(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シールアセンブリは、前記面シールおよび前記ロータに結合され、前記外側部材を前記ロータ軸に向かって半径方向に引くように構成されているばね(903)の組をさらに含む、請求項1に記載の回転機械。
【発明を実施するための形態】
【0032】
種々の実施形態が、X機関に対する修正を説明し、それは、ボトミングランキンサイクルを実装するための専用チャンバと、シーリング、燃焼効率における追加の改良物とを利用し、全てが高効率に寄与するであろう。
【0033】
定義。本説明および付随の請求項に使用される場合、以下の用語は、文脈が別様に要求しない限り、示される意味を有するものとする。
【0034】
「回転機械」は、回転機関、回転コンプレッサ、回転ポンプ、および回転エキスパンダから成る群から選択される機械である。
【0035】
ロータの「周辺角切り込み」は、ロータの半径方向面の軸方向範囲の低減を引き起こすように、ロータの半径方向端部に位置する、ロータからの切り込みである。
【0036】
「可撓性二次シール」は、ポリマー等の可撓性の材料もしくは圧縮可能な材料、またはOリング、Xリング、Eリング、Cリング、およびその他等の種々の薄断面鋼から作製されるシールであり、これらの可撓性二次シールの主要な特徴は、一次シールの運動を妨げることなく、ロータと一次シールとの間に同時接触を提供することである。
【0037】
「蒸発性液体」は、内燃機関の筐体内で経験される温度および圧力において気体への相変化を受ける液体である。この文脈では、水は、「蒸発性液体」である一方、潤滑油は、蒸発性液体ではない。「X機関」は、ある機関であり、その実施形態が、米国特許第8,523,546号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。X機関は、高効率ハイブリッドサイクル(HEHC)下で動作する。
【0038】
「高効率ハイブリッドサイクル」(または「HEHC」)は、米国特許8,523,546号に説明されるようなサイクルであり、それは、例えば、X機関等の機関によって実行され得る。
【0039】
「媒体」は、吸気ストローク中に機関の作業チャンバに進入する新たな空気または空気/燃料混合物のいずれかである。
【0040】
「粉末材料」は、重量、強度、摩損、摩擦、熱伝導率、熱膨張係数等の観点から回転機械のロータに有益であるセラミック、黒鉛、アルミニウム、マグネシウム、チタン、結合剤、および他の材料を含み得る。
【0041】
「締固めおよび焼結プロセス」は、種々のタイプの構成要素を製造するために、粉末形態の供給原料を処理する、一連の生産技術から成る。これらの生産技術は、概して、以下のプロセスステップの全てまたは殆どを伴う。
a)混合粉末を成形体に形成すること。主な締固めプロセスは、ダイ、パンチ、および場合によってはマンドレルまたはコアロッドを含む固いツールセットにプレスすることを伴う。しかしながら、隙間市場用途において使用される、いくつかの他の締固めプロセスも存在する。
b)完全性および強度を増進させるために成形体を焼結すること。このプロセスステップは、材料を、通常、保護雰囲気下において、主要構成物の融点を下回る温度まで加熱することを伴う。いくつかの場合、微量構成物が、焼結温度において液相を形成し得、そのような場合は、液相焼結として説明される。固相および液相焼結に関与する機構が、後の節において簡潔に議論される。
【0042】
2014年7月31に公開された、米国公開済特許出願第2014/0209056号(2014年1月24日に出願された、特許出願第14/163,654号)(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)は、圧送、圧縮、または他の目的のために使用され得る専用特殊チャンバを伴う一方、機関の残りのチャンバが従来の内部機関燃焼プロセスのために使用される、X機関幾何学形状を説明している。
【0043】
特許第8,523,546号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)は、高効率ハイブリッドサイクル(HEHC)下で動作する、「X機関」と呼ばれるであろう回転機関を説明している。HEHCサイクルは、本質的により効率的であり、過膨張によって排気から可能な限り多くのエネルギーを回収しようと試みるが、それにもかかわらず、有意な熱エネルギーが、排気および冷却において残留する。
【0044】
本願は、(1)米国特許第8,863,724号および第8,523,546号に開示される一般的タイプのエピトロコイド回転機関、(2)回転コンプレッサ、または(3)回転ポンプのいずれかにおいて使用するためのロータの改良物ならびに関連するシールおよび構成要素に関する。
図2は、本明細書に示される改良物が適用可能であるタイプの典型的な実施形態を示す。米国特許第8,863,724号および第8,523,546号は、本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0045】
(X機関動作サイクル)
HEHC X機関は、吸気、圧縮、燃焼および膨張、ならびに排気を組み込む4ストロークサイクルを使用する。これらのストロークの各々は、2つの機関チャンバの各々の中で連続的に起こる。機関は、ポートを付けられ、ポペット弁を使用することなく完全な4ストローク動作を可能にする。空気および燃料が、所与の燃焼チャンバに進入するか、またはそれから退出するようにロータを通して配送される。吸気および排気ポートの場所における非対称性は、過膨張を引き起こす。定積燃焼が、ロータが急回転している間、長期間にわたって隔離された燃焼チャンバの各々の中にその体積の空気および燃料を閉じ込めることによって達成され、ロータの上部の弧は、筐体の弧と整列する。したがって、機関幾何学形状の固有の側面は、機関がHEHCサイクルを具現化することを可能にする。
【0046】
効率改良は、以下の統合を通した熱力学に基づく。1)LiquidPistonの特許第8,523,546号(その全体として本明細書に組み込まれる)に説明される、高効率ハイブリッドサイクル(HEHC)とも呼ばれる高度に最適化された熱力学サイクル:サイクルは、高圧縮比、定積燃焼、および過膨張を組み合わせる。2)機関が、外部から断熱され、内部(シリンダ内)水噴射(WI)(またはより一般的には、蒸発性流体噴射)を使用して冷却されること:この水が蒸気に変わる(蒸発性流体が気体に変わる)につれて、それは、チャンバ内に圧力を蓄積し、気体およびシリンダ温度を低下させながら、冷却損失の部分的回復を可能にする。3)排気からの熱ならびに水/蒸気による内部冷却からの熱の両方が、ベース機関に不可欠なボトミングランキンサイクルを通して回復されること。
【0047】
X機関では、内部冷却のために使用される水噴射(WI)は、機関のシール点においてシリンダ中に噴射または挿入され、それによって、シールを改良し、潜在的には、油潤滑の必要性を排除または低減させることができる。油を伴わないと、機関は、より高温で稼働することができ、放出は、より良好になり、保守要件は、より少なくなるであろう。
【0048】
図1Aは、非常に高効率の組み合わせられた熱および電力システム(CHP)100の実施形態を図示する。例として、1kWeのシステムが、全体を通して使用されるであろうが、この概念は、はるかに大型のシステムに対しても同様に等しく適用可能である。
【0049】
任意の好適な燃料で、例として、天然ガス(NG)で動作する回転X機関「E」が、交流機「A」に結合され、1kWの電力をグリッド相互接続/電力エレクトロニクスボックス「I」に提供する。機関は、3つのチャンバを含み、E
_HEHCチャンバと呼ばれる、そのうちの2つが、天然ガスを燃焼し、E
_STEAMと呼ばれる第3のものが、ランキン(蒸気)ボトミングサイクルのために使用される(チャンバの定義に関しては
図2aを、システムのエネルギー平衡に関しては
図1Bを参照)。対応する噴射器が、E
_HEHCチャンバ内にNG(または設計によって要求されるような任意の他の燃料)を噴射し、蒸気噴射器が、E
_STEAMチャンバ内に蒸気を噴射する。電子制御ユニット「ECU」が、機関Eの燃料、交流機A、および双方向弁「2−w」を制御する。水噴射が、冷却、潤滑、および内部廃熱回収のために使用されるであろう。水は、水道の蛇口から脱イオン化装置「de−I」に供給され、それは、次いで、交流機「A」を冷却し、高圧ポンプ「P」に流入し、次いで、小型熱交換器「HE1」に流入し、そこで、排気ガスからの熱は、この水に伝達され、それを過熱された蒸気に変換し、過熱された蒸気は、機関E
_STEAMのボトミングサイクルチャンバ中にさらに噴射される。接続された回路では、比較的に低温の水が、機関シールに直接給送され、機関のロータおよび他の構成要素を冷却し、この水は、チャンバ内で蒸気に変わり、そうでなければ冷却剤に失われるエネルギーが、部分的に回復される。燃焼後、排気は、触媒コンバータ「CAT」108を通過し、そこで、それは、スクラビングされる。燃焼空気は、「HE1」に退出し、次いで、残留熱が必要とされない場合、それは、弁「2−w」を通して大気中に破棄される。熱が必要とされる場合、排気は、代わりに、残留熱交換器「HE2」132に向かわせられる。外部熱損失を最小限にするために、機関、交流機、触媒コンバータ、およびHE1は、完全に断熱され、したがって、いずれの冷却も、水のみを通して起こる。
【0050】
随意に、動作コストを低下させるために、追加の資本コストではあるが、システムの水は、例えば、サイクロン分離器「CS」によって回収されることができ、その場合、排気流は、水凝縮点まで冷却され、気体から分離される。「CS」からの水は、フィルタ「F」を通して流動し、戻り水ライン135を介して「de−I」に戻される。この選択肢は、外部水供給源に接続する要件を排除するが、追加の構成要素を含む。
図1Aの楕円内に示される構成要素も同様に、随意である。
【0051】
以下では、どのように機関「E」が内部水冷却およびボトミングサイクルを用いて動作し、システムの残りの構成要素と相互作用するかを説明する。
【0052】
(WI/冷却)
典型的には、機関は、水ジャケットを通して流動する冷却剤を用いて外部から冷却され、燃料エネルギーの約3分の1が、したがって、低品位熱に変換され、環境に排除される。本実施形態では、機関を内部冷却するために、異なる方略を実装する。吸気または圧縮ストローク中に噴射される水は、気体を冷却する効果を有し、それは、PV図の圧縮曲線を下方に引き下げる(効率を増加させる)。燃焼または膨張中に噴射された水も、充填物を冷却し、ピーク圧力および温度を低減させるであろう。これは、NOx放出を減少させ、ノックリミットを増加させ、より高い圧縮比を可能にすることもできる(増加させられた熱効率を可能にする)。X機関アーキテクチャに固有のこととして、水噴射は、シールとロータとの間および/またはシールとカバーとの間の界面に直接行われ得、そのような水は、シールおよびロータまたはシールおよびカバーの両方を冷却する一方、蒸気に変わり、潤滑効果も有するであろう。噴射された水は、蒸気に変わる(機関を内側から冷却する)が、蒸気は、チャンバ圧力を増加させるであろう(蒸気によって占有される体積は、周囲条件における液体水の約1,400倍である)一方、全体的温度は、低減させられる。この効果は、電力出力を増加させる一方、燃焼温度を低下させ、それはまた、NOx放出を低減させる。さらに、気体の過膨張は、機関が、生成される蒸気からより多くの利益を得、そうでなければ冷却剤に失われるであろうより多くのエネルギーを捕捉することを可能にする。これは、例えば、超硬質であり、湿潤すると、非常に低い摩擦係数(0.02)を有する、AlMgB14コーティングを使用することによって、代替潤滑方略(水/水蒸気による潤滑)のための道も開く。
【0053】
(ボトミングサイクル)
ボトミングサイクルまたは組み合わせサイクルは、特に、より大型の発電所システムのために一般的に使用される方略である。トッピングサイクル(典型的には、タービン機関または内燃機関)は、典型的には、排気中の燃料において利用可能な熱の約3分の1を排除する。HEHCサイクルは、本質的により効率的であり、4ストロークサイクル以内で可能な限り多くのエネルギーを変換しようと試みるが、それにもかかわらず、有意なエネルギーが、排気において残留する。上で説明されるように、提案されるシステムでは、断熱された機関は、チャンバ内からの水によって、すなわち、チャンバ外の冷却剤チャネルからではなく、ロータおよび/または筐体と水の直接接触によって冷却される。蒸気の形態である水は、次いで、排気と混合され、したがって、本質的に、機械的軸仕事のために使用されない熱の全て、例えば、通常、「冷却」または「熱伝達」に失われるものも、「排熱」と混合され、ボトミングサイクルのために利用可能にされる。典型的には、ボトミングサイクルは、トッピングサイクルから排除された熱を利用し、シャフトへの追加の機械的エネルギーに寄与し、それによって、全体的効率を上昇させることが可能な第2の熱機関によって実装される。大型(MW規模)天然ガス発電所が、そのトッピングサイクルにおいて40%の効率を達成し、次いで、組み合わせサイクルを通して50%〜60%の全体的効率を達成することは、珍しくはない。提案される機関の新規の特徴は、全ての「冷却」損失が、排熱に加えて、ボトミングサイクルのために利用可能にされることである。本明細書に提案される本発明は、3つのチャンバ付き「X」機関に基づき、2つのチャンバは、トッピングHEHCサイクルを行い、第3のチャンバは、ボトミングランキンサイクルのためのエキスパンダとして使用される。蒸気噴射器以外に、いかなる新しいハードウェアも、提案される機関を実装するために必要ではない。結果は、非常にコンパクトかつコスト効果が高く、全組み合わせサイクルは、いくつかの可動部品(加えて周辺機器)のみを用いて達成される。
【0054】
高ブレーキ効率を達成するために、機関は、冷却流および排気流の両方からエネルギーを回収する。
【0055】
3つの機関のチャンバのうちの2つが、HEHCで動作する。機関からの排気は、過熱蒸気を生産する熱交換器に通される。機関の第3のチャンバは、TDCにおいて噴射された蒸気を用いてランキンボトミングサイクルを使用する。
【0056】
機関の提案される実施形態では、水/蒸気が、冷却、シール、潤滑、および熱回収機構として使用される。少量の水のみが、ロータ冷却目的のために必要であり(吸気の質量の約30%)、油は、システムから完全に排除され得る。いかなる油膜も要求されないので、機関動作温度は、(油膜を用いて典型的である180℃の代わりに)最大400℃に増加させられ得る。
【0057】
図2a)に示されるものは、前部カバーが除去された、3チャンバX機関である。それは、筐体(201)と、カバー板(202)および(206、
図2b))と、ロータ(203)と、3つの頂点シール(204)と、2つの面シール(205)とを備えている。吸気充填物(235)が、シャフト(233)および吸気ポート(232)を通してチャンバに流入する。作業チャンバ空間は、ロータ、筐体、および2つのカバー板によって定められる。提案されるトッピングサイクルでは、「E_
HEHC」と呼ばれる、作業チャンバのうちの2つは、2または4ストロークHEHC−SIサイクルを実行する燃焼チャンバとして構成されるであろう。「E_
STEAM」と呼ばれる、第3のチャンバは、ボトミングサイクル専用となるであろう(
図2a)参照)。
【0058】
熱障壁コーティングが、筐体およびカバーの内面上に使用されるか、または筐体の周囲の断熱(図示せず)が、使用され、燃焼熱の大部分をその中に保つ。頂点シールを除いて、任意の可動部品と筐体のいかなる接触も存在せず、したがって、筐体は、頂点シール専用の冷却を提供する場合、冷却されない。冷却されることが必要な構成要素は、ロータおよび全てのシールのみであり、これらは、機関シールを通して圧送される水によって内部冷却される。水の流動が、
図2b)に示される。赤色の矢印(271−入および271−出、272−入および272−出、273−入および273−出)は、頂点シール(204)の各々を通した軸方向におけるカバー板(206)内の計量オリフィス(262)を通した水の流動を示し、これらの流動は、カバー板(202、
図2a))を通して機関の他方の側に退出する。
図2e)は、シール(204)を通した流動(271)の詳細を提供する。頂点シールは、以下だけではなく、2012年3月29日に出願された、出願第13/434,827号(本明細書に参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)(およびまた、米国第8,523,546号)に説明されている。それらは、2つの半体(241および242)から構成され、ばね(244)によって付勢され、これらの2つの半体は、緑色の矢印を用いて示されるように、互い対してスライドし、チャネル(243)を通して流動する水がこのスライド界面を通ってロータ(203)上に漏出することを可能にする。第2のバージョンの頂点シールが、
図2d)に示される。それは、ばね(244)と、付勢されるパッド(245)と、セラミックローラ(246)とを有する。水は、パッド内のチャネルを通って流動し、ローラは、それを引き込み、ロータ上にそれを拡散させる。頂点シールは筐体内で固定されているので、水は、それらを通って連続的に流動する。
【0059】
面シール(205)上への水流は、3次元であり、
図2bおよび2cに示される。水流(281−入)は、軸方向においてカバー板(206)内の計量オリフィス(261)に進入し、それは、U字形面シール(205、
図2c))の接触面上の溝に入る。U字形面シールは、以下の
図8および13において議論される。ここから、流動(281−入)は、破線矢印によって示されるように、2つの方向に分割される。水は、溝内を流動し、同一のカバー板から2つの場所において退出する(281−出)(どのように流動矢印が方向を変化させるかに留意されたい)。X機関の固有の幾何学形状に起因して、面シール(205)内の溝は、常時かつ同時に進入オリフィス(262)および退出オリフィス(263)の両方にさらされ、したがって、面シール/カバー界面を通した連続的水流を可能にする。
【0060】
上で述べられたような水は、シールを冷却するだけではなく、シールすること自体も補助する。シールは、完全ではないが、しかしながら、一部の水が、チャンバ中に漏出し、それは、上で説明されるような水噴射を構成する。また、高温頂点シール/ロータおよび面シール/カバー界面を通って流動するこの水は、水/蒸気混合物を形成し、それは、部分的に、ロータおよびカバー板の壁上で蒸発および過熱する。この水/蒸気混合物は、6つの異なる機能を有する。
【0061】
1)過熱蒸気は、消費されると、ロータおよびカバー板から抽出された熱を犠牲にして、追加の電力を発生させる。
【0062】
2)部分的廃熱回収の結果として、効率が、増加させられる(この熱は、通常、機関ジャケット内の水冷却によって環境に失われる)。
【0063】
3)ロータおよびカバー板の両方の冷却が、水を蒸発させることによって起こる。
【0064】
4)ロータ(ピストン)とシリンダとの間の界面を潤滑化する。
【0065】
5)ロータ(ピストン)をシールする。
【0066】
6)チャンバに進入する蒸気が最終的に排気され、機関排気と組み合わせられるであろうため、より大きい高品質のエネルギープールを生成する。
【0067】
図1Bを参照すると、シリンダの熱力学(機関のE_
HEHC部分内のHEHCサイクル図の内側の点1−4)が、小型1kWe機関のための1−D GT−電力シミュレーションコードを用いてモデル化される。排気ガスおよび水蒸気は、点(4)においてチャンバから退出し、触媒コンバータ(CAT)に進入し、任意の未燃焼燃料が、さらに酸化され、パラメータ(5)とともに退出する。気体/蒸気混合物は、次いで、熱交換器番号1(HE1)に進入し、点(6)においてそれから退出し、HE1の第2のループに進入する水に熱を放出する。HE1の後、燃焼された気体/蒸気混合物は、噴射器に進入し、それはさらに、点(10)においてE_
STEAMから退出する低圧蒸気と混合する。
【0068】
蛇口から供給され、「de−I」(
図1A)において脱イオン化された水は、交流機に進入し、それを冷却し、点(7、
図1B)においてポンプに進入する。水は、点(8、
図1B)においてポンプから退出し、それは、上で説明されるように、HE1に進入する。水は、点(9、
図1B)において過熱蒸気としてHE1から退出し、E_
STEAMに進入し、それは、点(10、
図1B)に膨張し、噴射器に進入し、それは、上で説明されたように、E_
HEHCからの排気と混合する。排気ガスおよび蒸気はさらに、双方向弁に向かわせられる。機関のE_
STEAMチャンバは、したがって、ボトミングサイクルを実行し、そうでなければ機関の冷却および排気によって廃棄される廃熱の一部を回収する。
【0069】
(熱力学モデル化分析)
機関は、既製の商業的交流機(FOAに従って96%の効率であると仮定される)に給電する。効率は、ベースHEHC機関ならびに追加のボトミングサイクル構成要素を含む。HEHC構成要素効率(WIを伴う)は、
【0072】
機関の示される効率η
indは、燃焼非効率性η
combおよび機械的非効率性η
mによって低減させられる。水噴射(α
WI)に起因するBTEの増加に関する消極的な推定値(1.052)を仮定する。
【0073】
ボトミングランキンサイクル(bRc)ブレーキ効率は、η
Rankine=19.6%である。排気/冷却熱の約79%が、ランキンサイクルへの入力として利用可能であることに留意されたい。
【0074】
X機関およびボトミングサイクル(bRcと一緒のHEHC)ブレーキ効率は、
【0077】
最後に、全体的発電セット効率(交流機を含む)は、η
generator=42.9×0.96=41.2%である。
【0078】
HEHCサイクルは、水噴射を用いて増進され、機関および交流機の外部冷却を排除し、加えて単純な手段を効率的な「ボトミングサイクル」に提供するであろう。水および蒸気の存在は、環境および信頼性の両方の利益に拡大される。油の使用は、蒸気潤滑を選択して完全に排除され得る。外部断熱と組み合わせられる内部冷却は、システム内に熱を保つ一方、同時に、静かな動作を確実にする。
【0079】
提案されるCHPシステムの電気効率を推定するために、分析が、2組の仮定、すなわち、消極的な仮定および積極的な仮定を用いて実施された。E_
HEHCの1−Dモデルのために使用された仮定および取得された結果は、以下の通りである。[ブレーキ熱効率=(BTE)]:
【0081】
モデルの詳細:機関プロセスの4つのストローク(E_
HEHC)が、X機関のGT−電力(1−D)シミュレーションにおいてモデル化される。モデルは、X−Mini機関の体積、表面積、ポート面積、および他の特徴を含む適切な幾何学形状情報を有する。
【0082】
空気が、シャフトおよび吸気ポートを通して誘導される。
【0083】
空気が、圧縮される(1→2)。熱伝達(Woschniタイプモデル)および漏出(ブローバイ)が、オリフィスを通してチャンバから退出する流動としてモデル化される。漏出の一部は、隣接するチャンバへのものであり、一部は、大気へのものである。
【0084】
NGが、吸気ポートの閉鎖後の任意の時点で噴射される。
【0085】
空気/燃料は、時間段階的熱解放をエミュレートするために、Wiebe関数を使用して2→3に燃焼される。95%の燃焼効率が、仮定される。この段階中の体積は、ほぼ一定である。
【0086】
燃焼生産物は、3→4に膨張される一方、再び、漏出および熱伝達を考慮する。過膨張が、大気圧が達成されるまで継続する。
【0087】
燃焼生産物は、ロータ内の排気ポートを通して、カバー内の窓を通して排気され、触媒コンバータ(CAT、
図1および2)に進入する。
【0088】
CATでは、残りの燃料は、さらに酸化され、排気温度が、増加させられる。
【0089】
CATから、排気は、熱交換器HE1に向かわせられる。
【0090】
GT−電力シミュレーションにおいて水および蒸気をモデル化することは、困難である。ここに提示される分析では、HEHC(水噴射を伴わない)をモデル化するが、文献研究に基づいて、効率において5%(消極的)または22%(積極的)の利得が可能であると仮定する。
【0091】
残りの計算は、水/蒸気表を使用して実施された。熱交換HE1に対して:
M
E(h
6−h
5)=M
w(h
9−h
8)=Q
HE1=1.32kW(HE1において交換された熱) (1) 式中、
M
Eは、E_
HEHCから退出する排気ガスの質量である(E_
HEHCの1Dシミュレーションから)
h
1−h
6は、点1から6における気体のエンタルピである(1Dシミュレーションから)
HE1に進入する水の質量が、方程式(1)から見出されることができる:
M
w=0.0004kg/秒は、水流である
h
7−h
10は、点7から10における水/蒸気のエンタルピである。
【0093】
h
7は、交流機から退出する水の条件を与える(交流機内の水温上昇は、最小の12℃である)。ポンプ圧が選定されると(40バールと仮定される)、E_
STEAMの全ての他の点が、水/蒸気表から見出され得る。
【0094】
以下の全ての残りのパラメータは、スペースを節約するために、「消極的」仮定に対して示される。
【0095】
Q
in=2.45kW(燃料入力のより低い加熱値が、パラメータとして与えられる)
W
OUT=W
HEHC+W
STEAM−W
PUMP
=0.792kW+0.2604kW−0.0016kW=1.05kW
W
HEHC_Indicated=0.931kW(HEHC機関のGT−電力モデルから示される正味の仕事)
【0097】
E_
HEHC機関に関する効率「階層」は、以下である:
【0099】
(ブレーキ効率)(η
comb=95%(仮定される燃焼効率);η
ind=38%(「消極的」仮定によるGT−電力からの1−dシミュレーション結果);η
m=85%・・・LPIにおいて測定された(5%のBTE合計摩擦損失に対応する);η
WI=1.052(WIの使用からの効率利得に関する消極的仮定);
W
S=M
w(h
10−h
9)η
ise_S=0.2604kW、E_
Steamおける蒸気によって生産された仕事であり、以下を仮定する
η
ise_S=0.7(典型的には、η
ise_Sは、65%〜85%に変動する);
W
P=M
w(h
8−h
7)η
ise_p=0.0016kW(ポンプを駆動するために要求される仕事)
したがって、
【0101】
WIおよびランキンボトミングを用いる完全なX機関効率は、次いで:
【0103】
であり、
96%の交流機効率を考慮し、以下の合計発電機効率を得る:
【0105】
積極的なシナリオに関して繰り返すこと(および詳細をスキップすること)によって、η
generator=47.7%を得る。
【0106】
したがって、消極的および積極的シナリオの両方に対して、提案される発電機の効率は、要求される40%を超える一方、1kWeおよび1kWをわずかに上回る使用可能な熱を100℃を上回る温度において提供するであろう。
【0107】
圧縮空気もしくは窒素または高圧液体空気もしくは窒素を使用することが有益である場合、気体噴射器が蒸気噴射器の代わりに使用され得ることに留意されたい。
【0108】
図3A、
図3B、および
図4に示される提案される発明の別の実施形態では、内燃機関300のピストン構成が、利用され、2シリンダ機関300を形成する単発ピストン303のみが、示されるが、それは、多発ピストン幾何学形状に対して等しく好適である。
【0109】
図3a)は、機関300の一般図を提供し、
図3bは、筐体を通してピストンに、および溝を通過する水を示す断面である。
図4は、ピストンおよび筐体の両方の中の溝304ならびに「供給ライン」305を示す断面である。示される実施形態では、水は、可動部材(ピストン303)内の導管を通して供給されるが、代替実施形態(図示せず)では、水は、筐体内の導管によってシール面に直接供給され得る。
【0110】
弁と燃料噴射器307および水噴射器(308)の両方を伴う燃焼チャンバ306が、1つの可能な構成として、機関の傍らに示される。燃料および水噴射器に加えて、またはそれらの代わりに、一方または両方のチャンバが、蒸気および/または気体噴射器(図示せず)を使用し得、蒸気および/または高圧高温気体が、機関の外側に形成されるであろう。必要に応じて、スパークプラグ(図示せず)も、空気/燃料混合物に点火するために使用され得る。水噴射は、燃料および/または気体噴射とともに断続的に、または同時に使用され得る。蒸気噴射器の包含は、上で説明されるX機関と類似するボトミングランキンサイクルの実行を可能にするであろう。水の流動が、
図3Bにおいて青色の破線として示される。冷却水301−入は、ピストン内の水供給ラインを通って筐体に進入し、ピストン溝に進入する(
図4)。ピストンの溝内を流動するこの水は、シリンダおよびピストンを同時に冷却し、ピストンとシリンダとの間の間隙をシールし、したがって、シールとしての役割も果たす。水は、部分的に蒸発し、水/蒸気混合物を形成し、それも同様に、潤滑剤としての役割を果たすであろう。再び、X機関の場合のように、そのようなシールから逃散する蒸気は、シリンダ内の気体と混合し、最終的に、機関から排気され、熱交換器(ボイラ/過熱器)に向かわせられ、新たな蒸気が、蒸気噴射器を通して機関に噴射されるように形成され、したがって、ボトミングランキンサイクルを実装するであろう。
【0111】
X機関に対して概説される同じ6つの利益は、
図3A、3B、および4のピストン機関に対しても適用されるであろう。
【0112】
図5a)およびb)は、一方の側の板(501)を用いて排気ポート肋材エリアを方略的に遮断し、それによって、加圧排気ポート(503)からの冷却空気(502)を遮断することによって、過給機関への加圧冷却空気の損失を防止するために有用であり得る、ロータに対する修正のいくつかの詳細を提供する。
図5a)は、空気冷却用途において、ロータの周縁(505)からの熱伝達の効率を増進させるための熱伝導性フォーム(504)の使用も実証する。フォームに加えて、ロータの周縁に一体的な小さい肋材または「フィン」(506)が、ロータを冷却するために非常に効果的である。ロータのハブに近接する冷却空気流は、この領域内の肋材の温度が比較的に低いので、効果的ではない。板(507)が、空気の流動を肋材のエリアのみに向かわせ、冷却空気流要件を節約するために使用され得る。代替として、ロータの異なる軸方向面に位置する、板(508)が、ジグザク空気流パターンを与え、それは、ひいては、熱交換の有効性を増加させ得る。
【0113】
(2ストローク設計)
上で言及されたように、X機関設計は、2ストロークおよび4ストロークの両方の動作に対して好適である。X機関の2ストローク実施形態が、
図6a)およびb)に示され、側ポート付きX機関が、2つのローブ付きロータおよび3つのローブ付き筐体を利用する。この図では、前部カバー板は、より容易な視認を可能にするために示されない。下死点位置に示されるロータ(602)が、ギヤ機構を介して、筐体(601)およびカバー板(604)とタイミングを合わせて、クランクシャフト(605)の周りに回転する。ロータ(602)が回転するにつれて、そのシール(図示せず)は、ポート(603、606、および607)を横断し、それらをそれらのそれぞれの作業チャンバに対して効果的に閉鎖または開放する。ポート(603、606、および607)は、いずれかの側板内に作製されるが、潜在的には、ポート(603、606、および607)に対して、異なる形状または場所において作製され得、同一の側カバー(604)および/または対向する側カバー(図示せず)上に作製され得、吸気または排気ポート(本図では隠される)として作用するように位置付けられ、配管される。
【0114】
窓(609)は、随意である。この構成の機関は、利用可能な燃焼方法(スパーク点火、圧縮点火、HCCI等)のいずれかと共に使用され得る。
【0115】
示されるようなロータ(602)は、本質的に対称であるが、非対称設計も、可能であり、同様に機能するであろう。この構成では、ロータの両方のローブは、サイクルの圧縮および膨張部分のために使用される。このロータ内に示される肋材(608)は、随意である。ロータの両側は、中実にされ得る(図示せず)。
【0116】
図6b)は、2ストロークX機関アーキテクチャポートエリアの可能な構成を示す。ポート3−a(吸気)および3−b(排気)は、一方または両方の側カバー上に位置し得、および/または重複し得る。概して、排気ポートは、最初に開放し、膨張された気体に排気を開始させるであろう。ポート付き2ストロークピストン機関に関して典型的であるように、排気ポートに向かう空気の流動は、吸気口が開放されると再開され、この流動は、吸気充填物を引き込むことに役立つ。別のアプローチは、吸気口を通して加圧空気、例えば、「空気ナイフ」を流動させ、新たな空気が機関に進入し、排気ガスが排出されることを確実にすることである。
【0117】
ロータ(602)のシール(図示せず)は、これらのポートを横断し、作業チャンバ(604)との連通からそれらを離すように効果的に開放および閉鎖する。ポート(603−a、603−b)の形状および場所は、ポートタイミング、ポート流動面積、ポート重複、圧縮比、および他の重要な機関パラメータを決定する。従来のポート付き2ストロークピストン機関(下死点についてポート対称性を伴う)に優るこれが有する1つの利点は、機関下死点について非対称なポートタイミングを有する能力である。この利点を使用するための一方法は、サイクルを通して移動するとき、排気ポートが閉鎖された後に吸気ポートを閉鎖することである。これは、いくつかの様式の強制誘導(スーパーチャージャもしくはターボチャージャ、または上で示されるように、特に、出射圧縮過給)と結合され、作業チャンバが新たな空気を用いて外部から加圧され、より多くの新たな気塊を効果的に閉じ込めることを可能にし、それによって、機関がより多くの電力を生産することを可能にする。下死点または上死点について非対称ポートタイミングが使用され得る別の方法は、過膨張サイクルを生産することである。強制誘導は、この設計においても使用され、ポート重複期間中に残留物を掃気し、それらを新たな作業流体と置換する。ポート形状、面積、ならびに上流設計および形状が、所望の性能特性を生産するために重要であり、多くの異なる形態をとることができる。
【0118】
この2ストローク動作は、任意のN個のローブ付きロータおよび(N+1)個のローブ付き筐体に対しても適用可能である。N=1であるときの具体的事例が、
図6c)に示され、すなわち、ロータは、1つのローブ付きであり、筐体は、2つのローブ付きである。窓(603)の形状、機能、または場所は、
図6に示されるものと同一であることも、異なることもある。
【0119】
機関は、吸気および排気のためにポートまたはポペット弁の組み合わせを使用し得る。
【0120】
(シール)
サイクルまたは設計がどの程度効率的であるかにかかわらず、シールが良好に機能していない場合、機関から高効率を期待することはできない。したがって、機関の効率をさらに増加させるために、シールの有効性を増加させることが、最重要である。以下の実施形態は、X機関幾何学形状のためのシール改良物に対する概念を実証する。X機関幾何学形状のために設計および実装されたシール、特に、以下のU字形シールは、回転X機関の測定される性能を有意に改良し、シール性能は、標準バンケル式機関のものを上回り、従来のピストン機関のものに近づいた。これらのシールは、任意の機関に加えて、コンプレッサまたはポンプにおいて使用され得、したがって、シールされることが必要な媒体として、流体(気体または液体)について記載するであろうことに留意されたい。多くの場合、シールは、他のタイプの回転もしくはピストン機関、コンプレッサ、またはポンプにおいて機能するように一般化されることができる。
【0121】
U字形シール(710)が、ロータ(720)および頂点シール(730、
図7c))とともに、
図7a)からd)に示される。これは、U型断面(
図7c)−e))を有し、前部脚部(711)と、後部脚部(712)と、これらの2つの脚部を接続するブリッジ(713)とから成る。シール(710)は、ロータの対応して成形された隆起(721)上に置かれる。U字形シールの前部脚部の半径方向面(714)は、シールされている流体(液体または気体)にさらされる。この表面(714)は、ロータのOD(722)に等しいか、またはそれよりもわずかに小さいODを有し、該ロータの半径方向面(722)上に乗っている頂点シール(730)との接触を回避する。表面(714)に作用する流体圧力は、隆起(721)との接触をとるようにシールの脚部(711)を押し付け、したがって、流体のための漏出経路をシールする。U字形シールの前部脚部の軸方向面(715)は、機関の静止した側カバー(740)と接触する。後部脚部(712)の機能は、シールが随意の間隙(717、
図7a))を有し得るので、シールが半径方向に外れること、またはロータの隆起(721)から滑り落ちることを防止することである。シール上の回転防止特徴(716、
図7a))は、ロータ内の凹部と一致する。ロータの隆起の孔(722)内に位置するばね(750)によって提供される初期予荷重を除いて、U字形シールは、気体作動させられ、流体にさらされた第2の面(718)に作用する流体の圧力は、矢印の方向に軸方向の力を提供し、それは、シールを側カバー(740)に向かって押し付ける。したがって、流体は、表面(714)および(718)を加圧し、シールを静止したカバーに対して、かつ隆起(721)に対して押し付ける。静止した部材(カバー)からのシールのいかなる離昇も存在しないであろうことを確実にするために、カバーと接触する表面(715)の面積は、表面(715)上への面積(714)および(718)の投影の合計を下回るべきである。例えば、
図8は、シールの軸方向接触面715上へのシールの流体圧力を受ける面(例えば、718;714)の表面積の投影726、または代替として、側カバー740によって画定される平面上へのシールの流体圧力を受ける面(例えば、718;714)の表面積の投影726、同一の側カバー740上への流体圧力を受ける面(例えば、718;714)の投影727を図式的に図示する。この面積(715)の計算は、幾分複雑であるが、一般的原理は、U字形シールに作用する動的外力(ばね予荷重、気体圧力、摩擦および慣性力)がシールを側カバー(740)から離昇させず、また、摩擦力が最小化されるべきであるということである。二次(随意の)ストリップシール(760、
図7d))も、U字形シールのシール特性をさらに改良するために使用され得、一次U字形シールのために付勢し、安定性を提供することにも役立ち得る。ロータ内の従来の溝内に配置されるそのような二次シール(
図7f)は、隆起(721)の代わりに使用され得る。
【0122】
さらに別の改良物が、
図7e)に示される。この構成は、ロータの隆起ではなく、ロータ(722)の縁上に配置されるU字形シールと、4片の頂点シール(731、732、733、および734)(したがって、名称は「4Pシール」)とから成る。ロータ−シールアセンブリは、ロータ(720)と、U字形シール(710)と、筐体(770)と、随意の内部ストリップシール(760)と、頂点シール三角形(733)と、頂点シール長片(732)と、ボタンシール(731および734)と、コイルばね(750)と、板ばね(780)とから成る。U字形シール(710)のODは、ロータ(720)のODよりも大きく、頂点シール三角形(733)および頂点シール長片(732)は、ロータ(720)と接触する一方、2つのU字形シール(710)は、ボタン(731および734)とOD上で接触する。全てのシールの構成要素は、ばねおよび流体起動させられる。筐体(770)は、ロータが上死点位置にあるとき、U字形シールが嵌入するように切り抜かれた溝(図示せず)を有する。頂点シールのボタン区画は、U字形シールの半径方向面の上を連続的に延びているので、U字形シールの分割は、静止した部材に接触する表面に垂直ではなく、むしろ、鋭角、例えば、15度において行われる必要がある。これは、ボタンシールが分割部の上を平滑に延びることを可能にする。
【0123】
図9は、ロータの「腰部」において隆起と接触したままであるようにU字形シールを補助し得る随意のばね(903)を示す(これらの区画は、遠心力および摩擦に起因して、隆起から離れるように移動する傾向がある)。
【0124】
図10では、面シールの別の実施形態が、示され、板面シール(1002)が、ロータ(1001)の縁上に置かれる。板面シール(1002)は、化学エッチング、レーザ切断、機械加工、または任意の他の好適な技術によって製造されることができる。板シールは、隆起(1003)と接触する回転防止スロットを有する。加えて、板が、高強度、高弾性限、かつ低弾性率材料を用いて作製される場合、いかなる追加のばねも、シールを付勢するために必要とされず、ロータ上の小さい隆起(1006)が、板シールをカバーに向かって押すであろう一方、流体圧力が、このデバイスの動作中、引き継ぐであろう。
【0125】
シールの適切な動作を確実にするために、板面シール(1004)のIDは、ロータ溝(1005)のODよりもわずかに大きい一方、板のODは、ロータのODよりもわずかに小さくなるべきである。
【0126】
静止した部材からのシールのいかなる離昇も存在しないであろうことを確実にするために、U字形シールのために使用される同一のルールが、ここでも適用され、すなわち、静止した面と接触するシールの脚部の面積は、該表面上への加圧流体にさらされる面積の投影の合計を下回るべきである。
【0127】
図11では、面シールの別の実施形態が、示され、静止したストリップシール(1102)が、カバー(1104)における溝内に置かれる。シールアセンブリは、ロータ(1101)と、静止したシール(1102)と、ボタンシール(1103)と、カバー(1104)と、頂点シールアセンブリ(1105)と、板ばね(1106)とから成る。静止したシール(1102)およびボタンシール(1103)は、カバー(1104)におけるシール溝内に着座している。ロータ(1101)は、側上に平坦面を有する。ロータ(1101)、頂点シールアセンブリ(1105)、静止したシール(1102)、およびボタンシール(1103)、および筐体は、一緒にシールチャンバを形成した。板ばね(1106)は、頂点シールアセンブリ(1105)をロータ(1101)ODに向かって押している。コイルばねは、静止したシール(1102)およびボタンシール(1103)をロータ(1101)側面上に押している。
【0128】
機関のロータは、鋼、アルミニウム、セラミック等の単一材料から作製されるか、または2つ以上の材料から作製され得る。
図12は、低摩損および摩擦率、高温能力等のいくつかの高度な特性をロータに与え得るスリーブとともにロータが作製され得る方法の例を示す。ロータ(1201)は、
図12a)においてスリーブ(1202)に挿入されて示される。スリーブおよびロータ内の「実矧ぎ」特徴(1203)は、ロータとのスリーブの一致ならびに減回転特徴を保つために使用され得る。加えて、スリーブは、上で提示される多くのシール設計において要求されるロータ隆起として使用され得る(例として、スリーブ(1202)上に搭載されるU字形式シール(1205)を示す
図12c)参照)。最後に、スリーブまたはロータ自体は、潜在的に、吸気ストローク中に燃焼ガスの戻る量を限定し得る、いくつかの流動特徴(1204)を有し得る。
【0129】
図13a)−c)は、シール性能を補助するために種々の可撓性シール要素(ポリマーまたは金属:ストリップ、中空Oリング、Cリング、Eリング、クオッドリング、Xリング等)を含む、U字形シールの追加の変形例を表示する。これらの可撓性要素は全て、圧力および温度の大部分を経験する一次シールと協働する。可撓性要素は、その独自の弾性特性によって付勢される一方、動作中、一次シールを過ぎて逃散する流体によって付勢されるであろう、二次シールを形成する。
【0130】
図13a)−c)および
図14a)−l)は、そのような可撓性要素が使用され得る方法の可能な例を実証する。(1301、1401)−ロータ、(1302、1402)−スリーブ、(1303、1403)−一次シール要素、(1304、1404)−可撓性二次シール、(1305、1405)−予荷重ばね、(1406)−コンテナ金属リング、ならびに一次シールとロータとの間の気体圧力および楔によって起動させられる(1407)−タングステンワイヤ。この最後の概念も、
図10に説明される板シールと良好に機能するであろう。
【0131】
前述のように、タングステンワイヤを使用するシールでは例外的に、全てのこれらのシールのシール面、すなわち、側カバー(板)と接触する表面は、カバーと接触する表面の面積が、この表面上への加圧気体にさらされる面積の投影の合計を下回るべきであるように作製されるべきである。これらの接触面は、他の特徴の明確化のために、
図14に示されない。
【0132】
図13Aは、カテゴリ(1)の機関、または(2)回転コンプレッサ、または(3)回転ポンプのための改良されたシールの実施形態を例証する。本実施形態では、軸の周りに回転するエピトロコイドロータと、筐体と、第1および第2の側方に配置されるカバーとを有するタイプの改良された回転機関(またはコンプレッサまたはポンプ)が、提供される。改良物は、筐体と第1のカバーの接合部によって形成される第1のエピトロコイド状に成形された角内に配置される第1の面シールを含み、第1の面シールは、軸を通過する平面内に略U型断面を有し、したがって、第1の面シールは、軸に対して遠位である外側脚部と、軸に対して近位である内側脚部とを有し、2つの脚部は、U形状のブリッジによって接合され、外側脚部は、ロータの対応する外側切り欠き内に配置され、内側脚部は、ロータの対応する内側切り欠き内に配置される。随意に、本実施形態は、回転防止特徴を有し、それは、ロータに対するシールの回転を防止し、
図15に示されるものと同様に、シールに取り付けられ、軸に向かって半径方向に内向きにロータ内の対応する陥凹中に突出する、略丸形パッドを採用する。
【0133】
さらなる関連する実施形態では、改良物は、筐体と第2のカバーの接合部によって形成される第2のエピトロコイド状に成形された角内に配置される第2の面シールを含み、第2の面シールは、軸を通過する平面内に略U型断面を有し、したがって、第2の面シールは、軸に対して遠位である外側脚部と、軸に対して近位である内側脚部とを有し、2つの脚部は、U形状のブリッジによって接合され、外側脚部は、ロータの対応する外側切り欠き内に配置され、内側脚部は、ロータの対応する内側切り欠き内に配置される。
【0134】
随意に、第1の面シールのU形状のブリッジは、第1のカバーと接触するその表面に配置されるチャネルを含み、チャネルは、その中にある成分を保持し、その成分は、水、潤滑剤、ならびに水および潤滑剤の組み合わせから成る群から選択される。
【0135】
タングステンワイヤが二次シールとして使用される場合、側シールのシール面、すなわち、側カバー(板)と接触する表面は、カバーと接触する表面の面積が、この表面上への加圧気体にさらされる面積の投影の合計にタングステンの投影を加えたものを下回るべきであるように作製されるべきである。
【0136】
(燃焼)
機関の効率をさらに増加させるために、燃焼プロセスを増進させることが、必要である。
図15は、高速燃焼チャンバ(1501)を示す。燃焼チャンバは、筐体(1502)内の陥凹であり、非対称形状を有する。例えば、陥凹1501の形状は、陥凹1501と筐体1502の中心点とを通過する線について非対称であるとして説明され得る。
【0137】
内部筐体外形(1503)は、2つのエリア、すなわち、前縁(1504)および後縁(1505)において燃焼チャンバと出合う。ロータがTDCに接近すると、鋭的な前縁(1504)は、燃焼チャンバ(1501)内に反時計回りの空気渦を発生させ、空気渦は、維持され、後縁によって誘導される。空気渦は、充填物運動を増加させ、燃料および空気混合を改良する一方、燃焼プロセスを加速させ、両方とも、機関効率および性能のための重要なパラメータである。空気渦は、通常の自動車機関速度において動作しながら、45m/秒のピークを伴う旋回空気速度に到達する。
図16は、噴射プルーム(1506)を収容する、高速燃焼チャンバの追加の特徴を提示する。機関が直接燃料噴射を用いて動作しているとき、燃焼チャンバの細長い形状は、全燃料プルームを収容し、したがって、燃焼不良およびより高い毒性の放出物の原因として公知である、燃料壁衝突を排除することができる。
【0138】
図15および16は、N個のローブ有するロータ1509と、作業媒体の吸気のための吸気ポートと、排気ポートと、ロータが筐体に対する回転運動のために搭載される筐体とを有するタイプの回転機関を図式的に図示し、筐体は、N+1個のローブ受け取り領域と、(i)隣接するN+1個のローブ受け取り領域の各対間に配置されている先端と、(ii)側の対とを有し、N+1個のローブ受け取り領域はさらに、チャンバを確立するように、ロータが筐体に対して回転するとき、N個のローブを連続的に受け取るようにロータに関連して構成され、チャンバは、N+1個のローブ受け取り領域のうちの各1つに関連付けられ、確立されたチャンバのうちの少なくとも1つのチャンバは、連続して、吸気、作業媒体の圧縮および燃料の噴射、燃焼、膨張、ならびに排気の段階を処理するように構成される。機関は、燃焼が起こる各チャンバに関連付けられる陥凹1501を筐体内に含み、陥凹は、一連の圧縮および燃料の噴射において、作業媒体内に渦を生成するように非対称的に成形される。いくつかの実施形態では、陥凹1501は、狭小端部(例えば、燃料噴射器1510が燃料のプルーム1506を噴射する場所)と、狭小端部から遠位のより広い端部とを有する細長い滴状形状を有し、それは、
図16に最も分かりやすく見られる。その形状は、その中に噴射される燃料のプルーム1506に関連付けられる形状および体積を収容する(例えば、上で留意されるように、燃焼チャンバ/陥凹1501の細長い形状は、燃料プルームを収容し、したがって、燃焼不良およびより高い毒性の放出物の原因として公知である、燃料壁衝突を排除することができる)。
【0139】
(改良された燃料噴射)
燃焼効率をさらに増進させるために、燃料および燃焼空気の良好な混合を提供することが、重要である。上で説明される高速渦を発生させることは、その貫通長が小さく、非常に小さいサイズ(5〜10ミクロンの範囲内)の液滴を発生させる噴射器によって補完され得る。典型的には、これは、空気補助下噴射器(Orbitalら;また、米国特許第5,520,331号も参照(これは、消防用途において水の消費を最小限にするために使用される空気補助下液体噴霧ノズルを説明している))を用いて遂行され、それは、加圧空気を提供するために、別個の小型コンプレッサを要求する。本発明では、米国第5,520,331号に説明されるものに類似するが、空気コンプレッサを要求しないアプローチを提示する。
【0140】
(ロータ製造)
X機関の効率および電力をさらに増加させるために、機関の動作温度を増加させ、摩擦(および摩損)を低減させることが、有益である。全体的にセラミックから作製されたロータが、これらの目標を達成するために非常に有望であるが、製造することが極めて高価である。より安価かつより優れた解決策が、例えば、[「Dry Powder Deposition and Compaction for Functionally Graded Ceramics」Zachary N.Wing およびJohn W.Halloran,Department of Materials Science Engineering,University of Michigan,Ann Arbor,Michigan 48109]に説明される勾配粉末堆積金属粉末冶金プロセスを使用して特別に製造されるロータによって提供され得る。ロータの周縁は、セラミックおよび/または金属ならびに/もしくは黒鉛粉末の混合物を利用して作製される一方、ロータの中心部分は、アルミニウムまたはチタンもしくは任意の他の軽金属粉末から作製され得る。そのようなロータを作製する方法が、
図17に示される。ロータは、全てが
図17f)に示される、基部(1702)と、挿入部(1703)と、取り外し可能薄ガイド(分離器)(1704)と、カバー(1705)とから成る、金型(1701、
図17a))の内側に製作される。粉末が、基部と、カバーと、挿入部との間の空間中に「勾配して」(すなわち、3D空間において非均一に)堆積される(
図17b))。勾配堆積は、半径方向および/または軸方向において遂行され得、幾何学形状の観点からだけではなく、粉末組成物の観点からも同様に非対称に作製され得る。勾配は、取り外し可能薄ガイド(1704)の助力により、計量式ロボット粉末分注システムによって、または手動で生成される。そのガイドが除去された後、基部と挿入部との間に材料の勾配混合物(1706)が残され(
図17d))、金型カバーが、次いで、基部上に配置され(
図17e))、金型は、高い圧力および随意に高い温度下で、締固めならびに焼結を受ける。金型はまた、互いへの粉末層の分散を増進させるために、振動させられ得る。
【0146】
本発明の種々の実施形態は、この段落に続く(かつ本願の最後に提供される実際の請求項の前の)段落において列挙される潜在的請求項によって特徴付けられ得る。これらの潜在的請求項は、本願の記載される説明の一部を形成する。故に、以下の潜在的請求項の主題は、本願または本願に基づいて優先権を主張する任意の出願に伴う後の手続において、実際の請求項として提示され得る。そのような潜在的請求項の包含は、実際の請求項が潜在的請求項の主題を網羅していないと意味するように解釈されるべきではない。したがって、後の手続においてこれらの潜在的請求項を提示しないという決定は、公共へのこの主題の贈与として解釈されるべきではない。
【0147】
限定ではないが、主張され得る潜在的主題(以下に提示される実際の請求項との混同を回避するように文字「P」で始められる)は、以下を含む。
【0148】
P1.静止した部材と可動部材との間の間隙をシールするように意図され、2つの脚部と、これらの脚部を接続するブリッジとから成り、したがって、前部脚部は、2つの表面上で加圧流体にさらされ、第3の表面は、静止した面と接触し、第4の表面は、可動部材の隆起の整合面と接触し、静止した面と接触するシールの脚部の面積は、該表面上の加圧流体にさらされる面積の投影の合計を下回る、U字形に成形されたシール。
【0149】
上で説明される本発明の実施形態は、単に、例示的であることが意図され、多数の変形例および修正が、当業者に明白となるであろう。全てのそのような変形例および修正は、任意の添付される請求項に定義されるように、本発明の範囲内であることが意図される。