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前記第1の制御部は、前記直近の位置を所定の固定位置として前記地図及び前記直近の位置を示す標識を前記表示部により表示させる動作制御を行うことを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の情報処理装置の実施形態であるスマートウォッチについて説明する。
図1は、本実施形態のスマートウォッチ100の正面図である。
【0011】
図1(a)に示すように、スマートウォッチ100は、バンド2を用いて本体部1をユーザの腕に装着可能な腕装着型の情報処理装置である。スマートウォッチ100の本体部1は、フレーム3と、表示画面4などを備える。
【0012】
フレーム3は、一の面に表示画面4を露出させて支持し、また、内部に後述の各種動作に係る機能構成を保持する。
【0013】
表示画面4には、2枚の表示部が積層されている。
図1(b)に示すように、下部には、第1表示部12(
図2参照)の表示画面12aが設けられ、上部には、第2表示部22(
図2参照)の表示画面22aが設けられている。すなわち、
図1(a)では、第1表示部12により表示がなされ、第2表示部22の表示画面22aが第1表示部12による表示を透過させている状態を示している。
第2表示部22の更に上部には、図示略のタッチセンサ(タッチパネル)が設けられてユーザ操作を受け付けることが可能となっている。フレーム3の側面には、押しボタンスイッチなどが設けられて、タッチセンサとともにユーザの操作を受付可能とされても良い。
【0014】
第1表示部12は、ドットマトリクスによるカラー液晶表示画面を有し、ユーザの入力操作や各種プログラム動作などに応じて各種機能に係る種々の表示を切り替えて及び/又は並列に行う。
第2表示部22は、第1表示部12よりも低消費電力で簡略表示により時刻の表示が可能な表示画面を有し、例えば、セグメント方式による白黒液晶表示を行う。あるいは、第2表示部22の表示画面22aには、メモリインピクセル液晶(MIP液晶)が用いられても良いし、PN液晶(Polymer Network)などが用いられても良い。また、第2表示部22の表示画面22aは、所定の電圧を印加することで表示を一切行わせずに第1表示部12の表示内容を上方に透過させることができる。
【0015】
図2は、本実施形態のスマートウォッチ100の機能構成を示すブロック図である。
スマートウォッチ100は、メインマイコン11(第1の制御部)と、第1表示部12(表示部)と、操作受付部13と、無線通信コントローラ14と、外部記憶部15(地図情報記憶部)と、サブマイコン21(第2の制御部)と、第2表示部22と、計測部23と、衛星電波受信モジュール24(測位処理部)と、PMIC31(Power Management IC)などを備える。
【0016】
メインマイコン11は、メインCPU111と、RAM112と、記憶部113と、計時部114などを備えたメインとなる制御部である。メインマイコン11は、PMIC31を介して電源からの電力供給を受けて、第1表示部12、操作受付部13、無線通信コントローラ14及び外部記憶部15などの各部の動作を制御する。
【0017】
メインCPU111は、各種演算処理を行い、スマートウォッチ100の通常の動作状態における動作を統括制御する。また、メインCPU111は、サブマイコン21から衛星電波受信モジュール24や計測部23の計測データを取得して種々の処理(情報処理)を行う。種々の処理としては、各種表示データの作成、移動速度、移動加速度や移動方向などの算出、これらの積算値、平均値、ばらつきなどの統計処理、これらのデータを用いた各種パラメータ、例えば、消費カロリーなどの演算などが挙げられる。メインCPU111は、動作の必要がない場合には、自動で又は所定の入力操作に応じて一時的に動作が停止され得る。
RAM112は、メインCPU111に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0018】
記憶部113は、メインCPU111の実行する制御プログラム(各種アプリケーションプログラム(アプリ)を含む)や設定データなどを記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。記憶部113に記憶されるデータには、衛星電波受信モジュール24による測位結果を利用するアプリ、例えば、日常的に現在位置を取得する位置情報取得アプリ、ナビゲーションアプリや、アウトドア活動の履歴取得アプリ(活動量計測アプリ、ランニング計測アプリ、サイクリング計測アプリや登山アプリなど)、及びこれらのアプリの命令に応じて衛星電波受信モジュール24により時系列データとして得られた測位結果に基づく移動軌跡データ(ログデータ)などが含まれる。
【0019】
計時部114は、メインCPU111の制御に基づいて現在日時を計数する。計時部114は、カウンタなどを有し、メインマイコン11の動作クロック周波数に応じて後述のRTC214よりも高精度な日時の計数を行う。
【0020】
上述の第1表示部12は、主にメインマイコン11(メインCPU111)の制御動作により表示動作がなされ、ここでは、メインマイコン11が休止状態の間、併せて表示がオフされるが、限定的な表示内容については、サブマイコン21(サブCPU211)による制御動作がなされることも可能とされて良い。
【0021】
操作受付部13は、上述のタッチセンサを含み、外部から(すなわちユーザ)の入力操作を受け付けて、操作内容を電気信号に変換してメインCPU111に出力する。タッチセンサへの入力操作があった場合にメインCPU111が休止している(スタンバイ状態である)場合には、この電気信号が動作再開信号となってメインCPU111の動作が再開される。
【0022】
無線通信コントローラ14は、外部の電子機器と無線通信を行うためのコントローラである。無線通信規格としては、特には限られないが、例えば、ブルートゥース(登録商標:Bluetooth)などの近距離無線通信や、無線LAN(IEEE802.11)などが挙げられる。メインマイコン11(メインCPU111)は、無線通信コントローラ14を介して外部から必要な情報やプログラム及びこれらの更新データなどを取得することが出来る。通信接続対象となる外部の電子機器としては、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末やPDA(Personal Digital Assistant)などが挙げられるが、これらに限られない。
【0023】
外部記憶部15は、不揮発性の大容量ストレージであり、ナビゲーションや地図表示を行うための地図データなどを記憶する。この外部記憶部15は、スマートウォッチ100に内蔵されるものに限られず、フラッシュメモリなどの着脱可能な可搬型小型記憶媒体が取り付けられて設けられているものであっても良い。また、この地図データは、予め記憶媒体などで提供されるものに限られず、WiFiなどを用いてユーザが予め又は測位結果の変化に応じて取得された地図データが消去可能に随時追加記憶されるものであっても良い。
【0024】
サブマイコン21は、サブCPU211(第2のプロセッサ)と、RAM212と、記憶部213と、RTC214(リアルタイムクロック)と、バッファメモリ215(一時記憶部)などを備える。サブマイコン21は、PMIC31を介して電源から電力供給を受けて動作する。また、サブマイコン21は、第2表示部22、計測部23及び衛星電波受信モジュール24の動作及びメインマイコン11とのデータのやり取りを制御する。サブマイコン21の消費電力(通常の動作時及び最大時;主にCPUのTDP(熱設計電力)や、これにRAMの容量及び枚数などの影響を加えたものを基準とすることができる)は、メインマイコン11の消費電力(それぞれ通常の動作時及び最大時)よりも小さく、継続的に行われる動作を比較的小さい電力消費で行うためのサブの制御部である。
【0025】
サブCPU211は、各種演算処理を行い、サブマイコン21の動作を統括制御する。サブCPU211は、メインCPU111よりも低消費電力(TDPなど)であって、これに伴ってメインCPU111よりも低能力であって良い。サブCPU211は、PMIC31からの電力供給が不足していない限り、原則的に最低限の動作が維持される。なお、最低限の動作が所定の間隔で定期的に行われる場合には、当該所定の間隔で動作する期間以外の動作が休止されても(スタンバイ状態とされても)良い。
RAM212は、サブCPU211に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを既往する。RAM212は、サブCPU211が上述のように動作を間欠的に行う場合であっても、PMIC31からの電力供給が正常に行われている限り、記憶データを保持する。
【0026】
記憶部213は、サブCPU211の実行する制御プログラム(各種アプリを含む)や設定データなどを記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。記憶部213に記憶されるプログラム213aには、サブマイコン21において実行される計測部23の動作制御プログラムや衛星電波受信モジュール24の測位動作を制御する測位制御処理を含む制御プログラムが含まれる。
【0027】
RTC214は、時刻の計時動作を行う通常のものであり、上述のように、メインマイコン11の計時部114による計時動作よりも精度が低いが一方で当該計時部114よりも計時動作に係る消費電力が小さく、メインマイコン11の停止時やサブマイコン21のスタンバイ時などでも継続的に日時の計数を行う。
【0028】
バッファメモリ215は、衛星電波受信モジュール24により取得された測位結果(測位データ)を一時的に記憶する揮発性メモリであり、DRAMなどが用いられる。衛星電波受信モジュール24により取得された測位結果は、一度バッファメモリ215に蓄えられ、適切なタイミングでメインマイコン11に転送される。
【0029】
第2表示部22は、上述のように、第1表示部12よりも消費電力が低く、また、表示動作時には、時刻の表示に用いられる。表示画面にMIP液晶が用いられる場合には、第2表示部22は、サブCPU211の制御により表示内容の更新周波数を落とすことができる。
【0030】
計測部23は、スマートウォッチ100(自機)の運動状態を示す物理量を計測するセンサを有する。計測部23には、ここでは、加速度センサが含まれ、これに加えて方位センサ(地磁場センサ)や気圧センサ(高度センサとして用いられる)などが含まれても良い。また、計測部23は、スマートウォッチ100の所定の姿勢、ここでは、ユーザがスマートウォッチ100の表示画面を見やすいように腕を眼前に掲げた場合の当該スマートウォッチ100の傾斜状態を検出する傾斜センサを有している。
【0031】
衛星電波受信モジュール24は、測位衛星からの電波、ここでは、少なくともGPS(Global Positioning System)に係る衛星(GPS衛星)からの電波を捕捉、受信して復調し、時刻を取得したり測位を行ったり(位置情報を取得)することが可能なモジュールである。衛星電波受信モジュール24は、図示略のアンテナを有し、サブマイコン21(サブCPU211)により制御されて動作を行う。衛星電波受信モジュール24は、L1帯の電波(GPS衛星では、1.57542GHz)の電波を受信して逆スペクトラム拡散を行い、航法メッセージを取得、解読する。また、衛星電波受信モジュール24は、航法メッセージの取得、解読結果に基づいて測位演算を行う。得られた日時や現在位置は、所定のフォーマットにより出力される。
【0032】
衛星電波受信モジュール24は、メモリ241を備え、動作に必要な一時データを記憶する。メモリ241は、揮発性メモリであり、動作時には、測位動作に必要な実行制御プログラム(ファームウェア)、各測位衛星の航法メッセージのフォーマット情報、各測位衛星などから取得された軌道情報(エフェメリス、アルマナク)が記憶される。メモリ241は、衛星電波受信モジュール24の受信動作部の動作が停止された場合でも動作を維持させておくことが可能であるが、メモリ241の動作を停止させて再起動させた場合には、これらのうち少なくとも一部(ファームウェアなど)がサブマイコン21の記憶部213から再取得されるようになっている。衛星電波受信モジュール24は、測位に必要な数の測位衛星からの電波を捕捉し、各々エフェメリスを取得した後、継続的に測位演算を行って現在位置を求めることができる。この場合の現在位置の算出間隔は、特には限られないが、ここでは1秒間隔とされる。
【0033】
PMIC31は、電源からメインマイコン11及びサブマイコン21への電力供給を制御する。PMIC31は、例えば、メインマイコン11及びサブマイコン21への電力出力可否の切り替えスイッチや、出力電圧などを調整するDC/DCコンバータなどを備え、メインマイコン11やサブマイコン21の動作時に適切な電力をこれらに供給する。
【0034】
次に、本実施形態のスマートウォッチ100における動作制御について説明する。
上述のように、スマートウォッチ100は、第1表示部12による表示動作を制御して各種情報処理を行うメインマイコン11と、第2表示部22、計測部23及び衛星電波受信モジュール24の動作を制御するサブマイコン21とを有する。第1表示部12による表示動作は、不要な場合にはオフさせることができ、この場合には、入れ替わりで第2表示部22により少なくとも現在時刻(時分)の表示を行わせる。
【0035】
また、メインマイコン11の動作は、上述のように、メインCPU111の動作有無を切り替えることで、動作状態と休止状態との間で切替が可能である。休止状態の場合には、メインCPU111の動作停止に伴って第1表示部12による表示もオフされる。ここでは、休止状態では、RAM112の記憶動作は維持され(スタンバイ状態)、メインCPU111の動作再開時に速やかに通常の動作に復帰することができる。あるいは、休止状態において、RAM112の記憶動作も完全に中止されても良いし(シャットダウン)、又はRAM112の記憶内容を記憶部113に退避させて復旧可能に動作を中止させても良い(スリープ状態)。また、スタンバイ状態としての休止状態とは別途、メインマイコン11をシャットダウン及び/又はスリープ状態に移行可能としても良い。メインマイコン11は、休止状態が継続されていても、所定の間隔(維持動作間隔)、例えば、10分に1回一時的に動作状態に復帰して所定の処理(維持動作)を行う。
【0036】
メインマイコン11の再起動は、特には限られないが、ここでは、操作受付部13のタッチセンサが接触操作を検出した場合に自発的に、及び計測部23の傾斜センサが上述の傾斜状態を検出した場合にサブマイコン21からの起動信号によりそれぞれなされる。
【0037】
サブマイコン21(サブCPU211)は、メインCPU111の動作有無及び第1表示部12による表示のオンオフの情報を随時取得し、メインCPU111及び第1表示部12の動作状態に応じた動作制御を行う。
【0038】
図3は、メインマイコン11で実行されるメインマイコン状態通知制御処理のメインCPU111による制御手順を示すフローチャートである。
【0039】
このメインマイコン状態通知制御処理は、メインCPU111の起動時(動作再開時も含む)に起動され、メインCPU111の動作停止時まで継続的に実行される。メインマイコン状態通知制御処理が開始されると、メインCPU111は、メインCPU111のオン通知をサブマイコン21に出力する(ステップS101)。
【0040】
メインCPU111は、第1表示部12の表示動作がオン状態に切り替わったか否かを判別する(ステップS102)。オン状態に切り替わったと判別された場合には(ステップS102で“YES”)、メインCPU111は、第1表示部12の動作がオン状態に切り替わった旨サブマイコン21に通知する(ステップS103)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS104に移行する。オン状態に切り替わっていないと判別された場合には(ステップS102で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS104に移行する。
【0041】
ステップS104の処理に移行すると、メインCPU111は、第1表示部12の表示動作がオフ状態に切り替わったか否かを判別する(ステップS104)。オフ状態に切り替わったと判別された場合には(ステップS104で“YES”)、メインCPU111は、第1表示部12の動作がオフ状態に切り替わった旨サブマイコン21に通知する(ステップS105)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS106に移行する。オン状態に切り替わっていないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS106に移行する。
【0042】
ステップS106の処理に移行すると、メインCPU111は、当該メインCPU111の動作を停止するか否かを判別する(ステップS106)。停止しないと判別された場合には(ステップS106で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS102に戻る。停止すると判別された場合には(ステップS106で“YES”)、メインCPU111は、自身を停止する旨サブマイコン21に通知する(ステップS107)。そして、メインCPU111は、メインマイコン状態通知制御処理を終了する。
【0043】
次に、本実施形態のスマートウォッチ100における測位動作について説明する。
スマートウォッチ100では、メインマイコン11に常駐する位置情報取得アプリによる要求に基づいて、衛星電波受信モジュール24により所定の時間間隔で継続的に測位動作が行われ、現在位置の移動履歴、すなわち移動軌跡を記録することが可能になっている。また、記録された移動軌跡は、第1表示部12により地図上に表示させることが可能となっている。この移動履歴の取得動作(継続的な測位動作)は、メインマイコン11の動作状況、すなわち、動作状態又は休止状態、第1表示部12による表示動作の有無、表示動作時に位置情報取得アプリに係る位置表示を行っているか否か、及びメインマイコン11が他のアプリなどの動作を並列に行っているかなどにかかわらず、サブマイコン21がメインマイコン11から受け付けた測位開始要求に基づいて実行される。
【0044】
衛星電波受信モジュール24で取得された測位結果は、サブマイコン21に出力され、バッファメモリ215に一時記憶される。一時記憶された測位結果は、メインマイコン11の動作状況に応じて定められる適切なタイミング(転送可否及び転送可の場合の転送頻度など)で当該メインマイコン11に転送されてデータ処理や表示動作が行われる。
【0045】
図4は、本実施形態のスマートウォッチ100のメインマイコン11で実行される計測制御処理のメインCPU111による制御手順を示すフローチャートである。この計測制御処理は、操作受付部13への明示的な開始操作の受付時、及び常駐設定が解除されていない限りメインCPU111の初期起動時に起動される。また、メインCPU111の動作停止時には、設定を保持してサブマイコン21による動作制御状態を維持させたまま中断され、動作復帰時には、動作が再開される。
【0046】
計測制御処理が開始されると、メインCPU111は、設定データがある(RAM112に記憶されている)か否かを判別する(ステップS121)。この設定データは、メインCPU111の動作停止前などに定められた設定であり、設定データがある場合にはそのまま用いられる。設定データがあると判別された場合には(ステップS121で“YES”)、メインCPU111の処理は、ステップS123に移行する。ないと判別された場合には(ステップS121で“NO”)、メインCPU111は、記憶部113から初期設定データを読み出して初期設定を行う(ステップS122)。この初期設定には、測位開始命令が含まれる。それからメインCPU111の処理は、ステップS123に移行する。
【0047】
ステップS123の処理に移行すると、メインCPU111は、測位開始命令が取得されたか否かを判別する(ステップS123)。取得されたと判別された場合には(ステップS123で“YES”)、メインCPU111は、サブマイコン21に対して測位開始要求を出力する(ステップS124)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS125に移行する。測位開始命令が取得されていない(既に測位動作中の場合を含む)と判別された場合には(ステップS123で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS125に移行する。
【0048】
ステップS125の処理に移行すると、メインCPU111は、測位終了命令が取得されたか否かを判別する(ステップS125)。この測位終了命令は、計測制御処理(常駐アプリ)自体の終了を伴わないものであり、例えば、旅客機搭乗時に設定される機内モード設定などによる一時終了などを含む。取得されたと判別された場合には(ステップS125で“YES”)、メインCPU111は、サブマイコン21に対して測位終了要求を出力する(ステップS126)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS127に移行する。測位終了命令が取得されていないと判別された場合(既に測位動作を停止している状態の場合も含む)には(ステップS125で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS127に移行する。
【0049】
ステップS127の処理に移行すると、メインCPU111は、計測制御に係る常駐アプリの終了命令が取得されたか否かを判別する(ステップS127)。アプリ終了命令が取得されたと判別された場合には(ステップS127で“YES”)、メインCPU111は、サブマイコン21に対して測位終了要求を出力する(ステップS128)。メインCPU111は、アプリ終了処理を行う(ステップS129)。このアプリ終了処理には、サブマイコン21のバッファメモリ215に残っている位置情報を取得して必要な処理を行う動作を含む。それから、メインCPU111は、計測制御処理を終了する。
【0050】
アプリ終了命令が取得されていないと判別された場合には(ステップS127で“NO”)、メインCPU111は、メインCPU111自身の停止命令、すなわち、休止モード(スタンバイ状態)への移行命令が取得されたか否かを判別する(ステップS130)。停止命令が取得されたと判別された場合には(ステップS130で“YES”)、メインCPU111は、メインマイコン11のスタンバイ状態への移行処理を行う(ステップS131)。この移行処理には、サブマイコン21とのデータのやり取りを中止し、また、メインマイコン11における測位データの処理を中止する処理を含む。それから、メインCPU111は、計測制御処理を終了する。
【0051】
メインCPU111の停止命令が検出されていないと判別された場合には(ステップS130で“NO”)、メインCPU111は、サブマイコン21から測位データが入力されたか否かを判別する(ステップS132)。入力されたと判別された場合には(ステップS132で“YES”)、メインCPU111は、後述の表示制御処理を呼び出して実行する(ステップS133)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS123に戻る。測位データが入力されていないと判別された場合には(ステップS132で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS123に戻る。
【0052】
次に、第1表示部12への現在位置情報の表示について説明する。
本実施形態のスマートウォッチ100では、第1表示部12の表示動作がオンの状態で、計測された直近の現在位置を含む範囲の地図画像と、当該地図画像内における位置の変化履歴とを重ねて表示させることができる。
【0053】
図5は、スマートウォッチ100における出力画像の生成及び表示の範囲について説明する図である。
【0054】
スマートウォッチ100では、直近の現在位置のデータが得られるごとに、当該直近の現在位置Pが中心エリアMc内に入るように当該中心エリアMcより広い画像形成エリアMfが設定され、当該画像形成エリアMfにおける地図画像と、測位結果の始点P0から直近の現在位置Pまでの移動軌跡Lの軌跡画像とが重ねて表示可能な表示用画像データが生成される。地図画像を生成するための地図データは、外部記憶部15から取得される。そして、実際に表示を行う場合には、直近の現在位置Pを中心(所定の固定位置)とした表示エリアMdが定められ、生成画像から当該表示エリアMdの画像が切り出されて表示画面に表示される。
【0055】
すなわち、直近の現在位置Pが設定された中心エリアMc内にある間は、画像形成エリアMfを更新変更しない一方で、直近の現在位置Pが移動するごとに、表示エリアMdが変化する。なお、ここでは、表示エリアMdは常に北向きが上方向となるように設定しているが、常に進行方向が上方向となるように表示エリアMdが設定されても良い。また、中心エリアMcの大きさと表示エリアMdの大きさは、同一である必要はない。画像形成エリアMfを更新変更する場合、引き続き画像形成エリアMf内にある地図範囲の地図データについてはそのまま利用し、新たに画像形成エリアMf内に入る地図範囲の地図データのみ新たに外部記憶部15から取得して、画像形成エリアMf内から外れた地図範囲の地図データと置き換えれば良い。
【0056】
移動軌跡Lの軌跡画像は、計測された各点間が線でつながれていても良いし、各点のみが表示されても良い。また、移動速度が速い場合や現在位置以外の情報が不要な場合などには、表示エリアMd内に直近の現在位置Pのみ(少なくとも直近の位置)が表示されることになっても良い。直近の現在位置Pの表示方法(直近の位置を示す標識)としては、前回からの進行方向が矢印などで示されていても良いし、単純な記号であっても良い。
【0057】
また、スマートウォッチ100の表示画面において、軌跡画像を地図画像上から一時的に消去させる切り替えを行うことができる。このために、スマートウォッチ100では、地図画像と軌跡画像とを別個に生成し、軌跡画像を表示する場合には重ねて出力させることとするか、又は、地図画像上に軌跡が描かれた表示用画像データと描かれていない表示用画像データとの両方を用意し、操作受付部13が受け付けた操作内容などに基づいていずれかを表示させる切り替え制御が行われる。
【0058】
図6は、計測制御処理で呼び出される表示制御処理のメインCPU111による制御手順を示すフローチャートである。
【0059】
表示制御処理が呼び出されると、メインCPU111は、取得された測位データに基づいて位置情報(軌跡データ、直近の現在位置データ)を更新する(ステップS171)。メインCPU111は、表示用画像のデータがあるか否かを判別する(ステップS172)。表示用画像のデータがないと判別された場合(一番最初の表示制御処理など)には(ステップS172で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS174に移行する。
【0060】
表示用画像のデータがあると判別された場合には(ステップS172で“YES”)、メインCPU111は、直近の現在位置P(直近位置)が中心エリアMc内にあるか否かを判別する(ステップS173)。中心エリアMc内にあると判別された場合には(ステップS173で“YES”)、メインCPU111の処理は、ステップS175に移行する。中心エリアMc内にないと判別された場合には(ステップS173で“NO”)、メインCPU111の処理は、ステップS174に移行する。
【0061】
ステップS174の処理に移行すると、メインCPU111は、直近の現在位置Pを中心とする画像形成エリアMf内の地図データを外部記憶部15から取得する(ステップS174)。それから、メインCPU111の処理は、ステップS175に移行する。
【0062】
ステップS175の処理に移行すると、メインCPU111は、画像形成エリアMfの地図画像データと、同領域内の移動軌跡Lの画像データとを重ね合わせ表示が可能に生成する(ステップS175)。メインCPU111は、第1表示部12の表示動作がオフ状態であるか、又は第1表示部12に地図表示を行わせていないかを判別する(ステップS176)。いずれかであると判別された場合には(ステップS176で“YES”)、メインCPU111は、表示制御処理を終了して処理を計測制御処理に戻す。
【0063】
第1表示部12の表示がオフではなく(オンであり)、かつ表示画面12aに地図表示を行わせていると判別された場合には(ステップS176で“NO”)、メインCPU111は、軌跡を表示させる設定であるか否かを判別する(ステップS177)。軌跡を表示させる設定であると判別された場合には(ステップS177で“YES”)、メインCPU111は、表示エリアMd内の地図画像データと軌跡画像データとを重ねた表示画像を第1表示部12の表示画面12aに表示させる(ステップS178)。そして、メインCPU111は、表示制御処理を終了して処理を計測制御処理に戻す。
【0064】
軌跡を表示させる設定ではないと判別された場合には(ステップS177で“NO”)、メインCPU111は、表示エリアMd内の地図画像データを表示画像として第1表示部12の表示画面12aに表示させる(ステップS179)。そして、メインCPU111は、表示制御処理を終了して処理を計測制御処理に戻す。
【0065】
図7は、本実施形態のスマートウォッチ100のサブマイコン21で実行される測位制御処理のサブCPU211による制御手順を示すフローチャートである。この測位制御処理は、通常の状態ではサブマイコン21の起動後、継続的に実施される。
【0066】
測位制御処理が開始されると、サブCPU211は、測位開始要求がメインマイコン11(メインCPU111)から取得されたか否かを判別する(ステップS201)。取得されたと判別された場合には(ステップS201で“YES”)、サブCPU211は、衛星電波受信モジュール24に測位開始命令を出力する(ステップS202)。サブCPU211は、衛星電波受信モジュール24から出力される測位結果をバッファメモリ215に順に記憶させていく処理を開始する(ステップS203;一時記憶ステップ、一時記憶手段)。サブCPU211は、バッファメモリ215に記憶される測位結果のメインマイコン11への転送間隔を1秒(第1の時間間隔)に設定する。すなわち、1秒間隔で得られる測位結果を略リアルタイムでメインマイコン11に転送する設定とする(ステップS204)。
【0067】
サブCPU211は、メインCPU111の動作が停止されるか、すなわち、メインマイコン11が休止状態(スタンバイ状態)に移行するか否かを判別する(ステップS205)。動作が停止されると判別された場合には(ステップS205で“YES”)、サブCPU211は、測位結果のメインマイコン11への転送を休止する(ステップS206)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS207に移行する。メインCPU111の動作が停止されない(動作継続又は既に停止状態)と判別された場合には(ステップS205で“NO”)、サブCPU211の処理は、ステップS207に移行する。
【0068】
ステップS207の処理に移行すると、サブCPU211は、メインCPU111の動作が再開されたか、すなわち、メインマイコン11が動作状態に移行したか否かを判別する(ステップS207)。動作が再開されたと判別された場合には(ステップS207で“YES”)、サブCPU211は、バッファメモリ215に蓄えられていた測位結果のデータ(バッファデータ)をメインマイコン11に転送する(ステップS208)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS209に移行する。動作が再開されたのではない(動作状態又は休止状態が継続中である)と判別された場合には(ステップS207で“NO”)、サブCPU211の処理は、ステップS209に移行する。
【0069】
ステップS209の処理に移行すると、サブCPU211は、第1表示部12の表示動作がオフ状態であるか否かを判別する(ステップS209)。オフ状態であると判別された場合には(ステップS209で“YES”)、サブCPU211は、測位結果のデータのメインマイコン11への転送間隔を3秒(第2の時間間隔;第1の時間間隔より長い)に設定する(ステップS210)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS201に戻る。オフ状態ではない(オン状態である)と判別された場合には(ステップS209で“NO”)、サブCPU211は、測位結果のデータのメインマイコン11への転送間隔を1秒に設定する(ステップS211)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS201に戻る。
【0070】
ステップS201の判別処理で、測位開始要求が取得されていないと判別された場合には(ステップS201で“NO”)、サブCPU211は、測位の終了要求が取得されたか否かを判別する(ステップS222)。取得されたと判別された場合には(ステップS222で“YES”)、サブCPU211は、衛星電波受信モジュール24に測位動作の終了命令を出力する(ステップS233)。サブCPU211は、バッファメモリ215に残っている未転送の測位結果のデータを全てメインマイコン11に転送する(ステップS234)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS201に戻る。
【0071】
ステップS222の判別処理で、測位終了要求が取得されていないと判別された場合には(ステップS222で“NO”)、サブCPU211は、現在測位動作中であるか否かを判別する(ステップS223)。測位動作中であると判別された場合には(ステップS223で“YES”)、サブCPU211の処理は、ステップS205に移行する。測位動作中ではないと判別された場合には(ステップS223で“NO”)、サブCPU211の処理は、ステップS201に戻る。
これらのうち、ステップS204〜S211の処理が本実施形態の情報処理方法及びプログラムにおけるデータ転送ステップ及びデータ転送手段をそれぞれ構成する。
【0072】
図8は、本実施形態のスマートウォッチ100においてサブマイコン21で実行される測位制御処理の変形例を示すフローチャートである。
【0073】
この変形例の測位制御処理は、上述の実施形態の測位制御処理と比較して、ステップS215、S216の処理が追加されている点を除き同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
この変形例の測位制御処理では、計測部23による自機の運動状態の計測結果に基づいてメインマイコン11への測位結果の転送頻度(時間間隔)を変更する。
【0074】
ステップS209の判別処理で、第1表示部12による表示動作がオフ状態であると判別された場合に(ステップS209で“YES”)、サブCPU211は、計測部23から運動状態の計測値を取得し、所定の基準以上の運動が検出されたか否かを判別する(ステップS215)。検出されたと判別された場合には(ステップS215で“YES”)、サブCPU211は、メインマイコン11への測位結果のデータ転送間隔を3秒に設定する(ステップS210)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS201に戻る。所定の基準以上の運動が検出されていないと判別された場合には(ステップS215で“NO”)、サブCPU211は、メインマイコン11への測位結果のデータ転送間隔を10秒に設定する(ステップS216)。それから、サブCPU211の処理は、ステップS201に戻る。
【0075】
以上のように、本実施形態のスマートウォッチ100は、メインマイコン11と、メインマイコン11よりも動作時の消費電力が小さいサブマイコン21と、測位衛星から電波を受信して位置情報を取得する衛星電波受信モジュール24と、を備える。衛星電波受信モジュール24の動作は、サブマイコン21により制御され、サブマイコン21は、衛星電波受信モジュール24により取得された測位データを一時記憶するバッファメモリ215を有し、メインマイコン11の動作状況に応じて定められるタイミングでバッファメモリ215に記憶された測位データをメインマイコン11に転送する。
このように、消費電力の小さいサブマイコン21で衛星電波受信モジュール24による測位動作を継続的に維持制御させてデータを取得させ、メインマイコン11の動作状況に応じた適切なタイミングで実際にデータ処理を行うメインマイコン11に転送可能とすることで、情報処理や表示動作などの電力消費が大きい動作を行っていない場合に必要以上に消費電力が大きい状態を維持する必要がなく、したがって、より効率良く測位動作の制御を行うことができる。
【0076】
また、メインマイコン11は、動作状態と休止状態(スタンバイ状態)とで切り替え可能であり、サブマイコン21は、メインマイコン11が休止状態の期間には、測位データをバッファメモリ215に記憶させて保持し、メインマイコン11が動作状態に移行した場合に、当該保持された測位データをメインマイコン11に転送する。
このように、測位動作以外に主だった処理が行われない場合にはメインマイコン11を休止状態として、測位結果のデータをサブマイコン側で一時的に留めておくことができる。したがって、メインマイコン11の消費電力を大きく低減させることができ、また、その間の測位結果を確実に取得することができる。
【0077】
また、メインマイコン11は、休止状態の期間には、所定の維持動作間隔で一時的に動作状態に移行して所定の処理を行い、サブマイコン21は、メインマイコン11が当該動作状態に移行している期間に測位データを転送する。
このように、スマートウォッチ100の動作維持に必要なメインマイコン11の間欠動作に合わせて測位結果をメインマイコン11に転送するので、必要以上の頻度でメインマイコン11の動作を再開させる必要がなく、また、いつまでも転送されない状況を想定してバッファメモリ215に大容量メモリを必要としたり、長期間のデータの貯留でデータ伝送に長い時間を要したりすることない。したがって、ユーザの使い勝手を低下させずに動作効率を向上させることができる。
【0078】
また、第1表示部12を備え、サブマイコン21は、メインマイコン11の制御動作に基づいて第1表示部12により表示動作が行われている場合には、第1の時間間隔(1秒間隔)でメインマイコン11に対して測位データを転送し、メインマイコン11の制御動作に基づいて第1表示部12により表示動作が行われていない場合には、第1の時間間隔よりも長い第2の時間間隔(3秒間隔)でメインマイコン11に対して測位データを転送する。
このように測位結果の表示が行われていない場合にはメインマイコン11における測位結果のデータ処理のリアルタイム性があまり要求されないので、データ転送間隔を広げて複数のデータを一括転送することで、ユーザの使い勝手を低下させずに動作効率を向上させることができる。
【0079】
また、第1表示部12は、メインマイコン11が休止状態の場合には、表示動作を行わない。これにより測位結果に係る表示の有無を容易に判断することができる。また、多様な表示を行う第1表示部12を高機能のメインマイコン11とともにオフさせることで、サブマイコン21を安定的に動作させ、消費電力を低減させることができる。
【0080】
また、地図データを記憶する外部記憶部15を備え、メインマイコン11は、測位データ及び地図データを用いて、測位データにより得られる少なくとも直近の現在位置Pを含む範囲内の地図、及び当該地図上における少なくとも直近の現在位置Pを表示するための表示用画像データを生成する。
このように別途地図データを用意して、メインマイコン11側で必要に応じて現在位置や移動軌跡を表示するための画像生成処理を行うので、このような処理が必要な期間を中心に断続的に高機能なメインマイコン11を動作可能とし、測位結果の取得は低消費電力のサブマイコン21の制御で行わせることで、負荷を分散して効率良く処理を行い、また、地図生成や表示が不要な場合にメインマイコン11の動作を休止させて電力消費を低減させやすくすることができる。
【0081】
また、メインマイコン11は、生成された表示用画像データに基づいて、少なくとも直近の現在位置Pを含む範囲の地図の表示を第1表示部12により行わせる動作制御を行う。
同様に、地図表示の制御を高機能側のメインマイコン11で行わせることで、必要な場合にはユーザが見やすい高解像度の表示を容易に行うことが可能となり、表示が必要のない場合には、測位動作のみをサブマイコン21に制御させてメインマイコン11の消費電力を大きく低減させることができる。
【0082】
また、メインマイコン11は、直近の現在位置Pを所定の固定位置として、地図及び直近の現在位置Pを示す標識を第1表示部12により表示させる動作制御を行う。
このように、表示が必要な場合には、得られた測位結果に基づき、メインマイコン11の制御によりリアルタイムで第1表示部12に現在位置Pを中心とした表示を逐次更新していくので、ユーザの利便性を維持向上させることができる。
【0083】
また、メインマイコン11は、地図の表示に対して少なくとも直近の現在位置Pを示す表示を重ねて行うか否かを切り替え制御する。
このように、メインマイコン11の制御により現在位置の表示有無を適宜切り替えることができるので、測位動作の制御のみに比較して負荷の大きい処理についても必要に応じてメインマイコン11で実施可能であり、メインマイコン11の消費電力を必要以上に増やさずに、ユーザに対して必要な情報を好適に提供することができる。
【0084】
また、自機の運動状態を計測する計測部23を備え、サブマイコン21は、計測部23による計測結果に基づいて第2の時間間隔を変更する。
このような情報処理装置における測位動作は、情報処理装置がユーザに携帯されてユーザが移動する場合に行われるのが主であり、ユーザが停止時には、リアルタイムで直近位置を取得、処理及び表示する必要性が低いので、このような場合にデータ転送間隔を更に広げて各処理頻度を落とすことで、ユーザの利便性を低下させずに電力効率を向上させることができる。また、第1表示部12の動作を基準とする場合と比較して運動状態の検出が速やかに行われることで、実際に表示が行われる直前にデータの取得が可能となりやすく、ユーザの利便性を向上させることができる。また、傾斜センサによりスマートウォッチ100の特定の姿勢が検出されるよりもそのための腕の動作を先に検出することになるので、ユーザが視認動作を行うよりも僅かに早く測位結果のデータ送信及びその処理を開始することができる。
【0085】
また、上述の本実施形態は、メインマイコン11と、メインマイコン11よりも動作時の消費電力が小さいサブマイコン21と、測位衛星から電波を受信して位置情報を取得する衛星電波受信モジュール24と、を備え、衛星電波受信モジュール24の動作はサブマイコン21により制御される情報処理装置(スマートウォッチ100)におけるサブマイコン21による情報処理方法であって、衛星電波受信モジュール24により取得された測位データを一時記憶する一時記憶ステップ、メインマイコン11の動作状況に応じて定められるタイミングで一時記憶された測位データをメインマイコン11に転送するデータ転送ステップ、を含む。
このように、低消費電力のサブマイコン21で継続的な測位動作を維持制御しつつ、測位結果の処理や表示が必要な場合にのみ速やかにこれらが可能となるように適切なタイミングでメインマイコン11にデータを転送可能とすることで、測位動作に係る制御動作の効率をより向上させることができる。
【0086】
また、本実施形態のプログラム213aは、スマートウォッチ100のコンピュータ(サブマイコン21)を、衛星電波受信モジュール24により取得された測位データを一時記憶する一時記憶手段、メインマイコン11の動作状況に応じて定められるタイミングで一時記憶された測位データをサブマイコン21がメインマイコン11に転送するデータ転送手段、として機能させる。
このようにメインマイコン11とサブマイコン21を備え、消費電力の小さいサブマイコン21により、ソフトウェア制御で測位結果の取得を維持させながら測位結果の利用に係る必要に応じて高機能なメインマイコン11にデータを転送させて当該メインマイコン11での処理を迅速に可能とすることで、測位動作に係る制御動作の効率を向上させることができる。
【0087】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、メインマイコン11の動作状況として、動作状態又は休止状態、第1表示部12による表示動作の有無、表示動作時に位置情報取得アプリに係る位置表示を行っているか否か、及びメインマイコン11が他のアプリなどの動作を並列に行っているかを例に挙げて説明したが、その他についても考慮することができる。例えば、個々の動作ではなく、メインCPU111の使用率やRAM112の空きメモリの量などに応じて制御されても良い。
また、間隔の調整だけではなく、他のアプリなどの処理が周期的に高負荷となる場合に、当該高負荷な処理のタイミングを外すように定められても良い。
【0088】
また、上記実施の形態では、第1表示部12に地図表示を行わせる場合について説明したが、その他の表示、例えば、移動距離や移動時間などを数値で表形式による表示を行わせることができる。また、これらの表示と地図表示とを同時に行うこともできる。
【0089】
また、上記実施の形態では、メインマイコン11が休止状態から復帰した場合、サブマイコン21がまとめてバッファされていた測位結果を転送することとしたが、この場合でも所定のデータ量ずつ所定の時間間隔で転送させることとして良い。
【0090】
また、上記実施の形態では、10分おきにメインマイコン11が一時的に起動されるタイミングに合わせてバッファメモリ215の測位結果を転送することとしたが、このような定期的な起動がない場合には、測位結果がバッファメモリ215の容量をオーバーしない範囲でサブマイコン21がメインマイコン11を定期的に動作させて測位結果を転送させることとしても良い。
【0091】
また、上記実施の形態では、第1表示部12に関して、表示動作をオンさせているか否かのみによって測位結果の転送間隔を切り替えたが、他の条件、例えば、測位結果をリアルタイム表示しているか否か、あるいは、入力操作などに基づいて測位結果の更新頻度が指定されている場合の当該更新頻度などに応じて転送間隔を更に変更させても良い。また、示された測位結果の転送間隔(1秒、3秒)は例示であり、これらは、測位精度などに応じて定められても良い。また、測位精度は、ユーザの入力操作などに基づいて変更可能とされ、変更設定に応じて転送間隔が可変とされても良い。
【0092】
また、上記実施の形態では、地図データを外部記憶部15から取得することとしたが、無線通信コントローラ14を介して外部のサーバから取得しても良い。また、地図データは任意のフォーマットで良く、メインマイコン11(メインCPU111)は、当該地図データを画面に表示可能なフォーマット(ピックスマップデータなど)に適宜変換する。また、上記実施の形態では、現在位置の表示を行うか否かを切り替え可能としたが、アプリの仕様などに応じて当該アプリで測位を行いながら地図を表示する場合には、必ず現在位置を表示することとされても良い。
【0093】
また、上記実施の形態では、計測部23をサブマイコン21により制御して、当該計測部23の計測結果に基づいて測位結果の転送間隔を変更させることとしたが、計測部23の制御をメインマイコン11が行い、計測結果や計測結果に応じて定められる転送間隔をメインマイコン11からサブマイコン21に通知することとしても良い。
また、上記実施の形態では、第1表示部12により表示動作が行われていない場合に、計測部23により自機の運動状態を計測して、所定の基準以上の運動が検出されていないと判別された場合に転送間隔を広げることとしたが、第1表示部12により表示動作が行われている場合に、計測部23により自機の運動状態を計測して、所定の基準以上の運動が検出されたと判別された場合に転送間隔を短くするようにしても良い。
【0094】
また、以上の説明では、本発明に係るサブCPU211の処理動作に係る測位制御処理のプログラム213aを記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体として不揮発性メモリを有する記憶部213を例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)や、CD−ROMやDVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した構成、制御内容や手順などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0096】
[付記]
<請求項1>
第1の制御部と、
前記第1の制御部よりも動作時の消費電力が小さい第2の制御部と、
測位衛星から電波を受信して位置情報を取得する測位処理部と、
を備え、
前記測位処理部の動作は、前記第2の制御部により制御され、
前記第2の制御部は、前記測位処理部により取得された測位データを一時記憶する一時記憶部を有し、前記第1の制御部の動作状況に応じて定められるタイミングで前記一時記憶部に記憶された測位データを前記第1の制御部に転送する
ことを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記第1の制御部は、動作状態と休止状態とで切り替え可能であり、
前記第2の制御部は、前記第1の制御部が前記休止状態の期間には、前記測位データを前記一時記憶部に記憶させて保持し、前記第1の制御部が前記動作状態に移行した場合は、当該保持された測位データを前記第1の制御部に転送する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記第1の制御部は、前記休止状態の期間には、所定の維持動作間隔で一時的に前記動作状態に移行して所定の処理を行い、
前記第2の制御部は、前記第1の制御部が当該動作状態に移行している期間に前記測位データを転送する
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
<請求項4>
表示部を備え、
前記第2の制御部は、
前記第1の制御部の制御動作に基づいて前記表示部により表示動作が行われている場合には、第1の時間間隔で前記第1の制御部に対して前記測位データを転送し、
前記第1の制御部の制御動作に基づいて前記表示部により表示動作が行われていない場合には、前記第1の時間間隔よりも長い第2の時間間隔で前記第1の制御部に対して前記測位データを転送する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記第1の制御部は、動作状態と休止状態とで切り替え可能であり、
前記表示部は、前記第1の制御部が前記休止状態の場合には、表示動作を行わない
ことを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
<請求項6>
地図データを記憶する地図情報記憶部を備え、
前記第1の制御部は、前記測位データ及び前記地図データを用いて、前記測位データにより得られる少なくとも直近の位置を含む範囲内の地図、及び当該地図上における前記少なくとも直近の位置を表示するための表示用画像データを生成する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項7>
表示部を備え、
前記第1の制御部は、生成された前記表示用画像データに基づいて、前記少なくとも直近の位置を含む範囲の地図の表示を前記表示部により行わせる動作制御を行う
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
<請求項8>
前記第1の制御部は、前記直近の位置を所定の固定位置として前記地図及び前記直近の位置を示す標識を前記表示部により表示させる動作制御を行うことを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
<請求項9>
前記第1の制御部は、前記地図の表示に対して前記少なくとも直近の位置を示す表示を重ねて行うか否かを切り替え制御することを特徴とする請求項7又は8記載の情報処理装置。
<請求項10>
自機の運動状態を計測する計測部を備え、
前記第2の制御部は、前記計測部による計測結果に基づいて前記第2の時間間隔を変更する
ことを特徴とする請求項4又は5記載の情報処理装置。
<請求項11>
第1の制御部と、前記第1の制御部よりも動作時の消費電力が小さい第2の制御部と、測位衛星から電波を受信して位置情報を取得する測位処理部と、を備え、前記測位処理部の動作は前記第2の制御部により制御される情報処理装置における前記第2の制御部による情報処理方法であって、
前記測位処理部により取得された測位データを一時記憶する一時記憶ステップ、
前記第1の制御部の動作状況に応じて定められるタイミングで一時記憶された測位データを前記第1の制御部に転送するデータ転送ステップ、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
<請求項12>
第1の制御部と、前記第1の制御部よりも動作時の消費電力が小さい第2の制御部と、測位衛星から電波を受信して位置情報を取得する測位処理部と、を備え、前記測位処理部の動作は前記第2の制御部により制御される情報処理装置のコンピュータを、
前記測位処理部により取得された測位データを一時記憶する一時記憶手段、
前記第1の制御部の動作状況に応じて定められるタイミングで一時記憶された測位データを前記第2の制御部が前記第1の制御部に転送するデータ転送手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。