(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
クレーン車に設けられたカメラで撮影された画像を表示するカメラ画像表示領域及び前記クレーン車の作業状態を示す画像を表示する作業状態表示領域を有する画像表示部と、
前記カメラ画像表示領域及び前記作業状態表示領域に各画像を表示する表示制御部と、
前記カメラ画像表示領域に前記画像を表示するカメラに関する情報が記憶される記憶部と、
カメラの設定操作を受け付ける受付部と、
を備え、
前記表示制御部は、複数のカメラの中から、前記カメラ画像表示領域に前記画像を表示するカメラを設定するカメラ設定画面を前記画像表示部に表示し、前記受付部で受け付けた前記カメラの設定操作に応じて、該カメラに関する情報を前記記憶部に記憶するとともに、前記記憶部に記憶された前記カメラに関する情報に対応する前記カメラで撮影された前記画像を、前記カメラ画像表示領域に表示するように構成され、
前記カメラ設定画面が、複数のカメラで撮影された前記画像が一覧で表示されるカメラ画像一覧表示領域と、前記画像を表示する前記カメラを設定する複数のカメラ設定ボタン領域と、を有していることを特徴とする画像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る画像表示システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
<クレーンの概略構成>
図1は、作業車両の一例としてのクレーン車1を左側方から見た側面図、
図2は
図1のクレーン車1を上方から見た平面図である。
【0011】
図示のクレーン車1は、走行体(キャリヤ)2と旋回体3とを備える。走行体2は、走行機能を有する車両の本体部分(車体)であり、複数の車輪と、車輪および旋回体3を駆動する駆動源とを有する。走行体2は、
図2に示す平面視で、前後方向(図示における縦方向)が車幅方向(図示おいて横方向)よりも長い略長方形状を呈する。走行体2は、前側及び後側に各々左右一対のアウトリガ4(
図1参照)を備えている。各アウトリガ4は、車幅方向に張り出して接地することで、ブーム7を用いた作業時(作業モード)に走行体2を安定して支持する。
【0012】
旋回体3は、
図1に示すように、走行体2の上方に配置されて、水平に旋回可能に設けられ、一体的に旋回可能なキャビン5とブームサポート6とを有している。キャビン5は、オペレータOpが各種の操作を行うための車室であり、車幅方向の右側に偏って配置されている。キャビン5の内部には、各種の操作に対応した操作部が設けられている。各種の操作としては、例えば、旋回体3の旋回、ブーム7の起伏及び伸縮、ブームサポート6に設けられた主巻ドラムと補巻ドラムからなるウインチドラム8の巻上げ及び巻下げ、各アウトリガ4の張り出し及び格納、駆動源であるエンジンの始動及び停止等がある。また、キャビン5の内部には、後述する画像表示装置10(
図3参照)の表示制御部12、画像表示部15及び受付部16が配置されている。
【0013】
ブームサポート6は、伏した状態で前後方向に延びたブーム7が取り付けられた部材であり、ブーム7の基端部がブーム根本支点ピンを介してブームサポート6に取り付けられている。ブームは、ブーム根本支点ピンを中心にして回転自在に支持されている。ブームサポート6とブーム7との間に起伏用シリンダが設けられていて、起伏用シリンダを伸縮することにより、ブーム7はブーム根本支点ピンを中心に回転して服した状態から立ち上がり、又立ち上がった状態から伏した状態に起伏動作する。
【0014】
ブーム7は、例えば、内部で伸縮シリンダにより連結された基端ブーム部と中間ブーム部と先端ブーム部とを有している。各伸縮が縮んだ状態では、基端ブーム部の内側に中間ブーム部が配置され、中間ブーム部の内側に先端ブーム部が配置された入れ子式に組み合わされて、ブーム7は縮んだ状態となる。この状態では、
図1に示すように、ブーム7の前端部7aが走行体2よりも前方に突出する。一方、各伸縮シリンダが伸びると、基端ブーム部の内側から中間ブーム部が突出し、中間ブーム部の内側から先端ブーム部が突出して、ブーム7は延びた状態となる。
【0015】
先端ブーム部の先端に配置されたシーブには、ウインチドラム8の主巻ドラムに巻回されたワイヤロープ(主巻ロープ)8aが掛け回されている。このワイヤロープ8aには、フック(主フック)9が設けられている。また、ジブの先端部に配置されたシーブに、ウインチドラム8の補巻ドラムに巻回されたワイヤロープ(補巻ロープ)8aが掛け回されている。このワイヤロープ8aには、フック(補フック)9’が設けられている。
【0016】
各フック9,9’には、玉掛け用具により荷物が掛けられる。各フック9,9’に掛けられた荷物は、ブーム7の起伏及び伸縮、旋回体3の旋回並びにウインチドラム8へのワイヤロープ8aの巻き上げ及び巻き下げの各動作の1つ以上により、吊り上げ、移動、吊り下しというクレーン作業に供される。
【0017】
また、クレーン車1には、情報取得部17が設けられている(
図3参照)。情報取得部17は、クレーン車1に設けられた各種センサや操作スイッチから、クレーン車1に関する各種の情報を取得する。この情報としては、例えば、クレーン車1が走行モードであるかブーム7を使用する作業モードであるかを示すモード情報、ブーム7の起伏角度、伸長長さ、旋回角、ジブ角度、作業半径、ワイヤ掛け数状態、実荷重、揚程、定格荷重、モーメント負荷率、アウトリガ4の張り出し状態等を示す作業状態情報等がある。情報取得部17としては、例えば、クレーン車1の過負荷防止装置(AML)等が挙げられる。
【0018】
<カメラの構成>
クレーン車1には、複数のカメラ11が設けられている。例えば、本実施形態では、
図1、
図2に示すように、ドラム監視カメラ11a、リアカメラ11b、ブーム左カメラ11c、ブーム右カメラ11dの4つのカメラ11が設けられている。なお、カメラ11の台数や設置位置は適宜設定することができ、本実施の形態の構成に限定されることはない。例えば、走行体2の前端を撮影するフロントカメラ、旋回体3の右側や左側を撮影する右カメラや左カメラ、走行体2の左後方を撮影するワイドサイドビューカメラ等を設けることができる。
【0019】
ドラム監視カメラ11aは、ウインチドラム8の近傍に設けられて、ウインチドラム8を、主巻ドラムと補巻ドラム及びそれぞれのワイヤロープ8aを含むように、ドラム画像Paとして撮影する。リアカメラ11bは、走行体2の後端部に設けられて、走行体2の後端部を含む後方の領域を、後方画像Pbとして撮影する。
【0020】
ブーム左カメラ11cは、ブーム7のうちの先端ブームの先端左側部に設けられて、ブーム7の左側方の領域を、ブーム左方画像Pcとして撮影する。ブーム右カメラ11dは、ブーム7のうちの先端ブームの先端右側部に設けられて、ブーム7の右側方の領域を、ブーム右方画像Pdとして撮影する。
【0021】
<画像表示装置の構成>
図3は、画像表示装置10の構成を示すブロック図である。この
図3には、画像表示装置10に接続される4つのカメラ11、情報取得部17等も表示している。クレーン車1には、4つのカメラ11で撮影されたカメラ画像や作業状態を示す作業状態画像をオペレータOpに提示する画像表示装置10が設けられている。
【0022】
画像表示装置10は、
図3に示すように、画像を表示する液晶ディスプレイ等の画像表示部15と、画像表示部15に表示する画像を切り替える操作を受け付ける受付部16と、画像表示部15に表示する各種画像を生成し、表示する表示制御部12とを備えている。画像表示装置10は、例えば、マルチファンクションディスプレイ(MFD)等によって構築することができる。
【0023】
表示制御部12には、4つのカメラ11でそれぞれ撮影されたカメラ画像や、情報取得部17からの作業状態情報が入力される。表示制御部12は、カメラ画像に処理を施して画像表示部15に単独で表示したり、作業状態情報に基づいて作業状態画像を生成して画像表示部15に単独で表示したり、カメラ画像と作業状態画像とを並べて画像表示部15に表示したりする。また、受付部16が受け付けた操作に応じて、画像表示部15に表示する画像を切り替えたり、作業状態画像と並べて表示するカメラ画像を取得するカメラ11を設定する設定画面を表示したりする。
【0024】
図4は、画像表示部15、受付部16及び表示制御部12が設置されたキャビン5の内部を示す模式図である。受付部16は、画像表示部15の表示面に設けられたタッチパネルである。また、受付部16として、上下左右の矢印キー、リターンキー、キャンセルキー等を有する操作盤や操作スイッチを別個に設けることもできる。
【0025】
画像表示部15、受付部16及び表示制御部12は、
図6に示すように、いずれもキャビン5の内部に設けられていて、画像表示部15は、キャビン5の内部の前部で左隅に配置されている。なお、画像表示部15が配置されている位置は、オペレータOpが前方を見ながらクレーン車1を操作している状態で、オペレータOpが視線を動かすことなく視界に入る位置である。
【0026】
表示制御部12は、4つのカメラ11から入力されるカメラ画像や情報取得部17から入力される作業状態情報に基づいて、画像表示部15に表示する画像を生成する画像処理部13と、画像表示プログラム等の各種プログラム、作業状態画像と並べて表示するカメラ画像を撮影するカメラ11の情報等が記憶される記憶部14とを備えている。
【0027】
画像処理部13は、作業モード時に初期画面として表示される基本画面、作業状態画像とカメラ画像とを横に並べた画面、オペレータOpが各種設定情報を調整するためのユーザ調整メニュー画面、画像表示部15に表示するカメラ画像を選択して設定するカメラ設定画面を生成する。これらの画像は、表示制御部12によって画像表示部15に表示される。
【0028】
基本画面は、
図5に示すように、警告表示領域A1と、作業状態表示領域A2と、操作ボタン領域A3とが設定されている。また、これら以外にも、クレーン作業に供されている油圧モータの圧力や駆動源であるエンジン用の燃料の残量等の情報や、温度、気圧、風速等の情報を表示する領域も設定されている。他の画面においても同様である。
【0029】
警告表示領域A1は、基本画面の上端部に設けられ、各種の警告マークなどが表示される。操作ボタン領域A3は、基本画面の下端部に設けられ、受付部16としてのタッチセンサ方式の複数の画面切替ボタン20が表示される。
【0030】
この画面切替ボタン20をタッチ操作することで、画像表示部15に表示する画面を切替えることができる。本実施形態では、例えば、画面切替ボタン20として基本画面に切替えるための画面切替ボタン20a、ユーザ調整メニュー画面に切り替えるための画面切替ボタン20b、作業状態画像とカメラ画像とが並んで表示された画面に切替えるための画面切替ボタン20c等が表示される。例えば画面切替ボタン20cはカメラのマークが描かれた画像(アイコン)が表示されるなど、各画面切替ボタン20として、切替え先の画面に応じたアイコンが表示される。また、この基本画面では、面面切替ボタン20aが他の面切替ボタン20と異なる色や明るさ、点滅等で目立つように表示され、現在表示されている画面が基本画面であることが一目で解るようになっている。
【0031】
作業状態表示領域A2は、警告表示領域A1と操作ボタン領域A3との間に設けられ、情報取得部17から入力されるクレーン車1の作業状態に関する情報が表示される。例えば、
図5に示すように、作業状態表示領域A2の左上の領域には、クレーン車1の側面画像が模式的に表示され、その周囲に、ブーム起伏角度、ブーム伸長長さ、旋回角、ジブ角度、ジブ伸長長さ、作業半径、揚程等の数値情報や、主巻ドラム及び補巻ドラムの作動(回転)状態を示す画像等が表示される。
【0032】
作業状態表示領域A2の左下の領域には、アウトリガ4の張り出し状態の情報と、ブーム7の旋回位置情報が表示される。アウトリガ4の張り出し状態の表示領域には、クレーン車1の平面画像が模式的に表示され、その外側に、アウトリガ4の張り出し長さに応じて色づけされるマークや、ジャッキ反力等が表示される。また、アウトリガ4の未使用状態(オンタイヤ)の場合に色づけされるタイヤの画像が表示される。
【0033】
ブーム7の旋回位置情報の表示領域には、クレーン車1の平面画像と、ブーム7を模した針の画像と、その旋回範囲を示す円の画像が模式的に表示される。この針の画像がブーム7の旋回状態に対応した角度で回転して表示される。また、ブーム7の角度や、ブーム7が初期状態(前方位置)にあるときに色づけされる帯状マークや、ブーム7が所定の範囲に位置しているときに色づけされるベルト等も表示される。
【0034】
また、作業状態表示領域A2の右上の領域には、フック9,9’を模した画像と、移動量、ワイヤ掛け数等の数値情報と、使用しているフック9,9’を示すマーク等が表示される。右中央の領域には、フック9,9’の実荷重、定格総荷重等の数値情報が表示される。その横には、タラ(テア)機能が選択されているときに「T」を模した画像が色づけ表示される。また、右下の領域には、各種操作スイッチに対応した画像が表示され、各操作スイッチのオン、オフに応じて色づけ表示される。
【0035】
次に、作業状態画像とカメラ画像とを横に並べた画面について説明する。本実施形態の画像表示装置10は、4つのカメラ11から選択された2つのカメラ11で撮影されたカメラ画像を、作業状態画像と並べて表示するとともに、各カメラ画像を、拡大して表示できるように構成されている。表示制御部12は、受付部16で受付けた切替え操作に応じて、
図6〜
図9に示すような4つの画面を画像処理部13によって生成し、画像表示部15に表示する。
【0036】
図6に示す画面は、作業状態画像と、一方のカメラ11(例えば、ドラム監視カメラ11a)で撮影された第1のカメラ画像(例えば、ドラム画像Pa)を並べて表示した画面である。以下、「第1のカメラ画像画面」という。
【0037】
図7に示す画面は、作業状態画像と、第1のカメラ画像を拡大した画像を並べて表示した画面である。以下、「第1のカメラ画像拡大画面」という。
【0038】
図8に示す画面は、作業状態画像と、他方のカメラ11(例えば、リアカメラ11b)で撮影された第2のカメラ画像(例えば、後方画像Pb)を並べて表示した画面である。以下、「第2のカメラ画像画面」という。
【0039】
図9に示す画面は、作業状態画像と、第2のカメラ画像を拡大した画像を並べて表示した画面である。以下、「第2のカメラ画像拡大画面」という。
【0040】
各画面には、警告表示領域A11と、作業状態表示領域A12と、カメラ画像表示領域A13と、操作ボタン領域A14とが設定されている。警告表示領域A11には、基本画面と同様に、各画面の上端部に設けられ、各種の警告マークなどが表示される。
【0041】
操作ボタン領域A14には、基本画面と同様に、各画面の下端部に設けられ、受付部16としての画面切替ボタン20(20a,20b,20c等)が表示される。ここでは、画面切替ボタン20cが他の画面切替ボタン20と異なる色等で表示され、カメラ画像の表示画面であることが解るようになっている。さらに、受付部16として、第1のカメラ画像画面、第1のカメラ画像拡大画面、第2のカメラ画像画面、及び第2のカメラ画像拡大画面にそれぞれ切替えるためのカメラ切替ボタン21(21a,21b,21c,21d)が表示される。
【0042】
そして、第1のカメラ画像画面の表示中はカメラ切替ボタン21aが、第1のカメラ画像拡大画面の表示中はカメラ切替ボタン21bが、第2のカメラ画像画面の表示中はカメラ切替ボタン21cが、第2のカメラ画像拡大画面の表示中はカメラ切替ボタン21dが、他のボタンと異なる色等で目立つように表示されている。したがって、いずれの画面に切り替えているかオペレータOpが判別し易い。
【0043】
また、何れの切替ボタン21であるか解り易くするために、各カメラ切替ボタン21a,21b、21c,21dとして、カメラのマークとカメラ画像の番号が描かれたアイコンが表示されている。さらに、カメラ切替ボタン21b,21dのアイコンには、拡大表示であることを示す拡大鏡が描かれている。なお、ウインチドラム8やブーム7の絵等と組み合わせて、各カメラ11の設置場所等を分かり易く表現したアイコンを用意しておき、後述のカメラ設定画面で設定されたカメラ11に対応するアイコンを、各画面にカメラ切替ボタン21a〜21dとして表示することもできる。
【0044】
作業状態表示領域A12とカメラ画像表示領域A13とは、横に並んで設けられている。作業状態表示領域A12には情報取得部17から入力される作業状態情報に基づく作業状態画像が表示され、カメラ画像表示領域A13には、第1又は第2のカメラ画像が表示される。
【0045】
第1、第2のカメラ画像拡大画面のカメラ画像表示領域A13は、第1、第2のカメラ画像画面のカメラ画像表示領域A13よりも広幅に設定されている。したがって、第1、第2のカメラ画像拡大画面の作業状態表示領域A12は、作業状態の確認を妨げない程度に、第1、第2のカメラ画像画面の作業状態表示領域A12より狭幅に設定されている。各作業状態表示領域A12には、その幅に応じて画像を適宜縮小又は簡略化した作業状態画像が表示される。
【0046】
ユーザ調整メニュー画面は、
図10に示すように、各種の警告マークなどが表示される警告表示領域A21と、作業状態画像が表示される作業状態表示領域A22と、操作ボタン領域A23とが設定されている。
【0047】
作業状態表示領域A22は、第1、2のカメラ画像画面の作業状態表示領域A12とほぼ同じ大きさで設けられている。操作ボタン領域A23は、画面の下端部だけでなく、作業状態表示領域A22の右側にも設けられている。
【0048】
操作ボタン領域A23の下端部側の領域には、基本画面等と同様に、画面切替ボタン20(20a,20b,20c等)が表示される。操作ボタン領域A23の右側の領域には、受付部16として、カメラ設定画面に切替えるためのカメラ設定ボタン22a等、オペレータOpが各種設定を調整するためのユーザ調整ボタン22が表示される。また、ユーザ調整ボタン22の上方には、ユーザ調整メニュー画面を選択中であることを示す画像(画面切替ボタン20bの画像)が小さく表示される。
【0049】
カメラ設定画面は、
図11に示すように、各種の警告マークなどが表示される警告表示領域A31と、カメラ画像一覧表示領域A32と、第1のカメラ設定ボタン領域A33と、第2のカメラ設定ボタン領域A34と、操作ボタン領域A35とが設定されている。
【0050】
カメラ画像一覧表示領域A32は、警告表示領域A31の下に設けられ、クレーン車1に設置した各カメラ11で撮影したカメラ画像が横に並んで表示される。本実施形態では、6台のカメラ11の画像を表示する領域が設けられ、それぞれの領域に、1〜6のカメラ番号が付されている。
図11の例では、番号1にはドラム監視カメラ11a、番号2にはリアカメラ11b、番号3にはブーム左カメラ11c、番号4にはブーム右カメラ11dが割り当てられ、ドラム画像Pa、後方画像Pb、ブーム左方画像Pc、ブーム右方画像Pd(静止画又は動画)がそれぞれ表示される。
【0051】
本実施形態では、クレーン車1に4台のカメラ11を設置しているため、5、6番目の領域にはカメラ画像が表示されていない。しかし、カメラ11を5台以上設置した場合は、これらの領域に、残りのカメラ11で撮影されたカメラ画像を表示することもできる。
【0052】
また、カメラ画像一覧表示領域A32の上端部には、カメラ設定画面を選択中であることを示す画像(画面切替ボタン20b及びカメラ設定ボタン22aの画像)が小さく表示される。
【0053】
第1のカメラ設定ボタン領域A33には、「1」の番号が付されたカメラの画像と、受付部16として第1のカメラ画像のカメラ11を設定するための6つの第1のカメラ入力切替ボタン23が並んで表示される。第2のカメラ設定ボタン領域A34には、「2」の番号が付されたカメラの画像と、受付部16として第2のカメラ画像のカメラ11を設定するための6つの第2のカメラ入力切替ボタン24が並んで表示される
【0054】
操作ボタン領域A35には、画面を切替えるための画面切替ボタン20(20a,20b,20c)が表示されるとともに、画面切替ボタン20aの上方に、ユーザ調整メニュー画面に戻るためのリターンボタン25(受付部16)が表示される。
【0055】
このカメラ設定画面で設定された第1、第2のカメラ画像に対応するカメラ11の情報が、表示制御部12により、カメラ番号と紐付られて記憶部14に記憶される。なお、第1のカメラ画像にカメラ画像一覧表示領域A32に表示された1番目のカメラ11を割り当て、第2のカメラ画像として2番目のカメラ11を割り当て、これらのカメラ11の情報を初期値として記憶部14に予め記憶しておく。これにより、オペレータOpが特に表示する第1、第2のカメラ画像を設定しなくても、異なるカメラ11のカメラ画像が、第1、第2のカメラ画像として、画像表示部15に表示される。
【0056】
<画像表示装置の動作>
次に、上述のような構成の本実施形態の画像表示装置10の動作(画像表示処理)を説明する。画像表示処理は、表示制御部12の記憶部14等に記憶されたプログラムに基づいて、表示制御部12により実行される。
【0057】
画像表示装置10では、クレーン車1が作業モード(PTOスイッチがオン状態)である場合に、画像処理部13は、情報取得部17から入力される作業状態情報に基づいて、
図5に示すような基本画面を生成する。この基本画面は、表示制御部12によって画像表示部15に表示される。
【0058】
この基本画面において、画面切替ボタン20bがタッチ操作されると、表示制御部12は画像表示部15に表示する画像を、
図12に示すユーザ調整画面に切替える。また、画面切替ボタン20cがタッチ操作されると、
図6に示す第1のカメラ画像画面に切替える。
【0059】
まず、画面切替ボタン20cがタッチ操作され、第1のカメラ画像画面に切替わったときの画像表示装置10の動作を説明する。
【0060】
この第1のカメラ画像画面には、情報取得部17からの作業状態情報を画像化した作業状態画像と、第1のカメラ画像としてドラム監視カメラ11aで撮影されたドラム画像Paが表示される。オペレータOpは、作業状態画像を視認して作業状態の情報を確認しつつ、死角となるウインチドラム8の巻上げ及び巻下げ状態をドラム画像Paによってリアルタイムに確認しながらクレーン作業を行うことができる。
【0061】
このとき、作業状態画像と第1のカメラ画像とが横に並んで画像表示部15に表示されているため、オペレータOpはほとんど視線を動かすことなく双方の画像を視認することができる。そのため、クレーン作業を円滑かつ迅速に行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0062】
また、オペレータOpは、カメラ切替ボタン21を適宜操作することで、カメラ画像を切替えることができる。例えば、ドラム画像paを拡大表示したい場合には、カメラ切替ボタン21bをタッチ操作する。この操作により、表示制御部12は画像表示部15の画面を
図7に示す第1のカメラ画像拡大画面に切替える。したがって、オペレータOpは、拡大表示されてより見易くなったドラム画像Paを視認しながらクレーン作業を行うことができる。
【0063】
カメラ切替ボタン21cのタッチ操作を受付けると、表示制御部12は、
図8に示す第2のカメラ画像画面に切替える。この第2のカメラ画像画面には、第2のカメラ画像としてリアカメラ11bで撮影された後方画像Pbが表示される。したがって、オペレータOpは、死角となり易い後方の障害物等を確認しながら、旋回等のクレーン作業を行うことができる。
【0064】
また、カメラ切替ボタン21dのタッチ操作を受付けると、表示制御部12は、
図9に示すように、後方画像Pbが拡大表示された第2のカメラ画像拡大画面に切替える。したがって、オペレータOpは、拡大表示された後方画像Pbによって、後方の障害物等をより確認し易くなり、障害物等を回避しながらクレーン作業をより効率的に行うことができる。
【0065】
なお、第1、第2のカメラ画像画面、第1、第2のカメラ画像拡大画面においても、画面切替ボタン20aをタッチ操作することで
図5の基本画面に戻ることができる。また、画面切替ボタン20bをタッチ操作することで、
図10のユーザ調整メニュー画面に切り替えることができる。
【0066】
次に、画面切替ボタン20bのタッチ操作がされ、
図10に示すユーザ調整メニュー画面に切替わったときの画像表示装置10の動作を説明する。このユーザ調整メニュー画面には、カメラ設定ボタン22aが表示される。このカメラ設定ボタン22aがオペレータOpによってタッチ操作されると、表示制御部12は、画像表示部15の画面を
図11に示すカメラ設定画面に切替える。
【0067】
カメラ設定画面では、
図11に示すように、各カメラ11で撮影されるカメラ画像の一覧が表示され、その下に第1、第2のカメラ画像を設定するための第1、第2のカメラ入力切替ボタン23,24が表示される。
【0068】
オペレータOpは、カメラ画像の一覧を視認しながら、第1、第2のカメラ画像に割り当てるカメラ画像を選択することができる。そして、第1のカメラ入力切替ボタン23の1〜6の何れかをタッチ操作することで、その番号に対応するカメラ11のカメラ画像を第1のカメラ画像に設定することができる。また、第2のカメラ入力切替ボタン24の1〜6の何れかをタッチ操作することで、その番号に対応するカメラ11のカメラ画像を第2のカメラ画像に設定することができる。
【0069】
表示制御部12は、第1、第2のカメラ入力切替ボタン23,24のタッチ操作に応じて、第1、第2のカメラ画像として設定されたカメラ11の情報を、カメラ番号と紐付けして記憶部14に記憶する。
【0070】
第1、第2のカメラ画像の設定を行ったら、オペレータOpは、画面切替ボタン20又はリターンボタン25をタッチ操作することで、カメラ設定画面から他の画面に切替えることができる。表示制御部12は、リターンボタン25又は画面切替ボタン20bのタッチ操作を受付けた場合は、画像表示部15の画面を
図10のユーザ調整メニュー画面に切替える。画面切替ボタン20aのタッチ操作を受付けた場合は、
図5の基本画面に切替える。
【0071】
また、画面切替ボタン20cのタッチ操作を受付けた場合は、
図6の第1のカメラ画像画面に切替える。このとき、カメラ設定画面で第1のカメラ画像が変更されていた場合には、変更後の第1のカメラ画像が表示される。その後の切替え操作に応じて、第1のカメラ画像拡大画面にも、変更後の第1のカメラ画像が拡大されて表示される。まだ、第2のカメラ画像が変更された場合にも、その後の切替え操作に応じて、第2のカメラ画像画面と第2のカメラ画像拡大画面には、変更後の第2のカメラ画像又はその拡大画像が表示される。
【0072】
以上説明したように、本実施形態のクレーン車1における画像表示装置10では、画像表示部15に、作業状態画像とカメラ画像とが並んで表示される。そのため、オペレータOpは、クレーン作業中に作業状態画像とカメラ画像とを切替えて確認する必要がなく、少ない視線の移動で作業状態画像とカメラ画像とを容易に視認することができる。したがって、クレーン作業をより円滑かつより容易に行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0073】
また、2つのカメラ11で撮影した第1のカメラ画像と第2のカメラ画像を切替えて画像表示部15に表示することで、作業状態に好適なカメラ画像を視認しながら作業を行うことができる。また、カメラ画像を拡大して表示することで、死角となる領域をより詳細に確認することができ、クレーン作業をより効率的に行うことができる。
【0074】
また、カメラ設定画面で、第1、第2のカメラ画像を、複数のカメラ11のカメラ画像からオペレータOpが任意に選択することができる。そのため、クレーン作業に応じた好適なカメラ画像をオペレータOpに提示することができ、より効率的なクレーン作業が可能となる。
【0075】
以上、本発明の画像表示システムを実施形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については上記実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0076】
例えば、上記実施形態では、キャビン5が右側に偏って配置されているため、画像表示部15をキャビン5の前部で左隅に配置している。しかし、例えば、キャビン5が左側に偏って配置されたクレーン車1の場合には、画像表示部15をキャビン5の前部で右隅に配置することもでき、オペレータOpがクレーン作業をしながら画像表示部15を視認し易くなる。
【0077】
また、上記実施形態では、作業状態画像を各画面の左側に表示し、カメラ画像を右側に表示しているが、好み等に応じて、作業状態画像を各画面の右側に、カメラ画像を左側に表示することもできる。
【0078】
また、上記実施形態では、カメラ設定画面では、6台までのカメラ画像を表示できるようにしているが、この構成に限定されることはない。クレーン車1の種類や設置されるカメラ11の台数等に応じて、5台以下とすることもできるし、7台以上とすることもできる。また、カメラ画像画面と、カメラ画像が拡大されたカメラ画像拡大画面とに切替え可能な構成としているが、何れか一方のみを表示する構成とすることもでき、画像表示装置10をより簡易にすることができる。
【0079】
また、2台のカメラ11のカメラ画像を表示できるように構成されているが、1台のカメラ11のカメラ画像を表示する構成とすることもできる。また、カメラ画像画面やカメラ画像拡大画面、及びカメラ切替ボタン21を増やして、3台以上のカメラ11のカメラ画像を表示する構成とすることもできる。