(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内容器が筒状の首部と、前記首部上端の口部に径外方向に延びるフランジ部を備えており、前記首部の外周面から前記フランジ部にかけて上下方向に延びる連通溝が形成されており、前記連通溝を通じて加圧剤を前記外容器内に充填する請求項1または2に記載の二重エアゾール製品の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記構成の二重容器でアンダーカップ充填をすると、本来、外容器と内容器との間にのみ充填されるべき加圧剤が、内容器内に侵入してしまうことがある。これは、内容器の口部とバルブとの嵌合部分、特に内容器の口部が、加圧剤の流路となる、バルブと外容器の口部との間の隙間に面している(連通している)ことに起因する。すなわち、加圧剤が勢い良く圧入されるため、その勢いで内容器が変形、特に口部が変形してしまい、バルブと内容器の口部との間に隙間ができて、そこから加圧剤が内容器内に侵入するのである。特に、特許文献1のように内容器に原液を充填する前に(内容器内に空気が残った状態で)加圧剤を充填すると、内容器が圧縮されて内容器内の圧力が上昇しやすく、内容器の口部とバルブとの嵌合が緩み、バルブがずれることから、加圧剤の侵入を許してしまいやすい。
【0005】
内容器に加圧剤が入り込むと、原液内に加圧剤が混ざり込んでしまい、時折、原液が飛び散るように吐出されるなどといった不具合を生じることがある。
【0006】
そこで、本発明は、二重容器へのアンダーカップ充填でありながらも、内容器への加圧剤の侵入を抑制することができる二重エアゾール製品及び二重エアゾール製品の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の二重エアゾール製品の製造方法は、外容器10と、前記外容器10に収容される可撓性を有する内容器20と、前記外容器10の口部10e及び前記内容器20の口部20eを閉じるバルブ30とからなる二重容器に、加圧剤40と原液50とを充填する二重エアゾール製品の製造方法であって、前記内容器20の口部20eに前記バルブ30を嵌合し、前記内容器20の復元力に抗して前記内容器20内の空気を吸引することで前記内容器20内を陰圧にした後、前記外容器10の口部10eと前記バルブ30との間から、前記外容器10と前記内容器20との間に加圧剤40を充填し
、前記外容器10に前記バルブ30を固着してシールした後、前記バルブ30から前記内容器20内に原液50を充填することを特徴とする。
【0008】
前記バルブ30は、前記内容器20の口部20eの上端面および前記外容器10の口部10eの上端面を覆うシール材36と、前記シール材36の上部を覆うフランジ部31cを有するハウジング31を備えており、前記内容器20内を陰圧にすることで前記内容器20の上端を上下方向にシールすることが好ましい。
【0009】
また、前記ハウジング31が前記内容器20の口部20eに嵌合される筒状の嵌合部31aを備えており、前記シール材36が前記内容器20の口部20eの内周面と前記ハウジング31の嵌合部31aとの間に介在される筒状シール部36aを備えていることが好ましい。
【0010】
前記内容器20内の空気を吸引する際に規制手段60で前記内容器20の上下方向の収縮変形を規制することが好ましい。
【0011】
前記内容器20が筒状の首部20dと、前記首部20d上端の口部20eに径外方向に延びるフランジ部20fを備えており、前記首部20dの外周面から前記フランジ部20fにかけて上下方向に延びる連通溝20hが形成されており、連通溝20hを通じて加圧剤40を前記外容器10内に充填することが好ましい。
【0012】
また、本願の二重エアゾール製品は、外容器10と、前記外容器10に収容された可撓性を有する内容器20と、前記外容器10の口部10e及び前記内容器20の口部20eを閉じるバルブ30と、前記外容器10と前記内容器20との間に充填された加圧剤40と、内容器20内に充填された原液50とを備えた二重エアゾール製品であって、前記内容器20の口部20eの上端面および前記外容器10の口部10eの上端面にそれぞれ環状の突起20g、10gを備えており、前記バルブ30は、前記内容器20の口部20eの上端面および前記外容器10の口部10eの上端面を覆うシール材36を備えていることを特徴とする。
【0013】
前記シール材36は、前記内容器20の口部20eの内周面から前記外容器10の口部10eの上端面に跨っていることが好ましい。
【0014】
前記シール材36の下面又は前記内容器20の口部20eの上端面のいずれか一方が他方側に張り出していることが好ましい。
【0015】
前記内容器20の突起20gが前記外容器10の突起10gよりも高い方が好ましい。
【0016】
前記内容器20の上下方向の収縮変形を規制する規制手段60を備えていることが好ましい。
【0017】
前記内容器20が筒状の首部20dと、前記首部20d上端の口部20eに径外方向に延びるフランジ部20fを備えており、前記首部20dの外周面から前記フランジ部20fにかけて上下方向に延びる連通溝20hが形成されており、前記外容器10が口部10eの内周に前記内容器20のフランジ部20fを係止する切欠段部10hを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
この発明の二重エアゾール製品の製造方法では、内容器の復元力に抗して内容器内の空気を吸引することで内容器内を陰圧にした後、外容器と内容器との間に加圧剤を充填して
いるため、内容器内に加圧剤が充填されるのを抑制することができる。すなわち、内容器内が陰圧になることで、内容器の復元力によりバルブが引っ張られ、内容器の口部とバルブとが強く密着し強固なシールが形成されるため、内容器の口部とバルブとの間からの加圧剤の侵入を抑制することができるのである。
【0019】
バルブが、内容器の口部の上端面および外容器の口部の上端面を覆うシール材と、シール材の上部を覆うフランジ部を有するハウジングを備えており、前記内容器内を陰圧にすることで内容器の上端を上下方向にシールすれば、内容器内への加圧剤の侵入を防止する効果が高い。
【0020】
ハウジングが内容器の口部に嵌合される筒状の嵌合部を備えており、シール材が内容器の口部の内周面とハウジングの嵌合部との間に介在される筒状シール部を備えていれば、内容器内を陰圧にすることで筒状シール部による水平方向のシール性も高くなり、筒状シール部を介して内容器およびバルブの密着性が高くなるため、加圧剤を高圧で充填してもずれにくい。
【0021】
内容器内の空気を吸引する際に規制手段で内容器の上下方向の収縮変形を規制すれば、内容器の復元力が得られやすく、バルブとの密着を強固にすることができる。
【0022】
内容器が筒状の首部と、首部上端の口部に径外方向に延びるフランジ部を備えており、首部の外周面からフランジ部にかけて上下方向に延びる連通溝が形成されていれば、内容器を陰圧にして内容器が上方に吸い上げられたときに連通溝により外容器内への加圧剤の充填通路を確保しやすい。
【0023】
また、本願の二重エアゾール製品では、内容器の口部の上端面および外容器の口部の上端面にそれぞれ環状の突起を備えており、バルブは、内容器の口部の上端面および外容器の口部の上端面を覆うシール材を備えていることから、内容器の突起とシール材による上下方向のシール性と、外容器の突起とシール材による上下方向のシール性を調整しやすく、内容器内を陰圧としたときに内容器側のシール性を高くして内容器内への加圧剤の侵入を防止することができる。
【0024】
シール材が内容器の口部の内周面から外容器の口部の上端面に跨いでいれば、内容器とバルブの間および内容器と外容器とをシールすることができる。さらに、内容器内を陰圧としたり、外容器と内容器の間に加圧剤を充填した後も、内容器を所定の位置にすることができ、所望のシール性を維持し続けることができる。
【0025】
シール材の下面又は内容器の口部の上端面のいずれか一方が他方側に張り出していれば、内容器の口部にバルブを嵌合させて内容器内を陰圧にした際に、内容器の上端とシール材の下面で上下方向のシールを形成しやすく、かつ、自ずと外容器とシール材の間に隙間が形成されることになる。そのため、外容器と内容器との間に加圧剤をアンダーカップ充填するにあたって、バルブを外容器の口部に当接させないように持ち上げておく必要も無く、充填作業を簡単に行うことができる。
【0026】
内容器の突起が外容器の突起よりも高い場合は、内容器の上端面で上下方向のシールを形成して外部と内容器内とを遮断し、かつ外部と外容器内との連通状態を作りやすく、加圧剤が内容器内に侵入することなく、外容器内に充填することができる。また、内容器内の原液充填室および内容器と外容器の間の加圧剤充填室をそれぞれ線シールでシールすることができ、シール性が高い。
【0027】
また、内容器の上下方向の収縮変形を規制する規制手段を備えていれば、内容器内の空
気を吸引した際に、内容器の復元力が働き難い変形、例えば上下方向に折り畳まれるようにして収縮変形することを規制することができる。そしてこの場合、内容器の復元力を発揮させ易くなり、結果、内容器の口部とバルブとの密着をより強固なものとすることができる。
【0028】
内容器が筒状の首部と、首部上端の口部に径外方向に延びるフランジ部を備え、首部の外周面からフランジ部にかけて上下方向に延びる連通溝が形成されているため、加圧剤を充填する通路を確保することができる。また、外容器が口部の内周にフランジ部を係止する切欠段部を備えているため、バルブを押し付けて外容器に固定するときも、切欠段部がフランジ部を軸方向に支持して外容器および内容器の上端でシール材を圧縮させて確実にシールすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、この発明の二重エアゾール製品について、図に基づいて詳細に説明する。二重エアゾール製品1は、
図1に示すように、外容器10と、その中に収容される可撓性を有する内容器20と、外容器10に取り付けられ、外容器10の口部10e及び内容器20の口部20eを閉じるバルブ30と、外容器10と内容器20との間の加圧剤充填室に充填される加圧剤40と、内容器20内の原液充填室に充填される原液50とを備えている。
以下、上記構成品について個々に説明していく。
【0031】
外容器10は、耐圧性を有する有底筒状である。内容器20に充填される原液の残量などの状態を確認できるように透光性を有することが好ましい。また、
図1に示すように、円筒状の胴部10aと、その下端を閉じる半球状の底部10bと、胴部10aの上端からテーパー状に縮径する肩部10cと、その上端から延びる円筒状の首部10dと、その上端の口部10eと、その口部10eから径外方向に延びるフランジ部10fと、口部10eの上端面から上方に突出する環状の突起10gとから構成されている。また、口部10eの内周側には、
図2に示すように、後述する内容器20のフランジ部20fを係止するための環状の切欠段部10hが設けられている。
このような外容器10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミドといった合成樹脂により成形される。ただし、透光性を有しなくても良いのであれば、アルミや鋼などの金属製であっても良い。
【0032】
内容器20は、可撓性を有する有底筒状である。また、
図1及び
図2に示すように、円筒状の胴部20aと、その下端を閉じる底部20bと、胴部20aの上端からテーパー状
に縮径する肩部20cと、その上端から延びる円筒状の首部20dと、その上端の口部20eと、口部20eから径外方向に延びるフランジ部20fと、口部20eの上端面から上方に突出する環状の突起20gとから構成されている。この内容器20の外面は、
図3のS1に示すように、原液50を充填する前は、外容器10の内面と略同形状である。しかし、外容器10と内容器20との間の収容部(原液充填室)に加圧剤40を充填することで、
図1に示すように収縮している。従って、内容器20は、収縮前の元の形状に戻ろうとする復元性を有している。
【0033】
内容器20のフランジ部20fは、
図2に示すように、外容器10の切欠段部10hに係止されており、内容器20の口部20eの上端面と、外容器10の口部10eの上端面とが略面一になっている。また、内容器20の口部20eの外径は、外容器10の口部10eの内径と略同一とされているが、首部20dの外周面からフランジ部20fにかけて、上下方向に延びる連通溝20hが形成されていることで、外容器10と内容器20との間への加圧剤40の充填路が確保されている。しかし、略同一とせず、環状の隙間を設けるようにしても良い。
【0034】
このような内容器20は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンといった合成樹脂により可撓性を有するように成形される。外容器10と内容器20は同じ材質でもよく、異なる材質であってもよい。
【0035】
バルブ30は、外容器10の口部10e及び内容器20の口部20eを閉じ、内容器20内と外気とを連通/遮断する弁機構を備えるものである。詳しくは、
図2に示すように、内容器20の口部20eに挿入されるハウジング31と、そのハウジング31内に上下移動可能に収納されるステム32と、ステム32のステム孔32aを閉塞するステムラバー33と、ステム32を上方に付勢するバネ34と、ハウジング31を覆い外容器10に固定するキャップ35と、ハウジング31のフランジ部31cと外容器10の口部10eとの間及びハウジング31のフランジ部31cと内容器20の口部20eとの間に介在しシールするシール材36とから構成されている。
【0036】
まず、ハウジング31について説明すると、ハウジング31は、上方に開口する有底円筒状の嵌合部31aと、この嵌合部31aの側壁31bの上端部から径外方向に突出するように形成された平板状のフランジ部31cと、嵌合部31aの底部31dから下方に向かって延出された接続筒31eとを有している。接続筒31eには、内容器20の上下方向の収縮変形を規制するため、内容器20の底部20b近傍まで延びる筒状の規制手段60が接続(装着)されている。また、嵌合部31aの開口部31fには環状の切欠段部31gが設けられており、ここにステムラバー33が載置されている。また、内容器20内と外部とを連通するため、嵌合部31aの側壁部31bと底部31dにそれぞれ連通孔31h、31iが設けられている。従って、筒状の規制手段60はディップチューブとしても機能することになる。また、内容器20内の空気を吸引したり、原液50を充填するにあたって、内容器20の収縮変形や膨張を上側だけでなく下側からも生じさせる機能を持つことになる。
【0037】
上記構成のハウジング31は、バルブ30が外容器10及び内容器20に固着された状態において、嵌合部31aが内容器20の口部20eに挿入されて、側壁31bが口部20eの内周面と対向し、フランジ部31cが外容器10の口部10eの上端面及び内容器20の口部20eの上端面と対向する。
【0038】
ステム32は、有底の円筒体である。その下部は、ハウジング31の嵌合部31aの内部に挿入され、上部はハウジング31から上方に突出している。側面には、ハウジング3
1内と外気と連通するためのステム孔32aが設けられている。このステム孔32a近傍はくびれており、このくびれ部32bに、中空円板状のステムラバー33の内周が嵌め込まれてステム孔32aが閉塞されている。
このステム32は、ハウジング31の嵌合部31a内に設置されたバネ34によって常に上方に付勢されている。
【0039】
キャップ35は、金属板を円筒状に形成したものであって、ハウジング31やステムラバー33の上部を覆う上底35aを有している。また、上底35aには、ステム32を通すためのステム挿通孔35bが形成されている。また、上底35aの外周端から下方に側壁35cが延びており、側壁35cの下端部が内側に折曲されることで、外容器10のフランジ部10fと係合している。
【0040】
シール材36は、合成ゴム、シリコーンゴム、エラストマーなどにより成形されたものであって、ハウジング31の嵌合部31aの側壁31bの外周面を覆う筒状シール部36aと、筒状シール部36aの上端部から径外方向に延出され、ハウジング31のフランジ部31cの下面と当接する円板状のフランジ部36bとから構成されており、
図2に示すように、バルブ30を外容器10に固着した状態において、筒状シール部36aが、内容器20の口部20eの内周面とハウジング31の嵌合部31aとの間に介在され、フランジ部36bが、外容器10の口部10eの上端面および内容器20の口部20eの上端面を覆う。換言すれば、シール材36は、内容器20の口部20eの内周面から外容器10の口部10eの上端面に跨っている。なお、筒状シール部36aの厚みは、内容器20の口部20eの内径と、ハウジング31の側壁31bの外周面の外径との差と同一、またはそれよりも大であることが好ましい。
【0041】
外容器10と内容器20との間の加圧剤充填室に充填される加圧剤40としては、例えば、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、酸素、圧縮空気及びこれらの混合ガス等の圧縮ガス、液化石油ガス、ジメチルエーテル、ハイドロフルオロオレフィン及びこれらの混合ガス等の液化ガス等が挙げられる。なお、圧縮ガスを用いる場合、圧力が0.4〜1.0MPa、特に0.5〜0.9MPaとなるように充填することが好ましい。
【0042】
内容器20内(原液充填室)に充填される原液50としては、水、液状油、アルコールなどを主溶媒として、界面活性剤、水溶性高分子、固形油、パウダー、さらには用途に応じて各種有効成分などを配合しても良い。
【0043】
前記液状油としては25℃において流動性を有する油であり、例えば、植物油、エステル油、炭化水素油、シリコーン油などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えばエタノールなどの炭素数2〜3個の1価アルコールや、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、などの多価アルコールなどが挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0044】
製品としては例えば、化粧水、日焼け止め、ほてり止め、クレンジング等のスキンケア、スタイリング剤、トリートメント剤、染毛剤等のヘアケア、殺菌消毒剤、水虫薬、消炎鎮痛剤、鎮痒剤、育毛剤、点鼻薬、点耳薬等の医薬品、ホイップクリーム、ダイエット飲料、スポーツ飲料、清涼飲料等の食品、室内用芳香剤、消臭剤などの家庭用品、害虫駆除剤、栄養剤などの園芸用品といった液状物、クリーム、ゲルなどが充填される。
【0045】
上記構成の二重エアゾール製品1は、ステム32を下方に押し下げると、ステムラバー33が下方に撓み、ステム孔32aが開口する。すると、内容器20に充填されている原液50が、内容器20を収縮させようとする加圧剤40の圧力によって、ハウジング31の連通孔31h、31iからステム32の連通孔32a、上端孔32cを経て、ステム32に装着される吐出部材(図示せず)の吐出孔から外部に吐出される。
【0046】
上記構成の二重エアゾール製品1は、以下のようにして製造される。まず、外容器10用のプリフォームと内容器20用のプリフォームを射出成型等により個別に成型するとともに、内容器20用のプリフォームを外容器10用のプリフォームに挿入し、二重プリフォームを準備する。
【0047】
次に、この二重プリフォームを、ブロー金型内において、それぞれのプリフォームの口部および首部以外をブロー(具体的には2軸延伸ブロー)等することにより、外容器10と内容器20とを同時に成型する。なお、首部10d、20dはプリフォームの成形時に成形される。これにより、内容器20にバルブ30を嵌合する前に、予め外容器10内に内容器20を収容した状態が自ずと形成されることになる。また、
図3のS1に示すように、内容器20の外形は、外容器10の内面と実質的に同一形状となるが、ブロー成形後の放冷により内容器20は外容器10よりも収縮することで外容器10に密着することなく、内容器20内の空気を吸引した際には外容器10に対して上方に移動することができ、また容易に収縮する。
【0048】
次に、外容器10を保持し、内容器20にバルブ30を仮止めする。具体的には、内容器20の口部20eに、ハウジング31の嵌合部31aを嵌合(挿入)する。より具体的には、ハウジング31の嵌合部31aと合わせてシール材36の筒状シール部36aの下端部も内容器20の口部20eに嵌合する。この際、キャップ35の側壁35cの下端部は内側に折曲させず、バルブ30と内容器20の上下方向の移動を可能としておく。また、シール材36のフランジ部36bが外容器10の口部10eの突起10gにより圧縮されないように、すなわち、外容器10とバルブ30との間のシールが形成されない位置に保持しておく(
図3のS2拡大図参照)。ただし、この状態において、内容器20の突起20gがシール材36のフランジ部36bの下面と当接していることが好ましい。この後に行われる内容器20内の空気の吸引により、バルブ30に内容器20が吸い寄せられて内容器20が上方(バルブ30側)へ移動して内容器20の突起20gがシール材36のフランジ部36bの下面を圧縮して上下方向のシールを形成するためである(
図3のS3拡大図参照)。
【0049】
その後、ステム32を押し下げつつ、ステム32から、内容器20の復元力に抗して内容器20内の空気を吸引することで、内容器20を収縮変形させ、内容器20内を陰圧とする(S3)。内容器20内を陰圧とすると、外容器10は保持されているため、内容器20のみが上方に移動してシール材36と上下方向のシールを形成し、さらに、内容器20が元の形状に戻ろうとする復元力(外気を内容器20内に取り込もうとする吸引力)がバルブ30に働き、バルブ30とのシール性を高める。具体的には、シール材36の筒状シール部36aが、内容器20の口部20eの内周面とハウジング31の嵌合部31aの側壁31bの外周面とに強く密着し、さらに、シール材36のフランジ部36bの下面が、内容器20の口部20eの上端面(突起20g)と強く密着し、強固なシールが形成される。
なお、可撓性を有する内容器20の肩部20c、胴部20a、底部20bは、吸引によって上下方向(内容器20の軸心方向)及び左右方向(内容器20の径内方向)に収縮しようとするが、上下方向の収縮変形を規制する規制手段60を設けているため、上下方向の収縮は規制され、左右方向の収縮が主となる。内容器20の水平方向の断面形状は円形であるため、左右方向の収縮が主となれば、円形が有する形状保持効果によって復元力を
発揮させ易くなる。
【0050】
吸引の後、外容器10と内容器20との間に加圧剤40を充填していく(S4)。充填はいわゆるアンダーカップ充填によって行う。具体的には、外容器10とシール材36との間に生じている隙間C(
図3のS3拡大図参照)から連通溝20hを通じて加圧剤40を外容器10と内容器20との間の加圧剤充填室に圧入していく。なお、本実施形態では、外容器10の突起10gと、内容器20の突起20gとが略同じ高さとされているが、内容器20内を陰圧にしたときに内容器20のみが上方に移動するため、内容器20の突起20gをシール材36に当接させて上下方向のシールを形成しつつも、外容器10の突起10gをシール材36に当接させないといった構成とすることができ、内容器20の肩部20cの収縮および連通溝20hにより外容器10内への加圧剤40の充填通路を確保することができる。
圧入は、1〜2MPaと比較的大きな圧力をもって行われる。そのため、従来、加圧剤40が、内容器20の口部20eを変形させてシール構造を解除し内容器20内に入り込むことがあったが、本発明では、内容器20内が陰圧とされ、それによりバルブ30と内容器20との間のシールが強固なものとなっているため、内容器20の口部20eが変形するといった問題の発生を抑制することができる。また、
図3のS3、S4に示すように、内容器20の内周面が規制手段60に当接するまで内容器20を収縮させているため、加圧剤40の充填をスムーズに行うことができるとともに、加圧剤40を充填しても内容器20の内圧が上昇することはなく、バルブ30が抜け飛ぶこともない。
【0051】
加圧剤40の充填後、バルブ30を押し下げて、シール材36のフランジ部36bの下面と外容器10の口部10eの上端面とを当接させる。このとき、バルブ30のハウジング31の嵌合部31aを内容器20の口部20e内により深く挿入しても良い。また、同時にキャップ35の下端を内側に折り曲げることで、バルブ30の外容器10への嵌合(固着)を完了する(本嵌合:
図2参照)。なお、この際、内容器20のフランジ部20fが外容器10の切欠段部10hにより係止されているため、外容器10の突起10gおよび内容器20の突起20gが、シール材36のフランジ部36bに食い込み、それぞれで線シールを形成することができ、気密性が高い。また、シール材36の筒状シール部36aが、内容器20の口部20eにしっかりと挿入されることとなり、吸引によって径内方向に口部20eが縮まってもシール材36に広げられるようにして元の形状に戻る。
【0052】
その後、ステム32を押し下げて、ステム32から内容器20内に原液50を充填する(S5)。原液50の充填後は、再度、ステム32を押し下げて内容器20に残存する空気を排出し、内容器20内を原液50で満たす(液密にする)。また、適宜ステム32内に残留する原液50の除去を行い、ステム32に吐出部材を装着し、さらにキャップなどの保護部材を装着して二重エアゾール製品1の製造を完了する。
【0053】
次に、本発明の異なる実施形態について図面に基づいて説明する。
図4は、本発明の異なる実施形態に係る二重エアゾール製品1を示している。本実施形態の二重エアゾール製品1は、
図4a、bに示すように、外容器10の口部10eの上端面に設けられた突起10gよりも、内容器20の口部20eの上端面に設けられた突起20gのほうが高くなるように設けられている。具体的には、外容器10の突起10gの突出高さが0.1〜1.0mm、内容器20の突起20gの上方への突出高さが0.2〜1.5mmであって、内容器20の突起20gの方が0.1〜0.5mm高くなっている。
【0054】
このように構成することで、内容器20にバルブ30を仮止めするにあたって、内容器20の突起20gはシール材36の下面に当接させるが、外容器10の突起10gはシール材36の下面に当接させないといった状態を容易に作り出すことができる。さらに、内容器20内を陰圧にすることによりシール材36の下面と内容器20の突起20gとが強
く当接して上下方向のシール性が高くなる。すなわち、内容器20の上端面で上下方向のシールを形成して外部と内容器20内(原液充填室)とを遮断しつつも、外部と外部容器10内(加圧剤充填室)との連通状態を容易に作り出すことができるのである。そのため、加圧剤40の内容器20内への侵入を一層防ぎながら、外部容器10内に加圧剤40を充填することができる。また、本嵌合後は、内容器20内の原液充填室と、外容器10と内容器20との間の加圧剤充填室とをそれぞれ線シールでシールするため、シール性が高い。
【0055】
図5は、本発明のさらに異なる実施形態に係る二重エアゾール製品1を示している。本実施形態の二重エアゾール製品1は、シール材36Aのフランジ部36bが基端部に向かうにつれて肉厚となるよう傾斜している点に特徴を有する。
【0056】
このように、シール材36Aのフランジ部36bの下面から内容器20の口部20eの上端面に向かって張り出すように傾斜面36cが形成されていると、バルブ30を内容器20の口部20eに嵌合した際、傾斜面36cの一部(フランジ部36bの基端側)と、内容器20の口部20eの上端面とが当接し、シール材36Aのフランジ部36bの下面と、外容器10の口部10eの上端面との間に自ずと一定間隔の隙間Cが形成されることになる。さらに、内容器20内を陰圧にすることによりシール材36Aの傾斜面36cと内容器20の口部20eの上端面とが強く当接して上下方向のシール性が高くなる。そのため、外容器10と内容器20との間に加圧剤40を充填するにあたって、バルブ30を外容器10の口部10eに当接させないように持ち上げておく必要も無く、充填作業を簡単に行うことができる。
【0057】
図6は、本発明の別の実施形態に係る二重エアゾール製品1を示している。本実施形態の二重エアゾール製品1は、シール材36Bのフランジ部36bの基端部(内容器20の口部20eの上端面と対向する部分)を、先端部よりも肉厚している点に特徴を有する。この肉厚部36dの幅は、内容器20の突起20gに当接するように、内容器20の口部20eの内周面から突起20gまでの幅よりも大とされている。
【0058】
このように、シール材36Bのフランジ部36bの下面から内容器20の口部20eの上端面に向かって張り出すように肉厚部36dが形成されていると、肉厚部36dの下面を内容器20の口部20eの上端面(突起20g)に当接させた状態、すなわち、肉厚部36dで内容器20の口部20eをシールしながら、シール材36Bのフランジ部36bの先端部の下面と、外容器10の口部10eの上端面との間に一定間隔の隙間Cを形成することができる。さらに、内容器20内を陰圧にすることによりシール材36Bの肉厚部36dの下面と内容器20の口部20eの突起20gとが強く当接して上下方向のシール性が高くなる。
なお、本実施形態では、外容器10の口部10eの上端面が、内容器20の口部20eの上端面よりも上方に位置している。そのため、フランジ部36bの先端部と肉厚部36dとの厚みの差を、外容器10の口部10eの上端面と内容器20の口部20eの上端面との差よりも大とすることが好ましい。
【0059】
図7は、本発明のさらに別の実施形態に係る二重エアゾール製品1を示している。本実施形態の二重エアゾール製品1は、内容器20の口部20eの上端面が、外容器10の口部10eの上端面よりも上方に位置している点に特徴を有する。
【0060】
このように、内容器20の口部20eの上端面が、シール材36Cのフランジ部36bの下面に向かって張り出していると、フランジ部36bの基端部の下面を内容器20の口部20eの上端面(突起20g)に当接させた状態でも、シール材36Cのフランジ部36bの下面と、外容器10の口部10eの上端面との間に一定間隔の隙間Cを形成するこ
とができる。
【0061】
また、本実施形態では、シール材36Cのフランジ部36bの先端部(外容器10の口部10eの上端面と対向する部分)に、基端部よりも肉厚とされた肉厚部36eを形成している。なお、この状態は、基端部に凹部36fが形成されているともいえる。そのため、口部20eの上端面、口部20eの内周面に加えて、内容器20のフランジ部20fの外周面にもシール材36Cが当接する、すなわち、シール材36Cによって、内容器20の口部20eを覆うこととなり、3面シールが形成されることから、他の実施形態に比べて内容器20の気密性が高い。特に、内容器20内を陰圧にすることにより3面シールが強くなる。なお、フランジ部36bの基端部と肉厚部36eとの厚みの差(凹部36fの深さ)は、外容器10の口部10eの上端面と内容器20の口部20eの上端面との差よりも小とすることが好ましい。
【0062】
ところで、
図4から
図7の実施形態では、傾斜面36c、肉厚部36d、36eを設けているため、シール材36A〜36Cの形状と、バルブ30のハウジング31と外容器10や内容器20との間の隙間の形状とが異なっている。そのため、上記の通り、単にバルブ30を内容器20に当接させただけでは、バルブ30と外容器10との間に隙間Cが形成されることになる。
しかし、バルブ30を外容器10に固着するにあたっては、強い力でバルブ30を外容器10に押し付けるため、シール材36A〜36Cが適宜弾性変形することになり、上記形状の違いは解消される。そのため、内容器20にバルブ30を嵌合した(仮止めした)状態で、外容器10とバルブ30との間に隙間Cが生じていたとしても、外容器10にバルブ30を固着させた(本嵌合した)ときは、外容器10はシール材36A〜36Cによって確実にシールされる。
【0063】
以上に、この発明の代表的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施形態においては、外容器10と内容器20が、2重プリフォームを2軸延伸ブローすることで同時に成型されていたが、この方法に限られることは無く、例えば、各々を別個に成型し、その後、内容器20を折り畳んで外容器10内に挿入する等、公知の種々の方法を採用可能である。また、この場合、内容器20の吸引を外容器10に収容する前に行っても良い。また、規制手段60がディップチューブではなく、別途新たに設けた棒状のものであっても良いし、内容器20がゴム製であるなど折り畳まれるように変形しないものであれば規制手段60を設けなくても良い。
【0064】
また、上記実施形態では、内容器20にバルブ30を嵌合する際(
図3のS2)、シール材36のフランジ部36bと外容器10の口部10eの上端面の間に隙間Cを設け、この状態を維持したまま、内容器20内の空気の吸引(S3)及び加圧剤40の充填(S4)を行っていたが、S3の後、バルブ30を持ち上げて隙間Cを形成する工程を設けるのであれば、S2やS3の段階で隙間Cを設けず、シール材36のフランジ部36bと外容器10の口部10eの上端面とを当接させておいても良い。
【0065】
また、上記実施形態では、シール材36として筒状シール部36aを有するものを使用していたが、
図8に示すように、筒状シール部36aを有しない円板状のシール材36Dを用いても良い。この場合でも、外容器10の口部10eの上端面に設けられた突起10gよりも、内容器20の口部20eの上端面に設けられた突起20gを高く形成していれば、仮止め時に、内容器20の突起20gをシール材36の下面に当接させ、さらに内容器20内を陰圧にして強く当接させることで内容器20の上端面で上下方向のシールを形成して外部と内容器20内とを遮断することができるため、加圧剤40が内容器20内に混入することなく外容器10内のみに充填することができる。さらに、内容器20の突起
20gと外容器10の突起10gが同じ高さであっても、内容器20を陰圧にした際に内容器20のみを上方に移動させて内容器20の突起20gをシール材36の下面に当接させて上下方向のシールを形成すれば、外部と内容器20内とを遮断した状態にすることができ、外容器10内のみに加圧剤40を充填することができる。なお、本実施形態では、内容器20内を陰圧にすることで、内容器20の口部20eの内周面がハウジング31の側壁31bの外周面に張り付くようにして密着しており、内容器20内の陰圧状態の維持に貢献している。
また、
図9に示すように、ハウジング31の嵌合部31aの外周面と、内容器20の口部20eの内周面との間にOリング70を介在させれば、内容器20内の陰圧状態をより良好に維持することができる。