一方向における一定の回転であると理解され、回転方向は、デバイスのユーザによって選択可能であってよい。回転運動は、代替的に、回転方向が頻繁に変わる振動的な回転運動であってよい。皮膚処理デバイスは、ユーザがデバイスに組み込まれた制御ユニットのユーザインタフェースを介して一定の回転運動又は振動的な回転運動のいずれかを選択できるように構成されてよい。
【0012】
皮膚処理デバイスは、駆動機構を更に含む。そのような駆動機構は、ハウジングに組み込まれたモータを含んでよいが、代替的に、モータは、ハウジングに対してある距離に配置されて、フレキシブルシャフトのような機械的連結要素を介して皮膚処理要素に連結されてよいことが理解されよう。好ましくは、駆動機構は、電気モータを含む。交換可能な又は再充電可能なバッテリのような電気エネルギ源をデバイスのハウジング内に含めて電気モータにエネルギを提供してよいことが更に理解されよう。
【0013】
保護リムが皮膚処理デバイスのハウジングに配置される。保護リムはハウジングと一体的であってよく、或いはハウジングに取り付けられる別個の要素であってよい。保護リムをハウジングに解放可能に固定して保護リムの交換又は取替えを可能にしてよい。保護リムは、その周方向研磨処理面に沿って皮膚処理要素を完全に取り囲まず、回転軸について120°〜330°の角度を通じて部分的にのみ皮膚処理要素を取り囲む。結果として、皮膚処理要素は、回転軸について少なくとも30°〜240°の角度範囲に亘って保護リムによって径方向に覆われない。保護リムに関して使用する「特定の角度範囲に亘って部分的に包囲する」及び「特定の角度範囲に亘って部分的に取り囲む」という表現は、前記特定の角度範囲の角度的拡張を通じての連続的な包囲及び取り囲み並びに断続的な包囲又は取り囲みの両方を包含するものと理解されるべきであり、保護リムは、前記特定の角度範囲内の開口を含んでよく、或いは、保護リムは、前記特定の角度範囲内に配置され、開口によって分離される、多数の個々のリムセグメントを有する。
【0014】
保護リムは、皮膚処理デバイスの使用中にユーザの皮膚を支持するように構成され且つ配置される軸方向皮膚接触面を有する。皮膚処理要素の軸方向研磨処理面と同様に、軸方向皮膚接触面は、軸方向に対して略垂直に方向付けられるか或いは少なくともそのような方向付けを備える表面区画を有する皮膚接触面であると理解され、軸方向は、回転軸と平行であると理解される。
【0015】
保護リムのこの特定の設計は、たとえ軸方向研磨処理面が皮膚表面に対してある角度向きに位置付けられるとしても、回転する皮膚処理要素によって引き起こされる有意なねじり力を防止することが分かった。これはそのような角度向きにおける皮膚と皮膚処理要素との接触を防止すること及び皮膚処理要素の隅領域が皮膚と接触するのを防止することの両方によって達成される。更に、保護リムは、それが皮膚上の支持体として機能するという点で、軸方向研磨処理面の平面的な位置決めを容易にする。本発明に従った皮膚処理デバイスは、この突出区画における皮膚の小さい領域の精密な処理のために周方向研磨処理面及び軸方向研磨処理面の両方を使用し得るように、保護リムから径方向に突出してよい、皮膚処理要素を提供する。このようにして、皮膚処理デバイスは、大きな皮膚領域を処理するための改良された取扱い、制御及び効率をもたらすが、同時に、小さな皮膚領域又は到達するのが困難なあらゆる皮膚領域の改良された精密処理をもたらす。
【0016】
よって、周方向研磨処理面は、保護リムにある限定的な角度的広がりの周方向開口を通じてのみに到達されることができるが、軸方向研磨処理面は、回転軸についての360°の全角度範囲に亘って延在する保護リムの開口を通じて到達されることができる。具体的には、保護リムは、軸方向研磨処理面にアクセス可能な軸方向開口を有してよく、前記軸方向開口は、軸方向処理面と同じ大きさである。
【0017】
リムが回転軸について皮膚処理要素を取り囲む角度の下限は、135°、160°、180°又は225°から選択されてよいのに対し、上限は、180°、225°、275°及び300°から選択されてよく、皮膚処理要素の区画の対応する範囲は径方向に覆われないことが理解されるべきである。
【0018】
一般的に、保護リムは、皮膚処理の過程で皮膚表面に亘って皮膚処理デバイスを滑らせるのを容易にするために、皮膚処理要素の研磨処理面と比べてかなり滑らかな皮膚接触面を有する。
【0019】
第1の好ましい実施形態によれば、回転軸と平行な軸方向における皮膚処理要素の位置及び保護リムの位置の互いに対する軸方向調整は、保護リムに対する軸方向研磨処理面の位置を軸方向において変更し得るように提供される。この実施形態は、皮膚処理要素の位置に対する保護リムの位置の軸方向調整を可能にする。一般的に、これは、皮膚処理要素がハウジングで固定的な軸方向位置において取り付けられる間に、保護リムをハウジングに対して回転軸と平行な軸方向に移動させることができるような方法において、或いは、逆に、保護リムがハウジングで固定的な軸方向位置において取り付けられる間に、皮膚処理要素がハウジングに対して軸方向移動を行うことができるような方法において、保護リムを取り付けることによって達成されることができる。代替的に、保護リム及び皮膚処理要素の両方が、ハウジングに対して軸方向移動を行うことができる。多くの用途では、皮膚処理要素の軸方向研磨処理面を平坦な表面に位置付けるときに、保護リムが平坦な表面と接触するように、皮膚処理要素の軸方向研磨処理面が保護リムの軸方向皮膚接触面と面一であることが好ましい。しかしながら、幾つかの用途では、保護リムに対する皮膚処理要素の軸方向研磨処理面の突出位置が好ましいのに対し、他の特定の用途では、保護リムに対する軸方向研磨処理面の凹まされた位置が好ましい。例えば、軸方向研磨処理面の突出位置は、より高い研磨速度を生み出し、よって、皮膚硬結材料の切除速度の改良された効率をもたらす一方で、同時に、軸方向研磨処理面が皮膚に対して角度位置にあるときに起こるねじり力の傾向を増大させる。逆に、軸方向研磨処理面の凹まされた位置が取扱いを容易にし、如何なるねじり力の発生もより良好に防止するが、同時に切除速度を低下させる。この好ましい実施形態は、軸方向の調整が、ハウジングに取り付けられるべき多数の異なる交換可能な保護リムから選択される保護リムによって提供され、交換可能な保護リムが、回転軸と平行な相互に異なる高さを有し、且つ/或いは、皮膚処理要素が、ハウジングに取り付けられるべき多数の異なる交換可能な皮膚処理要素から選択され、交換可能な皮膚処理要素が、回転軸と平行な相互に異なる高さを有する点において、更に改良される。この実施形態によれば、本発明に従った皮膚処理デバイスは、少なくとも2つの異なる保護リム又は少なくとも2つの異なる皮膚処理要素を含み、それらのうちの一方は、ハウジングに取り付けられ、他方に対して交換されてよい。例えば、軸方向研磨処理面及び保護リムの同一な配置のための通常の保護リムが含められてよく、更に、軸方向研磨処理面の突出係合のための下方保護リムと、軸方向研磨処理面の凹み構成のためのより高い保護リムとが含められてよい。この実施形態によれば、保護リムは、例えば、ネジ付き連結、スナップ接続、又はハウジングにある形態ロック対応物(form-locking counterpart)と係合する保護リムにある弾性的に移動可能な形態ロック部材(form-locking member)を通じた任意の種類の形態ロック連結のような、解放可能な連結を介して、ハウジングに取り付けられる。更に又は代替的に、粗いグリッドサイズ(grid size)を有する第1の皮膚処理要素及び細かいグリッドサイズを有する第2の皮膚処理要素が提供されてよく、第1の皮膚処理要素は、第1の皮膚処理要素が細かいグリッドサイズを備える第2の皮膚処理要素よりも保護リム内に幾分より凹まされるよう、第2の皮膚処理要素よりも低い高さを有する。
【0020】
異なる高さのこれらの保護リムの他に、皮膚処理デバイスに取り付けられてよい更なる異なる設計の保護リムが含められてよいことが理解されよう。一例として、2つの角度的な間隙(ギャップ)を有する保護リムが提供されてよく、間隙において、保護リムは、皮膚処理要素を包囲しない。これら2つの角度的な間隙は、好ましくは、互いに対向して配置されることがあり、或いは回転軸の周りに回転対称性をもたらすように配置されてよい。
【0021】
更に、好ましい実施形態は、追加的に又は代替的に、軸方向調整は、少なくとも回転軸と平行な運動成分で移動可能な保護リム又は皮膚処理要素によって提供されるという点で更に改善されることがある。これまでに説明したように、前記運動の一方又は両方を提供して、皮膚処理要素及び保護リムの互いに対する軸方向調整を可能にすることができる。回転軸に沿う動きは、例えば、回転軸に沿う直線的な並進として或いは巻線に沿うネジ型の並進として提供されてよい。更に、保護リムに対する皮膚処理要素の位置を互いに対する特定の軸方向位置においてロック(係止)するために、ロック手段(係止手段)が設けられてよい。
【0022】
更なる好ましい実施形態によれば、保護リムは、円周方向の内側エッジ(内縁)(inner edge)を含み、円周方向の内側エッジは、軸方向研磨処理面に沿って径方向外向きに投げ出される粒子が内側エッジによって収集されて、粒子収集空間内に向けられるように、皮膚処理要素を部分的に取り囲み、軸方向研磨処理面より上に突出し或いは軸方向研磨処理面と面一である。一般的に、本発明者は、皮膚硬結が研削作用によって除去されるときに頻繁に発生する悪臭を放つ臭いを観察した。本発明者は、これらの削ぎ落とされた粒子がデバイスから投げ捨てられることを可能にするよりもむしろ、皮膚硬結の研削除去によって生成される粒子が収集空間内に収集されるならば、そのような悪臭を放つ臭いを有意に減少させることができることを見出した。この実施形態によれば、保護リムは、保護リムが削ぎ落とされた粒子を捕捉する捕捉リング(catch ring)として更に作用するという点において追加の機能をもたらす。この捕捉機能は、粒子が遠心力によって径方向/接線方向に皮膚処理要素から振り落とされ(spun off)、次に、粒子が内側エッジ内に集められるよう或いは内側エッジが粒子を粒子収集空間に向けるよう、粒子が周方向の内側エッジに当たることによって、可能にされる。周方向の内側エッジは、数ミリメートルのみの範囲内にある或いは1ミリメートルを下回りさえする短い距離に亘って軸方向研磨処理面より上に突出するに過ぎない場合があることが理解されよう。一般的には、たとえ内側エッジのそのような小さな突出距離が設けられるとしても、軸方向研磨処理面から径方向に投げ出された小さな粒子は、一緒に集められるのが普通であろう。内側エッジは、粒子が内側エッジによって直接的に収集空間内に方向付けられるように形成されてよいが、収集空間内への粒子の輸送は、例えば、軸方向研磨処理面によって生成される気流又は別個のファン又はブロワ構成要素のような、他の手段によって支持されてよい。本発明者は、粒子を収集することによって、悪臭を放つ臭いを有意に減少させ得ることを見出した。何故ならば、これらの粒子は、悪臭を放つ臭いを生成することが特定されたからである。更に、周方向の内側エッジを含む実施形態は、粒子、粉塵及び同等物がデバイスから投げ出されない或いはそのような粒子及び粉塵の放出が少なくとも有意に減少させられるという点において、デバイスの衛生特性を向上させる。
【0023】
収集空間内に収集される粒子を収集ボックスまで搬送する搬送デバイスによって実施形態を更に改良することができる。一般的に、内側エッジによって捕捉される粒子は、普通は内側エッジに近接して或いは隣接して配置される収集空間のみに収集されてよい。しかしながら、これはその中に蓄積される粒子を除去するために収集空間の頻繁な洗浄を必要とすることがある。この好ましい実施形態によれば、粒子は、収集スペースから、収集頻繁な洗浄の必要性を回避するのに十分な容量を有することがあるボックスに搬送される。
【0024】
そのような搬送デバイスは、別個の駆動機構を備える別個のユニットであってよいが、搬送デバイスは、駆動機構によって駆動されるファンとして具現されるのが特に好ましい。この改良によれば、搬送デバイスは、皮膚処理要素を駆動する駆動機構によって駆動され、よって、第2の独立した駆動手段の必要性が回避される。ファンは、収集空間から粒子を収集して、これらの粒子を収集ボックスに軸方向に搬送するよう、径方向−軸方向の搬送動作(conveying action)を提供することが好ましい。代替的に、収集空間から収集ボックスへの粒子のための任意の特定の搬送経路を創り出すために、ファンにある案内要素又は静止案内要素が設けられてよい。ファンとして具現される搬送デバイスは、ファンによって内側エッジと皮膚処理要素との間の間隙に吸引効果が生成されるという点において、内側エッジによる収集空間内の粒子の収集を特に支える場合があることが理解されよう。
【0025】
一層更に、搬送デバイスは、回転軸について回転可能に取り付けられ、皮膚処理要素と同期して駆動されるのが好ましい。この実施形態によれば、搬送デバイスは、皮膚処理要素と同軸に取り付けられ、よって、軸方向研磨処理面から見て皮膚処理要素の背後に取り付けられるのが好ましく、よって、処理要素の部品内の皮膚処理デバイスの簡単で堅牢な設計を可能にする。
【0026】
更なる好ましい実施形態によれば、皮膚処理要素は、ハウジングの径方向外向きに、周方向研磨処理面が皮膚処理のためにアクセス可能である領域内に突出する。皮膚処理要素のこの径方向の突起の故に、皮膚処理デバイスは、小さい、アクセスするのが困難である、或いは処理されるときに特に注意を要する、皮膚領域の処理を可能にするために、皮膚の精密な処理のために特に適合される。皮膚処理要素の突起は、この突出区画における軸方向研磨処理面での及び/又は周方向研磨処理面での皮膚の処理を可能にすることがある。
【0027】
更なる好ましい実施形態によれば、皮膚処理要素は、軸方向研磨処理面を形成する当接面にある研磨処理面を有し、周方向研磨処理面を形成する研磨周方向エッジを有する、ディスク形状の研磨ツールである。この実施形態は、例えば、皮膚処理デバイスの追加的な機能性を可能にするために、皮膚処理要素の交換を可能にする。この目的のために、皮膚処理要素は、2以上(2つ又はそれよりも多く)の異なる皮膚処理要素が代替的に取り付けられることができるように、或いは、それらの切除機能を失った、摩耗した或いは他の理由で使用することができない、皮膚処理要素の交換を可能にするために、解放可能な連動動作(interlocking action)において駆動機構に連結されるシャフトに取り付けられてよい。ディスク形状の研磨ツールを用いるならば、軸方向研磨処理面及び周方向研磨処理面は互いに隣接して、鋭いエッジであってよい、斜面してよい或いは丸みを帯びてよい円形の隅領域を形成してよいことが理解されよう。更に、周方向研磨処理面は、周方向研磨処理面が径方向−軸方向に向けられるよう、90°以上の軸方向研磨処理面に対する角度配置にあってよいことが理解されよう。皮膚処理要素は、例えば、ブラシ型ツールと交換されてよく、ブラシ型ツールは、軸方向処理面上にのみブラシを含んでよく、或いは、皮膚の広い領域の処理及び小さな領域の精密な処理を可能にするよう、周方向処理面上にブラシを追加的に含んでよく或いは周方向処理面上にのみブラシを含んでよいことが理解されよう。
【0028】
更なる好ましい実施形態によれば、
ハンドル区画は、ハンドル軸に沿って延び、回転軸は、ハンドル軸に対して20°よりも大きく90°よりも小さい角度で向けられ、下限は、好ましくは、31°、41°、及び51°から選択され、上限は、好ましくは、49°、59°、及び79°から選択され、
皮膚処理要素は、軸方向研磨処理面と周方向研磨処理面との間に0.3mmよりも大きく10mmよりも小さいエッジ半径を備えるエッジを有するディスク形状であり、下限は、好ましくは、1.1mm、2.1mm、及び2.5mmから選択され、上限は、好ましくは、2.1mm、5.1mm、及び7.5mmから選択され、
皮膚処理要素は、25mmよりも大きく55mmよりも小さいディスク直径を有するディスク形状であり、下限は、好ましくは、31mm及び36mmから選択され、上限は、好ましくは、29mm、39mm、及び44mmから選択され、
駆動機構は、皮膚処理要素の回転速度が200rpmよりも大きく1000rpmよりも小さいように制御するように構成され、下限は、好ましくは、410rpm及び610rpmから選択され、上限は、好ましくは、690rpm及び890rpmから選択され、
軸方向研磨処理面及び周方向研磨処理面は、ANSI定義に従って80よりも精細であり200よりも粗いグリットサイズ(grit size)を有する研磨面を形成するように構成され、下限は、好ましくは、105,115及び125から選択され、上限は、好ましくは、135、155及び185から選択される。
【0029】
この好ましい実施形態によれば、ハンドル区画は回転軸に対して特定の角度範囲に向けられる。ハンドルに対する皮膚処理要素のこの角度的な設計は、ユーザがより良好に処理を制御して、皮膚処理デバイスを用いて精密な処理を行うことがあるように、皮膚処理デバイスの取扱いを容易にしかつ改良することが分かった。固定的な角度が提供されてよいが、代替的に、デバイスは、異なる皮膚領域の処理のためにデバイスを構成するために、ユーザによる前記範囲内の前記角度の調整を可能にするように構成されてよい。更に、この好ましい実施形態によれば、ディスク形状の皮膚処理要素のエッジ半径、皮膚処理要素のディスク直径、皮膚処理要素の回転速度、及び皮膚処理要素の研磨面のグリットサイズは、皮膚処理デバイスの取扱い及び機能性を有意に向上させるために発明者によって特定された特定の範囲のパラメータ値からそれぞれ選択される。特に、これらのパラメータは、皮膚硬結の効果的な研磨を行う能力、精密な処理を行う能力、及び皮膚上の軸方向研磨処理面の角度的な位置決めの場合にねぎり力が生じることを防止する能力の最適な妥協を提供することが見出された。詳細には、小さすぎるハンドル軸と回転軸との間の角度、大きすぎるディスクの回転速度、大きすぎるディスク直径、及び小さすぎるグリットサイズ、即ち、粗すぎる研磨処理面は、デバイスが特定の皮膚領域に精密に位置付けられることができず、ユーザによって十分に打ち消されて制御され得ないねじり力を生じさせる傾向を有する点において、デバイスの制御及び取扱いを損なうことが、発明者によって見出された。他方、大きすぎるハンドル軸と回転軸との間の角度、小さすぎるディスク速度、小さすぎるディスク直径、及び大きすぎるグリットサイズは、皮膚硬結を除去する効率を損なう。更に、回転軸に対するハンドル軸の大きな角度が選択されるならば、ディスクの軸方向研磨処理面を使用することが困難である。かなり小さいディスク直径は、効率的な皮膚硬結除去のために大きな皮膚表面の処理を可能にしないであろう。グリットサイズの定義に関して、本明細書で適用されるANSI定義によれば、グリットサイズは、100と等しいか或いは100よりも精細であり、140と等しいか或いは140よりも粗い。概して、このANSI定義は、紙ヤスリの特徴付け又は未定義の切断エッジを有する任意の他の研磨面のために一般的に使用される。
【0030】
好ましい実施形態によれば、グリットサイズと回転速度の範囲との間の特定の関係が、追加的な機能性として提供されてよいことが理解されよう。例えば、皮膚処理要素の特定のグリットサイズは、デバイスに組み込まれる認識ユニットによって、例えば、皮膚処理要素で提供されるコード又は同等物によって検出又は認識されてよい。そのような認識の場合、回転速度は、グリットサイズに依存して所定の値に調整されてよく、或いはグリットサイズに最良に適合する所定の範囲に限定されてよい。一般的に、より小さいグリットサイズは、より大きいグリットサイズよりも、より小さい回転速度を必要とすることがある。
【0031】
更なる好ましい実施形態によれば、皮膚処理デバイスは、皮膚処理要素を完全に包囲するように保護リムと協働するよう、それぞれ回転軸について30°よりも大きいが240°よりも小さい角度範囲に亘って皮膚処理要素を円周方向に包囲するように構成される保護リム要素を更に含み、保護リム要素は、皮膚処理要素がその円周に沿って保護リムによって部分的に包囲される第1の位置から、皮膚処理要素がその円周に沿って保護リム及び保護リム要素によって完全に包囲される第2の位置に切り替えられることができる。この実施形態によれば、回転軸の周りの保護リムの30°〜240°の角度的な間隙は、ハウジング又は保護リムに取り付けられることができる別個の保護リム要素によって閉塞されてよい。結果として、皮膚処理要素は、保護リムと保護リム要素とからなる保護リムによって完全に囲まれることがある。そのような構成は精密な処理を可能にしないことがあるが、それは広い皮膚領域を処理するのに有用であり、デバイスを皮膚上に角度変位で位置決めするときのねじり力の故に、皮膚に亘る並進運動の傾向を更に減少させるのに役立つ。
【0032】
保護リム要素を第1の位置から第2の位置に切り替えることができ、第1の位置において、皮膚処理要素は、保護リム要素によって完全に包囲されず、むしろ保護リムによって包囲されない皮膚処理要素の区画を使用する精密な処理を可能にするだけである。第2の位置において、保護リム要素は、皮膚処理要素がその周囲に沿って保護リム及びと保護リム要素によって完全に取り囲まれるように、角度的な間隙を閉塞する。この第2の位置において、保護リム要素は、皮膚と面一の接触面を提供するように、保護リムと面一にあることが好ましい。
【0033】
一般的に、第1の位置から第2の位置への切り替え及び第2の位置から第1の位置への切り替えは、ハウジングに解放可能に取り付けられる或いはハウジングに対して移動可能である保護リム要素によって提供されるのが好ましい。この実施形態によれば、保護リム要素は、第1の位置から第2の位置に或いは第2の位置から第1の位置にスライドさせられるか或いは他の方法で移動させられてよく、第1の位置及び第2の位置の両方で皮膚処理デバイスに取り付けられたままであろう。代替的に、皮膚処理要素は、第2の位置にあるように皮膚処理デバイスに取り外し可能に取り付けられてよく、第1の位置にあるように皮膚処理デバイスから取り外されてよい。
【0034】
更に好ましい実施形態によれば、保護リムは、回転軸と平行な方向に移動可能であり、保護リムが回転軸に沿って皮膚処理要素より上に軸方向に突出する外向き位置に向かって付勢される。この実施形態によれば、保護リムは、ハウジングに並びに皮膚処理要素に対してしっかりと(rigidly)取り付けられず、むしろ保護リムによって回転軸に沿う限定的な軸方向移動を行うことができるように取り付けられる。保護要素が設けられる場合、この保護要素は、保護リムと同期的な限定的な範囲内で同じ軸方向移動を行う場合があることが理解されよう。
【0035】
限定的な範囲に亘って回転軸に沿って移動する能力は、ユーザが皮膚に対する皮膚処理デバイスの接触力を増大又は減少させることによってデバイスの切除速度を制御することがあるという点において、デバイスの取扱いが更に改良されることを可能にする。保護リムは、保護リムが軸方向研磨処理面より上に突出することがある或いは軸方向研磨処理面と面一になることがある位置であると理解される外向き位置に向かって付勢される。ユーザが皮膚処理デバイスを皮膚に当てるならば、保護リムは、皮膚処理要素が皮膚と密接に接触して研磨機能を果たすよう、この付勢力に抗して内向きに押される。この研磨機能は、接触力を増大させることにより、保護リムをより内向きに押すことによって、増大させられるであろう。同時に、保護リムは、軸方向研磨処理面が保護リムに対してますます突出するという点において、接触力が増大させられるならば、増大した制御を及ぼすというその機能を部分的に失うことがある。この故に、ユーザは、デバイスと皮膚との間の接触力を制御することによって、デバイスの摩耗の効率及び制御性の妥協を十分に釣り合わせることがある。
【0036】
保護リムの付勢力は、バネ要素によって或いは他の任意の弾性的に変形可能な要素によって提供されてよいことが理解されよう。更に、保護リム自体は、弾性的に変形可能な材料から作られてよい。
【0037】
一層更なる好ましい実施形態によれば、保護リムは、互いに対して移動可能な複数のリムセグメントを含む。互いに対して移動可能なそのような複数のリムセグメントは、1以上(1つ又はそれよりも多く)の他のリムセグメント又は単一の残余のリムセグメントに対して1以上のリムセグメントを移動させることによって、保護リムの角度的な又は径方向の広がり(extension)に適合することを可能にする。リムセグメントのそのような移動は、軸方向、径方向、又は軸方向−径方向にあってよい。具体的には、セグメントは、単一の又は複数のリムセグメントが取り外されるか或いは取り付けられて保護リムの一部を形成するような方法において、互いに対して移動させられてよい。実施形態のこの変形によれば、リムセグメントは、皮膚処理デバイスのハウジングに解放可能に取り付けられて、そのような選択的な取外し及び取付けを可能にする。実施形態は、保護リムをより小さな又はより大きな角度範囲に亘って延在する(extend)ように適合させることを特に可能にするが、保護リムが間隙によって互いに分離された2つ、3つ又はそれよりも多くの保護リム領域を含むような方法において、保護リムを変更することを更に可能にし、間隙は、リム領域の間で移動させられ或いは除去されたリムセグメントの寸法又は数に依存して角度的な広がりを有してよい。特に、リムセグメントは、開放可能な形態ロック相互作用(form locking interaction)によってハウジングに取り付けられてよい。