【実施例】
【0067】
(実施例1)顆粒Aの強度
(製剤例1、2)
オキシコドン塩酸塩3水和物(第一三共株式会社)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF AS−HF、信越化学工業株式会社)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(サンローズF1400MC、本製紙ケミカル社)あるいはヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(サンローズF1400MC、日本製紙ケミカル社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(比較例1)
ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(比較例2)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックスWSR N60K、DOW CHEMICAL)エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)V型混合機で混合後、篩過し、打錠機にて圧縮成型を行い、整粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて整粒し顆粒を得た。
(試験方法)
顆粒を錠剤粉砕機(WONDER CRUSHER WC−3)で粉砕し、粉砕前後で粒度分布を測定した。粉砕条件は以下である。
粉砕時間:1分間、試料:5g、ダイヤル:LEVEL 8
(結果)
表4に示すように、比較例1では、粉砕後に明らかに粒度が小さくなった。比較例2では、粉砕前後で、顆粒の粒度が小さくなり顆粒の強度は弱いことがわかった。一方、クエン酸トリエチルが配合されている製剤例1および2では、粉砕前後で顆粒の粒度の変化が小さく、顆粒が強い機械的強度を持っていることがわかった。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
(実施例2)錠剤の崩壊性
(製剤例3、比較例3)
(顆粒A)
ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、信越化学工業社)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(サンローズF1400MC、日本製紙ケミカル社)を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。なお、比較例3ではエチルセルロースを配合していない。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ株式会社)、コリドンCL(BASF)、D−マンニトール(メルク社)を混合し、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.5mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒Cおよびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(試験方法)
以下の条件で製剤の崩壊挙動を溶出試験機を用いて確認し、ベッセル中における製剤の崩壊時間を測定した。
[試験条件]
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:精製水,500 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
(結果)
表6に示すように、エチルセルロースが配合されていない比較例3と比較して、エチルセルロースが顆粒Bに配合された製剤例3は速やかに崩壊した。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
(実施例3)水系溶媒におけるSyringeability評価および抽出性評価
(製剤例4〜6)
(顆粒A)
オキシコドン塩酸塩3水和物(第一三共株式会社)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(製剤例7〜9)
(顆粒A)
オキシコドン塩酸塩3水和物(第一三共株式会社)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、信越化学工業株式会社)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(サンローズF1400MC、日本製紙ケミカル社)を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)あるいはトリアセチン(関東化学株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックスWSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスPH802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(製剤例10、11)
(顆粒A)
トラマドール塩酸塩(PROTOCHEMICALS AG)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業株式会社、L−HPC NBD−022)を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA、)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社、)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(製剤例12)
(顆粒A)
トラマドール塩酸塩(PROTOCHEMICALS AG)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、信越化学工業株式会社)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(サンローズF1400MC、日本製紙ケミカル社))を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックスWSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA、PRUV)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
Syringeabilityの評価
Syringeability評価に用いる溶液(評価溶液):水
Syringeability評価に用いる溶液の量:10 mL
Syringeability評価操作: 粉砕した錠剤に水10 mLを加え、十分に混合する。注射針(27G)をつけたシリンジ(10mL)を用いて混合物を採取する。1分間に採取できた量によってSyringeabilityを評価する。
(試験):オキシコドン塩酸塩を含有する製剤からの薬物抽出性の評価
錠剤1錠相当分に対して抽出用の溶液10 mLを添加し、脱脂綿を介して抽出液をシリンジに採取する。採取した抽出液中の薬物(オキシコドン塩酸塩三水和物またはトラマドール塩酸塩)量を定量することで、製剤の抽出耐性を評価する。抽出液中の薬物量が少ないほど抽出しにくい、すなわち抽出耐性が高いと評価する。
[抽出試験条件]
抽出用の溶液:生理食塩水
抽出に用いる溶液の量:10 mL
抽出操作: 錠剤または破砕した錠剤をガラスビーカーに入れ、抽出液10 mLを加える。予め定めた一定時間、静置した後にスパーテルを用いて錠剤、溶液混合物を攪拌する。攪拌後の混合物に脱脂綿を入れ、注射針(18G)をつけたシリンジ(10mL)を用いて脱脂綿を介して抽出液を採取する。
【0076】
抽出操作によって採取された抽出液中の薬物の濃度を定量する。得られた定量値を用いて錠剤から抽出された薬物量を算出し、抽出率(1錠に含まれる薬物量に対する抽出された薬物量の割合)を求める。
定量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または紫外吸光光度計を用い、以下の条件で実施した。
オキシコドン塩酸塩三水和物の定量
[高速液体クロマトグラフィー法における測定条件]
分析カラム:Shim−pack XR−ODS(3.0 mm I.D.×50 mm, 粒子径2.2 μm, 株式会社 島津製作所)
移動相A:0.015 mol/L 1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム溶液(pH2.5)
移動相B:メタノール
送液条件:
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
時間(分) 移動相A(Vol%) 移動相B(Vol%)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
0 〜 10 74 26
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
流量:毎分約0.5 mL
カラム温度:50 ℃
注入量:5μL
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230 nm)
トラマドール塩酸塩の定量
[紫外吸光光度計法における測定条件]
測定波長 : 273 nm
[高速液体クロマトグラフィー法における測定条件]
試験条件(HPLC)
検出器:紫外吸光光度計 (測定波長 : 273 nm)
分析カラム:Symmetry C8,Waters(3.9mmφ×150mm,5μm),Waters
移動相:Solution A / アセトニトリル(770 / 230)
ここでSolution Aとは水991.5 mL、過塩素酸5mL混合液に28%アンモニア水を加えて、pHをpH2.2±0.2に調整した溶液である。
流量:毎分約2.0 mL
カラム温度:室温
注入量:20μL
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:273 nm)
(結果)
表9、10、13、14に示すように、いずれの製剤例も、ポリエチレンオキサイドが配合されているため、シリンジを介して溶液を得ることはできなかった。また、いずれの製剤例も生理食塩水には製剤から薬物がほとんど抽出されなかった。
【0077】
【表7】
【0078】
【表8】
【0079】
(Syringeability)
【0080】
【表9】
【0081】
(抽出率)
【0082】
【表10】
【0083】
【表11】
【0084】
【表12】
【0085】
(Syringeability)
【0086】
【表13】
【0087】
(抽出率)
【0088】
【表14】
【0089】
(実施例4)水系溶媒におけるSyringeability評価
(製剤例13)
(顆粒A)
オキシコドン塩酸塩(マリンクロット株式会社)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を乳鉢で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(製剤例14)
(顆粒A)
酒石酸水素ヒドロコドン(第一三共株式会社)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を乳鉢で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)、アセトアミノフェン(Compap−Lマリンクロット株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
Syringeabilityの評価
Syringeability評価に用いる溶液(評価溶液):水あるいは生理食塩水
Syringeability評価に用いる溶液の量:10 mL
Syringeability評価操作: 粉砕した錠剤に水10 mLを加え、十分に混合する。注射針(27G)をつけたシリンジ(10mL)を用いて混合物を採取する。1分間に採取できた量によってSyringeabilityを評価する。
(結果)
表17に示すように、いずれの製剤例も、ポリエチレンオキサイドが配合されているため、シリンジを介してほとんど溶液を得ることはできなかった。
【0090】
【表15】
【0091】
【表16】
【0092】
(Syringeability)
【0093】
【表17】
【0094】
(実施例5)有機溶媒からの抽出性
(製剤例15〜18)
(顆粒A)
オキシコドン塩酸塩3水和物(第一三共株式会社)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックスWSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(製剤例19〜21)
オキシコドン塩酸塩3水和物(第一三共株式会社)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、信越化学工業株式会社)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(サンローズF1400MC、日本製紙ケミカル社))を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)あるいはトリアセチン(関東科学株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックスWSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社、HPC−SL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(比較例4)
オキシコドン塩酸塩3水和物(第一三共株式会社)をポリエチレンオキサイド(ポリオックスWSR303、DOW CHEMICAL)、ポリエチレングリコール(マクロゴール6000、日油株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)を乳鉢で混合し、Extruder(HAAK MINICTW、Thermoscientific)に投入後120℃に過熱してExtrudateを得た。Extrudateはカッターで切断し顆粒を得た。
【0095】
なお、トラマドール塩酸塩を含む製剤は実施例3の製剤10〜12を用いた。
(試験)製剤からの薬物抽出性の評価
錠剤1錠相当分に対して抽出用の溶液10 mLを添加し、脱脂綿を介して抽出液をシリンジに採取する。採取した抽出液中の薬物(オキシコドン塩酸塩三水和物またはトラマドール塩酸塩)量を定量することで、製剤の抽出耐性を評価する。抽出液中の薬物量が少ないほど抽出しにくい、すなわち抽出耐性が高いと評価する。
【0096】
[抽出試験条件]
抽出用の溶液:メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン
抽出に用いる溶液の量:10 mL
抽出操作: 錠剤または破砕した錠剤をガラスビーカーに入れ、抽出液10 mLを加える。予め定めた一定時間、静置した後にスパーテルを用いて錠剤、溶液混合物を攪拌する。攪拌後の混合物に脱脂綿を入れ、注射針(18G)をつけたシリンジ(10mL)を用いて脱脂綿を介して抽出液を採取する。
【0097】
抽出操作によって採取された抽出液中の薬物の濃度を定量する。得られた定量値を用いて錠剤から抽出された薬物量を算出し、抽出率(1錠に含まれる薬物量に対する抽出された薬物量の割合)を求める。
【0098】
定量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または紫外吸光光度計を用い、以下の条件で実施した。
【0099】
薬物の定量は実施例3に用いた条件で実施した。
(結果)
表21および表22に示すように、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H)およびカルボキシメチルセルロースナトリウムをいずれも配合していない製剤例15においても有機溶媒からの薬物の抽出性が低く、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H)あるはカルボキシメチルセルロースナトリウムのいずれかが配合されている製剤例16−21では、さらに有機溶媒からの薬物の抽出性が低いことがわかった。特に、メタノールについては、表21に示すように比較例4の溶融押し出し法で製した顆粒からの薬物の抽出量は製剤例16−21に比べて高かった。
【0100】
【表18】
【0101】
【表19】
【0102】
(比較例4)
【0103】
【表20】
【0104】
(オキシコドン塩酸塩の抽出性)
【0105】
【表21】
【0106】
(トラマドール塩酸塩の抽出性)
【0107】
【表22】
【0108】
(実施例6)種々の水溶液および有機溶媒からの薬物の抽出性
[抽出試験条件]
抽出に用いる溶液の量:10 mL
抽出操作: 錠剤または破砕した錠剤をガラスビーカーに入れ、抽出液10 mLを加える。予め定めた一定時間、静置した後にスパーテルを用いて錠剤、溶液混合物を攪拌する。攪拌後の混合物に脱脂綿を入れ、注射針(18G)をつけたシリンジ(10mL)を用いて脱脂綿を介して抽出液を採取する。
【0109】
抽出操作によって採取された抽出液中の薬物の濃度を定量する。得られた定量値を用いて錠剤から抽出された薬物量を算出し、抽出率(1錠に含まれる薬物量に対する抽出された薬物量の割合)を求める。
オキシコドンの定量は実施例3に用いた条件で実施した。
酒石酸水素ヒドロコドンの定量は以下のとおり実施した。
試験条件(HPLC)
検出器:紫外吸光光度計
(測定波長)酒石酸水素ヒドロコドン:210 nm
カラム:Symmetry C18(4.6mm I.D.×250mm, 粒子径5.0μm, Waters)
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相:50mmol/Lリン酸二水素カリウム/アセトニトリル(85:15),0.02%トリエチアルアミン添加混液
サンプルクーラー温度:25℃付近の一定温度
流量:毎分約1.5 mL
注入量:20 μL
分析時間:8分間
なお、本実施例では、以下の製剤例22に加えて実施例3の製剤例13と製剤例14を用いた。
(製剤例22)
(顆粒A)
オキシコドン塩酸塩(マリンクロット株式会社)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を乳鉢で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
【0110】
表24に示すように、いずれの製剤例においても、インタクトな錠剤の場合あるいは錠剤を解砕した場合で種々の水溶液および有機溶媒からの薬物の抽出率は低かった。
【0111】
【表23】
【0112】
【表24】
【0113】
(実施例7)安定性
(製剤例23)
(顆粒A)
オキシコドン塩酸塩3水和物(第一三共株式会社)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(比較例5、6)
オキシコドン塩酸塩3水和物(第一三共株式会社)をポリエチレンオキサイド(ポリオックスWSR303、DOW CHEMICAL)、ポリエチレングリコール(マクロゴール6000、日油株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)(比較例5ではα−トコフェロール(理研ビタミン株式会社)を配合)を乳鉢で混合し、Extruder(HAAK MINICTW、Thermoscientific)に投入後120℃に過熱してExtrudateを得た。Extrudateはカッターで切断し顆粒を得た。
(試験):安定性試験:製剤をガラス瓶にいれて、瓶オープンで、40℃/75%RHに2週間保存した。保存後、類縁物質を測定した。
(試験):類縁物質の評価
試液の調製
1.0.015 mol/L 1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム溶液(pH 2.5)
1)1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム 3.03 gを量り,水1000mLを加えて溶かす。
【0114】
2)この液にリン酸を滴下してpH 2.5に調整する。
2.移動相: 試験条件に記載
3.試料溶解液: 日局溶出試験第2液
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230 nm)
カラム:Shim−pack XR−ODS(3.0 mm I.D.×50 mm, 粒子径2.2 μm, 株式会社 島津製作所)
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相A:0.015 mol/L 1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム溶液(pH2.5)
移動相B:メタノール
送液条件(システム適合性及び標準溶液):
-----------------------------------------------------------
時間(分) 移動相A(Vol%) 移動相B(Vol%)
-----------------------------------------------------------
0 〜 22 77 23
----------------------------------------------------------
送液条件(試料溶液):移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する
-----------------------------------------------------------
時間(分) 移動相A(Vol%) 移動相B(Vol%)
-----------------------------------------------------------
0 〜 22 77 23
-----------------------------------------------------------
22 〜 26 77 → 60 23 → 40
-----------------------------------------------------------
26 〜 40 60 40
-----------------------------------------------------------
40 〜 50 77 23
-----------------------------------------------------------
流量:オキシコドンの保持時間が約15分(毎分約0.5 mL)
サンプルクーラー温度:5℃付近の一定温度
注入量:5 μL
分析時間:22分間(システム適合性及び標準溶液),50分間(試料溶液)
面積測定範囲:2〜22分(システム適合性及び標準溶液),2〜40分(試料溶液)
測定試料の調製
1.試料溶液の調製
1)本品1錠をとり,50 mLのメスフラスコに移す。
【0115】
2)試料溶解液約50 mLを加えた後,直ちに30分間以上激しくかき混ぜる。
【0116】
3)この液を孔径0.45 μmのメンブランフィルターを用いてろ過し,初めのろ液2mL以上を除き,次のろ液を試料溶液とする。
2.標準溶液の調製
試料溶液を下記のどちらかの方法により希釈する。
【0117】
ホールピペットを用いる場合
1)試料溶液1mLをホールピペットを用いて正確に量り,100 mLのメスフラスコに移す。
【0118】
2)試料溶解液を加えて正確に100 mLとし,標準溶液とする。
【0119】
ダイリューターを用いる場合
試料溶液25μL及び試料溶解液2475μLをダイリューターを用いて正確に量り,試験管に移してよく混和し,標準溶液とする。
3.検出の確認用溶液の調製
1)標準溶液1mLをホールピペットを用いて正確に量り,20mLのメスフラスコに移す。
【0120】
2)試料溶解液を加えて正確に20mLとし,検出の確認用溶液とする。
システム適合性
検出の確認: 検出の確認用溶液5 μLにつき,上記の条件で操作するとき,オキシコドンのピーク面積が標準溶液のオキシコドンのピーク面積の3.5〜6.5%になることを確認する。
システムの性能: 標準溶液5μLにつき,上記の条件で操作するとき,オキシコドンのピークの理論段数及びピークのシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上及び0.8〜1.2である。
システムの再現性: 標準溶液5μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,オキシコドンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
定量限界
・定量限界は,0.05%である。
(結果)
表28に示すように、安定化剤であるα−トコフェロールを含まない処方(比較例5)において溶融押し出し法で製した製剤では、安定性試験後に類縁物質の増加が認められた。α−トコフェロールを含む処方で同様に製した製剤(比較例6)では、顕著な類縁物質の増加は認められなかった。製剤23では、安定化剤を含んでいないが、α−トコフェロールを含む溶融押し出しで製した製剤例(比較例6)と同様に類縁物質の増加は小さく安定であった。
【0121】
【表25】
【0122】
【表26】
【0123】
【表27】
【0124】
【表28】
【0125】
(実施例8)錠剤の薬物放出挙動
(製剤例24)
(顆粒A)
オキシコドン塩酸塩3水和物(第一三共株式会社)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックスWSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA、)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社、)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社、HPC−SL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(試験方法)
以下の条件で製剤の溶出挙動を評価した。
[試験条件]
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:精製水,500 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
[試液の調製]
1.0.015 mol/L1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム溶液(pH 2.5)
1)1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム 3.03 gを量り,水1000mLを加えて溶かす。
【0126】
2)この液にリン酸を滴下してpH 2.5に調整する。
2.移動相: 試験条件に記載
3.試料溶解液: 精製水
試験条件(HPLC)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230 nm)
カラム:Shim−pack XR−ODS(3.0 mm I.D.×50 mm, 粒子径2.2 μm, 株式会社 島津製作所)
カラム温度:50℃付近の一定温度
移動相A:0.015 mol/L 1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム溶液(pH2.5)
移動相B:メタノール
送液条件:
------------------------------------------------------------
時間(分) 移動相A(Vol%) 移動相B(Vol%)
------------------------------------------------------------
0 〜 10 74 26
------------------------------------------------------------
サンプルクーラー温度: 25℃付近の一定温度
流量:オキシコドンの保持時間が約7.5分(毎分約0.5 mL)
注入量:5 μL
分析時間:10分間
(測定試料の調製)
1.試料溶液の調製
1)本品1個をベッセル(6個)にそれぞれ入れ,上記の試験条件(溶出試験)で試験を行う。
2)溶出試験開始から規定の時間において、溶出液5mLをカニューラをつけた10mLシリンジで採取する。
3)サンプリング後に5mLの補液を行う。
4)採取した各溶出液を遠心分離(3000rpm、10分、20℃)する。
5)遠心分離した各溶出液を孔径0.45 μmのメンブランフィルター(エキクロディスク、材質:HT・タフリン、直径:25 mm,日本ポール製)でろ過した。
6)最初のろ液2mL以上を除き、次のろ液を試料溶液とした。
2.標準溶液の調製
1)オキシコドン標準品約0.06gを精密に量り,50mLのメスフラスコに移す。
【0127】
2)試料溶解液を加えて溶かし,正確に50 mLとする。
【0128】
3)この液2mLを正確に量り,200mLのメスフラスコに移す。
【0129】
4)試料溶解液を加えて正確に200mLとし,標準溶液I(Std1)とする。
【0130】
5)1)〜4)を繰り返し,標準溶液II(Std2)とする。
(システム適合性)
システムの性能:標準溶液I 5μLにつき,上記の条件で操作するとき,オキシコドンのシンメトリー係数は0.8〜1.2、理論段数は2000段以上である。
システムの再現性(注入の繰り返し):標準溶液I 5μL及び標準溶液II 5μLにつき,上記の条件で試験を3回ずつ合計6回繰り返すとき,秤取量換算した,オキシコドンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
システムの再現性(システムの確認):システムの再現性(注入の繰り返し)の秤取量換算した,オキシコドンのピーク面積の平均値に対する,標準溶液I(Check−sample)の秤取量換算した,オキシコドンのピーク面積の割合は96.0 〜 104.0%である。
(結果)
図1に示すように、製剤例24は、速やかな溶出プロファイルを示した。
【0131】
【表29】
【0132】
(実施例9)錠剤の薬物放出挙動
(製剤例25)
(顆粒A)
オキシコドン塩酸塩3水和物(第一三共株式会社)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、信越化学工業株式会社)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(サンローズF1400MC、日本製紙ケミカル社))を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(DOW CHEMICAL、ポリオックスWSRN60K)、エチルセルロース(DOW CHEMICAL、エトセルSTD100FP)、フマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA、PRUV)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社、セオラスPH102)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業株式会社、L−HPC NB−022)、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社、HPC−SL)、フマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA、PRUV)を混合し顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、およびフマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA、PRUV)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(試験方法)
実施例8と同一の条件で製剤の溶出挙動を評価した。
(結果)
図2に示すように、製剤例25は、速やかな溶出プロファイルを示した。
【0133】
【表30】
【0134】
(実施例10)錠剤の薬物放出挙動
(製剤例26)
(顆粒A)
トラマドール塩酸塩(PROTOCHEMICALS AG)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(サンローズF1400MC、日本製紙ケミカル社))を高速攪拌混合機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−1、深江パウテック株式会社)で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックスWARN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社、)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーンφ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、およびフマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA、PRUV)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(試験方法)
[試液の調製]
1.Solution A
1)ビーカーに水950mLおよび過塩素酸5mLを加えて攪拌する。
2)28%アンモニア水3.5 mLを加えてよく攪拌する。
3) 水41.5mLを加えてよく攪拌する。
【0135】
4) pHを測定して、2.2±0.2に入っていることを確認する。
【0136】
5) pHがこの範囲に無い場合には、28%アンモニア水を加えて、pHを調整する。
2.移動相: 試験条件に記載
3.試料溶解液: 0.1 mol/L (0.1 N) 塩酸試液
[試験条件(溶出試験)]
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:0.1 mol/L (0.1 N) 塩酸試液,900mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分100回転
試験条件(UV)
検出器:紫外吸光光度計 (測定波長 : 273 nmおよび300 nm)
[測定試料の調製]
1.試料溶液の調製
1)本品1個をベッセル(6個)にそれぞれ入れ,上記の試験条件(溶出試験)で試験を行う。
2)溶出試験開始15分,30分,60分後に、溶出液5mL(HPLC法)又は10mL(UV法)をカニューラをつけた10 mLシリンジで採取する。
3)サンプリング後に5mL(HPLC法)又は10mL(UV法)の補液を行う。
4)採取した各溶出液を遠心分離(3000rpm,10分,20℃)し、この上澄み液を試料溶液とする。
2.標準溶液の調製
1)トラマドール原薬 約0.05 gを精密に量り,100mLのメスフラスコに移す。
【0137】
2)試料溶解液を加えて溶かし,正確に100 mLとする。
【0138】
3)この液10 mLを正確に量り,100 mLのメスフラスコに移す。
【0139】
4)試料溶解液を加えて正確に100 mLとし,標準溶液(Std)とする。
[試験条件(HPLC)]
検出器:紫外吸光光度計 (測定波長 :273nm)
カラム:Symmetry C8,Waters(3.9mmφ×150mm,5μm),Waters
カラム温度:室温
移動相:Solution A / アセトニトリル(770 / 230)
サンプルクーラー温度: 室温
流量:毎分約2.0mL
注入量:20μL
分析時間:10分間
システム適合性(HPLC)
システムの再現性(注入の繰り返し):標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,秤取量換算した,トラマドールのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
(結果)
図3に示すように、製剤例26は、速やかな溶出プロファイルを示した。
【0140】
【表31】
【0141】
(実施例11)錠剤の薬物放出挙動
製剤例24を用いて評価した。
(試験方法)
以下の条件で製剤の溶出挙動を評価した。
[試験条件]
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:0.01N塩酸,900 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
以降は実施例8と同じ条件で実施した。
(結果)
図4に示すように、製剤例24は、速やかな溶出プロファイルを示した。
(実施例12)錠剤の薬物放出挙動
製剤例25を用いた。
(試験方法)
以下の条件で製剤の溶出挙動を評価した。
[試験条件]
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:0.01N塩酸,900 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
以降は実施例8と同じ方法で実施した。
(結果)
図5に示すように、製剤例25は、速やかな溶出プロファイルを示した。
(実施例13)錠剤の薬物放出挙動
製剤例13を用いた。
(試験方法)
以下の条件で製剤の溶出挙動を評価した。
[試験条件]
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:0.01N塩酸,900 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
以降は実施例8と同じ方法で実施した。
(結果)
図6に示すように、製剤例13は、速やかな溶出プロファイルを示した。
(実施例14)錠剤の薬物放出挙動
製剤例22を用いた
[試験条件]
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:0.01N塩酸,900 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
以降は実施例8と同じ方法で実施した。
(結果)
図7に示すように、製剤例22は、速やかな溶出プロファイルを示した。
(実施例15)錠剤の薬物放出挙動
製剤例27
(顆粒A)
ヒドロモルフォン塩酸塩(第一三共株式会社)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を乳鉢で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
[試験条件]
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:0.01N塩酸,900 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
試験条件(HPLC)
検出器: 紫外吸光光度計(測定波長: 220 nm)
カラム: Shim-pack XR-ODS(3.0 mm I.D.×50 mm, 粒子径2.2 μm, 株式会社島津製作所
カラム温度: 50℃付近の一定温度
移動相A: 0.015 mol/L 1-ヘプタンスルホン酸ナトリウム溶液(pH 2.5)
移動相B: メタノール
送液条件:
-----------------------------------------------------------
時間(分) 移動相A(Vol%) 移動相B(Vol%)
-----------------------------------------------------------
0 〜 4 70 30
-----------------------------------------------------------
サンプルクーラー温度: 25℃付近の一定温度
流量: 毎分0.5 mLの一定流量(ヒドロモルフォンの保持時間:約2.5分)
注入量: 10 μL
分析時間: 4分間
(結果)
図8に示すように、製剤例27は、速やかな溶出プロファイルを示した。
【0142】
【表32】
【0143】
(実施例16)錠剤の薬物放出挙動
製剤例28
(顆粒A)
オキシコドン塩酸塩(マリンクロット株式会社)、ポリエチレングリコール(PEG6000日本油脂)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を乳鉢で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させた顆粒に、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を加えた、エチルセルロース分散液(AQUACOAT ECD30)の分散液を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にてスプレーし、乾燥して顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
(試験方法)
[試験条件]
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:日本薬局方溶出試験第2液,900 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
以降は実施例8と同じ方法で実施した。
(結果)
図9に示すように、製剤例28は、緩やかな速度で薬物を放出し、徐放性の溶出プロファイルを示した。
【0144】
【表33】
【0145】
(実施例17)錠剤の薬物放出挙動
製剤例29
(顆粒A)
オキシコドン塩酸塩(マリンクロット株式会社)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を乳鉢で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)、アセトアミノフェン(Compap-L、マリンクロット株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、混合末を圧縮成型後、錠剤を得た。
[試験条件]
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:0.01N塩酸,900 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
試験条件(HPLC)
オキシコドンは実施例8の方法で定量した。
アセトアミノフェンは以下のように定量した。
検出器:紫外吸光光度計
測定波長:295 nm
カラム:Symmetry C18(4.6mm I.D.×250mm, 粒子径5.0μm, Waters)
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相:50mmol/Lリン酸二水素カリウム/アセトニトリル(85:15),0.02%トリエチアルアミン添加混液
サンプルクーラー温度:25℃付近の一定温度
流量:毎分約1.5 mL
注入量:20 μL
分析時間:8分間
(結果)
図10に示すように、製剤例29は、オキシコドンおよびアセトアミノフェンを速やかに溶出することを示した。
【0146】
【表34】
【0147】
(実施例18)錠剤の薬物放出挙動
製剤例14を用いた。
(試験方法)
試験条件(溶出試験)
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:0.01N HCl,900 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
試験条件(HPLC)
検出器:紫外吸光光度計
(測定波長)酒石酸水素ヒドロコドン:210 nm
(測定波長)アセトアミノフェン:295 nm
カラム:Symmetry C18(4.6mm I.D.×250mm, 粒子径5.0μm, Waters)
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相:50mmol/Lリン酸二水素カリウム/アセトニトリル(85:15),0.02%トリエチアルアミン添加混液
サンプルクーラー温度:25℃付近の一定温度
流量:毎分約1.5 mL
注入量:20 μL
分析時間:8分間
(結果)
図11に示すように、製剤例14は、ヒドロコドンおよびアセトアミノフェンを速やかに溶出することを示した。
(実施例19)錠剤の薬物放出挙動
製剤例30
(顆粒A)
酒石酸水素ヒドロコドン(第一三共株式会社)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(AQOAT AS−LF、AS−HF、信越化学工業株式会社)、ヒプロメロース(メトローズ90SH−100000SR、信越化学工業株式会社)、タルク(松村株式会社)を乳鉢で混合し、クエン酸トリエチル(シトロフレックス、松村商事株式会社)を精製水に溶解後、その溶液を添加して練合し、押出造粒機(ドームグランDG−L1、不二パウダル株式会社、スクリーン0.6mm)に投入し、押し出し造粒を行った後、マルメライザー(マルメライザー、株式会社ダルトン)にて湿品顆粒を得た。その湿品顆粒を流動層乾燥機(マルチプレックスFD−MP−01、株式会社パウレック)にて乾燥させ、顆粒Aを得た。
(顆粒B)
ポリエチレンオキサイド(ポリオックス WSRN60K、DOW CHEMICAL)、エチルセルロース(エトセルSTD100FP、DOW CHEMICAL)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Bを得た。
(顆粒C)
結晶セルロース(セオラスPH102、旭化成ケミカルズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC NBD−022、信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達株式会社)、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、打錠機で成型後、製粒機(パワーミル、株式会社ダルトン、スクリーン角10mm、φ2mm)にて解砕し、顆粒Cを得た。
(錠剤)
顆粒A、顆粒B、顆粒C、結晶セルロース(セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H 微粉、日本曹達株式会社)アセトアミノフェン(Compap-L、マリンクロット株式会社)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA)を混合し、第一層用の混合末を得た。さらに、プロメタジン塩酸塩(東京化成工業株式会社)、Silicified Microcrystaline celulose(JRS PHARMA)、クロスカルメロースナトリウム(FMC Biopolymer)、ステアリン酸マグネシウム(マリンクロット株式会社)を混合し第二層用の混合末を得た。それぞれの混合末を用いて二層錠を製した。
(試験方法)
試験条件(溶出試験)
試験法:溶出試験法パドル法
試験液:0.01N HCl,900 mL
試験液温度:37.0℃±0.5℃
パドルの回転数:毎分50回転
試験条件(HPLC)
酒石酸水素ヒドロコドンとアセトアミノフェンの定量
検出器:紫外吸光光度計
(測定波長)酒石酸水素ヒドロコドン:210 nm
(測定波長)アセトアミノフェン:295 nm
カラム:Symmetry C18(4.6mm I.D.×250mm, 粒子径5.0μm, Waters)
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相:50mmol/Lリン酸二水素カリウム/アセトニトリル(85:15),0.02%トリエチアルアミン添加混液
サンプルクーラー温度:25℃付近の一定温度
流量:毎分約1.5 mL
注入量:20 μL
分析時間:8分間
プロメタジン塩酸塩の定量
検出器:紫外吸光光度計
測定波長:プロメタジン塩酸塩:220 nm
カラム:L-column2 ODS(4.6mm I.D.×50mm, 粒子径5.0μm, CERI)
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相A:25mLリン酸緩衝液(pH7.0)
移動相B:アセトニトリル
送液条件:
------------------------------------------------------------
時間(分) 移動相A(Vol%) 移動相B(Vol%)
------------------------------------------------------------
0 〜 12 60 40
------------------------------------------------------------
サンプルクーラー温度: 25℃付近の一定温度
流量:毎分1.0mLの一定流量
注入量:50 μL
分析時間:12分間
(結果)
図12に示すように、製剤例30は、ヒドロコドン、アセトアミノフェンおよびプロメタジンを速やかに溶出することを示した。
【0148】
【表35】
【0149】
(製剤例)
以下本技術を用いた処方例を以下に示す。
【0150】
【表36】
【0151】
【表37】