(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本体がさらに頂部と底部とを含み、前記底部が前記第1端部から前記第2端部まで延在し、前記頂部が前記第1端部と前記第2端部との間の隙間を含む、請求項2に記載の装置。
前記統合用クリップの前記ケーブル管理部分を、前記第1カセットトレイレールの前部ループ部分及び前記第2カセットトレイレールの前部ループ部分と位置合わせするステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
前記統合用クリップに下向きの圧を加えて、前記統合用クリップの第1位置合わせポストを前記第1カセットトレイレールに係合させ、前記統合用クリップの第2位置合わせポストを前記第2カセットトレイレールに係合させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
前記統合用クリップの前記ケーブル管理部分、ならびに前記第1カセットトレイレールの前記前部ループ部分及び前記第2カセットトレイレールの前記前部ループ部分を通るようにケーブルを経路決定するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
前記ケーブルは、前記統合用クリップの頂部の隙間を通して前記ケーブルを挿入することによって、前記統合用クリップの前記ケーブル管理部分を通るように経路決定される、請求項14に記載の方法。
前記ケーブルは、前記ケーブルを前記第1カセットトレイレールの前記前部ループ部分の前記頂部の隙間を通して挿入することによって、前記第1カセットトレイレールの前記前部ループ部分を通るように経路決定され、前記ケーブルは、前記ケーブルを前記第2カセットトレイレールの前記前部ループ部分の前記頂部の隙間を通して挿入することによって、前記第2カセットトレイレールの前記前部ループ部分を通るように経路決定される、請求項15に記載の方法。
前記本体が、頂部と底部をさらに含み、前記底部が前記第1端部から前記第2端部まで延在し、前記頂部が前記第1端部と前記第2端部との間の隙間を含む、請求項23に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態による、前部アクセスドアが閉じられているシャーシの等角図である。
【
図2】本発明の実施形態による、前部アクセスドアが開いているシャーシの等角図である。
【
図3】本発明の実施形態による、前部ドアが開き、シャーシカバーが取り外されたシャーシの等角図である。
【
図4】前部ドアが開いており、カセットトレイがコード移動または変更位置、及びカセット交換または追加位置にあるシャーシの等角図である。
【
図5】1つのカセットがシャーシの前部から部分的に取り外されている
図4のシャーシの等角図である。
【
図6】
図5に示すようなカセットトレイレールの前部の拡大図である。
【
図7】統合用クリップが設置されたシャーシの等角図である。
【
図8】
図7に示すような、設置された統合用クリップ及びカセットトレイレールの拡大図である。
【
図9】統合用クリップが一部設置された状態の、
図8の設置された統合用クリップの拡大図である。
【
図10】統合用クリップを外した状態の、
図8の設置された統合用クリップの拡大図である。
【
図11】本発明の実施形態による、前方からの統合用クリップの等角図である。
【
図12】本発明の実施形態による、後方からの統合用クリップの等角図である。
【
図13】頂部カセットトレイレールが定位置にあり、中央カセットトレイレールがコード移動または変更位置にあり、底部レールがカセット交換または追加位置にあるトレイガイド及びカセットトレイレールの透視図である。
【
図14】
図13のトレイガイド及びカセットトレイレールの破断透視図である。
【
図15】バネ突起及びトレイガイド戻り止めの透視図である。
【
図16】前部アクセスドアが開いていて、カセットトレイが取り外されているシャーシの等角図である。
【
図18】ラック据え付けブラケットの等角図である。
【
図19】ラック据え付けブラケットの等角図である。
【
図21A】スラック管理プレート仕切りの等角図である。
【
図21B】スラック管理プレート仕切りの等角図である。
【
図23】中央トレイガイドを取り外した
図16のシャーシの部分分解等角図である。
【
図24】シャーシカバーを取り外した
図16のシャーシの部分分解等角図である。
【
図29】1つのカセットをカセットトレイから取り外す過程にある
図28のカセットトレイの等角図である。
【
図30】1つのカセットをさらにカセットトレイから取り外す過程にある
図28のカセットトレイの等角図である。
【
図31】1つのカセットをさらにカセットトレイから取り外す過程にある
図28のカセットトレイの等角図である。
【
図32】カセットを取り外した状態のカセットトレイの等角図である。
【
図34A】バネ突起及びカセットトレイレールの一部の等角図である。
【
図35A】カセットフレックスビーム及びカセットトレイレールの一部の等角図である。
【
図35B】
図35Aのカセットフレックスビーム及びカセットトレイレールの部分分解等角図である。
【
図36A】正しい向きの第1の態勢のLC−MPOカセットの等角図である。
【
図36B】上下逆向きの第2の態勢のLC−MPOカセットの等角図である。
【
図37】LCアダプタカセットの部分分解等角図である。
【
図38】MPOファイバアダプタパネルの等角図である。
【
図39】
図38のMPOファイバアダプタパネルと、MPOファイバアダプタパネルに設置される、前進する幹線ケーブル分岐脚の等角図である。
【
図40】MPOファイバアダプタパネルの集団機構ペグの間に3本の幹線ケーブル分岐却を固定した
図38のMPOファイバアダプタパネルの等角図である。
【
図41】
図40のMPOファイバアダプタパネルの平面図である。
【
図42】本発明の実施形態による一方向性パッチコード経路決定方式を適用しているシャーシの等角図である。
【
図43】一方向性パッチコード経路決定方式を概略的に示す平面図である。
【
図44】本発明の別の実施形態による分割パッチコード経路決定方式を適用しているシャーシの等角図である。
【
図45】分割パッチコード経路決定方式を概略的に示す平面図である。
【
図46】本発明の実施形態による幹線ケーブル管理システムの等角図である。
【
図47】垂直なケーブルマネージャの等角図である。
【
図48】
図47の垂直なケーブルマネージャの部分的な部分分解等角図である。
【
図49】
図47の垂直なケーブルマネージャの部分的な等角図である。
【
図50】移行バンドリングクリップを付けた移行管理パネルの等角図である。
【
図51】移行バンドリングクリップの平面図である。
【
図52】移行バンドリングクリップが設置された移行管理パネルの等角図である。
【
図54A】移行バンドリングクリップの一部及びバンドリングクリップファスナの拡大図である。
【
図54B】移行バンドリングクリップの一部及びバンドリングクリップファスナの拡大図である。
【
図55】幹線ケーブル管理システムの第2の実施形態の等角図である。
【
図56A】移行管理パネルの第2の実施形態の等角図である。
【
図56B】移行管理パネルの第2の実施形態の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
高密度ファイバエンクロージャシステム2は、シャーシ100、カセットトレイ200、カセット400、取り外し可能な統合用クリップ300、及び取り外し可能な幹線ケーブル管理システム700からなる。エンクロージャシステム2は、互いに積層された、いくつかのシャーシ100で構成し得る。
【0008】
図1は、前部アクセスドア140が閉じられているシャーシ100の外側を示している。
図2は、前部アクセスドア140が開いているシャーシ100を示している。
図3は、シャーシカバー134が取り外されたシャーシ100を示している。また、
図1、
図2及び
図3は、シャーシ100に据え付けられたスラック管理プレート702も示している。
図2、
図3、
図4及び
図5に示しているように、シャーシ100は、複数の摺動式カセットトレイ200を含むことができる。図示の実施形態には、同じ列に互いに隣接して配置された2つのカセットトレイ200がある。さらに、示している実施形態には、3列のカセットトレイ200がある。各カセットトレイ200はカセット400を2つまで保持することができ、1つのシャーシ100に合計6つまでのカセットトレイ200と12個のカセット400を設置できるようになっている。シャーシ内に、同一の列の幾分かのカセットトレイ200、また幾分かの列のカセットトレイを含み得る他の実施形態が企図されている。
【0009】
図4及び
図5に示すように、各カセットトレイ200は、シャーシ100の内外に摺動し得る複数のカセットトレイレール212を含む。
図6は、2つのカセットトレイレール212の前部の拡大図を示す。
図7及び
図8は、2つのカセットトレイレール212に接続された統合用クリップ300を示す。統合用クリップ300を使用して、2つのカセットトレイ200を共に結合することができる。統合用クリップ300は3次元のC字形構造であることが好ましいが、統合用クリップ300はD字形またはO字形であってもよく、統合用クリップ300が2つのカセットトレイ200を共に結合することを可能にする他の任意の形状であってもよい。
図8、
図9、
図10、
図11及び
図12に示しているように、統合用クリップ300は、2つの据え付けポスト302、ケーブル管理領域304、頂部の隙間306及び位置合わせポスト308を有する。据え付けポスト302は、外側カセットトレイレール240または242に位置する統合用クリップ溝252と係合するよう構成される。据え付けポスト302は、統合用クリップ300の両側の後部に位置する。ケーブル管理領域304は、統合用クリップ300の内腔、すなわち、統合用クリップ300内に配置された空きスペースにより画定される。位置合わせポスト308は、統合用クリップ300の最前部に位置する。位置合わせポスト308は、カセットトレイレール212の最前部に係合し、統合用クリップ300のケーブル管理領域304が、カセットトレイレール240または242の前部ループ246と位置合わせするようにする。頂部の隙間306は、統合用クリップ300の後方の頂部に配置され、パッチケーブル4が通るのに十分な大きさである。したがって、パッチケーブル4は、統合用クリップ300のケーブル管理領域304を通るような経路決定をすることによって管理し得る。統合用クリップ300が設置されるとき、ケーブル管理領域304は、カセットトレイレール212の前部ループ246と位置合わせされるので、前部ループ246とケーブル管理領域304とが協働してパッチケーブル4を経路決定する。
図8に示しているように、統合用クリップ300が設置されると、統合用クリップ300の据え付けポスト302はそれぞれ、異なるカセットトレイレール212にある統合用クリップ溝252に係合する。同様に、統合用クリップ300の位置合わせポスト308はそれぞれ、異なるカセットトレイレール212に係合するが、ただし、据え付けポスト302と同じ2つのカセットトレイレール212に係合する。実施形態では、
図9に示しているように、位置合わせポスト308を係合解除することによって、統合用クリップ300をカセットトレイレール212から取り外すことができる。また、据え付けポスト302は、
図10に示しているように係合解除されてもよい。
図11は、統合用クリップ300の正面からの等角図を示し、
図12は、統合用クリップ300の背面からの等角図である。
【0010】
図13及び
図14は、トレイガイド104内の3つの異なる位置にあるカセットトレイレール212を示している。カセットトレイレール212は、トレイガイド102及び106にある同じ3つの位置に配置してもよい。トレイガイド102、104及び106は、カセットトレイ200を3つの別個の位置、定位置、コード移動または変更位置、及びカセット交換または追加位置に配置するのに役立つ前部戻り止め120、中央戻り止め122及び後部戻り止め124を含む。また、トレイガイド102、104及び106は各々3つのトレイガイドチャネル114を含む。
図15は、カセットトレイレール212のバネ突起230と、トレイガイド102、104及び106の戻り止め120、122及び124との相互作用を示す。バネ突起230は、その中心に隆起部256を有する可撓性材料の平らな部分を含む。バネ突起230は、好ましくは、スチールなどの可撓性金属から構成される。バネ突起230の隆起部256は、カセットトレイレール240または242の方向で戻り止め120、122及び124よりも短い長さであり、また好ましくは、戻り止め120、122及び124と係合する形状にする。
図15に示しているように、バネ突起230は、隆起部256の反対方向に撓み、カセットトレイ200及びカセット400を前後方向に摺動させるのに十分な力が加えられると、隆起部256が戻り止め120、122及び124から離れ、カセットトレイレール240または242がトレイガイドチャネル114内のトレイガイド102、104または106に沿って自由に移動することを可能にする。隆起部256が別の戻り止め120、122または124に遭遇すると、隆起部256はその戻り止め120、122、及び124と係合し、十分な力を加えてカセットトレイ200とカセット400を別の位置に摺動させるまで、カセットトレイ200とカセット400を所定の位置に固定する。
【0011】
また、
図16及び
図17にさらに示しているように、シャーシ100は、前方制限フランジ116と、後方制限ブラケット118と、中央前方制限ブラケット136と、中央後方制限ブラケット138と、ラック据え付けブラケット126も備えている。前方制限フランジ116は、左側トレイガイド102及び右側トレイガイド104の最前縁に近接して配置されるシャーシ100の左右の部分の突出部である。前方制限フランジ116の突出部は、シャーシ100の内部に向かって90度曲げられて、カセットトレイ200とカセット交換または追加位置で係合する。後方制限ブラケット118は、左側トレイガイド102、右側トレイガイド104、及び中央トレイガイド106の最後縁に近接して配置または取り付けられたブラケットである。後方制限ブラケットは、定位置でカセットトレイ200と係合する。中央トレイガイド106に取り付けられた中央後方制限ブラケット138は、定位置のシャーシ100の同一列に位置するカセットトレイ200の双方に係合する形状にする。また、中央前方制限ブラケット136は、中央トレイガイド106に取り付けられ、カセット交換または追加位置において、シャーシ100の同列に位置するカセットトレイ200の双方に係合する形状にする。カセットトレイ200がトレイガイド102、104及び106内に設置され、後方制限ブラケット118、中央前方制限ブラケット136及び中央後方制限ブラケット138がシャーシ100に設置されると、カセットトレイ200は、シャーシ100内で維持され、中央前方制限ブラケット136または後方制限ブラケット118及び中央後方制限ブラケット138を最初に取り外さなければ、取り外すことができない。
【0012】
図16及び
図17は、カセットトレイ200及びカセット400が取り外されたシャーシ100を示す。
図17に示しているように、ラック据え付けブラケット126は、シャーシ100と高密度ファイバエンクロージャシステム2との間の接続をもたらす。
図18及び
図19に示しているように、ラック据え付けブラケット126は、2列の皿穴貫通穴128を含むことができる。これは、ラック据え付けブラケット126をシャーシ100に調整できるように据え付けることを可能にする。様々な据え付け位置の選択が、2列の皿穴貫通穴128によってもたらされ、設置者がシャーシ100の前部を高密度ファイバエンクロージャシステム2の前部と位置合わせできるようにしている。また、ラック据え付けブラケット126は、ラック据え付けブラケット126の最前部の頂部及び底部の溝付き切断隙間132を含む。特に、溝付き切断隙間132が設置時にシャーシ100の前部に面するように、ラック据え付けブラケット126の最前部は90度に曲げられてもよい。溝付き切断隙間132は、設置者が高密度ファイバエンクロージャシステム2に位置する2つの事前に設置したネジにシャーシ100を置けるようにすることによって、シャーシ100を事前に設置することを可能にする。事前に設置したネジは、次いでシャーシ100を高密度ファイバエンクロージャシステム2に設置するために締めることができる。
【0013】
図20は、切り欠き704を含むスラック管理プレート702の実施形態を示す。スラック管理プレート702は、任意選択で、
図1〜5に示すような仕切り726を含むこともできる。仕切り726は、使用者が幹線ケーブル分岐脚6を組織することを可能にするスラック管理プレート702の平面に垂直に配置された、取り外し可能または永続的な壁などの構造で形成することができる。
図21Aと
図21Bに、仕切り726の1つの実施形態を示す。
【0014】
図22は、シャーシ100から取り外された中央トレイガイド106を示す。左側トレイガイド102及び右側トレイガイド104は、
図22、
図23及び
図24に示しているようにシャーシ100に取り付けられている。具体的には、シャーシ100の左側の壁108には左側トレイガイド102が取り付けられ、シャーシ100の右側の壁110には右側トレイガイド104が取り付けられている。中央トレイガイド106はシャーシ100に取り付けられている。あるいは、中央トレイガイド106は、左側トレイガイド102と右側トレイガイド104の両方を含むように一体的に形成してもよい。左側トレイガイド102と右側トレイガイド104は互いに鏡像である。トレイガイド102、104及び106の各々は、3つのトレイガイドチャネル114を有する。トレイガイドチャネル114は、カセットトレイ200がシャーシ100の内外に摺動するときにカセットトレイ200を支持するのに役立つ。
【0015】
図22〜24は、後方制限ブラケット118と中央後方制限ブラケット138をさらに示している。後方制限ブラケット118は、左側トレイガイド102、右側トレイガイド104及び中央トレイガイド106の最後縁に近接して配置または取り付けられたブラケットである。後方制限ブラケットは、定位置でカセットトレイ200と係合する。中央トレイガイド106に取り付けられた中央後方制限ブラケット138は、定位置のシャーシ100の同一列に位置するカセットトレイ200の双方に係合する形状にする。カセットトレイ200がトレイガイド102、104及び106内に設置され、制限ブラケット118及び138がシャーシ100に設置されると、カセットトレイ200はシャーシ100内に維持され、最初に後方制限ブラケット118と138を取り外さなければ、取り外すことができない。
【0016】
図25A及び
図25Bは、右側トレイガイド104を示す。右側トレイガイド104は、トレイガイド104の一方の面を長手方向にかつ互いにほぼ平行に延びる複数のトレイガイドチャネル114を含む。一実施形態では、3つのトレイガイドチャネル114は、右側トレイガイド104を含む。さらに、各トレイガイドチャネル114は、
図25Aに示しているように、前部戻り止め120、中央戻り止め122及び後部戻り止め124を含む。
【0017】
図26A及び
図26Bは、中央トレイガイド106を示す。中央トレイガイド106は、トレイガイド106の両側を長手方向にかつ互いにほぼ平行に延びる複数のトレイガイドチャネル114を含む。一実施形態で、中央トレイガイド106の各面に配置された3つのトレイガイドチャネル114は中央トレイガイド106を含む。さらに、各トレイガイドチャネル114は、
図26Aに示しているように、前部戻り止め120、中央戻り止め122及び後部戻り止め124を含む。
【0018】
図27A及び
図27Bは、左側トレイガイド102を示す。左側トレイガイド102は、トレイガイド102の一方の面を長手方向にかつ互いにほぼ平行に延びる複数のトレイガイドチャネル114を含む。一実施形態で、3つのトレイガイドチャネル114が左側トレイガイド106を含む。さらに、各トレイガイドチャネル114は、
図25Aに示しているように、前部戻り止め120、中央戻り止め122及び後部戻り止め124を含む。実施形態では、左側トレイガイド102と右側トレイガイド104は、互いに鏡像である。
【0019】
図28、
図29、
図30、
図31、
図32及び
図33に示しているように、各カセットトレイ200は、トレイベース210と、カセットトレイレール212と、カセットフレックスビーム214とからなる。トレイベース210は、好ましくは、板金ベースから構成される。トレイベース210は、設置者または使用者がパッチコード4(図示せず)にアクセスするための最大の許容範囲を提供する前部凹部領域216を含む。また、トレイベース210は右側カセットベイ218及び左側カセットベイ220を有する。各カセットベイ218及び220は、設置者が、カセットトレイ200の底部及び頂部から、設置されたパッチコード4にアクセスすることを可能にするカセットの隙間222を含む。最後に、左側カセットトレイレール240と右側カセットトレイレール242が各カセットベイ218と220内でカセットトレイ200に配置され、各カセットベイ218と220が、カセットベイ220の左側に配置された左側カセットトレイレール240と、カセットベイ218の右側に配置された右側カセットトレイレール242とを含むようにする。あるいは、中央カセットトレイレール276を使用する場合、右側カセットベイ218は、右側カセットベイ218の右側に配置されたカセットトレイレール242と、右側カセットベイ218の左側に配置された中央カセットトレイレール276とを含むことができ、左側カセットベイ220は、左側カセットベイ220の左側に配置された左側カセットトレイレール240と、左側カセットベイ220の右側に配置された中央カセットトレイレール276とを含むことができる。高密度ファイバエンクロージャシステム2の利用について言及しながら本明細書でさらに論じるように、
図29〜
図31は、カセット400をシャーシ100の前部から取り外す様々な段階のカセットトレイ200を示す。
【0020】
図32と
図33に示しているように、前部パッチコード管理ループ244が、カセットトレイレール212の最前部に配置されている。前部パッチコード管理ループ244は、パッチコード4のための組織構造を提供し、前部ループ246と、パッチコード4を経路決定する隙間248とからなる。隙間248は、パッチコード4が前部ループ246を通って右から左へ、または左から右へ移動することを可能にする。前部ループ246は、パッチコード4が通るのに十分な幅である、最上部の溝250を有する。したがって、パッチコード4は、パッチコード4のいずれかの端部を外すことなく、溝250を介して前部ループ246に出入りすることができる。統合用クリップ溝252は、カセットトレイレール240または242の前部パッチコード管理ループ244の真後ろに位置する。統合用クリップ溝252は、カセットトレイレール240または242の外側に位置する。中央カセットトレイレール276は、統合用クリップ溝252を含まない。カセットトレイレール212のさらに後方には、前部ポスト停止領域234が配置される。前部ポスト停止領域234は、カセット前部ポスト410と相互作用して、カセット400をカセットトレイレール212に適切に固定する。前部ポスト停止領域234の近位及び後方にポスト停止不連続部236が配置される。ポスト停止不連続部236は、カセットトレイレール212の平滑な部分であり、カセット400の前部ポスト410及び後部ポスト412が、ポスト停止不連続部236内のカセットトレイレール212と係合しないことを確実にする。ポスト停止不連続部236の近位及び後方には、後部ポスト停止部238が配置される。後部ポスト停止部238は、カセット400の後部ポスト412と相互作用するように設計されたノッチであり、後部ポスト停止部238が3つの側部で後部ポスト412を捉え、カセット400が上方または後方に移動するのを阻止している。
【0021】
図32及び
図33にさらに示しているように、カセットセンタリング機構258も、カセットトレイレール212に一体化されている。カセットセンタリング機構258は、カセットトレイレール212の底部に位置する三角形の突出部であり、前部ポスト停止領域234のまさに近位及び後方にある。カセットセンタリング機構258は、カセット400がシャーシ100の後部から装填されたときに、外側シャッタ付きLCアダプタ504またはMPOパッチコードアダプタ604がカセットセンタリング機構258と接触するように設計され、カセット400の前方への継続した移動によって、カセット400をカセットトレイレール240または242と適切に位置合わせするよう駆立て、前部ポスト410が前部ポスト停止領域234に係合し、後部ポスト412が後部ポスト停止部238に本質的に同時に係合するようにする。
【0022】
図33は、左側カセットトレイレール240、右側カセットトレイレール242及び中央カセットトレイレール276を示す。カセットトレイレール212は各々、支持リブ228、バネ突起230、前部ポスト停止領域234、ポスト停止不連続部236及び後部ポスト停止部238からなる。左側カセットトレイレール240及び右側カセットトレイレール242は、互いに鏡像であってもよい。実施形態では、中央カセットトレイレール276は、中央カセットトレイレール276の両側について、バネ突起230、前部ポスト停止領域234、ポスト停止不連続部236及び後部ポスト停止部238からなる。代替の実施形態では、中央カセットトレイレール276は、背中合わせに配置された左側カセットトレイレール240と右側カセットトレイレール242とを備える。中央カセットトレイレール276は支持リブ228を含まない。左側カセットトレイレール240は左側トレイガイド102内を移動し、右側カセットトレイレール242は右側トレイガイド104内を移動する。カセットトレイレール212の支持リブ228は、カセットトレイレール240または242及びカセットトレイ200を支持するトレイガイド102、104、106の頂部に沿って移動する。カセットトレイレール240または242の支持リブ228は、カセットトレイレール240か242の底部に沿って、カセットトレイレール240から242の後部から、前部パッチコード管理ループ244に広がる。
【0023】
図13及び
図14に示しているように、カセットトレイ200及びカセット400が3つの異なる位置で高密度ファイバエンクロージャ2に出入りする移動を容易にするために、カセットトレイレール212のさらなる機構が設計されている。停止ブロック232は、前方制限フランジ116と相互作用して、カセット交換または追加位置でのカセット400の前方移動を制限する。カセット交換または追加位置は、カセットトレイ200及びカセット400の最も前方に配置され、使用者がカセットを交換またはシャーシ100に追加することを可能にする。停止ブロック232(
図34A及び
図34Bに示しているように)をカセットトレイレール212の後部付近に配置して、カセット交換または追加位置でカセット400の前進動作が停止するようにする。
【0024】
図34A及び
図34Bに示しているように、カセットトレイレール240及び242の最後部にバネ突起230が配置されている。中央カセットトレイレール276はバネ突起230を含まない。バネ突起230は戻り止め120、122及び124と干渉し、カセット400及びカセットトレイ200を定位置、コード移動または変更位置、及びカセット交換または追加位置に配置するようにする。特に、バネ突起230は、カセット交換または追加位置で前部戻り止め120内に配置される。バネ突起230は、コード移動または変更位置の中央戻り止め122内に配置される。最後に、バネ突起230は、定位置の後部戻り止め124内に配置される。バネ突起230は、中心に隆起部256を有する可撓性材料の平坦な部分を含む。バネ突起230は、好ましくは、スチールなどの可撓性金属から構成される。バネ突起230の隆起部256は、カセットトレイレール240または242の方向で戻り止め120、122及び124よりも短い長さであり、好ましくは、戻り止め120、122及び124と係合するような形状にする。
図15に示しているように、バネ突起230は隆起部256の反対方向に撓み、カセットトレイ200及びカセット400を前後方向に摺動させるのに十分な力が加えられると、隆起部256が戻り止め120、122及び124から離れ、トレイガイド102、104または106に沿ってカセットトレイレール240または242が自由に移動できるようにする。隆起部256が別の戻り止め120、122または124に遭遇すると、隆起部256は戻り止め120、122または124と係合し、カセットトレイ200及びカセット400を別の位置に摺動させるのに十分な力が加えられるまで、カセットトレイ200及びカセット400を定位置に固定する。
【0025】
図35A及び35Bに示しているように、カセットフレックスビーム214は、カセット400に係合するような形状のビームで形成し、カセット400がカセットトレイ200にしっかりと設置され、カセットトレイ400内でカセット200の所望ではない動きが生じないようにする。左側カセットフレックスビーム260は、左側カセットトレイレール240に配置され、右側カセットフレックスビーム262は右側カセットトレイレール242に配置される。左側カセットフレックスビーム260は右側カセットフレックスビーム262の鏡像である。カセットフレックスビーム214はビーム部264、捕捉壁266、前部リードイン268及び据え付け穴270を備える。カセットフレックスビーム214のビーム部264は、捕捉壁266と据え付け穴270との間に配置され、略水平である。カセットフレックスビーム214の捕捉壁266は、ビーム部264の最後部に配置され、略垂直である。捕捉壁266は、カセット400の前部ポスト410と係合するような形状にされるディボット272を含み、可撓性ビーム214を偏向させるのに十分な上向きの力がカセット400に加えられるまで、捕捉壁266がカセット400を上方向に移動しないようにする。また、捕捉壁266はカセット400の前部ポスト410に後方への圧を加えて、カセット400が設置された位置にある間、ガタつきまたは他の望ましくない動きを最小にする。前部リードイン268は、捕捉壁266の一部であり、捕捉壁266の残りの部分から後方に突き出している。前部リードイン268は、前部カセットの設置中にカセット400の前部ポスト410をディボット272内に案内する。前部リードイン268はまた、ディボット272の頂部を形成する。据え付け穴270は、カセットフレックスビーム214のビーム部264の最前部に配置される。据え付け穴270は、フレックスビーム214をカセットトレイレール212と組み立てたときに、フレックスビーム214をカセットトレイレール240または242に据え付けるよう構成される。また、カセットフレックスビーム214は、カセットトレイレール212と一体的に形成されてもよい。カセットフレックスビーム214が、カセットトレイレール212と一体的に形成される場合、据え付け穴270は不要である。
【0026】
高密度ファイバエンクロージャシステム2、LC−MPOカセット500(
図36A、
図36B及び
図37)、及びMPOファイバアダプタパネル(本明細書では、以下、「MPO FAP」とする)600(
図38、
図39、
図40及び
図41)で使用するための2つの異なるタイプのカセット400が開示されている。ただし、他の種類のカセット400も使用できる。高密度ファイバエンクロージャシステム2で使用されるカセット400は、カセット本体406、カセットカバー408、カセット前部ポスト410、カセット後部ポスト412、カセット後部ポスト解除ラッチ414、及びカセット後部解除ラッチ停止部416を有してもよい。カセット本体406は、略長方形であり、ベース418、右側側面420及び左側側面422を有する。右側側面420は右側の壁424、左側側面422は左側の壁426を有し、ベース418の右側側面420と左側側面422において、ベース418に対してほぼ90度の角度で取り付けられている。カセットカバー408は、右側の壁424から左側の壁426までカセット本体406のベース418に平行に延在するように設けられている。カセットカバー408は、カセット400の構成要素を保護するために設けられている。また、カセット400は上面インジケータ428と底面インジケータ430を含むことができる。上面インジケータ428は、カセットカバー408の外側部分に配置される。また、視認可能であるとき設置されたカセット400の上から見えるように、カセット400が正しい向きの第1の態勢で配置されることを示す(
図36A参照)。底面インジケータ430は、カセット本体406の外側部分に配置され、視認可能であるとき設置されたカセット400の上から見えるように、カセット400は、上下逆向きの第2の態勢で配置されることを示す(
図36B参照)。上面インジケータ428と底面インジケータ430は、隆起エンボス加工、カセット400に取り付けられたプレートまたはラベル、塗装された領域、または他の任意の形態のマーキングから構成されることが可能である。上面インジケータ428と底面インジケータ430は、カセット400が正しい向きの第1の態勢にあるか、上下逆向きの第2の態勢にあるかを使用者に知らせるのに十分な単語、数、フレーズ、記号、またはそれらの組み合わせであってもよい。あるいは、カセット400の上面及び底面に凹部436を設けて、使用者が自分のラベルをカセット400の両面に貼り付ける位置にすることができるようにしてもよい。凹部436は任意の形状でよいが、好ましくは長方形である。
【0027】
上述したように、カセット前部ポスト410は、カセットトレイレール前部ポスト停止領域234と相互作用するように設計され、設置された位置でカセット前部ポスト410が、カセットトレイレール前部ポスト停止領域234の内側にあり、カセットトレイレール前部ポスト停止領域234に位置するカセットフレックスビーム214の捕捉壁266によって、前方への移動が阻止されるようにする。カセット後部ポスト412は、カセット設置位置においてカセットトレイレール後部ポスト停止部238と相互作用するように設計されている。カセット設置位置では、カセット後部ポスト412は、カセットトレイレール後部ポスト停止部238内に保持され、カセット400の後方及び上方への移動を阻止する。
【0028】
図36A、
図36B、
図37、
図38、
図39、
図40及び
図41に示しているが、カセット後部ポスト解除ラッチ414は、使用者がカセット400を取り外すことを望むとき、カセット後部ポスト412をカセットトレイレール後部ポスト停止部238から係合解除するように設計される。カセット後部ポスト解除ラッチ414は、好ましくは、カセット後部ポスト412の後部からの突出部432と、カセット400の本体と後部ポスト412との間にある隙間434とから構成される。カセット後部ポスト解除ラッチ414は、カセット後部ポスト解除ラッチ414に圧が加えられたとき、後部ポスト412が内側に撓むようにする弾性材料から構成される。使用者がカセット400を取り外すことを望むとき、使用者は、カセット後部ポスト解除ラッチ414に内向きの圧を加える。その後、カセット後部ポスト412は、内方へ移動し、カセットトレイレール後部ポスト停止部238から係合解除される。その時、カセット400は、カセットトレイ200から取り外すことができる。カセット後部ポスト解除ラッチ停止部416は、カセット400の本体の所定の位置に配置され、カセット後部ポスト解除ラッチ414に内向きの圧力が加えられたときに、カセット後部ポスト解除ラッチ414に係合する。カセット後部ポスト解除ラッチ停止部416は、カセット後部ポスト412が内方へ十分な距離移動できるように位置付けられ、カセット後部ポスト412が内方へ過度に移動するのを阻止しながら、カセットトレイレール後部ポスト停止部238から係合解除する。カセット後部ポスト412の内方への過度な移動を阻止することは、不要な材料の疲労及び/またはカセット後部ポスト解除ラッチ414の故障を最小限に抑え、カセット400の使用可能寿命を延ばすことができる。カセット後部ポスト解除ラッチ停止部416は、ポスト、またはカセット400の本体から延びる他の突出部から構成されることが可能である。あるいは、カセット後部ポスト解除ラッチ停止部416は、カセット400の本体の一部であってもよい。
【0029】
上述したように、高密度ファイバエンクロージャシステム2では、少なくとも2つの異なるタイプのカセット400、すなわちLC−MPOカセット500(
図36A、
図36B及び
図37)及びMPO FAP600(
図38、
図39、
図40及び
図41)を使用することができる。上述したカセットの機構に加えて、LC−MPOカセット500は、前部LC据え付け面502、シャッタ付きLCアダプタ504、後部MPO据え付け開口部506及びMPO幹線アダプタ508を含む。前部LC据え付け面502は、LC−MPOカセット500の前部に位置し、シャッタ付きLCアダプタ504を据え付けるための場所を提供する。シャッタ付きLCアダプタ504は、シャッタ付きLCアダプタなどのデータ管理センター内のパッチコード4を接続するための、当該技術分野で知られ使用されている標準的なアダプタである。あるいは、例えば、シャッタ付きLCアダプタやシャッタの付いていないLCアダプタを使用することができる。前部LC据え付け面502は、最大6つのシャッタ付きLCアダプタ504のための空間を提供する。MPO幹線アダプタ508は、カセット本体406の後部に位置し、各々がダストキャップ16を含む幹線ケーブル分岐脚6に接続する。ダストキャップ16は、MPO幹線アダプタ508に幹線ケーブル分岐脚6を設置する前に、幹線ケーブル分岐脚6から取り外す。MPO幹線アダプタ508は、パンドウイット(Panduit)のSCスタイルのシンプレックスフォームアダプタなどの、当該技術分野において知られる標準的なアダプタである。後部MPO据え付け開口部506は、カセット本体406の後部に位置し、MPO幹線アダプタ508をカセット本体406に据え付けるために、カセット本体406に場所を各々提供する。一実施形態で、4つのMPO据え付け開口部506が、カセット本体406に位置し、このカセット本体406により、最大4つのMPO幹線アダプタ508をカセット本体406に据え付けることが可能になる。
【0030】
LC−MPOカセット500(または他のタイプのカセット400)に代わるものとして、MPO FAP600を、
図38、
図39、
図40及び
図41に示すように使用することができる。上述したカセットの機構に加えて、MPO FAP600は、前部MPO据え付け面602、MPOパッチコードアダプタ604、底部開口部608及び集団機構610も含む。前部MPO据え付け面602は、カセット本体406の前部に位置し、最大6つのMPOパッチコードアダプタ604を据え付けるための場所を提供する。MPOパッチコードアダプタ604は、パッチコード4をカセット600に接続するように構成されている。最大6つのMPOパッチコードアダプタ604が、各々がダストキャップ16を有する最大6つの幹線ケーブル分岐脚6を接続するための場所を提供する。幹線ケーブル分岐脚6をMPOパッチコードアダプタ604に設置する前に、ダストキャップ16を幹線ケーブル分岐脚6から取り外す。底面開口部608は、カセット本体ベース418に配置され、前部MPO据え付け面602の真後ろにある。底面開口部608により、使用者は、MPO幹線ケーブル分岐脚6に上下からアクセスすることができ、使用者は幹線ケーブル分岐脚6をMPO幹線アダプタ604に接続するか、MPO幹線アダプタ604から外すことができる。
【0031】
図38〜41に示しているように、集団機構610は、MPO FAP600内のMPO幹線アダプタ604に取り付けられた幹線ケーブル分岐脚6を設置、追加、または変更するための幹線ケーブル分岐脚6の捕捉及び経路決定システムを提供する。集団機構610は、MPO FAP600のベース418に配置される複数の列の偏倚ペグ612から構成される。ペグ612は、円筒形、三角形、長方形などの任意の形状であってよい。好ましくは、各列に3〜4個のペグ612が設けられる。幹線コード6を設置するとき、使用者は幹線ケーブル分岐脚6をペグ612の列に経路決定する。ペグ612の列の偏倚している性質により、幹線ケーブル分岐脚6の位置がゆるく保持され、カセット600がカセットトレイ200の動きにより、カセット取り出しまたは追加位置へ移動する。カセットトレイ200がカセット取り出しまたは追加位置にくると、MPOコネクタ8がペグ612から係合解除され、幹線ケーブル分岐脚6はMPO幹線アダプタ604に達するように延伸し、その時点でMPOコネクタダストキャップ16を取り外すことができる。次に、幹線ケーブルMPOコネクタ8は、MPO幹線アダプタ604に接続される。幹線ケーブル分岐脚6は、ペグ612の列を通ったままであってよい。
【0032】
図42、
図43、
図44及び
図45は、カセットトレイ200内のケーブル管理の複数の実施形態を示す。
図42は、パッチケーブル4が前部パッチコード管理ループ244を通って一方向に経路決定される一方向性ケーブル管理方式を示す。
図42及び
図43に示しているように、一方向性方式を使用する場合、通常、統合用クリップ300が設置される。
図43は、
図42に示すケーブルの流れの俯瞰図を示す。
図44は、パッチケーブル4が前部パッチコード管理ループ244を通るように2つの別々の方向に経路決定される分割経路決定ケーブル管理方式を示す。具体的には、
図44に示しているように、シャーシ100の左側に設置されたカセットトレイ200から出たパッチケーブル4は、シャーシ100の左側に経路決定され、シャーシ100の右側に設置されたカセットトレイ200から出るパッチケーブル4は、シャーシ100の右側に経路決定される。
図45は、
図44に示すケーブルの流れの俯瞰図を示す。
【0033】
図46に示しているように、高密度ファイバエンクロージャシステム2は幹線ケーブル管理システム700も含むことができる。幹線ケーブル管理システム700は、スラック管理プレート702及び垂直なケーブルマネージャ708を含む。
【0034】
図46(
図1〜5と同様)に示しているように、スラック管理プレート702は、バネ装填ファスナ706及び支持ピン724(
図20に示す)を使用して、スラック管理プレート702の最前部をシャーシの左側の壁108と右側の壁110の最後部に取り付けることによりシャーシ100に据え付けられている。支持ピン724は、スラック管理プレート702に接続され、スラック管理プレート702が支持ピン724の周りを回転できるようにする。バネ装填ファスナ706は、スラック管理プレート702をシャーシの左側の壁108と右側の壁110に固定する。スラック管理プレート702は比較的平らな面を提供し、その面にシャーシ100を出る幹線ケーブル分岐脚6の一部分が静止し、幹線ケーブル分岐脚6の引張を低減することができる。さらに、スラック管理プレート702は、幹線ケーブル分岐脚6のスラックの管理を可能にし、これはカセットトレイ200の完全な伸張により、幹線ケーブル分岐脚6への引張をさらに減らせるようにするのに適切なものである。スラック管理プレート702は、好ましくは切り欠き704を含み、これらはスラック管理プレート702上にあるときに、幹線ケーブル分岐脚6を取り外し可能かつ確実に組織するために、ピン、ファスナ、セパレータ、ケーブルタイ、及び/または他の機構を可能にするものである。切り欠き704は任意の形状であってよいが、
図1〜5に示しているように、好ましくは正方形または長方形である。好ましくは、1つのカセット400に設置された幹線ケーブル分岐脚6は、仕切り726の一方の側に配置することができ、他方のカセット400に設置された幹線ケーブル分岐脚6は、仕切り726の他方の側に配置し得る。スラック管理プレート702は、好ましくは各シャーシ100に据え付けられる。
【0035】
図46、
図47及び
図48に示しているように、垂直なケーブルマネージャ708は、高密度ファイバエンクロージャシステム2の側面に据え付けられ、幹線ケーブル14及び幹線ケーブル分岐脚6への引張を組織及び低減するための構造を提供する。垂直なケーブルマネージャ708は、取り付けポイント712及びパネル取り付けクリップ714を有する移行管理パネル710、ケーブル管理フィンガ716、及び移行凹部720及びバンドリングクリップファスナ722を有する移行バンドリングクリップ718からなる。
図49に示しているように、移行管理パネル710は、幹線ケーブル管理システム700に据え付けられ、これらが略垂直で、スラック管理プレート702に対して偏倚するようにする。移行管理パネル710は、移行バンドリングクリップ用の取り付けポイント712を含む。
図52に示しているように、移行バンドリングクリップの取り付けポイント712は、移行管理パネル710内に構成された細長い穴であり、移行バンドリングクリップ718が、移行管理パネル710にしっかりと係合するか、ピン、ファスナ、セパレータ、ケーブルタイ及び/または他の機構が、幹線ケーブル14または幹線ケーブル移行部20を取り外し可能かつしっかりと組織することができる。複数の取り付けポイント712を各移行管理パネル710に配置することが好ましく、取り付けポイント712は、いくつか列がある複数の取り付けポイント712に配置することが好ましく、移行バンドリングクリップ718を互い違いに移行管理パネル710に取り付けられるようにする。パネル取り付けクリップ714は、略長方形の移行管理パネル710の各コーナーに概して配置され、移行管理パネル710がケーブル管理フィンガ716にしっかりと固定されるように構成されている。
【0036】
図47、
図48及び
図49に示すように、ケーブル管理フィンガ716が垂直なケーブルマネージャ708からシャーシ100の前後に向かって突き出している。ケーブル管理フィンガ716は、好ましくは、シャーシ100から最も遠いフィンガ716の端部に垂直な部分を含み、ケーブルをさらにしっかりと動かないようにする。移行管理パネル710は、好ましくは、ケーブル管理フィンガ716に据え付けられ、各移行管理パネル710の各パネル取り付けクリップ714が、異なるケーブル管理フィンガ716に配置されるようにする。移行管理パネル710は、ケーブル管理フィンガ716に、ケーブル管理フィンガ716の長さに沿った任意の点で固定することができ、それにより使用者はケーブル管理パネル710を互い違いにすることが可能になり、いくつかの移行管理パネル710が他の移行管理パネル710よりも垂直なケーブルマネージャ708の近くに位置するようにする。それによって、より多くの幹線ケーブル14及び幹線ケーブル分岐脚6が、幹線ケーブル14への引張が少ない状態で、より小さい領域で良好に管理できるようになる。
【0037】
図47、
図48、
図49、及び
図50に示しているように、移行バンドリングクリップ718は、取り付けポイント712を介して移行管理パネル710に据え付けられている。
図51に示しているように、移行バンドリングクリップ718は移行陥凹部720を含む。移行陥凹部720は、好ましくは、幹線ケーブル14と幹線ケーブル分岐脚6との間の幹線ケーブル移行部20内に配置され、幹線ケーブル移行部20が移行陥凹部720内にしっかりと収容され、移行部への引張を減少または除去するようにする。
【0038】
図52及び
図53に示しているように、パネル取り付けクリップ714は、好ましくは、2つのタイプのクリップ、スナップフィットパネル取り付けクリップ728またはルーズフィットパネル取り付けクリップ730のうちの1つである。好ましくは、2つのスナップフィットパネル取り付けクリップ728は、移行管理パネル710の一方の側に位置し、2つのルーズフィットパネル取り付けクリップ730またはスナップフィットパネル取り付けクリップ728は、移行管理パネル710の反対側に位置する。
図54A及び
図54Bに示しているように、バンドリングクリップファスナ722は、移行バンドリングクリップ718及び移行管理パネル710と係合して、移行バンドリングクリップ718を移行管理パネル710にしっかりと固定する。
【0039】
幹線ケーブル14、幹線ケーブル分岐脚6、幹線ケーブル移行部20を管理するための別の実施形態で、
図55に示しているように、移行管理パネル710aは、高密度ファイバエンクロージャシステム2のラック装置レール18に据え付けることができる。
図56A及び56Bに示しているように、移行管理パネル710aは、移行管理パネル710aをラック装置レール18に直接固定するための取り付けポイント712ならびに溝付き切断隙間714aを含む。移行管理パネル710aは、移行管理パネル710aが高密度ファイバエンクロージャシステム2の側面に沿って、または高密度ファイバエンクロージャシステム2の後部に沿って延在するように、高密度ファイバエンクロージャシステム2のラック装置レール18に据え付けてもよい。使用者は、移行バンドリングクリップ718を用いて、幹線ケーブル移行部20を、幹線ケーブル14と幹線ケーブル分岐脚6の間に固定することができるが、この移行バンドリングクリップ718は取り付けポイント712を介して移行管理パネル710aに据え付けられ、バンドリングクリップファスナ722で固定される。あるいは、使用者は、移行管理パネル710aの幹線ケーブル移行部20を、取り付けポイント712によって、当技術分野に既知のファスナ、例えばフック及びループテープで固定することができる。
【0040】
次に、高密度ファイバエンクロージャシステム2の上記の機構の利用について説明する。
【0041】
シャーシ100を高密度ファイバエンクロージャシステム2に接続するために、使用者は、例えば
図17、
図18及び
図19に示しているように、ラック据え付けブラケット126を、シャーシ用ネジ130により皿穴貫通穴128を介してシャーシ100に接続する。数列の皿穴貫通穴128が設けられ、使用者が適切な皿穴貫通穴128を選択することができるようにし、その皿穴貫通穴128が、高密度ファイバエンクロージャシステム2の前部を設置位置でシャーシ100の前部で位置合わせするに至る。使用者は、シャーシ用ネジ130を皿穴貫通穴128、そしてシャーシ100に挿入し、据え付けブラケット126を取り付ける。
【0042】
シャーシ100を高密度ファイバエンクロージャシステム2に据え付けるために、例えば
図46に示しているように、使用者は、ネジを完全に締め付けることなく、高密度ファイバエンクロージャシステム2に配置された保持用の穴10にネジを事前に設置する。使用者は、例えば、
図18及び
図19に示しているように、ラック据え付けブラケット126を、溝付き切断隙間132を介して事前に設置されたネジに引っ掛けて、据え付けブラケット126に取り付けられたシャーシ100を、溝付き切断隙間132の略水平な位置に置けるようにする。シャーシ100が所望の位置にきたら、その時使用者は事前に設置されているネジをきつく締め、シャーシ100を高密度ファイバエンクロージャシステム2内へと固定する。
【0043】
使用者は、シャーシ100の後部または前部のいずれかから、シャーシ100のカセットトレイ200の中へカセット400を装填することができる。シャーシ100の後部からシャーシ100の中へカセット400を装填するために、使用者は、カセット400を、例えば、
図28に示しているように、カセット400の前部、すなわち、カセット前部ポスト410に最も近いカセット400の部分をカセットベイ218または220に最初に装填して、左側カセットベイ218または右側カセットベイ220に挿入し得る。カセット前部ポスト410はカセット後部ポスト412よりも狭く、そのため後部ポスト停止部238を通る際に後部ポスト停止部238と係合しない。使用者は、カセット後部ポスト412が後部ポスト停止部238と係合するまで、カセット400をカセットベイ218または220内に前進させることができる。カセット後部ポスト412が後部ポスト停止部238に係合しているとき、カセット400はカセットベイ218または220内にさらに前進することができない。カセット後部ポスト412が後部ポスト停止部238と係合すると同時に、カセット前部ポスト410は、カセットフレックスビーム214の捕捉壁266と係合する。カセットフレックスビーム214の捕捉壁266は、カセット前部ポスト410を保持し、これらがカセットベイ218または220に対してさらに前進できないようにする。カセットフレックスビーム214の捕捉壁266は、カセット前部ポスト410に後方への圧を加えることができ、カセット後部ポスト412を後部ポスト停止部238としっかり係合し、カセット400がガタつかないように、さもなければ不意に動かないように保証している。次いで、使用者は、必要に応じて、パッチコード4及び幹線ケーブル分岐脚6をカセット400に接続することができる。次いで、使用者は、後述するように、パッチコード4及び幹線ケーブル分岐脚6を経路決定することもできる。あるいは、使用者は、カセット400をカセットベイ218または220に装填する前に、幹線ケーブル分岐脚6をカセット400に設置することができる。
【0044】
カセット400を高密度ファイバエンクロージャ2の前部から装填するために、使用者はまずカセットトレイ200を、以下に説明するカセット追加または交換位置に前進させる。次いで使用者は、例えば
図28及び
図29に示しているように、最初にカセットトレイ200のベース210にカセット400の後部を配置することによって、カセット400をシャーシ100の前部から、後部、つまりカセット後部ポスト412に最も近いカセットの部分をカセットベイ218または220に装填した状態で、右側カセットベイ218か左側カセットベイ220に挿入し、カセット後部ポスト412がカセットトレイレール212の前部ポスト停止領域234と後部ポスト停止部238との間に位置するようにする。カセット400は、カセット400の前部が、カセット400の後部よりも高くなるように、わずかに上方に傾けられている。次いで、後部ポスト412が後部ポスト停止部238と係合するまで、カセット400の前部がカセット400の後部より幾分高い位置にあるように、カセット400の傾きを維持したまま、使用者は後方へとカセット400を進ませる。カセット400の後部よりも前部を高くし続けることで、他の装置との接触を最小限に抑えている。カセット400は、シャーシ100に設置された他のカセット400に接続され、カセットトレイレールのパッチコード管理ループ244を通るように経路決定されるいかなるパッチコード4をも外すべきである。後部ポスト412が後部ポスト停止部238に固定されると、使用者は、前部ポスト410の領域でカセット400に下方への圧を加える。下方への圧を加えられると、カセットフレックスビーム214が撓み、前部ポスト410が、捕捉壁266の前部リードイン268を滑るように越えて、カセットフレックスビーム214の捕捉壁266と係合することを可能にする。使用者は次いで、必要に応じてパッチコード4及び幹線ケーブル分岐脚6をカセット400に接続し、さらに、後述するようにパッチコード4及び幹線ケーブル分岐脚6を経路決定してもよい。あるいは、使用者は、カセット400に下向きの圧を加えて前部ポスト410を固定する前に、パッチコード4を接続してもよい。
【0045】
使用者は、シャーシ100の後部または前部のいずれかにより、シャーシ100のカセットトレイ200からカセット400を取り外すこともできる。シャーシ100の後部からカセット400を取り外すために、使用者は最初にパッチコード4をシャーシ100の前部から外し、次にシャーシ100の後部から幹線ケーブル分岐脚6を外す。次いで、使用者は、例えば
図36A、
図36B、
図37、
図38、
図39、
図40及び
図41に示しているように、カセット400の後部ポスト解除ラッチ414を位置付けて内方へ圧を加える。後部ポスト解除ラッチ414に内方への圧が加えられると、ラッチ414は撓み、後部ポスト412は後部ポスト停止部238から係合解除する。使用者が後部ポスト解除ラッチ414に内方への圧を加える続けるとき、カセット400がシャーシ100から外れるまで、使用者はカセット400をシャーシ100の後方に引っ張る。
【0046】
図29、
図30及び
図31は、シャーシ100の前部からカセット400を取り外して示している。シャーシ100の前部からカセット400を取り外すために、使用者は、カセットトレイ200を、以下に説明するカセット追加または交換位置に最初に配置することができる。その後、使用者は、シャーシ100の前部からパッチコード4を取り外す。次いで、使用者は、カセットの隙間222を介してカセット400にアクセスしながら、前部ポスト410の近くでカセット400の前部に上向きの圧を加え得る。使用者は、カセット400に十分な上向きの圧を加え、フレックスビーム214を十分撓ませ、前部ポスト410がフレックスビーム214の捕捉壁266のディボット272を通れるようにする。前部ポスト410がフレックスビーム214の捕捉壁266の前部リードイン268から外れると、カセット400は、
図29に示しているように、カセット400の前部がカセット400の後部よりも高くなるように傾けられる。次いで、使用者は、
図30に示しているように、概してカセット400の傾きを維持しながら、カセット400がシャーシ100から外れるまで、カセット400をシャーシ100の前部に向かって引っ張ることができる。カセット400の後部にある幹線ケーブル分岐脚6及びMPO幹線アダプタ508またはMPO FAPパッチコードアダプタ604が見えたら、使用者は、幹線ケーブル分岐脚6を、MPO幹線アダプタ508またはMPO FAPパッチコードアダプタ604及びカセット400から取り外すことができる。次に、
図31に示しているように、使用者は好ましくは、後部ポスト412が前部ポスト410と同じ高さになるようにしてカセット400を位置決めすることで、カセット400を取り外し、以下に説明するように、カセット400は、シャーシ100に設置されてカセットトレイレールのパッチコード管理ループ244を通るように経路決定されている他のカセット400に接続されたいかなるパッチコード4をも外すべきである。
【0047】
使用者は、LC−MPOカセット500をMPO FAP600に交換することもできる。まず、使用者は、LC−MPOカセット500を取り外すために、上記のカセット400を取り外す手順に従うことができる。次に、使用者は、幹線ケーブル分岐脚6をMPO幹線アダプタ604に接続し、上記のシャーシ100の前部からカセット400を設置するための指示に従って、新たなMPO FAP600を挿入することができる。使用者がMPO FAP600(最大5つの追加の幹線ケーブル分岐脚6を、5つの追加のMPO幹線アダプタ604に取り付けられるようにする)に、追加の幹線ケーブル分岐脚6を追加することを望む場合、使用者は追加の幹線ケーブル分岐脚6をカセットベイ218または220の後部を通るようにシャーシ100の後部からMPO FAP600の中に経路決定することができる。例えば
図38〜
図41を参照して上述したように、MPO FAP600は、複数の偏倚した列の集団機構ペグ612からなる集団機構610を含む。ダストキャップ16が設置された追加の幹線ケーブル分岐脚6を、カセット600の後部の中へ経路決定したあと、使用者は、集団機構ペグ612の間に幹線ケーブル分岐脚6のMPOコネクタ8を嵌めることができる。それは、MPOコネクタ8を、偏倚した列の集団機構610により作り出された開いた経路に斜めに挿入し、
図40に示しているように、MPO FAP600の最後部に位置するペグ612の反対側に、幹線ケーブル分岐脚6を配置することによる。したがって、集団機構ペグ612は、幹線ケーブル分岐脚6を所定の位置に一時的に係止でき、使用者がカセットトレイ200を以下に説明するカセット追加または交換位置に前進できるようにする。幹線ケーブル分岐脚6は、MPO FAP600の集団機構610内に係止されているので、それらはシャーシ100の後部から落ちないよう保護され、代わりにMPO FAP600と共に前方に引っ張られる。カセット600がカセット追加または交換位置にくると、使用者はMPO FAP600に手を伸ばして、ダストキャップ16を取り外し、追加の幹線ケーブル分岐脚6を任意の利用可能なMPO幹線アダプタ604に取り付けることができる。次いで使用者は、必要に応じて任意の追加のパッチコード4を追加して経路決定し、MPO FAP600を定位置に戻すことができる。
【0048】
例えば
図13、
図14、及び
図15を参照して上述したように、トレイガイド102、104及び106は、3つの戻り止め、前部戻り止め120、中央戻り止め122及び後部戻り止め124を含む。また、カセットシャーシ100は、前方制限フランジ116と後方制限ブラケット118を含む。これらの機構の各々は、カセットトレイ200の機構と相互作用して、3つの異なる位置、つまり定位置、コード移動または変更位置、及びカセット交換または追加位置間でのカセットトレイ200の移動を容易にする。
図14に示しているように、定位置では、バネ突起230の隆起部256は、後部戻り止め124内に配置される。さらに、カセットトレイレール支持リブ218の最後部は、後方制限ブラケット118に当接し、これにより、カセットトレイ200のいかなるさらなる後方移動をも阻止する。
【0049】
パッチコード移動追加または変更位置において、バネ突起230の隆起部256は、
図14に示しているように、中央戻り止め122内に位置する。カセットトレイ200を定位置から前進させるために、使用者は、シャーシ100の前部に向かって十分な力を加えて、バネ突起230を撓ませ、隆起部256を後部戻り止め124から外れるようにし得る。次いで使用者は、隆起部256が中央戻り止め122に到達するまでシャーシ100の前部に向かって力を加え続け、到達した時点で隆起部256が中央戻り止め122と相互作用して、カセットトレイ200の前方移動を停止させる。
【0050】
使用者がカセットトレイ200をカセット交換または追加位置に前進させたい場合、使用者は、シャーシ100の前部に向かって十分な力を加えて、バネ突起230を撓ませ、隆起部256を、中央戻り止め122から外れるようにし得る。次いで使用者は、隆起部256が前部戻り止め120に達するまで、シャーシ100の前部に向かって力を加え続ける。また、隆起部256が前部戻り止め120に達すると同時に、カセットトレイ200は前方制限フランジ116と係合し、カセットトレイ200のさらなる前方移動を阻止する。カセットトレイ200を、カセット交換または追加位置から、定位置か、パッチコード移動追加または変更位置へ移動させるために、使用者は、隆起部256がパッチコード移動追加または変更位置用の中央戻り止め122か、定位置用の後部戻り止め124に到達するまで、カセットトレイ200に後方への力を加える。
【0051】
使用者は、統合用クリップ300を設置して、同一シャーシ100内に2つの隣接するカセットトレイ200を共に固定して、同時にそれらをシャーシ100から出し入れするようにし得る。統合用クリップ300を設置するために、使用者はまず、
図13に示しているように、カセットトレイ200をパッチコード移動追加または変更位置に前進させることができる。次いで使用者は、
図9と
図10に示しているように、統合用クリップ300のケーブル管理領域304を、互いに結合されているカセットトレイ200の前部パッチコード管理ループ244の上及びそれらの間に配置するために、統合用クリップ300の据え付けポスト302を、各カセットトレイレール212に位置する統合用クリップ溝252内に挿入することができる。次いで、使用者は、統合用クリップ300に下向きの圧を加えて、統合用クリップ300の位置合わせポスト308を、カセットトレイレール240または242の最前部の頂部に係合して、統合用クリップ300のケーブル管理領域304をカセットトレイ200の前部パッチコード管理ループ244と位置合わせするのみならず、統合用クリップ300をカセットトレイ200に固定することができる。次いで、結合されたカセットトレイ200を1つのユニットとして定位置に戻すことができる。
【0052】
パッチケーブル4がシャーシ100の前部を出るときに、パッチケーブル4を経路決定する2つの好ましい方法がある。分割経路決定方式の方法(例えば、
図44及び
図45に示すもの)と、一方向性経路決定方式の方法(例えば、
図42及び
図43に示すもの)である。統合用クリップ300が設置されていない場合、分割経路決定方式の方法を使用することができる。分割経路決定方式を使用するために、使用者は、前部パッチコード管理ループ溝250にコードを滑るように入れることにより、パッチコード4を前部パッチコード管理ループ244に挿入することができる。左側カセットトレイ200に設置されたカセット400に取り付けられたパッチコード4は、最も左側の前部パッチコード管理ループ244を通るように経路決定され、一方、右側カセットトレイ200に設置されたカセット400に取り付けられたパッチコード4は、最も右側の前部パッチコード管理ループ244を通るように経路決定される。この構成により、各カセットトレイ200は、移動するカセットトレイ200と同列に収容された他のカセットトレイ200に設置されるカセット400に取り付けられたパッチコード4を乱すことなく、定位置、コード移動または変更位置、及びカセット交換または追加位置の間を、移動することを可能にする。
【0053】
一方向性経路決定方式を使用してパッチケーブルを経路決定するために、使用者は最初に統合用クリップ300を設置する。次いで、使用者は、パッチコード4をシャーシ100の右または左に経路決定することによって、パッチコード4を経路決定する。次いで使用者は、コード4が前部パッチコード管理ループ244及び/またはケーブル管理領域304を通る際に、統合用クリップ300の前部パッチコード管理ループ244及び/またはケーブル管理領域304に、各パッチコード4を挿入し得る。使用者は、コード4を前部パッチコード管理ループ溝250に滑るように入れることによって、パッチコード4を前部パッチケーブル管理ループ244に挿入する。使用者は、ケーブル4を統合用クリップ300の上部の隙間306を介してケーブル管理領域304に滑るように入れることによって、パッチコード4を統合用クリップ300のケーブル管理領域244に挿入する。パッチケーブル4が両方のカセットトレイ200と同方向に経路決定され、カセットトレイ200が統合用クリップ300で共に結合されるので、両方のカセットトレイ200は、定位置、コード移動または変更位置、及びカセット交換または追加位置の間を同時に移動する。