特許第6784290号(P6784290)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6784290
(24)【登録日】2020年10月27日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】管理装置、特定方法とそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/079 20130101AFI20201102BHJP
   H04L 12/70 20130101ALI20201102BHJP
【FI】
   H04B10/079
   H04L12/70 100Z
【請求項の数】9
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-509033(P2018-509033)
(86)(22)【出願日】2017年3月17日
(86)【国際出願番号】JP2017010831
(87)【国際公開番号】WO2017169876
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2018年8月24日
(31)【優先権主張番号】特願2016-63618(P2016-63618)
(32)【優先日】2016年3月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中野 雄大
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−032533(JP,A)
【文献】 特開2000−032411(JP,A)
【文献】 特開2016−5128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/07 − 10/079
H04L 12/70
H04L 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2の光送受信装置間の伝送経路ごとに伝送経路長が異なる伝送路を有する光伝送システムの管理装置であって、
前記伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報を予め登録し、前記第1の光送受信装置において測定された前記伝送路の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集する収集手段と、
前記経路遅延情報及び前記測定遅延時間に基づいて、前記測定遅延時間に対応する前記伝送経路を特定する特定手段と、を備え、
前記第1の光送受信装置は、波長チャネルが異なる複数の光トランスポンダを有し、
記光トランスポンダの少なくとも1つが測定した前記測定遅延時間を収集する管理装置。
【請求項2】
前記収集手段は、前記第1の光送受信装置に前記伝送路の伝送遅延時間の測定を指示する、
請求項に記載の管理装置。
【請求項3】
前記経路遅延情報の伝送遅延時間は、前記光伝送システムの運用開始前、又は、運用中に測定された前記伝送経路ごとの伝送遅延時間である、
請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記経路遅延情報の伝送遅延時間は、前記光伝送システムの伝送路における設計上の伝送遅延時間である、
請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項5】
前記光伝送システムは、前記伝送路上に複数の経路切替手段を有し、
前記伝送路の伝送経路は、前記第1の光送受信装置、前記第2の光送受信装置、前記複数の経路切替手段との間の個別経路の組合せで構成され、
前記経路遅延情報は、前記伝送経路とその経路構成、及び、前記伝送経路ごとの合計遅延時間を含み、
前記合計遅延時間は、前記伝送経路を構成する前記個別経路の設計上の伝送遅延時間の合計である、
請求項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記測定遅延時間は、第1、第2の光送受信装置間の往復遅延時間である、
請求項1からのいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項7】
前記光伝送システムは、伝送経路上に機能付加手段を備える、請求項1からのいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項8】
第1、第2の光送受信装置間の伝送経路ごとに伝送経路長が異なる伝送路を有する光伝送システムの伝送経路の特定方法であって、
前記第1の光送受信装置は、波長チャネルが異なる複数の光トランスポンダを有し、
前記伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報を登録し、前記第1の光送受信装置が測定した前記伝送路の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集し、前記経路遅延情報及び前記測定遅延時間に基づいて、前記測定遅延時間に関連する伝送経路を特定し、
前記測定遅延時間を収集する処理では、前記光トランスポンダの少なくとも1つが測定した前記測定遅延時間を収集する特定方法。
【請求項9】
第1、第2の光送受信装置間の伝送経路ごとに伝送経路長が異なる伝送路を有する光伝送システムの伝送経路を特定するプログラムであって、
前記第1の光送受信装置は、波長チャネルが異なる複数の光トランスポンダを有し、
コンピュータに、
前記伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報を登録し、前記第1の光送受信装置が測定した前記伝送路の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集し、前記経路遅延情報及び前記測定遅延時間に基づいて、前記測定遅延時間に関連する伝送経路を特定し、
前記測定遅延時間を収集する処理では、前記光トランスポンダの少なくとも1つが測定した前記測定遅延時間を収集することを実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路切替によって光送受信装置間の伝送経路長が変わる伝送路を有する光伝送システムの管理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ルートダイバーシティ構成による伝送路の経路冗長化又はROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplex)機能など、光伝送システムの高機能化に伴い、光主信号の物理的な伝送経路が変化する場合がある。このような状況のもと、光伝送システムの光送受信装置又は伝送路上の機器から情報を入手して、光伝送システムの状態を把握することは重要である。
【0003】
一方、海底ケーブルシステムの中継器又は分岐装置のようにシステム設計上、伝送路内の機器と通信できない、あるいは、伝送路内の機器の通信回路が故障して伝送路の構成情報を入手できない場合、光伝送システムの状態の把握は困難になる。
【0004】
特許文献1には、複数ある伝送路の選択方法として、移動局と基地局との間で、一往復させたテスト用パケットから遅延時間を算出し、最も遅延時間の小さい伝送路を選択することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、伝送路における伝送遅延量を測定し、伝送損失を推定して光送信のパワー調整に用いることが記載されている。また、特許文献3には、往復遅延時間の測定方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−072181号公報
【特許文献2】特開2005−341022号公報
【特許文献3】特開2005−269034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光伝送システムの状態を把握する方法の1つに、受信光の光スペクトラムの形状で受信光が経てきた経路を判定する方法がある。しかしながら受信光の光スペクトラムを利用する方法は、伝送路の経路切替部における光スペクトラムの形状に変化がないため、光伝送システムの伝送経路を特定することができなかった。
【0008】
本発明の目的は、光伝送システムの伝送路内の機器と通信できない場合でも、伝送路の伝送経路を特定することが可能な管理装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様である管理装置は、第1、第2の光送受信装置間の伝送経路ごとに伝送経路長が異なる伝送路を有する光伝送システムの管理装置であって、前記伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報を予め登録し、前記第1の光送受信装置が測定した前記伝送路の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集し、前記経路遅延情報及び前記測定遅延時間に基づいて、前記測定遅延時間に対応する前記伝送経路を特定する管理部と、を備える。
【0010】
本発明の一態様である特定方法は、第1、第2の光送受信装置間の伝送経路ごとに伝送経路長が異なる伝送路を有する光伝送システムにおける伝送経路の特定方法であって、前記伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報を登録し、前記第1の光送受信装置が測定した前記伝送路の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集し、前記経路遅延情報及び前記測定遅延時間に基づいて、前記測定遅延時間に関連する伝送経路を特定する。
【0011】
本発明の一態様であるプログラムは、第1、第2の光送受信装置間の伝送経路ごとに伝送経路長が異なる伝送路を有する光伝送システムにおける伝送経路を特定するプログラムであって、コンピュータに、前記伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報を登録し、前記第1の光送受信装置が測定した前記伝送路の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集し、前記経路遅延情報及び前記測定遅延時間に基づいて、前記測定遅延時間に関連する伝送経路を特定する、ことを実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光伝送システムの伝送路内の機器と通信できない場合でも、伝送路の伝送経路を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態に係る管理装置、光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図2】光伝送システムの光送受信装置間の経路構成を示す表図である。
図3】光送受信装置の光トランスポンダの構成の一例を示すブロック図である。
図4】光トランスポンダが取得した伝送遅延時間と経路との関係を示す表図である。
図5】管理装置の動作を示すフローチャートである。
図6】第2の実施形態に係る管理装置、光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図7】第2の実施形態の光トランスポンダの構成を示すブロック図である。
図8】第3の実施形態に係る管理装置、光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図9】第3の実施形態の変形例における光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図10】第4の実施形態の管理装置、光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図11】第4の実施形態の伝送路を構成する個別経路とその伝送遅延時間を示す表図である。
図12】第4の実施形態の伝送路における経路遅延情報を示す表図である。
図13】第5の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図14】第5の実施形態の光伝送システムにおける伝送路の経路遅延情報を示す表図である。
図15】第6の実施形態の管理装置、光伝送システムの構成を示すブロック図である。
図16】第6の実施形態における光送受信装置間の経路構成を示す表図である。
図17】第6の実施形態における光送受信装置の光トランスポンダの構成を示すブロック図である。
図18】第6の実施形態において、光トランスポンダが測定した伝送遅延時間と経路との関係を表図である。
図19】第1〜6実施形態における管理装置をコンピュータ装置で実現したハードウエア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態に係る光伝送システムおよび管理装置について、図面を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係る管理装置及び光伝送システムの構成を示すブロック図である。はじめに、管理装置によって管理される光伝送システムの構成について説明する。
【0015】
図1に示すように、第1の実施形態の光伝送システムは、局舎Xに設置された光送受信装置3と、局舎Yに設置された光送受信装置4と、光送受信装置3と光送受信装置4とを接続する伝送路10を備える。伝送路10は、主に光ファイバで構成されるが、光ファイバ以外に中継器などの機器を含んでもよい。
【0016】
経路切替部1、経路切替部2は、伝送路10上に設置され、光信号を伝送するための経路を経路A、Bのいずれかに切り替える機能を有する。図1に示すように、経路切替部1と経路切替部2によって、伝送路10中に経路冗長区間として経路長が異なる経路A、経路Bが形成される。経路切替部1、2の切り替えは、管理装置9からの指示、あるいは、経路切替部1、2が経路の障害を検知して自律的に実施される。伝送路10において、光送受信装置3と経路切替部1との間を経路X、光送受信装置4と経路切替部2との間を経路Yとする。
【0017】
図2は、光送受信装置3と光送受信装置4との間の経路構成を示す表図である。図2に示すように光送受信装置3から光送受信装置4まで経路は、経路X、経路Aおよび経路Yを含む伝送経路1−1と、経路X、経路Bおよび経路Yを含む伝送経路1−2となる。
【0018】
次に、光伝送システムの光送受信装置3、4の構成について説明する。光送受信装置3、4は、それぞれ光トランスポンダ5、7を備える。第1の実施形態において、光送受信装置3の光トランスポンダ5は、局舎Yの光送受信装置4に光信号を送信し、かつ、光送受信装置4の光トランスポンダ7から光信号を受信する機能を備える。
【0019】
図3は、光送受信装置の光トランスポンダの構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、光トランスポンダ5は、信号生成部20、情報付加部21、光変調部22、受光部23、情報抽出部24、信号復元部25、情報管理部26を備える。
【0020】
信号生成部20は主信号を生成し、情報付加部21は生成された主信号に測定情報を付加する。測定情報は、例えば、オーバーヘッド情報として主信号に付加される。測定情報は、伝送遅延時間を測定するための情報であり、情報管理部26で生成される。測定情報の一例は、時刻情報である。光変調部22は、測定情報が付加された主信号を光信号に変換して伝送路に送信する。
【0021】
また、受光部23は対向する局舎Yの光送受信装置4から伝送された光信号を受信して主信号に変換する。情報抽出部24は主信号に付加された測定情報を抽出し、情報管理部26は抽出された測定情報に基づいて伝送遅延時間を取得する。そして情報管理部26は、取得した伝送遅延時間を管理装置9へ送信する。なお、主信号は、信号復元部25で復元される。
【0022】
伝送遅延時間は、例えば、測定情報が時刻情報である場合、時刻情報に含まれる時刻と情報管理部26が測定情報を情報抽出部24から受けた時刻を用いて取得する。なお、伝送遅延時間は、断り書きがない限り、伝送路で結ばれた装置間を往復する往復遅延時間(ラウンドトリップタイム)を意味する。
【0023】
光送受信装置4の光トランスポンダ7は、光トランスポンダ5と同様の構成を有する。但し、光トランスポンダ7が受信する光信号に測定情報が付加されていた場合、光トランスポンダ7の一部の構成は、以下のように機能する。
【0024】
まず、光トランスポンダ7の受光部23は、局舎Xの光送受信装置3から伝送された光信号を受信して主信号に変換する。更に情報抽出部24は、主信号から局舎X側の光トランスポンダ5の測定情報を抽出し、情報管理部26は、局舎X側の測定情報を情報付加部21に受け渡す。
【0025】
信号生成部20は主信号を生成し、情報付加部21は生成された主信号に局舎X側の測定情報を付加する。光変調部22は、測定情報が付加された主信号を光信号に変換して伝送路に送信する。なお、伝送遅延時間を測定するための光トランスポンダ5の構成は上記に限られるものではない。光トランスポンダ5の出力光に時刻情報を付加する構成、或いは、受信光から時刻情報を抽出する構成は上記以外の構成を用いてもよい。例えば、光トランスポンダ5、7のオーバーヘッド部にて時刻情報を送受信する構成としているが、時刻情報を送受信する専用の波長、或いは、専用の送受信機を用いる構成としてもよい。
【0026】
次に、管理装置9の概要について説明する。管理装置9は、光送受信装置間の伝送路の伝送経路と対応する伝送遅延時間を経路遅延情報として予め登録しておき、伝送路における伝送経路の特定が必要な際に、光トランスポンダ5から伝送路10の伝送経路の伝送遅延時間を測定遅延時間として収集する。そして、管理装置9は、収集した測定遅延時間と経路遅延情報とに基づいて、測定遅延時間に対応する伝送経路を特定する。
【0027】
以下、管理装置9の構成について図面を用いて説明する。図1に示すように、管理装置9は、収集部91、特定部92を備える。また、管理装置9は、通信部(図示せず)によって局舎Xの光トランスポンダ5と通信可能であるとする。
【0028】
管理装置9の収集部91は、光送受信装置3,4間の伝送路10における、経路Aを含む伝送経路1−1と経路Bを含む伝送経路1−2にそれぞれ対応する伝送遅延時間を、経路遅延情報として管理装置9の記憶部(図示せず)に登録する。なお、経路遅延情報は、光伝送システムの運用開始前に管理装置9の収集部91が光送受信装置3の光トランスポンダ5から収集した伝送経路の伝送遅延時間である。
【0029】
次に、伝送路10内の機器故障もしくは通信機能がない等の理由により管理装置9が伝送路10内の情報を取得できない場合、管理装置9の収集部91は、光送受信装置3の光トランスポンダ5と通信し、光トランスポンダ5で測定した伝送路10の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集する。
【0030】
図4は、光トランスポンダ5が取得した伝送遅延時間と経路との関係を示す表図である。第1の実施形態の伝送路10において、光送受信装置3、4間を結ぶ経路は、経路X−経路A−経路Yで構成された伝送経路1−1と、経路X−経路B−経路Yで構成された伝送経路1−2との2つとなる。図4に示すように、光トランスポンダ5が測定した伝送経路1−1の伝送遅延時間はLA(マイクロ秒〜ミリ秒)であり、伝送経路1−2での伝送遅延時間はLB(マイクロ秒〜ミリ秒)である。なお、伝送遅延時間は、光送受信装置間の往路と復路で光信号が同じ経路を経て測定されたものとする。
【0031】
光送受信装置4の光トランスポンダ7が、測定情報を返信する時間が一定であるとすると、光トランスポンダ5の情報管理部26で測定される伝送路10の伝送遅延時間は、伝送路10の経路長に応じて変化する。図4に示す伝送経路において伝送経路1−1の経路Aの経路長が、伝送経路1−2の経路Bの経路長より短い場合、伝送経路1−1と伝送経路1−2の伝送遅延時間の関係は、LA(マイクロ秒〜ミリ秒)<LB(マイクロ秒〜ミリ秒)となる。
【0032】
続いて、管理装置9の特定部92は、収集した測定遅延時間と、登録された経路遅延情報とに基づいて、測定遅延時間に対応する伝送経路を特定する。なお、測定遅延時間が伝送遅延時間LA(マイクロ秒〜ミリ秒)と伝送遅延時間LB(マイクロ秒〜ミリ秒)の間にある場合、特定部92は、測定遅延時間に近い伝送遅延時間を対応する伝送経路として特定する。
【0033】
例えば、収集部91が収集した測定遅延時間が、伝送経路1−1の伝送遅延時間LA(マイクロ秒〜ミリ秒)よりも伝送経路1−2の伝送遅延時間LB(マイクロ秒〜ミリ秒)の方に近い場合、特定部92は、収集した測定遅延時間に対応する伝送経路として伝送経路1−2を特定する。
【0034】
なお、特定部92による伝送経路の特定は、上記に限られるものではない。例えば、収集部91が収集した測定遅延時間と、先に登録された伝送経路ごとの測定遅延時間とを比較し、その測定遅延時間の増減から、伝送経路を特定する方法としてもよい。
【0035】
次に、第1の実施形態の管理装置の動作について図面を用いて説明する。図5は、管理装置の動作を示すフローチャートである。管理装置9の収集部91は、光送受信装置3,4間の伝送路10の伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報を管理装置9の記憶部(図示せず)に登録する(ステップS11)。
【0036】
次に、管理装置9の収集部91は、光送受信装置3の光トランスポンダ5と通信し、光トランスポンダ5で測定した伝送路10の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集する(ステップS12)。
【0037】
続いて、管理装置9の特定部92は、収集した測定遅延時間と、登録された経路遅延情報とに基づいて、測定遅延時間に対応する伝送経路を特定する(ステップS13)。
【0038】
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態によれば、光伝送システムの伝送路内の機器と通信できない場合でも、伝送路の伝送経路を特定することができる。その理由は、管理装置が、伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報と、光伝送システムの光送受信装置から収集した伝送路の測定遅延時間とに基づいて、測定遅延時間に対応した伝送経路を特定するからである。
【0039】
(第2実施形態)
次に、第2の実施形態に係る光伝送システム、管理装置について説明する。第2の実施形態は、光伝送システムの光送受信装置3、4が複数の光トランスポンダを備え、管理装置9は、光送受信装置3の複数の光トランスポンダからそれぞれの伝送路における伝送遅延時間を収集し、伝送路の伝送経路を特定する例である。
【0040】
図6は、第2の実施形態に係る管理装置、光伝送システムの構成を示すブロック図である。以下、第2の実施形態では、第1の実施形態との相違する点について詳細に説明し、第1の実施形態と同じ構成には同一の符号を示して詳細な説明を省略する。
【0041】
第2の実施形態の光伝送システムは、光送受信装置33、光送受信装置44、光送受信装置33と光送受信装置44とを接続する伝送路10を備える。光送受信装置33と光送受信装置44との間の伝送路10は、第1の実施形態の伝送路10と同じである。
【0042】
図6は、第2実施形態の光伝送システムの光送受信装置33の構成を示すブロック図である。図6に示すように、光伝送システムの光送受信装置33は、光トランスポンダ5と、光信号を波長多重/分離する波長多重分離部6と、を備える。光信号を送受信する光トランスポンダ5は、波長チャネルごとに複数設置されている。
【0043】
図7は、第2の実施形態の光トランスポンダの構成を示すブロック図である。図7に示すように、第2の実施形態の光送受信装置33、44の光トランスポンダ5、7は、それぞれ異なる波長チャネルの光信号を送受信するものとする。それ以外、第2の実施形態の光トランスポンダ5、7の構成は、第1の実施形態の光トランスポンダ5の構成と同様である。なお、光送受信装置33、44の光トランスポンダ5、7は、管理装置9と通信可能であるとする。
【0044】
光送受信装置33において、複数の光トランスポンダ5は、それぞれ異なる波長の光信号を出力する。波長多重分離部6は、複数の光トランスポンダ5から出力された光信号を波長多重して、伝送路10に送信する。光送受信装置44の波長多重分離部8は、伝送路10を経た光信号を波長分離し、各光トランスポンダ7が波長分離された光信号を受信する。
【0045】
第2の実施形態の光送受信装置33の各光トランスポンダ5は、第1の実施形態の光送受信装置3の光トランスポンダ5と同様の機能を有する。すなわち、光送受信装置33の各光トランスポンダ5は、測定情報を付加した光信号を光送受信装置44へ送信し、光送受信装置44の各光トランスポンダ7から送信された当該測定情報が付加された光信号を受信する。そして、各光トランスポンダ5は、受信した光信号に付加された測定情報に基づいて伝送路の伝送遅延時間を取得する。
【0046】
次に、第2の実施形態の管理装置9について説明する。第2の実施形態の管理装置9の構成は、図6に示すように収集部91、特定部92を有する点で第1の実施形態の管理装置9と同様である。第2の実施形態の管理装置9の構成の詳細な説明は省略する。なお、第2の実施形態の管理装置9は、光送受信装置33の各光トランスポンダ5と通信可能であり、複数の光トランスポンダ5のうち所望の光トランスポンダ5から伝送路の測定遅延時間を収集できる点で第1の実施形態の管理装置9と相違している。
【0047】
第2の実施形態の管理装置9の動作について説明する。第2の実施形態の管理装置9の動作も第1の実施形態の管理装置9の動作(図5のフローチャート)を適用することができる。まず、第2の実施形態の管理装置9は、光送受信装置33、44間の伝送路10の伝送経路ごとの伝送遅延時間を経路遅延情報として記憶部(図示せず)に登録しておく(ステップS11)。
【0048】
伝送路における伝送経路の特定が必要となったときに、管理装置9は、光トランスポンダ5から伝送路10の伝送経路の伝送遅延時間を測定遅延時間として収集する(ステップS12)。このとき第2の実施形態の管理装置9は、複数の光トランスポンダ5のうち所望の光トランスポンダ5から伝送路10の伝送経路の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集することができる。そして、管理装置9は、収集した測定遅延時間と経路遅延情報とに基づいて、測定遅延時間に対応する伝送経路を特定する(ステップS13)。
【0049】
(第2の実施形態の変形例)
上記の第2の実施形態では、局舎X側の各光トランスポンダ5が伝送路10の伝送遅延時間を測定する例を示したが、これに限られない。例えば、局舎Y側の各光トランスポンダ7にも伝送路10の伝送遅延時間を測定する機能を持たせてもよい。この場合、管理装置9の収集部91は、各光トランスポンダ7が測定した伝送遅延時間を収集することになる。
【0050】
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態の管理装置によれば、光伝送システムの伝送路内の機器と通信できない場合でも、伝送路の伝送経路を特定することができる。その理由は、第2の実施形態の管理装置は、第1の実施形態の管理装置9と同様に、伝送経路と当該伝送経路に対応する伝送遅延時間との関係を示す経路遅延情報と、光伝送システムの光送受信装置から収集した伝送路の測定遅延時間とに基づいて、測定遅延時間に対応した伝送経路を特定するからである。
【0051】
更に、第2の実施形態の管理装置9によれば、光送受信装置33のある波長チャネルの光トランスポンダ5が故障して伝送路10の伝送遅延時間を測定することができない場合でも、別の波長チャンネルの光トランスポンダ5から伝送路10の遅延時間を測定することで、管理装置は測定遅延時間を収集することができる。さらに、第2の実施形態の光送受信装置33は、異なる波長チャネルを使った伝送遅延時間を波長多重分離部によって同時に測定することもできる。このため、ある波長チャネルの光トランスポンダ5の故障後に他の波長チャネルの光トランスポンダ5で伝送遅延時間を再度測定することなく管理装置9は測定遅延時間を収集することができ、測定遅延時間の収集に要する時間を短縮することができる。
【0052】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態の管理装置、光伝送システムについて説明する。第3の実施形態は、第2の実施形態の光伝送システムの伝送路10上に機能付加部が追加された例である。
【0053】
図8は、第3の実施形態に係る管理装置、光伝送システムの構成を示すブロック図である。図8に示すように、第3の実施形態の光伝送システムは、第2実施形態の伝送路10の経路A、B上にそれぞれ機能付加部31、機能付加部32が加わった構成である。
【0054】
例えば、機能付加部31および機能付加部32は、Add/Drop分岐比がそれぞれことなるOADM(Optical add−drop multiplexer:光分岐挿入装置)であるとする。第3の実施形態の光伝送システムは、伝送路10中の経路切替部1、2が経路を切り替えることで、機能付加部31又は機能付加部32のいずれか一方が機能することになる。なお、機能付加部31の設置場所は経路A上の任意の場所でよく、経路B上の機能付加部32も同様である。
【0055】
第3の実施形態の光トランスポンダ5、7は、第2の実施形態の光トランスポンダ5、7と同様の機能を有する。すなわち、光送受信装置33の光トランスポンダ5は、測定情報を付加した光信号を光送受信装置44へ送信し、当該測定情報が付加された光信号を光送受信装置44の光トランスポンダ7から受信する。そして、光トランスポンダ5は、受信した光信号に付加された測定情報に基づいて伝送路の伝送遅延時間を取得する。
【0056】
なお、機能付加部31、32がOADMの場合、伝送遅延時間の測定のために光トランスポンダ5、7が出力する光信号は、OADMによってdropされずに光送受信装置33、44間を伝送する波長チャネルである。
【0057】
次に、第3の実施形態の管理装置9について説明する。図8に示す第3の実施形態の管理装置9は、図6に示す管理装置9と同様に収集部91、特定部92を有する。第3の実施形態の管理装置9は、第2の実施形態の管理装置9と同様に光送受信装置33の各光トランスポンダ5と通信可能である。管理装置9の収集部91は、光トランスポンダ5が測定した伝送路の遅延時間である測定遅延時間を収集し、特定部92は、予め登録された光送受信装置33、44間の経路遅延情報と収集した測定遅延時間とに基づいて、測定遅延時間に対応する伝送経路を特定する。
【0058】
上記のように、光伝送システムのように伝送路10上に機能付加部が追加されている場合でも、光送受信装置33、44間の伝送遅延時間を測定することで伝送路10上の伝送経路を特定することができる。
【0059】
(第3の実施形態の変形例)
次に、第3の実施形態の変形例について説明する。第3の実施形態の変形例は、光送受信装置33、44間に機能切替装置50が設置され、機能切替装置50内の伝送経路が異なる経路長を有する例である。図9は、第3の実施形態の変形例における光伝送システムの構成を示すブロック図である。図9に示す第3の実施形態の変形例の構成の説明において、第3の実施形態と同じ構成には同じ符号を付して詳しい説明を省略する。図9に示すように、第3の実施形態の変形例における光伝送システムは、光送受信装置33、光送受信装置44、機能切替装置50を備える。機能切替装置50は、経路切替部51、経路切替部52、及び、経路切替部51、52間で経路長が異なる経路AA、経路BBを有する。例えば、機能付加部53、54は、Add/Drop分岐比がそれぞれ異なるOADMであるとする。経路切替部51、52が経路を切り替えることで、機能付加部53又は機能付加部54のいずれか一方が機能する。
【0060】
ここで、第3の実施形態の変形例において、光送受信装置33と経路切替部51間、経路切替部52と光送受信装置44間は共通した伝送経路であり、光送受信装置33、44間で測定する伝送遅延時間に差は生じない。
【0061】
一方、機能切替装置50内の経路切替部51と経路切替部52間における機能切替装置50内の経路AA又は経路BBの通過によって光送受信装置33、44間の伝送遅延時間に差が生じることになる。
【0062】
第3の実施形態の変形例の管理装置9は、第3の実施形態の管理装置9と同様に、光送受信装置間で測定された測定遅延時間を収集し、予め登録された光送受信装置間の経路遅延情報と収集した測定遅延時間に基づいて、機能切替装置50内の伝送経路を特定する。
【0063】
(第3の実施形態の効果)
第3の実施形態の管理装置によれば、伝送路の伝送経路上に機能付加部が設けられた光伝送システムにおいて、光伝送システムの伝送路内の機器と通信できない場合でも、伝送路の伝送経路を特定することができる。その理由は、第3の実施形態の管理装置9は、第1、2の実施形態の管理装置9と同様に、伝送経路と当該伝送経路に対応する伝送遅延時間との関係を示す経路遅延情報と、光伝送システムから収集した伝送路の測定遅延時間とに基づいて、測定遅延時間に対応した伝送経路を特定するからである。
【0064】
また、第3の実施形態の管理装置9によれば、光伝送システムの光送受信装置間に設置された機能切替装置50内の伝送経路を特定することもできる。その理由は、機能切替装置50内の伝送経路の経路長差によって生じる伝送遅延時間の違いを用いて機能切替装置50内の伝送経路を特定するからである。
【0065】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る管理装置、及び、光伝送システムについて説明する。第4の実施形態は、伝送路が複数の伝送経路を含み、その伝送経路は、複数の経路区間の組合せで構成された例である。
【0066】
なお、第4の実施形態では、光伝送システムの伝送路における設計上の経路長と、光信号の伝搬速度を用いて設計上の伝送遅延時間を求めて経路遅延情報としている。設計上の伝送遅延時間は、例えば、伝送路が光ファイバで構成されている場合、光ファイバを伝搬する光信号の伝搬速度と、伝送路の伝送経路の長さから求めることができる。
【0067】
図10は、第4の実施形態の管理装置、光伝送システムの構成を示すブロック図である。図10に示すように、第4の実施形態の光伝送システムは、光送受信装置3、光送受信装置4、伝送路11を備える。第4の実施形態の光送受信装置3、4は、第1の実施形態の光送受信装置3、4と同様である。
【0068】
第4の実施形態の光伝送システムの伝送路11上には、経路切替部12、13、14、15が設置されている。経路切替部12、13、14、15の設置によって、伝送路11は、経路C、D、E、F、G、H、I、Jの8つの個別経路が存在することになる。なお、経路切替部12、13、14、15の経路切替機能はそれぞれ同等であるとする。
【0069】
図11は、第4の実施形態の伝送路11を構成する個別経路とその伝送遅延時間を示す表図である。図11に示す経路C〜Jの各伝送遅延時間は、個別経路の往復における設計上の伝送遅延時間を表している。なお、各伝送経路の設計上の伝送遅延時間として、個別経路の伝送遅延時間の他、経路切替部12〜15内部における伝送遅延時間を含めることが好ましい。説明の簡単のため、第4の実施形態では経路切替部内の伝送遅延時間を省略して説明する。
【0070】
図12は、第4の実施形態の伝送路における経路遅延情報を示す表図である。図12に示す経路遅延情報には、伝送経路とその経路構成、伝送経路に対応する合計遅延時間が含まれる。伝送経路4−1〜伝送経路4−4の経路構成は、説明を簡単にするために往路又は復路ともに光信号は光送受信装置間を順方向に進むものとする。すなわち、光送受信装置3から光送受信装置4への往路において、経路切替部12から経路Eを経て経路切替部14に届いた光信号は、経路切替部14によって、経路Hではなく経路Iを経て光送受信装置4に向かう。
【0071】
また、伝送経路は、往路と復路で同じ経路構成を辿って往復するものとする。例えば、伝送経路4−1の往路が経路C−経路E−経路Iの場合、復路も経路C−経路E−経路Iを辿るものとする。
【0072】
さらに、伝送経路における合計遅延時間は、伝送経路を構成する各経路の伝送遅延時間の合計となっている。伝送経路4−1〜4−4の合計遅延時間は、それぞれ異なる値であり、例えば、伝送経路4−1〜4−4の合計遅延時間の関係は、L1+L3+L7<L1+L5+L8<L2+L4+L8<L2+L6+L7となる。
【0073】
次に、第4の実施形態の管理装置9による光伝送システムの伝送経路の特定について説明する。はじめに、管理装置9の収集部91は、伝送路11の伝送経路に対応する経路遅延情報を外部装置(図示せず)から取得し、管理装置9の記憶部(図示せず)に登録する。ここで、収集部91が取得する経路遅延情報は、図12に示す光伝送システムの伝送路の設計上の経路遅延情報となる。
【0074】
続いて、管理装置9は、光伝送システムの運用中に伝送路11上に設置された経路切替部12〜15と通信できない状況となった場合、光伝送システムの伝送経路の特定を実施する。
【0075】
まず、管理装置9の収集部91は、光送受信装置3に伝送遅延時間の測定を指示する。管理装置9からの指示を受け、光送受信装置3の光トランスポンダ5は、光送受信装置4を宛先として測定情報を付加した光信号を送信し、光送受信装置4の光トランスポンダ7から返信された当該測定情報が付加された光信号を受信する。そして、光トランスポンダ5は、受信した光信号に付加された測定情報に基づいて伝送路の伝送遅延時間を測定する。
【0076】
管理装置9の収集部91は、光トランスポンダ5が測定した遅延時間である測定遅延時間を収集し、特定部92は、収集した測定遅延時間と、管理装置9の記憶部(図示せず)に登録された図12に示す経路遅延情報とに基づいて、測定遅延時間に対応する伝送経路を特定する。
【0077】
(第4の実施形態の変形例)
上記の第4の実施形態において、管理装置9の収集部91は、伝送路11上の経路切替部12〜15と通信できない状況となる前に経路遅延情報を外部装置(図示せず)から取得する例で説明したが、これに限られない。設計上の経路遅延情報であれば、経路切替部12〜15と通信できない状況となった後でも経路遅延情報を外部装置(図示せず)から取得することができる。
【0078】
また、第4の実施形態の光伝送システムにおいて、光送受信装置3、4の代わりに光送受信装置33、44を用いて、複数の光トランスポンダから経路遅延情報を収集する構成を採用してもよい。
【0079】
(第4の実施形態の効果)
第4の実施形態の管理装置によれば、光伝送システムの伝送路内の機器と通信できない場合でも、伝送路の伝送経路を特定することができる。その理由は、第4の実施形態の管理装置は、伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報と、光伝送システムの光送受信装置から収集した伝送路の測定遅延時間とに基づいて、測定遅延時間に対応した伝送経路を特定するからである。
【0080】
また、第4の実施形態の管理装置によれば、光伝送システムの伝送路内の機器と通信できなくなった後でも光伝送システムにおける伝送経路の経路遅延情報を登録することができる。その理由は、光伝送システムの伝送路の設計上の伝送経路と伝送遅延時間に基づく経路遅延情報を登録するからである。
【0081】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る管理装置、光伝送システムについて説明する。図13は、第5の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。図13に示す第5の実施形態の管理装置、光伝送システムにおいて、第2の実施形態と同様の構成は同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0082】
第5の実施形態の光伝送システムは、局舎Xに設置された光送受信装置33、局舎Yに設置された光送受信装置44、光送受信装置33、44間を接続する伝送路を備える。伝送路上にはOADM56が設置され、光送受信装置33とOADM56間の経路切替部(図示せず)によって経路P、Qが形成され、光送受信装置44とOADM56間の経路切替部(図示せず)によって経路P、Qが形成されている。図13に示すように、経路Pと経路Qの冗長経路がOADM56を境に伝送路上に2つ設置された経路構成となる。第5の実施形態の光伝送システムの伝送路は、局舎X−局舎Y間(光送受信装置33、44間)の経路P、経路Qの組合せによって4つの伝送経路となる。経路Pの伝送遅延時間は、局舎X−OADM56間、OADM56−局舎Y間で同じであり、経路Qの伝送遅延時間も局舎X−OADM56間、OADM56−局舎Y間で同じであるとする。
【0083】
OADM56は、局舎Xの光送受信装置33から出力された一部の波長チャネルの光信号を局舎Zの光送受信装置88に分岐し、また、局舎Zの光送受信装置88から出力された当該波長チャネルの光信号を挿入して光送受信装置33に送る機能を有する。これにより、局舎Xの光送受信装置33は、局舎Yの光送受信装置44、局舎Zの光送受信装置88のそれぞれと通信可能となっている。
【0084】
なお、第5の実施形態の光伝送システムの伝送路において、局舎Z(光送受信装置88)は、OADM56に近接して設置され、局舎X、Z間(光送受信装置33、88間)の伝送遅延時間は、局舎XとOADM56間の伝送遅延時間として扱うこととする。
【0085】
第5の実施形態の管理装置9は、局舎Xの光送受信装置33と接続され、第2の実施形態と同様に収集部91、特定部92を備える。まず、管理装置9の収集部91は、経路遅延情報として管理装置9の記憶部(図示せず)に登録する。経路遅延情報は、光伝送システムの運用開始前に管理装置9の収集部91が光送受信装置3の光トランスポンダ5から収集した局舎X、Y間(光送受信装置33、44間)の4つの伝送経路(伝送経路5−1〜5−4)とその伝送遅延時間を含む。さらに、経路遅延情報は、局舎X、Z間(光送受信装置33、88間)の伝送遅延時間を含む。
【0086】
管理装置9の収集部91は、光送受信装置33の光トランスポンダ5に局舎Xと局舎Y間、及び、局舎Xと局舎Z間の伝送遅延時間を測定するように指示する。光トランスポンダ5による局舎Xと局舎Y間、及び、局舎Xと局舎Z間の伝送遅延時間の測定後、収集部91は、局舎Xと局舎Y間、及び、局舎Xと局舎Z間の測定遅延時間を収集する。
【0087】
図14は、第5の実施形態の光伝送システムにおける伝送路の経路遅延情報を示す表図である。図14に示すように伝送経路5−1〜5−4は、局舎X−OADM間の冗長経路(経路P、経路Q)と局舎Y−OADM間の冗長経路(経路P、経路Q)の組合せで構成される。
【0088】
伝送経路5−1と伝送経路5−4は、それぞれの伝送遅延時間に差があるため、特定部92は、第2の実施形態の管理装置9と同様に伝送経路を特定することができる。一方、伝送経路5−2、伝送経路5−3は、異なる伝送経路であるにも関わらず、局舎X、Y間(光送受信装置33、44間)の伝送遅延時間が同一となる。このため、局舎X、Y間の測定遅延時間だけでは伝送経路5−2、伝送経路5−3のいずれであるかを特定することができない。
【0089】
そこで、特定部92は、経路遅延情報において異なる伝送経路で伝送遅延時間が同一であった場合、局舎X、Z間(局舎XとOADM間)の伝送遅延時間を含む経路遅延情報と、収集した局舎X、Z間(局舎XとOADM間)の測定遅延時間とに基づいて、伝送経路を特定する。
【0090】
例えば、局舎X、Z間(局舎XとOADM間)の測定遅延時間がL9であった場合、特定部92は、経路遅延情報に含まれる局舎X、Z間(局舎XとOADM間)の伝送遅延時間がL9であることがから、局舎X、Y間の伝送経路を伝送経路5−2と特定する。
【0091】
(第5の実施形態の効果)
第5の実施形態の管理装置によれば、光伝送システムの伝送路内の機器と通信できない場合でも、伝送路の伝送経路を特定することができる。その理由は、管理装置は、伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報と、光伝送システムの光送受信装置から収集した伝送路の測定遅延時間とに基づいて、測定遅延時間に対応した伝送経路を特定するからである。
【0092】
また、第5の実施形態の管理装置によれば、光伝送システムの伝送路内の機器と通信できなくなった後でも光伝送システムにおける伝送経路の経路遅延情報を登録することができる。その理由は、光伝送システムの伝送路の設計上の伝送経路と伝送遅延時間に基づく経路遅延情報を登録するからである。
【0093】
(第6の実施形態)
第1の実施形態は、光送受信装置間における伝送路の往復遅延時間を伝送遅延時間とする例であった。第6の実施形態は、光送受信装置間における伝送路の片道遅延時間を伝送遅延時間とする例である。
【0094】
第6の実施形態の光伝送システム、管理装置の構成の一部は、第1の実施形態の光伝送システム、管理装置と同様の構成を用いることができる。このため、第6の実施形態の説明において、第1の実施形態と相違する点を主に説明し、第1の実施形態と同様の構成は、同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0095】
第6の実施形態の光伝送システム、管理装置の構成について、図面を用いて説明する。図15は、第6の実施形態の管理装置、光伝送システムの構成を示すブロック図である。図15に示すように、第6の実施形態の光伝送システムは、局舎Xに設置され、光トランスポンダ55を有する光送受信装置3と、局舎Yに設置され、光トランスポンダ77を有する光送受信装置4と、光送受信装置3と光送受信装置4とを接続する伝送路10を備える。伝送路10上に設置された経路切替部1と経路切替部2によって経路長が異なる経路A、経路Bの経路冗長区間が構成される。
【0096】
図16は、第6の実施形態における光送受信装置間の経路構成を示す表図である。図16に示すように、光送受信装置3から光送受信装置4までの経路は、経路X→経路A→経路Yで構成される伝送経路6−1と、経路X→経路B→経路Yで構成される伝送経路6−2となる。
【0097】
第6の実施形態の光トランスポンダ55、光トランスポンダ77は、第1の実施形態の光トランスポンダ5の機能を用いて構成することができる。簡単な説明のため、第1の実施形態の光トランスポンダ5の構成を送信側となる光トランスポンダ55、受信側となる光トランスポンダ77にそれぞれ適用した例で説明する。
【0098】
図17は、第6の実施形態の光トランスポンダの構成を示すブロック図である。図17に示す光送受信装置3の光トランスポンダ55は、信号生成部20、情報付加部21、光変調部22、情報管理部26を備える。また、光送受信装置4の光トランスポンダ77は、受光部23、情報抽出部24、信号復元部25、情報管理部26を備える。管理装置9は、光トランスポンダ55、77とそれぞれ接続されている。
【0099】
送信側となる光トランスポンダ55の信号生成部20は、主信号を生成し、情報付加部21は、情報管理部26で生成された測定情報を主信号に付加する。光変調部22は、測定情報が付加された主信号を光信号に変換して伝送路10に送信する。
【0100】
受信側となる光トランスポンダ77の受光部23は、光送受信装置3から伝送された光信号を受信し、信号復元部25は受信後の光信号を復元する。更に情報抽出部24は、受信後の主信号から測定情報を抽出し、測定情報を抽出した抽出時刻とともに情報管理部26に送る。受信側の情報管理部26は、測定情報の時刻と抽出時刻とに基づいて、伝送遅延時間を取得する。伝送遅延時間は、例えば、測定情報が時刻情報である場合、時刻情報に含まれる時刻と情報管理部26が測定情報を抽出した抽出時刻を用いて測定することができる。情報管理部26は、測定した伝送遅延時間を管理装置9へ送信する。
【0101】
なお、光送受信装置3と光送受信装置4の設置場所で時差がある場合、光送受信装置4は、光送受信装置3との時差の情報を管理装置9から取得する。光トランスポンダ77の情報管理部26は、光送受信装置3との時差情報を用いて、測定情報の時刻を光送受信装置4が設置されている場所の時刻に修正する。情報管理部26は、修正された時刻と、抽出時刻に基づいて、伝送路の往路の遅延時間を測定する。
【0102】
次に、第6の実施形態の管理装置の構成について説明する。図17に示すように、管理装置9は、収集部91、特定部92を備える。また、管理装置9は、光送受信装置4の光トランスポンダ77と通信可能であるとする。管理装置9の収集部91は、光トランスポンダ77と通信し、光トランスポンダ77の情報管理部26が取得した遅延時間である測定遅延時間を収集する。収集部91は、収集した測定遅延時間に関連する情報を記憶部(図示せず)に格納する。
【0103】
なお、管理装置9が光送受信装置4と通信可能である場合、光送受信装置4が光トランスポンダ7から測定遅延時間を取得し、管理装置9は、光送受信装置4から測定遅延時間を収集する構成としてもよい。
【0104】
図18は、第6の実施形態において、光トランスポンダが測定した伝送遅延時間と経路との関係を表図である。図18の表図には、経路名、経路構成、伝送遅延時間が示されている。図18に示す伝送遅延時間は、光送受信装置3から光送受信装置4までの伝送路の片道の経路で測定されたものである。
【0105】
光トランスポンダ7の情報管理部26で測定される伝送遅延時間は、伝送路の経路長に応じて変化する。図15に示すように、経路Aの経路長が、経路Bの経路長より短い場合、伝送経路6−1と伝送経路6−2における伝送遅延時間の関係は、LAA(マイクロ秒〜ミリ秒)<LBB(マイクロ秒〜ミリ秒)となる。
【0106】
(伝送経路の特定)
次に、第6の実施形態の管理装置9による光伝送システムの伝送経路の特定について説明する。伝送経路の特定は、第1の実施形態と同様、管理装置9が、光伝送システムの伝送路10上に設置された経路切替部1、経路切替部2と通信できない状況で実施される。なお、管理装置9は、経路切替部1、2と通信ができなくなる前に図18に示す伝送経路ごとの伝送遅延時間を取得して記憶部(図示せず)に登録済みであるとする。
【0107】
管理装置9が経路切替部1、2と通信できなくなった後、管理装置9の収集部91は、光送受信装置3と光送受信装置4に伝送路の往路(片道)による伝送遅延時間の取得を指示する。光送受信装置3と光送受信装置の設置場所に時差がある場合、管理装置9の収集部91は、光送受信装置3と光送受信装置4の時差情報を光送受信装置4に送信する。
【0108】
管理装置9からの指示を受け、光送受信装置3の光トランスポンダ55は、光送受信装置4を宛先として測定情報を付加した光信号を伝送路10に送信する。光送受信装置4の光トランスポンダ77は、伝送路10からの光信号を受信し、測定情報を抽出する。光トランスポンダ77は、測定情報に含まれる時刻と、光トランスポンダ77における測定情報の抽出時刻から伝送遅延時間を取得する。
【0109】
管理装置9の収集部91は、光トランスポンダ7が測定した伝送遅延時間である測定遅延時間を収集し、特定部92は、収集した測定遅延時間と、管理装置9の記憶部(図示せず)に登録された経路遅延情報とに基づいて、測定遅延時間に対応する伝送経路を特定する。
【0110】
特定部92は、例えば、収集した測定遅延時間がLAA(マイクロ秒〜ミリ秒)の場合、記憶部(図示せず)に登録された伝送経路ごとの伝送遅延時間(図18)に基づいて、光送受信装置3、4間の伝送経路を伝送経路6−1と特定する。なお、上記の伝送経路の特定の例では、経路切替部1、2と管理装置9が通信可能であった例で説明をしたが、これに限られない。管理装置9は、経路切替部1、2と元々通信ができない場合でも適用可能であることは言うまでもない。
【0111】
このように、第6の実施形態によれば、管理装置9は、光伝送システムの伝送路の遅延時間が片道遅延時間の場合であっても往復遅延時間と同様に光伝送システムの伝送路の伝送経路を特定することができる。
【0112】
次に、伝送路における経路状態の識別方法として、第6の実施形態の構成を用いた例を示す。なお、下記識別方法は、例示でありこれに限られるものではない。
【0113】
(経路状態の識別)
光伝送システムの伝送路における経路状態の把握について、第6の実施形態の構成を用いて説明する。図15に示す光伝送システムにおいて、伝送路10上に設置された経路切替部1が管理装置9の指示によらず自律的に経路A、経路Bを切替える機能を有するとする。また、管理装置9は、図18に示す経路遅延情報を記憶部(図示せず)に登録済みであるとする。
【0114】
管理装置9の収集部91は、光伝送システムの光送受信装置3、4の光トランスポンダ55,77に複数の伝送遅延時間の取得を指示する。光トランスポンダ55、77は、例えば、10分間隔で伝送遅延時間を測定して6つの伝送遅延時間を取得する。次に、収集部91は、光トランスポンダ77から6つの測定遅延時間を収集する。
【0115】
続いて特定部92は、図18に示す経路遅延情報を用いて、収集した6つの測定遅延時間ごとに、対応する伝送経路を特定する。特定部92は、複数の測定遅延時間に対応する伝送経路がない場合、その伝送経路は不通であると識別する。
【0116】
このように、第6の実施形態の管理装置9の収集部91が、複数の測定遅延時間を収集し、特定部92が収集した複数の測定遅延時間に対応する伝送経路を特定することにより、伝送路の経路状態を識別することができる。
【0117】
また、第6の実施形態の構成を用いて管理装置9の経路状態の把握について説明したが、第1の実施形態〜第5の実施形態に記載の光伝送システムの伝送路にも適用することができる。
【0118】
(その他)
第1の実施形態〜第6の実施形態については、それぞれを組み合わせた態様であってよい。第1〜第6の実施形態に記載された伝送路10、11の例としてファイバおよび光中継器を有する例を説明したが、これに限られない。例えば、伝送路10上に光中継器が設置されない伝送路にも適用できる。
(ハードウエア構成)
図19は、第1〜6の実施形態における管理装置9をコンピュータ装置で実現したハードウエア構成を示す図である。
【0119】
第1〜第6の実施形態において、管理装置の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。管理装置の各構成要素の一部又は全部は、例えば、図19に示すような情報処理装置60とプログラムとの任意の組み合わせにより実現される。情報処理装置60は、一例として、以下のような構成を含む。
CPU(Central Processing Unit)61、
ROM(Read Only Memory)62、
RAM(Random Access Memory)63、
RAM63にロードされるプログラム64、
プログラム64を格納する記憶装置65、
記録媒体66の読み書きを行うドライブ装置67、
通信ネットワーク69と接続する通信インターフェース68、
データの入出力を行う入出力インターフェース70、
各構成要素を接続するバス71
管理装置9の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム64をCPU61が取得して実行することで実現される。管理装置9の収集部91、特定部92の機能を実現するプログラム64は、例えば、予め記憶装置65又はRAM63に格納されており、必要に応じてCPU61が読み出す。なお、プログラム64は、通信ネットワーク69を介してCPU61に供給されてもよいし、予め記録媒体66に格納されており、ドライブ装置67が当該プログラムを読み出してCPU61に供給してもよい。
【0120】
管理装置9の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、管理装置9は、情報処理装置60とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0121】
また、管理装置9の収集部91、特定部92は、その他の汎用または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。また、情報処理装置60の代わりにFPGA(Field−Programmable Gate Array)のようなプログラマブルロジックデバイスを用いてもよい。
【0122】
さらに、管理装置9の収集部91、特定部92は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0123】
また、管理装置9の収集部91、特定部92の機能が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0124】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0125】
また、図面中の矢印の方向は、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
【0126】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1、第2の光送受信装置間の伝送経路ごとに伝送経路長が異なる伝送路を有する光伝送システムの管理装置であって、
前記伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報を予め登録し、前記第1の光送受信装置が測定した前記伝送路の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集する収集部と、
前記経路遅延情報及び前記測定遅延時間に基づいて、前記測定遅延時間に対応する前記伝送経路を特定する特定部と、を備える管理装置。
(付記2)
前記第1の光送受信装置は、波長チャネルが異なる複数の第1の光トランスポンダを有し、
前記管理装置は、前記第1の光トランスポンダの少なくとも1つが測定した前記測定遅延時間を収集する、
付記1に記載の管理装置。
(付記3)
前記収集部は、前記第1の光送受信装置に前記伝送路の伝送遅延時間の測定を指示する、付記1又は2に記載の管理装置。
(付記4)
前記経路遅延情報の伝送遅延時間は、前記光伝送システムの運用開始前、又は、運用中に測定された前記伝送経路ごとの伝送遅延時間である、
付記1から3のいずれか1つに記載の管理装置。
(付記5)
前記経路遅延情報の伝送遅延時間は、前記光伝送システムの伝送路における設計上の伝送遅延時間である、
付記1から3のいずれか1つに記載の管理装置。
(付記6)
前記光伝送システムは、前記伝送路上に複数の経路切替部を有し、
前記伝送路の伝送経路は、前記第1の光送受信装置、前記第2の光送受信装置、前記複数の経路切替部との間の個別経路の組合せで構成され、
前記経路遅延情報は、前記伝送経路とその経路構成、及び、前記伝送経路ごとの前記合計遅延時間を含み、
前記合計遅延時間は、前記個別経路の設計上の伝送遅延時間の合計である、
付記5に記載の管理装置。
(付記7)
前記測定遅延時間は、第1、第2の光送受信装置間の往復遅延時間である、
付記1から6のいずれか1つに記載の管理装置。
(付記8)
前記光伝送システムは、伝送経上に機能付加部を備える
付記1から7のいずれか1つに記載の管理装置。
(付記9)
前記機能付加部が、光挿入分岐装置である、
付記8に記載の管理装置。
(付記10)
第1、第2の光送受信装置間の伝送経路ごとに伝送経路長が異なる伝送路を有する光伝送システムの伝送経路の特定方法であって、
前記伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報を登録し、前記第1の光送受信装置が測定した前記伝送路の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集し、前記経路遅延情報及び前記測定遅延時間に基づいて、前記測定遅延時間に関連する伝送経路を特定する特定方法。
(付記11)
第1、第2の光送受信装置間の伝送経路ごとに伝送経路長が異なる伝送路を有する光伝送システムの伝送経路を特定するプログラムであって、
コンピュータに、
前記伝送経路ごとの伝送遅延時間を示す経路遅延情報を登録し、前記第1の光送受信装置が測定した前記伝送路の伝送遅延時間である測定遅延時間を収集し、前記経路遅延情報及び前記測定遅延時間に基づいて、前記測定遅延時間に関連する伝送経路を特定する、
ことを実行させるプログラム。
【0127】
この出願は、2016年3月28日に出願された日本出願特願2016−063618を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0128】
1、2 経路切替部
3、4、33、44、88 光送受信装置
5、7、55、77 光トランスポンダ
6、8 波長多重分離部
9 管理装置
10、11 伝送路
12、13、14、15 経路切替部
20 信号生成部
21 情報付加部
22 光変調部
23 受光部
24 情報抽出部
25 信号復元部
26 情報管理部
31、32、53、54 機能付加部
50 機能切替装置
56 OADM
60 情報処理装置
61 CPU
63 RAM
64 プログラム
65 記憶装置
66 記録媒体
67 ドライブ装置
68 通信インターフェース
69 通信ネットワーク
70 入出力インターフェース
71 バス
91 収集部
92 特定部
図1
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