(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(基本実施形態の概要)
本発明に係る車両用ドアの一実施形態について、
図1〜
図4を参照しつつ説明する。
なお、
図1は、本発明の一実施形態である車両用ドア1を備えた車両100を示す側面図である。また、
図2は、
図1に示した車両用ドア1の分解図である。
図3は、
図1に示した車両用ドア1の断面I−Iにおける断面概略図である。
図4は、
図1に示した車両用ドア1の一部を示す概略図である。
【0013】
図1に示すように、車両100の側方には車両用ドア1、具体的にはフロントドア101とリアドア102とが設けられている。フロントドア101及びリアドア102は、車体200側方においてAピラー103とBピラー104とCピラー105とルーフピラー106とサイドシル107とで形成される開口部に対して開閉自在である。フロントドア101は、車体200に設けられるヒンジ108を介して、車体200に対して回動可能であり、リアドア102は、車体200に設けられるラッチ109を介して、車体200に対して係合・脱離が可能である。ドア表面に露出するように設けられるドアハンドル110を操作することで、ラッチ109の係合状態の解除を行うことができる。本実施形態において、該ヒンジ108及び該ラッチ109に対して軸支及び係合する部位は、後述のフレーム部3に設けられている。
なお、フロントドア101及びリアドア102は、本発明に係る車両用ドアの一例である。
【0014】
次に、
図2及び
図3を参照しつつ車両用ドア1の内部構成について説明する。
図2に示すように、フロントドア101は、パネル部2と、フレーム部3と、リンフォース部4とを備える。
【0015】
パネル部2は、車室内側及び車室外側に配置される略板状部材である。パネル部2は、後述のフレーム部3に対して車室内側に設けられるインナパネル21と、フレーム部3に対して車室外側に設けられるアウタパネル22とを有する。インナパネル21及びアウタパネル22は、既存の車両用ドアに用いられる金属製、樹脂製の板材を用いることができる。なお、インナパネル21及びアウタパネル22は、
図3に示すようにフロントドア101下部においてヘム加工等によって相互に固定された状態となる。
【0016】
本実施形態の車両100においては、
図3に示すように、車室内側には左右のサイドシル107間に渡されるように形成されたフロア部111が設けられる。フロア部111の上面側にはシートレール112が配設され、該シートレール112上に乗員が着座可能なシートSが配置される。また、車室内側の意匠を担保すると共に、ウィンドウの昇降操作部材等を取付けるために、インナパネル21の車室内側には樹脂製のドアトリムTが設けられている。
【0017】
フレーム部3は、パネル部2のインナパネル21とアウタパネル22との間に配置される筒状部材である。フレーム部3は、前方部31、後方部32、下方部33、第1傾斜接続部341及び第2傾斜接続部342を有する。前方部31はパネル部2の前部において上下方向に延在する部材であり、後方部32はパネル部2の後部において上下方向に延在する部材である。また、下方部33は前方部31と後方部32の各下部を接続する部材である。更に、第1傾斜接続部341及び第2傾斜接続部342からなる傾斜接続部34は、前方部31及び後方部32の下端部と下方部33とを斜めに接続する部材である。
図3に示すように、前方部31と後方部32と下方部33と第1傾斜接続部341と第2傾斜接続部342とは一体的に形成されている。なお、本発明においては、少なくとも本実施形態で示すような第1傾斜接続部341及び第2傾斜接続部342のいずれかのみが設けられていれば良い。
なお、傾斜接続部34については、
図4を参照しつつ後述する。
【0018】
リンフォース部4は、フレーム部3に接続される短冊形の板状部材である。リンフォース部4は、第1リンフォース41と第2リンフォース42とを有する。第1リンフォース41は、フレーム部3における前方部31と後方部32とを接続する部材である。第2リンフォース42は、第1リンフォース41とフレーム部3の下方部33とを接続する部材である。特に
図3に示すように、本実施形態においては、第1リンフォース41と、第2リンフォース42と、フレーム部3の前方部31と、後方部32とで、パネル部2の間の領域、すなわちドアの内部空間に対する開口部Oを形成する。
【0019】
なお、フレーム部3及びリンフォース部4は、剛性部材として形成され、例えば車両100の側方から生じる衝突で発生する荷重がフレーム部3及びリンフォース部4に作用したときに、荷重を吸収すると共に、骨格部材等の車体構成部材に対して荷重を伝達する部材として設けられている。特に本実施形態におけるフレーム部3は筒状部位の断面形状が圧縮変形することで荷重吸収が良好となり、リンフォース部4は車室外側から内側に向かって押圧されることで接続されているフレーム部3等への荷重伝達が良好となる。
【0020】
フロントドア101には板状のガラス5が配置され、ドア内部でガラス5下端部が保持部6によって固定的に保持されている。保持部6はドア内部に配置される昇降機構部7に取付けられている。昇降機構部7はアクチュエータ、適宜のワイヤ状部材、及び上下方向に延在するレール部材等を有する。ガラス5及び保持部6は、略上下方向に沿って昇降機構部7により昇降動作可能となっている。
【0021】
続いて
図4を参照しつつ、フロントドア101内部の部材配置と、それによる作用効果等について説明する。
図4には、フレーム部3及びリンフォース部4を実線で示し、それらに対応する位置にガラス5、ヒンジ108及びラッチ109等を破線で示している。なお、
図4は、車室内側から見たフロントドア101のフレーム部3及びリンフォース部4を示している。
【0022】
図4に示すように、本実施形態において第1リンフォース41は略前後方向に沿って延在し、第2リンフォース42は略上下方向に沿って延在する。また、前方部31はヒンジ108に車幅方向で重なる部位である前後重複部35を有し、後方部32はラッチ109に車幅方向で重なる部位である前後重複部35を有し、下方部33はサイドシルに車幅方向で重なる下方重複部36を有する。本実施形態では前後重複部35及び下方重複部36は、フレーム部3の車室内側の面に形成される。
なお、図示していないが、本実施形態において、前方部31における前後重複部35にヒンジ108に対して軸支される部位が設けられ、後方部32における前後重複部35にラッチ109に対して係合する部位が設けられている。
【0023】
本発明に係るフレーム部3の前方部31及び後方部32の下端部は、フロントドア101の車体200への取付部材、例えばヒンジ108、ラッチ109、及びドアキャッチャC等より下方まで延在すれば良い。つまり、前方部31及び後方部32の配置領域は、少なくとも取付部材の取付位置を含むように設定される。
【0024】
本実施形態においては、前方部31の下端部は下側のヒンジ108の下端高さ(一点鎖線Aで
図4に示す高さ)に対して略同一に設けられると共に、後方部32の下端部はラッチ109の下端高さ(一点鎖線Bで
図4に示す高さ)に対して略同一に設けられる。つまり、前方部31から下方部33に向かって延在する第1傾斜接続部341は下側のヒンジ108の下端高さより下側に設けられると共に、後方部32から下方部33に向かって延在する第2傾斜接続部342はラッチ109の下端高さより低い位置に設けられる。
【0025】
図4には、フレーム部3の仮想の輪郭として角部343を二点鎖線で示している。角部343は、前方部31及び後方部32の下端部と下方部33とが略直角となるように接続された部位である。第1傾斜接続部341及び第2傾斜接続部342は、角部343を設けた場合よりも、前方部31及び後方部32と下方部33とを短距離で斜めに接続する。よって、フレーム部3は傾斜接続部34を有することで、フレーム部3の全長を短くすることができ、軽量化に寄与することができる。
【0026】
本実施形態における前方部31、後方部32、下方部33及び傾斜接続部34を有するフレーム部3の強度としては、
図1に示した車体200のAピラー103、Bピラー104及びCピラー105等の骨格部材、並びに、既存の車両用ドアの内部に前後に亘って配置されるドアビーム等よりは低くても良く、冷間プレス加工がなされたハイテン材等と同程度に設定されている。このような強度のフレーム部3は、例えば鉄、アルミニウム又は樹脂等によって形成される。
【0027】
本実施形態に係るフロントドア101を備える車両100に対して別の車両等との衝突が側方から生じると、フレーム部3の前方部31及び後方部32と、リンフォース部4の第2リンフォース42とに対して衝突荷重が作用する。前方部31及び後方部32は、荷重を吸収しつつ、フレーム部3全体に荷重を分散する。
【0028】
第2リンフォース42は、接続されている第1リンフォース41と下方部33とに荷重を伝達する。更に、第1リンフォース41は接続されている前方部31と後方部32とに荷重を伝達する。下方部33は荷重を吸収しつつ、フレーム部3全体に荷重を分散する。
【0029】
リンフォース部4はガラスより車室外側に配置されているので、車両用ドア1における乗員から離れた位置で荷重を受けることができ、衝突が進んで衝突物が車室内側に侵入しようとする間は荷重を吸収し続けることができるので、大きな荷重吸収が可能である。
更に、本実施形態では第1リンフォース41がガラスに対して車室内側にも配置されているので、フレーム部3の上部での許容される荷重吸収量を大きくすることができ、より一層のフレーム部3全体での荷重受けが可能となる。
【0030】
フレーム部3は前後重複部35及び下方重複部36を有するので、リンフォース部4、フレーム部3が受けた荷重は、上記Aピラー103、Bピラー104、Cピラー105及びサイドシル107等の車体側の骨格部材に伝達することができる。このとき、前方部31及び後方部32が前後重複部35を介してヒンジ108及びラッチ109に固定されているので、フレーム部3及びリンフォース部4に対して荷重が作用し続けている間に車両用ドア1の位置ズレの発生が抑制され、結果として車体200への荷重伝達がドアの位置ズレにより不能となることを抑制することができる。
【0031】
また、フレーム部3及びリンフォース部4による良好な荷重の吸収、分散及び車体200側の骨格部材等への伝達によって、車両用ドア1が衝突体に押されて車室内に侵入することを抑制可能である。すなわち、車両用ドア1は車室内空間の保持が可能となる。
【0032】
なお、本実施形態に係るフロントドア101は傾斜接続部34を備えているが、フレーム部3自体で荷重吸収が可能であるので、角部343を設けた場合と比べてドアの耐衝突性能が低下し難い。また、衝突物が車両である側突を想定すると、通常はヒンジ108及びラッチ109等の高さに衝突物のバンパ等が当たることになる。これにより、前方部31及び後方部32で正常に荷重を受けることができ、ヒンジ108、ラッチ109及びドアキャッチャC等の取付部材より下方に位置する傾斜接続部34は荷重の作用形態に影響を及ぼし難い。
【0033】
なお、フレーム部3及びリンフォース部4が荷重を受けて車体200に伝達すると共に、傾斜接続部34により角部343が不要となるので、パネル部2は既存のドアパネルよりも薄型化、軽量化、材料の自由化、意匠の自由化等が可能である。
【0034】
(変形例)
以下に、本発明の変形例及び好適例等について説明する。
図5〜
図7には、本発明に係る車両用ドアの変形例を示した。
なお、
図5〜
図7は、本発明のそれぞれ別の実施形態に係る車両用ドアの一部を側面視した概略図である。
図5〜
図7に示すフレーム部3等は、
図1〜
図4に示した部材と同様の部材を用いているので、共通の参照符号を付すこととし、詳細な説明を省略する。
【0035】
図5に示す車両用ドアであるフロントドア201は、ドアビーム8を有している。
図5に示すように、ドアビーム8はフレーム部3に対して前後に亘って取付けられている。ドアビーム8の後端部は、第2傾斜接続部342より後方に突出し、
図5のように車体200を側方視したときに車体構成部材であるBピラー104及びサイドシル107に重複するように配置されている。換言すると、
図5に示すように、ドアビーム8は、前方部31及び第2傾斜接続部342に交差するように配置され、第2傾斜接続部342から後側下方に向かって突出している。
【0036】
ドアビーム8はフレーム部3に対して固定的に取付けられる。なお、ドアビーム8は、フレーム部3より車室外側及び車室内側のいずれかに配置することができ、フレーム部3に傾斜する貫通孔を形成してドアビーム8をフレーム部3に挿通させても良い。ドアビーム8をフレーム部3の車室内外側のいずれかに配置する場合、フレーム部3におけるドアビーム8との交差部位にドアビーム8の配置方向に沿った凹部を形成するのが良い。これにより、フロントドア201の車幅方向の厚みを低減可能なだけでなく、衝突によりドアビーム8とフレーム部3とが相互に押付けられた状態となったときにドアビーム8が凹部に嵌り込んでフレーム部3との相対位置がズレ難くなるので衝突中に荷重を受け続けることができる。
【0037】
フロントドア201に対して衝突が生じたときに、フレーム部3が荷重を受けると共に、ドアビーム8も荷重を受ける。これにより、フレーム部3は上述した実施形態と同様に荷重の吸収、分散及び伝達を行う。更にドアビーム8は、受けた荷重を吸収し、フレーム部3に対して伝達すると共に、後端部が車体構成部材に当接して荷重を伝達する。したがって、
図5に示す実施形態はドアビーム8を特定の配置にしたことによる車体への荷重伝達が良好となるので好ましい。
また、本実施形態ではドアビーム8と前方部31と第1傾斜接続部341と下方部33と第2傾斜接続部342とで略トラス構造が形成され、強固な枠状体としての機能を発揮する。つまり、該トラス構造部分はその形状が崩れにくく、車室内側への良好な耐荷重性を確保することができる。
【0038】
なお、例えば前後重複部35及び下方重複部36が無い場合、つまりフレーム部3が側方視でBピラー104及びサイドシル107に重複していない場合であっても、
図5に示すドアビーム8の配置を採用することで、特にフレーム部3の後側及び下側における車体側への荷重伝達が可能となるので好ましい。
【0039】
続いて
図6に示す車両用ドアであるフロントドア301は、下方重複部36に係合部37を有している。係合部37は、衝突時にサイドシル107に係合する部材である。
図6に示す係合部37は、具体的には下方重複部36の表面部からサイドシル107に向かって突出するボスとして形成されている。この場合、ボスが挿入可能な孔又は溝等がサイドシル107に形成される。
【0040】
フロントドア301に対して衝突が生じたときに、フレーム部3が荷重を受けて車体側に押付けられることによって、係合部37であるボスがサイドシル107の孔等に挿入されて係合状態となる。係合部37が車体と係合状態となることで、衝突荷重が作用し続けている間にフロントドア301の位置ズレの発生がより一層抑制され、車体200への荷重伝達がより一層確実に行われる。
【0041】
なお、
図6に係合部37をボスとして形成し、サイドシル107に挿入孔を形成する実施形態を記載したが、突起部と孔とを逆に配置しても良い。つまり、サイドシル107の板組みの内、中側に配置される板材に車室外側に向かってボスを突設し、下方部33には係合部としてボスの挿入可能な孔又は溝等を形成する形態であっても良い。この場合、衝突によって下方部33がサイドシル107に押付けられたときにサイドシル107の車室外側の板材をボスが突き破って露出し、係合部である孔又は溝にボスが挿入されて係合する。これにより、サイドシル107に孔等を形成しないので従来のサイドシル107の強度を維持しつつ、係合部による衝突時の車両用ドアの位置ズレも抑制可能となる。
【0042】
本発明における係合部と該係合部に係合する部位との組合せの実施形態としては、例えばフランジとそれに挿入、係止可能なスリットとの組合せ、凹凸部とそれに挿入、嵌合可能な凹凸部との組合せ等、様々に変形可能である。
【0043】
図7に示す車両用ドアであるフロントドア401は、第1リンフォース41に脆弱部43を有している。脆弱部43は、車両前方から見て第1リンフォース41における第2リンフォース42の接続部位より前方に設けられる部位であり、第1リンフォース41に荷重が作用した時に変形の起点に成り得る部位である。
図7に示す脆弱部43は、具体的には第1リンフォース41の表面部に略上下方向に沿った溝として形成されている。
【0044】
フロントドア401に対して衝突が生じたときに、リンフォース部4が受けた荷重は、リンフォース部4自体で一部を吸収しつつフレーム部3及び車体200に伝達される。吸収及び伝達可能な大きさを超えた荷重がリンフォース部4に作用すると、脆弱部43が起点となって第1リンフォース41が変形する。このとき、第1リンフォース41は、脆弱部43に対して前側が後側より変形し易い。これは、脆弱部43に対して後側部位においては第1リンフォース41と第2リンフォース42とフレーム部3とで矩形状の枠状体が形成されるので、該枠状体での荷重分散が前側部位に比べて効率的に行われるからである。これにより、第1リンフォース41の脆弱部43より後側、つまり車室内では乗員が着座している領域のドア部材が車室内側に侵入し難いので、乗員保護の観点から好ましい。
【0045】
本実施形態において脆弱部43は車室外側の第1リンフォース41に設けられている。これは、脆弱部43は、第2リンフォース42との接続配置によって第2リンフォース42からの荷重伝達が生じ得る車室外側の第1リンフォース41に形成する必要があるからである。仮に車室内側の第1リンフォース41に第2リンフォース42を接続配置した場合、脆弱部43は第2リンフォース42からの荷重伝達が生じる車室内側の第1リンフォース41に形成されることとなる。
【0046】
なお、体格、体型等を考慮に入れた乗員の着座領域と、特に乗員室内側に侵入が生じ易い衝突形態である前方からの斜め衝突、ポール衝突等の侵入想定領域とに鑑みて第2リンフォース42の前後位置が設定されるのが好ましい。よって、
図7に示すような脆弱部43を設ける形態の場合は、設定された第2リンフォース42の位置に応じて脆弱部43の形成位置を設定するのが良い。
【0047】
以上のように図示した実施形態以外にも、本発明の目的を達成可能な範囲で様々な形態を採用することができる。
【0048】
上述した実施形態ではパネル部2とフレーム部3とは別体で形成されているが、例えばパネル部の間に渡されるフランジ状部位とパネル部とによってフレーム部3のような筒状部位を形成して本発明のフレーム部としても良い。これにより、部品点数の削減、車両用ドアの軽量化に寄与することができる。
【0049】
また、ヒンジ及びラッチとの連結部材が取付けられる部材としては、上述したフレーム部3の前後重複部35以外にも、例えばインナパネル、又はフレーム部とインナパネルとの間に適宜に設けられる他の部材等が挙げられる。フレーム部以外に連結部材が取付けられる場合であっても、フレーム部が前後重複部を有していることで衝突時のフレーム部から車体に対する荷重伝達が阻害されることは無い。
【0050】
上述した実施形態においてリンフォース部4の第1リンフォース41はガラス5に対して車室内外の両側からガラス5を挟みこむように配置していたが、本発明においては第1リンフォースを車室内側のみ、又は車室外側のみに配置しても良い。
【0051】
車室内側のみに第1リンフォースを配置する場合、第2リンフォースをガラスの昇降を行う昇降機構部の軌道部分と兼用することができる。更に、第1リンフォースより車室外側、つまりガラス、フレーム部及びアウタパネル等が配置される側の領域をいわゆるクラッシャブルゾーンとして利用することができるので、車両用ドアでの大きな荷重吸収量を確保することができ、特にリンフォース部より車室内側への車両用ドア及び衝突物の侵入を好適に抑制可能となる。
【0052】
車室外側のみに第1リンフォースを配置する場合、リンフォース部を乗員保護に特化させることができる。つまり、リンフォース部を車室内側のみに設ける場合よりも高い強度を有する材料でリンフォース部を形成することで、本発明におけるリンフォース部での荷重吸収量を向上させ、車両用ドア及び衝突物の車室内側への侵入を好適に抑制可能となる。
【0053】
上述の実施形態における車両100を側方視した場合に第1リンフォース41と第2リンフォース42とにより略T字型を成すリンフォース部4に代えて、第1リンフォース及び第2リンフォースの形状を適宜に変更して例えば略Y字型等の形態も採用可能である。
【0054】
また、傾斜接続部は、前方部、後方部及び下方部との各接続部位の面取り加工を施すことにより、車両側方視でフレーム部がU字型を成すようにしても良い。
【0055】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。