(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る金銭処理装置の好適な実施形態について詳細に説明する。ここで例示する金銭処理装置は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗においてPOSレジスタ装置等の上位機器に接続される入出金機として用いられるものである。
【0014】
図1〜
図3に示すように、金銭処理装置100は、紙幣部1と硬貨部2と報知出力部3(報知手段)とを備えている。紙幣部1は、紙幣投入口10と紙幣収納庫11と紙幣出金口12とを備えている。紙幣投入口10は、紙幣を金銭処理装置100の内部に受け入れるための開口である。紙幣収納庫11は、紙幣投入口10に投入された紙幣を収納するものであり、千円紙幣を収納する千円紙幣収納庫11aと、千円紙幣以外の紙幣を収納する混合紙幣収納庫11bとを備えている。紙幣出金口12は、紙幣を紙幣収納庫11から金銭処理装置100の外部に払い出すための開口である。
【0015】
図4に示すように、紙幣部1は、更に、入金部14と、出金部15と、回収庫13と、入金紙幣識別手段16と、出金紙幣識別手段17とを備えている。入金部14は、紙幣投入口10から投入された紙幣を装置内に導入する部分である。出金部15は、紙幣を紙幣出金口12に繰り出す部分である。出金部15は、紙幣収納庫11から1枚ずつ繰り出される紙幣を溜める貯留部を有しており、紙幣を溜めてから紙幣出金口12に出金することができるようになっている。出金部15には、出金部15に紙幣が溜められているかを判別するセンサが備えられている。回収庫13は、1万円札等のお釣りとして出金しない紙幣を回収する収納庫である。入金紙幣識別手段16は、入金されてきた紙幣の金種や真贋や向きを検出するためのものであり、磁気センサや光センサから構成されている。出金紙幣識別手段17は、出金される紙幣の金種や向きを検出するためのものであり、光センサから構成されている。入金部14、出金部15、回収庫13、入金紙幣識別手段16、出金紙幣識別手段17、紙幣収納庫11は、紙幣搬送機構18によって接続されている。
【0016】
硬貨部2は、
図1〜3に示すように、硬貨投入口21と、硬貨収納庫22と、硬貨出金口23とを備えている。硬貨投入口21は、投入された硬貨を硬貨部2の内部に受け入れるための開口である。硬貨収納庫22は、硬貨投入口21に投入された硬貨を金種毎に収納するものである。硬貨出金口23は、硬貨を硬貨収納庫22から外部に払い出すための開口である。
【0017】
報知出力部3は、制御部30から出力指令が与えられた場合に出力指令に応じた外部出力を行う部分である。報知出力部としては画像を出力する液晶表示器や音を出力するスピーカやブザーを備えて構成してある。
【0018】
制御部30は、
図5に示すように、真贋判定部31と、金種判別部32と、紙幣向判別部33と、報知制御部34とを備えている。真贋判定部31は、入金紙幣識別手段16によって検出された情報をもとに、紙幣の真贋を判定するものである。金種判別部32は、入金紙幣識別手段16あるいは出金紙幣識別手段17によって検出された情報をもとに、紙幣の金種を判別するものである。紙幣向判別部33は、入金紙幣識別手段16あるいは出金紙幣識別手段17によって検出された情報をもとに紙幣の向きを判別するものである。報知制御部34は、出金される紙幣の向きが出金される他の紙幣と異なる場合、そのことを報知出力部3を介して報知するものである。
【0019】
尚、上述の構成を有する制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現しても良いし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現しても良い。
【0020】
金銭処理装置100は、POSレジスタ装置からの入金指示が来た際に入金待機状態となる。入金待機状態において紙幣投入口10に投入された紙幣は、入金部14の図示しない投入検出センサによって検出された後、紙幣搬送機構18によって入金紙幣識別手段16に搬送される。ここで、入金紙幣識別手段16の検出結果をもとに、真贋判定部31が紙幣の真贋を判別する。また、入金紙幣識別手段16の検出結果をもとに、金種判別部32が紙幣の金種を判別する。また、入金紙幣識別手段16の検出結果をもとに紙幣向判別部33が紙幣の向きを判別してもよい。制御部30は、入金紙幣識別手段16の検出結果をもとに紙幣の種類ごとの枚数を計数する。ここで紙幣が偽物であると判別された場合には、紙幣搬送機構18によってこの紙幣が入金部14に戻される。一方、紙幣が偽物でないと判別された場合、この紙幣は、金種判別部32の判別結果をもとに、紙幣搬送機構18によって、金種に応じた紙幣収納庫11に搬送され、収納される。制御部30は、投入されたすべての紙幣について上述の処理を行う。
【0021】
制御部30は、入金待機状態において硬貨投入口21に投入された貨幣を金種毎に鑑別して計数し、金種毎に設けられた硬貨収納庫22に収納する。制御部30は、硬貨投入口21に投入された金額と、紙幣投入口10に投入された金額とをあわせた金額をPOSレジスタに通知する。
【0022】
一方、出金指示があった場合、紙幣搬送機構18は、対応する金種の紙幣を紙幣収納庫11から取り出し、出金紙幣識別手段17に1枚ずつ搬送する。ここで、搬送されてきた紙幣が千円札の場合、出金紙幣識別手段17の検出結果に基づいて紙幣向判別部33が紙幣の向きを判別する。紙幣の向きが出金する他の紙幣と異なる場合、報知制御部34が報知出力部3を介してそのことを報知する。判別を終えた紙幣は、紙幣搬送機構18によって、出金部15に溜められるか出金部15を介して紙幣出金口12から出金される。尚、出金指示が5千円札であった場合、混合紙幣収納庫11bから取り出された紙幣は、出金紙幣識別手段17と、金種判別部32とによって、紙幣の種類が識別される。その結果、搬送されてきた紙幣が5千円札の場合、千円札の場合と同様に、紙幣向判別部33によって向きが判別され、向きが出金する他の紙幣と異なる場合報知される。また、その紙幣は、出金部15に溜められるか、出金部15を介して紙幣出金口12から出金される。搬送されてきた紙幣が、1万円札だった場合、紙幣は、紙幣搬送機構18によって回収庫13に搬送され収納される。出金部15に溜められた紙幣は、釣銭として出金される枚数に達するか、向きが出金する他の紙幣と異なる紙幣が出金されるのに伴い出金される。制御部30は、釣銭として出金される金額に達するまで上述の処理を行う。硬貨部2も同様に、出金指示に基づいて出金する金種および貨幣の枚数を決定して収納庫22から釣銭を出金する。
【0023】
図6は、出金指示が来たら制御部30が実行する紙幣向報知出金処理の内容を示すフローチャートである。以下、制御部30の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0024】
制御部30は、出金される紙幣が出金紙幣識別手段17に搬送されてきたか監視する(ステップS98)。制御部30は、出金される紙幣が出金紙幣識別手段17に搬送されてきていない場合(ステップS98,No)、監視を継続する。出金される紙幣が出金紙幣識別手段17に搬送されてきた場合(ステップS98,Yes)、制御部30は、出金部15に紙幣が溜められているかを判別する(ステップS99)。制御部30は、出金部15に紙幣が溜められていない場合(ステップS99,No)、搬送されてきた紙幣の向き(表裏上下)を紙幣向判別部33によって判別して記憶部40に記憶する(ステップS100)。その後、制御部30は、紙幣を出金部15に搬送するとともに、出金カウンタを1加算する(ステップS102)。出金カウンタは、出金部15に送られた紙幣の枚数を数えるものであり、記憶部40に記憶されているものである。紙幣は、出金部15に溜められる。また、出金部15に紙幣が溜められている場合(ステップS99,Yes)、制御部30は、搬送されてきた紙幣の向きが記憶部40に記憶されている紙幣の向きと合致しているか紙幣向判別部33によって判別する(ステップS101)。
【0025】
制御部30は、搬送されてきた紙幣の向きが記憶部40に記憶されている紙幣の向きと合致している場合(ステップS101,Yes)、紙幣を出金部15に搬送するとともに、出金カウンタを1加算する(ステップS102)。紙幣は、出金部15に溜められる。その後、制御部30は、出金カウンタを参照して、出金部15に送られた紙幣の枚数が、今回出金する紙幣の枚数に達したかどうかを判別する(ステップS103)。
【0026】
制御部30は、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達してない場合(ステップS103,No)、ステップS98に戻る。制御部30は、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達している場合(ステップS103,Yes)、出金部15に溜められていた紙幣を紙幣出金口12から出金するとともに、出金カウンタを0にセットし(ステップS104)、今回の処理を終了する。金銭処理装置100の操作者は、何も報知されないで出金されたことから、出金される紙幣の向きが全て同じであることがわかり、紙幣の向きを確認する手間を省くことができる。
【0027】
制御部30は、搬送されてきた紙幣の向きが記憶部40に記憶されている紙幣の向きと合致していない場合(ステップS101,No)、搬送されてきた紙幣の向きが出金部15に溜められた他の紙幣の向きと合致していないことを報知制御部34によって報知出力部3を介して報知する(ステップS105)。続いて、制御部30は、搬送されてきた紙幣を出金部15を介して紙幣出金口12に出金を行うとともに、出金カウンタに1を加算する(ステップS106)。このとき、出金部15に紙幣があった場合、搬送されてきた紙幣と一緒に出金される。
【0028】
金銭処理装置100の操作者は、出金される紙幣が複数枚ある場合において、報知により、出金される紙幣の内、最後に出金部15を通った紙幣の向きが他の紙幣の向きと異なることがわかり、紙幣の向きを確認する手間を省くことができる。また、この際、最後に出金部15を通った紙幣の向きだけを揃えればよいので、金銭処理装置100の操作者は、容易に紙幣の向きを揃えることができる。
【0029】
その後、制御部30は、出金カウンタを参照して、出金部15に送られた紙幣の枚数が、今回出金する紙幣の枚数に達したかどうかを判別する(ステップS107)。制御部30は、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達している場合(ステップS107,Yes)、出金カウンタを0にセットし(ステップS108)、今回の処理を終了する。
【0030】
制御部30は、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達してない場合(ステップS107,No)、出金された紙幣が紙幣出金口12から抜き取られたかどうか監視する(ステップS109)。制御部30は、出金された紙幣が抜き取られていない場合(ステップS109,No)、そのまま監視を継続する(ステップS109)。出金処理は一時停止される。制御部30は、出金された紙幣が抜き取られた場合(ステップS109,Yes)、ステップS98に戻る。
【0031】
この金銭処理装置100は、出金される紙幣が複数枚ある場合において、出金される紙幣の中に他の紙幣の向きと異なる向きの紙幣があった場合、そのことを報知するので、金銭処理装置100の操作者は、紙幣の向きを1枚1枚確認する手間を省くことができる。また、入金時に紙幣の向きを揃えるという手間を省くことができる。従って、金銭処理装置100の操作者の負担を軽くすることができる。また、この金銭処理装置100は、向きが異なる紙幣が搬送されてくる度に出金処理が停止し、紙幣を取り出さない限りその状態が維持されるので、操作者は、出金される紙幣の向きを容易に揃えることができる。
【0032】
上述の実施形態では、向きの異なる紙幣が搬送されて来る度に出金をして出金処理を一時停止していたが、
図7に示す紙幣向報知出金処理の第二実施形態のように、出金すべき紙幣が全て揃ってから出金を行うことも可能である。
図7は、紙幣向報知出金処理の第二実施形態を示すフローチャートである。以下、制御部30の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0033】
制御部30は、出金される紙幣が出金紙幣識別手段17に搬送されてきたか監視する(ステップS198)。制御部30は、出金される紙幣が出金紙幣識別手段17に搬送されてきていない場合(ステップS198,No)、監視を継続する。制御部30は、出金される紙幣が出金紙幣識別手段17に搬送されてきた場合(ステップS198,Yes)、制御部30は、出金部15に紙幣が溜められているかを判別する(ステップS199)。制御部30は、出金部15に紙幣が溜められていない場合(ステップS199,No)、搬送されてきた紙幣の向きを紙幣向判別部33によって判別して記憶部40に記憶する(ステップS200)。その後、制御部30は、紙幣を出金部15に搬送するとともに、出金カウンタに1を加算する(ステップS203)。紙幣は、出金されずに出金部15に溜められる。また、出金部15に紙幣が溜められている場合(ステップS199,Yes)、搬送されてきた紙幣の向きが記憶部40に記憶されている紙幣の向きと合致しているか紙幣向判別部33によって判別する(ステップS201)。
【0034】
制御部30は、搬送されてきた紙幣の向きが記憶部40に記憶されている紙幣の向きと合致していない場合(ステップS201,No)、搬送されてきた紙幣の向きが記憶部40に記憶されている紙幣の向きと合致していないことを記憶部40に記憶する(ステップS202)。その後、制御部30は、紙幣を出金部15に搬送するとともに、出金カウンタに1を加算する(ステップS203)。紙幣は、出金されずに出金部15に溜められる。
【0035】
制御部30は、搬送されてきた紙幣の向きが記憶部40に記憶されている紙幣の向きと合致している場合も(ステップS201,Yes)、紙幣を出金部15に搬送するとともに、出金カウンタに1を加算する(ステップS203)。紙幣は、出金されずに出金部15に溜められる。その後、制御部30は、出金カウンタを参照し、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達したかどうかを判定する(ステップS204)。制御部30は、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達してない場合(ステップS204,No)、ステップS198に戻る。
【0036】
制御部30は、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達している場合(ステップS204,Yes)、記憶部40を参照し、今回出金する紙幣の中に他の紙幣と向きが異なる紙幣があったかどうかを判別する(ステップS205)。今回出金する紙幣の中に他の紙幣と向きが異なる紙幣があった場合(ステップS205,Yes)、制御部30は、今回出金する紙幣の中に他の紙幣と向きが異なる紙幣があったことを報知制御部34によって報知出力部3を介して報知する(ステップS206)。この際、何枚目の紙幣の向きが異なるか表示するとよい。その後、制御部30は、出金部15にある紙幣を紙幣出金口12に出金するとともに出金カウンタを0にセットする(ステップS207)。制御部30は、今回の処理を終了する。金銭処理装置100の操作者は、報知により、出金される紙幣の中に他の紙幣と向きが異なる紙幣が含まれていることがわかり、紙幣の向きを確認する手間を省くことができる。
【0037】
今回出金する紙幣の中に他の紙幣と向きが異なる紙幣がなかった場合(ステップS205,No)も、制御部30は、出金部15にある紙幣を紙幣出金口12に出金するとともに出金カウンタを0にセットする(ステップS207)。その後、制御部30は、今回の処理を終了する。この場合、金銭処理装置100の操作者は、何も報知されないので、出金される紙幣の向きが全て同じであることがわかり、紙幣の向きを確認する手間を省くことができる。
【0038】
本実施形態の金銭処理装置100は、出金されるべき紙幣をまとめて出金するので、向きの異なる紙幣が搬送されて来る度に出金をして出金処理を一時停止する先の実施形態と比較して、早く出金を行うことができる。
【0039】
上述の実施形態では、出金される紙幣の中に他の紙幣と向きが異なる紙幣があった場合、その旨を報知するようにしているが、
図8に示す紙幣向報知出金処理の第三実施形態のように、紙幣の向きが予め定められた向きと異なる向きであった場合に、その旨を報知するようにしてもよい。
図8は、紙幣向報知出金処理の第三実施形態を示すフローチャートである。以下、制御部30の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0040】
制御部30は、出金される紙幣が出金紙幣識別手段17に搬送されてきたか監視する(ステップS300)。制御部30は、出金される紙幣が出金紙幣識別手段17に搬送されてきていない場合(ステップS300,No)、監視を継続する。出金される紙幣が出金紙幣識別手段17に搬送されてきた場合(ステップS300,Yes)、制御部30は、搬送されてきた紙幣の向きが予め定められた向きと合致しているか紙幣向判別部33によって判別する(ステップS301)。
【0041】
制御部30は、搬送されてきた紙幣の向きが予め定められた向きと合致している場合(ステップS301,Yes)、紙幣を出金部15に搬送するとともに、出金カウンタを1加算する(ステップS302)。出金カウンタは、出金部15に送られた紙幣の枚数を数えるものであり、記憶部40に記憶されているものである。紙幣は、出金部15に溜められる。その後、制御部30は、出金カウンタを参照して、出金部15に送られた紙幣の枚数が、今回出金する紙幣の枚数に達したかどうかを判別する(ステップS303)。
【0042】
制御部30は、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達してない場合(ステップS303,No)、ステップS300に戻る。制御部30は、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達している場合(ステップS303,Yes)、出金部15に溜められていた紙幣を紙幣出金口12から出金するとともに、出金カウンタを0にセットし(ステップS304)、今回の処理を終了する。金銭処理装置100の操作者は、何も報知されないで出金されたことから、出金される紙幣の向きが予め決められた向きと同じであることがわかり、紙幣の向きを確認する手間を省くことができる。
【0043】
制御部30は、搬送されてきた紙幣の向きが予め定められた向きと合致していない場合(ステップS301,No)、搬送されてきた紙幣の向きが予め定められた向きと合致していないことを報知制御部34によって報知出力部3を介して報知する(ステップS305)。続いて、制御部30は、搬送されてきた紙幣を出金部15を介して紙幣出金口12に出金を行うとともに、出金カウンタに1を加算する(ステップS306)。このとき、出金部15に紙幣があった場合、搬送されてきた紙幣と一緒に出金される。
【0044】
金銭処理装置100の操作者は、報知により、出金される紙幣の向きが予め決められた向きと異なることがわかり、紙幣の向きを確認する手間を省くことができる。また、出金される紙幣が複数ある場合も、最後に出金部15を通った紙幣の向きだけを揃えればよいので、金銭処理装置100の操作者は、容易に紙幣の向きを揃えることができる。
【0045】
その後、制御部30は、出金カウンタを参照して、出金部15に送られた紙幣の枚数が、今回出金する紙幣の枚数に達したかどうかを判別する(ステップS307)。制御部30は、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達している場合(ステップS307,Yes)、出金カウンタを0にセットし(ステップS308)、今回の処理を終了する。
【0046】
制御部30は、出金部15に搬送した紙幣の枚数が今回出金する紙幣の枚数に達してない場合(ステップS307,No)、出金された紙幣が紙幣出金口12から抜き取られたかどうか監視する(ステップS309)。制御部30は、出金された紙幣が抜き取られていない場合(ステップS309,No)、そのまま監視を継続する(ステップS309)。出金処理は一時停止される。制御部30は、出金された紙幣が抜き取られた場合(ステップS309,Yes)、ステップS300に戻る。
【0047】
この金銭処理装置100は、出金時に出金される紙幣の向きが予め定められている向きと異なる場合、そのことを報知するので、金銭処理装置100の操作者は、紙幣の向きを1枚1枚確認する手間を省くことができる。また、入金時に紙幣の向きを揃えるという手間を省くことができる。従って、金銭処理装置100の操作者の負担を軽くすることができる。また、この金銭処理装置100は、向きが異なる紙幣が搬送されてくる度に出金処理が停止し、紙幣を取り出さない限りその状態が維持されるので、操作者は、出金される紙幣の向きを容易に揃えることができる。
【0048】
上述の実施の形態においては、出金する紙幣に他の紙幣と向きが異なる紙幣があった場合の報知の仕方は、表示もしくはブザーもしくは音声出力のどれかであるが、これらの組み合わせであってもよい。上述の実施の形態では、報知制御部34は、報知出力部3を介して報知を行っているが、外部の表示端末や外部のブザー等の外部の報知手段を介して報知を行ってもよい。
【0049】
上述の実施の形態では、紙幣向判別部33は、出金紙幣識別手段17から送られてきた信号をもとに、紙幣の向きを判別しているが、入金時に入金紙幣識別手段16から送られてきた信号をもとに紙幣の向きを判別し、入金時の紙幣の向きと識別番号を記憶部40に記憶させておき、出金時に、その情報をもとに出金する紙幣の向きを判別してもよい。金銭処理装置100は、硬貨部2を備えているが、紙幣部1だけでもよい。
【0050】
金銭処理装置100は、出金時に紙幣の向きが揃っている場合、そのことを報知するようにしてもよい。上述の実施の形態では、出金する紙幣の中に他の紙幣と異なる向きの紙幣があった場合、そのことを報知してから出金しているが、出金してから報知してもよく、また報知と同時に出金してもよい。
【0051】
上述の実施の形態では、出金時に、出金紙幣識別手段17で紙幣の向きを識別しているが、出金時に、入金紙幣識別手段16で紙幣の向きを識別してもよい。入金紙幣識別手段16と出金紙幣識別手段17とは、紙幣搬送機構18の搬送経路を変えることにより、1つにまとめてもよい。出金する紙幣は、出金部15に溜めてから出金しているが、一枚一枚紙幣出金口12から出金するようにしてもよい。その際には、紙幣出金口12に抜き取り可能に紙幣を溜められるようにするとよい。