特許第6784471号(P6784471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6784471
(24)【登録日】2020年10月27日
(45)【発行日】2020年11月11日
(54)【発明の名称】草刈り鎌
(51)【国際特許分類】
   A01D 1/04 20060101AFI20201102BHJP
【FI】
   A01D1/04 A
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-92700(P2020-92700)
(22)【出願日】2020年5月27日
【審査請求日】2020年5月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515221657
【氏名又は名称】野島 正視
(74)【代理人】
【識別番号】100160990
【弁理士】
【氏名又は名称】亀崎 伸宏
(72)【発明者】
【氏名】野島 正視
【審査官】 山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3010200(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3200597(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3217130(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3209435(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3208379(JP,U)
【文献】 米国特許第01992517(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 1/00−1/14
A01G 3/08
A01D 7/00
A01D 34/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立ち姿勢で使用される草刈り鎌であって、
直線状の柄と、
前記柄の先端に固定されている刃と、を備え、
前記刃は、直線状の刃線を有し、一定の厚さで構成され、使用される際に、刃面に略平行で且つ前記刃線に略直角の方向に移動され
前記刃は、複数の歯が並んでいることで前記刃線を構成している鋸刃であり、
前記複数の歯として、
互いに同じ高さを有し、互いに2本以上が連続するように並んでいる複数の第1歯からなる複数の第1歯群と、
前記第1歯の高さよりも低い高さを有し、前記第1歯群同士の間に1本ずつ配置されて前記刃線における前記第1歯群同士の間に窪みを形成している複数の第2歯と、を有していることを特徴とする
草刈り鎌。
【請求項2】
前記刃は、前記刃面及び前記柄のなす角度が180度及び鈍角で可変であると共に、前記刃線及び前記柄のなす角度が180度及び鈍角で可変であることを特徴とする
請求項1記載の草刈り鎌。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草刈り鎌に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、長い柄(例えば、1350mm又は1500mmの長さの柄)を有している鎌が開示されている。この鎌によれば、竹ぼうきで庭を掃くように人が立ったまま楽に草刈りができ、疲れない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3208379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記鎌の刃は、湾曲している内側に刃線を有している。このような鎌は、草刈りの際、掃き掃除にはない動作(柄を引く等の動作)を要するものであり、使い勝手が若干悪い。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、使い勝手を向上させた草刈り鎌を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、立ち姿勢で使用される草刈り鎌であって、直線状の柄と、前記柄の先端に固定されている刃と、を備え、前記刃は、直線状の刃線を有し、一定の厚さで構成され、使用される際に、刃面に略平行で且つ前記刃線に略直角の方向に移動され、前記刃は、複数の歯が並んでいることで前記刃線を構成している鋸刃であり、前記複数の歯として、互いに同じ高さを有し、互いに2本以上が連続するように並んでいる複数の第1歯からなる複数の第1歯群と、前記第1歯の高さよりも低い高さを有し、前記第1歯群同士の間に1本ずつ配置されて前記刃線における前記第1歯群同士の間に窪みを形成している複数の第2歯と、を有していることを特徴とする草刈り鎌である。
【0007】
本発明によれば、刃が、直線状の刃線を有し、一定の厚さで構成され、使用される際に、刃面に略平行で且つ刃線に略直角の方向に移動されるタイプ(本明細書において「横刈りタイプ」と定義)のものであり、草をとらえる幅を広く設定できるので、竹ぼうきで地面を掃くように、すなわち、パターでゴルフボールをたたくように草刈り鎌を使うことができる。すなわち、人が立ったまま楽に草刈りができ、疲れない。そして、立ち姿勢で使用できるので、地面の近くに虫が出てきた場合であっても、虫との距離を保つことができる。そして、刃が、一定の厚さで構成されているので、すなわち、両面が平らであるので、細かい草を刈りながら地ならしをすることができる。これにより、周りがきれいになり、草刈りが楽しくなる。また、刃の両面が平らであるので、刃を裏返しにしておくことで、例えば、右利き用として使用していたものを左利き用として使用することができる。さらに、刃面が平らであるので、草刈り鎌を地面に置くだけで草刈りの準備ができ、準備が容易である。
【0009】
本発明によれば、刃が、直線状の刃線を有しているので、歯に異物が引っ掛かり難い。また、刃線に窪みが形成されているので、その窪みで大きな草をとらえて刈ることができる。
【0010】
)本発明はまた、前記刃は、前記刃面及び前記柄のなす角度が180度及び鈍角で可変であると共に、前記刃線及び前記柄のなす角度が180度及び鈍角で可変であることを特徴とする上記(1)記載の草刈り鎌である。
【0011】
本発明によれば、草が生えている場所に応じて、刃面及び柄のなす角度、並びに刃線及び柄のなす角度を設定することができる。刃面及び柄のなす角度を180度に設定した場合、土中で草を切ること、すなわち草を根っこごと刈ることができる。刃面及び柄のなす角度を鈍角(例えば、165度程度)に設定した場合、手の届かない場所(例えば、植込みの中など)について草刈りをすることができる。刃面及び柄のなす角度を鈍角(例えば、150度程度)に設定した場合、普通に生えている草を刈ることや、細かい草をまとめて刈ることができる。
【0012】
なお、刃は、両面に加工のない平らなステンレス板で構成することができる。そして、付属の木製掃除具で刃線付近をこするだけで、歯の掃除を楽に行うことができる。また、草刈り鎌を使用する際、目の保護と手袋の着用を忘れずに行い、草刈りが終わった後、刃にカバーをして草刈り鎌を壁に掛けて、次の使用に備えることが求められる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の上記(1)及び)に記載の草刈り鎌によれば、使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る草刈り鎌の正面図である。
図2】(A)刃の正面図であり、(B)は刃線の拡大正面図である。
図3】(A)は柄側金具の側面図であり、(B)は柄側金具の正面図である。
図4】(A)は刃側金具の側面図であり、(B)は刃側金具の正面図である。
図5】(A)はガイドプレートの側面図であり、(B)はガイドプレートの正面図である。
図6】刃及び刃側金具の側面図である。
図7】草刈り鎌の要部を示す正面図であり、ロックピンを引き抜いた場合を示す。
図8】草刈り鎌の要部を示す側面図であり、(A)は刃面及び柄のなす角度を180度にした場合を示し、(B)は刃面及び柄のなす角度を鈍角にした場合を示す。
図9】草刈り鎌の要部を示す正面図であり、(A)は刃線及び柄のなす角度を180度にした場合を示し、(B)は刃線及び柄のなす角度を鈍角にした場合を示す。
図10】草刈り鎌の使用状態を示す概略図であり、(A)は刃面及び柄のなす角度を180度にした場合を示し、(B)〜(D)は刃面及び柄のなす角度を鈍角にした場合を示す。
図11】草刈り鎌に用いる木製掃除具の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る草刈り鎌1について詳細に説明する。
【0016】
まず、図1図9を用いて、草刈り鎌1について説明する。図1は、草刈り鎌1の正面図である。図2(A)は、刃3の正面図である。図2(B)は、刃線26の拡大正面図である。図3(A)は、柄側金具5の側面図である。図3(B)は、柄側金具4,5の正面図である。図4(A)は、刃側金具6の側面図である。図4(B)は、刃側金具6の正面図である。図5(A)は、ガイドプレート62の側面図である。図5(B)は、ガイドプレート62の正面図である。図6は、刃3及び刃側金具6の側面図である。図7は、草刈り鎌1の要部を示す正面図であり、ロックピン60を引き抜いた場合を示す。図8は、草刈り鎌1の要部を示す側面図である。図8(A)は、刃面23及び柄2のなす角度を180度にした場合を示す。図8(B)は、刃面23及び柄2のなす角度を鈍角にした場合を示す。図9は、草刈り鎌1の要部を示す正面図である。図9(A)は、刃線26及び柄2のなす角度を180度にした場合を示す。図9(B)は、刃線26及び柄2のなす角度を鈍角にした場合を示す。なお、各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。
【0017】
図1に示す草刈り鎌1は、立ち姿勢で使用される。具体的に、草刈り鎌1は、直線状の持ち手となる柄2と、柄2の先端に固定される刃3と、刃3を柄2の先端に固定する金具4,5,6と、柄2の先端に1対の柄側金具4,5を固定するためのボルト7,8及びナット9,10と、1対の柄側金具4,5に刃側金具6を固定するためのボルト11、ロックピン60、蝶ナット13、丸ナット14及びナット61と、ロックピン60をガイドするガイドプレート62と、ガイドプレート62を固定するためのボルト63,64,65,66と、ロックピン60が嵌め込まれたコイルスプリング67と、刃側金具6に刃3を固定するためのボルト15,16、蝶ナット17,18等を備える。
【0018】
柄2は、例えば、長さLが1350mm又は1500mmで径φが24mm又は28mmの木製である。柄2の外周面には、柄2の先端から一部の範囲を切り欠くことによって、1対の柄側金具4,5を固定するための互いに平行となる1対の切欠部19,20が形成されている。また、柄2の先端付近には、ボルト7,8を通すボルト孔21,22が、切欠部19から切欠部20に向けて貫通するように形成されている。
【0019】
図1図2及び図6に示す刃3は、直線状の刃線26を有する鋸刃であり、一定の厚さで構成され、金具4,5,6によって柄2の先端に固定される。この刃3は、使用される際に、刃面23に略平行で且つ刃線26に略直角の方向に移動される。このような刃3は、刃面23及び柄2のなす角度が180度(図8(A)参照)及び鈍角(図8(B)参照)で可変であると共に、刃線26及び柄2のなす角度が180度(図9(A)参照)及び鈍角(図9(B)参照)で可変であり、種々の使用態様に対応する。刃3の刃元付近には、ボルト15,16を通すボルト孔27,28が、刃面23を貫通するように形成されている。この刃3は、刃側金具6の先端側板44に固定される姿勢が可変である。
【0020】
直線状の刃線26は、複数の歯26a,26bが並んでいることで構成されている。刃線26を構成している複数の歯26a,26bとして、互いに同じ高さを有し、互いに2本以上(本実施形態では3本)が連続するように並んでいる複数(本実施形態では3本)の歯(第1歯)26aからなる複数の歯群(第1歯群)と、歯26aの高さよりも低い高さを有し、複数の歯26aからなる歯群同士の間に1本ずつ配置されて、刃線26における複数の歯26aからなる歯群同士の間に窪みを形成している複数の歯26bと、を有している。
【0021】
図1及び図3に示す柄側金具4は、長尺の金属板を曲折することで一体に形成され、柄2の切欠部19に配置される取付板29と、取付板29に対して略45度曲折する曲折板30と、曲折板30に対して略45度曲折して取付板29と平行となる固定平板31とを備える。取付板29には、ボルト7,8を通すボルト孔32,33が貫通するように形成されている。固定平板31には、ボルト11を通すボルト孔34と、ロックピン60を通すボルト孔35とが貫通するように形成されている。この柄側金具4は、取付板29が柄2の切欠部19に配置され、ボルト7,8及びナット9,10によって柄2の先端に固定されることで、柄2の先端から柄2の長手方向に固定平板31が突出する。
【0022】
柄側金具5は、柄側金具4と同様、長尺の金属板を曲折することで一体に形成され、柄2の切欠部20に配置される取付板36と、取付板36に対して略45度曲折する曲折板37と、曲折板37に対して略45度曲折して取付板36と平行となる固定平板38とを備える。取付板36には、ボルト7,8を通すボルト孔39,40が貫通するように形成されている。固定平板38には、ボルト11を通すボルト孔41と、ロックピン60を通すボルト孔42とが貫通するように形成されている。この柄側金具5は、取付板36が柄2の切欠部20に配置され、ボルト7,8及びナット9,10によって柄2の先端に固定されることで、柄2の先端から柄2の長手方向に固定平板38が突出する。
【0023】
図1及び図4に示す刃側金具6は、L字形状の金属板を90度捻ることで一体に形成され、1対の柄側金具4,5の固定平板31,38同士の間に重ねられるように配置される基端側板43と、この基端側板43に対して90度捻れるように柄2の長手方向に連続する先端側板44とを備える。基端側板43には、ボルト11を通すボルト孔45と、ロックピン60を通す複数のボルト孔46,47,48とが貫通するように形成されている。複数のボルト孔46,47,48のうち選択された1つのボルト孔には、ロックピン60が通される。先端側板44には、ボルト15を通すボルト孔50と、ボルト16を通す複数のボルト孔51,52とが貫通するように形成されている。複数のボルト孔51,52のうち選択された1つのボルト孔には、ボルト16が通される。この刃側金具6は、基端側板43が、柄側金具4,5の固定平板31,38に直交しているボルト(回転軸)11を中心として固定平板31,38に対して回動可能に取り付けられると共に、先端側板44に刃3が重ねられている状態で固定されるものである。基端側板43は、固定平板31,38に固定される姿勢が可変である。基端側板43に形成されている複数のボルト孔46〜48は、柄側金具4,5の固定平板31,38に対する基端側板43の回動に伴って、固定平板31,38が一つずつ有しているボルト孔35,42に順次対応する。
【0024】
図1図7及び図8に示すロックピン60は、先端がねじ切られていると共に、基端が環状に形成されたフックボルトである。このロックピン60は、ボルト孔35,42、及びボルト孔35,42に対応しているボルト孔46〜48を貫通(係止)することで、固定平板31,38に対する基端側板43の回動のロックをする一方で、ボルト孔35,42、及びボルト孔35,42に対応しているボルト孔46〜48から退くことで、固定平板31,38に対する基端側板43の回動のロックを解除する。
【0025】
図1図5及び図7に示すガイドプレート62は、長尺の金属板を曲折することで一体に形成され、柄2と平行となるガイド平板68と、ガイド平板68の先端から固定平板31に向けて湾曲する湾曲板69と、を備える。ガイド平板68には、ボルト7を通すボルト孔70と、ボルト8を通すボルト孔71と、ロックピン60を通すガイド孔72とが貫通するように形成されている。このガイドプレート62は、ボルト7,8に固定されると共に、ロックピン60を、固定平板31,38に対する基端側板43の回動のロックをするロック位置(図1参照)、及び固定平板31,38に対する基端側板43の回動のロックを解除する解除位置(図7参照)の間でガイドする。
【0026】
図1及び図7に示すコイルスプリング67は、ガイド孔72にロックピン60が通されているガイドプレート62と、ロックピン60が嵌め込まれたナット61との間に配置され、ロックピン60を、固定平板31,38に対する基端側板43の回動のロックをするロック位置(図1参照)に付勢する。
【0027】
次に、図1図9を用いて、草刈り鎌1の組立手順について説明する。
【0028】
まず、柄2の切欠部19に、柄側金具4の取付板29を配置すると共に、柄2の切欠部20に、柄側金具5の取付板36を配置する。これにより、柄側金具5のボルト孔39、柄2のボルト孔21、及び柄側金具4のボルト孔32が連続すると共に、柄側金具5のボルト孔40、柄2のボルト孔22、及び柄側金具4のボルト孔33が連続する。
【0029】
そして、ボルト7を、柄側金具5のボルト孔39、柄2のボルト孔21、柄側金具4のボルト孔32の順に挿通してから、ナット9に螺合すると共に、ボルト8を、柄側金具5のボルト孔40、柄2のボルト孔22、柄側金具4のボルト孔33の順に挿通してから、ナット10に螺合する。これにより、1対の柄側金具4,5は、柄2の先端に固定され、柄2の先端から柄2の長手方向に固定平板31,38が突出する。1対の柄側金具4,5の固定平板31,38は、隙間を空けて互いに対面する。
【0030】
さらに、ナット9と所望の間隔が空くようにナット63をボルト7に螺合すると共に、ナット10と所望の間隔が空くようにナット65をボルト8に螺合する。そして、ガイドプレート62のガイド平板68が有しているボルト孔70にボルト7を挿通すると共に、ガイド平板68が有しているボルト孔71にボルト8を挿通してから、ナット64をボルト7に螺合すると共に、ナット66をボルト8に螺合する。これにより、ガイドプレート62が柄2と平行に柄2に固定される。
【0031】
次に、1対の柄側金具4,5の固定平板31,38同士の間の隙間に、刃側金具6の基端側板43を配置する。
【0032】
刃3の刃面23及び柄2のなす角度を180度にする場合、柄側金具4のボルト孔34、刃側金具6のボルト孔45、及び柄側金具5のボルト孔41を連続させると共に、柄側金具4のボルト孔35、刃側金具6のボルト孔46、及び柄側金具5のボルト孔42を連続させる。
【0033】
そして、ボルト11を、柄側金具4のボルト孔34、刃側金具6のボルト孔45、柄側金具5のボルト孔41の順に挿通してから、蝶ナット13に螺合する。また、ガイドプレート62のガイド孔72、コイルスプリング67、及びナット61を連続させる。さらに、ロックピン60を、ガイドプレート62のガイド孔72、コイルスプリング67の順に挿通してから、ナット61に螺合する。そして、そのロックピン60を、柄側金具4のボルト孔35、刃側金具6のボルト孔46、柄側金具5のボルト孔42の順に挿通してから、丸ナット14に螺合する。これにより、刃側金具6は、1対の柄側金具4,5に固定される(図8(A)参照)。
【0034】
刃3の刃面23及び柄2のなす角度を鈍角にする場合、柄側金具4のボルト孔34、刃側金具6のボルト孔45、及び柄側金具5のボルト孔41を連続させると共に、柄側金具4のボルト孔35、刃側金具6のボルト孔47、及び柄側金具5のボルト孔42を連続させる。
【0035】
そして、ボルト11を、柄側金具4のボルト孔34、刃側金具6のボルト孔45、柄側金具5のボルト孔41の順に挿通してから、蝶ナット13に螺合する。また、ガイドプレート62のガイド孔72、コイルスプリング67、及びナット61を連続させる。さらに、ロックピン60を、ガイドプレート62のガイド孔72、コイルスプリング67の順に挿通してから、ナット61に螺合する。そして、そのロックピン60を、柄側金具4のボルト孔35、刃側金具6のボルト孔47、柄側金具5のボルト孔42の順に挿通してから、丸ナット14に螺合する。これにより、刃側金具6は、1対の柄側金具4,5に固定される。
【0036】
または、柄側金具4のボルト孔34、刃側金具6のボルト孔45、及び柄側金具5のボルト孔41を連続させると共に、柄側金具4のボルト孔35、刃側金具6のボルト孔48、及び柄側金具5のボルト孔42を連続させる。
【0037】
そして、ボルト11を、柄側金具4のボルト孔34、刃側金具6のボルト孔45、柄側金具5のボルト孔41の順に挿通してから、蝶ナット13に螺合する。また、ガイドプレート62のガイド孔72、コイルスプリング67、及びナット61を連続させる。さらに、ロックピン60を、ガイドプレート62のガイド孔72、コイルスプリング67の順に挿通してから、ナット61に螺合する。そして、そのロックピン60を、柄側金具4のボルト孔35、刃側金具6のボルト孔48、柄側金具5のボルト孔42の順に挿通してから、丸ナット14に螺合する。これにより、刃側金具6は、1対の柄側金具4,5に固定される(図8(B)参照)。
【0038】
なお、柄側金具4,5のボルト孔35,42に連続させる刃側金具6のボルト孔47,48は、刃3の刃面23及び柄2のなす角度の鈍角の度合に応じて適宜選択される。
【0039】
次に、刃側金具6の先端側板44に、刃3における刃元側の刃面23を重ねるように配置する。
【0040】
刃3の刃線26及び柄2のなす角度を180度にする場合、刃3のボルト孔27、及び刃側金具6のボルト孔50を連続させると共に、刃3のボルト孔28、及び刃側金具6のボルト孔51を連続させる。
【0041】
そして、ボルト15を、刃3のボルト孔27、刃側金具6のボルト孔50の順に挿通してから、蝶ナット17に螺合すると共に、ボルト16を、刃3のボルト孔28、刃側金具6のボルト孔51の順に挿通してから、蝶ナット18に螺合する。これにより、刃3は、刃側金具6に固定される。すなわち、刃3は、金具4,5,6によって柄2の先端に固定される(図9(A)参照)。
【0042】
刃3の刃線26及び柄2のなす角度を180度にする場合、刃3のボルト孔27、及び刃側金具6のボルト孔50を連続させると共に、刃3のボルト孔28、及び刃側金具6のボルト孔52を連続させる。
【0043】
そして、ボルト15を、刃3のボルト孔27、刃側金具6のボルト孔50の順に挿通してから、蝶ナット17に螺合すると共に、ボルト16を、刃3のボルト孔28、刃側金具6のボルト孔52の順に挿通してから、蝶ナット18に螺合する。これにより、刃3は、刃側金具6に固定される。すなわち、刃3は、金具4,5,6によって柄2の先端に固定される(図9(B)参照)。
【0044】
なお、刃3のボルト孔28に連続させる刃側金具6のボルト孔51,52は、刃3の刃線26及び柄2のなす角度の度合に応じて適宜選択される。
【0045】
次に、図1及び図7を用いて、刃面23及び柄2のなす角度を変更する手順を説明する。
【0046】
まず、蝶ナット13を緩める。そして、丸ナット14をロックピン60から取り外す。また、コイルスプリング67の付勢力に抗してロックピン60を引き抜く(図7参照)。さらに、ボルト11を中心として、刃側金具6の基端側板43を柄側金具4,5の固定平板31,38に対して回動させることで、刃面23及び柄2のなす角度を変更する。
【0047】
そして、ロックピン60を差し込む。また、外しておいた丸ナット14を元のロックピン60に締め込む。さらに、蝶ナット13をしっかり締めることで、作業を完了させる。
【0048】
次に、図10を用いて、草刈り鎌1の使用方法を説明する。図10は、草刈り鎌1の使用状態を示す概略図である。図10(A)は、刃面23及び柄2のなす角度を180度にした場合を示す。図10(B)及び図10(C)は、刃面23及び柄2のなす角度を鈍角にした場合を示す。
【0049】
図10(A)に示す草刈り鎌1の使用状態は、一般的な鎌のように刃面23と柄2のなす角度を180度にしたものである。これによれば、土中で草を切ること、すなわち草を根っこごと刈ることができる。図10(B)に示す草刈り鎌1の使用状態は、刃面23と柄2のなす角度をつけたものである。これによれば、手の届かない場所(例えば、植込みの中など)について草刈りをすることができる。図10(C)に示す草刈り鎌1の使用状態は、刃面23と柄2のなす角度を更につけたものである。これによれば、普通に生えている草を刈ることや、細かい草をまとめて刈ることができる。
【0050】
次に、図11を用いて、草刈り鎌1に用いる木製掃除具100の構成について説明する。図11は、草刈り鎌1に用いる木製掃除具100の外観斜視図である。
【0051】
図11に示す木製掃除具100は、歯26a,26bの掃除に用いられ、また、蝶ナット13,17,18の締緩に用いられる。具体的に、木製掃除具100は、角材からなる掃除具本体101と、掃除具本体101の先端に差し込まれている蝶ナット用ドライバ102と、を備えている。蝶ナット用ドライバ102は、潰れた管のような形状の金具であり、蝶ナット13,17,18が嵌まり込む大きさを有している。
【0052】
以上説明したように、このような草刈り鎌1によれば、刃3が、直線状の刃線26を有し、一定の厚さで構成され、使用される際に、刃面23に略平行で且つ刃線26に略直角の方向に移動される横刈りタイプのものであり、草をとらえる幅を広く設定できるので、竹ぼうきで地面を掃くように、すなわち、パターでゴルフボールをたたくように草刈り鎌を使うことができる。すなわち、人が立ったまま楽に草刈りができ、疲れない。そして、立ち姿勢で使用できるので、地面の近くに虫が出てきた場合であっても、虫との距離を保つことができる。そして、刃3が、一定の厚さで構成されているので、すなわち、両面が平らであるので、細かい草を刈りながら地ならしをすることができる。これにより、周りがきれいになり、草刈りが楽しくなる。また、刃3の両面が平らであるので、刃3を裏返しにしておくことで、例えば、右利き用として使用していたものを左利き用として使用することができる。さらに、刃面23が平らであるので、草刈り鎌1を地面に置くだけで草刈りの準備ができ、準備が容易である。
【0053】
そして、刃3が、直線状の刃線26を有しているので、歯26a,26bに異物が引っ掛かり難い。また、刃線26に窪みが形成されているので、その窪みで大きな草をとらえて刈ることができる。
【0054】
さらに、草が生えている場所に応じて、刃面23及び柄2のなす角度、並びに刃線26及び柄2のなす角度を設定することができる。刃面23及び柄2のなす角度を180度に設定した場合、土中で草を切ること、すなわち草を根っこごと刈ることができる。刃面23及び柄2のなす角度を鈍角(例えば、165度程度)に設定した場合、手の届かない場所(例えば、植込みの中など)について草刈りをすることができる。刃面23及び柄2のなす角度を鈍角(例えば、150度程度)に設定した場合、普通に生えている草を刈ることや、細かい草をまとめて刈ることができる。
【0055】
なお、刃3は、両面に加工のない平らなステンレス板で構成することができる。そして、付属の木製掃除具100で刃線26付近をこするだけで、歯26a,26bの掃除を楽に行うことができる。また、草刈り鎌1を使用する際、目の保護と手袋の着用を忘れずに行い、草刈りが終わった後、刃3にカバーをして草刈り鎌1を壁に掛けて、次の使用に備えることが求められる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。すなわち、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質などは適宜変更できる。例えば、刃3は、鋸刃に代えて、鋭利なものであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 草刈り鎌
2 柄
3 刃
4,5 柄側金具
6 刃側金具
7,8 ボルト
9,10 ナット
11 ボルト
13 蝶ナット
14 丸ナット
15,16 ボルト
17,18 蝶ナット
19,20 切欠部
21,22 ボルト孔
23 刃面
26 刃線
26a 歯(第1歯)
26b 歯(第2歯)
27,28 ボルト孔
29,36 取付板
30,37 曲折板
31,38 固定平板
32,33,34 ボルト孔
35 ボルト孔
39,40,41 ボルト孔
42 ボルト孔
43 基端側板
44 先端側板
45 ボルト孔
46,47,48 ボルト孔
50,51,52 ボルト孔
60 ロックピン
61 ナット
62 ガイドプレート
63,64,65,66 ボルト
67 コイルスプリング
68 ガイド平板
69 湾曲板
70,71 ボルト孔
72 ガイド孔
100 木製掃除具
101 掃除具本体
102 蝶ナット用ドライバ

【要約】
【課題】使い勝手を向上させる草刈り鎌を提供する。
【解決手段】草刈り鎌1は、立ち姿勢で使用される。この草刈り鎌1は、直線状の柄2と、柄2の先端に固定されている刃3と、を備えている。刃3は、直線状の刃線26を有し、一定の厚さで構成され、使用される際に、刃面23に略平行で且つ刃線26に略直角の方向に移動される。この刃3は、複数の歯26a,26bが並んでいることで刃線26を構成している鋸刃である。複数の歯26a,26bとして、互いに同じ高さを有し、互いに2本以上が連続するように並んでいる複数の第1歯26aからなる複数の第1歯群と、第1歯26aの高さよりも低い高さを有し、第1歯群同士の間に1本ずつ配置されて刃線26における第1歯群同士の間に窪みを形成している複数の第2歯26bと、を有している。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11