(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6784934
(24)【登録日】2020年10月28日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20201109BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20201109BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20201109BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G21/14
G03G15/00 303
G06T1/00 310A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-124395(P2016-124395)
(22)【出願日】2016年6月23日
(65)【公開番号】特開2017-227784(P2017-227784A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2019年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】藤木 隆司
【審査官】
市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−109807(JP,A)
【文献】
特開2001−255757(JP,A)
【文献】
特開2015−118285(JP,A)
【文献】
特開2008−158586(JP,A)
【文献】
特開2009−145692(JP,A)
【文献】
特開2014−168933(JP,A)
【文献】
特開2014−203008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/00
G03G 21/14
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種のチャートを出力する出力手段と、
前記出力手段により出力された複数種のチャートの画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取ったチャートの画像と、前記チャートを出力するための元画像とに基づいて診断及び調整の少なくもいずれか一方であって複数種の処理を予め定められた順序で実行する処理実行手段とを有し、
前記出力手段により出力されるチャートは、点筋診断用チャートと転写診断用チャートを含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行した後に、点筋がないと判定された場合、前記転写診断用チャートに基づく転写診断を実行する画像形成装置。
【請求項2】
前記出力手段により出力されるチャートは、露光調整用チャートと面内むら調整用チャートをさらに含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行し、その後前記転写診断用チャートに基づく転写診断を実行し、その後前記露光調整用チャートに基づく露光調整を実行した後に前記面内むらチャートに基づく面内むら調整を実行する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力手段により出力されるチャートは、露光調整用チャートと階調調整用チャートをさらに含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行し、その後前記転写診断用チャートに基づく転写診断を実行し、その後前記露光調整用チャートに基づく露光調整を実行した後に前記階調調整用チャートに基づく階調調整を実行する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前前記出力手段により出力されるチャートは、面内むら調整用チャートと階調調整用チャートをさらに含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行し、その後前記転写診断用チャートに基づく転写診断を実行し、その後前記面内むら調整用チャートに基づく面内むら調整を実行した後に前記階調調整用チャートに基づく階調調整を実行する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記出力手段により出力されるチャートは、露光調整用チャート、面内むら調整用チャート及び階調調整用チャートを含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行し、その後前記転写診断用チャートに基づく転写診断を実行し、その後前記露光調整用チャートに基づく露光を調整し、その後前記面内むら調整用チャートに基づく面内むら調整を実行した後に前記階調調整用チャートに基づく階調調整を実行する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数種のチャートを出力する出力手段と、
前記出力手段により出力された複数種のチャートの画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取ったチャートの画像と、前記チャートを出力するための元画像とに基づいて診断及び調整の少なくもいずれか一方であって複数種の処理を予め定められた順序で実行する処理実行手段とを有し、
前記出力手段により出力されるチャートは、点筋診断用チャート、転写診断用チャート、露光調整用チャート、面内むら調整用チャート及び階調調整用チャートを含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行し、その後前記転写診断用チャートに基づく転写診断を実行し、その後前記露光調整用チャートに基づく露光を調整し、その後前記面内むら調整用チャートに基づく面内むら調整を実行した後に前記階調調整用チャートに基づく階調調整を実行する画像形成装置。
【請求項7】
コンピュータを、前記請求項1または6に記載の画像形成装置として実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、一次チャートから画質欠陥を絞り込み、詳細を特定する二次チャートを選択するようにした画像処理装置を開示する。
を開示する。
【0003】
特許文献2は、濃度補正チャートを出力し、面内むらによる影響が大きいと判断した場合は、それを補正するチャートを出力するようにした画像処理装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−224745号公報
【特許文献2】特開2013−201610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、本構成を有さない場合と比較して、画像形成装置の診断を効率的に行なうことができる画像形成装置及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る本発明は、複数種のチャートを出力する出力手段と、前記出力手段により出力された複数種のチャートの画像を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取ったチャートの画像と、前記チャートを出力するための元画像とに基づいて診断及び調整の少なくもいずれか一方であって複数種の処理を予め定められた順序で実行する処理実行手段とを有し、前記出力手段により出力されるチャートは、点筋診断用チャートと転写診断用チャートを含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行した後に前記転写診断チャートに基づく転写診断を実行する画像形成装置である。
【0007】
請求項2に係る本発明は、 前記出力手段により出力されるチャートは、露光調整用チャートと面内むら調整用チャートをさらに含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行し、その後前記転写診断チャートに基づく転写診断を実行し、その後前記露光調整用チャートに基づく露光調整を実行した後に前記面内むらチャートに基づく面内むら調整を実行する請求項1記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記出力手段により出力されるチャートは、露光調整用チャートと階調調整用チャートをさらに含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行し、その後前記転写診断チャートに基づく転写診断を実行し、その後前記露光調整用チャートに基づく露光調整を実行した後に前記階調調整用チャートに基づく階調調整を実行する請求項1記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項4に係る本発明は、前前記出力手段により出力されるチャートは、面内むら調整用チャートと階調調整用チャートをさらに含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行し、その後前記転写診断チャートに基づく転写診断を実行し、その後前記面内むら調整用チャートに基づく面内むら調整を実行した後に前記階調調整用チャートに基づく階調調整を実行する請求項1記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項5に係る本発明は、前記出力手段により出力されるチャートは、露光調整用チャート、面内むら調整用チャート及び階調調整用チャートを含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行し、その後前記転写診断チャートに基づく転写診断を実行し、その後前記露光調整用チャートに基づく露光を調整し、その後前記面内むら調整用チャートに基づく面内むら調整を実行した後に前記階調調整用チャートに基づく階調調整を実行する請求項1記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項6に係る本発明は、複数種のチャートを出力する出力手段と、前記出力手段により出力された複数種のチャートの画像を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取ったチャートの画像と、前記チャートを出力するための元画像とに基づいて診断及び調整の少なくもいずれか一方であって複数種の処理を予め定められた順序で実行する処理実行手段とを有し、前記出力手段により出力されるチャートは、点筋診断用チャート、転写診断用チャート、露光調整用チャート、面内むら調整用チャート及び階調調整用チャートを含み、前記処理実行手段は、前記点筋診断用チャートに基づく点筋診断を実行し、その後前記転写診断用チャートに基づく転写診断を実行し、その後前記露光調整用チャートに基づく露光を調整し、その後前記面内むら調整用チャートに基づく面内むら調整を実行した後に前記階調調整用チャートに基づく階調調整を実行する画像形成装置である。
【0012】
請求項7に係る本発明は、コンピュータを、前記請求項1または6に記載の画像形成装置として実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1および7に係る本発明によれば、本構成を有さない場合と比較して、画像形成装置の診断を効率的に行なうことができる。
請求項2乃至5に係る本発明によれば、請求項1に係る発明の効果に加え本構成を有さない場合と比較して、画像形成装置の調整を効率的に行なうことができる。
請求項6に係る本発明によれば、本構成を有さない場合と比較して、画像形成装置の診断および調整を効率的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す構成図である。
【
図2】本発明の実施形態における制御部を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態における処理フローを示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態に用いた点筋診断用チャートを示す平面図である。
【
図5】本発明の実施形態に用いた転写診断用チャートを示す平面図である。
【
図6】本発明の実施形態に用いた調整前後の露光調整用チャートのを示す平面図である。
【
図7】本発明の実施形態に用いた調整前後の濃度むら調整用チャートを示す平面図である。
【
図8】本発明の実施形態に用いた調整前後の階調調整用チャートを示す平面図だる。
【
図9】本発明の第一の実施形態における診断調整ステップの詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10を示している。
【0016】
画像形成装置10は、ユーザインターフェイス12、画像出力部14、画像読取部16を有している。
【0017】
ユーザインターフェイス12は、情報を表示する表示装置、及び操作者によってなされる入力を受付ける入力受付装置からなる装置であり、例えば、タッチパネルなどにより構成されている。操作者は、ユーザインターフェイス12を介して、操作設定情報を入力することができる。
【0018】
画像出力部14は、例えば3段の記録媒体供給部18を有し、これら記録媒体供給部18のそれぞれには供給ヘッド20が設けられている。
【0019】
記録媒体供給部18の一つが選択されると、供給ヘッド20が作動して選択された記録媒体供給部18から記録媒体供給路22を介して画像出力本体部24に供給される。
【0020】
画像出力本体部24は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各感光体26が併設されていると共に、中間転写ベルト28が設けられている。
【0021】
各感光体26の周囲には、露光装置30の他に、帯電装置、現像装置、一次転写装置及びクリーニング装置など(図示せず)が配置され、各感光体26に形成されたトナー像が中間転写ベルト28に転写される。露光装置30は、例えばLEDから構成され、ドット毎に光量が調整可能なようになっている。
【0022】
記録媒体は、バックアップロール32と二次転写ロール34との間に送られ、中間転写ベルト28のトナー像が転写される。即ち、バックアップロール32と二次転写ロール34との間には、トナーとは逆極性の電圧が印加され、中間転写ベルト28のトナー像が転写されることになる。トナー像が転写された記録媒体は、定着装置36へ送られ、定着装置36によりトナー像が記録媒体に定着される。このトナー像が定着された記録媒体は、記録媒体排出路38を通って排出部40に排出される。
【0023】
両面印刷が設定された場合は、定着装置36により表面が定着された記録媒体は、記録媒体排出路38から反転装置42に送られ、この反転装置42で反転され、記録媒体反転路44に送られ、再び記録媒体供給路22に戻され、画像出力本体部24に送られて裏面の印刷がなされる。
【0024】
画像読取部16は、原稿が供給される原稿供給部46と、CCD等から構成された画像読取センサ48と、原稿供給部46から画像読取センサ48へと原稿を送り出す原稿送り装置50と、原稿画像読取センサ48で画像を読み取られた原稿を排出する原稿排出部52とを備えている。
【0025】
図2は、画像形成装置10における制御部54のハードウエア構成を示している。
制御部54は、CPU56、メモリ58、UI制御部64及び装置制御部66これらが制御バス68を介して接続されている。
【0026】
CPU56は、メモリ58に格納された制御プログラムに基づいて予め定められた処理を実行する。UI制御部64は、前述したユーザインターフェイス12を制御する。装置制御部66は、画像出力部14及び画像読取部16を制御するようになっている。
【0027】
次にCPU56による処理フローについて説明する。
図3は、CPU56で実行されるプログラムのフローチャートである。
【0028】
まず、ステップS10において、メモリ58に予め記憶されている複数種のチャートを画像出力部14から出力する。
【0029】
次のステップS12においては、ステップS10で出力された複数種のチャートを画像読取部16により一度にまとめて読み取り、メモリ58に記憶する。
【0030】
次のステップS14においては、メモリ58に予め記憶されているチャートの元画像と、ステップS12で読み取ったチャートの読取画像とを比較して、画像形成装置14の診断・調整を実行する。
【0031】
図4から
図8は、上述した複数種のチャートの具体例を示す。
【0032】
図4は、出力された点筋診断用チャートを示す。この点筋診断用チャートは、例えば無彩色の中間調パターン部60と、シアンの中間調パターン部62とを有する。
図4においては、無彩色の中間調パターン部60に筋64が発生し、シアンの中間調パターン部62には点66が発生している。このような筋64や点66は、前述した供給ヘッド20、二次転写ロール34、定着装置36のロール等のデバイスの傷等によって生じる画質欠陥である。
なお、点筋診断用チャートであることを特定するために二次元バーコード等のコード情報68が印刷されている。
【0033】
図5は、出力された転写診断用チャートを示す。この転写診断用チャートは、記録媒体が前述した二次転写ロール34に到達してから一定幅ずつ転写電圧を変化させて各色のパッチ70を形成したものである。例えば現状の転写電圧より2段階低い値の転写電圧に設定し、現状より2段階高い値の転写電圧まで振ってパッチ70を形成し、いずれの転写電圧であるなれば目標とする濃度の画像が形成されるかを診断する。また、各パッチ70に画像欠陥があるか否かを判定する。さらに、記録媒体の後端では、徐々に転写電圧を段階的に下げたステップ画像72が形成されている。このステップ画像72は、記録媒体の後端でのステップ制御の要否を判定する。
なお、転写診断用チャートであることを特定するために二次元バーコード等のコード情報74が印刷されている。
【0034】
図6(a)は、出力された調整前の露光調整用チャートを示し、
図6(b)は、調整後の露光調整用チャートを示す。露光調整用チャートは、前述した点筋診断用チャートと同じであり、例えば無彩色の中間調パターン部60と、シアンの中間調パターン部62とを有する。また、前述した露光装置30のLEDのチップ位置に対応した位置パターン76が印刷されている。
図6(a)に示すように、LEDの露光量に周期的な変動があると、縦帯濃度むら78がチップ単位で発生する。このような縦帯濃度むら78が生じると、
図6(b)に示すように、縦帯濃度むらを無くすように露光装置30のLEDの光量が調整される。
【0035】
図7(a)は、出力された調整前の濃度むら調整用チャートを示し、
図7(b)は、調整後の濃度むら調整用チャートを示す。濃度むら調整用チャートは、主走査方向に各色のベタ画像が形成されている。
図7(a)に示すように、濃度むら部80,80が生じると、
図7(b)に示すように、濃度むらを打ち消すように濃度調整がなされる。
なお、濃度むら調整用チャートであることを特定するために二次元バーコード等のコード情報82が印刷されている。
【0036】
図8(a)は、出力された調整前の階調調整用チャートを示し、
図8(b)は、調整後の階調調整用チャートを示す。階調調整用チャートは、副走査方向に各色の濃度が0%から100%に段階的に変化するようになっている。
図8(a)に示すように、階調が設計通りになっていない階調不良部84,84があると、
図7(b)に示すように、階調が設計通りとなるように階調調整がなされる。
なお、階調調整用チャートであることを特定するために二次元バーコード等のコード情報86が印刷されている。
【0037】
図9は、前述した診断・調整ステップS14の詳細を示すフローチャートである。
【0038】
まずステップS140においては、ステップS12で読み取った複数種のチャートの中から点筋診断用チャートを選択する。点筋診断用チャートの選択は、コート情報68に基づいて行われる。次のステップS141においては、選択された点筋診断用チャートの画像と元画像とを比較し、画像欠陥があるか否かを判定する。画像欠陥があると判定された場合は、もはや他の診断や調整をしても回復できないので、例えば「デバイスの交換が必要です」等をユーザインターフェイス12に表示して処理を終了する。一方、ステップS141において、画像欠陥が無いと判定された場合は次のステップS142に進む。
【0039】
ステップS142においては、ステップS12で読み取った複数種のチャートの中から転写診断用チャートを選択する。転写診断用チャートの選択は、コート情報74に基づいて行われる。次のステップS143においては、選択された転写診断用チャートの画像と元画像とを比較し、転写電圧の変更が必要であるか否かを判定する。転写電圧の変更が必要であると判定された場合は、このまま処理を続けても不正確な濃度を持つチャートとなってしまうので、「チャートを再度出力して読み取ってください」等をユーザインターフェイス12に表示して処理を終了する。画像形成装置10においては、転写電圧が調整され、点筋診断用チャートを除いて再度複数種のチャートを出力し、再度読み取ることになる。一方、ステップS143において、転写電圧の変更が必要無いと判定された場合は次のステップS144に進む。
【0040】
ステップS144においては、ステップS12で読み取った複数種のチャートの中から露光調整用チャートを選択する。露光調整用チャートの選択は、コート情報68に基づいて行われる。このステップS144においては、
図6に示すように、露光量を調整する。露光調整を面内むら調整や階調調整よりも先に実行するのは、露光調整を行わないと、出力される面内むら調整用チャートや階調調整用チャートの濃度に大きな影響を与えるためである。
ただし、次のステップS145に示すように、補正量が予め定められた値よりも大きい場合は、もはや補正不能として処理を終了する。
【0041】
次のステップS146においては、ステップS12で読み取った複数種のチャートの中から面内むら調整用チャートを選択する。面内むら調整用チャートの選択は、コート情報82に基づいて行われる。このステップS146においては、
図7に示すように、面内むらを調整する。面内むら調整を階調調整よりも先に実行するのは、面内むら調整を行わないと、出力される階調調整用チャートの濃度に大きな影響を与えるためである。
ただし、次のステップS147に示すように、補正量が予め定められた値よりも大きい場合は、もはや補正不能として処理を終了する。
【0042】
次のステップS148においては、ステップS12で読み取った複数種のチャートの中から階調調整用チャートを選択する。階調調整用チャートの選択は、コート情報86に基づいて行われる。このステップS148においては、
図8に示すように、階調を調整する。階調調整が最後とするのは、この実施形態においては、パッチが主走査方向に分かれているので、面内むらの影響が大きく、面内むら情報を取り入れることにより精度が向上するためである。
【符号の説明】
【0043】
10 画像形成装置
12 ユーザインターフェイス
14 画像出力部
16 画像読取部
20 画像出力本体部
30 露光装置
34 二次転写ロール
54 制御部
56 CPU
58 メモリ
64 筋
66 点
70 パッチ
78 縦帯濃度むら
80 濃度むら部
84 階調不良部