(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1制御手段は、前記連結用紙の有無を検出する用紙検出手段から、前記連結用紙が有る状態を示す用紙有信号、前記連結用紙が無い状態を示す用紙無信号、及び前記用紙有信号の順で受信したことにより前記連結部の位置を認識し、認識した前記連結部の位置の前後の予め定めたページ数のページの画像の印刷をスキップするように制御する
請求項1記載の第1印刷装置。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0031】
まず、第1実施形態に係る印刷システムについて説明する。
【0032】
図1に示すように、本実施形態に係る印刷システム10は、前処理装置12、検出装置14、上流印刷装置16、反転装置18、下流印刷装置20、及び、後処理装置22を有している。
【0033】
前処理装置12は、複数の長尺用紙Pが連結された連結用紙P1を収納する用紙収納部30を有している。
【0034】
ここで、本実施形態に係る印刷システム10で用いる連結用紙P1は、一例として
図2に示すように、ページ毎にミシン目Mが設けられた複数の長尺用紙Pが粘着テープTにより連結されることにより形成されている。また、連結用紙P1は、粘着テープTによる連結部80の近辺(例えば、連結部80を含むページ内)にパンチ穴Hが設けられている。
【0035】
検出装置14は、連結用紙P1の搬送方向における前処理装置12の下流側で、かつ上流印刷装置16の上流側に設けられ、前処理装置12及び上流印刷装置16の間を通過する連結用紙P1におけるパンチ穴を検出する。パンチ穴を検出する方法としては、例えば、連結用紙P1に光を照射すると共に、照射した光の反射光の強さを計測し、計測した反射光の強さが閾値以下である場合にパンチ穴があると判定する方法が用いられる。しかしながら、パンチ穴を検出する方法はこれに限らず、従来既知の任意の方法を用いて良い。
【0036】
検出装置14は、連結用紙P1のパンチ穴Hを検出した場合、検出信号を上流印刷装置16に対して送信する。
【0037】
上流印刷装置16は、連結用紙P1の搬送方向における最上流の位置で連結用紙P1に印刷を行う印刷装置である。上流印刷装置16は、連結用紙P1を搬送する用紙搬送部32、及び用紙搬送部32を駆動する搬送モータ34を備えている。上流印刷装置16に搬入された連結用紙P1は、用紙搬送部32に案内されて、後述する画像形成部38による画像印刷位置、及び、後述するマーク形成部40によるマーク形成位置を通過した後に、上流印刷装置16から搬出される。
【0038】
また、上流印刷装置16は、上流印刷装置16による印刷処理を総括的に制御する制御部36、連結用紙P1に印刷画像を形成する画像形成部38、及び、連結用紙P1に後述する識別マークを形成するマーク形成部40を有している。なお、制御部36は、制御手段の一例である。本実施形態では、画像形成部38は、感光体、感光体を帯電させる帯電手段、感光体上に潜像を形成する形成手段、感光体上の潜像を現像する現像手段、及び、トナー像を記録媒体に転写する転写手段を備えている。形成手段は、例えば、印刷画像に基づいて感光体に光を照射するLED(light emitting diode)ヘッドである。
【0039】
本実施形態では、このLEDヘッドにおける予め定めた範囲内において印刷画像を形成させると共に、他の範囲内に識別マークを形成させることにより、画像形成部38及びマーク形成部40が一体的に構成されている場合について説明する。しかしながら、画像形成部38及びマーク形成部40は別個に設けられていても良い。
【0040】
また、上流印刷装置16は、所謂パーソナルコンピュータ等の上位情報処理装置42に接続されていて、上位情報処理装置42から印刷画像を示す画像情報を入力し、入力した画像情報に基づく画像を連結用紙P1に印刷する。
【0041】
反転装置18は、上流印刷装置16及び下流印刷装置20の間に設けられ、上流印刷装置16により画像が印刷された連結用紙P1を、表裏を反転させた状態で、下流印刷装置20に搬送する。
【0042】
下流印刷装置20は、上流印刷装置16により画像が印刷された連結用紙P1に印刷を行う印刷装置である。下流印刷装置20は、連結用紙P1を搬送する用紙搬送部44、及び用紙搬送部44を駆動する搬送モータ46を備えている。下流印刷装置20に搬入された連結用紙P1は、用紙搬送部44に案内されて、後述する読み取りセンサ48による読み取り位置、及び、後述する画像形成部52による画像印刷位置を通過した後に、下流印刷装置20から搬出される。
【0043】
また、下流印刷装置20は、連結用紙P1に形成された後述する識別マークを読み取る読み取りセンサ48、下流印刷装置20による印刷処理を総括的に制御する制御部50、及び、連結用紙P1に印刷画像を形成する画像形成部52を有している。なお、制御部50は、制御手段の一例である。本実施形態では、読み取りセンサ48として、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサを用いた場合について説明するが、識別マークの読み取り方法はこれに限らず、従来既知の任意の方法を用いて良い。また、画像形成部52の構成は、上流印刷装置16の画像形成部38と同様である。
【0044】
また、上流印刷装置16は、所謂パーソナルコンピュータ等の上位情報処理装置に接続されていて、上位情報処理装置から印刷画像を示す画像情報を入力し、入力した画像情報に基づく画像を連結用紙P1に印刷する。
【0045】
後処理装置22は、上流印刷装置16及び下流印刷装置20により画像が印刷された連結用紙P1を収納する用紙収納部58を有している。
【0046】
このように、本実施形態では、印刷装置として、上流印刷装置16及び下流印刷装置20の2台の印刷装置が設けられている場合について説明する。しかしながら、印刷装置の台数はこれに限らず、1台の上流印刷装置16と、複数台の下流印刷装置20との3台以上の印刷装置が設けられていても良い。
【0047】
また、本実施形態では、上流印刷装置16により連結用紙P1の表面に画像を印刷すると共に、反転装置18により連結用紙P1の表裏を反転させ、下流印刷装置20により連結用紙P1の裏面に画像を印刷するが、これに限らない。例えば、反転装置18を用いず、上流印刷装置16により連結用紙P1の表面に画像を印刷すると共に、下流印刷装置20により連結用紙P1の表面に画像を印刷しても良い。
【0048】
なお、本実施形態に係る上流印刷装置16の制御部36は、
図3に示すように、装置全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)60により制御されることにより実現される。すなわち、上流印刷装置16は、上記CPU60、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)62、CPU60による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)64、及びフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む記憶部66を備える。
【0049】
また、上流印刷装置16は、外部装置と通信情報の送受信を行う通信回線I/F(Interface)部68を備える。また、上流印刷装置16は、ユーザからの指示を受け付けると共に、ユーザに対して動作状況等に関する各種情報を通知する操作表示部70を備える。なお、操作表示部70は、例えば、プログラムの実行により操作指示の受け付けを実現する表示ボタンや各種情報が表示されるタッチパネル式のディスプレイ、及びテンキーやスタートボタン等のハードウェアキーを含む。
【0050】
そして、CPU60、ROM62、RAM64、記憶部66、通信回線I/F部68、及び操作表示部70がアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバスを介して互いに接続されている。また、上流印刷装置16は、検出装置14に接続されている。
【0051】
また、本実施形態に係る下流印刷装置20の制御部50は、
図4に示すように、装置全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)60aにより制御されることにより実現される。すなわち、下流印刷装置20は、上記CPU60a、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)62a、CPU60aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)64a、及びフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む記憶部66aを備える。
【0052】
また、下流印刷装置20は、外部装置と通信情報の送受信を行う通信回線I/F(Interface)部68aを備える。また、下流印刷装置20は、ユーザからの指示を受け付けると共に、ユーザに対して動作状況等に関する各種情報を通知する操作表示部70aを備える。なお、操作表示部70aは、例えば、プログラムの実行により操作指示の受け付けを実現する表示ボタンや各種情報が表示されるタッチパネル式のディスプレイ、及びテンキーやスタートボタン等のハードウェアキーを含む。
【0053】
そして、CPU60a、ROM62a、RAM64a、記憶部66a、通信回線I/F部68a、及び操作表示部70aがアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバスを介して互いに接続されている。
【0054】
本実施形態に係る印刷システム10では、連結用紙P1に複数の印刷装置16、20により重連印刷を行う際に、連結部に画像の印刷をスキップするために、上流印刷装置16は、連結用紙P1にスキップした位置を示す識別マークを形成する。下流印刷装置20は、連結用紙P1に形成された識別マークを検出し、検出した識別マークに対応する位置では画像の印刷をスキップする。
【0055】
次に、本実施形態に係る上流印刷装置16が連結用紙P1に画像を印刷する第1印刷処理の流れを、
図5のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施形態では、第1印刷処理のプログラムは予め記憶部66に記憶されているが、これに限らない。例えば、第1印刷処理のプログラムが通信回線I/F部68を介して外部装置から受信されて記憶部66に記憶されても良い。また、半導体メモリ等の記録媒体に記録された第1印刷処理のプログラムが読み込まれることにより、第1印刷処理が実行されるようにしてもよい。
【0056】
また、本実施形態では、本第1印刷処理のプログラムは、上流印刷装置16が各々の画像の印刷を開始するタイミングで実行されるが、開始タイミングはこれに限らない。例えば、本第1印刷処理のプログラムは、画像の印刷を行っている間に操作表示部70により予め定めた操作がされたタイミングで開始されても良い。
【0057】
ステップS201では、上流印刷装置16の制御部36が、検出信号を検出装置14から受信したか否かを判定する。ステップS201で検出信号を受信したと判定した(S201,Y)はステップS203に移行し、検出信号を受信していないと判定した場合(S201,N)はステップS211に移行する。
【0058】
ステップS203では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺であることが想定されるため、制御部36が、連結用紙P1への印刷を一時停止する。
【0059】
ステップS205では、制御部36が、連結用紙P1にスキップすることを示す第1識別マークの一例であるスキップマークを形成する。本実施形態では、一例として
図6に示すように、連結用紙P1の各々のページにおける一辺に、スキップマーク84を形成する。なお、
図6に示す例では、スキップマーク84を三角形の形状で表現しているが、これに限らない。一例として
図7に示すように、スキップマーク84は、ページに関する情報、及び、本ページが、画像の印刷がスキップされたページであることを示す情報を含む識別マークとすると良い。
【0060】
ステップS206では、制御部36が、画像の印刷をスキップしたことをユーザに報知する。本実施形態では、画像の印刷をスキップしたことを示す情報を操作表示部70に表示させることにより、画像の印刷をスキップしたことをユーザに報知する場合について説明するが、報知方法はこれに限らない。例えば、画像の印刷をスキップしたことを示す音声を発生させることにより報知しても良く、警告音を発生させることにより報知しても良い。
【0061】
ステップS207では、制御部36が、ステップS203で印刷を一時停止してから予め定めた時間が経過したか否かを判定する。ここでいう予め定めた時間は、スキップ対象の最初のページが印刷位置を通過してからスキップ対象の最後のページが印刷位置を通過するまでの時間である。この予め定めた時間は、スキップを行うページ数に基づき、検出装置14によりパンチ穴が検出された位置から印刷位置までの、連結用紙P1の搬送経路に沿った長さと、連結用紙P1の搬送速度とから決定される。
【0062】
本実施形態では、スキップ対象のページを、連結部80を含むページ、連結部80を含むページの前の予め定めたページ数(例えば、2)のページ、及び連結部80を含むページの後の予め定めたページ数(例えば、2)のページとする。しかし、スキップ対象のページの決定方法はこれに限らず、任意に決定されて良い。
【0063】
ステップS207で予め定めた時間が経過したと判定した場合(S207,Y)はステップS209に移行し、予め定めた時間が経過していないと判定した場合(S207,N)は予め定めた時間が経過するまで待機する。
【0064】
ステップS209では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺ではなくなったことが想定されるため、制御部36が、ステップS203で一時停止した連結用紙P1への印刷を再開する。
【0065】
一方、ステップS211では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺でないことが想定されるため、制御部36が、連結用紙P1への印刷を継続する。
【0066】
ステップS213では、制御部36が、連結用紙P1に画像を印刷することを示す第2識別マークの一例である印刷マークを形成し、本第1印刷処理のプログラムの実行を終了する。本実施形態では、一例として
図6に示すように、連結用紙P1の各々のページにおける一辺に、印刷マーク86を形成する。なお、
図6に示す例では、印刷マーク86を四角形の形状で表現しているが、これに限らない。一例として
図8に示すように、印刷マーク86は、ページに関する情報、及び、本ページが、画像が印刷されたページであることを示す情報を含む識別マークとすると良い。
【0067】
次に、本実施形態に係る下流印刷装置20が連結用紙P1に画像を印刷する第2印刷処理の流れを、
図9のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施形態では、第2印刷処理のプログラムは予め記憶部66aに記憶されているが、これに限らない。例えば、第2印刷処理のプログラムが通信回線I/F部68aを介して外部装置から受信されて記憶部66aに記憶されても良い。また、半導体メモリ等の記録媒体に記録された第2印刷処理のプログラムが読み込まれることにより、第2印刷処理が実行されるようにしてもよい。
【0068】
また、本実施形態では、本第2印刷処理のプログラムは、下流印刷装置20が各々の画像の印刷を開始するタイミングで実行されるが、開始タイミングはこれに限らない。例えば、本第2印刷処理のプログラムは、画像の印刷を行っている間に操作表示部70aにより予め定めた操作がされたタイミングで開始されても良い。
【0069】
ステップS301では、下流印刷装置20の制御部50が、連結用紙P1に形成された識別マークを読み取った読み取り信号を読み取りセンサ48から取得する。
【0070】
ステップS303では、制御部50が、取得した読み取り信号によって示される識別マークがスキップマーク84であるか印刷マーク86であるかを判定する。ステップS303でスキップマーク84であると判定した場合(S303,Y)はステップS305に移行し、印刷マーク86であると判定した場合(S303,N)はステップS311に移行する。
【0071】
ステップS305では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺であることが想定されるため、制御部50が、連結用紙P1への印刷を一時停止する。
【0072】
ステップS306では、制御部50が、画像の印刷をスキップしたことをユーザに報知する。本実施形態では、画像の印刷をスキップしたことを示す情報を操作表示部70に表示させることにより、画像の印刷をスキップしたことをユーザに報知する場合について説明するが、報知方法はこれに限らない。例えば、画像の印刷をスキップしたことを示す音声を発生させることにより報知しても良く、警告音を発生させることにより報知しても良い。
【0073】
ステップS307では、制御部50が、ステップS305で印刷を一時停止してから予め定めた時間が経過したか否かを判定する。ここでいう予め定めた時間は、スキップ対象の最初のページが印刷位置を通過してからスキップ対象の最後のページが印刷位置を通過するまでの時間である。この予め定めた時間は、検出装置14によりパンチ穴が検出された位置から、印刷位置までの、連結用紙P1の搬送経路に沿った長さと、連結用紙P1の搬送の搬送速度とから決定される。
【0074】
ステップS307で予め定めた時間が経過したと判定した場合(S307,Y)はステップS309に移行し、予め定めた時間が経過していないと判定した場合(S307,N)は予め定めた時間が経過するまで待機する。
【0075】
ステップS309では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺でなくなったことが想定されるため、制御部50が、ステップS203で一時停止した連結用紙P1への印刷を再開する。
【0076】
一方、ステップS311では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺でないことが想定されるため、制御部50が、連結用紙P1への画像82の印刷を継続し、本第2印刷処理のプログラムの実行を終了する。
【0077】
このように、本実施形態では、上流印刷装置16により、複数の長尺用紙Pが連結された連結用紙P1に画像を印刷する際、複数の長尺用紙P1の連結部80では画像の印刷をスキップするように制御される。また、上流印刷装置16により、連結用紙P1の画像の印刷をスキップしたページに、画像の印刷をスキップしたことを示すスキップマーク84が形成される。また、下流印刷装置20により、連結用紙P1からスキップマーク84が検出される。また、下流印刷装置20により、スキップマーク84が検出された位置に対応する位置における画像の印刷をスキップするように制御される。
【0078】
より具体的には、連結用紙P1は、連結部80に対応する位置にパンチ穴を有し、上流印刷装置16により、パンチ穴の位置を検出する検出装置14からパンチ穴を検出したことを示す検出信号を受信したことにより連結部80の位置が認識される。また、上流印刷装置16により、認識した連結部80の位置の前後の予め定めたページ数のページの画像の印刷をスキップするように制御される。
【0079】
なお、第1実施形態では、検出装置14を上流印刷装置16とは別個に設けた場合について説明したが、これに限らず、検出装置14は上流印刷装置16(例えば、連結用紙P1の搬入口)に設けられていても良い。
【0081】
次に、第2実施形態に係る印刷システム10Aについて説明する。
【0082】
上記第1実施形態では、連結用紙P1にパンチ穴Hが設けられると共に、連結用紙P1からパンチ穴Hを検出することにより、複数の長尺用紙Pの連結部80を認識する場合について説明した。一方、本第2実施形態では、ユーザの操作に基づいて複数の長尺用紙Pの連結部80を認識する場合について説明する。
【0083】
図1及び
図10に示すように、第2実施形態に係る印刷システム10Aの構成は、前処理装置12を有しない点、検出装置14を有しない点、及び上流印刷装置16が操作スイッチ92を有する点以外は、上記第1実施形態に係る印刷システム10と同じである。従って、ここでは操作スイッチ92以外の各構成の説明を省略する。
【0084】
操作スイッチ92は、ユーザ操作によりオン/オフ状態が切り替えられ、オン状態からオフ状態に切り換えられ場合に、オン状態に切り替えられたことを示す切り替え信号を上流印刷装置16の制御部36に出力する。また、ユーザは、上流印刷装置16に搬入させる複数の長尺用紙Pを粘着テープT等により連結した場合に、操作スイッチ92をオン状態に切り替える。
【0085】
ここで、本実施形態に係る印刷システム10Aで用いる連結用紙P1は、一例として
図12に示すように、ページ毎にミシン目Mが設けられた複数の長尺用紙Pが粘着テープTにより連結されることにより形成されている。また、本第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、連結用紙P1にパンチ穴が設けられていない。
【0086】
また、本実施形態では、検出装置14が、上流印刷装置16が後述する第3印刷処理を行い、その後に、下流印刷装置20が連結用紙P1に画像を印刷する上述した第2印刷処理を行う。
【0087】
次に、本実施形態に係る上流印刷装置16が連結用紙P1に画像を印刷する第3印刷処理の流れを、
図11のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施形態では、第3印刷処理のプログラムは予め記憶部66に記憶されているが、これに限らない。例えば、第3印刷処理のプログラムが通信回線I/F部68を介して外部装置から受信されて記憶部66に記憶されても良い。また、半導体メモリ等の記録媒体に記録された第3印刷処理のプログラムが読み込まれることにより、第1印刷処理が実行されるようにしてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、本第3印刷処理のプログラムは、上流印刷装置16が各々の画像の印刷を開始するタイミングで実行されるが、開始タイミングはこれに限らない。例えば、本第3印刷処理のプログラムは、画像の印刷を行っている間に操作表示部70により予め定めた操作がされたタイミングで開始されても良い。
【0089】
ステップS401では、上流印刷装置16の制御部36が、切り替え信号を操作スイッチ92から受信したか否かを判定する。ステップS401で切り替え信号を受信したと判定した(S401,Y)はステップS403に移行し、切り替え信号を受信していないと判定した場合(S401,N)はステップS411に移行する。
【0090】
ステップS403では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺であることが想定されるため、制御部36が、連結用紙P1への印刷を一時停止する。
【0091】
ステップS405では、制御部36が、連結用紙P1に上述したスキップマーク84を形成する。本実施形態では、一例として
図13に示すように、連結用紙P1の各々のページにおける一辺に、上述したスキップマーク84を形成する。
【0092】
ステップS406では、制御部36が、画像の印刷をスキップしたことをユーザに報知する。本実施形態では、画像の印刷をスキップしたことを示す情報を操作表示部70に表示させることにより、画像の印刷をスキップしたことをユーザに報知する場合について説明するが、報知方法はこれに限らない。例えば、画像の印刷をスキップしたことを示す音声を発生させることにより報知しても良く、警告音を発生させることにより報知しても良い。
【0093】
ステップS407では、制御部36が、ステップS403で印刷を一時停止してから予め定めた時間が経過したか否かを判定する。ここでいう予め定めた時間は、スキップ対象の最初のページが印刷位置を通過してからスキップ対象の最後のページが印刷位置を通過するまでの時間である。この予め定めた時間は、上流印刷装置16における連結用紙P1の搬入位置から、印刷位置までの、連結用紙P1の搬送経路に沿った長さと、連結用紙P1の搬送速度とから決定される。
【0094】
ステップS407で予め定めた時間が経過したと判定した場合(S407,Y)はステップS409に移行し、予め定めた時間が経過していないと判定した場合(S407,N)は予め定めた時間が経過するまで待機する。
【0095】
ステップS409では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺ではなくなったことが想定されるため、制御部36が、ステップS403で一時停止した連結用紙P1への印刷を再開する。
【0096】
一方、ステップS411では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺でないことが想定されるため、制御部36が、連結用紙P1への印刷を継続する。
【0097】
ステップS413では、制御部36が、連結用紙P1に上述した印刷マーク86を形成し、本第1印刷処理のプログラムの実行を終了する。本実施形態では、一例として図
13に示すように、連結用紙P1の各々のページにおける一辺に、上述した印刷マーク86を形成する。
【0098】
このように、本実施形態では、上流印刷装置16により、複数の長尺用紙Pが連結された連結用紙P1に画像を印刷する際、複数の長尺用紙P1の連結部80では画像の印刷をスキップするように制御される。また、上流印刷装置16により、連結用紙P1の画像の印刷をスキップしたページに、画像の印刷をスキップしたことを示すスキップマーク84が形成される。また、下流印刷装置20により、連結用紙P1からスキップマーク84が検出される。また、下流印刷装置20により、スキップマーク84が検出された位置に対応する位置における画像の印刷をスキップするように制御される。
【0099】
より具体的には、上流印刷装置16により、操作スイッチ92により予め定めたユーザ操作を受け付けたことにより連結部80の位置が認識される。また、上流印刷装置16により、認識した連結部80の位置の前後の予め定めたページ数のページの画像の印刷をスキップするように制御される。
【0101】
次に、第3実施形態に係る印刷システム10Bについて説明する。
【0102】
上記第1実施形態では、連結用紙P1にパンチ穴Hが設けられると共に、連結用紙P1からパンチ穴Hを検出することにより、複数の長尺用紙Pの連結部80を認識する場合について説明した。一方、本第3実施形態では、連結用紙P1がないことが検出された後に、連結用紙P1があることが検出されたことにより、複数の長尺用紙Pの連結部80を認識する場合について説明する。すなわち、本第3実施形態では、上流印刷装置16により連結用紙P1の終端部まで印刷が行われ、上流印刷装置16において用紙切れが発生した場合を想定した実施形態である。この場合には、ユーザが連結用紙P1に対して長尺用紙Pを更に連結させる。
【0103】
図1及び
図14に示すように、第3実施形態に係る印刷システム10Bの構成は、前処理装置12を有しない点、検出装置14を有しない点、及び上流印刷装置16が用紙検出装置94を有する点以外は、上記第1実施形態に係る印刷システム10と同じである。従って、ここでは用紙検出装置94以外の各構成の説明を省略する。
【0104】
用紙検出装置94は、上流印刷装置16の連結用紙P1の搬入口に設けられ、上流印刷装置16に搬入される連結用紙P1の有無を検出する。連結用紙P1の有無を検出する方法としては、例えば、連結用紙P1に光を照射すると共に、照射した光の反射光の強さを計測し、計測した反射光の強さが閾値以上である場合に連結用紙P1があると判定する方法が用いられる。しかしながら、連結用紙P1の有無を検出する方法はこれに限らず、従来既知の任意の方法を用いて良い。
【0105】
用紙検出装置94は、連結用紙P1を検出した場合、連結用紙P1があることを示す用紙有信号を上流印刷装置16に送信する。また、用紙検出装置94は、連結用紙P1を検出していない場合、連結用紙P1がないことを示す用紙無信号を上流印刷装置16に送信する。
【0106】
ここで、本実施形態に係る印刷システム10Aで用いる連結用紙P1は、一例として
図12に示すように、ページ毎にミシン目Mが設けられた複数の長尺用紙Pが粘着テープTにより連結されることにより形成されている。また、本第3実施形態では、第1実施形態とは異なり、連結用紙P1にパンチ穴が設けられていない。
【0107】
また、本実施形態では、検出装置14が、上流印刷装置16が後述する第4印刷処理を行い、その後に、下流印刷装置20が連結用紙P1に画像を印刷する上述した第2印刷処理を行う。
【0108】
次に、本実施形態に係る上流印刷装置16が連結用紙P1に画像を印刷する第4印刷処理の流れを、
図15のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施形態では、第4印刷処理のプログラムは予め記憶部66に記憶されているが、これに限らない。例えば、第4印刷処理のプログラムが通信回線I/F部68を介して外部装置から受信されて記憶部66に記憶されても良い。また、半導体メモリ等の記録媒体に記録された第4印刷処理のプログラムが読み込まれることにより、第1印刷処理が実行されるようにしてもよい。
【0109】
また、本実施形態では、本第4印刷処理のプログラムは、上流印刷装置16が用紙有信号を受信して画像の印刷を行っている際、各々の画像の印刷を開始するタイミングで実行されるが、開始タイミングはこれに限らない。例えば、本第4印刷処理のプログラムは、上流印刷装置16が用紙有信号を受信して画像の印刷を行っている際、操作表示部70により予め定めた操作がされたタイミングで開始されても良い。
【0110】
ステップS601では、上流印刷装置16の制御部36が、有り信号を検出している状態から用紙無信号を用紙検出装置94から受信したか否かを判定する。ステップS601で有り信号を検出している状態から用紙無信号を受信したと判定した(S601,Y)はステップS603に移行する。また、ステップS601用紙無信号を受信していないと判定した場合(S601,N)はステップS613に移行する。
【0111】
ステップS603では、制御部36が、用紙有信号を用紙検出装置94から受信したか否かを判定する。ステップS603で用紙有信号を受信したと判定した(S603,Y)はステップS605に移行し、用紙有信号を受信していないと判定した場合(S603,N)は用紙有信号を用紙検出装置94から受信するまで待機する。
【0112】
ステップS605では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺であることが想定されるため、制御部36が、連結用紙P1への印刷を一時停止する。
【0113】
ステップS606では、制御部36が、画像の印刷をスキップしたことをユーザに報知する。本実施形態では、画像の印刷をスキップしたことを示す情報を操作表示部70に表示させることにより、画像の印刷をスキップしたことをユーザに報知する場合について説明するが、報知方法はこれに限らない。例えば、画像の印刷をスキップしたことを示す音声を発生させることにより報知しても良く、警告音を発生させることにより報知しても良い。
【0114】
ステップS607では、制御部36が、連結用紙P1に上述したスキップマーク84を形成する。本実施形態では、一例として
図13に示すように、連結用紙P1の各々のページにおける一辺に、上述したスキップマーク84を形成する。
【0115】
ステップS609では、制御部36が、ステップS605で印刷を一時停止してから予め定めた時間が経過したか否かを判定する。ここでいう予め定めた時間は、スキップ対象の最初のページが印刷位置を通過してからスキップ対象の最後のページが印刷位置を通過するまでの時間である。この予め定めた時間は、用紙検出装置94による検出位置から、印刷位置までの、連結用紙P1の搬送経路に沿った長さと、連結用紙P1の搬送速度とから決定される。
【0116】
ステップS609で予め定めた時間が経過したと判定した場合(S609,Y)はステップS611に移行し、予め定めた時間が経過していないと判定した場合(S609,N)は予め定めた時間が経過するまで待機する。
【0117】
ステップS611では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺ではなくなったことが想定されるため、制御部36が、ステップS605で一時停止した連結用紙P1への印刷を再開する。
【0118】
一方、ステップS613では、連結用紙P1における印刷位置が連結部80の近辺でないことが想定されるため、制御部36が、連結用紙P1への印刷を継続する。
【0119】
ステップS615では、制御部36が、連結用紙P1に上述した印刷マーク86を形成し、本第1印刷処理のプログラムの実行を終了する。本実施形態では、一例として
図12に示すように、連結用紙P1の各々のページにおける一辺に、上述した印刷マーク86を形成する。
【0120】
このように、本実施形態では、上流印刷装置16により、複数の長尺用紙Pが連結された連結用紙P1に画像を印刷する際、複数の長尺用紙P1の連結部80では画像の印刷をスキップするように制御される。また、上流印刷装置16により、連結用紙P1の画像の印刷をスキップしたページに、画像の印刷をスキップしたことを示すスキップマーク84が形成される。また、下流印刷装置20により、連結用紙P1からスキップマーク84が検出される。また、下流印刷装置20により、スキップマーク84が検出された位置に対応する位置における画像の印刷をスキップするように制御される。
【0121】
より具体的には、上流印刷装置16により、連結用紙80の有無を検出する用紙検出装置94から、連結用紙80が有る状態を示す用紙有信号、連結用紙80が無い状態を示す用紙無信号、及び用紙有信号の順で受信したことにより連結部80の位置が認識される。また、上流印刷装置16により、認識した連結部80の位置の前後の予め定めたページ数のページの画像の印刷をスキップするように制御される。
【0122】
第1実施形態乃至第3実施形態によると、例えば、ユーザが長尺用紙の一部をカットし、連結部を含むページが短くなってしまった場合でも、下流印刷装置20で適切な位置で画像が印刷されると共に、適切な位置で印刷がスキップされる。
【0123】
なお、第1実施形態乃至第3実施形態では、上流印刷装置16及び下流印刷装置20が各々異なる上位情報処理装置に接続されている場合について説明したが、これに限らない。例えば、上流印刷装置16及び下流印刷装置20が同一の上位情報処理装置に接続されていても良い。
【0124】
また、第1実施形態乃至第3実施形態では、上流印刷装置16及び下流印刷装置20が各々制御部36、50を有していて、各々の制御部36、50で印刷処理を制御する場合について説明したが、これに限らない。例えば、上流印刷装置16及び下流印刷装置20が同一の制御部により制御されても良い。
【0125】
また、上流印刷装置16及び下流印刷装置20が、トナーを用いて画像を印刷する印刷装置である場合について説明したが、印刷方法はこれに限らない。例えば、インクを用いて画像を印刷する印刷装置であっても良い。
【0126】
また、上記各実施形態で説明した印刷システム10、10A、10Bの構成(
図1、
図10、
図14参照。)は一例である。すなわち、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0127】
また、上記各実施形態で説明した各種プログラムの処理の流れ(
図3〜5、
図11、
図15、
図16参照。)も一例である。すなわち、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。