(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記架橋する工程が、前記第1、第2、及び/若しくは第3の反応物並びに/又は前記粒子に縮合触媒を添加して、前記縮合可能な基の縮合反応により前記粒子の前記直鎖骨格を架橋する工程と更に定義される、請求項1に記載の方法。
前記第1、第2、及び第3の反応物を混合する前記工程が、前記第1、第2、及び第3の反応物の前記混合物を転相させて前記エマルションを形成する工程を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
前記第1の直鎖反応物が、2つの末端不飽和炭素−炭素部分を有するポリジメチルシロキサンであり、前記第2の直鎖反応物が、2つの末端Si−H部分を有するポリジメチルシロキサンであり、前記第3の反応物が、HSi(CH3)2OSi(CH3)2CH2CH2Si(OCH3)3又はH2C=CHSi(OCH3)3である、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、エマルション中で縮合架橋粒子を調製する方法、極性連続相と極性連続相中に分散した縮合架橋粒子とを含む分散系、及び縮合架橋粒子自体を提供する。それぞれは、以下でより詳細に説明する。
【0008】
縮合架橋粒子を調製する方法:
第1の直鎖反応物を準備する工程:
縮合架橋粒子を調製する方法(以下「方法」と称する)は、2つの不飽和炭素−炭素部分を有する第1の直鎖反応物を準備する工程を含む。準備する工程は特には限定されず、代替として、供給する工程、購入する工程、送達する工程、利用可能にする工程などと記述してもよい。第1の直鎖反応物は典型的には、下記により詳細に記載されているように、反応器又は他の反応槽に供給される。
【0009】
2つの不飽和炭素−炭素部分を有する第1の直鎖反応物もまた特には限定されず、有機であっても無機であってもよい。様々な非限定的な実施形態において、第1の直鎖反応物はペンダント(すなわち、非末端)不飽和炭素−炭素部分を有さない。他の実施形態では、第1の直鎖反応物は、1つ又は2つのペンダント不飽和炭素−炭素部分を有する。第1の直鎖反応物はちょうど2つの不飽和炭素−炭素部分を有し、すなわち、不飽和炭素−炭素部分がゼロでもなく、1つでもなく、3つ以上でもない。
【0010】
第1の直鎖反応物は、有機(例えば、ケイ素原子を含まない)であってもよく、シラン若しくはシロキサン又はそれらの組み合わせであってもよく、又は無機であるがやはり2つの不飽和炭素−炭素部分を含んでいてもよい。「直鎖」という用語は、当業者に理解されている通りである。
【0011】
組み合わせの1種以上の化合物がそれぞれ独立に、ただ1つの末端不飽和炭素−炭素部分を含み、組み合わせの1種以上の化合物がそれぞれ独立に、2つの不飽和炭素−炭素部分を含む、化合物の組み合わせもまた利用されてもよい。
【0012】
不飽和炭素−炭素部分は独立に、アルキニル部分(すなわち、炭素−炭素三重結合;C≡C)又はアルケニル部分(すなわち、炭素−炭素二重結合;C=C)であってもよい。例えば、第1の直鎖反応物は、アルキニル部分及びアルケニル部分を同時に含んでもよい。あるいは、第1の直鎖反応物は、2つのアルケニル部分を含み、かつアルキニル部分は含まなくてもよい。更に、第1の直鎖反応物は、2つのアルキニル部分を含み、かつアルケニル部分は含まなくてもよい。
【0013】
一実施形態では、第1の直鎖反応物は有機である。別の実施形態では、第1の直鎖反応物は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子を有するアルケンから選択される。様々な実施形態において、第1の直鎖反応物は、ヘキサジエン若しくはオクタジエン又はそれらの組み合わせである。
【0014】
あるいは、第1の直鎖反応物はシラン又はシロキサンであってもよい。別の実施形態では、第1の直鎖反応物は、ビニル基又はアリル基などの2つの(末端であってもよい)有機基を有するシロキサンである。更に別の実施形態では、第1の直鎖反応物は、H
2C=CHSiR
2[OSiR
2]
nOSiR
2CH=CH
2(式中、各Rは独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子を有するアルキル基又はアリール基であり、nは0〜10,000、例えば15〜20の数である)である。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0015】
第1の直鎖反応物は典型的には、粒子100重量部当たり0.1〜99.9、0.1〜10、10〜99.9、又は10重量部より多く99.9重量部までの量で準備される。第1の直鎖反応物が化合物の組み合わせである場合、組み合わせの総重量は、典型的には直前に記載した量で存在する。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0016】
第2の直鎖反応物を準備する工程:
方法はまた、2つのSi−H部分を有する第2の直鎖反応物を準備する工程も含む。「直鎖」という用語は、当業者に理解されている通りである。準備する工程は、前述の通りであってもよく、又は異なっていてもよい。第2の直鎖反応物は、第2の直鎖反応物中に存在するケイ素原子がSi−H部分のものだけであるような、有機であってもよい。あるいは、第2の直鎖反応物は、Si−H部分の一部であってもなくてもよいケイ素原子を複数含んでいてもよい。あるいは、第2の直鎖反応物は、シラン、シロキサン、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0017】
第2の直鎖反応物は、ちょうど2つの不飽和Si−H部分を有し、すなわち、Si−H部分がゼロでもなく、1つでもなく、3つ以上でもない。組み合わせの1種以上の化合物がそれぞれ独立に、ただ1つのSi−H部分を含み、組み合わせの1種以上の化合物がそれぞれ独立に、2つのSi−H部分を含む、化合物の組み合わせもまた利用されてもよい。非限定的な一実施形態では、第2の直鎖反応物はペンダントSi−H部分を有さない。別の実施形態では、第2の直鎖反応物は1つ又は2つのペンダントSi−H部分を有する。
【0018】
様々な実施形態において、第2の直鎖反応物は、メチルハイドロジェン/ジメチルポリシロキサン(液体)である。別の実施形態では、第2の直鎖反応物は、HR
2Si[OSiR
2]
nOSiR
2H(式中、各Rは独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子を有するアルキル基又はアリール基であり、nは0〜10,000、例えば15〜20の数である)である。別の実施形態では、第2の直鎖反応物はシロキサンオリゴマーであってもよい。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0019】
一実施形態では、第1の直鎖反応物は、2つの末端アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン又は有機化合物(ケイ素原子を含まない)であり、第2の直鎖反応物は、末端のケイ素結合した水素原子2つを有するオルガノポリシロキサン又は末端のケイ素結合した水素原子2つを有する(が他のケイ素原子は含まない)有機化合物である。
【0020】
第2の直鎖反応物は典型的には、粒子100重量部当たり0.1〜99.9、0.1〜10、10〜99.9、又は10重量部より多く99.9重量部までの量で準備される。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0021】
第3の反応物を準備する工程:
方法はまた、少なくとも1つの縮合可能な反応性基を有し、2つ以下の不飽和炭素−炭素部分又はSi−H部分を有するが、ただし、少なくとも1つの不飽和炭素−炭素部分又はSi−H部分を有する、第3の反応物を準備する工程を含む。換言すれば、第3の反応物は、合計で2つ以下の全(不飽和炭素−炭素部分+Si−H部分)を有し得る。例えば、第3の反応物は、1つの不飽和炭素−炭素部分を有し、かつSi−H部分を有さなくてもよい。第3の反応物は、1つのSi−H部分を有し、かつ不飽和炭素−炭素部分を有さなくてもよい。第3の反応物は、2つの不飽和炭素−炭素部分を有し、かつSi−H部分を有さなくてもよい。第3の反応物は、2つのSi−H部分を有し、かつ不飽和炭素−炭素部分を有さなくてもよい。あるいは、第3の反応物は、1つの不飽和炭素−炭素部分及び1つのSi−H部分を有してもよい。準備する工程は、前述の通りであってもよく、又は異なっていてもよい。
【0022】
第3の反応物もまた特には限定されないが、連鎖停止剤として作用する場合がある。連鎖停止剤として作用する場合、第3の反応物は、複数の不飽和炭素−炭素部分又はSi−H部分を含まない。そのような実施形態ではまた、ただ1つの不飽和炭素−炭素部分又はSi−H部分は末端又はペンダントであってもよい。
【0023】
第3の反応物は有機であってもよく、ケイ素原子を含まなくてもよい。あるいは、第3の反応物は有機であってもよく、場合により存在するSi−H部分のケイ素原子だけを含んでもよい。更に、第3の反応物は有機であってもよく、複数のケイ素原子を含んでもよい。一実施形態では、第3の反応物は、Si−H部分を有するアルコキシシランである。別の実施形態では、第3の反応物は、不飽和炭素−炭素部分を有するアルコキシシランである。
【0024】
第3の反応物の不飽和炭素−炭素部分又はSi−H部分は、第1の直鎖反応物に関して前述されたもののいずれかであり得る。しかしながら、第3の反応物の不飽和炭素−炭素部分又はSi−H部分は、第1及び第2の直鎖反応物の前述されたものと同じであってもよく、又は異なっていてもよい。
【0025】
第3の反応物の縮合可能な反応性基は、当技術分野において理解されているように、この基が縮合反応に関与できることを除いて、特には限定されない。例えば、縮合可能な反応性基(又は脱離基)は、アルコキシ基、オキシム基、カルボキシ基、アセトキシ基、アルキレンオキシ基、アミン基、アミノキシ基、又はアミド基であってもよい。あるいは、縮合可能な反応性基は、縮合反応において機能することができる、ケイ素に接する受容可能な脱離基として当業者に理解されている任意の基であってもよい。
【0026】
一実施形態では、第3の反応物は、式:
XR’SiR’’
t(OR)
4−t
(式中、R、R’、R’’のそれぞれは独立に、1〜12個の炭素原子を有する有機基であり、Xは独立に不飽和炭素−炭素部分又はSi−H部分であり、tは0〜2である)を有する。R、R’及びR’’のそれぞれは独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子をそれぞれ有する有機基であり得る。
【0027】
更に、第3の反応物は、前述の式によりそれぞれ定義される2種以上の化合物を含み得る。別の実施形態では、第3の反応物は、HSi(CH
3)
2OSi(CH
3)
2CH
2CH
2Si(OCH
3)
3若しくはH
2C=CHSi(OCH
3)
3又はそれらの組み合わせである。別の実施形態では、第3の反応物は、HSi(OC
2H
5)
3;HSiCH
3(OCH
3)
2;HSi(CH
3)
2OCH
3;H
2C=CHSiCH
3(OCH
3)
2;H
2C=CHSi(CH
3)
2OCH
3;H
2C=CHCH
2Si(OCH
3)
3;H
2C=CHCH
2SiCH
3(OCH
3)
2;若しくはH
2C=CHCH
2Si(CH
3)
2OCH
3;又はこれらの組み合わせであり得、又はこれらを含み得る。
【0028】
更に別の実施形態では、第3の反応物の縮合可能な反応性基は更に、アルコキシ基と定義される。あるいは、縮合可能な反応性基は、−Si(OR)基(式中、Rは1〜12個の炭素原子、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12個の、又はこれらの値の任意の範囲の炭素原子を有する有機基である)であってもよい。
【0029】
組み合わせの1種以上の化合物がそれぞれ独立に、1つの不飽和炭素−炭素部分又は1つのSi−H部分を含み、残りの化合物が合計2つ以下のそのような部分を含む、化合物の組み合わせがまた利用されてもよい。
【0030】
第3の反応物は典型的には、粒子100重量部当たり0.1〜99.9、0.1〜10、10〜99.9、又は10重量部より多く99.9重量部までの量で準備される。第3の反応物が化合物の組み合わせである場合、組み合わせの総重量は、典型的には直前に記載した量で存在する。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0031】
ヒドロシリル化触媒を準備する工程:
方法はまた、ヒドロシリル化触媒を準備する工程も含む。準備する工程は、前述のものと同じあってもよく、又は異なっていてもよい。ヒドロシリル化触媒は、当技術分野において既知の任意のものであってもよい。様々な実施形態において、ヒドロシリル化触媒は、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム若しくはルテニウム又はそれらの組み合わせを含む。ヒドロシリル化触媒は例えば、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸のオレフィン錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンの錯体、又は前述の白金触媒を含む熱可塑性樹脂であってもよい。別の実施形態では、ヒドロシリル化触媒は、Karstedt触媒若しくはSpeier触媒、又はそれらの組み合わせなどの白金ビニルシロキサン錯体である。ヒドロシリル化触媒は、単一の触媒又は2種以上の触媒の組み合わせであってもよい。換言すれば、1種、2種以上、又は少なくとも1種のヒドロシリル化触媒を利用することができる。
【0032】
ヒドロシリル化触媒は典型的には、粒子総重量を基準にして、1〜100、1〜10、又は10〜100ppmの、白金元素として計算される白金の量で準備される。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0033】
極性液体を準備する工程:
方法は、極性液体を準備する工程を更に含む。第1、第2、及び第3の反応物が典型的には極性液体中に「溶解」しないという点で、典型的には極性液体は「溶媒」ではない。極性液体は特には限定されないが、親水性液体、極性非プロトン性液体、又は極性プロトン性液体と記述してもよい。通常、「親水性」という用語は、当技術分野において理解されているように、極性液体が極性及び/又は(非)プロトン性であり、水を好むことを述べる。極性液体は、水、アルコール、極性プロトン性液体、極性非プロトン性液体、及びそれらの組み合わせであってもよく、これらを含んでもよく、これらから本質的になってもよく、又はこれらからなってもよい。極性液体の様々な非限定的例としては、水、アルコール、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ギ酸、n−ブタノール、イソプロパノール(IPA)、ニトロメタン、エタノール、メタノール、酢酸、及びそれらの組み合わせが挙げられる。様々な実施形態において、極性液体は、メタノール、エタノール、グリコール、水、及びそれらの組み合わせから選択される。あるいは、極性液体は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、及び/又は任意の他のアルカンをベースとしたアルコール溶媒から選択されてもよい。様々な実施形態において、極性液体は、水又はメタノール又はエタノール又はプロパノール又はブタノール又はグリコール又はアルカンをベースとしたアルコール溶媒又はこれらのうちの2種以上の組み合わせである。水は特には限定されず、水道水、井戸水、飲用水又は非飲用水などであってもよい。水は精製されていても、又はされていなくてもよい。「から本質的になる」という用語は通常、連続相(又は水そのもの)が含む疎水性又は非極性液体が、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、又は0.1重量パーセント未満であることを述べる。様々な実施形態において、1種、2種以上、又は少なくとも1種の極性液体を利用することができる。
【0034】
極性液体は典型的には、下記により詳細に記載されている連続相100重量部当たり20〜80、25〜75、30〜70、35〜65、40〜60、45〜55、又は約50重量部の量で準備される。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0035】
第1、第2、及び第3の反応物を混合する工程:
方法は、第1、第2、及び第3の反応物を混合する工程を更に含む。より典型的には、この工程は、ヒドロシリル化触媒及び極性液体と共に、第1、第2、及び第3の反応物を混合する工程と更に定義される。上記で最初に述べたように、第1、第2、及び第3の反応物は典型的には、反応器又は他の反応槽に供給又は導入される。第1、第2、及び第3の反応物は、ヒドロシリル化触媒及び極性液体の存在下で混合されて、極性液体が連続相であり、第1、第2、及び第3の反応物が分散相であるエマルションを形成する。典型的には、このエマルションは、水中油型エマルション(すなわち、o/wエマルション)と記述される。
【0036】
第1、第2、及び第3の反応物は、ヒドロシリル化触媒及び極性液体と共に、連続式又はバッチ式で反応槽中にそれぞれ独立に混合又は導入されてもよい。第1、第2、及び第3の反応物は、ヒドロシリル化触媒及び極性液体と共に、任意の順序で、1つ以上の別個の工程で、混合されてもよい。あるいは、第1、第2、及び第3の反応物は、ヒドロシリル化触媒及び極性液体と共に、互いに任意の1つ以上と、同時に混合されてもよい。
【0037】
一実施形態では、第1、第2、及び第3の反応物を混合する工程は、第1、第2、及び第3の反応物の混合物(例えば、ヒドロシリル化触媒及び極性液体の存在下の)を転相させてエマルションを形成する工程を更に含む。しかしながら、エマルションを形成する工程は限定されず、この工程に加えて又は代替として、せん断をかけること、混合、ボルテックス、及び/又は当技術分野において既知の任意の他の方法を含んでもよい。
【0038】
方法はまた、界面活性剤を準備する工程並びに/又は界面活性剤を、第1、第2若しくは第3の反応物のうちの1つ以上と、ヒドロシリル化触媒と、極性溶媒と、及び/又はこれらのうちのいずれか1つ以上と、逐次的に又は同時に混合する工程を含んでもよい。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの組み合わせから選択することができる。好適な非イオン性界面活性剤としては、Guerbetアルコールアルコキシレート(又はその誘導体)、アルキルフェノールアルコキシレート、エトキシ化及びプロポキシル化脂肪族アルコール、アルキルポリグルコシド及びヒドロキシアルキルポリグルコシド、ソルビタン誘導体、N−アルキルグルカミド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシドのブロックコポリマー等のアルキレンオキシドブロックコポリマー、ポリヒドロキシ及びポリアルコキシ脂肪酸誘導体、アミンオキシド、シリコーンポリエーテル、ポリサッカライドをベースとする様々なポリマー界面活性剤、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミドをベースとするポリマー界面活性剤、並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
好適なカチオン性界面活性剤としては、例えば、ハロゲン化アルキルジメチルアンモニウム等のアンモニウム基を含む界面活性化合物、及び化学式RR’R’’R’’’N+X−を有する化合物(式中、R、R’、R’’、及びR’’’は独立に、アルキル基、アリール基、アルキルアルコキシ基、アリールアルコキシ基、ヒドロキシアルキル(アルコキシ)基、及びヒドロキシアリール(アルコキシ)基の群から選択され、Xはアニオンである)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
好適なアニオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールサルフェート、及びエトキシ化脂肪族アルコールサルフェートが挙げられるが、これらに限定されない。好適なアニオン性界面活性剤の更なる非限定的な例としては、アルカンスルホネート、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、直鎖アルキルトルエンスルホネート、ジフェニルスルホネート、及びジフェニルエーテルスルホネートが挙げられる。また更に、アニオン性界面活性剤は、オレフィンスルホネート及びジスルホネート、アルケンスルホネートとヒドロキシアルカンスルホネート又はジスルホネートとの混合物、アルキルエステルスルホネート、スルホン化ポリカルボン酸、アルキルグリセリルスルホネート、脂肪酸グリセロールエステルスルホネート、アルキルフェノールポリグリコールエーテルスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルホスフェート、アシルイソチオネート、アシルタウレート、アシルメチルタウレート、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びその対応するエステルとアミド、アルキルスルホコハク酸及び対応するアミド、スルホコハク酸のモノエステル及びジエステル、アシルサルコシネート、硫酸化アルキルポリグルコシド、アルキルポリグリコールカルボキシレート、ヒドロキシアルキルサルコシネート、並びにそれらの組み合わせを含んでもよい。また更に、アクリル酸又はスルホン化ポリスチレン、及びそれらの組み合わせをベースにしたポリマーアニオン性界面活性剤もまた使用されてもよい。好適な両性界面活性剤としては、アニオン基を含む第二級及び/又は第三級アミンの脂肪族誘導体、ベタイン誘導体、並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
加えて、界面活性剤は独立に、脂肪族及び/又は芳香族のアルコキシル化アルコール、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホネート)、パラフィンスルホネート、FAS(脂肪族アルコールサルフェート)、FAES(脂肪族アルコールエーテルサルフェート)、アルキレングリコール、トリメチロールプロパンエトキシレート、グリセロールエトキシレート、ペンタエリトリトールエトキシレート、ビスフェノールAのアルコキシレート、並びに4−メチルヘキサノール及び5−メチル−2−プロピルヘプタノールのアルコキシレート、並びにそれらの組み合わせを含んでもよく、又はこれらであってもよい。更に、界面活性剤は、直鎖若しくは分枝鎖アルキル基、直鎖若しくは分枝鎖アルケニル基、アルキルフェニル基、アルキレン基、及び/又はそれらの組み合わせを含むアルキル多糖を含んでもよく、又はこれらであってもよい。
【0042】
1種以上の界面活性剤は、第1、第2、及び第3の反応物の総重量(例えば、分散相の重量)を基準として、0.01〜20、1〜15、1〜10、1〜5、5〜20、5〜15、5〜10、10〜20、10〜15、0.01〜5、0.05〜5、0.1〜5、0.1〜4、0.1〜3、0.1〜2、0.1〜1、0.5〜5、0.5〜4、0.5〜3、0.5〜2、0.5〜1、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、2〜5、2〜4、2〜3、3〜5、3〜4、又は4〜5重量パーセントの量で使用され得る。更に、シリコーン粒子は、防腐剤、殺生物剤、増粘剤、凍結/融解添加剤、防錆剤、顔料、及び当技術分野において既知の他の添加剤が挙げられるがこれらに限定されない1種以上の添加剤を含んでもよい。
【0043】
混合してエマルションを形成する際、及びヒドロシリル化触媒の存在下において、第1、第2、及び第3の反応物は周囲温度で反応してもよく、又は周囲温度で反応しなくてもよい。方法は、エマルションを加熱する工程を含んでもよい。例えば、エマルションは、ヒドロシリル化反応を促進するために、又はヒドロシリル化反応を加速させるために、加熱を必要としてもよい。あるいは、加熱は必要とされなくても又は所望されなくてもよい。例えば、エマルション並びに/又は第1、第2、及び第3の反応物のうちの1つ以上又は極性液体は、大気圧で、室温(約25℃)〜250℃、あるいは室温〜150℃、あるいは室温〜115℃の温度まで加熱してもよい。反応物は、反応物を硬化させる(架橋する)ために十分な時間、例えば0.1〜3時間にわたって、加熱され得る。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0044】
典型的には、ヒドロシリル化反応は、当技術分野において一般に理解されているように、第1の直鎖反応物の2つの不飽和炭素−炭素部分と、第2の直鎖反応物の2つのSi−H部分との間で進む。この反応は、直鎖又は直鎖骨格を有するポリマーを形成する。したがって、粒子はこの時点で直鎖骨格を有する、すなわち、粒子はポリマーによって構成されており、このポリマー自体が直鎖骨格を有するということができる。直鎖骨格は、直鎖シリコーン骨格又は直鎖有機(すなわち、非シリコーン)骨格と更に記述されてもよい。
【0045】
第3の反応物は通常、連鎖停止剤として作用して、前述のヒドロシリル化反応物から形成される鎖の成長を停止させる。これらの反応のいずれか1つ以上は、同時に又は逐次的に起こってもよい。第3の反応物の縮合可能な反応性基は通常、第1、第2、及び第3の反応物の前述のヒドロシリル化反応に関与しない。
【0046】
第1、第2、及び第3の反応物のヒドロシリル化反応の際に、粒子が形成される。換言すれば、第1、第2、及び第3の反応物は、エマルション中でヒドロシリル化触媒の存在下で反応して、1つ以上のヒドロシリル化反応により粒子を形成して、エマルション中で粒子を形成する。あるいは、粒子はスラリー中に存在してもよい。
【0047】
様々な実施形態において、粒子は典型的には更に、シリコーン又はポリオルガノシロキサン粒子と定義される。典型的には、第1、第2、及び/又は第3の反応物がケイ素−酸素結合又はシロキサン結合を含む場合、粒子はシリコーン又はポリオルガノシロキサン粒子と記述され得る。
【0048】
しかしながら、粒子は代替として、特定の重量又はモルパーセントのケイ素を含む有機粒子と記述されてもよい。典型的には、第1、第2、及び第3の反応物が非常にわずかな重量又はモルパーセントのケイ素しか含まない場合、粒子はほぼ有機である。しかしながら、第2の直鎖反応物は2つのSi−H部分を含まなければならないため、粒子はいくらかの重量又はモルパーセントのケイ素を含まなければならないことが理解される。換言すれば、第2の直鎖反応物のSi−H部分のために少なくともいくらかのケイ素原子が存在するため、粒子は完全に有機でありケイ素を含まないというわけではない。
【0049】
この段階では、粒子は代替として、第1、第2、及び第3の反応物のヒドロシリル化反応生成物として記述することができる。このヒドロシリル化反応生成物は、Aresなどの振動式(oscillary)レオメーター(平行プレートを使用)を使用して25℃で測定される粘度が、1〜500,000、1〜100,000、1〜10,000、1〜1,000、1〜100、100〜500,000、100〜100,000、100〜10,000、100〜1,000、1,000〜500,000、1,000〜100,000、1,000〜10,000Pa−secなどであると更に記述することができる。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0050】
前述の反応において形成される粒子(又は、例えば粒子を構成するポリマー)は、その粒子に配置された縮合可能な反応性基を有し、極性液体中に配置されている。言い換えれば、粒子を構成するポリマーは、そのポリマーに配置された縮合可能な反応性基を有する。粒子が固体粒子である場合、極性液体中で粒子が形成されると、前述のエマルションは、より正確には、極性液体が連続相であり、(固体)粒子が連続相中に分散した分散相である分散系と記述することができる。しかしながら、粒子が固体でない(例えば、ゲル又は液体である)場合、前述のエマルションは、極性液体が連続相であり、(非固体、例えばゲル又は液体)粒子が連続相中に分散した分散相であるエマルションとして引き続き正確に記述されてもよい。
【0051】
あるいは、方法のこの段階で形成される粒子は、粒子のポリマーネットワークに化学的に結合されたSi−アルコキシ基を含む(シリコーン又は有機ポリマー)粒子と記述されてもよい。しかしながら、方法のこの段階で形成される前述の粒子は縮合により架橋されていないため、方法のこの段階で形成される粒子は最終的な粒子ではなく、この段階ではエラストマーではない。別の実施形態では、方法のこの段階により形成される粒子は、−Si(OR)
n基(式中、Rは本明細書中で記述されている通りであってもよく、又は任意の有機部分であってもよく、nは1〜3の数、すなわち、1、2、又は3である)を有すると記述され得る。これらの基は、第1、第2、及び第3の反応物の反応の際に形成されるポリマーネットワークに共有結合されていると記述され得る。
【0052】
極性液体を除去する工程:
方法は、粒子から極性液体を除去する工程又は粒子から極性液体を分離する工程を任意に含んでもよい。方法は、粒子を乾燥又は脱水する工程を含んでもよい。あるいは、方法は、粒子から極性液体を除去又は分離する工程を含まなくてもよい。
【0053】
一実施形態では、極性液体は水であり、方法は、粒子から水を除去し、粒子を乾燥させる工程を含む。別の実施形態では、極性液体はメタノール及び/又はエタノールであり、方法は、粒子からメタノール及び/又はエタノールを除去し、粒子を乾燥させる工程を含む。更に別の実施形態では、極性液体はメタノール及び/又はエタノール(それぞれ水と組み合わせてもよい)であり、方法は、メタノール及び/又はエタノールを除去する工程を含まない。代替の実施形態では、極性液体は水であり得、方法は、水を除去する工程を含まない。換言すれば、粒子は、極性液体中に残留させてもよく、又はそこから除去してもよい。
【0054】
極性液体の一部分は除去されてもよく、極性液体の一部分は残留させてもよいこともまた想到される。例えば、極性液体が除去される場合、いかなる量が除去されてもよい。例えば、極性液体の全量が除去されてもよく、又は極性液体の全量未満の任意の一部分が除去されてもよい。極性液体は、当技術分野において既知の任意の機構によって除去することができる。例えば、極性液体は、真空及び/又はろ過(例えば真空ろ過)、蒸発、乾燥、オーブン中での加熱などによって除去することができる。
【0055】
縮合反応により直鎖骨格を架橋する工程:
本方法はまた、縮合反応により(ポリマー/粒子の)直鎖骨格を架橋して縮合架橋粒子を形成する工程も含む。方法はまた、エマルション中の第1、第2、及び/若しくは第3の反応物に並びに/又は粒子に縮合触媒を添加して、縮合可能な基の縮合反応により直鎖シリコーン骨格を架橋して、縮合架橋粒子を形成する工程を含んでもよい。この架橋反応は、任意の既知の縮合反応機構により進行させることができる。縮合触媒及びヒドロシリル化触媒は、一緒に又は一方の前に他方を添加してもよい。例えば、縮合触媒及びヒドロシリル化触媒は、ヒドロシリル化の前に第1、第2、及び/又は第3の反応物に混合又は添加されてもよい。一実施形態では、縮合触媒は、ヒドロシリル化の間中存在し(不活性ではあるが)、その後縮合反応を触媒する。別の実施形態では、縮合触媒は、ヒドロシリル化反応が起こった後に添加される(例えば、更に、ヒドロシリル化反応自体が起こっている間は存在しない)。
【0056】
同様に、縮合触媒は特には限定されず、当技術分野において既知の任意のものであってよい。様々な実施形態において、縮合触媒は、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジメチルスズジネオデカノエート、オクタン酸スズ、オレイン酸スズ、ネオデカン酸スズ、ジオクチルスズジラウレート、ビス−2−エチルヘキサン酸スズ、オクタン酸鉄、オクタン酸亜鉛など及びそれらの組み合わせである。あるいは、テトラメチルグアニジンなどのグアニジン、及び酢酸トリエチルアンモニウムなどのカルボン酸のアミン塩もまた使用することができる。本発明において利用される縮合触媒の量もまた、特には限定されない。様々な実施形態において、縮合触媒は、粒子100重量部当たり、0.1〜10、0.1〜1、1〜10、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10重量部の量で利用される。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0057】
一実施形態では、縮合触媒は希釈剤中に希釈される。関連する実施形態では、縮合触媒を添加する工程は、希釈剤中に希釈された縮合触媒と粒子を混合する工程と更に定義される。希釈剤は特には限定されず、メタノール、エタノール、炭化水素、シリコーン、グリコール、水、及びそれらの組み合わせから選択することができる。
【0058】
縮合反応に関して、縮合触媒は使用されてもよく、又は省略されてもよい。例えば、縮合触媒は、加熱して又は加熱せずに、使用されてもよい。更に、加熱だけを使用して、縮合触媒を用いずに縮合反応を行ってもよい。別の実施形態では、縮合触媒は水と一緒にエマルションに形成され、このエマルションが粒子に添加される。更に、縮合反応は、エマルション中で又はエマルションとは別々に起こってもよい。例えば、粒子がエマルション中にもはや存在しないように、極性液体を粒子から分離してもよい。この時点で、例えば、縮合触媒を用いて又は用いずに、加熱して又は加熱せずに、縮合反応が起こってもよい。
【0059】
縮合後、架橋粒子は、溶媒中に不溶であるが膨潤性であるようなエラストマーであると更に記述することができる。例えば、水又は極性液体の除去により、エラストマー粒子を単離することができる。
【0060】
更なる実施形態:
本開示はまた、粒子を調製する方法であって、第1の直鎖反応物を準備する工程、第2の直鎖反応物を準備する工程、第3の反応物を準備する工程、ヒドロシリル化触媒を準備する工程、及び極性液体を準備する工程という前述の工程を含む、方法を提供する。しかしながら、この実施形態において、方法は、粒子を形成する手段を含む。例えば、粒子を形成する手段は、上記の工程の、全部又は一部の、及び任意の組み合わせの、任意の1つ以上であってもよい。
【0061】
架橋粒子:
本開示の方法を使用して最終的に形成される架橋粒子自体は、代替として、複数の粒子と記述され得る。架橋粒子は、固体、液体又はエラストマー、例えば、当技術分野において固体と液体の両方の性質を有するエラストマー化合物として知られているシリコーンゴムであってもよい。架橋粒子はエラストマーであると記述されてもよい。例えば、架橋粒子は、有機溶媒中に溶解できない(又はごくわずかに可溶で、当技術分野において理解されている通り潜在的に膨潤性である)シリコーンゴムと更に定義されてもよい。シリコーンゴムはまた、1種以上の有機溶媒中に膨潤性であると記述されてもよい。あるいは、架橋粒子は、ポリオルガノシロキサン粒子又は1種以上のポリオルガノシロキサン、若しくは1種以上のシリコーン、若しくは1種以上のシリコーンゴムなどである、これらを含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる、粒子と記述されてもよい。あるいは、架橋粒子は、第1、第2、及び第3の反応物の前述のヒドロシリル化反応生成物を含む、これらから本質的になる、又はこれらからなる、粒子と記述されてもよい。様々な実施形態において、「から本質的になる」という用語は、架橋粒子が、1種以上の有機ポリマー及び/又は非シリコーンポリマーを含まない、又は10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1、又は0.05重量パーセント未満含むことを述べる。
【0062】
再び架橋粒子自体に関して、架橋粒子の径又は形状は特には限定されない。典型的には、架橋粒子は、当業者に理解されている通り、ほぼ球形又は卵形である。架橋粒子は、1〜500、1〜450、1〜400、1〜350、1〜300、1〜250、1〜200、1〜150、1〜100、100〜500、150〜450、200〜400、250〜350、300〜350、5〜95、10〜90、15〜85、20〜80、25〜75、30〜70、35〜65、40〜60、45〜55、50〜55、1〜20、2〜19、3〜18、4〜17、5〜16、6〜15、7〜14、8〜13、9〜12、10〜11、1〜10、2〜9、3〜8、4〜7、5〜6、50〜70、55〜65、又は60〜65ミクロンの平均径(又は平均径分布)を有し得る。別の実施形態では、粒子は、10〜100nm、0.1〜1,000マイクロメートル、又は1,000〜5,000マイクロメートルの平均径又は平均径分布を有する。粒子の平均径は、Malvern Mastersizer(登録商標)Sを使用して決定することができる。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0063】
更に、架橋粒子は、前述のもののいずれかを含む1種以上の添加剤を含んでもよい。更に、補強、非補強、及び準補強(semi−reinforcing)充填剤、例えば、シリカ、アルミナ、及び/又は炭酸カルシウムが使用されてもよい。
【0064】
方法により最終的に形成される架橋粒子は、ヒドロシリル化触媒及び極性液体の存在下で第1、第2、及び第3の反応物を混合して、第1、第2、及び第3の反応物がヒドロシリル化により反応して、縮合可能な反応性基が配置されており、極性液体中に配置されている粒子を形成するエマルションを形成する工程によって、方法において先に形成される粒子と1つ以上の特性を共有し得ることが想到される。
【0065】
架橋粒子は、エマルション、スラリー、又は分散系中で使用してもよく、かつ/又は乾燥させて粉末として使用してもよい。あるいは、液体粒子が油状物を形成するように、エマルション、スラリー、又は分散系の極性液体を除去してもよい。
【0066】
架橋粒子、エマルション、スラリー、及び/又は分散系は、パーソナルケア製品(例えば、シャンプー、デオドラント、口腔ケア組成物など)、抗菌製品、抗ニキビ製品、コーティング、化粧料、塗料、繊維製品などの任意の製品において、利用することができる。
【0067】
分散系/エマルション:
本開示はまた、極性連続相及び極性連続相中に配置された前述の架橋粒子を含む分散系(前述したように、あるいはエマルションと記述される)も提供する。前述したように、架橋粒子が固体である場合、分散系は(液体)極性連続相中に分散した固体架橋粒子を含む。架橋粒子が液体である場合、分散系は典型的には、液体架橋粒子が(液体)極性連続相中に分散したエマルションと更に定義される。分散系は代替としてスラリーと記述されてもよい。本明細書に記載の又は前述の分散系又はエマルションは、前述の通り、1種の界面活性剤又は1種以上の界面活性剤を含んでもよい。
【0068】
更に別の実施形態では、本開示は、高分子量シロキサンポリマーに加えて、別個の化学縮合反応を使用した架橋を可能にする反応性エンドキャッピング成分(すなわち、第3の反応物)も形成する反応性成分(すなわち、第1及び第2の直鎖反応物)を利用する逐次エマルション重合プロセスを記述する。換言すれば、様々な実施形態において、ケイ素鎖末端に縮合反応性基を有するエマルションポリマーは、ケイ素に接するアルコキシなどの縮合可能な脱離基を有する特殊な連鎖停止剤(すなわち、第3の反応物)の存在下で形成することができる。このプロセスを使用して、反応生成物がその後、界面活性剤の存在下で水中に乳化され得るように、Si−H末端基及びSi−ビニル末端基を有する比較的低分子量のシロキサンを、Si−H官能基又はSi−ビニル官能基のいずれかに加えてケイ素アルコキシ官能基を有する少量の連鎖停止剤と混合することができる。Si−HとSi−ビニルとの間で付加反応が起こって、各エマルション粒子内の高分子量ポリマーを成長させるように、Pt触媒をその後エマルションに添加することができる。Ptに触媒されるヒドロシリル化逐次重合と同時に、連鎖停止剤はまた、Siに接するアルコキシ官能基を有する基で成長鎖をキャッピングするための反応に関与し得る。連鎖停止基の濃度によりポリマーの最終的な分子量を決定することができ、この濃度は分子量と反比例して変わるため、比較的少量の連鎖停止剤が使用され得る。Ptに触媒される逐次重合が終了した時点で、縮合触媒を任意に添加してもよく、これはアルコキシ官能性ポリマーの縮合反応を促進して架橋ネットワークを形成する。したがってアルコキシ官能基を有する高分子量シロキサンポリマーのエマルションは、本開示の方法によって調製することができ、このようなポリマーは架橋されてエラストマーを形成することができる。
【0069】
フィルム:
本開示はまた、上記の粒子から形成されるフィルムも提供する。フィルムは特には限定されず、いかなる寸法の長さ、幅、及び厚さを有してもよい。フィルムは、前述の粒子を含んでもよく、前述の粒子から本質的になってもよく、又は前述の粒子からなってもよい。一実施形態では、「から本質的になる」という用語は、フィルムが、粒子自体のポリマー以外にポリマーを含まないことを述べる。様々な実施形態において、フィルムは、10〜100nm、0.1〜1,000マイクロメートル、又は1,000〜5,000マイクロメートルの厚さを有する。更なる実施形態では、上記のいずれか1つ以上の値の範囲内又はそれらの値の間の、整数及び分数のいずれであっても、任意の値又は値の範囲が想到される。
【0070】
フィルムは、当技術分野の任意の方法によって形成することができる。一実施形態では、方法は、極性液体から架橋粒子を分離する工程を含む。これは代替として、極性液体を除去する工程又は粒子を乾燥させる工程と記述されてもよい。この工程は上述の通りであり得る。方法は、次いで、粒子を使用してフィルムを形成する工程を含み得る。様々な実施形態において、フィルムは、周囲条件で又は加熱しながら、押出又は水の蒸発を使用して形成される。
【0071】
本開示の方法は典型的には、高分子量ポリマーの製造を可能にする。架橋する前、分子量は典型的には第1、第2、及び第3の反応物の比によって決まるが、第3の反応物(連鎖停止剤として)の濃度は分子量を反比で制御する傾向がある。本開示のポリマーは、より低分子量の同様のポリマーよりも靭性/強度が高い傾向がある。これらのポリマーは、より効率的にかつ頑強にフィルムを形成することができる傾向があり、それらの低分子量類似体よりも低いせん断弾性率を有する傾向がある。更に、これらのポリマーは軟質になりやすいため、エラストマーを形成することができる。加えて、これらのポリマーは低い架橋密度及び高い膨潤性を有する傾向がある。本開示の分散系/エマルションは、高分子量ポリマーの取り扱いをより容易にかつ効率的にすることができ、より少ない時間と費用ではるかに容易にフィルムを製造することを可能にする。
【実施例】
【0072】
実施例1:
ジメチルビニルシロキシ末端基を有し、ビニル含量が約0.09パーセントで粘度が約55,000センチポアズのポリジメチルシロキサン50gを、Max100カップに量り入れ、その後、ジメチル水素末端基を有し、水素含量がSi−Hとして1.66パーセントで粘度が約30センチポアズのポリジメチルシロキサン0.708g、及び以下の構造:HMe
2SiOSiMe
2(CH
2)
2Si(OMe)
3を有する連鎖停止シロキサン0.152gを入れた。SpeedMixer(登録商標)実験室用ミキサーを使用して、カップを最高速度(3400RPM)で30秒間回転させた。次に0.034gのSyloff(登録商標)4000(Pt触媒)を添加し、カップを最高速度で20秒間回転させた。1.10gのC12EO4(Brij(登録商標)30)、その後1.10gの72%(水溶液)C12EO23(Brij(登録商標)35L)及び1.2gの水(水#1)を添加した。カップを最高速度で30秒間回転させた。カップ中の混合物は非常に粘稠なゲル状の粘稠性を有しており、円錐形をしており、透明であった。カップの壁をスパチュラで掻きとり、混合物を分散させるためにカップ中に広げた。カップを再度30秒間回転させると、混合物は再び円錐形となり、ゲル状であり、また透明であった。段階的に水を増量しながら、1gから始めて、次いで2g、次いで3g、次いで4g、次いで5g、次いで7g、次いで8g、合計で30gの水#2でカップの内容物を希釈し、水を添加した後に毎回カップを最高速度で20秒間回転させた。外観が白く完全に不透明のエマルションを、周囲実験室条件で約18時間静置した。エマルションは、約60パーセントの、ケイ素−アルコキシ官能基を有する高分子量ポリジメチルシロキサンの活性非イオン性エマルションで構成されていた。エマルションの粒径は、Malvern Mastersizer(登録商標)2000を使用して決定し、1.22μm(50パーセンタイル)及び1.74μm(90パーセンタイル)であることが分かった。約7gのエマルションを150mmのプラスチック製ペトリ皿にピペットで移すことによってポリマーフィルムを注入成形し、エマルションを24時間乾燥させた。フィルムの試験により、開始時の55,000センチポアズのポリマーよりもはるかに高い粘度であることが判明した。ポリマーはエラストマーではなく、ヘプタン中に可溶であった。
【0073】
Max40カップ中に20gのエマルションを、その後、50パーセントの活性ジオクチルスズジラウレートの水性エマルションを量り入れた。SpeedMixer(登録商標)実験室用ミキサーを使用して、カップを最高速度で20秒間回転させた。エマルションから分取した10gを、プラスチック製ペトリ皿にピペットで移し、周囲実験室条件で約20時間乾燥させた。得られたフィルムはエラストマーであり、タックフリーであった。2回目に分取した10gを、ピペットでペトリ皿に移し、約3日間乾燥させた。得られたエラストマーフィルムの重量を測定し、60mLジャーに移した。ジャーにヘプタンを満たし、ジャーに蓋をし、約48時間静置した。ジャー内のエラストマーフィルムは、顕著に膨潤した。ジャーを開き、その内容物を出して、事前に重量を測定した直径100mmのワイヤーメッシュ(30×30メッシュ)スクリーンに移した。スクリーンを1分間かけて数回振り動かして余分なヘプタンを除去し、ヘプタンで膨潤したエラストマーを含めたスクリーンの重量を測定した。スクリーンを実験室のフード内に置き、ヘプタンを周囲実験室条件で16時間乾燥させた。スクリーンを70℃のオーブン中に4時間入れ、その後放冷し、重量を再び測定した。これらの重量から、ヘプタン中での膨潤体積パーセント及びゲルパーセントを決定した。
膨潤体積パーセント(C7H16中):6,200%
ゲルパーセント:79.3パーセント
【0074】
実施例2:
10gの実施例1に記載のエマルションを、Max20カップに量り入れ、その後、0.032gのDBU(1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン)を量り入れた。SpeedMixer(登録商標)実験室用ミキサーを使用して、カップを最高速度で20秒間回転させた。10gのエマルションを、プラスチック製ペトリ皿にピペットで移し、20時間乾燥させた。得られたフィルムはエラストマーであり、ヘプタン中に不溶であった。
【0075】
前述の実施例は、どのように超高分子量ポリマーの粒子が形成され、粒子内のポリマーが更に架橋されてエラストマーネットワークを形成するのかを示す。反応性官能基を有する中分子量のポリマーを粒子に形成し、ヒドロシリル化により反応させて超高分子量ポリマーの粒子を形成する。各粒子のポリマーを、架橋ポリマーを形成する縮合反応により更に反応させ、エラストマーを得る。このように、この方法によって、超高分子量ポリマーから誘導されるエラストマーの粒子を調製することができる。他の手段を使用して超高分子量ポリマーから出発して粒子を調製することは、そのような超高分子量ポリマーに関連する高い粘度のために困難である。
【0076】
上記の値の1つ以上は、その変動が本開示の範囲内にとどまる限り、±5%、±10%、±15%、±20%、±25%など、変わり得る。マーカッシュ群の各要素からは、他の全ての要素から独立して予期せぬ結果が得られる可能性がある。各要素は、個別に及び/又は組み合わせて依拠されてもよく、特許請求の範囲内の特定の実施形態のための適切な根拠を提供する。独立請求項及び従属請求項の全ての組み合わせの主題が、単独従属であっても複数従属であっても、本発明において明白に想到されている。本開示は、説明の文言を含めて限定的なものではなく、例示的なものである。上記の教示を踏まえて本開示の多くの変更形態及び変形形態が可能であり、また本開示は、本明細書で具体的に記述されている方法とは別の方法により実施されてもよい。