(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態に係る内視鏡装置について、図面に基づいて詳述する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10の外観図である。本実施の形態に係る内視鏡装置10は、挿入部14と、操作部20と、ユニバーサルコード25と、コネクタ部24とを有する。操作部20は、ユーザの操作を受け付けるボタン201および湾曲ノブ21と、略円筒形状のケース205に設けられたチャンネル入口22とを有する。チャンネル入口22には、処置具等を挿入する挿入口を有する鉗子栓23が取り付けられている。
【0014】
挿入部14は、被検体の体内に挿入される。挿入部14は長尺であり、一端が折止部16を介して操作部20に接続されている。挿入部14は、操作部20側から順に軟性部11、湾曲部12および先端部13を有する。湾曲部12は、湾曲ノブ21の操作に応じて湾曲する。
【0015】
以後の説明では、挿入部14の長手方向を挿入方向と記載する。また、挿入方向において、操作部20に近い一端側を操作部側と言い、先端部13に近い他端側を先端部側と言う。
【0016】
ユニバーサルコード25は長尺であり、一端が操作部20に接続され、他端がコネクタ部24にそれぞれ接続されている。ユニバーサルコード25は、軟性である。コネクタ部24は、図示しない内視鏡装置用プロセッサ、光源装置、表示装置および送気送水装置等に接続される。操作部20を適宜操作することによって、コネクタ部24を介して送られてきた空気及び水が、折止部16を介して先端部13に送られる。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10の先端部13の外観図であり、
図3は、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10の先端部13の正面図である。即ち、
図3は、
図2の白抜き矢印方向から先端部13を見た場合を示している。
【0018】
先端部13は断面視略楕円であり、先端が略円錐状に突出している。先端部13の端面131には、観察窓132(凸レンズ)、5個の照明窓133、送気送水ノズル134、チャンネル出口18等が設けられている。
【0019】
観察窓132は、先端部13の端面131の中心部に設けられており、円形の凸レンズである。観察窓132の周囲には、周方向に、照明窓133が並設されている。先端部13の端面131において、長軸方向の一端部には送気送水ノズル134、チャンネル出口18が隣接して設けられている。
【0020】
先端部13の端面131において、長軸方向の前記一端部は、観察窓132の端部からその接線方向に傾斜している傾斜面であり、斯かる傾斜面に送気送水ノズル134が形成されている。送気送水ノズル134は、空気及び水の出射口が観察窓132を向くように設けられている。
【0021】
先端部13は、観察窓132を介して被検体の像光を取り込んで撮像を行う撮像素子(図示せず)等が収容された円筒状の収容筒19を有しており、収容筒19の縁部から先端部13の端面131が延設されている。収容筒19内には、送気送水ノズル134を介して噴射される空気及び水の送路(図示せず)が形成されており、各照明窓133まで光を伝播させる光ファイバー(図示せず)が内装されている。収容筒19は断面視略楕円形状である。
【0022】
更に、先端部13には、観察窓132の曲面に沿って回動しながら、観察窓132を洗浄する洗浄部材30が設けられている。
図4は、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10の洗浄部材30の外観を示す図である。
図4Aは、洗浄部材30の正面図であり、
図4Bは、
図4AのB−B線による断面図である。
【0023】
洗浄部材30は、U字状であり、金属又は樹脂製の板材から形成されている。洗浄部材30は、観察窓132の曲面に沿って、先端部13の端面131の長軸方向に、回動する(
図2の実線の矢印参照)。洗浄部材30は回動方向に所定の幅を有しており、回動の際に観察窓132と対向する対向湾曲部32を有する。対向湾曲部32は、観察窓132の表面に倣って湾曲している。
【0024】
対向湾曲部32の両端には、洗浄部材30を収容筒19に取り付けるための取付部33が延設されている。取付部33は円板状であり、取付部33の内側面の中心部には、円柱状の係合突起34(突起部)が突設されている。即ち、対向湾曲部32の両端側には、係合突起34が互いに対向するように夫々設けられている。
【0025】
係合突起34は、例えば、外周一側に切欠面を設けた円柱状である。これに限るものでなく、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10の係合突起34は、四角柱形状又は三角柱形状であっても良い。
【0026】
係合突起34が後述する収容筒19の係合凹部191と係合することから、係合凹部191が回転されることによって、洗浄部材30が、収容筒19に取り付けられた状態にて、観察窓132の曲面に沿って回動できる(
図6参照)。
【0027】
洗浄部材30は、観察窓132と干渉しない待機位置Uにて待機する。先端部13における収容筒19の縁には、端面131との境界に段差135が設けられている。換言すれば、段差135は、端面131の縁から収容筒19の径方向に延設された平坦面である。
洗浄部材30は、後述する駆動機構17によって常に段差135側に付勢され、段差135と当接するまで回動し、待機位置Uで待機する(
図5A参照)。
【0028】
このように、観察窓132の曲面に沿って回動する洗浄部材30を有することから、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10は、撮影中、観察窓132に付着された、異物、泡、水滴等を取り除くことができる。従って、より明確に被検体を撮像できる。
【0029】
更に、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10においては、洗浄部材30に、観察窓132と接触して観察窓132の曲面の汚れを拭き取る拭き部材31が設けられている。拭き部材31は、対向湾曲部32の内側面に設けられており、対向湾曲部32の長手方向に沿って設けられている。拭き部材31は、例えば、ゴム、ウレタン、布、不織布又は発砲スチロールからなる。
【0030】
洗浄部材30(対向湾曲部32)が観察窓132の曲面に沿って回動する際、拭き部材31は観察窓132と接触し、観察窓132の表面(曲面)上を摺動する。即ち、洗浄部材30が観察窓132の曲面に沿って回動する際、拭き部材31は観察窓132の表面を拭き、観察窓132に付着された、異物、泡、水滴等を取り除く。
【0031】
このように、観察窓132の曲面に沿って回動する洗浄部材30が拭き部材31を有することから、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10は、更に明確に被検体を撮像できる。
【0032】
図5は、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10における洗浄部材30の駆動機構17の作動を説明する説明図であり、
図6は、
図2のVI−VI線による断面図であり、
図7は、
図2のVII−VII線による断面図である。
図5においては、説明の便宜上、洗浄部材30を破線にて示している。
【0033】
洗浄部材30は、駆動機構17により、観察窓132の曲面に沿って回動する。詳しくは、洗浄部材30の係合突起34が係合凹部191と係合しており、駆動機構17が係合凹部191を回転させることにより、洗浄部材30が回動する。係合凹部191は、少なくとも一つ設けられ、何れかの係合突起34と係合する。以下においては、係合凹部191が1つである場合を例に説明するが、これに限るものでなく2つであっても良い。
【0034】
係合凹部191は例えば底有円筒形状であり、係合凹部191は内側に係合突起34に倣う形状の凹部を有する。係合凹部191は、開口側の端部における外径が他の部分より大きい。換言すれば、係合凹部191は、開口側の端部に、径方向に延びる鍔部が延設されている。以下、係合凹部191の開口側の端部を大径部と言い、他の部分を小径部と言う。
【0035】
収容筒19には、収容筒19を内外に貫通する貫通孔192が設けられており、貫通孔192には係合凹部191が回転可能に内嵌される。貫通孔192は、係合凹部191に倣う形状を有する。貫通孔192において、係合凹部191の小径部に対応する部分は小径部と略等しい径を有するが、係合凹部191の大径部に対応する部分は大径部より大きい径を有する。これによって、係合凹部191と貫通孔192との間には間隔が形成され、間隔にはOーリングOを介在させる。これによって、貫通孔192を介して液体が収容筒19内に流入されることを防止できる。
【0036】
駆動機構17は係合凹部191を回転させる。駆動機構17は、その一端部が係合凹部191に固定された長円板部材171と、長円板部材171の他端部に連結され、伸縮によって長円板部材171を、前記一端部を中心に回動させるコイル形状のバネ部材172とを含む。
【0037】
長円板部材171はその中間部に対して両側が湾曲しており、一端部が係合凹部191の底側の端面、即ち、係合凹部191の底の外面に固定されている。例えば、係合突起34、係合凹部191及び長円板部材171の前記一端部の焦点は同一の軸心上に位置される。長円板部材171の他端部にはバネ部材172が連結されている。バネ部材172は、連結部173を介して長円板部材171に連結される。
【0038】
図8は、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10における連結部173の形状を示す斜視図である。
連結部173は円柱状の基部173Cを含み、基部173Cの一端面にはバネ部材172が固定され、他端面には一対の支持部173Aが突設されている。各支持部173Aは、所定厚みを有する半円形の板材からなり、中央部に貫通孔173Bが設けられている。支持部173A同士は所定間隔をあけて、基部173Cの他端面と交差するように設けられている。
【0039】
支持部173A同士の間には、長円板部材171の他端部が介在される。長円板部材171の他端部における焦点の位置には、貫通孔(図示せず)が形成されており、斯かる貫通孔が各支持部173Aの貫通孔173Bと整合するように、長円板部材171が配置される。長円板部材171の前記貫通孔及び一対の支持部173Aの貫通孔173Bには固定ピン178が挿通される。これによって、長円板部材171の他端部は、回転可能に、連結部173と連結される。
【0040】
バネ部材172は、伸縮方向に長いコイル形状をなしており、一端部が基部173Cの前記一端面に固定され、他端部が後述する回転固定部176に固定されている。バネ部材172の内側には、バネ部材172の伸縮を調整する調整ワイヤ175が配置されている。調整ワイヤ175の一端は基部173Cの前記一端面に固定される。調整ワイヤ175の他端は、回転固定部176を貫通して操作部20に繋がっている。バネ部材172の内側には、調整ワイヤ175を保護する保護管174が設けられている。保護管174はフレキシブルであり、操作部20まで延びる。
【0041】
連結部173よりも操作部20側には、バネ部材172の他端部を保持する回転固定部176が設けられている。回転固定部176は略ブロック形状をなしており、何れか2つの対向面を貫く貫通孔179が形成されている。貫通孔179には、上述したように、保護管174及び調整ワイヤ175が挿通される。回転固定部176は、前記2つの対向面を除く他面に円柱状の係合突起177が突設されている。収容筒19においては、回転固定部176の係合突起177に対応する位置に係合穴193が形成されている。係合穴193は係合突起177に倣う形状を有しており、係合突起177は、回転可能に、係合穴193と係合する。よって、回転固定部176は、係合突起177を回転軸として回転することができる。
【0042】
何ら外力が加わっていない状態にて、バネ部材172は伸縮方向の寸法が回転固定部176及び係合凹部191間の距離と略同じである。従って、バネ部材172と連結部173との和は、回転固定部176及び係合凹部191間の距離より長くなる。即ち、バネ部材172に外力が加わっていない場合、回転固定部176、連結部173及び係合凹部191は同一直線上に配置できず、長円板部材171に拘束されつつ、バネ部材172の力によって、連結部173が収容筒19の長軸方向にずれて位置される。連結部173は、チャンネル出口18又は送気送水ノズル134に水又は空気を供給する送気送水管134A側にシフトする。
【0043】
この際、回転固定部176は収容筒19の長軸方向に回転し、洗浄部材30は待機位置Uに位置する。即ち、バネ部材172に外力が加わっていない、通常の場合、洗浄部材30は待機位置Uで待機する(
図5A参照)。待機位置Uは、収容筒19の長軸方向における洗浄部材30の回動範囲の最上位置である。
【0044】
一方、調整ワイヤ175が操作部20側に引っ張られ、連結部173が操作部20側にシフトすることによって、バネ部材172に収縮の外力が加わった場合、回転固定部176、連結部173及び係合凹部191は同一直線上に配置する。例えば、この際、洗浄部材30は収容筒19の長軸方向における回動範囲の最下位置に位置する(
図5B参照)。
【0045】
本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10においては、このように、手動又は機械的に調整ワイヤ175を引っ張って離す操作を繰り返すことによって、洗浄部材30を収容筒19の長軸方向に回動させることができる。即ち、本発明の実施の形態1に係る内視鏡装置10においては、送気送水ノズル134から水又は空気が噴射される場合、洗浄部材30が繰り返し回動を行い、この際、拭き部材31は観察窓132の表面を拭き、観察窓132に付着された、異物、泡、水滴等を取り除く。
【0046】
例えば、洗浄部材30は、内視鏡装置10を使う前に取り付けられる。内視鏡装置10の使用が終了した後に、洗浄部材30が取り外され、内視鏡装置10の洗浄等を行う。
なお、洗浄部材30は、シングルユースであっても良く、洗浄後再使用しても良い。
【0047】
(実施の形態2)
実施の形態1においては、洗浄部材30が拭き部材31を有しており、送気送水ノズル134から水又は空気が噴射される場合、洗浄部材30が繰り返し回動を行い、拭き部材31が観察窓132の表面を拭き取る構成について説明した。しかし本発明はこれに限るものではない。
【0048】
本発明の実施の形態2に係る内視鏡装置10は拭き部材31を有していない。また、本発明の実施の形態2に係る内視鏡装置10洗浄部材30が観察窓132の曲面に沿って回動できるように構成されているものの、送気送水ノズル134から水又は空気が噴射される場合、洗浄部材30が回動を繰り返すことはない。本発明の実施の形態2に係る内視鏡装置10は、送気送水ノズル134から水又は空気が噴射される場合、洗浄部材30が観察窓132の中央部に位置するように構成されている。
【0049】
図9は、本発明の実施の形態2に係る内視鏡装置10における、洗浄部材30の作用を説明する説明図であり、
図10は、本発明の実施の形態2に係る内視鏡装置10において、送気送水ノズル134からの水又は空気の噴射方向を示す図である。
上述したように、本発明の実施の形態2に係る内視鏡装置10においては、送気送水ノズル134から水又は空気が噴射される場合、洗浄部材30が観察窓132の中央部に位置する。従って、観察窓132において、送気送水ノズル134と反対側まで観察窓132を確実に洗浄することができる。
【0050】
送気送水ノズル134から水又は空気が噴射される場合、洗浄部材30は観察窓132の中央部に位置する(
図9のCの位置)。この際、洗浄部材30の対向湾曲部32の内側面と観察窓132との間には所定の間隔Gが形成される。送気送水ノズル134は斯かる間隔Gに向けて、観察窓132の表面に沿って、水又は空気を噴射する。
【0051】
この際、送気送水ノズル134から噴射された水又は空気は、
図9の矢印方向に流れて対向湾曲部32と観察窓132との間の間隔Gに入り、対向湾曲部32の内側面と衝突して進行方向が変更される。即ち、送気送水ノズル134から噴射された水又は空気が、重量又は慣性によって観察窓132の中央部にて観察窓132の表面から離れることなく、対向湾曲部32の内側面に案内され、水及び空気の粘性又は表面張力によって観察窓132の表面に沿って、送気送水ノズル134と反対側に流れていく。
間隔Gは、0.7mm〜2mmであればよく、好ましくは1mmである。
【0052】
従って、凸レンズである観察窓132の洗浄において、一ヶ所にのみ送気送水ノズル134を設けても、送気送水ノズル134と反対側まで観察窓132を確実に洗浄することができる。
【0053】
図11は、本発明の実施の形態2に係る内視鏡装置10の操作部20の要部構成を示す概略的断面図である。ユーザの簡単な操作によって、送気送水ノズル134から水又は空気が噴射される際、洗浄部材30を観察窓132の中央部に位置させることができる。
【0054】
操作部20の円筒形状のケース205の内側にはシリンダー203が設けられている。シリンダー203は開口を介してケース205の外側と連通している。シリンダー203の内側には、シリンダー203の軸方向に往復運動する、円柱状のピストン206が内嵌されている。ピストン206の最大外径は、シリンダー203の内径と略等しい。
【0055】
ピストン206の両端部のうち、シリンダー203の開口付近の一端部には、上述したようにボタン201が設けられている。即ち、ユーザがボタン201を押圧操作した場合、ピストン206は黒塗り矢印方向に、シリンダー203の内側面上を摺動する。以下、説明の便宜上、黒塗り矢印方向を下方向と言う。
【0056】
ボタン201は縦断面視でT字形状をなしており、径が縮小する縮径部を有する。斯かる縮径部にはコイル状のバネが外嵌されている。従って、ユーザがボタン201を押圧する操作後、ボタン201から手を放した場合、前記バネの反発力により、ボタン201は元の位置に戻る。
【0057】
ピストン206は、ボタン201側の一端部から他端部に向けて、最大径を有する第1大径部、前記最大径よりも小さい径を有する第1小径部、第2大径部及び第2小径部がこの順に形成されている。前記第1大径部には、円周方向に溝が凹設されており、斯かる溝にはOリングが外嵌されている。
【0058】
一方、シリンダー203の周壁において互いに対向する位置には、シリンダー203の内外に貫通する貫通孔が夫々形成されている。2つの貫通孔のうち、一方は供給管202を介して水又は空気の供給源に繋がっており、他方は送気送水管134Aを介して送気送水ノズル134に繋がっている。ピストン206の前記第2大径部は、シリンダー203の2つの貫通孔を開閉する。
【0059】
ボタン201が押圧操作されていない場合、前記第2大径部はシリンダー203の前記2つの貫通孔を塞ぐ。また、ユーザがボタン201を押圧操作した場合は、前記第2大径部の位置が下方にシフトし、シリンダー203の前記2つの貫通孔が開く。この際、供給管202からの水又は空気は、シリンダー203内(ピストン206の前記第1小径部)に流れ込み、送気送水管134Aを介して送気送水ノズル134に流れ出す(
図11の一点鎖線の矢印参照)。従って、送気送水ノズル134から水又は空気が吐出される。
【0060】
シリンダー203の底には、シリンダー203の内外に貫通する他の貫通孔が形成されており、斯かる他の貫通孔に、媒体部材207が水密に係合してある。媒体部材207は、略円柱状であり、シリンダー203に案内されて上下動出来、ピストン206の動きを後述するレバー208に伝える。
【0061】
レバー208は、略L字状をなしており、屈曲部には回動軸209が設けられている。即ち、レバー208は、回動軸209を軸として回動する。レバー208の一端部は、媒体部材207の移動範囲内であって、媒体部材207の真下に配置されている。レバー208の他端部には調整ワイヤ175の他端部が繋がっている。
【0062】
例えば、媒体部材207が下方向に移動した場合、媒体部材207によってレバー208の一端部が押されるので、レバー208は、
図11の白抜き矢印方向に回動する。この際、レバー208の他端部に繋がっている調整ワイヤ175が引っ張られる(
図11の破線の矢印参照)。よって、連結部173が操作部20側にシフトすることによって、バネ部材172に収縮の外力が加わり、回転固定部176、連結部173及び係合凹部191は同一直線上に配置する(
図5B参照)。
【0063】
本発明の実施の形態2に係る内視鏡装置10における駆動機構17は、実施の形態1に係る駆動機構17と同様の構成を有するが、以下の点において相違する。
本発明の実施の形態2に係る内視鏡装置10においては、バネ部材172に収縮の外力が加わり、回転固定部176、連結部173及び係合凹部191は同一直線上に配置した場合、洗浄部材30が観察窓132の中央部(
図9のCの位置)に位置するように構成されている。駆動機構17の他の構成は、実施の形態1と同様であり、詳しい説明は省略する。
【0064】
以上のような構成を有することから、ユーザがボタン201を押圧操作した場合、ピストン206が下方向にシフトし、送気送水管134Aを介して送気送水ノズル134に水又は空気が供給される。この際、媒体部材207が下方向に移動し、これによってレバー208が回動してレバー208の他端部に繋がっている調整ワイヤ175を引っ張るので、洗浄部材30が観察窓132の中央部に位置する。
【0065】
従って、本発明の実施の形態2に係る内視鏡装置10においては、送気送水ノズル134から噴射された水又は空気が対向湾曲部32の内側面に案内され、観察窓132の表面に沿って、観察窓132において送気送水ノズル134の反対側に流れていく。従って、送気送水ノズル134の反対側まで観察窓132を確実に洗浄することができる。
【0066】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0067】
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3に係る内視鏡装置10の洗浄部材30の外観を示す図である。
図12Aは、洗浄部材30の正面図であり、
図12Bは、
図12AのB−B線による断面図である。
【0068】
洗浄部材30は、U字状であり、金属又は樹脂製の板材から形成されている。洗浄部材30は、観察窓132の曲面に沿って、先端部13の端面131の長軸方向に、回動する。洗浄部材30は、回動の際に観察窓132と対向する対向湾曲部32Aを有する。対向湾曲部32Aは、観察窓132の表面に倣って湾曲しており、棒状である。
【0069】
更に、本発明の実施の形態3に係る内視鏡装置10においては、洗浄部材30に、観察窓132と接触して観察窓132の表面の汚れを拭き取る拭き部材31Aが設けられている。拭き部材31Aは円筒状であり、拭き部材31Aの内径は対向湾曲部32Aの外径と略等しく、対向湾曲部32A及び拭き部材31Aは嵌合している。即ち、拭き部材31Aが対向湾曲部32Aに外嵌されている。拭き部材31Aは対向湾曲部32Aの長手方向に沿って設けられている。拭き部材31Aは、例えば、ゴム、ウレタン、布、不織布又は発砲スチロールからなる。
【0070】
洗浄部材30(対向湾曲部32A)が観察窓132の曲面に沿って回動する際、拭き部材31Aは観察窓132に当たって、観察窓132の表面(曲面)上を摺動する。即ち、洗浄部材30が観察窓132の曲面に沿って回動する際、拭き部材31Aは観察窓132の表面を拭き、観察窓132に付着された、異物、泡、水滴等を取り除く。
【0071】
実施の形態1又は2と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
体内に挿入される挿入部(14)の先端に観察窓(132)を有する内視鏡装置(10)において、観察窓(132)の曲面に沿って回動し、観察窓(132)を洗浄する洗浄部材(30)を備える。