特許第6783961号(P6783961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6783961情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6783961
(24)【登録日】2020年10月26日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20201102BHJP
【FI】
   G06Q10/06 302
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-6709(P2020-6709)
(22)【出願日】2020年1月20日
【審査請求日】2020年1月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518097143
【氏名又は名称】株式会社オー
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】谷本 潤哉
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−181036(JP,A)
【文献】 特開2017−059076(JP,A)
【文献】 特開2016−148882(JP,A)
【文献】 特開2006−201858(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2019/0236509(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者が利用する管理者端末と前記管理者の管理の対象となる従業員が利用する従業員端末とに通信可能な情報処理装置であって、
前記管理者端末に、前記従業員を示す情報を含む表示画面を提供する画面提供部と、
前記管理者端末から、前記従業員に遂行させるタスクである遂行タスク、前記遂行タスクの完了期限、及び前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価を示す管理者評価情報を取得する管理者評価取得部と、
前記従業員端末から、前記従業員による前記遂行タスクの遂行前に、当該遂行タスクの難易度の評価を示す事前評価情報を取得する従業員評価取得部と、を備え、
前記画面提供部は、前記従業員端末に、前記遂行タスクと前記完了期限とを示す表示画面を提供するとともに、前記管理者端末に、前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価に応じて定まるアドバイスと、前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価と前記従業員による前記遂行タスクの難易度の評価との差に応じて定まるアドバイスとを示す表示画面を提供する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記従業員端末から前記遂行タスクの完了を示す情報を取得する完了情報取得部をさらに備え、
前記管理者評価取得部は、前記遂行タスクの成果に対する前記管理者の評価を示すタスク評価情報をさらに取得し、
前記画面提供部は、前記管理者端末に、前記管理者評価情報が示す難易度の評価と前記タスク評価情報が示す評価とに応じて定まるアドバイスを示す表示画面を提供する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記従業員評価取得部は、前記従業員端末から、前記遂行タスクの遂行に関して前記管理者が行ったマネージメントに対する前記従業員の評価を示すマネージメント評価情報をさらに取得する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画面提供部は、前記管理者端末に、前記従業員を示す情報として、当該従業員のコンディションを示す情報と自己効力感を示す情報とをさらに提供する、
請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
管理者が利用する管理者端末と前記管理者の管理の対象となる従業員が利用する従業員端末とに通信可能な情報処理装置のプロセッサが、
前記管理者端末に、前記従業員を示す情報を含む表示画面を提供するステップと、
前記管理者端末から、前記従業員に遂行させるタスクである遂行タスク、前記遂行タスクの完了期限、及び前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価を示す管理者評価情報を取得するステップと、
前記従業員端末に、前記遂行タスクと前記完了期限とを示す表示画面を提供するステップと、
前記従業員端末から、前記従業員による前記遂行タスクの遂行前に、当該遂行タスクの難易度の評価を示す事前評価情報を取得するステップと、
前記管理者端末に、前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価に応じて定まるアドバイスと、前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価と前記従業員による前記遂行タスクの難易度の評価との差に応じて定まるアドバイスとを示す表示画面を提供するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項6】
管理者が利用する管理者端末と前記管理者の管理の対象となる従業員が利用する従業員端末とに通信可能なコンピュータに、
前記管理者端末に、前記従業員を示す情報を含む表示画面を提供する機能と、
前記管理者端末から、前記従業員に遂行させるタスクである遂行タスク、前記遂行タスクの完了期限、及び前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価を示す管理者評価情報を取得する機能と、
前記従業員端末に、前記遂行タスクと前記完了期限とを示す表示画面を提供する機能と、
前記従業員端末から、前記従業員による前記遂行タスクの遂行前に、当該遂行タスクの難易度の評価を示す事前評価情報を取得する機能と、
前記管理者端末に、前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価に応じて定まるアドバイスと、前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価と前記従業員による前記遂行タスクの難易度の評価との差に応じて定まるアドバイスとを示す表示画面を提供する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
組織における様々な業務を効率的に行うことを目的とした業務システムが種々提案されている。例えば特許文献1には、業務に関連する業務タスクを中心として業務管理を提供する業務タスク管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−133014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの組織において、従業員を管理する立場にある管理者が、遂行させるべきタスクを従業員に割り当て、業務を割り当てられた従業員がその業務を遂行することが行われている。ここで、業務遂行の難易度は各業務によってばらつきがあり、また、業務を遂行する能力も各従業員によって異なることが通常である。
【0005】
管理者のタスクが従業員を含むグループ全体での業務の達成であることを鑑みると、管理者は従業員に対して単に業務を割り振ることにとどまらず、業務を割り振った従業員がその業務を遂行するための支援も管理者の重要なタスクといえる。
【0006】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、管理者がタスク遂行を依頼した従業員の支援をするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、管理者が利用する管理者端末と前記管理者の管理の対象となる従業員が利用する従業員端末とに通信可能な情報処理装置である。この装置は、前記管理者端末に、前記従業員を示す情報を含む表示画面を提供する画面提供部と、前記管理者端末から、前記従業員に遂行させるタスクである遂行タスク、前記遂行タスクの完了期限、及び前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価を示す管理者評価情報を取得する管理者評価取得部と、を備える。ここで、前記画面提供部は、前記従業員端末に、前記遂行タスクと前記完了期限とを示す表示画面を提供するとともに、前記管理者端末に、前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価に応じて定まるアドバイスを示す表示画面を提供する。
【0008】
前記情報処理装置は、前記従業員端末から、前記従業員による前記遂行タスクの遂行前に、当該遂行タスクの難易度の評価を示す事前評価情報を取得する従業員評価取得部をさらに備えてもよく、前記画面提供部は、前記管理者端末に、前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価と前記従業員による前記遂行タスクの難易度の評価との差に応じて定まるアドバイスを示す表示画面を提供してもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記従業員端末から前記遂行タスクの完了を示す情報を取得する完了情報取得部をさらに備えてもよく、前記管理者評価取得部は、前記遂行タスクの成果に対する前記管理者の評価を示すタスク評価情報をさらに取得してもよく、前記画面提供部は、前記管理者端末に、前記管理者評価情報が示す難易度の評価と前記タスク評価情報が示す評価とに応じて定まるアドバイスを示す表示画面を提供してもよい。
【0010】
前記従業員評価取得部は、前記従業員端末から、前記遂行タスクの遂行に関して前記管理者が行ったマネージメントに対する前記従業員の評価を示すマネージメント評価情報をさらに取得してもよい。
【0011】
前記画面提供部は、前記管理者端末に、前記従業員を示す情報として、当該従業員のコンディションを示す情報と自己効力感を示す情報とをさらに提供してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様は、情報処理方法である。この方法において、管理者が利用する管理者端末と前記管理者の管理の対象となる従業員が利用する従業員端末とに通信可能な情報処理装置のプロセッサが、前記管理者端末に、前記従業員を示す情報を含む表示画面を提供するステップと、前記管理者端末から、前記従業員に遂行させるタスクである遂行タスク、前記遂行タスクの完了期限、及び前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価を示す管理者評価情報を取得するステップと、前記従業員端末に、前記遂行タスクと前記完了期限とを示す表示画面を提供するステップと、前記管理者端末に、前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価に応じて定まるアドバイスを示す表示画面を提供するステップと、を実行する。
【0013】
本発明の第3の態様は、プログラムである。このプログラムは、管理者が利用する管理者端末と前記管理者の管理の対象となる従業員が利用する従業員端末とに通信可能なコンピュータに、前記管理者端末に、前記従業員を示す情報を含む表示画面を提供する機能と、前記管理者端末から、前記従業員に遂行させるタスクである遂行タスク、前記遂行タスクの完了期限、及び前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価を示す管理者評価情報を取得する機能と、前記従業員端末に、前記遂行タスクと前記完了期限とを示す表示画面を提供する機能と、前記管理者端末に、前記管理者による前記遂行タスクの難易度の評価に応じて定まるアドバイスを示す表示画面を提供する機能と、を実現させる。
【0014】
このプログラムを提供するため、あるいはプログラムの一部をアップデートするために、このプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供されてもよく、また、このプログラムが通信回線で伝送されてもよい。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、管理者がタスク遂行を依頼した従業員の支援をするための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態に係る情報処理システムにおける処理の概要を説明するための模式図である。
図2】実施の形態に係る情報処理装置の機能構成を模式的に示す図である。
図3】実施の形態に係る画面提供部が管理者端末に提供する従業員を示す情報を含む表示画面を例示する模式図である。
図4】実施の形態に係る画面提供部が管理者端末に提供する、タスク作成用の表示画面を例示する模式図である。
図5】実施の形態に係る画面提供部が従業員端末に提供する、遂行タスク表示用の表示画面を例示する模式図である。
図6】実施の形態に係るアドバイス取得部が参照する第1アドバイスデータベースのデータ構造を模式的に示す図である。
図7】実施の形態に係る画面提供部が従業員端末に提供する、タスク回答用の表示画面を例示する模式図である。
図8】実施の形態に係るアドバイス取得部が参照する第2アドバイスデータベースのデータ構造を模式的に示す図である。
図9】実施の形態に係る画面提供部が管理者端末に提供する、成果に対する管理者の評価用の表示画面を例示する模式図である。
図10】実施の形態に係るアドバイス取得部が参照する第3アドバイスデータベースのデータ構造を模式的に示す図である。
図11】実施の形態に係る画面提供部が従業員端末に提供する、タスク遂行のために管理者がした行動を従業員が評価するための表示画面を例示する模式図である。
図12】実施の形態に係る情報処理システムで実行される情報処理の流れの前半部分を説明するためのシーケンス図である。
図13】実施の形態に係る情報処理システムで実行される情報処理の流れの後半部分を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施の形態の概要>
実施の形態の概要を述べる。実施の形態に係る情報処理装置は、管理者が従業員にタスクを割り振るためのタスク管理システムとしての機能を備える。実施の形態に係る情報処理装置は、管理者が従業員にタスクを割り当てる際に、そのタスクの難易度に関する管理者の評価を取得し、その難易度に応じて従業員に提示すべきアドバイスを管理者が利用する管理者端末に表示させる。これにより、管理者は、タスク遂行を依頼した従業員に対して、タスクを遂行するための助言を容易に把握することができる。
【0019】
実施の形態に係る情報処理装置は、管理者がタスク遂行を依頼した従業員から、そのタスクを遂行する前にタスクの難易度に関する従業員の評価をさらに取得する。実施の形態に係る情報処理装置は、管理者による難易度の評価と従業員による難易度の評価との差に応じて、管理者が従業員に提示すべきアドバイスを管理者端末に表示させる。これにより、タスクに対する管理者と従業員との評価が一致するか否かに応じて、タスクを遂行するために従業員に提示すべき助言を容易に変更することができる。
【0020】
図1は、実施の形態に係る情報処理システムSにおける処理の概要を説明するための模式図である。図1に示すように、情報処理システムSは情報処理装置1、管理者Mが利用する管理者端末2、及び第1従業員Ea及び第2従業員Ebがそれぞれ利用する第1従業員端末3aと第2従業員端末3bとを含む。管理者端末2と従業員端末3(第1従業員端末3a及び第2業員端末3b)とは、情報処理装置1を介して互いに通信可能な態様で接続されている。なお、図1には2台の従業員端末3のみが図示されているが、管理者Mの管理の対象となる従業員Eが3人以上存在する場合は、従業員端末3の数も3以上となる。以下、本明細書において、第1従業員端末3aと第2従業員端末3bとを区別する場合を除いて、単に従業員端末3と記載する。同様に、第1従業員Eaと第2従業員Ebとを区別する場合を除いて、単に従業員Eと記載する。
【0021】
以下、図1を参照して、情報処理システムSにおける処理の概要を(1)から(11)の順に説明するが、その数字は図1における(1)から(11)と対応する。
【0022】
(1)情報処理装置1は、管理者端末2に、管理者Mによる管理の対象となる従業員Eの一覧を示す情報を含む表示画面を提供する。
(2)管理者Mは、管理者端末2に表示された表示画面上で、タスクを遂行させる従業員E、従業員Eに遂行させるタスクである遂行タスク、遂行タスクの完了期限、及び管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価を示す指標を入力する。なお、図1に示す例では、管理者Mは、タスクを遂行させる従業員Eとして第2従業員Ebを選択したものとする。
【0023】
(3)情報処理装置1は、管理者端末2から、タスクを遂行させる第2従業員Eb、遂行タスク、遂行タスクの完了期限、及び管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価を示す管理者評価情報を取得する。
(4)情報処理装置1は、管理者端末2から取得した管理者Mによる難易度の評価に基づいて定まるアドバイスを管理者端末2に提供する。これにより、情報処理装置1から提供されたアドバイスを見た管理者Mは、タスク遂行を依頼する第2従業員Ebに対するアドバイスの参考とすることができる。
【0024】
(5)情報処理装置1は、第2従業員Ebが利用する第2従業員端末3bに、遂行タスクと完了期限を示す表示画面を提供する。
(6)情報処理装置1は、第2従業員端末3bから、第2従業員Ebによる遂行タスクの遂行前に、その遂行タスクの難易度の評価を示す事前評価情報を取得する。
【0025】
(7)情報処理装置1は、管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価と第2従業員Ebによる遂行タスクの難易度の評価との差を算出する。
(8)情報処理装置1は、管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価と第2従業員Ebによる遂行タスクの難易度の評価との差に応じて定まるアドバイスを管理者端末2に提供する。例えば、管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価と第2従業員Ebによる遂行タスクの難易度の評価との差が大きいときは、管理者Mと第2従業員Ebとで遂行タスクに対する理解に乖離がある可能性がある。情報処理装置1が管理者端末2に提供するアドバイスには、このような場合に管理者Mが第2従業員Ebに対して伝えるべき事項の例が含まれている。管理者Mは、情報処理装置1から提供されたアドバイスを見ることにより、タスク遂行を依頼する第2従業員Ebに対するアドバイスの参考とすることができる。
【0026】
(9)情報処理装置1は、第2従業員端末3bから、遂行タスクの完了を示す情報を取得する。
(10)情報処理装置1は、管理者端末2から、遂行タスクに対する管理者Mの評価を示すタスク評価情報を取得する。
(11)情報処理装置1は、管理者端末2に、管理者評価情報が示す難易度の評価とタスク評価情報が示す評価とに応じて定まるアドバイスを提供する。管理者Mは、情報処理装置1から提供されたアドバイスを見ることにより、遂行タスクの難易度を踏まえた成果に関する評価を第2従業員Ebにフィードバックする際の参考とすることができる。
【0027】
このように、情報処理装置1は、管理者Mがタスク遂行を依頼した従業員Eの支援をするために参考となる情報を管理者端末2に提供することができる。
【0028】
<実施の形態に係る情報処理装置1の機能構成>
図2は、実施の形態に係る情報処理装置1の機能構成を模式的に示す図である。情報処理装置1は、管理者Mが利用する管理者端末2と従業員Eが利用する従業員端末3とに通信可能な情報処理装置であり、記憶部10と制御部11とを備える。
【0029】
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示していないデータの流れがあってもよい。図2において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0030】
記憶部10は、情報処理装置1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や情報処理装置1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0031】
制御部11は、情報処理装置1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部10に記憶されたプログラムを実行することによって画面提供部110、管理者評価取得部111、アドバイス取得部112、従業員評価取得部113、及び完了情報取得部114として機能する。
【0032】
なお、図2は、情報処理装置1が単一の装置で構成されている場合の例を示している。しかしながら、情報処理装置1は、例えばクラウドコンピューティングシステムのように複数のプロセッサやメモリ等の計算リソースによって実現されてもよい。この場合、制御部11を構成する各部は、複数の異なるプロセッサの中の少なくともいずれかのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。
【0033】
画面提供部110は、管理者端末2に、従業員Eを示す情報を含む表示画面を提供する。図3は、実施の形態に係る画面提供部110が管理者端末2に提供する表示画面の一例を示す図であり、従業員Eを示す情報を含む表示画面を例示する模式図である。図3には、5人の従業員の名前が一覧表示されており、各従業員のタイプ、割り当てられたタスク、タスクの期限、コンディションを示す情報、及び自己効力感を示す情報が表示されている。
【0034】
ここで、「コンディション」は、例えば各従業員Eの覚醒度(従業員Eがどれくらい目覚めているかを示す数値)によって表現される。限定はしないが、覚醒度は、0から100までの数値で表され、数値が大きいほど従業員Eのコンディションが良い(すなわち、覚醒度が高い)ことを表している。覚醒度は、例えば従業員Eが装着しているウェアラブルデバイスが計測した従業員Eの睡眠データに基づいて既知の手法によって算出できる。
【0035】
また、「自己効力感」は心理学の用語であり、各従業員Eがタスク等の目標について、自分であればうまく達成できるという可能性を認識している感覚を意味する。自己効力感が高い従業員Eは、困難なタスクであっても前向きかつ建設的な行動を起こすことができると考えられている。「自己効力感」は、例えば、従業員Eが難しいタスクを達成するほど高くなり、また、成果に対する評価が高いほど高くなるようなアルゴリズムによって算出される。
【0036】
「従業員のタイプ」は、従業員の行動に関する大まかな傾向を示す。「主導タイプ」の従業員は、行動的で野心家であり、過程よりも結果を重視するタイプの従業員である。主導タイプの従業員は過程よりも結果重視で、リスクよりも目標達成に向かって邁進するため、目標が明確に見えているとパフォーマンスを発揮しやすい傾向にある。このため、アドバイスも、その傾向に沿ったものとなる。また、「分析タイプ」の従業員は、効率と納得を重視する現実派の従業員である。分析タイプの従業員は、行動する前に多くの情報を集め分析し計画を立て、ペースを乱されるのを嫌がりリスクは避けたがる傾向があり、アドバイスもその傾向に沿ったものとなる。
【0037】
図3に示す表示画面上で、管理者Mがマウス等のポインティングデバイス(不図示)を用いて特定の従業員Eを選択すると、画面提供部110は管理者端末2に提示する表示画面をタスク作成用の表示画面に遷移させる。
【0038】
図4は、実施の形態に係る画面提供部110が管理者端末2に提供する表示画面の一例を示す図であり、タスク作成用の表示画面を例示する模式図である。図4は、管理者Mが、名前がAAAAである従業員Eを選択した場合の例を示している。図4に示すように、タスク作成用の表示画面には、従業員Eに遂行させる遂行タスク、遂行タスクの完了期限、及び管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価を示す管理者評価情報を入力するための入力欄が設けられている。図4では、従業員Eに遂行させる遂行タスクは「営業資料まとめ」であり、完了期限は「2019年11月14日」であり、遂行タスクの難易度の評価は10段階中「5」である。
【0039】
管理者評価取得部111は、管理者端末2から、従業員Eに遂行させる遂行タスク、遂行タスクの完了期限、及び管理者評価情報を取得する。画面提供部110は、名前がAAAAである従業員Eが利用する従業員端末3に、遂行タスクと完了期限とを示す表示画面を提供する。
【0040】
図5は、実施の形態に係る画面提供部110が従業員端末3に提供する表示画面の一例を示す図であり、遂行タスク表示用の表示画面を例示する模式図である。図5に示すように、従業員端末3に表示された遂行タスク表示用の表示画面を閲覧することにより、従業員Eは管理者Mから依頼された遂行タスクを把握することができる。
【0041】
画面提供部110は、タスク表示用の表示画面を従業員端末3に提供するとともに、管理者端末2に、管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価に応じて定まるアドバイスであって、管理者Mが従業員Eに遂行タスクを遂行させるためのアドバイスを示す表示画面を提供する。
【0042】
具体的には、まず、アドバイス取得部112は、管理者Mがタスク作成用の表示画面に入力した管理者評価情報を管理者評価取得部111から取得する。アドバイス取得部112は、取得した管理者評価情報に基づいて、第1アドバイスデータベースを参照することによって対応するアドバイスを取得する。
【0043】
図6は、実施の形態に係るアドバイス取得部112が参照する第1アドバイスデータベースのデータ構造を模式的に示す図である。第1アドバイスデータベースは記憶部10に格納されており、アドバイス取得部112によって管理されている。図6に示す例では、第1アドバイスデータベースには、従業員のタイプを第1条件、管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価を第2条件として、条件毎にアドバイスが格納されている。図6では、アドバイスとして「依頼する仕事の方向性」、「理想的な接し方」、及び「NG項目」の3つの観点に関するアドバイスが格納されている。
【0044】
画面提供部110は、アドバイス取得部112が取得したアドバイスをタスク作成用の表示画面に表示する。図4において、「依頼する仕事の方向性」、「理想的な接し方」、及び「NG項目」それぞれの枠の中に、アドバイス取得部112が取得したアドバイスが表示される。管理者Mがタスク作成用の表示画面において遂行タスクの難易度を評価することを契機として、アドバイス取得部112は対応するアドバイスを取得し、そのアドバイスを画面提供部110が表示画面に表示する。これにより、管理者Mは、従業員Eに遂行タスクを依頼する際に従業員Eに投げかけるアドバイスの参考とすることができる。また、管理者Mは、必要に応じて、遂行タスクを依頼する従業員Eの人選を再考するきっかけとすることができる。
【0045】
図7は、実施の形態に係る画面提供部110が従業員端末3に提供する表示画面の一例を示す図であり、タスク回答用の表示画面を例示する模式図である。図7に示すように、タスク回答用の表示画面には、タスクを割り当てられた従業員Eが遂行タスクを遂行する前に、従業員Eによるその遂行タスクの難易度の評価を示す事前評価情報を入力するための入力欄が設けられている。従業員Eは、従業員端末3に表示されたタスク回答用の表示画面中の入力欄に、遂行タスクの難易度に関する事前評価を入力することができる。
【0046】
従業員評価取得部113は、従業員端末3から、従業員Eによる遂行タスクの遂行前に、事前評価情報を取得する。画面提供部110は、管理者端末2に、管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価と従業員による遂行タスクの難易度の評価との差に応じて定まるアドバイスであって、管理者Mが従業員Eに遂行タスクを遂行させるためのアドバイスを示す表示画面を提供する。
【0047】
具体的には、アドバイス取得部112は、従業員Eがタスク回答用の表示画面に入力した事前評価情報を従業員評価取得部113から取得するとともに、管理者Mがタスク作成用の表示画面に入力した管理者評価情報を管理者評価取得部111から取得する。アドバイス取得部112は、取得した事前評価情報と管理者評価情報とに基づいて、第2アドバイスデータベースを参照することによって対応するアドバイスを取得する。
【0048】
図8は、実施の形態に係るアドバイス取得部112が参照する第2アドバイスデータベースのデータ構造を模式的に示す図である。第1アドバイスデータベースと同様に、第2アドバイスデータベースは記憶部10に格納されており、アドバイス取得部112によって管理されている。図8に示す例では、第2アドバイスデータベースには、従業員のタイプを第1条件、管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価と従業員による遂行タスクの難易度の評価との差を第2条件として、条件毎にアドバイスが格納されている。画面提供部110は、アドバイス取得部112が取得したアドバイスを管理者端末2に表示させる。
【0049】
上述したように、管理者評価情報が示す評価と事前評価情報が示す評価との差が大きいときは、管理者Mと従業員Eとの間で遂行タスクに対する理解に乖離がある可能性がある。第2アドバイスデータベースには、このような場合に管理者Mが従業員Eに対して伝えるべき事項の例が事前に用意されている。したがって、管理者Mは、情報処理装置1から提供されたアドバイスを見ることにより、タスク遂行を依頼する従業員Eに対するアドバイスの参考とすることができる。
【0050】
図示はしないが、遂行タスクを完了した従業員Eは、遂行タスクが完了したことを通知するアイコン(不図示)を押下することにより、管理者Mに作業の完了を示す情報を通知する。完了情報取得部114は、従業員端末3から遂行タスクの完了を示す情報を取得する。完了情報取得部114が遂行タスクの完了を示す情報を取得すると、画面提供部110は、管理者端末2に、管理者評価情報が示す難易度の評価とタスク評価情報が示す評価とに応じて定まるアドバイスであって、遂行タスクの成果に関して管理者Mが従業員Eに伝えるべきアドバイスを示す表示画面を提供する。
【0051】
図9は、実施の形態に係る画面提供部110が管理者端末2に提供する表示画面の一例を示す図であり、成果に対する管理者Mの評価用の表示画面を例示する模式図である。図9に示すように、成果に対する管理者Mの評価用の表示画面において、管理者Mは、従業員Eが遂行した遂行タスクの成果に対する評価を端的に示す数字を選択することができる。図9では、管理者Mは、遂行タスクの成果に対する評価として、10段階中「7」を選択していることを示している。
【0052】
管理者評価取得部111は、遂行タスクの成果に対する管理者Mの評価を示すタスク評価情報を取得する。アドバイス取得部112は、管理者評価取得部111が取得した管理者評価情報と管理者Mが従業員Eにタスクを割り当てる際に設定した管理者評価情報とに基づいて、第3アドバイスデータベースを参照して、遂行タスクの成果に関して管理者Mが従業員Eにフィードバックすべきアドバイスを取得する。
【0053】
図10は、実施の形態に係るアドバイス取得部112が参照する第3アドバイスデータベースのデータ構造を模式的に示す図である。第3アドバイスデータベースは記憶部10に格納されており、アドバイス取得部112によって管理されている。図10に示す例では、第3アドバイスデータベースには、従業員のタイプを第1条件、管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価を第2条件、遂行タスクの成果に対する管理者Mの評価を第3条件として、条件毎にアドバイスが格納されている。画面提供部110は、アドバイス取得部112が取得したアドバイスを管理者端末2に表示させる。
【0054】
例えば、管理者Mが高い難易度のタスクであると判断した遂行タスクについて従業員Eが高評価の成果を出した場合、管理者Mはその事実を従業員Eに伝え、従業員Eの自己効力感を高めるべきである。従業員Eの自己効力感が向上すれば、その従業員Eはさらなる遂行タスクにも自信を持って前向きに取り組むことができるようになるからである。反対に、管理者Mが普又はそれ以下の難易度のタスクであると判断した遂行タスクについて従業員Eがよい成果を出せなかった場合には、管理者Mはそのことを従業員Eに伝えるべきであるが、従業員Eの自己効力感をいたずらに下げるような伝え方をすべきではない。従業員Eの自己効力感が低下した状態では、従業員Eが本来であれば発揮可能な能力を発揮できなくなる恐れがあるからである。
【0055】
このように、従業員Eによる遂行タスクの成果に対する評価のフィードバックは、その後の従業員Eの自己効力感の変動に影響を与えうる。そのため、第3アドバイスデータベースには、管理者Mが成果に対する評価を従業員Eにフィードバックする際に、従業員Eの自己効力感を維持ないし高めるようなアドバイスの例があらかじめ格納されている。したがって、管理者Mは、情報処理装置1から提供されたアドバイスを見ることにより、成果の評価をフィードバックする際に従業員Eに対するアドバイスの参考とすることができる。
【0056】
図11は、実施の形態に係る画面提供部110が従業員端末3に提供する表示画面の一例を示す図であり、タスク遂行のために管理者Mがした行動を従業員Eが評価するための表示画面を例示する模式図である。図11に示す表示画面において、従業員Eは、タスク遂行のために管理者Mが過去に提供したアドバイスを見直したり、遂行タスクの遂行に関して管理者Mが行ったマネージメントに対する従業員Eの評価を示すマネージメント評価情報を入力したりすることができる。図11に示すように、マネージメント評価情報は、管理者Mのマネージメントに対する従業員Eの評価を端的に示す数字である。図11では、従業員Eは、管理者Mに対する評価として、10段階中「6」を選択していることを示している。
【0057】
従業員評価取得部113は、従業員端末3から、遂行タスクの遂行に関して管理者Mが行ったマネージメントに対する従業員Eの評価を示すマネージメント評価情報を取得する。このように、情報処理装置1は、管理者Mによる従業員Eの成果に対する評価のみならず、管理者Mのマネージメントに対する従業員Eの評価も取得することで、管理者Mは、管理者Mと従業員Eとを含むグループ全体での問題点に気づく機会を得ることができる。
【0058】
<情報処理システムSにおいて実行される情報処理方法の処理フロー>
図12は、実施の形態に係る情報処理システムSで実行される情報処理の流れの前半部分を説明するためのシーケンス図である。
【0059】
画面提供部110は、管理者端末2に、従業員Eを示す情報を含む表示画面を提供する(S2)。管理者端末2は、画面提供部110から受信した従業員Eの一覧画面を表示する(S4)。管理者端末2は、従業員Eに遂行させるタスクである遂行タスク、遂行タスクの完了期限、及び管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価を示す管理者評価情報を情報処理装置1に送信する(S6)。画面提供部110は、管理者評価情報に基づいてアドバイス取得部112が第1アドバイスデータベースから取得したアドバイスを管理者端末2に提供する(S8)。
【0060】
管理者端末2は、情報処理装置1から取得したアドバイスを表示して管理者Mに提示する(S10)。管理者端末2は、遂行タスクが割り当てられた従業員Eが利用する従業員端末3に、遂行タスク、遂行タスクの完了期限、及びアドバイスを送信する(S12)。従業員端末3は、従業員Eによる遂行タスクの遂行前に従業員Eによる遂行タスクの難易度の評価を示す事前評価情報を情報処理装置1に送信する(S14)。
【0061】
画面提供部110は、管理者端末2に、管理者Mによる遂行タスクの難易度の評価と従業員Eによる遂行タスクの難易度の評価との差に応じて定まるアドバイスを提供する(S16)。管理者端末2は、従業員端末3に、管理者Mが従業員Eに遂行タスクを遂行させるためのアドバイスを送信する(S20)。
【0062】
図13は、実施の形態に係る情報処理システムSで実行される情報処理の流れの後半部分を説明するためのシーケンス図である。
【0063】
従業員端末3は、遂行タスクを完了した従業員Eがそのことを情報処理装置1に通知するためのアイコンを押下することを契機として、遂行タスクの完了を示す完了情報を情報処理装置1に送信する(S22)。完了情報取得部114は、従業員端末3が送信した完了情報を取得する(S24)。
【0064】
管理者端末2は、遂行タスクの成果に対する管理者Mの評価を示すタスク評価情報を情報処理装置1に送信する(S26)。管理者評価取得部111は、遂行タスクの成果に対する管理者Mの評価を示すタスク評価情報を管理者端末2から取得する(S28)。アドバイス取得部112は、管理者評価情報が示す難易度の評価とタスク評価情報が示す評価とに応じて定まるアドバイスを取得し、画面提供部110はアドバイス取得部112が取得したアドバイスを管理者端末2に提供する(S30)。
【0065】
管理者端末2は、情報処理装置1から取得したアドバイスを表示して管理者Mに提示する(S32)。管理者端末2は、従業員端末3に、遂行タスクの成果に関して管理者Mが従業員Eに伝えるべきアドバイスを送信する(S34)。
【0066】
従業員端末3は、従業員Eによる管理者Mのマネージメントに対する評価を示すマネージメント評価情報を情報処理装置1に送信する(S36)。情報処理装置1は、従業員端末3から、管理者Mのマネージメントに対する評価を受信する(S38)。
【0067】
<実施の形態に係る情報処理装置1が奏する効果>
以上説明したように、実施の形態に係る情報処理装置1によれば、管理者Mがタスク遂行を依頼した従業員Eの支援をするための技術を提供することができる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果をあわせ持つ。
【0069】
<第1の変形例>
上記では、第1アドバイスデータベース、第2アドバイスデータベース、及び第3アドバイスデータベースの3つのデータベースについて説明した。各データベースに記載されている条件は一例であり、条件の一部が変更されてもよい。例えば、条件として従業員のタイプのみを採用してもよいし、自己効力感やコンディションを条件としてもよい。
【0070】
<第2の変形例>
上記では、管理者Mが遂行タスクを作成し、従業員Eに割り当てる場合について説明した。これに代えて、あるいはこれに加えて、従業員E自身が遂行タスクを作成し、管理者Mに提案して了承を得るようにしてもよい。この場合、画面提供部110が、従業員端末3にタスク生成画面(不図示)を提供するとともに、従業員Eが提案した遂行タスクに対する管理者Mの難易度の評価をするための画面を管理者端末2に提示するようにすればよい。
【0071】
<第3の変形例>
画面提供部110は、管理者Mが従業員Eに割り当てた遂行タスクの期限までの残り日数が所定の日数以下(例えば、タスク遂行に当てられた全期間の10%以下)となった場合、遂行タスクが割り当てられた従業員Eの自己効力感が所定の値以下となった場合、又は、遂行タスクが割り当てられた従業員Eのコンディションが所定の値以下となった場合、のいずれか一つの条件を満たすとき、管理者端末2に注意を喚起するメッセージ(不図示)を示す画面を提供してもよい。
【0072】
<第4の変形例>
上記では、成果に対する管理者Mの評価用の表示画面において、画面提供部110は、管理者Mは遂行タスクの成果に対する評価を選択可能な表示画面を管理者端末2に提供する場合について説明した。これに加えて、画面提供部110は、遂行タスクの遂行過程(プロセス)に関する管理者Mの評価を選択できるようにしてもよい。
【0073】
<第5の変形例>
上記では、画面提供部110は、管理者Mが従業員Eに対して行うアドバイスを管理者端末2に提供する場合について説明した。これに加えて、画面提供部110は、従業員Eが管理者Mに対する接し方に関するアドバイス(例えば、管理者Mの特徴、NG行動、報告の仕方、相談の仕方、及び依頼の受け方)を従業員端末3に提供してもよい。
【0074】
<第6の変形例>
情報処理装置1は、従業員Eのコンディション及び自己効力感と、各従業員E及び従業員Eが所属する部署の業績との相関を示すグラフを、管理者端末2及び従業員端末3に提供してもよい。これは、情報処理装置1中の図示しないグラフ生成部がグラフを生成し、画面提供部110が管理者端末2及び従業員端末3にグラフを提供することで実現できる。なお、従業員E又は管理者Mが、それぞれ個人の売上や部署としての売上を端末を介して情報処理装置1に入力し、入力された情報にも基づいてグラフ生成部がグラフを生成すればよい。
【0075】
<第7の変形例>
記憶部10は、管理者Mが行った遂行タスクの評価や、各従業員Eのコンディション、自己効力感を含む情報を蓄積してもよい。この情報は、パフォーマンスの高い(タスクの成果に対する評価、自己効力感、及びコンディションが高い)人材や、低い人材がどのような傾向にあるかの分析の材料とすることができる。管理者Mは、分析結果を採用に反映することもできる。
【符号の説明】
【0076】
1・・・情報処理装置
10・・・記憶部
11・・・制御部
110・・・画面提供部
111・・・管理者評価取得部
112・・・アドバイス取得部
113・・・従業員評価取得部
114・・・完了情報取得部
2・・・管理者端末
3・・・従業員端末
S・・・情報処理システム
【要約】
【課題】管理者がタスク遂行を依頼した従業員の支援をするための技術を提供する。
【解決手段】管理者が利用する管理者端末2と管理者の管理の対象となる従業員が利用する従業員端末3とに通信可能な情報処理装置1において、画面提供部110は、管理者端末2に、従業員を示す情報を含む表示画面を提供する。管理者評価取得部111は、管理者端末2から、従業員に遂行させるタスクである遂行タスク、遂行タスクの完了期限、及び管理者による遂行タスクの難易度の評価を示す管理者評価情報を取得する。画面提供部110は、従業員端末3に、遂行タスクと完了期限とを示す表示画面を提供するとともに、管理者端末2に、管理者による遂行タスクの難易度の評価に応じて定まるアドバイスを示す表示画面を提供する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13