(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示装置は、前記設定情報を記憶する設定情報記憶部と、前記操作処理部により入力された前記設定情報に応じて前記設定情報記憶部に記憶されている前記設定情報を更新する設定処理部と、を更に含み、
前記表示処理部は、前記設定情報記憶部に記憶されている前記設定情報に対応した状態で前記メニュー画像を表示させ、
前記設定情報通信部は、前記設定情報記憶部に記憶されている前記設定情報を前記タッチパネルへ送信する、
請求項1又は2に記載のタッチパネル一体型表示装置。
前記通信部は、前記設定情報を設定するためのアプリケーションプログラムが記憶された外部のコンピュータから前記設定情報が受信されると該設定情報を前記表示装置へ送信し、
前記設定処理部は、前記設定情報記憶部に記憶されている前記設定情報を、前記通信部から受信した前記設定情報によって更新する、
請求項3又は4に記載のタッチパネル一体型表示装置。
前記タッチパネル装置は、前記タッチパネル一体型表示装置の電源が投入された場合に、前記表示装置から前記設定情報を受信するステップを実行した後、前記コンピュータからの前記設定情報の有無を判断するステップを実行し、
前記制御部は、最も新しく受信した前記設定情報に基づいて処理を実行する、
請求項5に記載のタッチパネル一体型表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル一体型表示装置1の構成を概略的に示すブロック図である。本実施形態に係るタッチパネル一体型表示装置1は、タッチパネル装置100と、表示装置200とを備え、タッチパネル装置100と表示装置200とが互いに通信可能に接続されて構成される。
【0013】
タッチパネル装置100は、中央演算部110と、USB(Universal Serial Bus)通信部120と、タッチ検出部130と、通信部140と、設定値制御部150とを含んで構成される。
【0014】
中央演算部110は、タッチパネル装置100の各部の動作を制御する。中央演算部110は、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、プログラミングすることができるLSI(Large Scale Integration)であるFPGA(Field Programmable Gate Array)、特定の用途のために設計、製造される集積回路であるASIC(Application Specific Integrated
Circuit)、およびその他の演算機能を有する回路のいずれによって実現されてもよい。
【0015】
USB通信部120は、外部の装置とUSB接続するためのUSB端子であり、本実施形態では、
図1に示すように、コンピュータ10との接続に用いられ、タッチ検出部130によって算出されたタッチ位置の座標の座標データをコンピュータ10へ送信し、また、コンピュータ10から自装置についてのタッチ操作に関する設定値を受信する。
【0016】
タッチ検出部130は、タッチ操作を検出する検出面を有し、該検出面に物体が接触(タッチ)すると、そのタッチ位置の座標を算出する。物体の接触を検出するための方式としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などいずれのタイプであってもよい。
【0017】
通信部140は、たとえばUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter
)およびI
2C(Inter-Integrated Circuit)などによって実現され、表示装置200との間で、自装置についてのタッチ操作に関する設定値などのデータを送受信する。
【0018】
設定値制御部150は、USB通信部120がコンピュータ10から自装置についてのタッチ操作に関する設定値を受信すると、それ以降は、コンピュータ10から与えられた設定値に応じた予め定める処理を行い、また、通信部140が表示装置200から自装置についてのタッチ操作に関する設定値を受信すると、それ以降は、表示装置200から与えられた設定値に応じた予め定める処理を行う。
【0019】
本実施形態では、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定値として、タッチ動作モードを設定する設定値が用いられている。ここで、タッチ動作モードを設定する設定値とは、複数の位置に同時に指またはスタイラスを接触させて入力することができるマルチタッチと、1箇所の接触しか検出することができないシングルタッチとのいずれかを設定する値のことである。
【0020】
たとえば、設定値制御部150は、タッチ動作モードを設定する設定値としてマルチタッチを示す値を受信すると、タッチ検出部130によって算出されたタッチ位置の座標の座標データを、マルチタッチ用の形式であるデジタイザー形式でコンピュータ10へ送信させ、タッチ動作モードを設定する設定値としてシングルタッチを示す値を受信すると、
タッチ検出部130によって算出されたタッチ位置の座標の座標データを、シングルタッチ用の形式であるマウス形式でコンピュータ10へ送信させる。
【0021】
表示装置200は、中央演算部210と、映像信号入力端子220と、映像信号処理部230と、OSD(On-Screen Display)表示処理部240と、タッチパネル設定処理部
250と、操作処理部260と、通信部270と、表示処理部280と、設定値記憶部290と、表示用デバイス300(表示部)とを含んで構成される。
【0022】
中央演算部210は、表示装置200の各部の動作を制御する。中央演算部210は、マイクロプロセッサ、プログラミングすることができるLSIであるFPGA、特定の用途のために設計、製造される集積回路であるASIC、およびその他の演算機能を有する回路のいずれによって実現されてもよい。
【0023】
映像信号入力端子220は、外部の装置から出力される映像信号を入力する端子であり、本実施形態では、
図1に示すように、コンピュータ10から出力された映像信号が入力され、入力された映像信号を映像信号処理部230へ出力する。映像信号処理部230は、映像信号入力端子220から受け取った映像信号に所定の処理を施し、所定の処理後の映像信号を表示処理部280へ出力する。
【0024】
OSD表示処理部240は、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定、および表示装置200についての各種の設定を行う際に用いられるOSDメニュー画面の画像データを保持し、ユーザにより、操作処理部260に対して、たとえばタッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うための入力操作が行われると、タッチ操作に関する設定のためのOSDメニュー画面の画像データを表示処理部280へ出力する。
【0025】
タッチパネル設定処理部250は、タッチパネル装置100に関する設定の制御を行う処理部である。タッチパネル設定処理部250は、具体的には、ユーザにより、OSDメニュー画面を介して、タッチ操作に関する設定が行われると、ユーザにより設定された設定値によって、設定値記憶部290に記憶されている設定値を更新し、さらに、更新後の設定値を、通信部270を介して、タッチパネル装置100へ通知する。
【0026】
操作処理部260は、リモートコントロールから送信されるIR(InfraRed:赤外線)信号を受信するIR信号受信部および操作ボタンを有し、IR信号受信部または操作ボタンを介して入力されたユーザの指示を、中央演算部210へ出力する。
【0027】
通信部270は、たとえばUARTおよびI
2Cなどによって実現され、タッチパネル装置100との間で、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定値などのデータを送受信する。
【0028】
表示処理部280は、表示用デバイス300に表示される映像の映像信号を表示用デバイス300に出力する処理部であり、映像信号処理部230から映像信号を受け取ると、受け取った映像信号を表示用デバイス300に出力する。
【0029】
また、表示処理部280は、OSD表示処理部240からOSDメニュー画面の画像データを受け取ると、表示用デバイス300に表示されるべき映像に、受け取った画像データに基づくOSDメニュー画面を重畳した映像信号を表示用デバイス300に出力する。
【0030】
設定値記憶部290は、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定値を記憶する記憶部である。表示用デバイス300は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)などといった公知の表示デバイスによって実現され、表示処理部280から与えられる映像信号に応じた映像を、表示画面に表示する。
【0031】
コンピュータ10は、たとえばパーソナルコンピュータおよびワークステーションなどによって実現される。
図1では、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うための専用のアプリケーションプログラム(以下「タッチ設定アプリ」と称する)が予めインストールされたコンピュータ10を図示している。なお、コンピュータ10において、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を実行するための各種動作は、このタッチ設定アプリを実行することによって実現される。
【0032】
コンピュータ10は、OS(Operating System)20と、USB通信部30と、映像信号出力端子40と、設定メニュー表示部50と、操作制御部60と、設定値記憶部70とを含んで構成される。
【0033】
USB通信部30は、外部の装置とUSB接続するためのUSB端子であり、本実施形態では、
図1に示すように、タッチパネル装置100との接続に用いられ、タッチパネル装置100からタッチ位置の座標データを受信し、また、設定値記憶部70に記憶されている、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定値をタッチパネル装置100へ送信する。
【0034】
映像信号出力端子40は、外部の装置へ映像信号を出力する端子であり、本実施形態では、
図1に示すように、表示装置200へ映像信号を出力する。設定メニュー表示部50は、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うためのメニュー画面の画像データを保持し、ユーザにより、操作制御部60に対して、あるいは、タッチパネル装置100を介して、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うための入力操作が行われると、タッチ操作に関する設定のためのメニュー画面を、映像信号出力端子40から出力されるべき映像に重畳させる。
【0035】
操作制御部60は、キーボードおよびポインティングデバイスなどの入力装置を有し、該入力装置を介して入力されたユーザの指示をOS20へ出力する。設定値記憶部70は、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定値を記憶する記憶部である。
【0036】
以下、タッチパネル一体型表示装置1に接続されたコンピュータ10に、タッチ設定アプリがインストールされていない場合と、インストールされている場合とに場合分けして、タッチパネル一体型表示装置1の動作を説明する。
【0037】
タッチパネル一体型表示装置1に、タッチ設定アプリがインストールされていないコンピュータ10が接続されている場合に、ユーザにより、表示装置200の操作処理部260に対して、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うための入力操作が行われると、その入力操作に応答して、タッチパネル設定処理部250は、通信部270を介して、タッチパネル装置100に対し、コンピュータ10においてタッチ設定アプリが動作しているか否かを問い合わせる。
【0038】
後述するように、タッチ設定アプリがインストールされているコンピュータ10が接続されている場合には、タッチパネル装置100は、コンピュータ10からタッチ操作に関する設定値を受信するが、この場合、コンピュータ10にはタッチ設定アプリがインストールされていないので、タッチパネル装置100が、コンピュータ10からタッチ操作に関する設定値を受信することはない。本実施形態では、タッチパネル装置100の中央演
算部110は、USB通信部120が、USB接続されているコンピュータ10から設定値を受信しなければ、コンピュータ10においてタッチ設定アプリが動作していないと認識する。したがって、中央演算部110は、表示装置200からの問い合わせに対し、通信部140を介して、タッチ設定アプリが動作していない旨を表示装置200に返答する。
【0039】
タッチパネル設定処理部250は、通信部270を介して、タッチ設定アプリが動作していない旨の返答を受け取ると、タッチ操作に関する設定のためのOSDメニュー画面が、設定値の変更が可能な態様で、コンピュータ10から入力される映像に重畳して表示されるように、表示処理部280を制御する。
【0040】
図2は、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うためのOSDメニュー画面400が、設定値の変更が可能な態様で表示されたタッチパネル一体型表示装置1を示す図である。
図2では、タッチ動作モードを設定するためのOSDメニュー画面400を例に挙げて示している。
【0041】
図2に示すように、設定値の変更が可能な態様で表示された、タッチ動作モードを設定するためのOSDメニュー画面400には、「マルチタッチ」ボタン410と、「シングルタッチ」ボタン420とが選択可能に設けられ、OSDメニュー画面400の表示直後には、設定値記憶部290に記憶されている設定値に対応したボタンが、選択中の状態で表示される。
図2の例では、「マルチタッチ」ボタン410が選択中の状態で表示されており、この場合、設定値記憶部290には、タッチ動作モードの設定値としてマルチタッチが記憶されている。
【0042】
OSDメニュー画面400が
図2に示す態様で表示された状態から、ユーザにより、表示装置200の操作処理部260に対して、「シングルタッチ」ボタン420を選択し、確定する入力操作が行われると、タッチパネル設定処理部250は、OSDメニュー画面400の表示を終了させ、新たに設定された設定値によって、設定値記憶部290に記憶されている設定値を更新する。すなわち、上記の例では、設定値記憶部290において、タッチ動作モードの設定値が、マルチタッチからシングルタッチに更新される。
【0043】
また、タッチパネル設定処理部250は、新たに設定された設定値を、通信部270を介して、タッチパネル装置100に対して通知する。タッチパネル装置100の設定値制御部150は、通信部140が表示装置200から設定値を受信すると、それ以降は、その設定値に応じた予め定める処理を行う。これにより、上記の例では、タッチ検出部130によって算出されたタッチ位置の座標の座標データを、マルチタッチ用の形式であるデジタイザー形式でコンピュータ10へ送信する状態から、シングルタッチ用の形式であるマウス形式でコンピュータ10へ送信する状態へ切り替えられる。
【0044】
一方、タッチ設定アプリがインストールされているコンピュータ10が、タッチパネル一体型表示装置1のタッチパネル装置100に接続されると、コンピュータ10は、設定値記憶部70に記憶されている設定値を、USB通信部30を介してタッチパネル装置100へ送信する。なお、本実施形態では、コンピュータ10は、電源が投入されると、自動的にタッチ設定アプリが起動するように設定されているものとする。
【0045】
タッチパネル装置100の設定値制御部150は、USB通信部120がコンピュータ10から設定値を受信すると、それ以降は、その設定値に応じて制御を行う。また、タッチパネル装置100の中央演算部110は、USB通信部120がコンピュータ10から設定値を受信すると、コンピュータ10において、タッチ設定アプリが動作中であることを認識する。
【0046】
ここで、ユーザにより、表示装置200の操作処理部260に対して、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うための入力操作が行われると、その入力操作に応答して、タッチパネル設定処理部250は、通信部270を介して、タッチパネル装置100に対し、コンピュータ10においてタッチ設定アプリが動作しているか否かを問い合わせる。
【0047】
この場合、タッチパネル装置100の中央演算部110は、表示装置200からの問い合わせに対し、通信部140を介して、タッチ設定アプリが動作中である旨を表示装置200に返答する。
【0048】
タッチパネル設定処理部250は、通信部270を介して、タッチ設定アプリが動作中である旨の返答を受け取ると、タッチ操作に関する設定のためのOSDメニュー画面が、設定値の変更が不可能な態様、すなわち設定値の変更を禁止する態様で、コンピュータ10から入力される映像に重畳して表示されるように、表示処理部280を制御する。すなわち、本実施形態では、タッチパネル設定処理部250が、設定禁止部として機能する。
【0049】
図3は、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うためのOSDメニュー画面400が、設定値の変更が不可能な態様で表示されたタッチパネル一体型表示装置1を示す図である。
図3では、
図2と同様に、タッチ動作モードを設定するためのOSDメニュー画面400を例に挙げて示している。なお、
図3に示す例では、コンピュータ10から映像信号出力端子40を介して出力される映像に、タッチ設定アプリが動作中であることを示すアイコン430が表示されたタスクバー440が含まれているものとする。
【0050】
図3に示すように、設定値の変更が不可能な態様で表示された、タッチ動作モードを設定するためのOSDメニュー画面400には、
図2の場合とは異なり、「マルチタッチ」ボタン410および「シングルタッチ」ボタン420が設けられておらず、さらに、「タッチパネル動作モード」の文字がグレーアウト表示されている。すなわち、この場合、ユーザは、OSDメニュー画面400を介して、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うことができない。
【0051】
一方、ユーザにより、タッチパネル装置100に対して、画面表示されているタスクバー440におけるアイコン430をクリックするタッチ操作が行われると、コンピュータ10では、タッチパネル装置100から送信される座標データに基づいて、アイコン430がクリックされたことを検出し、これにより、設定メニュー表示部50が、タッチ操作に関する設定のためのメニュー画面を、映像信号出力端子40から出力されるべき映像に重畳させる。
【0052】
図4は、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うためのメニュー画面450が表示されたタッチパネル一体型表示装置1を示す図である。
図4では、タッチ動作モードを設定するためのメニュー画面450を例に挙げて示している。
【0053】
図4に示すように、タッチ動作モードを設定するためのメニュー画面450には、マルチタッチおよびシングルタッチが選択可能な項目としてリストアップされているドロップダウンリスト460、「OK」ボタン470、ならびに「キャンセル」ボタン480が設けられ、メニュー画面450の表示直後には、設定値記憶部70に記憶されている設定値に対応した項目が、ドロップダウンリスト460におけるボックス465内に表示されている。
図4の例では、ボックス465内には、マルチタッチが表示されている。すなわち、この場合、設定値記憶部70には、タッチ動作モードの設定値としてマルチタッチが記
憶されている。
【0054】
図4に示すメニュー画面450が表示された状態から、ユーザにより、タッチパネル装置100に対して、ドロップダウンリスト460においてシングルタッチの項目を選択し、かつ「OK」ボタン470により確定するタッチ操作が行われると、コンピュータ10では、タッチパネル装置100から送信される座標データに基づいて、シングルタッチが設定されたことを検出し、設定値記憶部70において、タッチ動作モードの設定値が、マルチタッチからシングルタッチに更新される。
【0055】
また、コンピュータ10は、新たに設定された設定値を、USB通信部30を介して、タッチパネル装置100に対して通知する。タッチパネル装置100の設定値制御部150は、USB通信部120がコンピュータ10から設定値を受信すると、それ以降は、その設定値に応じた予め定める処理を行う。これにより、上記の例では、タッチ検出部130によって算出されたタッチ位置の座標の座標データを、マルチタッチ用の形式であるデジタイザー形式でコンピュータ10へ送信する状態から、シングルタッチ用の形式であるマウス形式でコンピュータ10へ送信する状態へ切り替えられる。
【0056】
図5は、タッチ設定アプリがインストールされているコンピュータ10における、タッチ操作に関する設定を変更する処理の処理手順を示すフローチャートであり、
図6および
図7は、表示装置200およびタッチパネル装置100における、タッチ操作に関する設定を変更する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
図5に示すように、タッチ設定アプリがインストールされているコンピュータ10では、電源が投入されると、ステップs1で、タッチ設定アプリを起動させて、ステップs2に進む。
【0058】
ステップs2で、コンピュータ10は、タッチパネル装置100が接続されたか否かを判定し、接続された場合にのみステップs3に進む。ステップs3で、コンピュータ10は、設定値記憶部70に記憶されている設定値をタッチパネル装置100へ送信して、ステップs4に進む。
【0059】
ステップs4で、設定メニュー表示部50は、操作制御部60に対して、あるいは、タッチパネル装置100を介して、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を行うための入力操作が行われたか否かを判定し、行われた場合にのみステップs5に進む。
【0060】
ステップs5で、設定メニュー表示部50は、タッチ操作に関する設定のためのメニュー画面を、映像信号出力端子40から出力されるべき映像に重畳させ、ステップs6に進む。ステップs6で、コンピュータ10は、タッチ操作に関する設定値を変更する入力操作が行われたか否かを判定し、行われた場合にはステップs7に進み、行われなかった場合には処理を終了する。
【0061】
ステップs7で、コンピュータ10は、新たに設定された設定値によって、設定値記憶部70に記憶されている設定値を更新し、ステップs8に進む。ステップs8で、コンピュータ10は、新たに設定された設定値を、USB通信部30を介して、タッチパネル装置100に対して通知し、処理を終了する。
【0062】
一方、表示装置200では、
図6に示すように、タッチパネル一体型表示装置1に電源が投入されると、ステップs11で、タッチパネル設定処理部250が、設定値記憶部290に記憶されている設定値を、タッチパネル装置100へ送信し、ステップs12に進む。
【0063】
ステップs12で、タッチパネル設定処理部250は、操作処理部260に対して、タッチ操作に関する設定を行うための入力操作が行われたか否かを判定し、行われた場合にのみ、ステップs13に進む。ステップs13で、タッチパネル設定処理部250は、タッチパネル装置100に対し、コンピュータ10においてタッチ設定アプリが動作しているか否かを問い合わせて、ステップs14に進む。
【0064】
ステップs14で、タッチパネル設定処理部250は、タッチパネル装置100からの返答に基づいて、コンピュータ10においてタッチ設定アプリが動作しているか否かを判定し、動作していない場合にはステップs15に進み、動作している場合にはステップs19に進む。
【0065】
ステップs15で、タッチパネル設定処理部250は、タッチ操作に関する設定を行うためのOSDメニュー画面が、設定値の変更が可能な態様で表示されるように、表示処理部280を制御して、ステップs16に進む。
【0066】
ステップs16で、タッチパネル設定処理部250は、タッチ操作に関する設定値を変更する入力操作が行われたか否かを判定し、行われた場合にはステップs17に進み、行われなかった場合には処理を終了する。
【0067】
ステップs17で、タッチパネル設定処理部250は、新たに設定された設定値によって、設定値記憶部290に記憶されている設定値を更新し、ステップs18に進む。ステップs18で、タッチパネル設定処理部250は、新たに設定された設定値を、タッチパネル装置100に対して通知し、処理を終了する。
【0068】
ステップs19で、タッチパネル設定処理部250は、タッチ操作に関する設定を行うためのOSDメニュー画面が、設定値の変更が不可能な態様で表示されるように、表示処理部280を制御して、処理を終了する。
【0069】
また、タッチパネル装置100では、
図7に示すように、タッチパネル一体型表示装置1に電源が投入されると、ステップs21で、中央演算部110が、通信部140を介して、表示装置200から設定値を取得し、ステップs22に進む。ステップs22で、中央演算部110は、USB通信部120がコンピュータ10から設定値を受信したか否かを判定し、受信した場合にはステップs23に進み、受信しない場合にはステップs25に進む。
【0070】
ステップs23で、中央演算部110は、通信部140が表示装置200から問い合わせを受信したか否かを判定し、受信した場合にはステップs24に進み、受信しない場合にはステップs28に進む。ステップs24で、中央演算部110は、通信部140を介して、表示装置200へタッチ設定アプリが動作している旨の返答を行い、ステップs28に進む。
【0071】
ステップs25で、中央演算部110は、通信部140が表示装置200から問い合わせを受信したか否かを判定し、受信した場合にはステップs26に進み、受信しない場合にはステップs28に進む。ステップs26で、中央演算部110は、通信部140を介して、表示装置200へタッチ設定アプリが動作していない旨の返答を行い、ステップs27に進む。ステップs27で、中央演算部110は、通信部140を介して、表示装置200から設定値を取得し、ステップs28に進む。
【0072】
ステップs28以降は、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定値が、タッチ動作モードを設定する設定値であるとして説明する。ステップs28で、設定値制御部150は、USB通信部120あるいは通信部140を介して、最も新しく受信した、タッチ動作モードを設定する設定値が、シングルタッチであるかマルチタッチであるかを判定し、シングルタッチである場合にはステップs29に進み、マルチタッチである場合にはステップs31に進む。
【0073】
ステップs29で、設定値制御部150は、タッチ検出部130においてタッチ操作が検出されたか否かを判定し、検出された場合にのみステップs30に進む。ステップs30で、設定値制御部150は、シングルタッチ用のマウス形式で、タッチ位置の座標データをコンピュータ10へ送信し、処理を終了する。
【0074】
ステップs31で、設定値制御部150は、タッチ検出部130においてタッチ操作が検出されたか否かを判定し、検出された場合にのみステップs32に進む。ステップs32で、設定値制御部150は、マルチタッチ用のデジタイザー形式で、タッチ位置の座標データをコンピュータ10へ送信し、処理を終了する。
【0075】
以上のように、本実施形態によれば、タッチパネル装置100と表示装置200とが通信可能に接続されて構成されるタッチパネル一体型表示装置1におけるタッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を、表示装置200におけるOSDと、タッチ設定アプリが記憶された外部のコンピュータ10との両方で行うことができる。
【0076】
また、表示装置200は、タッチパネル装置100に接続されたコンピュータ10においてタッチ設定アプリが動作中である場合には、操作処理部260に対して、タッチ操作に関する設定を行うための入力操作が行われたとしても、タッチ操作に関する設定のためのOSDメニュー画面を、設定値の変更が不可能な態様で表示させるように構成されているので、OSDによる設定とコンピュータ10による設定とが同時に行われることにより、システムに不具合が発生してしまうことを防止することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態として、第1の実施形態に係るタッチパネル一体型表示装置1において、設定値記憶部290に記憶される設定値と、コンピュータ10の設定値記憶部70に記憶されている設定値とを一致させるようにしてもよい。
【0078】
具体的には、タッチパネル装置100の中央演算部110は、USB通信部120がコンピュータ10から設定値を受信した場合には、受信した設定値を、通信部140を介して表示装置200へ送信するようにする。
【0079】
そして、表示装置200では、通信部270がタッチパネル装置100から設定値を受信すると、タッチパネル設定処理部250は、その受信した設定値によって、設定値記憶部290に記憶されている設定値を更新するようにする。この場合、タッチパネル設定処理部250は、設定値更新部として機能する。これにより、設定値記憶部290に記憶される設定値と、コンピュータ10の設定値記憶部70に記憶されている設定値とを一致させることができる。
【0080】
このように、設定値記憶部290に記憶される設定値と、コンピュータ10の設定値記憶部70に記憶されている設定値とを一致させるようにすることで、タッチ設定アプリがインストールされているコンピュータ10とタッチパネル一体型表示装置1との接続を遮断した後に、タッチパネル一体型表示装置1の電源が投入されたとしても、ユーザは、タッチ設定アプリがインストールされているコンピュータ10とタッチパネル一体型表示装
置1とが接続されていたときと同様の設定によりタッチ操作を行うことができる。
【0081】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態として、第1の実施形態に係るタッチパネル一体型表示装置1において、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定値として、タッチ入力モードを設定する設定値およびタッチパネル装置100に対するタッチ操作の有効/無効を設定する設定値のうちの少なくとも一方を、タッチ動作モードを設定する設定値に代えて、あるいはタッチ動作モードを設定する設定値とともに用いるようにしてもよい。
【0082】
ここで、タッチ入力モードを設定する設定値とは、検出面に対するタッチ操作が、専用のスタイラスによって入力されるのか、指によって入力されるのかを設定する値のことである。
【0083】
このような本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、タッチパネル装置100についてのタッチ操作に関する設定を、表示装置200におけるOSDと、タッチ設定アプリが記憶された外部のコンピュータ10との両方で行うことができる。