【実施例】
【0080】
以下の実施例は、本開示及びその使用能力を実証する。更に、本発明は、他の及び異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、様々な明らかな点で修正することができる。したがって、実施例は、本質的に例示的かつ非限定的なものとみなされるべきである。
試験方法
【0081】
本明細書で使用される試験標準及び方法の全ては、特定の補正を伴うASTM又はISO法である。
【0082】
動的空気透過性(DAP又はADAP)は、100kPa(14.2psi)の圧力及び20℃の温度に変換された30〜70kPaの選択された試験圧力範囲内の空気又は気体の平均速度(mm/秒)として定義される。別のパラメータ、(空気透過性曲線の)曲線指数Eもまた、動的空気透過性試験中に自動的に測定されるが、これは単位を有さない。動的空気透過性は、試験標準ASTM D6476に従って試験されるが、以下の補正を用いて試験される。
1.測定された圧力範囲の限界(試験器具に設定される)は、30〜70kPaである。
2.開始圧力(試験器具に設定される)は、100+/−5kPaのピーク圧力を達成するように調節される。
3.試験ヘッドの容積は、このヘッドで特定の開始圧力を達成することができない限り400cm
3であり、その場合、試験中の布地に適切であることが見出されるように、他の交換式試験ヘッド(容積が100、200、800、及び1600cm
3)のうちの1つを使用すべきである。
4.少なくとも6つの試験が各布地サンプルに対して行われ、報告される結果は、mm/秒単位の平均値である。
【0083】
静的空気透過性(l/dm
2/分単位のSAP)は、試験標準ISO 9237に従って試験されるが、以下に列挙される補正を用いて試験される。
1.試験領域は100cm
2である。
2.試験圧力(部分真空)は、500Paである。
3.各個々の試験値は、エッジ漏れについて補正される。
4.少なくとも6つの試験が各布地サンプルに対して行われ、報告される静的空気透過性の結果は、l/dm
2/分単位の平均値である。
【0084】
最大力(N)及び最大力の伸び(%)の両方を測定する布地引張試験は、標準ISO 13934−1に従って試験されるが、以下に列挙される補正を用いて試験される。
1.インストロン引張試験機に設定されている初期ゲージ(クランプ)の長さは200mmである。
2.インストロンクロスヘッド速度を200mm/分に設定する。
3.布地試料は、最初にサイズ350×60mmに切断されるが、次いで、長辺の糸線を50mmの試験幅にほぐすことによってほつれさせる。
4.引張試験を、各試験布地から切断された5つの試料片で行い、布地の耳の200mm内のいずれの領域も避ける。
5.最大力(破断力又は破断荷重としても知られる)について報告される結果は、ニュートン(N)における全ての試験の最大力の結果の平均である。
【0085】
引裂力(引裂強度としても知られる)ニュートン(N)は、標準ISO 13937−2に従って試験されるが、以下に列挙される補正を用いて試験される。
1.布地試料のサイズは、150mm×200mm(幅狭端部の中点から中心まで延在する100mmのスリットを有する)である。
2.破断試験は、各試験布地から切断された5つの試料片で行われ、布地の耳の200mm内のいずれの領域も避ける。報告される値は、行われる全ての試験の平均である。
3.縦糸方向の引裂結果は、縦糸を横切って引裂かれた(即ち、縦糸糸線が引裂かれた)試験試料から得られ、横糸方向の結果は、横糸を横切って引裂かれた(即ち、横糸糸線が引裂かれた)試験試料から得られる。
4.試料の各脚部を半分に折り畳んで、ISO 13937−2の付属文書D/D.2に従ってインストロンクランプグリップに固定される。
5.試験結果の評価は、ISO 13937−2の項10.2「電子の項を使用した計算」に従う。
【0086】
エッジコーム抵抗試験(エッジ引き抜き試験としても知られる)ニュートン(N)は、標準ASTM D6479に従って実施されるが、以下に列挙される補正を用いて試験される。
1.エッジの距離は5mmであり、これは、試験試料の端部(試験中に試験試料ホルダに機械加工された狭い出っ張りに位置付けられた)と「引き抜き」を実行するピンの線との間の距離であり、即ち、これは、試験中に引き抜かれた糸線区分の長さである。
6.エッジコーム抵抗試験は、各試験布地から切断された5つの試料片で行われ、布地の耳の200mm内のいずれの領域も避ける。報告される値は、行われた全ての試験の平均である。
【0087】
二乗平均平方根(RMS)布地の表面粗さ試験は、以下のように行われる。
a.レーザー粗面計を使用して、布地の表面粗さを判定した。データセットを、X方向及びY方向の両方において10μmの走査解像度で20mm×20mmの領域にわたって収集した。キーエンスLK−030レーザーを使用したTalyor Hobson−Talysurf CLI 1000スキャニングレーザープロフィロメーター(v 2.5.3)を使用してデータを収集した。Talymap Platinum 4.0(Mountain v 4.0.5.3985)を使用して分析を行った。RMS粗さは、形成除去(5次多項式)及びレベリング(最小二乗)後にEUR 15178 ENに従って計算された。
実施例1−比較例
【0088】
470デシテックス、136フィラメント、及び81cN/texの強力性という特性を有するナイロン6,6ポリマー繊維を、縦糸方向及び横糸方向に製織し、3つの異なる構造体及び重量、つまり178gm
−2、198gm
−2、及び207gm
−2の布地を生産した。熱媒体の不在下で、加熱ロールを有するカレンダ加工機を2回通過させることにより、上面及び底面の両方で布地を処理した。プロセス条件は、力400N/mmの布地幅を有するカレンダニップロールを介した57MPaの圧力、225℃での加熱ロール、5〜25m/分のプロセス速度の範囲であった。結果を
図1に要約し、これは、プロセス速度が増加するにつれて、各布地の得られた透過性が増加することを示す。
実施例2−比較例
【0089】
高強力性の470デシテックスのPETポリマー繊維をウォータジェットルームで、縦糸方向及び横糸方向に185×185の糸線/dm構造で製織し、重量188gm
−2の布地を生産した。布地を乾燥させ、次いで、加熱ロールを有するカレンダ加工機を2回通過させることにより、上面及び下面の両方でHTHP処理した。プロセス条件は、力300N/mmの布地幅を有するカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、220℃での加熱ロール、5〜30m/分のプロセス速度の範囲であった。結果を
図2に要約し、これは、プロセス速度が増加するにつれて、布地の得られた透過性が増加することを示す。
実施例3
【0090】
470デシテックス、高強力繊維という特性を有するナイロン6,6ポリマー繊維を、ウォータジェットルームで縦糸方向及び横糸方向に製織し、180×170の糸線/dm構造及び重量181gm
−2の布地を生産した。布地を乾燥及び湿潤カレンダプロセスで処理した。両方の場合において、布地は、加熱ロールを有するカレンダ加工機を2回通過させることにより、上面及び下面の両方で処理した。乾燥プロセスでは、条件は、力300N/mmの布地幅を有するカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、225℃での加熱ロール、5〜30m/分のプロセス速度の範囲であった。湿潤プロセスでは、同じ布地を水スプレーシステムで前処理して、布地の上面及び底面にわたって均一な15重量%の水濃度を付与した。湿潤プロセスでは、条件は、力300N/mmの布地幅を有するカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、168℃での加熱ロール、5〜30m/分のプロセス速度の範囲であった。結果を
図3A及び
図3Bに要約し、これは、プロセス速度が増加するにつれて、乾燥布地の得られた透過性が増加し、一方、湿潤布地はより低い透過性を維持することを示す。
【0091】
表1は、実施例3に記載の布地の一部についての物理的特性の結果を示す。サンプル1は、5m/分のプロセス速度でHTHP処理された乾燥した布地である。サンプル2は、30m/分で乾燥させた同じ布地である。サンプル3は、30m/分で湿潤させた同じ布地である。布地の物理的特性は、サンプル3に対して少なくとも維持され、透過性は低いままである。
【表1】
【0092】
図4A〜
図4Fは、乾燥及び湿潤カレンダ加工後の実施例3に記載の布地のSEM画像である。
図4A及び
図4Bは、5m/分のプロセス速度でHTHP処理された乾燥した布地の2つの異なる倍率での表面構造を示す。
図4C及び
図4Dは、30m/分のプロセス速度でHTHP処理された乾燥した布地の2つの異なる倍率での表面構造を示す。
図4E及び
図4Fは、30m/分のプロセス速度でHTHP処理された湿った布地の2つの異なる倍率での表面構造を示す。いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、
図4A及び4Bに示す布地は、少なくとも一部分が共に融着された恒久的に平坦化されたフィラメントを有する表面を有する。縦糸と横糸の交わり部に重なり合いがあり、非常に低い透過性を有する布地につながる隙間が存在する。
図4C及び
図4Dは、はるかに速いプロセス速度でHTHP処理された乾燥した布地を示し、
図4A及び
図4Bの布地と同様の特徴を有しているが、フィラメントの平坦化の程度、フィラメントの融着、及び縦糸及び横糸の交わり部での重なり合いはより小さい。したがって、布地の透過性は、元の対照布地よりも低いが、
図4A及び
図4Bに示す布地よりも高い。
図4E及び
図4Fは、
図4A及び
図4Bの布地の表面特徴にはるかに近い表面特徴部を有する。これは、HTHPプロセス中に添加された水によって付与される熱伝達の向上に起因すると考えられる。これにより、
図4E及び
図4Fに示す布地の透過性は、
図4E及び
図4Fに示す布地の加工速度が、
図4A及び
図4Bに示す布地の加工速度よりもはるかに速くても、
図4A及び4Bに示す布地の透過性に対して非常に低く、かつはるかに近くなる。
実施例4
【0093】
高強力性の470デシテックスのPETポリマー繊維をウォータジェットルームで、縦糸方向及び横糸方向に185×185の糸線/dm構造で製織して、重量188gm
−2の布地を生産した。布地を乾燥させ、次いで、加熱ロールを有するカレンダ加工機を2回通過させることにより、上面及び下面の両方でHTHP処理した。プロセス条件は、力300N/mmの布地幅を有するカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、220℃での加熱ロール、5〜30m/分のプロセス速度の範囲であった。湿潤プロセスでは、同じ布地を水スプレーシステムで前処理して、布地の上面及び底面にわたって均一な15重量%の水濃度を付与した。HTHP条件は、力300N/mmの布地幅を有するカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、190℃での加熱ロール、5〜30m/分のプロセス速度の範囲であった。結果を
図5A及び
図5Bに要約し、これは、プロセス速度が増加するにつれて、乾燥布地の得られた透過性が増加し、一方、湿潤布地は全てのプロセス速度でより低い透過性を維持することを示す。
【0094】
表2は、実施例4に記載の布地の一部についての物理的特性の結果を示す。サンプル1は、5m/分のプロセス速度でHTHP処理された乾燥した布地である。サンプル2は、30m/分で乾燥させた同じ布地である。サンプル3は、30m/分で湿潤させた同じ布地である。布地物理的特性は、サンプル3に対して少なくとも維持され、透過性は低いままである。
【表2】
【0095】
図6A〜
図6Fは、乾燥及び湿潤カレンダ加工後の実施例4に記載の布地のSEM画像である。
図6A及び6Bは、5m/分のプロセス速度でHTHP処理された乾燥した布地の2つの異なる倍率での表面構造を示す。
図6C及び
図6Dは、30m/分のプロセス速度でHTHP処理された乾燥した布地の2つの異なる倍率での表面構造を示す。
図6E及び
図6Fは、30m/分のプロセス速度でHTHP処理された湿った布地の2つの異なる倍率での表面構造を示す。いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、
図6A及び6Bに示す布地は、少なくとも一部分が共に融着された恒久的に平坦化されたフィラメントを有する表面を有する。縦糸と横糸の交わり部に重なり合いがあり、これは非常に低い透過性を有する布地につながる隙間が存在する。
図6C及び
図6Dは、はるかに速いプロセス速度でHTHP処理された乾燥した布地を示し、
図6A及び
図6Bの布地と同様の特徴を有しているが、フィラメントの平坦化の程度、フィラメントの融着、及び縦糸及び横糸の交わり部での重なり合いはより小さい。したがって、布地の透過性は、元の対照布地よりも低いが、
図6A及び
図6Bに示す布地よりも高い。
図6E及び
図6Fは、
図6A及び
図6Bの布地の表面特徴に近い表面特徴部を有する。これは、HTHPプロセス中に添加された水によって付与される熱伝達の向上に起因すると考えられる。これにより、
図6E及び
図6Fに示す布地の透過性は、
図6E及び
図6Fに示す布地の加工速度が、
図6A及び
図6Bに示す布地の加工速度よりもはるかに速くても、
図6A及び6Bに示す布地の透過性に対して非常に低く、かつ近くなる。
実施例5
【0096】
470デシテックス、高強力繊維という特性を有するナイロン6,6ポリマー繊維を、レピアルームで縦糸方向及び横糸方向に製織し、170×170の糸線/dm構造及び重量173gm
−2の布地を生産した。2つの異なる温度及び圧力で、布地を湿潤カレンダ加工処理した。両方の場合、布地を水スプレーシステムで前処理して、布地の上面及び底面にわたって均一な15重量%の水濃度を付与した。布地は、加熱ロールを有するカレンダ加工機を2回通過させることにより、上面及び下面の両方で処理した。最適化されていないプロセスでは、条件は、力400N/mmの布地幅を有するカレンダニップロールを介した57MPaの圧力、225℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。最適化されたプロセスでは、布地条件は、力300N/mmの布地幅を有するカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、175℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。結果を表3に要約し、最適な結果を得るには、低い透過性及び高い引張強度の望ましいバランスを達成するために、湿潤HTHPプロセス条件を乾燥HTHPプロセス中に通常使用される高温から変更する必要があることを示す。
【表3】
【0097】
図7A及び
図7Bは、最適化されていない湿潤カレンダ加工後の実施例5に記載の布地の2つの異なる倍率で表面構造を示すSEM画像である。
図7C及び
図7Dは、最適化された湿潤カレンダ加工後の実施例5に記載の布地の2つの異なる倍率で表面構造を示す。最適化されていないプロセスでは、高温と圧力との組み合わせは、表面フィラメントを溶融し、構造体を部分フィルムに変換し、これは低い透過性を有するが、機械的特性は低下している。最適化された条件では、より低い温度及び圧力の使用は、表面繊維が恒久的に修正された断面及び繊維内の表面フィラメントの少なくとも一部の融着を有する好ましい構造体を作製する。これにより、恒久的に低い透過性及び高い引張強度を有する布地が得られる。いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、乾燥プロセスに望ましい布地構造を作製するために必要なポリマー軟化点よりも高い温度の使用は、湿潤プロセスで使用されたとき、熱伝達が増加するため、表面フィラメントが完全に溶融する傾向があり、非常に低い透過性を付与するが、布地の引張強度を大幅に低下させると想定される。ニップでの加熱ロールの温度及び圧力を低減することにより、最適な一連のプロセス条件を容易に見つけることができ、低い透過性と高い引張強度との組み合わせにつながる所望の布地構造を付与する。
実施例6
【0098】
ナイロン6,6 470デシテックス、136フィラメント、及び81cN/texの強力繊維から製織された5つの布地を、従来の製織及び仕上げルートによって生産した。布地加工の詳細を表4に列挙する。布地をカレンダ上で湿潤及び乾燥プロセスによりHTHP処理し、各々2枚の布地を生産した。HTHP処理後の布地構造を表4に示す。加熱ロールを有するカレンダ加工機を2回通過させることにより、上面及び下面の両方に処理を行った。プロセス条件は、力400N/mmの布地幅を有するカレンダニップロールを介した乾燥プロセス57MPaの圧力、223〜225℃の間での加熱ロール、5m/分のプロセス速度であった。湿潤プロセスでは、力300N/mmの布地幅を有するカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、168℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。湿潤プロセスは、乾燥プロセスよりもわずかに高い構造を有する布地を生産する。これは、湿潤プロセス中にカレンダ上で生じる、わずかにより多くの布地収縮によるものである。
【表4】
【0099】
表5は、乾燥及び湿潤カレンダ加工後の各布地の物理的特性を示す。機械的特性については、各々の場合、縦糸方向の5つのサンプル及び横糸方向の5つのサンプルを試験した。したがって、表5に示す機械的特性の結果の各々は、10個のサンプルの算術平均である。透過性については、6つのサンプルを各布地について試験した。したがって、表5に示す透過性の結果のそれぞれは、6つのサンプルの算術平均である。
【表5】
【0100】
布地強度の様々な態様に関する機械的特性を比較したとき、湿潤プロセスは、乾燥プロセスよりも高い値をもたらす。この比較では、布地構造によって布地破断強度を正規化して布地の強力性を生成することにより、湿潤プロセス布地のわずかに高い構造を考慮に入れている。
【0101】
SAP及びDAPによって測定される布地の透過性は同等であるが、湿潤加工された布地は、乾燥加工された布地の加工速度の3倍で生産されていた。
【0102】
図8〜
図14は、湿潤及び乾燥の両方で加工された5つの布地の各布地の物理的特性の算術平均を表示及び比較するボックスプロットである。
【0103】
図8は、布地強力性に関する5つの布地の平均値を示しており、これは、湿潤加工された布地のわずかに高い構造を考慮に入れている。湿潤加工された同じ布地の強力性は、乾燥加工されたものよりも高くなる。
【0104】
図9は、布地の破断伸長に対する5つの布地の平均値を示す。湿潤加工された同じ布地の破断する布地伸長は、乾燥加工されたものよりも高くなる。
【0105】
図10は、布地強靭性に対する5つの布地の平均値を示しており、布地強靭性、又は破断仕事は、(強力性×√破断伸長)として近似される。湿潤加工された同じ布地の強靭性は、乾燥加工されたものよりも高くなる。これは、典型的なエアバッグの展開中に、湿潤加工された布地は、乾燥加工された布地よりも弾性がある又は堅牢であることを意味する。
【0106】
図11は、布地のエッジコーム抵抗強度に対する5つの布地の平均値を示している。湿潤加工された同じ布地のエッジコーム抵抗強度は、乾燥加工されたものよりも高くなる。これは、湿潤加工された布地から生産されたエアバッグの縫い目強度が、乾燥加工された同等の布地よりも改善されることを意味する。乾燥カレンダ加工は、同等のカレンダ加工されていない対照布地と比較して、エッジコーム抵抗がすでに大幅に増加し、湿潤カレンダ加工により更に改善されることに留意されたい。
【0107】
図12は、布地引裂強度に対する5つの布地の平均値を示している。湿潤加工された同じ布地の引裂強度は、乾燥加工されたものよりも高くなる。これは、湿潤加工された布地から生産されたエアバッグが、乾燥加工された布地よりも展開中の引裂に対してより抵抗性があることを意味する。
【0108】
図13及び
図14は、布地の透過性(SAP及びDAP)の平均値を示している。湿潤プロセス及び乾燥プロセスによって生産された布地の透過性は同等であるが、湿潤加工された布地は、カレンダ加工速度の3倍で生産された。
【0109】
本明細書では、比率、濃度、量、及び他の数値データを範囲形式で表現できることに留意されたい。このような範囲形式は、便宜上、簡潔にするために使用されるため、範囲の限度として明示的に列挙される数値を含めるだけでなく、あたかも各数値及び下位範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に含まれる個々の数値又は下位範囲を全て含めるような柔軟な方法で解釈されるべきであることを理解されたい。図示するために、「約0.1%〜約5%」の濃度範囲は、明示的に列挙された約0.1重量%〜約5重量%の濃度だけでなく、個々の濃度(例えば、1%、2%、3%、及び4%)及び示された範囲内の下位範囲(例えば、0.5%、1.1%、2.2%、3.3%、及び4.4%)も含めると解釈されるべきである。「約」という用語は、修飾されている数値の±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±8%、又は±10%を含むことができる。加えて、「約‘x’〜‘y’」という語句は、「約‘x’〜約‘y’」を含む。本発明の例示的な実施形態について詳細に説明してきたが、本発明は、他の及び異なる実施形態が可能であり、様々な他の修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者に明らかとなり、容易に作製され得ることが理解されるであろう。したがって、本明細書の特許請求の範囲は、本明細書に記載される実施例及び説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ、特許請求の範囲は、本発明が属する技術分野の当業者によってその等価物として扱われる全ての特徴を含む、特許請求の範囲が解釈されることを意図するものではない。