(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示している。
図1に示す情報処理システムは、サービス提供者サーバ11と、講師端末12と、生徒端末13との夫々が、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されて構成されている。
【0013】
なお、サービス提供者サーバ11、講師端末12、及び生徒端末13の夫々は、説明の便宜上、本実施形態では1台ずつとされているが、特に1台に限定されず複数台でよい。
例えば、実際にはM人(Mは1以上の任意の整数値)の講師の夫々が、少なくとも1台の講師端末12を保有する。
また例えば、実際にはN人(Nは1以上の任意の整数値)の生徒の夫々が、少なくとも1台の生徒端末13を保有する。
【0014】
サービス提供者サーバ11は、講義を運営して管理するサービスを提供する者(以下、「サービス提供者」と呼ぶ)により管理されるサーバである。
なお、講義の種類は、特に限定されないが、本実施形態では、日本国の弁理士試験の受験対策用の講義が採用されている。弁理士試験に関連する1以上の各テーマ(例えば特許法の基礎等)の夫々が、複数回の講義で構成されているものとする。
講師端末12は、スマートフォン等で構成され、所定のテーマの各講義を担当する講師により保有される。
生徒端末12は、スマートフォン等で構成され、当該所定のテーマの各講義を受講する生徒により保有される。
【0015】
サービス提供者サーバ11は、講義毎に、講義に関する生徒からの質問を示す任意の形態のデータ(以下、「質問データ」と呼ぶ)を収集する。
【0016】
本実施形態では、任意の回数の講義群が1単位(後述のまとめ単位)として設定される。次に、当該1単位に含まれる質問データの内容に応じて、当該1単位に適用される分類基準が可変設定される。そして、当該分類基準に従って、当該1単位に含まれる質問データが1以上のクラスタに分類される。
サービス提供者サーバ11は、このようにして当該1単位に含まれる質問データが1以上のクラスタに分類された状態で、当該1以上のクラスタ毎に、まとめ講義のシラバスデータを作成する。
ここで、まとめ講義とは、1単位に属する各講義で受け付けた質問に対する回答や関連内容をまとめて複数の生徒に説明する講義をいう。
サービス提供者サーバ11は、当該まとめ講義のシラバスデータを、ネットワークNを介して講師端末12に送信する。
【0017】
以上説明したような一連の処理を、以下、「シラバス作成処理」と呼ぶ。
さらに、以下、「シラバス作成処理」の実行主体となるサービス提供者サーバ11について詳しく説明する。
【0018】
図2は、
図1の情報処理システムのうち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサービス提供者サーバ11のハードウェアの構成を示すブロック図である。
サービス提供者サーバ11は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、バス24と、入出力インターフェース25と、入力部26と、出力部27と、記憶部28と、通信部29と、ドライブ30と、を備えている。
【0019】
CPU21は、ROM22に記録されているプログラム、又は、記憶部28からRAM23にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM23には、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0020】
CPU21、ROM22及びRAM23は、バス24を介して相互に接続されている。このバス24にはまた、入出力インターフェース25も接続されている。入出力インターフェース25には、入力部26、出力部27、記憶部28、通信部29、及びドライブ30が接続されている。
【0021】
入力部26は、キーボドやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
出力部27は、ディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を出力する。
記憶部28は、ハードディスク等で構成され、各種情報を記憶する。
通信部29は、ネットワークNを介して他の装置(本実施形態では主に
図1の講師端末12や生徒端末13)との間で行う通信を制御する。
【0022】
ドライブ30には、必要に応じて、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ30によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部28にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部28に記憶されている各種データも、記憶部28と同様に記憶することができる。
【0023】
図3は、このようなサービス提供者サーバ11の機能的構成のうち、シラバス作成処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0024】
シラバス作成処理が実行される場合には、サービス提供者サーバ11の主にCPU21(
図2)においては、
図3に示すように、質問収集部51と、単位設定部52と、分類基準設定部53と、分類部54と、シラバス作成部55と、参考情報取得部56とが機能する。
また、サービス提供者サーバ11の記憶部28(
図2)の一領域として、質問DB61と、典型質疑応答DB62とが設けられる。
【0025】
質問収集部51は、講義毎に、質問データを収集する。
本実施形態では、サービス提供者サーバ11は、自己のHP等に質問入力用ページを設けるものとする。質問収集部51は、当該質問入力用ページに入力された質問のテキストデータを、質問データとして収集する。
即ち、生徒は、自己の生徒端末13を操作して、サービス提供者のHP等にアクセスして、上述の質問入力用ページにおいて、質問をテキスト入力し、入力終了後に送信指示の操作をする。これにより、質問データが、生徒端末13から送信されてサービス提供者サーバ11の通信部(
図2)に受信され、サービス提供者サーバ11の質問収集部51によって収集される。
【0026】
なお、質問データの形態は、特に上述の例に限定されない。
例えば、紙記入又は録音録画により生徒から質問を受け付けたものに基づいて生成されたテキストデータ等を、質問データとして採用してもよい。
例えば、紙媒体に記入された質問が写真撮影されたりスキャンされることで得られる画像データを、質問データとして採用してよい。
例えば、質問を口述している生徒を録音録画した際に得られる生データ自体を、質問データとして採用してよい。
例えば、電子メールの送付等、生徒自身がデータ化して質問をしてきた場合、メール等による当該データを、質問データとして採用してよい。
さらに例えば、サービス提供者サーバ11又は他の装置が、上述の各種データを自動的に加工等したデータを、質問データとして採用してよい。
【0027】
質問収集部51は、このような講義毎に複数の質問データを適宜収集し、質問DB61に記憶させる。即ち、質問DB61は、各講義毎に、複数の質問データを格納する。
【0028】
単位設定部52は、所定のテーマの複数回の講義のうち、サービス提供者等によって任意の回数の講義群を1単位として設定する。
なお、このような1単位に属する各講義で受け付けた質問に対する回答や関連内容をまとめ説明する講義は、上述したように本実施形態では「まとめ講義」と呼ばれる。そこで、以下、このようなまとめ講義の元になる1以上の講義群からなる単位を、「まとめ単位」と呼ぶ。
まとめ単位は、1以上の講義群から構成されれば足り、連続した回の複数の講義で構成されてもよいし、任意の基準でピックアップされた非連続の回の複数の講義で構成されてもよい。また、回数も任意であり、5回分ずつの講義をまとめ単位とするといったように、数の観点で区分してもよいし、特許法の権利化前7回分を第1のまとめ単位として権利化後6回分を第2のまとめ単位とするといったように、内容の観点で区分してもよい。つまり、1のまとめ単位に属する講義の回数は、他のまとめ単位に属する講義の回数と同一である必要は特にない。
【0029】
分類基準設定部53は、所定のまとめ単位内の各講義で受け付けた質問データを質問DB61から取得して、これらの質問データの内容に応じて、当該所定のまとめ単位に適用される分類基準を可変設定する。
ここで、1のまとめ単位に適用される分類基準は、他のまとめ単位に依存せず、独自に設定することができるということが、可変設定の意味である。つまり、所定のまとめ単位に適用される分類基準は、予め固定されたものではなく、当該所定のまとめ単位において実際に生徒から受け付けた各質問に応じて、適切なものが設定されることになる。
【0030】
分類基準は、複数の質問データを分類できる基準であれば足り、本実施形態では、N種類(Nは1以上の任意の整数値)の分類観点から構成されている。
分類観点とは、複数の質問を分類する際の観点をいい、サービス提供者等が任意に採用可能な観点をいう。
具体的には例えば、特許法の基礎の複数回の講義群がまとめ単位として採用されている場合には、「特許法の論点やテーマ」、「特許法の条文」、「一般的な法律用語や解釈」等、講義や試験の内容に関する観点を、分類観点に採用することができる。
また例えば、「質問数の多少や集中度合」、「質問の文章のボリューム」等、質問の中身自体に関する観点を、分類観点に採用することができる。
また例えば、「質問を受け付けたタイミング(例えば授業日当日、授業日の翌日以降等)」や、複数校舎で同一テーマの講義が展開されている場合には「質問をした生徒の所属校舎」等、時間や環境に関する観点を、分類観点に採用することができる。
【0031】
分類部54は、まとめ単位内の各講義で受け付けた質問データを、当該まとめ単位に設定された分類基準に従って、1以上のクラスタに分類する。
ここで、クラスタの種類や個数は、分類観点に応じて異なるものであり、同一の分類観点であっても、質問データの個数や内容に応じて異なるものである。
例えば、特許法のうち、「産業上利用することができる発明(特許法第29条第1項柱書)」、「新規性(特29条第1項)」、「進歩性(特許法第29条第2項)」、及び「新規性喪失の例外の規定(特許法第30条)」がテーマとなる3回分の講義が、まとめ単位に設定されているものとする。
この場合、分類観点として例えば「特許法の条文」が採用されているならば、一般的なクラスタとしては、「特許法第29条第1項柱書」、「特許法第29条第1項」、「特許法第29条第2項」、及び「特許法第30条」の4種類が用いられ、各質問データが、その内容に応じて、これら4種類のクラスタの何れかに分類される。
ただし、質問データの数が少なく、「特許法第29条」で一括りにしてよい場合には、「特許法第29条」及び「特許法第30条」の2種類が用いられ、各質問データが、その内容に応じて、これら2種類のクラスタの何れかに分類される。
なお、ここでは説明の便宜上「クラスタの何れかに分類」と記載しているが、同一質問データが複数のクラスタに分類されてもよい。例えば、とある質問データの内容が、新規性にもかかわるし、新規性喪失の例外の規定にもかかわる場合には、当該質問データは、「特許法第29条」(又は特許法第29条第1項)のクラスタと、「特許法第30条」のクラスタとの両方に分類されてもよい。
さらにまた、本実施形態では、分類観点の個数は、上述したように複数個用いてもよい。従って、例えば分類観点として「特許法の条文」以外に「質問を受け付けたタイミング」も採用されており、とある質問データが、授業直後に受け付けられた新規性喪失の例外の規定にかかわるものである場合には、当該質問データは、「特許法の条文」における所定のクラスタ(例えば「特許法第30条」というクラスタ)と、「質問を受け付けたタイミング」における所定のクラスタ(例えば「授業当日」というクラスタ)との両方に分類される。
【0032】
なお、以上説明したような、まとめ単位の設定から、当該まとめ単位内の各質問データが1以上のクラスタに分類されるまでの一連の処理は、本実施形態では、単位設定部52乃至分類部54により実行された。即ち、これらの一連の処理は、サービス提供者サーバ11によって自動的に行われたが、当該一連の処理の少なくとも一部をサービス提供者(自然人)が手動で行うようにしてもよい。
【0033】
シラバス作成部55は、このようにしてまとめ単位に含まれる各質問データが1以上のクラスタに分類された状態で、当該1以上のクラスタ毎に、まとめ講義のシラバスデータを作成する。
例えば、上述したように、「特許法の条文」と「質問を受け付けたタイミング」という分類観点が採用されており、「特許法の条文」については、「特許法第29条」と「特許法30条」という2つのクラスタが存在し、「質問を受け付けたタイミング」については「授業日当日」と「授業日の翌日以降」という2つのクラスタが存在するものとする。
この場合、「特許法第29条」についてのまとめ講義のシラバスデータ、「特許法30条」についてのシラバスデータ、質問の受付日が「授業日当日」についてのまとめ講義のシラバスデータ、及び、質問の受付日が「授業日の翌日以降」についてのまとめ講義のシラバスデータが夫々作成される。
ここで、クラスタは、適宜分割しても構わないし、他と結合しても構わない。これにより、例えば、「特許法第29条」に関する質問のうちの、「授業日当日」に受け付けた質問に限定したまとめ講義のシラバスデータの作成も容易に可能になる。
【0034】
ここで、シラバスとは、授業計画を少なくとも含めば足り、その形態は特に限定されない。ここで、所定クラスタに属する各質問データを単純に並べただけのものであっても、その順番で各質問の回答を説明していくという授業計画を示すことができるので、当該所定クラスのまとめ講義のシラバスという概念に含まれる
シラバス作成部55は、さらに、クラスタの内容や、当該クラスタに属する各質問の内容に基づいて、質問データの順番を変えて並べたものを、シラバスデータとして作成することができる。
さらに、シラバス作成部55は、クラスタの内容や当該クラスタに属する各質問の内容に基づいて、講義の内容(テーマや骨格、それらの順序や時間配分)を自動的に生成し、生成した講義の内容を示すシラバスデータを作成することもできる。
【0035】
さらにまた、シラバスデータには、質問データのみならず、各種各様のデータも含めることができる。
【0036】
例えば、質問の回答に必要な参考情報(条文や、基本論点の回答等)を示すデータ(以下、「参考情報データ」と呼ぶ)を、シラバスデータに含めることができる。
参考情報取得部56は、ネットワークNを介して他の装置から又はサービス提供者サーバ11内部から、クラスタの内容や当該クラスタに属する各質問の内容に基づいて、各種各様な情報データを、参考情報データとして取得する。シラバス作成部55は、このようにして取得された参考情報データを、シラバスデータに適宜含めることができる。
【0037】
また例えば、典型的な質疑応答データが典型質疑応答DB62に予め格納されている場合、シラバス作成部55は、このような典型的な質疑応答データを、シラバスデータに適宜含めることができる。
なお、シラバス作成部55は、作成したシラバスデータに含まれる質問データを、その回答データ(例えば講師端末12から別途取得した回答データ)と共に1セットにして、新たな典型的な質疑応答データとして、典型質疑応答DB62に新規登録することもできる。
【0038】
次に、以上説明したような機能的構成を有するサービス提供者サーバ11が実行する、シラバス作成処理について説明する。
図4は、
図3の機能構成を有する
図2のサービス提供者サーバ11が実行する、シラバス作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0039】
ステップS1において、質問収集部51は、所定回の質問データが送信されてきたか否かを判定する。
ここで、各回の講義の何れの講義についても質問データが何ら送信されてこない場合、ステップS1においてNOであると判定され、処理はステップS3に進む。
これに対して、各回の講義のうち所定回の質問データが送信されてきた場合、サービス提供者サーバ11の通信部(
図2)に受信されると、ステップS1においてYESであると判定され、処理はステップS2に進む。
ステップS2において、質問収集部51は、所定回の質問データを収集して、質問DB61に記憶する。
このようにしてステップS1においてYESであると判定されてステップS2の処理が実行されるか、ステップS1においてNOであると判定されると、処理はステップS3に進む。
【0040】
ステップS3において、単位設定部52は、まとめ講義のシラバス作成指示があったか否かを判定する。
まとめ講義のシラバス作成指示が無い場合、ステップS3においてNOであると判定されて、処理はステップS11に進む。
ステップS11において、単位設定部52は、処理の終了が指示されたか否かを判定する。
ここで、処理の終了の指示は、特に限定されず、例えば電源の遮断指令等を採用することができる。処理の終了の指示がされた場合、ステップS11においてYESであると判定されて、シラバス作成処理が終了となる。
これに対して、処理の終了の指示が未だなされていない場合、ステップS11においてNOであると判定されて、処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、処理の終了の指示がなされていない状態で、質問データが送信されてこず、かつ、まとめ講義のシラバス作成の指示が無い場合には、ステップS11NO、ステップS1NO、ステップS3NOのループ処理が繰り返し実行されて、シラバス作成処理は待機状態になる。
この待機状態において、まとめ講義のシラバス作成の指示がなされると、ステップS3においてYESであると判定されて、処理はステップS4に進む。
【0041】
ステップS4において、単位設定部52は、所定のテーマの複数回の講義のうち、指示がなされた回数分の講義群をまとめ単位として設定する。
【0042】
ステップS5において、分類基準設定部53は、ステップS4で設定されたまとめ単位に属する質問データを質問DB61から抽出する。
ステップS6において、分類基準設定部53は、抽出された質問データに基づいて、当該まとめ単位に適用される分類基準を設定する。
【0043】
ステップS7において、分類部54は、まとめ単位に属する質問データを、ステップS6で設定された分類基準に従って、1以上のクラスタに分類する。
【0044】
ステップS8において、シラバス作成部55は、ステップS7で分類対象となった1以上のクラスタのうち、まとめ講義のテーマとなるクラスタを設定する。
ステップS9において、シラバス作成部55は、ステップS8で設定されたクラスタについて、シラバスデータを作成する。
ステップS10において、シラバス作成部55は、ステップS7で分類対象となった1以上のクラスタのうち、他のクラスタをテーマとするまとめ講義を行うか否かを判定する。
即ち、ステップS7で分類対象となった1以上のクラスタの全てに関してまとめ講義を全て開催する必要は特に無い。各クラスタに関してまとめ講義を開催するか否かについては、サービス提供者等が自由に決定することができる。
これまでにシラバスデータが作成された1以上のクラスタ以外に、未だ他のクラスタをテーマとするまとめ講義が開催される予定の場合、ステップS10においてNOであると判定されて、処理はステップS8に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、他のクラスタをテーマとするまとめ講義についてのシラバスデータが作成される。
このようなステップS8乃至S10のループ処理が繰り返された結果として、開催予定のまとめ講義の全てについてシラバスデータが作成された場合には、ステップS10においてNOであると判定されて、処理はステップS11に進む。
ステップS11以降の処理については説明済みであるので、ここではその説明は省略する。
【0045】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0046】
例えば、上述の実施形態では、
図4のシラバス作成処理の全ては、サービス提供者サーバ11により自動的に実行されていたが、特にこれに限定されず、これらの処理の少なくとも一部をサービス提供者等の手作業として移譲することもできる。
特に、まとめ講義の単位を設定するステップS4の処理から、質問データをクラスタに分類するまでのステップS7の処理の一連の処理については、その全部又は一部について、サービス提供者等が手作業で行ってもよい。
【0047】
換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、上述の実施形態としてのサービス提供者サーバ11を含め、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、サービス提供者サーバ11を含め、本発明が適用される情報処理装置は、複数回の講義のまとめ講義のシラバスを作成する情報処理装置であって、収集手段と、シラバス作成手段とを備える。
収集手段は、講義毎に、質問データを収集する。
シラバス作成手段は、任意の回数の講義群が1単位(上述の実施形態でいうまとめ単位)とされ、当該1単位に含まれる前記質問データの内容に応じて当該1単位に適用される分類基準が可変設定され、当該分類基準に従って、当該1単位に含まれる前記質問データが1以上のクラスタに分類された状態で、前記1以上のクラスタ毎に、当該1単位のまとめ講義のシラバスデータを作成する。
【0048】
これにより、実際の質問に則した、実りのある「まとめ講義」が可能になる、という効果を奏する。以下、この効果について、さらに詳しく説明する。
上述のように、まとめ単位(1単位)毎に、他のまとめ単位とは独立して、分類基準が設定される。これにより、各まとめ単位特有のクラススタを用いた分類が可能になる。
例えば、特許法の権利化前をテーマとする各講義のまとめ単位と、特許法の権利化後をテーマとする各講義のまとめ単位とが存在するものとする。
この場合、特許法の権利化前では、例えば権利化になるまでの「手続の流れ(フロー)」が特に重要であり質問数も多くなることが予想されるので、「手続の流れ(フロー)」というクラスタが存在する可能性が高くなる。逆に、権利化後では質問数が少なくなることが予想されるので「手続の流れ(フロー)」というクラスタが存在しないこともあり得る。
また、例えば、平成21年度の特許法の法改正については、特許法の権利化後の方が権利化前よりも改正項目の数が多く、その分だけ質問数も増加するものと予想される。従って、権利化後では「平成21年度法改正」というクラスタが存在する可能性が高くなる一方で、権利化前では「平成21年度法改正」というクラスタが存在しないこともあり得る。
さらに、クラスタは、実際の質問データに基づいて可変設定されるので、同一のテーマであっても、毎年同じになるとは限らない。例えば、平成21年度法改正直後の平成22年における特許法の権利化後をテーマにするまとめ講義では、「平成21年度法改正」というクラスタが存在する可能性が非常に高くなる。これに対して、平成21年度法改正から10年以上経過した後の特許法の権利化後をテーマにするまとめ講義では、「平成21年度法改正」というクラスタが存在しないこともあり得る。
また、同一年の同一のテーマ(例えば特許法の権利化後というテーマ)であっても、各校舎毎(各講師毎)に、異なるクラスタが存在する可能性もあり得る。
このように、本実施形態では、まとめ単位毎に、夫々のまとめ単位に属する質問データの内容に応じたクラスタが用いられて、各質問データの分類が行われる。このまとめ単位毎の分類結果に基づいて、各まとめ単位のシラバスデータが作成される。これにより、実際の質問に則した、実りのある「まとめ講義」が可能になる。
【0049】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される情報処理装置は、サービス提供者サーバ11を例として説明したが、特にこれに限定されない。
【0050】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機サービス提供者サーバ11に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0051】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0052】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図2のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア41は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図2のROM22や、
図2の記憶部28に含まれるハードディスク等で構成される。
【0053】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。