(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記軸方向端面部(284、284C)は、前記内側端面部側に位置する内側部位(285、285C)と前記外側端面部側に位置する外側部位(286、286C)との間の中間部位(287、287C)が、前記径方向に沿って延びている請求項1に記載の遠心送風機。
前記軸方向端面部(284)は、前記内側端面部側に位置する内側部位(285)および前記外側端面部側に位置する外側部位(286)が、前記径方向に沿って延びている請求項2に記載の遠心送風機。
前記軸方向端面部(284C)は、前記内側端面部側に位置する内側部位(285C)が、前記内側端面部に近づくにつれて前記軸方向の高さが小さくなるように傾斜している請求項2に記載の遠心送風機。
前記軸方向端面部は、前記外側端面部側に位置する外側部位が、前記外側端面部に近づくにつれて前記軸方向の高さが小さくなるように傾斜している請求項4に記載の遠心送風機。
前記軸方向端面部(284A、284B)は、前記内側端面部側に位置する内側部位(285A、285B)、および前記内側端面部側に位置する内側部位と前記外側端面部側に位置する外側部位(286A、286B)との間の中間部位(287A、287B)が、前記内側端面部に近づくにつれて前記軸方向の高さが小さくなるように傾斜している請求項1に記載の遠心送風機。
前記軸方向端面部(284A)は、前記外側端面部側に位置する外側部位(286A)が、前記内側端面部に近づくにつれて前記軸方向の高さが小さくなるように傾斜している請求項6に記載の遠心送風機。
前記突出端部(28E)は、前記軸方向端面部(284E)と前記内側端面部(280E)との間および前記軸方向端面部(284E)と前記外側端面部(282E)との間の双方に円弧状のプレート側面取り部(288)が設けられており、
前記吸入側ケース部には、前記突出端部に対向する内壁部の角部に円弧状のプレート側面取り部(380)が設けられている請求項1ないし9のいずれか1つに記載の遠心送風機。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明を実施する形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
【0021】
(第1実施形態)
本実施形態について、
図1〜
図4を参照して説明する。本実施形態の遠心送風機10は、例えば、図示しない車両用のシート空調装置に適用される。このシート空調装置には、乗員が着座するシート内に遠心送風機10が収容されている。シート空調装置は、例えば、遠心送風機10によって、シートに設けられた細孔を介してシート表面付近から空気を吸い込むことで、シートの表面付近の温度および湿度を低下させて乗員の冷房感を向上させる構成となっている。
【0022】
図1、
図2に示すように、本実施形態の遠心送風機10は、回転軸Axの軸方向DRaから吸い込んだ空気を回転軸Axの径方向DRrの外側に吹き出す遠心ファン20、遠心ファン20を収容するケース30を備えている。
【0023】
ケース30には、その内部に空気を吸入するための吸入口30a、および外部に空気を吹き出す吹出口30bが形成されている。ケース30は、中心部に円形状の吸入口30aが形成された板状の上側ケース部32、および図示しない電動モータの本体部が固定される板状の下側ケース部34を有している。本実施形態では、ケース30における上側ケース部32が吸入側ケース部を構成している。なお、上側ケース部32および下側ケース部34は、車両への搭載状態において、上側ケース部32が下側ケース部34の鉛直方向の上方側に位置しないこともある。
【0024】
上側ケース部32および下側ケース部34は、それぞれ樹脂によって形成されている。本実施形態の上側ケース部32および下側ケース部34は、それぞれ矩形状に形成されている。図示しないが、ケース30は、上側ケース部32および下側ケース部34の各角部がボルト締め等によって固定されている。
【0025】
上側ケース部32には、前述の吸入口30aが形成されている。この吸入口30aは、遠心ファン20の回転軸Axと同軸上に形成されている。また、
図1に示すように、ケース30の側面には、上側ケース部32と下側ケース部34との間に形成される隙間によって吹出口30bが形成されている。本実施形態の吹出口30bは、各角部との間の4箇所に形成されている。なお、上側ケース部32の詳細については後述する。
【0026】
続いて、遠心ファン20は、回転軸DRaの軸心SCに対して放射状に配置された複数の羽根22、円環形状に形成された上面側プレート24、および略円錐状に形成された下面側プレート26を有している。遠心ファン20を構成する複数の羽根22、上面側プレート24、および下面側プレート26は、樹脂によって形成されている。なお、本実施形態の上面側プレート24および下面側プレート26は、車両への搭載状態において、上面側プレート24が下面側プレート26の鉛直方向の上方側に位置しないこともある。
【0027】
本実施形態の複数の羽根22は、回転軸Axの径方向DRrの内側から外側に向かって回転方向の逆向きに傾斜した形状となっている。つまり、本実施形態の遠心ファン20は、後ろ向きファン(すなわち、ターボファン)として構成されている。複数の羽根22は、上面側プレート24と下面側プレート26の外周側とで挟まれた状態で、上面側プレート24および下面側プレート26それぞれに固定されている。
【0028】
上面側プレート24には、複数の羽根22の吸入口30a側の端部が固定されている。本実施形態では、上面側プレート24が、複数の羽根22の吸入口30a側の端部が固定される円環状の吸入側プレートを構成している。なお、上面側プレート24の詳細については後述する。
【0029】
下面側プレート26には、複数の羽根22の吸入口30a側とは反対側の端部が固定されている。下面側プレート26の内周側には、図示しない電動モータが配置されている。そして、下面側プレート26の中央部には、電動モータの回転軸Axが連結されている。
【0030】
前述したように、電動モータの本体部は、下側ケース部34に固定されている。このため、電動モータから遠心ファン20の下面側プレート26に回転駆動力が伝達されると、遠心ファン20がケース30の内部で回転する。なお、電動モータは、図示しない制御装置から出力される制御電圧によって、その作動が制御される。
【0031】
続いて、本実施形態の上側ケース部32および上面側プレート24の詳細について、
図2、
図3を参照して説明する。本実施形態では、遠心ファン20から吹き出された空気の逆流に起因する騒音を抑えるため、上側ケース部32および上面側プレート24を以下の構成としている。
【0032】
すなわち、本実施形態の上面側プレート24には、
図2、
図3に示すように、上側ケース部32の吸入口30aに近接する径方向DRrの内側の部位に、軸方向DRaに突出する円環状の突出端部28が形成されている。突出端部28は、その先端部が上側ケース部32に近づくように軸方向DRaに突出している。なお、突出端部28は、その周方向において殆ど段差が生じないように形成されている。
【0033】
突出端部28は、上側ケース部32に対して径方向DRrに対向する内側端面部280および外側端面部282、並びに、上側ケース部32に対して軸方向DRaに対向する軸方向端面部284を有している。内側端面部280は、突出端部28における径方向DRrの内側の側面壁部である。また、外側端面部282は、突出端部28における径方向DRrの外側の側面壁部である。
【0034】
一方、上側ケース部32は、所定の隙間をあけて上面側プレート24に対向するように配置されている。上側ケース部32には、吸入口30aの周縁部位に、突出端部28の内側端面部280の少なくとも一部を覆う内側延出部36が形成されている。内側延出部36は、突出端部28の内側端面部280よりも径方向DRrの内側に位置している。
【0035】
また、上側ケース部32には、突出端部28に対向する部位に突出端部28を受け入れる受入溝部38が形成されている。受入溝部38は、突出端部28との間に所定の隙間が形成されるように、突出端部28よりも若干大きい溝部で構成されている。本実施形態の受入溝部38は、突出端部28の外形状と略相似形状となる溝形状を有している。
【0036】
本実施形態の遠心送風機10は、受入溝部38と突出端部28の外側端面部282との間に、上側ケース部32と上面側プレート24との隙間を径方向DRrの外側から内側に流れる逆流の向きを軸方向DRaに転向させる逆流転向流路12が形成されている。
【0037】
本実施形態の外側端面部282は、軸方向DRaに沿って延びている。これにより、本実施形態の逆流転向流路12は、軸方向DRaに沿って延びる流路となっている。
【0038】
また、本実施形態の遠心送風機10は、受入溝部38と突出端部28の内側端面部280との間に、吸入口30a付近において逆流を軸方向DRaに沿って遠心ファン20に流入させる逆流出口流路14が形成されている。
【0039】
本実施形態の内側端面部280は、逆流に軸方向DRaに沿う流れ成分だけでなく、径方向DRrの内側から外側に向かう流れ成分が含まれるように、径方向DRrの寸法が空気流れ上流側よりも下流側の方が大きくなっている。これにより、本実施形態の逆流出口流路14は、空気流れ上流側が軸方向DRaに沿って延び、空気流れ下流側が内側から外側に向かって傾斜した流路となっている。
【0040】
さらに、本実施形態の遠心送風機10は、受入溝部38と突出端部28の軸方向端面部284との間に、逆流転向流路12から逆流出口流路14に向かう逆流の向きを径方向DRrに沿った向きに転向させる逆流整流流路16が形成されている。
【0041】
ここで、軸方向端面部284は、内側端面部280側に位置する内側部位285、外側端面部282側に位置する外側部位286、および内側部位285と外側部位286との中間に位置する中間部位287を有している。なお、内側部位285は、例えば、軸方向端面部284を径方向DRrに三等分した際の径方向DRrの内側に位置する部位として解釈することができる。また、外側部位286は、例えば、軸方向端面部284を径方向DRrに三等分した際の径方向DRrの外側に位置する部位として解釈することができる。そして、中間部位287は、例えば、軸方向端面部284を径方向DRrに三等分した際の径方向DRrの中間に位置する部位として解釈することができる。
【0042】
本実施形態の軸方向端面部284は、外側部位286、内側部位285、および中間部位287それぞれが、径方向DRrに沿って延びている。本実施形態の外側部位286、内側部位285、および中間部位287それぞれは、各部位の間に段差が形成されないように連続して連なっている。すなわち、本実施形態の軸方向端面部284は、その全体が径方向DRrに沿って直線状に延びている。これにより、本実施形態の逆流整流流路16は、径方向DRrに沿って直線状に延びる流路となっている。
【0043】
本実施形態の遠心送風機10は、逆流転向流路12と逆流出口流路14との間に逆流整流流路16が介在することで、逆流転向流路12で乱れた逆流が逆流整流流路16にて整流された後、逆流出口流路14に流れる構造となっている。
【0044】
ここで、逆流は、逆流整流流路16の流路長さが大きくなるほど、その乱れが低減されると予想される。このため、本実施形態の突出端部28は、逆流整流流路16の流路長さが長くなるように、径方向DRrの厚みが、根元側の部位よりも先端側の部位の方が大きくなっている。すなわち、本実施形態の突出端部28は、軸方向端面部284において径方向DRrの厚みが最大となるように構成されている。
【0045】
次に、上記構成における本実施形態の遠心送風機10の作動について説明する。本実施形態の遠心送風機10は、電動モータが作動すると、電動モータの回転駆動力によって遠心ファン20が回転する。これにより、遠心送風機10には、
図4の矢印AF1に示すように、軸方向DRaに沿ってケース30の吸入口30aに吸入される。そして、吸入口30aに吸入された吸入空気は、
図4の矢印IAFに示すように、軸方向DRaから径方向DRrに曲がりながら遠心ファン20に吸入される。遠心ファン20に吸入された空気は、
図4の矢印AF2に示すように、ケース30の吹出口30bから径方向DRrの外側に吹き出される。
【0046】
ここで、遠心送風機10では、遠心ファン20が回転した際の振動等によって、遠心ファン20がケース30に接触しないように、上面側プレート24と上側ケース部32との間に空隙が設けられている。
【0047】
また、遠心送風機10では、遠心ファン20が回転すると、吸入口30a付近の空間の圧力が低下し、吹出口30b付近の空間の圧力が上昇する。すなわち、遠心送風機10では、吹出口30b付近の空間が吸入口30a付近の空間よりも高い圧力となる。
【0048】
このため、遠心送風機10では、上面側プレート24と上側ケース部32との隙間を介して、吹出口30b側から吸入口30a側に向かう逆流RFが発生することがある。逆流RFが発生すると、逆流した空気が吸入口30aから吸入される吸入空気と衝突することで、複数の羽根22における前縁部付近で騒音の要因となる渦が発生し易くなる。
【0049】
これに対して、本実施形態の遠心送風機10は、上面側プレート24に対して上側ケース部32側に向かって軸方向DRaに突出する突出端部28が設けられている。このため、ケース30と上面側プレート24との隙間に形成される流路が蛇行した流路となっている。これによれば、ケース30と上面側プレート24との隙間における通風抵抗が大きくなることで、ケース30と上面側プレート24との隙間における逆流の発生が抑制される。
【0050】
加えて、本実施形態の遠心送風機10は、吸入口30aの周縁部位と突出端部28の内側端面部280との間に、逆流を軸方向DRaに沿って遠心ファン20に流入させる逆流出口流路14が形成されている。これによれば、ケース30と上面側プレート24との間に逆流が生じたとしても、逆流出口流路14から遠心ファン20に吸入される逆流の向きが吸入口30aから遠心ファン20に吸入される吸入空気の向きと同様となる。すなわち、本実施形態の遠心送風機10は、逆流出口流路14から遠心ファン20に吸入される逆流の向きと吸入口30aから遠心ファン20に吸入される吸入空気の向きとのなす角度が鋭角となる。これにより、吸入空気と逆流とが合流する際の相互干渉を抑えることができる。
【0051】
特に、本実施形態の遠心送風機10は、逆流出口流路14の手前に、逆流転向流路12で乱れた逆流を整流させる逆流整流流路16が形成されているので、逆流出口流路14から遠心ファン20に吸入される逆流の乱れを充分に抑えることができる。
【0052】
このように、本開示の遠心送風機10では、吸入空気と逆流とが合流する際の相互干渉を受分に抑えることができるので、吸入空気と逆流とが合流する際の相互干渉に起因した騒音を低減することができる。
【0053】
具体的には、本実施形態では、突出端部28の軸方向端面部284の全体を径方向DRrに沿って延びる形状としている。これによれば、逆流整流流路16の全体が直線状に延びる流路となるので、逆流整流流路16において逆流転向流路12で生じた逆流の乱れを充分に低減させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、突出端部28は、逆流整流流路16の流路長さが大きくなるように、径方向DRrの厚みが、根元側の部位よりも先端側の部位の方が大きくなっている。これによれば、逆流整流流路16の流路長さを充分に確保することができるので、逆流整流流路16における整流効果を高めることができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、
図5、
図6を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して突出端部28Aの形状を変更している。
【0056】
本実施形態の突出端部28Aは、
図5、
図6に示すように、軸方向端面部284Aの外側部位286A、内側部位285A、および中間部位287Aそれぞれが、内側端面部280Aに近づくに伴って軸方向DRaの高さが小さくなるように傾斜している。本実施形態の外側部位286A、内側部位285A、および中間部位287Aそれぞれは、各部位の間に段差が形成されないように連続して連なっている。すなわち、本実施形態の軸方向端面部284Aは、その全体が径方向DRrの外側から内側に向かって軸方向DRaの高さが小さくなるように傾斜している。なお、本実施形態の内側端面部280Aにおける軸方向DRaの高さは、外側端面部282Aの軸方向DRaの高さよりも小さくなっている。
【0057】
より具体的には、本実施形態の外側部位286A、内側部位285A、および中間部位287Aそれぞれは径方向DRrに交差する方向に沿って直線状に延びている。これにより、本実施形態の逆流整流流路16Aは、径方向DRrに交差する方向に沿って直線状に延びる流路となっている。なお、本実施形態の上側ケース部32の受入溝部38Aは、突出端部28Aの外形状と略相似形状となる溝形状を有している。
【0058】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の遠心送風機10は、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0059】
特に、本実施形態では、軸方向端面部284Aの全体を内側端面部280Aに近づくに伴って軸方向DRaの高さが小さくなるように傾斜させている。このような構成では、逆流整流流路16Aから逆流出口流路14に流れる際の流路の曲げ角度が小さくなる。このため、逆流整流流路16Aから逆流出口流路14に流れる際に生ずる逆流の乱れを抑えることができるので、逆流出口流路14から遠心ファン20に吸入される逆流の乱れを充分に抑えることができる。
【0060】
ここで、本実施形態では、軸方向端面部284Aの全体が直線状の延びる形状となるものを例示したが、これに限定されない。軸方向端面部284Aは、例えば、少なくとも一部が湾曲した曲面形状となっていてもよい。
【0061】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、
図7、
図8を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して突出端部28Bの形状を変更している。
【0062】
本実施形態の突出端部28Bは、
図7、
図8に示すように、軸方向端面部284Bの外側部位286Bが径方向DRrに沿って延びている。また、本実施形態の突出端部28Bは、軸方向端面部284Bの内側部位285Bおよび中間部位287Bそれぞれが、内側端面部280Bに近づくに伴って軸方向DRaの高さが小さくなるように傾斜している。本実施形態の内側部位285Bおよび中間部位287Bそれぞれは、各部位の間に段差が形成されないように連続して連なっている。
【0063】
本実施形態の軸方向端面部284Bは、径方向DRrの外側の部位が径方向DRrに沿って延びると共に、径方向DRrの外側の部位以外の部位が径方向DRrの外側から内側に向かって軸方向DRaの高さが小さくなるように傾斜している。なお、本実施形態の内側端面部280Bにおける軸方向DRaの高さは、外側端面部282Bの軸方向DRaの高さよりも小さくなっている。
【0064】
より具体的には、本実施形態の外側部位286B、内側部位285B、および中間部位287Bそれぞれは、直線状に延びている。これにより、本実施形態の逆流整流流路16Bは、径方向DRrの外側の部位が径方向DRrに沿って直線状に延びると共に、径方向DRrの外側の部位以外の部位が径方向DRrに交差する方向に沿って直線状に延びる流路となっている。なお、本実施形態の上側ケース部32の受入溝部38Bは、突出端部28Bの外形状と略相似形状となる溝形状を有している。
【0065】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の遠心送風機10は、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0066】
特に、本実施形態では、軸方向端面部284Bの外側部位286Bが径方向DRrに沿って延びる形状となっている。これによれば、逆流整流流路16Bにおける直線状に延びる区間を確保することができるので、逆流整流流路16Bにおいて逆流転向流路12における逆流の乱れを低減させることができる。
【0067】
また、本実施形態では、軸方向端面部284Bの内側部位285Bおよび中間部位287Bが内側端面部280Bに近づくに伴って軸方向DRaの高さが小さくなるように傾斜している。このような構成では、逆流整流流路16Bから逆流出口流路14に流れる際の流路の曲げ角度が小さくなる。このため、逆流整流流路16Bから逆流出口流路14に流れる際に生ずる逆流の乱れを抑えることができるので、逆流出口流路14から遠心ファン20に吸入される逆流の乱れを充分に抑えることができる。
【0068】
ここで、本実施形態では、軸方向端面部284Bとして、外側部位286Bが径方向DRrに沿って延びると共に、内側部位285Bおよび中間部位287Bそれぞれが径方向DRrに対して傾斜するものを例示したが、これに限定されない。軸方向端面部284Bは、例えば、外側部位286Bおよび中間部位287Bが径方向DRrに沿って延びると共に、内側部位285Bが径方向DRrに対して傾斜するように構成されていてもよい。
【0069】
また、本実施形態では、軸方向端面部284Bの外側部位286B、内側部位285B、および中間部位287Bそれぞれが直線状の延びる形状となるものを例示したが、これに限定されない。軸方向端面部284Bは、例えば、少なくとも一部が湾曲した曲面形状となっていてもよい。
【0070】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、
図9、
図10を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して突出端部28Cの形状を変更している。
【0071】
本実施形態の突出端部28Cは、
図9、
図10に示すように、軸方向端面部284Cの中間部位287Cが径方向DRrに沿って延びている。また、本実施形態の突出端部28Cは、軸方向端面部284Cの内側部位285Cが内側端面部280Cに近づくに伴って軸方向DRaの高さが小さくなるように傾斜している。さらに、本実施形態の突出端部28Cは、軸方向端面部284Cの外側部位286Cが外側端面部282Cに近づくに伴って軸方向DRaの高さが小さくなるように傾斜している。
【0072】
本実施形態の軸方向端面部284Cは、径方向DRrの中間に位置する部位が径方向DRrに沿って延びると共に、径方向DRrの外側の部位および内側の部位が傾斜している。なお、本実施形態の内側端面部280Cにおける軸方向DRaの高さは、外側端面部282Cの軸方向DRaの高さと同等となっている。
【0073】
より具体的には、本実施形態の外側部位286C、内側部位285C、および中間部位287Cそれぞれは、直線状に延びている。これにより、本実施形態の逆流整流流路16Cは、径方向DRrの中間に位置する部位が径方向DRrに沿って直線状に延びると共に、径方向DRrの外側の部位および内側の部位が径方向DRrに交差する方向に沿って直線状に延びる流路となっている。なお、本実施形態の上側ケース部32の受入溝部38Cは、突出端部28Cの外形状と略相似形状となる溝形状を有している。
【0074】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の遠心送風機10は、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0075】
特に、本実施形態では、軸方向端面部284Cの外側部位286Cが外側端面部282Cに近づくに伴って軸方向DRaの高さが小さくなるように傾斜している。このような構成では、上側ケース部32と突出端部28Cとの間に形成される流路における逆流の乱れが抑制される。すなわち、本実施形態の構成では、上側ケース部32と突出端部28Cとの間に形成される流路における逆流の乱れを抑えることができる。
【0076】
ここで、本実施形態では、軸方向端面部284Cの外側部位286C、内側部位285C、および中間部位287Cそれぞれが直線状の延びる形状となるものを例示したが、これに限定されない。軸方向端面部284Cは、例えば、少なくとも一部が湾曲した曲面形状となっていてもよい。
【0077】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、
図11、
図12を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して突出端部28Dの形状を変更している。
【0078】
本実施形態の突出端部28Dは、
図11、
図12に示すように、軸方向端面部284Dの中間部位287Dが、上側ケース部32側に向かって突き出るように円弧状に湾曲した形状となっている。なお、本実施形態の軸方向端面部284Dは、直径が突出端部28Dの径方向DRrの幅寸法以上となる円弧状の形状となっている。
【0079】
これにより、本実施形態の逆流整流流路16Dは、円弧状に湾曲した流路となっている。なお、本実施形態の上側ケース部32の受入溝部38Dは、突出端部28Dの外形状と略相似形状となる溝形状を有している。
【0080】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の遠心送風機10は、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0081】
特に、本実施形態では、軸方向端面部284Dが上側ケース部32側に向かって突き出るように円弧状に湾曲した形状となっている。このような構成では、上側ケース部32と突出端部28Dとの間に形成される流路における逆流の乱れが抑制される。すなわち、本実施形態の構成では、上側ケース部32と突出端部28Dとの間に形成される流路における逆流の乱れを抑えることができるので、逆流出口流路14から遠心ファン20に吸入される逆流の乱れを充分に抑えることができる。
【0082】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について、
図13、
図14を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して突出端部28Eの形状を変更している。
【0083】
本実施形態の突出端部28Eは、
図13、
図14に示すように、軸方向端面部284Eと内側端面部280Eとの間、および軸方向端面部284Eと外側端面部282Eとの間の双方に円弧状のプレート側面取り部288が設けられている。
【0084】
また、本実施形態の上側ケース部32の受入溝部38Eは、突出端部28Eの外形状と略相似形状となる溝形状を有している。具体的には、本実施形態の受入溝部38Eには、突出端部28Eに対向する内壁部の角部に円弧状のケース側面取り部380が形成されている。
【0085】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の遠心送風機10は、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0086】
特に、本実施形態では、突出端部28Eの角部にプレート側面取り部288を設けると共に、上側ケース部32における突出端部28Eに対向する内壁部の角部にケース側面取り部380が設けられている。このような構成では、ケース30と突出端部28Eとの間に形成される流路における逆流の乱れを抑えることができるので、逆流出口流路14から遠心ファン20に吸入される逆流の乱れを抑えることができる。
【0087】
ここで、本実施形態では、第1実施形態で示した遠心送風機10に対して、プレート側面取り部288およびケース側面取り部380を設けた構成を例示したが、これに限定されない。プレート側面取り部288およびケース側面取り部380は、第2〜第6実施形態で示した遠心送風機10に対して設けられていてもよい。
【0088】
(他の実施形態)
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
【0089】
上述の各実施形態では、逆流整流流路16の流路長さを確保するために、突出端部28の径方向DRrの厚みが根元側の部位よりも先端側の部位の方向が大きくなる構成を例示したが、これに限定されない。例えば、突出端部28は、径方向DRrの厚みが軸方向DRaにおいて略一定となるように構成されていてもよい。
【0090】
上述の各実施形態では、様々な形状の突出端部28、28A〜28Eを例示したが、これに限定されない。突出端部28、28A〜28Eは、上述の実施形態で例示したものと異なる形状となっていてもよい。
【0091】
上述の各実施形態では、遠心ファン20が後ろ向きファン(すなわち、ターボファン)で構成される例について説明したが、これに限定されない。遠心ファン20は、例えば、複数の羽根が径方向の内側から外側に向かって回転方向に傾斜した形状に形成された前向きファン(すなわち、シロッコファン)で構成されていてもよい。
【0092】
上述の各実施形態では、本発明の遠心送風機10を車両用のシート空調装置に適用した例について説明したが、遠心送風機10の適用対象は車両用のシート空調装置に限定されない。遠心送風機10は、例えば、パーソナルコンピュータのCPUの冷却装置、電気掃除機等にも適用可能である。
【0093】
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0094】
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
【0095】
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
【0096】
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、遠心送風機は、吸入側プレートに軸方向に突出する突出端部が設けられている。また、遠心送風機は、吸入口の周縁部位と突出端部の内側端面部との間に、逆流を軸方向に沿って遠心ファンに流入させる逆流出口流路が形成されている。さらに、遠心送風機は、逆流出口流路の手前に、逆流転向流路で乱れた逆流を整流させる逆流整流流路が形成されている。
【0097】
また、第2の観点によれば、遠心送風機は、軸方向端面部のうち、内側端面部側に位置する内側部位と外側端面部側に位置する外側部位との間の中間部位が、径方向に沿って延びている。このように、軸方向端面部の中間部位を径方向に沿って延びる形状とすれば、逆流整流流路の一部が直線状に延びる流路となるので、逆流整流流路において逆流転向流路における逆流の乱れを低減させることができる。
【0098】
また、第3の観点によれば、遠心送風機は、軸方向端面部のうち、内側端面部側に位置する内側部位および外側端面部側に位置する外側部位が、径方向に沿って延びている。このように、軸方向端面部の全体を径方向に沿って延びる形状とすれば、逆流整流流路の全体が直線状に延びる流路となるので、逆流整流流路において逆流転向流路で生じた逆流の乱れを充分に低減させることができる。
【0099】
また、第4の観点によれば、遠心送風機は、軸方向端面部のうち、内側端面部側に位置する内側部位が、内側端面部に近づくにつれて軸方向の高さが小さくなるように傾斜している。このように、軸方向端面部の内側部位を傾斜させる構成とすれば、逆流整流流路から逆流出口流路に流れる際に生ずる逆流の乱れを抑えることができるので、逆流出口流路から遠心ファンに吸入される逆流の乱れを充分に抑えることができる。
【0100】
また、第5の観点によれば、遠心送風機は、軸方向端面部のうち、外側端面部側に位置する外側部位が、外側端面部に近づくにつれて軸方向の高さが小さくなるように傾斜している。このように、軸方向端面部の外側部位を傾斜させる構成とすれば、ケースと突出端部との間に形成される流路における逆流の乱れを抑えることができるので、逆流出口流路から遠心ファンに吸入される逆流の乱れを抑えることができる。
【0101】
また、第6の観点によれば、遠心送風機は、軸方向端面部のうち、内側端面部側に位置する内側部位、および当該内側部位と外側端面部側に位置する外側部位との間の中間部位が、内側端面部に近づくにつれて軸方向の高さが小さくなるように傾斜している。このように、軸方向端面部の内側部位および中間部位を傾斜させる構成とすれば、逆流整流流路から逆流出口流路に流れる際に生ずる逆流の乱れを抑えることができるので、逆流出口流路から遠心ファンに吸入される逆流の乱れを充分に抑えることができる。
【0102】
また、第7の観点によれば、遠心送風機は、軸方向端面部のうち、外側端面部側に位置する外側部位が、内側端面部に近づくにつれて軸方向の高さが小さくなるように傾斜している。このように、軸方向端面部の全体を傾斜させる構成とすれば、逆流整流流路から逆流出口流路に流れる際に生ずる逆流の乱れを抑えることができるので、逆流出口流路から遠心ファンに吸入される逆流の乱れを充分に抑えることができる。
【0103】
また、第8の観点によれば、遠心送風機は、軸方向端面部のうち、外側端面部側に位置する外側部位が、径方向に沿って延びている。このように、軸方向端面部の外側部位を径方向に沿って延びる形状とすれば、逆流整流流路における直線状に延びる区間を確保することができるので、逆流整流流路において逆流転向流路における逆流の乱れを低減させることができる。
【0104】
また、第9の観点によれば、遠心送風機は、軸方向端面部が円弧状に湾曲している。このように、軸方向端面部の全体を円弧状に湾曲させる構成とすれば、ケースと突出端部との間に形成される流路における逆流の乱れを抑えることができるので、逆流出口流路から遠心ファンに吸入される逆流の乱れを抑えることができる。
【0105】
また、第10の観点によれば、遠心送風機は、突出端部における軸方向端面部と内側端面部との間および軸方向端面部と外側端面部との間の双方に円弧状のプレート側面取り部が設けられている。また、吸入側ケース部には、突出端部に対向する内壁部の角部に円弧状のプレート側面取り部が設けられている。このように、突出端部の角部および吸入ケース部における突出部に対向する内壁部の角部の双方に円弧状の面取り部を設ける構成とすれば、ケースと突出端部との間に形成される流路における逆流の乱れを抑えることができる。この結果、逆流出口流路から遠心ファンに吸入される逆流の乱れを抑えることができる。