特許第6783963号(P6783963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6783963空調設備用ドレン管の接続構造、及び配管構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6783963
(24)【登録日】2020年10月26日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】空調設備用ドレン管の接続構造、及び配管構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/244 20060101AFI20201102BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   F16L37/244
   F24F1/0007 361B
   F24F1/02 371B
   F24F13/22 222
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-12658(P2020-12658)
(22)【出願日】2020年1月29日
(62)【分割の表示】特願2017-226487(P2017-226487)の分割
【原出願日】2013年11月18日
(65)【公開番号】特開2020-73827(P2020-73827A)
(43)【公開日】2020年5月14日
【審査請求日】2020年2月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】宮道 智嗣
(72)【発明者】
【氏名】花木 博章
(72)【発明者】
【氏名】奥野 秀明
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−106604(JP,A)
【文献】 特開2007−033013(JP,A)
【文献】 特開2010−181005(JP,A)
【文献】 特開2011−112102(JP,A)
【文献】 特開2011−242031(JP,A)
【文献】 特開平05−018554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/244
F24F 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井裏に設置された空調機とフレキホースとを接続するための空調設備用ドレン管の接続構造であって、
前記空調機側に接続される第1接続継手と、前記フレキホース側にエルボを介して接続される第2接続継手とを備え、
前記第1接続継手と前記第2接続継手とが着脱可能に設けられ、
前記第1接続継手は、前記空調機のドレン管又は前記空調機に接続されたドレンホースと接着剤により直接接続され、
前記第1接続継手は透明であり、
前記第1接続継手と前記第2接続継手のいずれか一方に係止部が設けられ、他方に被係止部が設けられ、
前記被係止部は、対称位置に設けられた2つの係止突部を備え、
前記係止部は、対称位置に設けられた2つの延出部を備え、
前記第1接続継手と前記第2接続継手とが接続されたとき、前記係止突部の間に前記延出部が位置することを特徴とする空調設備用ドレン管の接続構造。
【請求項2】
天井裏に設置された空調機と、フレキホースと、ドレン配管と、を備えた配管構造であって、
前記空調機と前記フレキホースとを、請求項1に記載の接続構造で接続したことを特徴とする配管構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調設備用ドレン管の接続構造、及び配管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部屋の天井裏等に設置した空調機では、発生したドレンがフレキホースを通じて室外へ導かれている。このような空調機におけるドレン管とフレキホースとの接続構造として、例えば特許文献1に示されるように、フレキホースのドレン管側にエルボ管を設け、エルボ管とドレン管との間にドレンホースを介在させて接続し、フレキホースをエルボ管より一旦立ち上げた後、ドレン配管等によって室外へ排出しているのが一般的である。
【0003】
特許文献1には、空調室内機のドレン管に接続するための第1の接続部と、ドレン管から排出されたドレンを室外に導くためのドレン横走り管に接続するための第2の接続部と、第1の接続部及び第2の接続部に連続し、断熱性及び弾性を有するホース部とを備えた構成について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3144918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のドレン管とフレキホースとの接続構造では、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1などで示される従来の接続構造では、ドレン管以外の接続部位として、ドレンホース、フレキホース(ホース部)、各接続継手などの多くの管部品により構成されており、これらは互いに接着あるいはバンド等を使用した締め付けによって接続されている。例えばドレン管とドレンホースとの接続や、ドレンホースと接続継手(あるいはフレキホース)との接続では、ドレン管や接続継手の端部をドレンホースに挿入した状態で、その接続部分を金属バンド等の締付具を締付具上に設けられた小さなねじ部によって外部から締め付ける構成となっている。
【0006】
このような金属バンドなどの締付具を使用して締め付ける場合には、ドライバー等の工具を用いて小さなねじ部を締付ける必要があるため、手間と時間がかかる作業となる。しかも、接着による接続箇所は勿論、一旦締付具を使用して接続した箇所の接続を簡単に切り離すことができないことから、配管のメンテナンスや配管材の交換にも時間がかかっていた。天井裏に設置される空調機の場合には、高所作業となるため、ドライバー等の工具を用いた作業はとくに作業効率が低下することになっていた。そのため、着脱が容易なドレン管の接続構造が求められており、その点で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、着脱構造の接続継手を設けることで、接続作業が容易になり、手間や時間を低減することができる空調設備用ドレン管の接続構造、及び配管構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る空調設備用ドレン管の接続構造では、天井裏に設置された空調機とフレキホースとを接続するための空調設備用ドレン管の接続構造であって、前記空調機側に接続される第1接続継手と、前記フレキホース側にエルボを介して接続される第2接続継手とを備え、前記第1接続継手と前記第2接続継手とが着脱可能に設けられ、前記第1接続継手は、前記空調機のドレン管又は前記空調機に接続されたドレンホースと接着剤により直接接続され、前記第1接続継手は透明であり、前記第1接続継手と前記第2接続継手のいずれか一方に係止部が設けられ、他方に被係止部が設けられ、前記被係止部は、対称位置に設けられた2つの係止突部を備え、前記係止部は、対称位置に設けられた2つの延出部を備え、前記第1接続継手と前記第2接続継手とが接続されたとき、前記係止突部の間に前記延出部が位置することを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る空調設備用ドレン管の接続構造では、空調設備から発生したドレンを排出するドレン配管とフレキホースとを接続するための空調設備用ドレン管の接続構造であって、前記ドレン配管側に接続される第1接続継手と、前記フレキホース側に接続される第2接続継手とを備え、前記第1接続継手と前記第2接続継手とが着脱可能に設けられ、前記第1接続継手における前記ドレン配管側の端に差口部が備えられ、前記第1接続継手は透明であり、前記第1接続継手と前記第2接続継手のいずれか一方に係止部が設けられ、他方に被係止部が設けられ、前記被係止部は、対称位置に設けられた2つの係止突部を備え、前記係止部は、対称位置に設けられた2つの延出部を備え、前記第1接続継手と前記第2接続継手とが接続されたとき、前記係止突部の間に前記延出部が位置することを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る空調設備用ドレン管の接続構造では、空調機とフレキホース、および、ドレン配管と前記フレキホースを接続するための空調設備用ドレン管の接続構造であって、前記空調機側および前記ドレン配管側に接続される第1接続継手と、前記フレキホース側の両端に接続される第2接続継手と、を備え、前記第1接続継手は、前記空調機のドレン管および前記ドレン配管と接着剤により直接接続され、前記第1接続継手と前記第2接続継手とが着脱可能に設けられ、前記第1接続継手と前記第2接続継手のいずれか一方に係止部が設けられ、他方に被係止部が設けられ、前記被係止部は、対称位置に設けられた2つの係止突部を備え、前記係止部は、対称位置に設けられた2つの延出部を備え、前記第1接続継手と前記第2接続継手とが接続されたとき、前記係止突部の間に前記延出部が位置し、前記空調機側の第2接続継手は、エルボを介して前記フレキホースと接続されていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る配管構造は、天井裏に設置された空調機と、フレキホースと、ドレン配管と、を備えた配管構造であって、前記空調機と前記フレキホースとを、請求項1に記載の接続構造で接続したことを特徴としてもよい。
【0012】
本発明では、先行して空調機のドレン管(あるいはフレキホースの空調機側とは反対の端部)に第1接続継手を接続しておくとともに、フレキホースの一端(あるいはドレン配管)に第2接続継手を接続しておくことで、その後に第1接続継手と第2接続継手を接続することができ、これによりドレン管とフレキホースとの接続作業、又はフレキホースとドレン管との接続作業を工具を使うことなく、手間や時間をかけずに簡単に行うことができる。このように接続作業が容易になるので、例えば空調機が高所に設けられ作業がしにくい場合であっても、効率よく作業を行うことができる。
しかも、第1接続継手と第2接続継手が着脱可能であるので、接続した後でも手間のかかる作業を行うことなく双方の接続継手を簡単に離脱させることができる。したがって、フレキホースのメンテナンスや交換する場合でも効率よく作業を行うことができる利点がある。
【発明の効果】
【0013】
本発明の空調設備用ドレン管の接続構造、及び配管構造によれば、着脱構造の接続継手を設けることで、接続作業が容易になり、手間や時間を低減することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態によるドレン管とフレキホースとの接続構造を示す側面図である。
図2図1に示す接続構造のうちドレン管継手の構成を示す斜視図であって、第1接続継手と第2接続継手の接続前の状態を示す図である。
図3】ドレン管継手の構成を示す斜視図であって、第1接続継手と第2接続継手を接続した状態を示す図である。
図4】ドレン管継手の構成を示す半断面図である。
図5】第1接続継手の側面図である。
図6】第2接続継手の側面図である。
図7】第2接続継手の袋ナットを延出部側からみた斜視図である。
図8】他の実施の形態による接続構造の一部を示す図である。
図9】他の実施の形態によるドレン配管とフレキホースとの接続構造を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態による空調設備用ドレン管の接続構造、及び配管構造について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1に示す本実施の形態の空調設備用ドレン管の接続構造は、例えば天井裏に備えられるような空調機3に設けられるドレン管31と、ドレン管31から発生するドレンを外部へ排出するためのフレキホース4とを接続するためのドレン管継手1を備えている。ここで、フレキホース4としては、例えば、軟質または比較的硬質な塩化ビニル製のホースの外周を発泡ウレタン等の断熱材で被覆して成る二層構造の被覆ホースなどによって構成することができる。
【0017】
本実施の形態では、ドレン管31とドレン管継手1との間に架橋ポリエチレン管からなるドレンホース5が設けられ、ドレン管継手1とフレキホース4との間にエルボ6が設けられている。すなわち、本実施の形態の接続構造として、空調機3側からドレン管31、ドレンホース5、ドレン管継手1、エルボ6、フレキホース4の順で接続されており、フレキホース4の先にはドレン配管7が接続され、これらの管材を通してドレンが排出される。フレキホース4は、エルボ6から一旦立ち上がるように配置されている。
また、ドレンホース5、ドレン管継手1、エルボ6は、図示しない保温材で被覆したり、保温機能を備えた構成とすることで結露を防止することができ好ましい。
【0018】
ここで、図1において、空調機3、ドレン管継手1の一部(後述する第1接続継手10)、及びフレキホース4の立ち上がり部分(符号61の支持部)は、それぞれ吊り材8によって建物天井面Tから吊り下げられている。なお、これら吊り下げ位置、吊り下げ箇所数は、これに限定されず、任意に設定することができる。
【0019】
ドレン管継手1は、図1乃至図3に示すように、空調機3側に接続される第1接続継手10と、フレキホース4側に接続される第2接続継手20とを備え、第1接続継手10と第2接続継手20とが着脱可能に設けられている。
【0020】
第1接続継手10は、図2図4及び図5に示すように、塩化ビニル樹脂を射出成形することによって形成されていて、一端にドレン管31側のドレンホース5に接続される差口部11を備え、他端に雄ねじ筒部12(被係止部)及びフランジ13(被係止部)を備えている。
【0021】
雄ねじ筒部12は、始端が180度ずれたそれぞれ略1ピッチずつの2本の螺旋突条12aからなる2条ねじ構造になっていて、後述する第2接続継手20の袋ナット21(係止部)の雌ねじ部21a(図7参照)が螺合するようになっている。
フランジ13は、楕円形をしたフランジ本体部13aと、対称位置に設けられた2つの係止突部13bとを備えている。
【0022】
係止突部13bは、それぞれフランジ本体部13aの楕円の長軸から略45度ずれた位置に係止面を有し、この係止面の先端から雄ねじ筒部12のねじの締め込み方向と逆側に徐々にフランジ本体部13aに近づき終端でフランジ本体部13aに面一となるように設けられたテーパ面を備えている。すなわち、係止突部13bは、フランジ本体部13aの外周方向に張り出し、ねじの締め込み方向に向かって徐々にフランジ本体部13aからの高さが高くなっている。
【0023】
一方、第2接続継手20は、図3図4図6、及び図7に示すように、袋ナット21と、袋ナット21を回転自在に嵌着させる継手本体22(継手管)と、を備えている。
【0024】
継手本体22は、一端に差口部22a、他端に接続部22bを備えている。
差口部22aは、上記雄ねじ筒部12内に挿入されるようになっていて、周囲にOリング22cが嵌められ、雄ねじ筒部12の内面に液密に密着している。接続部22bは、エルボ6に一体的に接続されている。
【0025】
袋ナット21は、袋ナット本体部23と、2つの回り止め部24とを備えている。
袋ナット本体部23は、雄ねじ筒部12に螺合するように内周面に2条ねじが形成されていて、その開口端が差口部22aの先端を向くように継手本体22に離脱不能に、かつ、回転自在に装着されている。
【0026】
2つの回り止め部24は、袋ナット本体部23の中心軸を対称中心として点対称に設けられていて、可動部24aと、延出部24bとを備えている。
【0027】
可動部24aは、袋ナット本体部23の外周面より少し大径の内径をした円弧状をしていて、一端が袋ナット本体部23の壁面に袋ナット本体部23の外壁面と同心円状になるように固定されている。また、可動部24aは、無負荷状態では、袋ナット本体部23の外壁面との間にほぼ均等な幅の隙間が形成されるとともに、袋ナット本体部23の半径方向に指などで力を受けると固定部を中心に力の加わった方向に弾性変形するようになっている。
延出部24bは、可動部24aの開放端から袋ナット本体部23の中心軸に平行かつ袋ナット本体部23の端縁から外側に延出するように設けられている。
【0028】
次に、上述した構成のドレン管継手1の接続方法と、ドレン管継手1を用いた空調設備用ドレン管の接続構造の作用について、図面に基づいて説明する。
図2及び図3に示すように、本実施の形態によるドレン管継手1では、第1接続継手10と第2接続継手20との連結にあたっては、第2接続継手20の差口部22aを雄ねじ筒部12内に挿入したのち、袋ナット21を手で回転させて袋ナット本体部23を雄ねじ筒部12にねじ込んでいく。このねじ込みに伴って、差口部22aが雄ねじ筒部12の内部に向かって進入して行く。また、袋ナット本体部23が略90度程度回転するまでねじ込まれたとき、延出部24bが、フランジ本体部13aの楕円の短軸付近でフランジ本体部13aの雄ねじ筒部12側の端縁と延出部24bの先端縁と略一致する位置までフランジ13方向に移動する。
延出部24bは、さらに袋ナット21をねじ込んでいくと、まず、係止突部13bのテーパ面に受けられ、ねじ込みの進行に伴って、可動部24aの弾性変形によりテーパ面に沿ってフランジ13の半径方向外側に徐々に移動する。
【0029】
そして、袋ナット本体部23が略180度回転するまでねじ込まれると、延出部24bが係止突部13bを乗り越え、可動部24aの弾性復元力によって回り止め部24が袋ナット本体部23の外周面に沿う元の形状に復元する。したがって、袋ナット21が、ねじの緩む方向に回転しようとしても、延出部24bが係止突部13bの係止面に当接し、緩み方向の回り止めがなされる。また、同時に袋ナット本体部23の端面がフランジ13に受けられ、それ以上のねじ込みができなくなる。
このようにドレン管継手1では、第1接続継手10と第2接続継手20とが互いに着脱可能となる係止構造をそれぞれ備えたワンタッチ継手構造をなしている。
【0030】
本実施の形態では、図1に示すように、例えば先行して空調機3のドレン管31に金属バンドや接着剤等で接続されたドレンホース5を介して第1接続継手10を接着剤により接着することにより接続しておく。それと同時に、フレキホース4の一端4aにエルボ6を一体に設けた第2接続継手20を接着により接続しておく。その後、第1接続継手10と第2接続継手20を接続することができ、これによりドレン管31とフレキホース4との接続作業を手間や時間をかけずに簡単に行うことができる。このように接続作業が容易になるので、例えば空調機3が高所に設けられ作業がしにくい場合であっても、効率よく作業を行うことができる。
しかも、第1接続継手10と第2接続継手20が、ドライバー等の工具を使用せずとも手で嵌合、ねじ込みすることで着脱可能であるので、接続した後でも手間のかかる作業を行うことなく双方の接続継手10、20を簡単に離脱させることができる。したがって、フレキホース4のメンテナンスや交換する場合でも効率よく作業を行うことができる利点がある。
【0031】
また、本実施の形態の場合、ドレン管継手1が第1接続継手10と第2接続継手20の接続部が工具を使用せずに着脱可能なワンタッチ継手構造を備えるため、接続作業をより短時間で、且つ簡単に行うことができる。また狭い箇所での作業も可能となる利点がある。
【0032】
さらに、本実施の形態では、第1接続継手10の雄ねじ筒部12の外側から第2接続継手20の袋ナット21の雌ねじ部21aを螺合させることにより、双方の接続継手10、20同士を簡単に接合することができる。
しかも、袋ナット21が継手本体22回りに回転自在に設けられているので、本実施の形態のように第1接続継手10及び第2接続継手20の少なくとも一方(ここでは第2接続継手20のみ)にエルボ6が接続されるような場合であっても、エルボ6の向きに関係なく第1接続継手10及び第2接続継手20を接続することができる。
【0033】
このように構成される空調設備用ドレン管の接続構造、及び配管構造では、簡単な着脱構造とすることで、作業が容易になり、手間や時間を低減することができる効果を奏する。
【0034】
以上、本発明による空調設備用ドレン管の接続構造、及び配管構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0035】
例えば、上述の本実施の形態では、ドレン管継手1とフレキホース4との間にエルボ6を設けた構成としているが、これに限定されることはない。例えば、図8に示すように、第2接続継手20の継手本体22の差口部22aをフレキホース4の一端4aに直接接続し、第1接続継手10の差口部11にエルボ6を接続する構成とすることも可能である。この場合、エルボ6のドレン管継手1とは反対側の端部6aがドレンホース5に接続されることになる。
【0036】
また、本実施の形態では、第1接続継手10の雄ねじ筒部12とフランジ13を被係止部とし、第2接続継手20の袋ナット21を係止部とした構造の接続継手としているが、これに制限されることはなく、他の構造を採用することも可能である。例えば、本実施の形態では、回り止め部24によって袋ナット21の回転を係止させているが、この回り止め部24を省略して、袋ナット21の雌ねじ部21aの螺合のみで接合する構成であってもよいし、袋ナット21を用いない他の構成としても良い。例えば、他の着脱可能な係止構造としては、係合壁に設けられた溝を通して突出部とバヨネット溝とを嵌合させる公知(特開2010−96241号公報)のバヨネット機構や、接続される管を管挿入部に挿入するだけで、締め付けリングを拡径状態にした拡径片が飛んで、締め付けリングが弾性収縮して管を管内に挿通されたノズル状の内筒との間で締め付けて抜け止め及び止水を図るようにした公知(特開2001−295974号公報)のワンタッチ接続構造が挙げられる。
【0037】
また、上述した実施の形態では、第1接続継手10に雄ねじ筒部12とフランジ13を設け、第2接続継手20に袋ナット21を設けているが、それぞれ逆の構成であってもよい。すなわちドレン管31側に接続される第1接続継手10を袋ナットを有する構成とし、フレキホース4側に接続される第2接続継手20を雄ねじ筒部とフランジを有する構成としてもよい。
【0038】
さらに、ドレンホース5を省略してドレン管継手1を直接ドレン管31に接続することも可能であり、空調機3にフレキホース4を近づけて配置することが可能となり、接続構造のコンパクト化を図ることができる。この場合には、第1接続継手10とドレン管31とは接着剤による接着接合で接続することができる。
【0039】
さらにまた、第1接続継手10を透明な部材とすることも可能であり、これにより接着剤の塗布状態を確認できるという利点がある。
【0040】
また、ドレン管継手1の接続箇所は、本実施の形態のようにドレン管31とフレキホース4との間であることに限定されることはない。この他に、図9に示すように、ドレン管継手1は、空調機3に設けられるドレン管31から発生するドレンを外部へ排出するためのフレキホース4と、フレキホース4の空調機3側とは反対側の端部4bに接続されるドレン配管7と、の間に配置されるものであってもよい。この場合、フレキホース4側に接続される第2接続継手20と、ドレン配管7側に接続される第1接続継手10とを備え、第1接続継手10と第2接続継手20とが着脱可能に設けられた接続構造となっている。図9においてはエルボ6が断熱層を備えた公知(特開2012−233675号公報)の断熱継手とすることで継手外部を断熱材で被覆する手間を省くことができる。
さらにまた、フレキホース4と空調機3側の端部4aとの間にもドレン管継手1の接続箇所を設けてフレキホース4の両端にドレン管継手1の接続箇所を設けた構成としてもよい。
【0041】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 ドレン管継手
3 空調機
4 フレキホース
5 ドレンホース
6 エルボ
7 ドレン配管
10 第1接続継手
12 雄ねじ筒部(被係止部)
13 フランジ(被係止部)
20 第2接続継手
21 袋ナット(係止部)
22 継手本体(継手管)
23 袋ナット本体部
24 回り止め部
31 ドレン管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9