特許第6784143号(P6784143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6784143情報処理装置、画像形成装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6784143
(24)【登録日】2020年10月27日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20201102BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20201102BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20201102BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20201102BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20201102BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   B41J29/38 501
   G03G21/00 376
   G03G21/00 386
   G06F3/0488 160
   G06F3/12 310
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-210266(P2016-210266)
(22)【出願日】2016年10月27日
(65)【公開番号】特開2018-74309(P2018-74309A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】田邊 滋
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−094155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J29/38
G03G21/00
G06F 3/01− 3/0489
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
力部のうちの一つのハードキーに対する操作方法に応じて前記一つのハードキーに対応付けられた複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する選択手段と、
自装置の状態を取得する状態取得手段と、
前記自装置の状態に応じて選択した前記機能を実行するか否かを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記自装置の状態として、当該自装置を動作させるためのアプリケーションの状態により、前記選択手段が選択した前記機能を実行するか否かを制御し、
前記複数の機能の内一つの機能は、自装置の不具合を解消させる機能を有する機能であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の機能は、自装置の保守を行なうための保守モードへ移行する機能を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記入力部は、画像を表示する表示部に表示され選択することで予め定められた機能を実行するソフトウェアキー以外のハードウェアキーであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記自装置の状態として、当該自装置を使用することができないエラーが生じているか否かにより、前記選択手段が選択した前記機能を実行するか否かを制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、予め定められた操作方法にて前記入力部が操作されたときに、前記自装置を使用することができないエラーが生じている場合は、保守モードへ移行し、当該エラーが生じていない場合は、保守モードへ移行しない制御を行なうことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、予め定められた操作方法にて前記入力部が操作されたときに、前記アプリケーションの状態に応じてアプリケーション毎に予め定められた処理を行なうことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
記録材に画像を形成する画像形成部と、
自装置を動作させるために、複数の機能が付与された入力部と、
前記入力部への操作方法により前記複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記入力部のうちの一つのハードキーに対する操作方法に応じて前記一つのハードキーに対応付けられた複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する選択手段と、
自装置の状態を取得する状態取得手段と、
前記自装置の状態に応じて選択した前記機能を実行するか否かを制御する制御手段と、
を備え
前記制御手段は、前記自装置の状態として、当該自装置を動作させるためのアプリケーションの状態により、前記選択手段が選択した前記機能を実行するか否かを制御し、
前記複数の機能の内一つの機能は、自装置の不具合を解消させる機能を有する機能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
コンピュータに、
力部のうちの一つのハードキーに対する操作方法に応じて前記一つのハードキーに対応付けられた複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する選択機能と、
自装置の状態を取得する状態取得機能と、
前記自装置の状態に応じて選択した前記機能を実行するか否かを制御する制御機能と、
を実現させ
前記制御機能は、前記自装置の状態として、当該自装置を動作させるためのアプリケーションの状態により、前記選択機能が選択した前記機能を実行するか否かを制御し、
前記複数の機能の内一つの機能は、自装置の不具合を解消させる機能を有する機能であるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自装置の動作をさせる情報を入力する入力部として、ボタンやスイッチ等の実体を有するキーであるハードウェアキーや、ソフトウェア制御により表示部に表示されるキーであるソフトウェアキーを、ユーザインタフェースに設ける場合がある。
【0003】
特許文献1には、通信インタフェース部と、ユーザ・インタフェース表示部と、ハードウェア・キーを備えたユーザ・インタフェース入力部と、ウェブサーバからページ・データを受け取り、ページ・データにもとづいてユーザ・インタフェース表示部の表示画面を構成し、表示画面をユーザ・インタフェース表示部に表示させるウェブブラウザ部と、ページ・データに基づいて、ハードウェア・キーの操作の有効/無効を判定するデータ解析部と、データ解析部の判定に基づいて、ハードウェア・キーの操作の有効/無効を制御するハードウェア・キー制御部と、を有する画像処理装置が開示されている。
また特許文献2には、複写モード等の指定を入力するための操作パネルの制御を実行する操作制御部と、プログラム、現在設定中の複写モード、及び、サービスモードへ移行するための操作手順等が格納される記憶部と、クロックパルスをカウントすることにより時間を計測するタイマを備え、装置全体の制御を実行するメイン制御部とを備えている画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−57009号公報
【特許文献2】特開平5−35033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入力部に複数の機能を付与し、ユーザの入力部に対する操作方法により何れの機能を実行するかを選択することがある。
しかしながら自装置の状態によっては、特定の機能を実行するのが好ましくないときがある。一方、自装置を使用することができないエラー等が生じたときは、自装置の復帰等を行なうための特定の機能を実行させることが好ましい。
本発明は、自装置の状態に応じて、入力部からのユーザの操作方法により選択された機能を実行するか否かを制御することができる情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、力部のうちの一つのハードキーに対する操作方法に応じて前記一つのハードキーに対応付けられた複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する選択手段と、自装置の状態を取得する状態取得手段と、前記自装置の状態に応じて選択した前記機能を実行するか否かを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記自装置の状態として、当該自装置を動作させるためのアプリケーションの状態により、前記選択手段が選択した前記機能を実行するか否かを制御し、前記複数の機能の内一つの機能は、自装置の不具合を解消させる機能を有する機能であることを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記複数の機能は、自装置の保守を行なうための保守モードへ移行する機能を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記入力部は、画像を表示する表示部に表示され選択することで予め定められた機能を実行するソフトウェアキー以外のハードウェアキーであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、前記自装置の状態として、当該自装置を使用することができないエラーが生じているか否かにより、前記選択手段が選択した前記機能を実行するか否かを制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、予め定められた操作方法にて前記入力部が操作されたときに、前記自装置を使用することができないエラーが生じている場合は、保守モードへ移行し、当該エラーが生じていない場合は、保守モードへ移行しない制御を行なうことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置である
請求項に記載の発明は、前記制御手段は、予め定められた操作方法にて前記入力部が操作されたときに、前記アプリケーションの状態に応じてアプリケーション毎に予め定められた処理を行なうことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置である。
請求項に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成部と、自装置を動作させるために、複数の機能が付与された入力部と、前記入力部への操作方法により前記複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する制御部と、を備え、前記制御部は、前記入力部のうちの一つのハードキーに対する操作方法に応じて前記一つのハードキーに対応付けられた複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する選択手段と、自装置の状態を取得する状態取得手段と、前記自装置の状態に応じて選択した前記機能を実行するか否かを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記自装置の状態として、当該自装置を動作させるためのアプリケーションの状態により、前記選択手段が選択した前記機能を実行するか否かを制御し、前記複数の機能の内一つの機能は、自装置の不具合を解消させる機能を有する機能であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、力部のうちの一つのハードキーに対する操作方法に応じて前記一つのハードキーに対応付けられた複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する選択機能と、自装置の状態を取得する状態取得機能と、前記自装置の状態に応じて選択した前記機能を実行するか否かを制御する制御機能と、を実現させ、前記制御機能は、前記自装置の状態として、当該自装置を動作させるためのアプリケーションの状態により、前記選択機能が選択した前記機能を実行するか否かを制御し、前記複数の機能の内一つの機能は、自装置の不具合を解消させる機能を有する機能であるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、アプリケーションの状態により、より好ましい機能を選択することができる。
請求項2の発明によれば、自装置の状態に応じて、保守モードへ移行するか否かを決定することができる。
請求項3の発明によれば、自装置を使用することができないエラーが生じていても、入力情報を取得することができる。
請求項4の発明によれば、自装置を使用することができないエラーが生じた場合に、ユーザが対処することができる。
請求項5の発明によれば、自装置を使用することができないエラーが生じた場合に保守モードへ移行することができ、このエラーが生じていないときは、保守モードへ移行しないようにすることができる。
請求項の発明によれば、アプリケーション毎に実行する機能を決めることができる。
請求項の発明によれば、アプリケーションの状態により、より好ましい機能を選択することができる。
請求項の発明によれば、アプリケーションの状態により、より好ましい機能を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る画像形成装置の外観図である。
図2】本実施の形態に係る画像形成装置の内部構造を示す図である。
図3】ユーザインタフェースの一例を示した図である。
図4】(a)〜(f)は、アプリケーションの動作について示した図である。
図5】(a)〜(b)は、表示部における表示構造を示した図である。
図6】制御装置の機能構成例を示したブロック図である。
図7】表示部に保守モードに移行するための画面を表示した例を示した図である。
図8】制御装置の動作について説明したフローチャートである。
図9】本実施の形態における制御装置、OS(Operating System)、アプリケーション、ホームキーの関係を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
<画像形成装置1の全体構成の説明>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の外観図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す図である。
画像形成装置1は、原稿の画像を読み取る画像読取装置100と、記録材(以下、代表して「用紙」と記す場合もある。)上に画像を記録する画像記録装置200と、を備えている。また画像形成装置1は、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行なうユーザインタフェース(UI)300を備えている。さらに画像形成装置1は、画像形成装置1全体の動作を制御する制御装置500を備える。
【0011】
画像読取装置100は、画像形成装置1の上部に配置され、画像記録装置200は、画像読取装置100の下側に配置され、制御装置500を内蔵している。ユーザインタフェース300は、画像形成装置1の上部の手前側、つまり画像読取装置100の後述する画像読取部110の手前側に配置されている。
【0012】
まずは、画像読取装置100について説明する。
画像読取装置100は、原稿の画像を読み取る画像読取部110と、この画像読取部110に原稿を搬送する原稿搬送部120と、を備えている。原稿搬送部120は、画像読取装置100の上部に配置され、画像読取部110は、画像読取装置100の下部に配置されている。
原稿搬送部120は、原稿を収容する原稿収容部121と、この原稿収容部121から搬送された原稿が排出される原稿排出部122とを有し、原稿収容部121から原稿排出部122へ原稿を搬送する。原稿搬送部120は、原稿自動送り装置(ADF:Auto Document Feeder)とも呼ばれる。
【0013】
画像読取部110は、プラテンガラス111と、光を原稿の被読取面(画像面)へ照射する光照射ユニット112と、光照射ユニット112から原稿の被読取面へ光Lが照射されて原稿の被読取面で反射した光Lを導く導光ユニット113と、導光ユニット113によって導かれた光Lの光学像を結像する結像レンズ114と、を備えている。また、画像読取部110は、結像レンズ114によって結像された光Lを光電変換するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の光電変換素子で構成され、結像された光学像を検出する検出部115と、検出部115と電気的に接続されて、検出部115によって得られた画像情報としての電気信号が送られる画像処理部116と、を備えている。
画像読取部110は、原稿搬送部120によって搬送される原稿の画像、及びプラテンガラス111に載せられた原稿の画像を読み取る。
【0014】
次に、画像記録装置200について説明する。
画像記録装置200は、用紙Pに画像を形成する画像形成部20と、画像形成部20に対して用紙Pを供給する用紙供給部60と、画像形成部20にて画像が形成された用紙Pを排出する用紙排出部70と、画像形成部20にて一方の面に画像が形成された用紙Pの表裏を反転させて再度画像形成部20に向けて搬送する反転搬送部80と、を備えている。
【0015】
画像形成部20は、一定の間隔を置いて並列的に配置されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kを備えている。各画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kは、感光体ドラム22と、感光体ドラム22の表面を一様に帯電する帯電器23と、後述する光学系ユニット50によるレーザ照射によって形成された静電潜像を予め定められた色成分トナーで現像し可視化する現像器24とを備えている。また、画像形成部20には、画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの現像器24に対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ29Y、29M、29C、29Kが設けられている。
【0016】
画像形成部20は、画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの下方に、画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの感光体ドラム22に対してレーザ光を照射する光学系ユニット50を備えている。光学系ユニット50は、図示しない半導体レーザ、変調器の他、半導体レーザから出射されたレーザ光を偏向走査するポリゴンミラー(不図示)と、レーザ光を通過するガラス製のウィンドウ(不図示)と、各構成部材を密閉するためのフレーム(不図示)とを備えている。
【0017】
また、画像形成部20は、画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの感光体ドラム22に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト31上に多重転写させる中間転写ユニット30と、中間転写ユニット30上に重畳されて形成されたトナー像を用紙Pに転写する二次転写ユニット40と、用紙P上に形成されたトナー像を加熱および加圧して定着する定着装置45と、を備えている。
【0018】
中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31と、この中間転写ベルト31を駆動するドライブローラ32と、中間転写ベルト31に一定のテンションを付与するテンションローラ33と、を備えている。また、中間転写ユニット30は、各感光体ドラム22と中間転写ベルト31を挟んで対向して感光体ドラム22上に形成されたトナー像を中間転写ベルト31上に転写するための複数(本実施の形態においては4つ)の一次転写ローラ34と、中間転写ベルト31を介して後述する二次転写ローラ41と対向するバックアップローラ35とを備えている。
【0019】
中間転写ベルト31は、ドライブローラ32、テンションローラ33、複数の一次転写ローラ34、バックアップローラ35および従動ローラ36などの複数の回転部材に張りかけられている。そして、中間転写ベルト31は、駆動モータ(不図示)によって回転駆動されるドライブローラ32により、矢印方向に予め定められた速度で循環駆動される。この中間転写ベルト31は、例えば、ゴムまたは樹脂にて成形されたものが使用される。
また、中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31上に存在する残留トナー等を除去するクリーニング装置37を備えている。クリーニング装置37は、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト31の表面から残留トナーや紙粉等を除去する。
【0020】
二次転写ユニット40は、二次転写位置に設けられ中間転写ベルト31を介してバックアップローラ35を押圧し、用紙P上に画像を二次転写する二次転写ローラ41を備えている。二次転写ローラ41と、中間転写ベルト31を介して二次転写ローラ41と対向するバックアップローラ35とで、中間転写ベルト31に転写されたトナー画像が用紙Pに転写される二次転写位置が構成される。
定着装置45は、中間転写ユニット30によって二次転写された用紙P上の画像(トナー像)を、加熱定着ローラ46と加圧ローラ47とにより、熱および圧力を用いて用紙Pに定着させる。
【0021】
用紙供給部60は、画像が形成される用紙を収容する用紙収容部61と、用紙収容部61の各々に収容された用紙Pを送り出す送出ロール62と、送出ロール62にて送り出された用紙Pが搬送される搬送路63と、搬送路63に沿って配置され送出ロール62によって送り出された用紙Pを二次転写位置へ搬送する搬送ロール64、65、66と、を備えている。また用紙供給部60は、手差しにより用紙Pを供給することができる手差しトレイ67をさらに備えている。手差しトレイ67は、折りたたみが可能であり、使用しない状態では折りたたんでおき、使用するときには開いて用紙Pをセットすることができる。図1および図2では、手差しトレイ67は、折りたたんだ状態を図示している。
【0022】
用紙排出部70は、画像形成部20の上方に設けられて、画像形成部20にて画像が形成された用紙Pを積載する第1の積載トレイ71と、この第1の積載トレイ71と画像読取装置100との間に設けられて、画像形成部20にて画像が形成された用紙Pを積載する第2の積載トレイ72と、を備えている。
用紙排出部70は、定着装置45よりも搬送方向下流側に設けられて、トナー画像が定着された用紙Pを搬送する搬送ロール75と、この搬送ロール75の搬送方向下流側に設けられて、用紙Pの搬送方向を切り替える切替ゲート76と、を備えている。また、用紙排出部70は、切替ゲート76の搬送方向下流側に、切替ゲート76によって切り替えられた搬送方向の一方側(図2における右側)に搬送される用紙Pを第1の積載トレイ71に排出する第1の排出ロール77を備えている。また、用紙排出部70は、切替ゲート76の搬送方向下流側に、切替ゲート76によって切り替えられた搬送方向の他方側(図2における上側)に搬送される用紙Pを搬送する搬送ロール78と、搬送ロール78によって搬送される用紙Pを第2の積載トレイ72に排出する第2の排出ロール79と、を備えている。
【0023】
反転搬送部80は、定着装置45の側方に、搬送ロール78を第2の積載トレイ72に用紙Pを排出する方向とは反対の方向に回転させることで反転された用紙Pが搬送される反転搬送路81を備えている。この反転搬送路81には、反転搬送路81に沿って複数の搬送ロール82が設けられている。これらの搬送ロール82によって搬送された用紙Pは、搬送ロール82によって、再度二次転写位置へ送り込まれる。
【0024】
また、画像記録装置200は、画像形成部20、用紙供給部60、用紙排出部70、反転搬送部80および制御装置500を、直接的または間接的に支持する装置本体フレーム11と、この装置本体フレーム11に取り付けられて画像形成装置1の外面を形成する装置筐体12と、を備えている。
装置本体フレーム11は、画像形成装置1における横方向の一方の端部側で、内部に、切替ゲート76、第1の排出ロール77、搬送ロール78および第2の排出ロール79などを備えるとともに上下方向に伸びて、画像読取装置100を支持する読取装置支持部13を備えている。読取装置支持部13は、装置本体フレーム11における奥側の部位と協働して画像読取装置100を支持する。
【0025】
また、画像記録装置200は、装置筐体12の一部として、画像形成部20の手前側に設けられるとともに、装置本体フレーム11に対して開閉可能に装着されるフロントカバー15を備えている。
ユーザは、フロントカバー15を開くことで、画像形成部20の中間転写ユニット30やトナーカートリッジ29Y、29M、29C、29Kを新しい物と取り替えることが可能となっている。
【0026】
ユーザインタフェース300は、詳しくは後述するが、ハードウェアキーやタッチパネルを備える。そしてユーザに対しタッチパネルに表示される画面により種々の情報を提供するとともに、ハードウェアキーやタッチパネルをユーザが操作することで、画像形成装置1に対しユーザが指示を入力することができる。
【0027】
<画像形成装置1の動作の説明>
以上のように構成された画像形成装置1は、以下のように動作する。
例えば、ユーザは、画像形成装置1を使用して原稿のコピーを行なうことができる。即ち、画像読取装置100によって読み取られた原稿の画像データを基に、画像記録装置200により画像を用紙P上に形成することで原稿をコピーすることができる。またユーザは、通信回線に接続する図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から印刷のジョブを画像形成装置1に送信することでプリントを行なうことができる。即ち、通信回線を介して印刷のジョブを受信し、印刷のジョブに含まれる画像データを基に、画像記録装置200により画像を用紙P上に形成することでプリントすることができる。さらにユーザは、ファクシミリの送受信を行なうことができる。即ち、画像読取装置100によって読み取られた原稿の画像データを通信回線を介して送信できる。あるいはユーザは、原稿の画像データを保存することができる。即ち、原稿の画像データを画像形成装置1内部や通信回線に接続したPCに保存できる。
【0028】
ここでは、ユーザが原稿のコピーやプリントを行なう場合を例に取り、画像形成装置1の動作について詳しく説明を行なう。
画像読取装置100によって読み取られた原稿の画像や、PC等から受信した画像データは、予め定められた画像処理が施され、画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、光学系ユニット50に出力される。
【0029】
光学系ユニット50は、入力された色材階調データに応じて、半導体レーザ(図示せず)から出射されたレーザ光を、f−θレンズ(不図示)を介してポリゴンミラーに出射する。ポリゴンミラーでは、入射されたレーザ光を各色の階調データに応じて変調し、偏向走査して、図示しない結像レンズおよび複数枚のミラーを介して画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの感光体ドラム22に照射する。
【0030】
画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの感光体ドラム22では、帯電器23で帯電された表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの感光体ドラム22上に形成されたトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト31上に多重転写される。
【0031】
一方、用紙供給部60では、画像形成のタイミングに合わせて送出ロール62が回転して用紙収容部61に収容されている用紙Pを取り上げ、搬送路63を介して搬送ロール64、65にて搬送される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト31の移動タイミングに合わせて搬送ロール66が回転し、用紙Pは、バックアップローラ35および二次転写ローラ41によって形成される二次転写位置に搬送される。二次転写位置にて、下方から上方に向けて搬送される用紙Pには、圧接力および予め定められた電界を用いて、4色が多重されているトナー像が副走査方向に順次、転写される。そして、各色のトナー像が転写された用紙Pは、定着装置45によって熱および圧力で定着処理を受けた後に排出され、第1の積載トレイ71あるいは第2の積載トレイ72に積載される。
【0032】
両面印刷の要求があった場合には、一方の面に画像が形成された用紙Pは、反転搬送部80にて表裏が反転するように搬送され、再度二次転写位置に送られる。そして、二次転写位置にて、用紙Pの他方の面にトナー像が転写され、定着装置45にて転写された画像が定着される。その後、両面に画像が形成された用紙Pは、排出され、第1の積載トレイ71あるいは第2の積載トレイ72に積載される。
【0033】
<ユーザインタフェース300の説明>
図3は、ユーザインタフェース300の一例を示した図である。
図示するユーザインタフェース300は、ハードウェアキー310と表示部320とを備える。
本実施の形態においては、ユーザインタフェース300は、ハードウェアキー310としてホームキー311を備える。しかし、これに限らず、ハードウェアキー310として、画像形成装置1が有する機能のうちユーザの利用頻度が高い機能について専用のキーを設けてもよい。たとえば、画像形成装置1が有する機能を実際に開始するためのスタートキーや、設定を初期状態にするために用いられるリセットキーや、画像形成装置1がユーザが指示した機能を動作中にその動作を中止するためのストップキーなどを設けてもよい。
【0034】
ホームキー311は、詳しくは後述するが複数の機能が付与されている。複数の機能のうちの1の機能として、例えば、表示部320の表示を初期画面であるホーム画面にする機能がある。ホーム画面とは別の画面が表示部320に表示されている場合に、ホーム画面に移行することができる。また別の機能として、例えば自装置である画像形成装置1の保守を行なうための保守モードに移行する機能がある。そしてユーザは、ホームキー311への操作方法により、それぞれの機能を使い分けることができる。
なお本実施の形態においては、ホーム画面に移行する機能と、保守モードに移行する機能とを採用したが、これに限らず、自装置を強制的に再起動(リブート)する機能や、自装置に設定された設定値を初期値に設定する機能、自装置の表示部320を制御する表示制御装置のみをリセットする機能などを採用することもできる。
また複数の機能のうち少なくとも一つに、自装置の不具合を解消させるための機能を対応付けておくことが好ましい。
この場合ホームキー311は、自装置である画像形成装置1を動作させるために、複数の機能が付与された入力部として機能する。
【0035】
表示部320は、例えば、タッチパネルである。表示部320は、画像形成装置1に関する情報を画像としてを表示するとともに、表示部320の画面をプレス(タッチ、タップ)等することでユーザが希望する事項を入力することができる。ここでは表示部320は、いわゆるホーム画面を表示している。このホーム画面では、画像形成装置1が備える機能を実行するためのアイコンIを表示している。ここでは、コピー、ファクス、スキャン、IDカードコピーのアイコンIを表示している。
それぞれのアイコンIは、予め定められた処理に関連付けられている。即ちここでは、コピー、ファクス、スキャン、IDカードコピーの各処理に関連付けられている。そしてユーザがアイコンIをプレス等することで選択すると、この処理を行なうアプリケーションが起動する。
また、後述するように、表示部320には、保守モードに移行するための画面が表示されるようにしてもよい。この場合、保守モードに移行するための画面は、ユーザの認証を行う画面であってもよいし、ユーザの認証なしに保守モードの操作を行える画面であってもよい。
【0036】
図4(a)〜(f)は、アプリケーションの動作について示した図である。
図4(a)は、図3と同様の図であり、表示部320にホーム画面を表示した状態を示している。このとき図4(b)に示すように、ホーム画面を表示するためのアプリケーションとしてホームアプリが動作し、図4(a)のような画面が表示される。このホームアプリは、常駐している。
【0037】
またホームアプリは、ユーザがアイコンIをプレスしたときに、そのアイコンIに関連付けられたアプリケーションを起動させたり、ホームキー311が押下されると、その操作方法によりホーム画面や保守モード等に移行させることも行う。
【0038】
図4(c)は、図4(a)のホーム画面においてユーザがIDカードコピーのアイコンIをプレスしたときの表示部320の状態を示している。
このとき図4(d)に示すように、IDカードコピーを行なうためのアプリケーションであるIDカードコピーアプリが起動し、表示部320は、図4(c)に示すIDカードコピーを行なうための画面に移行する。この状態では、ホームアプリおよびIDカードコピーアプリの2つが動作している。
【0039】
図4(e)は、図4(c)の状態から、ユーザがホームキー311をプレスしたときの表示部320の状態を示している。
このとき図4(f)に示すように、IDカードコピーアプリの起動状態が終了する。そして常駐するホームアプリが、表示部320で表示する画面を、図4(e)に示すホーム画面に移行する。
【0040】
図5(a)〜(b)は、表示部320における表示構造を示した図である。
表示部320における表示構造は、図5(a)に示すようにレイヤー構造になっており、個々の事象により表示するレイヤーが決まっており、表示レイヤー管理モジュールにより制御される。この場合、レイヤー構造は、下層から上層に向け、アプリレイヤー、Popupレイヤー(Low)、Faultレイヤー、Popupレイヤー(High)の4層構造となっている。そしてユーザは図5(b)に示すようにこれらのレイヤーを重畳させた画面を見ることになる。
【0041】
アプリレイヤーは、図3のアプリケーションが動作するときのそれぞれの画面を表示するレイヤーである。図5(a)では、ホーム画面や、ファクス、スキャン、IDカードコピーの各アプリケーションが動作するときの状態を模式的に示している。
Popupレイヤー(Low)は、通常認証等の通常のポップアップ画面を表示するレイヤーである。これにより表示部320には、ユーザの認証等を行なう画面が表示される。
Faultレイヤーは、Fault(エラー)が生じたときに、それに応じた画面を表示するレイヤーである。これにより表示部320には、警告画面等が表示される。
Popupレイヤー(High)は、保守モードの際にユーザの認証を行なうポップアップ画面を表示するレイヤーである。これにより表示部320には、ユーザの認証等を行なう画面が表示される。
【0042】
本実施の形態では、アイコンIは、ソフトウェアキーの一例である。またソフトウェアキーとしては、これに限られるものではなく、表示部320に表示され、プレス等を行なうことで選択動作が行なわれるものであればよい。例えば、前の画面に戻るための「戻る」キーやコピー等の設定を行なうために表示される設定キー等が該当する。
【0043】
本実施の形態において、ソフトウェアキーとは、画像を表示する表示部320に仮想的なキーとして表示され選択することで予め定められた機能を実行するものである、またハードウェアキーとは、ソフトウェアキー以外のキーでありキーとしての実体を有するボタンやスイッチ等からなるものであると言うこともできる。
【0044】
<制御装置500の説明>
図6は、制御装置500の機能構成例を示したブロック図である。なお図6では、制御装置500が有する種々の機能のうち本実施の形態に関係するものを選択して図示している。
制御装置500は、情報処理装置の一例であるとともに、入力部への操作方法により複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する制御部の一例である。
図示するように本実施の形態の制御装置500は、入力情報取得手段510と、選択手段520と、状態取得手段530と、制御手段540と、保守手段550とを備える。
【0045】
入力情報取得手段510は、複数の機能が付与される入力部であるホームキー311から入力情報を取得する。つまりユーザがホームキー311を押下したときに、ホームキー311が押下された旨の制御信号を入力情報として取得する。なお、本実施の形態では、取得した入力情報から、ホームキー311の押下された時間を特定して、プレス(タッチ、タップ)か、ロングプレス(ロングタッチ、長押し)であったか否かを判断する。
【0046】
選択手段520は、入力情報取得手段510からホームキー311への操作方法(プレス又はロングプレス等)の通知を受けたときに、ホームキー311への操作方法からホームキー311に付与された複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する。本実施の形態では、選択手段520は、ホームキー311に対するユーザが操作方法として、プレス(タッチ、タップ)を行なったか、ロングプレス(ロングタッチ、長押し)を行なったかにより、複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する。
【0047】
状態取得手段530は、自装置である画像形成装置1の状態を取得する。この場合、画像形成装置1の状態とは、詳しくは後述するが、画像形成装置1を使用することができないエラー(SystemFail)が生じている場合や、アプリケーションが特定の状態となっている場合が該当する。
【0048】
制御手段540は、自装置である画像形成装置1の状態に応じて選択した機能を実行するか否かを制御する。即ち、画像形成装置1の状態により選択手段520で選択された機能が実行される場合と実行されない場合とがある。
【0049】
保守手段550は、保守モードへ移行する機能を実施する手段である。本実施の形態においては、保守手段550は、選択手段520により保守モードが選択されて、かつ、制御手段540により保守モードへ移行が許可された場合に、保守モードに移行する機能を実施する。
【0050】
保守モードに移行する機能には、表示部320に保守モードに移行するための画面を表示することも含まれる。この場合、保守モードに移行するための画面は、ユーザの認証を行う画面であってもよいし、ユーザの認証なしに保守モードの操作を行える画面であってもよい。
【0051】
図7は、表示部320に保守モードに移行するための画面を表示した例を示した図である。
図示する例では、ユーザの認証を行う画面として表示部320に保守モードログイン画面を表示している。
【0052】
また、アプリケーションがフリーズした状態では、表示部320を利用することができない場合もある。そのため、画像形成装置1とは別の端末の表示部に保守モードに移行するための画面を表示してもよい。他にも、保守手段550は、保守モードに移行する機能に、画像形成装置1を強制的に再起動(リブート)する機能を含ませてもよい。
【0053】
図8は、制御装置500の動作について説明したフローチャートである。
以下、図6および図8を主に用いて制御装置500の動作について説明する。
まずユーザがユーザインタフェース300のホームキー311に対し予め定められた操作方法により操作を行なう。この操作は、上述したようにプレスまたはロングプレスであるとする。
【0054】
まず入力情報取得手段510は、ホームキー311から入力情報を取得する(ステップ101)。
【0055】
次に入力情報取得手段510は、ユーザの操作が、プレスであったかロングプレスであったか否かを判断する(ステップ102)。入力情報取得手段510がユーザの操作を判断するには、ホームキー311が押下されていた時間により行うことができる。即ち、ホームキー311が押下されていた時間が予め定められた閾値以下であれば、入力情報取得手段510は、ユーザの操作がプレスであったと判断する。対してホームキー311が押下されていた時間が予め定められた閾値を超えれば、入力情報取得手段510は、ユーザの操作がロングプレスであったと判断する。
【0056】
そしてユーザの操作が、ロングプレスであった場合(ステップ102でYes)、選択手段520が、保守モードに移行することを選択する(ステップ103)。
【0057】
次に制御手段540が、状態取得手段530から取得した、画像形成装置1の状態を用いて、現在動作中のアプリケーションがロングプレスをロックしているか否かを判断する(ステップ104)。つまりロングプレスされた場合は、選択手段520の決定により原則として保守モードに移行するが、保守モードに移行することが好ましくないときは、保守モードに移行するべきではない。そのためこの場合は、アプリケーションの側でロングプレスをロックし、保守モードに移行しないようにすることがある。
【0058】
アプリケーションの側でロングプレスをロックするとは、アプリケーションがロングプレスに対応する機能の実施を許可しないことを言う。すなわち、本実施の形態では、ユーザがロングプレスしても、アプリケーションがロングプレスに対応する保守モードへの移行を許可しない。
【0059】
なお、制御手段540は、画像形成装置1を使用することができないエラー(SystemFail)と判断した場合には、制御手段540が、アプリケーション側でロングプレスをロックしていても、ロングプレスに対応する保守モードに移行させる。この場合、現在動作中のアプリケーションを終了させてから、保守モードに移行してもよいし、アプリケーションの起動を維持したままで、保守モードに移行してもよい。
【0060】
ここで、アプリケーションは、制御手段540にロングプレスをロックする条件を通知してもよい。この場合、制御手段540は、アプリケーションから受け取ったロングプレスをロックする条件に従って制御をおこなう。即ち、制御手段540は、この条件に従いアプリケーションがロングプレスをロックしているか否かを判断する(ステップ104)。たとえば、制御手段540は、状態取得手段530で取得した状態が、ロック条件に一致する場合には、ロングプレスに対応する機能の実施を許可しないように制御する(ステップ104でYesに対応)。また制御手段540は、ロック条件に一致しない場合には、ロングプレスに対応する機能の実施を許可するように制御する(ステップ104でNoに対応)。
【0061】
ステップ104で、アプリケーションがロングプレスをロックしていなかった場合(ステップ104でNo)、制御手段540は、保守手段550に対して、保守モードに移行する機能を実行させる指示を出す。そして保守手段550は、保守モードに移行する機能を実行し、画像形成装置1を保守モードに移行させる(ステップ105)。
【0062】
対してアプリケーションがロングプレスをロックしていた場合(ステップ104でYes)、制御手段540は、状態取得手段530から取得した、画像形成装置1の状態を用いて、画像形成装置1を使用することができないエラー(SystemFail)が発生しているか否かを判断する(ステップ106)。
【0063】
その結果、画像形成装置1を使用することができないエラーが生じている場合(ステップ106でYes)、制御手段540が、保守手段550に対して、保守モードに移行する機能を実行させる指示を出す。そして保守手段550は、保守モードに移行する機能を実行し、画像形成装置1を保守モードに移行させる(ステップ105)。
【0064】
つまりアプリケーションがロングプレスをロックしている場合でも画像形成装置1を使用することができないエラー(SystemFail)が発生しているときは、画像形成装置1を復帰等させるための保守モードに移行することが好ましいため、この場合は、制御手段540は、保守手段550に対して、画像形成装置1を保守モードに移行させる指示を出す。
【0065】
ここで画像形成装置1を使用することができないエラーの具体例としては、画像形成装置1を構成する各サブモジュールの致命的なエラーや電源低下エラーが挙げられる。また画像形成装置1内のケーブル接続に関するエラーやコピー等の枚数の上限に書き換え等が行われたときに生じるエラーも該当する。また画像形成装置1を使用することができないエラーでないエラーの具体例としては、画像形成装置1の一部に不具合が生じた場合が該当する。例えば、画像読取装置100に不具合が生じ使用できなくなったが、画像記録装置200はまだ使用できる場合や、用紙収容部61(図2参照)に不具合が生じた場合などである。また他に、メモリオーバーフローや、用紙Pの詰まりが生じたなどの場合である。
【0066】
対して画像形成装置1を使用することができないエラー(SystemFail)が生じていない場合(ステップ106でNo)、制御手段540は、保守手段550に保守モードに移行する機能を実行させる指示を出さない。したがって、画像形成装置1は保守モードに移行しない(ステップ107)。そしてこの場合、選択手段520が、アプリケーション毎に予め定められた処理を行なうことを選択する(ステップ108)。
【0067】
さらに制御手段540は、状態取得手段530から取得した、画像形成装置1の状態を用いて、アプリケーションがロングプレスを受け取る状態にあるか否かを判断する(ステップ109)。
【0068】
そしてアプリケーションがロングプレスを受け取る状態にない場合(ステップ109でNo)、制御手段540は、ホームキー311へのユーザの操作であるロングプレスを無効とする(ステップ110)。つまりロングプレスされた場合は、選択手段520の決定により原則としてアプリケーション毎に予め定められた処理を行なうが、その処理を行なうことが好ましくないときは、その処理を行なわないようにした方がよい。そのためこの場合は、アプリケーションの側でロングプレスを受け取る状態にはないとし、その処理を実行しないようにすることがある。
【0069】
対してアプリケーションがロングプレスを受け取る状態にある場合(ステップ109でYes)、制御手段540は、アプリケーション毎に予め定められた処理を行なう機能を実行することを決定し、アプリケーションはその処理を実際に実行する(ステップ111)。
【0070】
なおステップ102でユーザの操作が、ロングプレスでなかった場合(プレスであった場合)(ステップ102でNo)、選択手段520が、ユーザインタフェース300の表示部320をホーム画面に移行することを選択する(ステップ112)。
【0071】
次に制御手段540が、状態取得手段530から取得した、画像形成装置1の状態を用いて、現在動作中のアプリケーションがプレスをロックしているか否かを判断する(ステップ113)。
【0072】
つまりプレスされた場合は、選択手段520の決定により原則としてホーム画面に移行するが、ホーム画面に移行することが好ましくないときは、ホーム画面に移行するべきではない。そのためこの場合は、アプリケーションの側でプレスをロックし、ホーム画面に移行しないようにすることがある。
【0073】
アプリケーションの側でプレスをロックするとは、アプリケーションがプレスに対応する機能の実施を許可しないことを言う。すなわち、本実施の形態では、ユーザがプレスしても、アプリケーションがプレスに対応するホーム画面への移行を許可しない。
【0074】
ここで、アプリケーションは、制御手段540にプレスをロックする条件を通知してもよい。この場合、制御手段540は、アプリケーションから受け取ったプレスをロックする条件に従って制御をおこなう。即ち、制御手段540は、この条件に従いアプリケーションがプレスをロックしているか否かを判断する(ステップ113)。たとえば、制御手段540は、状態取得手段530で取得した状態が、ロック条件に一致する場合には、プレスに対応する機能の実施を許可しないように制御する(ステップ113でYesに対応)。また制御手段530は、ロック条件に一致しない場合には、プレスに対応する機能の実施を許可するように制御する(ステップ113でNoに対応)。
【0075】
ステップ113で、アプリケーションがプレスをロックしていなかった場合(ステップ113でNo)、制御手段540は、表示部320をホーム画面に移行する機能を実行し、表示部320をホーム画面に移行させる(ステップ114)。
【0076】
対してアプリケーションがプレスをロックしていた場合(ステップ113でYes)、制御手段540は、ホーム画面に移行する機能を実行せず、表示部320をホーム画面に移行しない(ステップ115)。そしてこの場合、選択手段520が、アプリケーション毎に予め定められた処理を行なうことを選択する(ステップ116)。
【0077】
さらに状態取得手段530は、状態取得手段530から取得した、画像形成装置1の状態を用いて、アプリケーションがプレスを受け取る状態にあるか否かを判断する(ステップ117)。
【0078】
そしてアプリケーションがプレスを受け取る状態にない場合(ステップ117でNo)、制御手段540は、ホームキー311へのユーザの操作であるプレスを無効とする(ステップ118)。
【0079】
対してアプリケーションがプレスを受け取る状態にある場合(ステップ117でYes)、制御手段540は、アプリケーション毎に予め定められた処理を行なう機能を実行することを決定し、アプリケーションはその処理を実際に実行する(ステップ119)。
【0080】
アプリケーションが、ロングプレスやプレスをロックする場合の具体例としては、免許証の表面と裏面をスキャンして、1枚の用紙に集約コピーをするIDカードコピーのアプリケーションが動作しているときに、免許証の表面のスキャンをした後に、免許証の裏面のスキャンを行うためにユーザの操作を待つ状態の場合が該当する。この場合、保守モードやホーム画面に移行することは好ましくないためアプリケーションはロングプレスやプレスに対しロックをかける。ただし、この場合でもユーザの要求によりアプリケーションの動作を途中で中止したい場合もある。そこでロングプレスやプレスを受け取る状態を設け、これによりアプリケーション毎に予め定められた処理を行なう。IDカードコピーの場合、制御手段540は、この処理としてIDカードコピーがキャンセルされた旨の画面を表示部320に表示する。
【0081】
また画像形成装置1の設定の変更を行ない、再起動(リブート)を行なう必要がある処理の場合、画像形成装置1の再起動を行なわないと、画像形成装置1が正常に動作できないため、この場合もロックをかける。ただしこの場合でもロングプレスやプレスを受け取る状態を設け、これによりアプリケーション毎に予め定められた処理として、制御手段540は、再起動するか、キャンセルして設定の変更を続行するか否かを選択させる画面を表示部320に表示する。
【0082】
さらにウェルカム画面等のユーザに確認したい画面を表示部320に表示する処理の際に、それを消してホーム画面等に移行することはあまり好ましくないため、この場合もロックをかける。ただしこの場合でもロングプレスやプレスを受け取る状態を設け、これによりアプリケーション毎に予め定められた処理として、制御手段540は、ウェルカム画面を表示部320から消去する。
【0083】
なおアプリケーションがロングプレスやプレスを受け取る状態にない場合の具体例としては、アプリケーションのインストールを行なうときに、処理をウィザード(Wizard)形式で行なっているときが挙げられる。この場合、処理の性質上ロングプレスやプレスを受け取らないほうが好ましい。
【0084】
本実施の形態では、例えば、ステップ106では、制御手段540は、画像形成装置1の状態として、画像形成装置1を使用することができないエラー(SystemFail)が生じているか否かにより、選択手段520が選択した機能を実行するか否かを制御する。そして制御手段540は、予め定められた操作方法にてホームキー311が操作された(この場合、ロングプレス)ときに、画像形成装置1を使用することができないエラー(SystemFail)が生じている場合は、保守モードへ移行し、このエラーが生じていない場合は、保守モードへ移行しない制御を行なう。
また例えば、ステップ104、ステップ109、ステップ113、ステップ117では、制御手段540は、画像形成装置1の状態として、画像形成装置1を動作させるためのアプリケーションの状態により、選択手段520が選択した機能を実行するか否かを制御する。そして制御手段540は、予め定められた操作方法にてホームキー311が操作された(この場合、ロングプレス)ときに、アプリケーションの状態に応じてアプリケーション毎に予め定められた処理を行なう。
このように制御手段540は、画像形成装置1の状態に応じて選択手段520が選択した機能を実行するか否かを制御する。
【0085】
図9は、本実施の形態における制御装置500、OS(Operating System)、アプリケーション、ホームキー311の関係を模式的に示した図である。
図示するように制御装置500は、ホームキー311と接続される。この接続は、通信ケーブルによりなされるが、専用線であることが好ましい。つまり本実施の形態では、画像形成装置1を使用することができないエラー(SystemFail)が生じているときでも、入力情報取得手段510は、ホームキー311からの入力情報を受け付ける必要がある。そのため通信ケーブルを専用線とし、ホームキー311が最後の命綱的役割を果たせることが好ましい。
【0086】
またOSは、制御装置500上で動作し、さらにアプリケーションは、OS上で動作する。図示する例では、2つのアプリケーションを模式的に示し、図中左側のアプリケーションは、既にインストールされており、図中右側のアプリケーションは、インストールで追加が可能であることを示す。
【0087】
そして図示するアプリケーションは、保守モード機能と、振る舞い機能とを有することを示している。
保守モード機能は、図8のステップ106およびステップ105に示したように、アプリケーションがロングプレスをロックしている場合でも、画像形成装置1を使用することができないエラー(SystemFail)が生じているときに保守モードに移行する機能である。
また振る舞い機能は、図8のステップ111およびステップ119に示したように、アプリケーション毎に予め定められた処理を行なう機能である。
アプリケーションは、図6の制御手段540にロングプレスやプレスをロックする条件を通知してもよい。そして、制御手段540は、アプリケーションから受け取ったロック条件に応じて、ロングプレスやプレスに応じた機能を実行するか否かを制御する。ここでロック条件とは、制御手段540が、ロングプレスやプレスに対応する機能を実行するか否かを決めるための条件をいう。ロック条件は、アプリケーション毎に規定されていても良い。また、複数のアプリケーション単位で同じロック条件が、規定されていても良い。
【0088】
なお上述した例では、制御手段540は1つであったが、ユーザインタフェース300側の制御手段と、制御装置500側の制御手段とに分かれていてもよい。
さらに状態取得手段530も、ユーザインタフェース300側の状態取得手段と制御装置500側の状態取得手段とに別れていてもよい。この場合、ユーザインタフェース300側の状態取得手段は、アプリケーションの状態を取得し、制御装置500側の状態取得手段は、画像形成装置1を使用することができないエラー(SystemFail)のようなエラー等の状態を取得する。
【0089】
さらに上述した例では、ロングプレスとプレスの双方をロックできる場合を挙げたが、ロングプレスだけをロックをしてもよく、プレスだけをロックしてもよい。
【0090】
またさらに上述した例では、情報処理装置として画像形成装置1を例に取り説明を行なったがこれに限られるものではない。即ち、複数の機能を有する入力部がある装置であれば、本実施の形態の適用が可能である。例えば、アプリケーションのアイコンを並べて表示する携帯電話、スマートフォン、タブレットのような機器に対しても適用できる。
【0091】
<プログラムの説明>
なお制御装置500が行う処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。
【0092】
よって制御装置500が行う処理は、コンピュータに、複数の機能が付与されるホームキー311から入力情報を取得する入力情報取得機能と、入力情報取得機能が入力情報を取得したときに、ホームキー311への操作方法から複数の機能のうち何れの機能を実行するかを選択する選択機能と、画像形成装置1の状態を取得する状態取得機能と、画像形成装置1の状態に応じて選択した機能を実行するか否かを制御する制御機能と、を実現させるプログラムとして捉えることもできる。
【符号の説明】
【0093】
1…画像形成装置、20…画像形成部、100…画像読取装置、200…画像記録装置、300…ユーザインタフェース、310…ハードウェアキー、311…ホームキー、320…表示部、500…制御装置、510…入力情報取得手段、520…選択手段、530…状態取得手段、540…制御手段、550…保守手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9