特許第6784006号(P6784006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6784006
(24)【登録日】2020年10月27日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】材料試験機
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/06 20060101AFI20201102BHJP
【FI】
   G01N3/06
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-119888(P2015-119888)
(22)【出願日】2015年6月15日
(65)【公開番号】特開2017-3509(P2017-3509A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2017年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101753
【弁理士】
【氏名又は名称】大坪 隆司
(72)【発明者】
【氏名】東良 宏二郎
(72)【発明者】
【氏名】野村 英一
【審査官】 佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−185546(JP,A)
【文献】 特開2004−354081(JP,A)
【文献】 特開昭64−083132(JP,A)
【文献】 実開昭59−000493(JP,U)
【文献】 特開2013−145200(JP,A)
【文献】 特開平5−101192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N3/00−3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験機本体に試験片を配置する試験空間が設けられ、前記試験片に試験力を加えるために移動する移動部材を有する負荷機構と、前記試験力を検出するための試験力検出器と、前記負荷機構の動作を制御する制御装置とを備えた材料試験機において、
前記試験機本体における正面側の面に、試験中の前記試験機本体における前記移動部材の移動方向を、移動方向を示す図形を用いて表示するための表示領域を設け、
前記制御装置は、前記表示領域における前記図形の表示を制御するための表示制御部を備え、
前記表示領域に表示される前記図形は、前記移動部材の移動方向に向けて角を有する形状を有することを特徴とする材料試験機。
【請求項2】
請求項1に記載の材料試験機において、
前記図形は、前記移動部材の移動速度の高低をさらに表現する材料試験機。
【請求項3】
請求項2に記載の材料試験機において、
前記移動部材の移動速度の高低は、前記図形の表示個数で表現され、
前記表示制御部は、試験力の大きさを、前記図形の表示色を制御することにより表現する材料試験機。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の材料試験機において、
前記移動部材は、負荷軸に沿って昇降するクロスヘッドであり、
前記表示領域は、前記クロスヘッドの端部が係合するねじ棹または支柱を覆うカバーに配設される材料試験機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試験片に試験力を負荷して材料試験を実行する材料試験機に関する。
【背景技術】
【0002】
このような材料試験機は、試験片に試験力を与える負荷機構を制御して、引張試験、圧縮試験、疲労試験等を行う。例えば、引張試験を実行する材料試験機は、クロスヘッドの両端部を、ナットを介してねじ棹に係合させ、このねじ棹をサーボモータによって回転させることによりクロスヘッドを昇降させ、クロスヘッドに取り付けた上つかみ具と装置本体側に取り付けた下つかみ具とにその両端を把持された試験片に試験力として引張負荷を付与する(特許文献1参照)。なお、材料試験の試験中においては、試験片に付与された試験力はロードセルにより測定され、試験片の変位は変位計により測定される。
【0003】
この種の材料試験機では、試験中に測定される試験力や変位は、試験機本体の制御部に接続された操作パネルや、試験制御および解析ソフトウェアがインストールされたパーソナルコンピュータの表示部に他の試験情報とともに表示されている。また、特許文献2では、試験中の試験力や変位、あるいは、試験状態に関するアラーム情報を他の試験情報とは別に表示するために、試験機本体のクロスヘッド等に表示器を設けた材料試験機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−184541号公報
【特許文献2】特開2003−185546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
試験材料の性質、試験条件によっては、試験片に試験力を付与するために移動するクロスヘッドなどの部材の動きが極めて微小で、操作者がそのような動きを視認できない場合がある。このような場合には、負荷機構の駆動が停止していると勘違いしてしまい、操作者が試験機本体に近づいてしまうことがある。しかしながら、操作者が、試験片に試験力が付与されている試験中に、試験機本体に不用意に近づくことは、危険である。
【0006】
操作者は、試験中に試験機本体に近づこうとするときに、操作パネルやパーソナルコンピュータの表示部を操作者が確認すれば、試験片に付与されている試験力の測定値や負荷機構の駆動状況等を知ることができる。しかしながら、表示部が試験機本体から離れた場所に配置されている場合には、試験力等の確認を怠り、試験中の試験機本体に近づいてしまう可能性がある。
【0007】
また、特許文献2のようにクロスヘッドに試験力の測定値を表示する表示器を設けておけば、操作者が試験中の試験機本体に近づくときに、試験力の確認を容易に行える。しかしながら、表示器に表示される試験力の数値が、その材料試験機の最大負荷容量に対してどの程度の大きさなのか等、材料試験機の試験許容範囲における試験力の大小を理解することに不慣れな操作者に対しては、このような数値表示が不用意に試験機本体に近づかないように注意を促す表示としては十分でない場合がある。
【0008】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、試験中の試験機の状態を図形で表示する表示領域を試験機本体の正面側に設けることにより、試験状態の視認性を向上させた材料試験機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、試験機本体に試験片を配置する試験空間が設けられ、前記試験片に試験力を加えるために移動する移動部材を有する負荷機構と、前記試験力を検出するための試験力検出器と、前記負荷機構の動作を制御する制御装置とを備えた材料試験機において、前記試験機本体における正面側の面に、試験中の前記試験機本体における前記移動部材の移動方向を、移動方向を示す図形を用いて表示するための表示領域を設け、前記制御装置は、前記表示領域における前記図形の表示を制御するための表示制御部を備え、前記表示領域に表示される前記図形は、前記移動部材の移動方向に向けて角を有する形状を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の材料試験機において、前記図形は、前記移動部材の移動速度の高低をさらに表現する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の材料試験機において、前記移動部材の移動速度の高低は、前記図形の表示個数で表現され、前記表示制御部は、試験力の大きさを、前記図形の表示色を制御することにより表現する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の材料試験機において、前記移動部材は、負荷軸に沿って昇降するクロスヘッドであり、前記表示領域は、前記クロスヘッドの端部が係合するねじ棹または支柱を覆うカバーに配設される。
【発明の効果】
【0013】
請求項1から請求項4に記載の発明によれば、試験機本体における正面側の面に、試験中の試験機本体における移動部材の移動方向を、移動方向を示す図形を用いて表示するための表示領域を設けていることから、試験機本体における試験機の状態の視認性が向上し、試験中の操作者の作業の安全性を向上させることが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、図形表示により移動部材の移動速度の高低をさらに表現することから、試験中に操作者が視認できない低速で移動部材が移動している場合でも、操作者は試験機本体での移動速度の表示により、移動部材が停止し試験が終了したと勘違いして、試験機本体に不用意に近づくことを防止することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、移動部材の移動方向を図形の形状、移動部材の移動速度の高低を図形の表示個数、試験力の大きさを図形の表示色により表現することから、操作者は、これらの表示により、直感的に試験機の状態を把握することが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、クロスヘッドを昇降させるねじ棹または支柱を覆うカバーに表示領域を設けることにより、試験片に対する負荷方向と表示領域における図形の配置に関連を持たせることができ、操作者への試験機の状態の直感的な理解をより向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明に係る材料試験機の概要図である。
図2】この発明に係る材料試験機の主要な制御系を示すブロック図である。
図3】引張試験が行われているときの表示ユニット29の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る材料試験機の概要図である。図2は、主要な制御系を示すブロック図である。
【0019】
この材料試験機は、クロスヘッド11、基台18および基台18の左右に立設されたカバー12により囲まれた試験機本体1の試験空間に、試験片10を配置して材料試験を実行するものである。試験片10は、クロスヘッド11側に配設された上つかみ具21、および、基台18に固定された下つかみ具22により両端部を把持されることにより、試験空間に配置される。なお、上つかみ具21は、軸心調整機構13およびロードセル14を介してクロスヘッド11に配設されている。
【0020】
クロスヘッド11の両端部には、基台18の左右に立設されたカバー12内に配置される一対のねじ棹と螺合する図示しないナット部が配設されている。そして、一対のねじ棹が基台18内に配設されたモータ19の駆動により同期して回転することで、クロスヘッド11は上下方向に移動する。クロスヘッド11が上昇することにより、試験片10に引張荷重(試験力)が負荷される。
【0021】
試験片10に負荷される試験力は、試験力検出器としてのロードセル14により検出される。また、試験片10の上下の標点間の変位量は、接触方式または非接触方式の変位計23により検出される。ロードセル14および変位計23からの信号は、本体制御部33に入力される。本体制御部33は、ロードセル14および変位計23からの信号に基づいて、モータ19の駆動制御信号を作成する。これにより、モータ19の回転が制御されクロスヘッド11が負荷軸に沿って移動し、引張試験等の各種材料試験が実行される。
【0022】
試験機本体1は、本体制御部33を介してパーソナルコンピュータ31に接続されている。パーソナルコンピュータ31には、試験機本体1の制御ソフトウェアがインストールされており、制御ソフトウェアのGUIを介して、本体制御部33に入力された、ロードセル14の検出値である試験力値、および、変位計23の検出値である変位量を操作者は確認することも可能である。なお、パーソナルコンピュータ31は、本体制御部33と通信可能な位置であれば、試験機本体1とは別室に配置されてもよい。
【0023】
カバー12の一方には、試験機本体1の正面視において、クロスヘッド11の移動方向と移動速度および、そのときに試験片10に負荷されている試験力の大きさを操作者に提示するための表示ユニット29が配置されている。この表示ユニット29は、試験中の試験機本体1における移動部材の移動方向、および、試験片10に負荷された試験力の大きさを表現する図形を表示するためのこの発明の表示領域に相当する。表示ユニット29は、図1に示すように、上下対称に4個の矢印型の図形が表示可能な領域を有する。この表示ユニット29では、矢印の向きがクロスヘッド11の移動方向を示し、矢印の数がクロスヘッド11の移動速度を表現し、矢印の色が試験力の大きさを表す。
【0024】
表示ユニット29としては、所望のサイズのLEDドットマトリックスモジュールを組み合わせて構成したもの、あるいは、LED光源を配置した金属枠に、図1に示す矢印型の半透明のアクリル樹脂カバーを取り付けたもの等、LED表示器を採用することができる。表示ユニット29の表示内容は、本体制御部33に配置された表示コントローラ34により制御される。
【0025】
図3は、引張試験が行われているときの表示ユニット29の表示例を示す説明図である。なお、図中の矢印においては、矢印の表示色の違いを異なるハッチングで表している。図3(a)の矢印内のハッチングは、ロードセル14の定格容量の50%未満の負荷となる試験力が検出された状態の表示色を示し、図3(b)の矢印内のハッチングは、50%以上80%未満の負荷となる試験力が検出された状態の表示色を示し、図3(c)の矢印内のハッチングは、80%以上の負荷となる試験力が検出された状態の表示色を示している。
【0026】
試験中に試験片10に与えられる試験力は、ロードセル14により検出され、本体制御部33に入力される。本体制御部33では、その試験力の検出値が、ロードセル14の定格容量の80%以上の負荷、50%以上80%未満の負荷、50%未満の負荷であるかが判断される。なお、ロードセル14は、材料試験機の最大負荷容量と要求される測定精度を考慮して選定されている。したがって、このようなロードセル14の試験力の検出値が、ロードセル14の定格容量のどの範囲にあるかの判断は、その材料試験機での許容試験範囲における試験力の大小の判断となる。表示コントローラ34には、例えば、ロードセル14の定格容量の80%以上の負荷のときは赤色、50%以上80%未満の負荷のときは黄色、50%未満の負荷のときは青色など、予め試験力の大小に対応付けてLEDの発光設定がされている。なお、この実施形態では、LEDにより3色が表現できればよい。ロードセル14による試験力の検出値がロードセル14の定格容量の80%以上の負荷、50%以上80%未満の負荷、50%未満の負荷のいずれであるかが判断されると、表示コントローラ34は、試験力の大きさに対応づけられた表示色となるように、LEDの点灯を制御する。
【0027】
試験中のクロスヘッド11の移動速度と移動方向は、カバー12内のねじ棹の回転速度と回転方向から求めることができ、このねじ棹の回転速度と回転方向は、ねじ棹を回転させるモータ19の試験中の駆動状態から求めることができる。モータ19の駆動状況は、本体制御部33により監視され、そこから求められたクロスヘッド11の移動速度と移動方向に応じて、表示ユニット29におけるLEDの点灯制御が表示コントローラ34により実行される。
【0028】
材料試験機で実現可能な試験速度(mm/min)の範囲は、材料試験機の仕様上、決まっていることから、この表示例で示すクロスヘッド11の移動速度を示すためにLEDを点灯させて表示ユニット29に表示される矢印の数は、仕様上の試験速度範囲に基づいて予め表示コントローラ34に設定されている。例えば、仕様上の試験速度範囲が0.0005〜500mm/minの場合、試験中のクロスヘッド11の移動速度が0.01mm/min未満(極低速)のときに矢印1個、0.01mm/min以上1mm/min未満(低速)のときに矢印2個、1mm/min以上100mm/min未満(中速)のときに矢印3個、100mm/min以上(高速)のときに矢印4個を表示する対応付けがなされている。このように、試験速度範囲に対する矢印の表示個数の割り当ては、クロスヘッド11の移動が、目視で分かりにくい速度範囲ほど細かく個数を変化させるようにしてもよく、また、均等に割り当ててもよい。なお、矢印の表示最大個数は4個に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0029】
図3の表示例では、引張試験を実行中であり、クロスヘッド11の移動方向である上側に向けて角を有する4個の図形(矢印)のうち、そのときのクロスヘッド11の移動速度に応じた数だけ表示コントローラ34の作用によりLEDの点灯表示がされることになる。図3(a)は、矢印が青色で1個点灯表示されているので、ロードセル14の定格容量の50%未満の負荷となる試験力が検出された状態でクロスヘッド11が極低速で移動している状態を示し、図3(b)は、矢印が黄色で2個点灯表示されているので、50%以上80%未満の負荷となる試験力が検出された状態でクロスヘッド11が低速で移動している状態を示し、図3(c)は、矢印が赤色で3個点灯表示されているので、80%以上の負荷となる試験力が検出された状態でクロスヘッド11が中速で移動している状態を示すことになる。
【0030】
なお、ゴム材料の引張試験など、クロスヘッド11の移動速度が比較的速く、目視によるクロスヘッド11の移動状態の確認が容易に行える試験においては、矢印の数によるクロスヘッド11の移動速度の表現を省略してもよい。このような場合は、1個の矢印でクロスヘッド11の移動方向とそのときの試験力の大きさが表現できることから、表示ユニット29の構成および表示コントローラ34の制御設定をより簡易化することができる。
【0031】
表示ユニット29の表示図形は、移動部材の移動方向に向けて角を有する形状であれば、実施形態に示された矢印型に限定されない。例えば、三角形のみの図形や、三角形と矩形を組み合わせた図形であってもよい。また、三角形と矩形を組み合わせた図形の場合、図形の数ではなく、図形の縦方向の長さ(矩形部分の長さ)でクロスヘッド11の移動速度を表現するようにしてもよい。さらに、クロスヘッド11の移動速度の表現と、試験力の大きさの表現は、逆であってもよい。すなわち、クロスヘッド11の移動速度を表示色で表現し試験力の大きさを図形の数で表現してもよい。
【0032】
上述した実施形態では、カバー12に表示ユニット29を設けた例を示したが、例えば、基台18に支持板を付設し、その支持板に表示ユニット29を支持させるようにしてもよい。また、表示ユニット29の配置は、表示ユニット29に表示させる図形の配列が負荷軸に平行な配列でなくとも、試験機本体1の正面視において、クロスヘッド11の移動方向である上下方向が理解できれば、負荷軸に対して傾斜していてもよい。また、表示ユニット29としては、上述した実施形態で例示したLED表示器の他に、液晶パネルなどを使用してもよい。
【0033】
上述した実施形態では、試験片に試験力を加えるために移動する移動部材がクロスヘッド11である材料試験機を例に説明したが、負荷機構としてシリンダ式アクチュエータを備える材料試験機では、ピストンロッドが移動部材となる。このように、負荷機構の異なる材料試験機においても、試験機本体における正面側の面に、試験中の試験機本体における移動部材の移動方向、および、試験片に負荷された試験力の大きさを表現する図形を表示するための表示領域を設けることは可能である。また、シリンダ式アクチュエータをクロスヘッドに備える材料試験機では、一対の支柱に対してクロスヘッドが架設され、支柱におけるクロスヘッドの高さ位置が調整される構成となっている。このような材料試験機では、支柱を覆うカバーに表示領域を設けるようにしてもよい。
【0034】
さらに、上述した実施形態では、引張試験などの静的試験を行うときの、試験機の状態の表示を説明したが、例えば、試験片10に繰り返し負荷を与える疲労試験などの動的試験においては、負荷部材が所定の周期で上下に移動することから、図3に示す上向きの矢印と下向きの矢印とが、負荷部材の移動に同期して、そのときの試験力の大きさに応じた表示色で交互に点滅することになる。
【0035】
また、静的試験のみを行う材料試験機の場合は、上述した実施形態のように、表示ユニット29において、上下対称となるように同一図形を同数配置して表示するようにしているが(図1および図3参照)、表示ユニット29の縦方向のスペースを短くして、引張試験なのか圧縮試験なのかにより、矢印の方向を選択的に逆転させて表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 試験機本体
10 試験片
11 クロスヘッド
12 カバー
13 軸心調整装置
14 ロードセル
18 基台
21 上つかみ具
22 下つかみ具
23 変位計
29 表示ユニット
31 パーソナルコンピュータ
33 本体制御部
34 表示コントローラ
図1
図2
図3