(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる米飯成形装置の実施の形態について説明する。
【0015】
以下の説明において、図面に示されるXYZ座標系は、X方向を前後方向、Y方向を左右方向、Z方向を上下方向、としてそれぞれ示す。各方向において、矢印が指す方向が+方向である。X方向において、+X方向が前方向、−X方向が後方向である。Y方向において、+Y方向が左方向、−Y方向が右方向である。Z方向において、+Z方向が上方向、−Z方向が下方向である。また、図中、「○」の中に「・」が記載された表記は、紙面の裏から表に向かう矢印(+方向)を示す。
【0016】
●米飯成形装置●
図1は、本発明にかかる米飯成形装置の実施の形態を示す斜視図である。
図2は、米飯成形装置の機能ブロック図である。
米飯成形装置100は、例えば、寿司飯などの米飯R(
図3参照。以下同じ。)を握り寿司用の米飯成形物(以下「シャリ玉」という。)RBに成形する。米飯成形装置100により成形されるシャリ玉RBは、所定の形状(例えば、ほぼ俵状)である。米飯成形装置100は、ホッパー1と、筐体2と、圧縮部3と、成形部4と、搬送部5と、検知部6と、制御部7と、駆動部8と、パネル9と、操作部10と、を有してなる。
【0017】
●米飯成形装置の構成
図3は、パネル9が取り外された状態の米飯成形装置100の正面図である。
図4は、
図3の米飯成形装置100のAA線断面図である。
【0018】
ホッパー1は、米飯Rの収納、撹拌、供給を行う。ホッパー1は、収納部11と撹拌部12と供給部13とを備える。収納部11は、内部に米飯Rを収納する。収納部11は、筐体2の上部に着脱可能に取り付けられる。撹拌部12は、例えば、複数の撹拌アーム(不図示)を備え、撹拌アームは撹拌部12内の米飯Rを撹拌する。撹拌部12は、収納部11の下方に配置される。撹拌部12は、筐体2の上側の前面に取り付けられる。供給部13は、撹拌部12の下方に一体に設けられる。撹拌された米飯Rは、供給部13を介して供給部13の下方に送られる。
【0019】
筐体2は、圧縮部3と成形部4と搬送部5を支持すると共に、駆動部8などを収納する。筐体2は、複数の支持部を備える。支持部は、例えば、圧縮部3と成形部4とを支持する。
【0020】
圧縮部3は、成形部4によるシャリ玉RBの成形が容易となるようにホッパー1から供給された米飯Rを均して、成形部4に供給する。すなわち、圧縮部3から成形部4に供給される米飯Rは、適度に均されて(圧縮されて)、密度が均一化される。圧縮部3は、複数の回転軸31と、上段圧縮ローラ対32と、下段圧縮ローラ対33と、支持プレート対34と、を備える。
【0021】
回転軸31は、上段圧縮ローラ対32と下段圧縮ローラ対33とを支持する。回転軸31は、筐体2の支持部を介して筐体2に回転可能に支持される。上段圧縮ローラ対32は、ホッパー1から供給された米飯Rを圧縮し、均一に均す。上段圧縮ローラ対32は、第1圧縮ローラ32aと第2圧縮ローラ32bとから構成される。下段圧縮ローラ対33は、上段圧縮ローラ対32により圧縮された米飯Rをさらに均す。下段圧縮ローラ対33は、第3圧縮ローラ33aと第4圧縮ローラ33bとから構成される。
【0022】
上段圧縮ローラ対32と下段圧縮ローラ対33とは、回転軸31を介して筐体2に取り付けられる。上段圧縮ローラ対32は、左右方向に所定の間隔を空けてホッパー1の供給部13の下方に配置される。下段圧縮ローラ対33は、左右方向に所定の間隔を空けて上段圧縮ローラ対32の下方に配置される。第3圧縮ローラ33aと第4圧縮ローラ33bとの間隔は、第1圧縮ローラ32aと第2圧縮ローラ32bとの間隔より狭い。
【0023】
回転軸31は、駆動部8からの回転駆動力により回転する。回転軸31に支持された上段圧縮ローラ対32と下段圧縮ローラ対33との回転速度や回転方向などは、制御部7により制御される。上段圧縮ローラ対32と下段圧縮ローラ対33との回転方向は、圧縮部3に供給された米飯Rを上方から下方へ向かって移動させる方向である。
【0024】
支持プレート対34は、圧縮部3と成形部4とに供給された米飯Rを前後から支持する。支持プレート対34は、前側支持プレート(不図示)と後側支持プレート34aとを備える。後側支持プレート34aは、筐体2の前面に取り付けられる。前側支持プレートは、パネル9の後面に取り付けられる。
【0025】
なお、圧縮部3の構成は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、圧縮部3が備えるローラ対は上段圧縮ローラ対32と下段圧縮ローラ対33との2段階であるが、圧縮部が備えるローラ対は1段階や3段階以上でもよい。また、圧縮部は、ローラ方式ではなくベルト方式でもよい。
【0026】
成形部4は、圧縮部3により密度が均一化された米飯Rからシャリ玉RBを成形する。成形部4は、圧縮部3の下方に配置される。成形部4は、筐体2の前面に配置される。成形部4は、第1回転軸41と、第2回転軸42と、第1成形ローラ43と、第2成形ローラ44と、を備える。
【0027】
第1回転軸41は、第1成形ローラ43を支持する。第2回転軸42は、第2成形ローラ44を支持する。第1回転軸41と第2回転軸42それぞれの後半部は、左右方向に所定の間隔を空けて、筐体2の支持部に回転可能に支持される。第1回転軸41と第2回転軸42それぞれの軸方向は、前後方向に沿う。第1回転軸41と第2回転軸42それぞれの前半側の部分は、筐体2の支持部から前方に突出する。すなわち、第1回転軸41と第2回転軸42とは、支持部に片持ち支持される。
【0028】
第1回転軸41と第2回転軸42とは、駆動部8からの回転駆動力により回転する。第1回転軸41と第2回転軸42の回転速度や回転方向などは、制御部7により制御される。
【0029】
第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とは、圧縮部3により密度が均一化された米飯Rをシャリ玉RBに成形する。第1成形ローラ43は、第1回転軸41の前
半側
の部分に取り付けられる。第2成形ローラ44は、第2回転軸42の前
半側
の部分に取り付けられる。第1成形ローラ43の外周面は、第2成形ローラ44の外周面と対向する。
【0030】
一対の成形ローラ43、44の回転方向は、圧縮部3から供給された米飯Rを成形して、成形されたシャリ玉RBを下方に放出する方向である。すなわち、第1成形ローラ43の回転方向は、正面視において時計回り方向(
図3の時計回り方向)である。第2成形ローラ44の回転方向は、正面視において反時計回り方向(
図3の反時計回り方向)である。第1成形ローラ43の回転は、第2成形ローラ44の回転と同期する。
【0031】
一対の成形ローラ43、44が取り外された状態において、第1回転軸41(第2回転軸42)の軸方向の異なる位置における軸間距離Lは、異なる。軸間距離Lは、第1回転軸41の軸芯(軸中心)と第2回転軸42の軸芯との距離である。第1回転軸41と第2回転軸42の後端側の軸間を軸間距離L1、第1回転軸41と第2回転軸42の前端側の軸間を軸間距離L2とする。軸間距離L1は、軸間距離L2よりも長い。すなわち、一対の成形ローラ43、44が取り外された状態において、第1回転軸41と第2回転軸42とは、非平行である。
【0032】
次に、第1成形ローラ43の構成と第2成形ローラ44の構成について説明する。第1成形ローラ43の構成と第2成形ローラ44の構成とは、後述する凹凸を除いて左右対称である。そこで、一対の成形ローラ43、44の構成について、第1成形ローラ43を用いて、以下に説明する。
【0033】
図5は、一対の成形ローラ43、44の斜視図である。
第1成形ローラ43は、例えば、フッ素系樹脂などの合成樹脂製である。第1成形ローラ43は、円柱状である。第1成形ローラ43は、軸孔43hと収納部43aとを備える。
【0034】
図6は、一対の成形ローラ43、44の正面視断面図である。
同図は、一対の成形ローラ43、44を一対の成形ローラ43、44の長手方向(前後方向)の中央部分で切断した、一対の成形ローラ43、44の切断面を示す。図中、一対の成形ローラ43、44に隣接する白抜きの矢印は、一対の成形ローラ43、44の回転方向を示す(以下、
図7、
図12−
図14も同じ。)。
【0035】
軸孔43hは、第1回転軸41が挿通される孔である。軸孔43hは、第1成形ローラ43の軸芯線(中心軸線)上に、第1成形ローラ43を貫通するように配置される。軸孔43hは、正面視において六角形である。軸孔43hには、第1回転軸41の前
半側
の部分が嵌合される。
【0036】
収納部43aは、第2成形ローラ44の収納部44aと共に、米飯Rを収納して、米飯Rをシャリ玉RBに成形する。収納部43aは、第1成形ローラ43の外周面から中心に向かって、ほぼ船底状に窪んでいる。第1成形ローラ43の軸方向における収納部43aの長さは、第1成形ローラ43の周方向における収納部43aの長さよりも長い(
図5参照)。収納部43aは、第1成形ローラ43の周方向に沿って均等の間隔で6か所に配置される。
【0037】
なお、本発明において、第1成形ローラや第2成形ローラが備える収納部の数は、「6」に限定されない。
【0038】
図7は、第1成形ローラ43の部分拡大断面図である。
図8は、
図6の第1成形ローラ43のBB線断面図である。
収納部43aは、側壁面43a1と、上壁面43a2と、底壁面43a3と、前壁面43a4と、後壁面43a5と、を備える。米飯Rは、収納部43aに収納されることで、シャリ玉RBの形状に形作られる。側壁面43a1は、シャリ玉RBの側面に対応する。上壁面43a2は、シャリ玉RBの上面に対応する。底壁面43a3は、シャリ玉RBの底面に対応する。前壁面43a4と後壁面43a5とは、シャリ玉RBの長手方向の端面(前端面、後端面)に対応する。収納部43a内の空
間(側壁面43a1と上壁面43a2と底壁面43a3と前壁面43a4と後壁面43a5とに囲まれる空間)
の容積は、シャリ玉RBのほぼ半分の容積に相当する。
【0039】
側壁面43a1は、
図6に示されるように、断面視において、6つの側壁面43a1同士で多角形(六角形)が形成されるように配置される。上壁面43a2は、第1成形ローラ43の回転方向(
図6の時計回り方向)において、側壁面43a1の後方(第1成形ローラ43の回転方向の反対方向)に位置する。側壁面43a1と上壁面43a2とがなす角の角度(内角)は、鈍角である。
【0040】
底壁面43a3は、第1成形ローラ43の回転方向において、側壁面43a1の前方(第1成形ローラ43の回転方向)に位置する。側壁面43a1と底壁面43a3とがなす角の角度(内角)は、鋭角である。すなわち、側壁面43a1と底壁面43a3とがなす角の角度は、側壁面43a1と上壁面43a2とがなす角の角度よりも小さい。
【0041】
前壁面43a4は、
図8に示されるように、側壁面43a1の前端側(
図8の紙面下側)に位置する。後壁面43a5は、側壁面43a1の後端側(
図8の紙面上側)に位置する。側壁面43a1と前壁面43a4とがなす角の角度(内角)は、略直角である。側壁面43a1と後壁面43a5とがなす角の角度(内角)は、側壁面43a1と前壁面43a4とがなす角の角度と同じである。
【0042】
第1成形ローラ43の外周面のうち、収納部43a間に位置する外周面43bは、凸部43b1と凹部43b2とを備える。凸部43b1と凹部43b2とは、第1成形ローラ43の長手方向(前後方向)に沿って、外周面43bに繰り返し設けられる。すなわち、第1成形ローラ43の外周面43bは、側面視において凹凸を有する波状である。凸部43b1の突出形状と凹部43b2の窪み形状とは、互いに対称である。
【0043】
次に、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44との関係について説明する。
第1成形ローラ43の収納部43aと第2成形ローラ44の収納部44aとは、一対の成形ローラ43、44の回転に伴って近接と離間とを繰り返す。収納部43aと収納部44aとが最も近接したとき、両収納部43a、44aに囲まれた空間(以下「米飯成形空間」という。)Sは、
図6に示されるように、断面視において、閉じた空間となる。
【0044】
第1成形ローラ43の外周面43bと第2成形ローラ44の外周面44bとは、一対の成形ローラ43、44の回転に伴って当接と離間とを繰り返す。第1成形ローラ43の外周面43bと第2成形ローラ44の外周面44bとが当接したとき、第1成形ローラ43の凸部43b1は第2成形ローラ44の凹部44b2に嵌合され、第1成形ローラ43の凹部43b2は第2成形ローラ44の凸部44b1に嵌合される。
【0045】
第1成形ローラ43のピッチ円C1は、第2成形ローラ44のピッチ円C2に外接する。
【0046】
第1成形ローラ43のピッチ円C1とは、第1成形ローラ43の径方向における第1成形ローラ43の凸部43b1の頂部と凹部43b2の底部との中間部を、第1成形ローラ43の周方向に沿って結んだ仮想円である。第2成形ローラ44のピッチ円C2とは、第2成形ローラ44の径方向における第2成形ローラ44の凸部44b1の頂部と凹部44b2の底部との中間部を、第2成形ローラ44の周方向に沿って結んだ仮想円である。第1成形ローラ43のピッチ円C1の半径(以下「ピッチ円半径」という。)r1は、第2成形ローラ44のピッチ円C2の半径(以下「ピッチ円半径」という。)r2と同じである。
【0047】
一対の成形ローラ43、44の取り付け前の状態において、第1回転軸41と第2回転軸42の前端側の軸間距離L2は、ピッチ円半径r1とピッチ円半径r2との和よりも短い。そのため、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とは、外周面43b、44b同士が当接したときに、第1回転軸41と第2回転軸42とから、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とが近接する方向に作用する応力(以下「軸間の応力」という。)を受ける。前述のとおり、第1回転軸41と第2回転軸42の前端側の軸間距離L2は、後端側の軸間距離L1よりも短い。そのため、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とが受ける軸間の応力の影響は、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44の後端側から前端側に向かうに連れて大きくなる。
【0048】
なお、一対の成形ローラ43、44の取り付け前の状態において、第1回転軸と第2回転軸とは、軸間距離L2がピッチ円半径r1とピッチ円半径r2との和より短ければ、平行でもよい。
【0049】
搬送部5は、成形部4により成形されたシャリ玉RBを搬送する。搬送部5は、
図3に示されるように、成形部4の下方に配置される。搬送部5は、平面視において円形のターンテーブル51を備える。
【0050】
ターンテーブル51は、成形部4により成形されたシャリ玉RBをターンテーブル51上に載せたまま、そのシャリ玉RBが作業者などにより取り出される位置に搬送する。ターンテーブル51は、駆動部8からの回転駆動力により、周方向に間欠的に所定の角度ずつ回転する。ターンテーブル51の回転角は、例えば、90度に設定される。ターンテーブル51の回転(例えば、回転方向、回転角、回転速度、回転の開始や停止など)は、制御部7により制御される。ターンテーブル51の回転角などの設定された情報は、制御部7が読み出し可能に米飯成形装置100内の記憶部(不図示)に記憶される。
【0051】
図9は、ターンテーブル51を上方から見た模式図である。
同図は、検知部6と制御部7と駆動部8とをブロック図で示す。図中、一点鎖線は後述する検知部6からの赤外線の光路を示し、二点鎖線は一対の成形ローラ43、44を示す(以下、
図17−
図21も同じ。)。
【0052】
ターンテーブル51は、正方向(
図9の紙面時計回り方向)と逆方向(
図9の紙面反時計回り方向)との2方向に回転可能である。
【0053】
ターンテーブル51は、例えば、4つの載置部P1−P4を備える。各載置部P1−P4は、成形部4により成形されたシャリ玉RBが載置されるターンテーブル51上の部分(位置)である。各載置部P1−P4は、ターンテーブル51の上面にターンテーブル51の周方向に沿って均等に(90度間隔に)配置される。
【0054】
なお、本発明において、載置部の数は、「4」に限定されない。載置部の数は、ターンテーブル51の回転角により決定される。すなわち、例えば、ターンテーブル51の回転角が45度の場合、載置部の数は、「8」である。
【0055】
各載置部P1−P4は、ターンテーブル51の間欠的な2方向への回転に伴い、所定の停止位置で停止する。停止位置は、1つの放出位置Paと、複数(本実施の形態では2つ)の待機位置Pbと、を含む。
【0056】
放出位置Paは、成形部4が成形したシャリ玉RBが放出される位置である。すなわち、放出位置Paは、ターンテーブル51の回転に伴って、シャリ玉RBが各載置部P1−P4のそれぞれに載置される位置である。放出位置Paは、一対の成形ローラ43、44の下方の停止位置である。
【0057】
待機位置Pbは、放出位置Paにシャリ玉RBが放出された後に、各載置部P1−P4が次のシャリ玉RBを受け取るために待機する位置である。すなわち、待機位置Pbに位置している各載置部P1−P4のいずれかは、次に放出位置Paに移動して、シャリ玉RBを受け取る可能性がある。待機位置Pbは、第1待機位置Pb1と第2待機位置Pb2とを含む。
【0058】
各載置部P1−P4は、ターンテーブル51の2方向への回転に伴い、放出位置Paや待機位置Pbに移動する。ここで、載置部
P1−P4が放出位置Paに移動するとは、載置部
P1−P4が放出位置Paに対応する位置に移動することを意味する。載置部
P1−P4が待機位置Pbに移動するとは、載置部
P1−P4が待機位置Pbに対応する位置に移動することを意味する。
【0059】
第1待機位置Pb1は、ターンテーブル51の回転方向において、放出位置Paから逆方向側に90度離れた停止位置である。第2待機位置Pb2は、ターンテーブル51の回転方向において、放出位置Paから正方向側に90度離れた停止位置である。すなわち、第1待機位置Pb1と第2待機位置Pb2とは、ターンテーブル51の回転方向において、放出位置Paから正逆方向に等距離の位置である。
【0060】
ターンテーブル51の回転方向には、検知部6の検知結果に基づいて優先的に回転する方向が設定される。すなわち、第1待機位置Pb1と第2待機位置Pb2のいずれか一方は、次のシャリ玉RBが優先して載置される位置(以下「優先待機位置」という。)として設定される。本実施の形態において、第1待機位置Pb1は、優先待機位置に設定される。設定された優先待機位置に関する情報は、制御部7が読み出し可能に米飯成形装置100内の記憶部に記憶される。米飯成形装置100は、記憶部に記憶されている情報に基づいて、優先待機位置を特定する。
【0061】
なお、優先待機位置は、第1待機位置Pb1に代えて、第2待機位置Pb2に設定されてもよい。
【0062】
検知部6は、ターンテーブル51の複数の載置部P1−P4のうち、待機位置Pbに位置している載置部のシャリ玉RBの存否を検知する。検知部6は、筐体2の前端部であって、正面視において成形部4と搬送部5との間に配置される(
図3参照)。検知部6は、第1センサ61と第2センサ62とを備える。第1センサ61と第2センサ62とは、本発明における特定センサの例である。
【0063】
第1センサ61と第2センサ62とは、例えば、照射した赤外線(
図9の一点鎖線)が反射されたか否かによりシャリ玉RBの存否を検知する、いわゆる回帰反射型の光電センサである。
【0064】
第1センサ61は、第1待機位置Pb1に対応して、筐体2の前部右側(
図3の紙面左側)に配置される。第1センサ61は、第1待機位置Pb1に赤外線を照射して、第1待機位置Pb1に位置している載置部のシャリ玉RBの存否を検知する。
【0065】
第2センサ62は、第2待機位置Pb2に対応して、筐体2の前部左側(
図3の紙面右側)に配置される。第2センサ62は、第2待機位置Pb2に赤外線を照射して、第2待機位置Pb2に位置している載置部のシャリ玉RBの存否を検知する。
【0066】
第1センサ61の検知結果と第2センサ62の検知結果とは、検知信号として制御部7に送られる。制御部7は、これらの検知結果に基づいて、2つの待機位置Pbのうちのいずれかの待機位置Pbに位置している載置部が放出位置Paに移動するようにターンテーブル51を回転させる。
【0067】
なお、検知部6の構成は、待機位置Pbに位置している載置部のシャリ玉RBの存否を検知できれば、本実施の形態の構成に限定されない。すなわち、例えば、検知部は、所定の位置におけるターンテーブル51の重量の変化を検知する重量センサや、ターンテーブル51の傾斜を検知する傾斜センサなどで構成されてもよい。
【0068】
制御部7は、成形部4や搬送部5の回転の制御など、米飯成形装置100全体の動作の制御を行う。制御部7は、例えば、筐体2に収納される。
【0069】
駆動部8は、制御部7からの指示により、例えば、撹拌部12と圧縮部3と成形部4と搬送部5とに回転駆動力を供給する。駆動部8は、
図1と
図4とに示されるように、筐体2に収納される。駆動部8は、例えば、複数のモータから構成される。駆動部8からの回転駆動力は、ギア(不図示)などを介して各部材に供給される。
【0070】
パネル9は、ホッパー1の撹拌部12と供給部13と、圧縮部3と、成形部4とを、米飯成形装置100の周囲の埃などから保護する。パネル9は、筐体2の前面に取り付けられる。
【0071】
操作部10は、米飯Rの量目やシャリ玉RBの成形数などの設定を行う。操作部10は、表示部や電源スイッチ、緊急停止ボタン、モード選択ボタンなどを備える。
【0072】
●ターンテーブル51の回転の制御方法
次に、制御部7によるターンテーブル51の回転の制御方法について
図9と
図10とを参照して説明する。
【0073】
図10は、制御部7によるターンテーブル51の回転の制御方法を示すフローチャートである。
【0074】
先ず、
検知部6は、第1待機位置Pb1に位置している載置部P2と、第2待機位置Pb2に位置している載置部P4と、のシャリ玉RBの存否を検知する(S1)。
検知部6の検知結果は、制御部7に送られる。
【0075】
次いで、制御部7は、第1センサ61の検知結果に基づいて、優先待機位置として設定された第1待機位置Pb1に位置している載置部P2のシャリ玉RBを
第1センサ61が検知している否かを確認する(S2)。
【0076】
第1センサ61がシャリ玉RBを検知していないとき(S2の「いいえ」)、制御部7は、駆動部8を介して(以下、同じ。)、ターンテーブル51を正方向(
図9の紙面時計回り方向)に90度回転させる(S3)。すなわち、第1センサ61がシャリ玉RBを検知してないとき、制御部7は、第1センサ61の検知結果に基づいて、優先待機位置に位置している載置部P2が放出位置Paに移動するようにターンテーブル51を回転させる。その後、成形部4により成形されたシャリ玉RBは、放出位置Paに位置している載置部P2に載置される。制御部7による処理は、処理S1に戻る。
【0077】
第1センサ61がシャリ玉RBを検知しているとき(S2の「はい」)、制御部7は、第2センサ62の検知結果に基づいて、第2待機位置Pb2に位置している載置部P4のシャリ玉RBを
第2センサ62が検知しているか否かを確認する(S4)。
【0078】
第2センサ62がシャリ玉RBを検知していないとき(S4の「いいえ」)、制御部7は、ターンテーブル51を逆方向(
図9の紙面反時計回り方向)に90度回転させる(S5)。すなわち、第1センサ61がシャリ玉RBを検知し、かつ、第2センサ62がシャリ玉RBを検知していないとき、制御部7は、第2センサ62の検知結果に基づいて、第2待機位置Pb2に位置している載置部P4が放出位置Paに移動するようにターンテーブル51を回転させる。その後、成形部4により成形されたシャリ玉RBは、放出位置Paに位置している載置部P4に載置される。制御部7による処理は、処理S1に戻る。
【0079】
第2センサ62がシャリ玉RBを検知しているとき(S4の「はい」)、制御部7は、ターンテーブル51の回転を停止する(S6)。このとき、制御部7は、成形部4からのシャリ玉RBの放出を停止する。制御部7による処理は、処理S1に戻る。
【0080】
その後、第1待機位置Pb1と第2待機位置Pb2の少なくとも一方に位置している載置部P2、P4のシャリ玉RBが作業者などにより取り出されたとき、制御部7は、前述のとおり、ターンテーブル51を正方向と逆方向のいずれかの方向に回転させる(S1−S5)。つまり、制御部7は、検知部6の検知結果に基づいて、ターンテーブル51の回転の開始のタイミングを決定する。
【0081】
また、第1センサ61と第2センサ62のいずれもがシャリ玉RBを検知していない(第1待機位置Pb1と第2待機位置Pb2のそれぞれに位置している載置部P2、P4にシャリ玉RBが存在していない)とき、制御部7は、優先待機位置として設定された第1待機位置Pb1に位置している載置部P2が放出位置Paに移動するようにターンテーブル51を移動(正方向に90度回転)させる。
【0082】
このように、制御部7は、検知部6の検知結果に基づいて、ターンテーブル51の回転方向を制御(決定)する。前述のとおり、ターンテーブル51は、2方向に回転可能である。つまり、ターンテーブル51の回転方向は、作業場における
米飯成形装置100の配置、作業者の利き手、作業者の立ち位置などの作業環境に合せて、自在に変更可能である。
【0083】
●米飯成形装置の動作
次に、米飯成形装置100の動作について説明する。
【0084】
先ず、寿司飯などの米飯Rがホッパー1の収納部11に投入される。収納部11に米飯Rが投入された状態で米飯成形装置100の電源スイッチが入れられると、米飯Rは、撹拌部12により撹拌されて解される。
【0085】
次いで、制御部7は、駆動部8を制御して、圧縮部3を駆動させる(上段圧縮ローラ対32と下段圧縮ローラ対33とを回転させる)。上段圧縮ローラ対32と下段圧縮ローラ対33とが回転することで、ホッパー1の供給部13から供給された米飯Rは、密度が均一化された状態で、成形部4へと送られる。
【0086】
成形部4に米飯Rが到達すると、制御部7は圧縮部3の駆動を止める。このとき、米飯成形装置100はスタンバイ状態である。米飯成形装置100がスタンバイ状態のとき、一対の成形ローラ43、44は、第1成形ローラ43の外周面43bと第2成形ローラ44の外周面44bとが当接した状態(以下「第1状態」という。)である。
【0087】
次いで、制御部7は、駆動部8を制御して、上段圧縮ローラ対32と下段圧縮ローラ対33と一対の成形ローラ43、44とを回転させる。上段圧縮ローラ対32と下段圧縮ローラ対33と一対の成形ローラ43、44とが回転することで、成形部4は、米飯Rの収納、シャリ玉RBの成形、シャリ玉RBの放出を繰り返す。
【0088】
図11(a)は第1状態における一対の成形ローラ43、44の正面視断面図である。
図11(b)は第1状態における成形部4に収納された米飯Rの正面視断面図である。
【0089】
一対の成形ローラ43、44が第1状態のとき、当接している外周面43b、44bに対して一対の成形ローラ43、44の回転方向の後方に位置する収納部43a、44aは、正面視においてVの字状に向き合う。
【0090】
一対の成形ローラ43、44が第1状態のとき、収納部43aと収納部44aとは、第1回転軸41の軸芯と第2回転軸42の軸芯との間には位置しない。すなわち、一対の成形ローラ43、44が第1状態のとき、第1回転軸41の軸芯と第2回転軸42の軸芯との間には、空間が存在しない。このとき、第1回転軸41の軸芯と第2回転軸42の軸芯との
間は、一対の成形ローラ43、44により密な状態である。
【0091】
一対の成形ローラ43、44が第1状態のとき、圧縮部3から供給された米飯Rは、正面視においてVの字状に向き合う収納部43a、44a内に収納される。
【0092】
一対の成形ローラ43、44が第1状態からさらに回転すると、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とは、収納部43a、44aが第1回転軸41の軸芯と第2回転軸42の軸芯との間に進出した状態(以下「第2状態」という。)となる。
【0093】
図12(a)は第2状態における一対の成形ローラ43、44の正面視断面図である。
図12(b)は第2状態における成形部4に収納された米飯Rの正面視断面図である。
【0094】
一対の成形ローラ43、44が第2状態のとき、収納部43a、44aの少なくとも一部は、第1回転軸41の軸芯と第2回転軸42の軸芯との間に位置する。すなわち、一対の成形ローラ43、44が第2状態のとき、第1回転軸41の軸芯と第2回転軸42の軸芯との間には、収納部43a、44aによる空間(空間内には米飯Rが格納される)が存在する。
【0095】
一対の成形ローラ43、44が第2状態のとき、収納部43a、44aに収納された米飯Rは、シャリ玉RBに成形され始める。
【0096】
一対の成形ローラ43、44が第2状態からさらに回転すると、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とは、収納部43aと収納部44aとが互いに略平行に向き合った状態(以下「第3状態」という。)となる。
【0097】
図13(a)は第3状態における一対の成形ローラ43、44の正面視断面図である。
図13(b)は第3状態における成形部4に収納された米飯Rの正面視断面図である。
【0098】
一対の成形ローラ43、44が第3状態のとき、収納部43aと収納部44aとは対向する。収納部43aと収納部44aとが対向するとき、収納部43aは、収納部44aに最も近接する。収納部43aと収納部44aとが対向するとき、上壁面43a2、44a2同士の距離は、底壁面43a3、44a3同士の距離とほぼ同じである。
【0099】
収納部43aと収納部44aとが対向するとき、収納部43aの上壁面43a2と収納部44aの上壁面44a2とを結ぶ線は、正面視において、一対の成形ローラ43、44の回転方向の後方(
図13の紙面上方)に凸なドーム状である。一方、収納部43aの底壁面43a3と収納部44aの底壁面44a3とを結ぶ線は、正面視において、一対の成形ローラ43、44の回転方向の後方に凸な山状である。
【0100】
収納部43aと収納部44aとが対向するとき、収納部43a、44aにより形成される米飯成形空間Sは、正面視において、上部が上方に凸なドーム状、底部が上方に凸な山状である。
【0101】
収納部43aと収納部44aとが対向するとき、米飯成形空間S内の米飯Rは、収納部43a、44aによりシャリ玉RBに成形される。このとき、シャリ玉RBの底面は、凹部RBaを備える。凹部RBaは、シャリ玉
RBの長手方向(前後方向)に沿ってシャリ玉
RBの中央に向かって窪む。凹部RBaは、正面視において、一対の成形ローラ43、44の回転方向の後方に凸な山状である。
【0102】
一対の成形ローラ43、44が第3状態からさらに回転すると、一対の成形ローラ43、44は、正面視において、米飯成形空間Sの底部が第3状態から左右方向に広がった状態(以下「第4状態」という。)となる。
【0103】
図14(a)は第4状態における一対の成形ローラ43、44の正面視断面図である。
図14(b)は第4状態における成形部4により成形されたシャリ玉RBの正面視断面図である。
【0104】
一対の成形ローラ43、44が第4状態のとき、一対の成形ローラ43、44の回転方向において米飯成形空間Sの後方側の外周面43b、44b同士は、軸間の応力により密着する。すなわち、外周面43bの凸部43b1は外周面44bの凹部44b2に密着し、外周面43bの凹部43b2は外周面44bの凸部44b1に密着する。そのため、米飯Rは、外周面43bと外周面44bとの間には残存しない。その結果、シャリ玉RBの上面には成形不良(バリ)が形成されない。つまり、シャリ玉RBは、バリの無い良好な成形状態で米飯Rから分割される。
【0105】
一対の成形ローラ43、44が第3状態から第4状態に回転したとき、収納部43aの底壁面43a3と収納部44aの底壁面44a3とは、正面視において左右方向に離れる。一対の成形ローラ43、44が第4状態のとき、底壁面43a3、44a3同士を結ぶ線は、正面視において、ほぼ直線である。
【0106】
底壁面43a3、44a3同士が左右方向に離れると、シャリ玉RBの底面は、底壁面43a3、44a3の移動に合せて左右方向に広がる。その結果、シャリ玉RBの底面側の密度は、シャリ玉RBの上面側の密度と比べて小さくなる。すなわち、シャリ玉RBの底面側は、シャリ玉RBの上面側よりも多数の空気を含む状態となる。
【0107】
一対の成形ローラ43、44が第4状態のとき、シャリ玉RBは、上壁面43a2、44a2から一対の成形ローラ43、44の回転方向の前方に向かって押される。そのため、シャリ玉RBの底面の凹部RBaは、一対の成形ローラ43、44が第3状態のときと比べて小さくなる。
【0108】
一対の成形ローラ43、44が第4状態からさらに回転すると、シャリ玉RBは、米飯成形空間Sから下方の放出位置Paに位置している載置部に放出される(落下する)。
【0109】
前述のとおり、シャリ玉RBにはバリが形成されない。バリの無いシャリ玉RBは、バリの有るシャリ玉と比べて、収納部43a、44aから離れやすい。すなわち、バリの無いシャリ玉RBは、バリの有るシャリ玉と比べて、収納部43a、44aから早く離れる。また、米飯成形空間Sから放出されるシャリ玉RBの転倒や傾きは、無い。そのため、シャリ玉RBのターンテーブル51上への落下位置と落下姿勢とは、安定する。その結果、ターンテーブル51の回転角を狭めて、ターンテーブル51の回転に要する時間が短縮される。
【0110】
図15は、放出(成形)直後のシャリ玉RBの正面視断面図である。
成形直後のシャリ玉RBの状態は、一対の成形ローラ43、44が第4状態のときのシャリ玉RBの状態とほぼ同じである。すなわち、シャリ玉RBの底面側は、シャリ玉RBの上面側よりも多数の空気が含まれた状態である。
【0111】
図16は、成形されてから所定時間経過後のシャリ玉RBの正面視断面図である。
成形されてから所定時間経過後のシャリ玉RBは、上面側の米飯Rが自重により底面側に移動することにより、成形直後のシャリ玉RBと比べて、シャリ玉RBの上面側にも空気が含まれた状態となる。その結果、米飯成形装置100により成形されたシャリ玉RBの食感は、従来の米飯成形装置により成形されたシャリ玉の食感と比べて、空気を多く含んでふっくらとなる。シャリ玉RBの底面は、ターンテーブル51の表面に沿って平坦になる。
【0112】
このように、シャリ玉RBは、一対の成形ローラ43、44の回転に伴って成形される。このとき、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とは、シャリ玉RBの成形時に米飯Rから弾力などによる力(以下「反発力」という。)を受ける。一対の成形ローラ43、44に作用する反発力の方向は、一対の成形ローラ43、44が離れる方向(
図13の紙面左右方向)である。
【0113】
第1回転軸41と第2回転軸42とは片持ち支持であるため、反発力の影響は、第1回転軸41と第2回転軸42の自由端(前端)に向かうに連れて大きくなる。一方、軸間の応力の影響も第1回転軸41と第2回転軸42の自由端(前端)に向かうに連れて大きくなる。ここで、軸間の応力は、第1回転軸41の前端と第2回転軸42の前端との間隔調整により、反発力より大きく設定される。そのため、反発力による一対の成形ローラ43、44の離間は、発生しない。すなわち、米飯成形装置100が成形するシャリ玉RBには、バリが発生しない。つまり、シャリ玉RBは、収納部43a、44aから離れやすくなる。その結果、米飯成形装置100は、成形不良の発生を抑制しつつ、高速でシャリ玉RBを成形する。
【0114】
なお、軸間の応力の大きさは、反発力の大きさと同じでもよい。この場合、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とは、一対の成形ローラ43、44の軸方向(前後方向)において均等な力で接触する。
【0115】
●搬送部5の動作
次に、搬送部5の動作について説明する。
【0116】
図17は、最初のシャリ玉RB1がターンテーブル51に放出された状態を示す模式図である。
図中、破線の円弧矢印は、各載置部P1−P4の移動の経路を示す(以下、
図18−
図21も同じ。)。
【0117】
先ず、最初のシャリ玉RB1が放出位置Paに位置している載置部P1に放出(載置)される。このとき、第1センサ61は、優先待機位置として設定された第1待機位置Pb1に位置している載置部P2のシャリ玉RBを検知していない。同様に、第2センサ62は、第2待機位置Pb2に位置している載置部P4のシャリ玉RBを検知していない。
【0118】
優先待機位置に位置している載置部P2にシャリ玉RBが存在しないため、制御部7は、ターンテーブル51を正方向(
図17の紙面時計回り方向)に90度回転させる。その結果、載置部P2は、放出位置Paに移動する。ターンテーブル51の回転後、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とは、載置部P2に2番目のシャリ玉RB2を放出する。
【0119】
図18は、2番目のシャリ玉RB2がターンテーブル51に放出された状態を示す模式図である。
【0120】
最初のシャリ玉RB1を載せたターンテーブル51が正方向に90度回転したとき、第1センサ61は、第1待機位置Pb1に位置している載置部P3のシャリ玉RBを検知していない。一方、第2センサ62は、第2待機位置Pb2に位置している載置部P1のシャリ玉RB1を検知している。
【0121】
優先待機位置に位置している載置部P3にシャリ玉RBが存在しないため、制御部7は、ターンテーブル51を正方向に90度回転させる。その結果、載置部P3は、放出位置Paに移動する。ターンテーブル51の回転後、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とは、載置部P3に3番目のシャリ玉RB3を放出する。
【0122】
図19は、3番目のシャリ玉RB3がターンテーブル51に放出された状態を示す模式図である。
【0123】
2番目のシャリ玉RB2を載せたターンテーブル51が正方向に90度回転したとき、第1センサ61は、第1待機位置Pb1に位置している載置部P4のシャリ玉RBを検知していない。一方、第2センサ62は、第2待機位置Pb2に位置している載置部P2のシャリ玉RB2を検知している。
【0124】
優先待機位置に位置している載置部P4にシャリ玉RBが存在しないため、制御部7は、ターンテーブル51を正方向に90度回転させる。その結果、載置部P4は、放出位置Paに移動する。ターンテーブル51の回転後、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とは、載置部P4に4番目のシャリ玉RB4を放出する。
【0125】
図20は、4番目のシャリ玉RB4がターンテーブル51に放出された状態を示す模式図である。
【0126】
3番目のシャリ玉RB3を載せたターンテーブル51が正方向に90度回転したとき、第1センサ61は、第1待機位置Pb1に位置している載置部P1のシャリ玉RB1を検知している。一方、第2センサ62は、第2待機位置Pb2に位置している載置部P2のシャリ玉RB3を検知している。
【0127】
第1センサ61と第2センサ62のいずれもがシャリ玉RBを検知しているため、制御部7は、ターンテーブル51の回転を停止させる。制御部7は、第1待機位置Pb1に位置している載置部P1のシャリ玉RB1と、第2待機位置Pb2に位置している載置部P3のシャリ玉RB3と、のいずれか一方が作業者などにより取り出されない限り、ターンテーブル51の回転を開始しない。
【0128】
図21は、
図20の状態において、第2待機位置Pb2に位置している載置部P3のシャリ玉RB3が取り出された状態を示す模式図である。
【0129】
図20の状態において第2待機位置Pb2に位置している載置部P3のシャリ玉RB3が作業者などにより取り出されたとき、制御部7は、ターンテーブル51を逆方向(
図21の紙面反時計回り方向)に90度回転させる。その結果、載置部P3は、放出位置Paに移動する。ターンテーブル51の回転後、第1成形ローラ43と第2成形ローラ44とは、載置部P3に5番目のシャリ玉(不図示)を放出する。
【0130】
なお、
図20の状態において第1待機位置Pb1に位置している載置部P1のシャリ玉RB1が作業者などにより取り出されたとき、制御部7は、ターンテーブル51を正方向に90度回転させる。その結果、載置部P1は、放出位置Paに移動する。
【0131】
このように、ターンテーブル51は、作業者などにより取り出されるシャリ玉RBの位置に対応した方向に回転する。すなわち、ターンテーブル51の回転方向は、制御部7により作業環境に適した方向に制御(切替)される。つまり、米飯成形装置100は、ターンテーブル51の回転方向を作業環境(作業場における
米飯成形装置100の配置、作業者の利き手、作業者の立ち位置など)に応じて変更する必要がなく、作業者の作業効率を向上させる。
【0132】
●まとめ
以上説明した実施の形態によれば、制御部7は、第1センサ61がシャリ玉RBを検知していないとき、ターンテーブル51を正方向に回転させる。一方、制御部7は、第2センサ62がシャリ玉RBを検知していないとき、ターンテーブル51を逆方向に回転させる。すなわち、制御部7は、検知部6の検知結果に基づいて、2方向のいずれかにターンテーブル51を回転させる。
【0133】
また、複数の待機位置Pbのうち、第1待機位置Pb1は、優先待機位置として設定される。制御部7は、検知部6が優先待機位置(第1待機位置Pb1)に位置している載置部のシャリ玉RBを検知していないとき、優先待機位置に位置している載置部が放出位置Paに移動するようにターンテーブル51を回転させる。
【0134】
このように、本発明にかかる米飯成形装置は、ターンテーブル51の回転方向が固定されておらず、ターンテーブルの回転方向が固定された従来の米飯成形装置と比較して、作業者の作業効率を向上させる。
【0135】
なお、第1待機位置Pb1と第2待機位置Pb2との位置は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、第2待機位置は、ターンテーブル51の回転方向において、放出位置Paから180度離れた停止位置でもよい。このとき、第2センサは、第2待機位置に対応して、配置される。この場合、制御部は、検知部の検知結果に基づいて、ターンテーブルの回転角を90度と180度のいずれかに決定する。
【0136】
また、以上説明した実施の形態では、停止位置は2つの待機位置Pbを含んでいたが、本発明において待機位置の数は、「3」でもよい。このとき、検知部は、3つの待機位置のいずれかの載置部に対応する3つのセンサを備える。3つのセンサのそれぞれは、各センサが対応する待機位置のそれぞれに位置している載置部のシャリ玉RBの存否を検知する。この場合、制御部は、検知部の検知結果に基づいて、ターンテーブルの回転角を90度と180度のいずれかに決定する。つまり、制御部は、どの待機位置に位置している載置部からシャリ玉RBが取り出されても、その載置部が放出位置に移動するようにターンテーブルを回転させる。
【0137】
さらに、優先待機位置は、3以上の待機位置に対して優先順位をつけて設定されてもよい。すなわち、例えば、3つの待機位置に優先待機位置が設定されたとき、制御部は、優先順位の高い順に、ターンテーブルを回転させる。
【0138】
さらにまた、制御部7は、検知部6の検知結果に基づいて、ターンテーブル51の回転後に、放出位置Paに位置している載置部にシャリ玉RBを放出するか否かを判定してもよい。すなわち、例えば、ターンテーブル51の回転後に第1待機位置Pb1と第2待機位置Pb2とにシャリ玉RBが存在するとき、収納部43a、44a内のシャリ玉RBは、第1待機位置Pb1と第2待機位置Pb2のいずれかに位置している載置部のシャリ玉RBが取り出されるまで放出位置Paに位置している載置部に放出(載置)されない。