【実施例1】
【0015】
以下、本発明のネットワーク機器の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施例によるネットワーク機器10は、
図1(a)に示すように、プロセッサ11と、メモリ12と、外部ネットワークインターフェース13と、電源部14と、ファン15と、停電検知部16と、蓄電部17とを具備する。
【0016】
ここで、プロセッサ11は、従来のネットワーク機器130(
図5参照)が具備するプロセッサと同様にデータ通信処理(データ通信に必要な演算処理等)を行うほか、停電検知メッセージ送信処理(停電検知メッセージMの監視サーバ110への送信処理)および停電検知部16のスイッチ制御を行う。
【0017】
メモリ12は、プロセッサ11にデータ通信処理、停電検知メッセージ送信処理および停電検知部16のスイッチ制御を実行させるためのプログラムや各種データ等を格納するためのものである。
【0018】
外部ネットワークインターフェース13は、従来のネットワーク機器130が具備する外部ネットワークインターフェースと同様に、監視サーバ110と各通信端末装置120との間でデータ通信を行うのに必要な各種通信プロトコルの送受信制御処理等を行うためのものである。
【0019】
電源部14は、外部の商用電源から供給される商用電圧を駆動電圧に変換してプロセッサ11、メモリ12、外部ネットワークインターフェース13およびファン15に電力供給する点では従来のネットワーク機器130が具備する電源部と同様であるが、停電検知部16にも電力供給する点で相違する。
【0020】
ファン15は、従来のネットワーク機器130が具備するファンと同様に、プロセッサ11によるデータ通信処理および停電検知メッセージ送信処理に関与しない間接的機能手段の一つであり、動作中のネットワーク機器10を冷却するためのものである。
【0021】
停電検知部16は、商用電圧に基づいて付属建屋の停電発生を検知するためのものであり、直列接続された第1および第2のスイッチSW1,SW2を備える。
【0022】
第1のスイッチSW1は、
図1(b)に示すように商用電圧が供給されている常時にはオフ状態になるとともに
図1(c),(d)に×印で示すように商用電圧が供給されていない停電時にはオン状態になる電磁スイッチ(停電検知リレー)として機能する。
また、第1のスイッチSW1は、オン状態かオフ状態かを示すオン/オフ状態信号S
ON/OFFをプロセッサ11に出力する。
【0023】
第2のスイッチSW2は、プロセッサ11から入力されるスイッチ制御信号S
SWによってオン/オフ制御される。
なお、第2のスイッチSW2は、電源投入時および停電回復時にプロセッサ11によってオン状態にされ、常時および停電発生時にはオン状態のままであり(
図1(b),(c)参照)、停電発生後の停電検知メッセージ送信処理が完了するとプロセッサ11によってオフ状態にされる(
図1(d)参照)。
【0024】
蓄電部17は、商用電圧によって充電されるとともに停電検知部16の第1および第2のスイッチSW1,SW2が共にオン状態のときにプロセッサ11、メモリ12、外部ネットワークインターフェース13および停電検知部16に電力供給するための蓄電池を備える。
すなわち、蓄電部17は、停電発生時に第1のスイッチSW1がオン状態に切り換わった時からスイッチ制御信号S
SWによって第2のスイッチSW2がオフ状態にされる時までの停電検知メッセージ送信処理に必要な時間だけプロセッサ11、メモリ12、外部ネットワークインターフェース13および停電検知部16に電力供給して、プロセッサ11による停電検知メッセージ送信処理および停電検知部16のスイッチ制御を可能とさせるためのものである。
【0025】
これにより、蓄電部17からの電力供給時間を短時間(例えば、1s以内)とすることができるため、蓄電池の小容量化を図ることができる。
また、蓄電部17はファン15に接続されていないため、ファン15は停電発生から停電回復までの間は動作しないので、蓄電池の更なる小容量化を図ることができる。
【0026】
次に、ネットワーク機器10の動作について、
図2(a),(b)を参照して説明する。
ネットワーク機器10が設置されている付属建屋で停電が発生すると、電源部14が
図2(a)に網掛けで示すように動作停止して、同図に破線で示すように電源部14からの電力供給が停止する。
【0027】
また、
図1(c)に示したように停電検知部16の第1のスイッチSW1がオフ状態からオン状態に切り換わるため、停電検知部16で停電発生が検知されるとともに、第1および第2のスイッチSW1,SW2が共にオン状態になって蓄電部17からの電力供給が開始される(
図2(a)の実線参照)。
その結果、プロセッサ11、メモリ12、外部ネットワークインターフェース13および停電検知部16は停電発生後も動作し続ける。
しかし、ファン15は、蓄電部17から電力供給されないため、
図2(a)に網掛けで示すように動作停止のままとなる。
【0028】
第1のスイッチSW1がオン状態に切り換わると、オン状態を示すオン/オフ状態信号S
ON/OFFが第1のスイッチSW1からプロセッサ11に入力される。
そのため、プロセッサ11は、オン/オフ状態信号S
ON/OFFに基づいて第1のスイッチSW1がオフ状態からオン状態に切り換わったことを検出すると、停電検知部16で停電発生が検知されたと判定して、メモリ12に格納されている停電検知メッセージMを読み出したのち、読み出した停電検知メッセージMを監視サーバ110へ外部ネットワークインターフェース13を介して送信する(
図2(a)に示す一点鎖線の矢印参照)。
これにより、監視サーバ110は、このネットワーク機器10が設置されている付属建屋で停電が発生したことを速やかに把握することができる。
【0029】
停電検知メッセージ送信処理が完了すると、プロセッサ11は、スイッチ制御信号S
SWを停電検知部16に出力して、
図1(d)に示したように第2のスイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り換える。
これにより、第2のスイッチSW2はオフ状態に切り換わるため、プロセッサ11、メモリ12、外部ネットワークインターフェース13および停電検知部16は、
図2(b)に破線で示すように蓄電部17からの電力供給が停止されるので、同図に網掛けで示すように動作を停止する。
【0030】
このように、ネットワーク機器10では、停電検知部16で停電発生が検知されると停電検知メッセージ送信処理に必要な時間だけ蓄電部17から停電検知メッセージ送信処理に関与するプロセッサ11、メモリ12、外部ネットワークインターフェース13および停電検知部16に電力供給することにより、小容量の蓄電池を用いて停電発生を監視サーバ110に通知することができる。
【0031】
その後、停電が回復されると、電源部14からの電力供給が再開されるため、ネットワーク機器10が正常に動作を開始する。
このとき、停電検知部16の第1のスイッチSW1は、商用電圧の供給が再開されるため、オン状態からオフ状態に切り換わる。
【0032】
また、プロセッサ11は、第2のスイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り換えるためのスイッチ制御信号S
SWを停電検知部16に出力する。
これにより、第2のスイッチSW2はオフ状態からオン状態に切り換わるが、第1のスイッチSW1はオフ状態に切り換っているため、蓄電部17からプロセッサ11、メモリ12、外部ネットワークインターフェース13および停電検知部16への電力供給は停止されたままとなる。
【0033】
以上の説明では、プロセッサ11は、停電検知メッセージMを監視サーバ110へ送信して停電発生を通知したが、監視サーバ110がSNMP(Simple Network Management Protocol)マネージャ機能を備えるとともにプロセッサ11がSNMPエージェント機能を備えている場合には、停電検知メッセージMとしてSNMPトラップを監視サーバ110へ送信して停電発生を通知してもよい。
【実施例2】
【0034】
次に、本発明の第2の実施例によるネットワーク機器20について、
図3(a)〜(d)を参照して説明する。
本実施例によるネットワーク機器20は、
図3(a)に示すように、プロセッサ21と、メモリ22と、外部ネットワークインターフェース23と、電源部24と、ファン25と、停電検知部26と、蓄電部27と、停電通知専用プロセッサ28とを具備する。
【0035】
ここで、プロセッサ21は、停電検知メッセージ送信処理(停電検知メッセージMの監視サーバ110への送信処理)を行わない点と、停電回復時に第2のスイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り換えるスイッチ切換信号S
SWを停電検知部26に出力する点とで、
図1(a)に示したプロセッサ11と相違する。
【0036】
メモリ22、外部ネットワークインターフェース23、電源部24およびファン25は、
図1(a)に示したメモリ12、外部ネットワークインターフェース13、電源部14およびファン15と同様のものである。
【0037】
停電通知専用プロセッサ28は、停電検知メッセージ送信処理と停電検知部16のスイッチ制御とを行うためのものである。
【0038】
停電検知部26は、外部の商用電源から供給される商用電圧に基づいて付属建屋の停電発生を検知するためのものであり、直列接続された第1および第2のスイッチSW1,SW2を備える点では
図1(a)に示した停電検知部16と同様であるが、第2のスイッチSW2がプロセッサ21および停電通知専用プロセッサ28から入力されるスイッチ制御信号S
SWによってオン/オフ制御される点で相違する(
図3(b)〜(d)参照)。
【0039】
蓄電部27は、停電検知部26の第1および第2のスイッチSW1,SW2が共にオン状態のときに外部ネットワークインターフェース23、停電検知部26および停電通知専用プロセッサ28に電力供給するための蓄電池を備える点で、
図1(a)に示した蓄電部17と相違する。
すなわち、蓄電部27は、停電発生時に第1のスイッチSW1がオン状態に切り換わった時からスイッチ制御信号S
SWによって第2のスイッチSW2がオフ状態にされる時までの停電検知メッセージ送信処理に必要な時間だけ外部ネットワークインターフェース23、停電検知部26および停電通知専用プロセッサ28に電力供給して、停電通知専用プロセッサ28による停電検知メッセージ送信処理および停電検知部26のスイッチ制御を可能とさせるためのものである。
したがって、停電発生後は、プロセッサ21、メモリ22、電源部24およびファン25は動作停止となる。
【0040】
次に、ネットワーク機器20の動作について、
図4(a),(b)を参照して説明する。
ネットワーク機器20が設置されている付属建屋で停電が発生すると、電源部24が
図4(a)に網掛けで示すように動作停止して、同図に破線で示すように電源部24からの電力供給が停止する。
【0041】
しかしながら、
図3(c)に示すように停電検知部26の第1のスイッチSW1がオフ状態からオン状態に切り換わるため、停電検知部26で停電発生が検知されるとともに、第1および第2のスイッチSW1,SW2が共にオン状態になって蓄電部27からの電力供給が開始される(
図4(a)の実線参照)。
その結果、外部ネットワークインターフェース23、停電検知部26および停電通知専用プロセッサ28は停電発生後も動作し続ける。
しかし、プロセッサ21、メモリ22およびファン25は、蓄電部27から電力供給されないため、
図4(a)に網掛けで示すように動作停止のままとなる。
【0042】
第1のスイッチSW1がオン状態に切り換わると、オン状態を示すオン/オフ状態信号S
ON/OFFが第1のスイッチSW1から停電通知専用プロセッサ28に入力される。
そのため、停電通知専用プロセッサ28は、オン/オフ状態信号S
ON/OFFに基づいて第1のスイッチSW1がオフ状態からオン状態に切り換わったことを検出すると、停電検知部26で停電発生が検知されたと判定して、内蔵メモリに格納されている停電検知メッセージMを読み出したのち、読み出した停電検知メッセージMを監視サーバ110へ外部ネットワークインターフェース23を介して送信する(
図4(a)に示す一点鎖線の矢印参照)。
これにより、監視サーバ110は、このネットワーク機器20が設置されている付属建屋で停電が発生したことを速やかに把握することができる。
【0043】
停電検知メッセージ送信処理が完了すると、停電通知専用プロセッサ28は、スイッチ制御信号S
SWを停電検知部26に出力して、
図3(d)に示すように第2のスイッチSW2をオン状態からオフ状態に切り換える。
これにより、第2のスイッチSW2はオフ状態に切り換わるため、外部ネットワークインターフェース23、停電検知部26および停電通知専用プロセッサ28は、
図4(b)に破線で示すように蓄電部27からの電力供給が停止されるので、同図に網掛けで示すように動作を停止する。
【0044】
このように、ネットワーク機器20では、停電検知部26で停電発生が検知されると停電検知メッセージ送信処理に必要な時間だけ蓄電部27から停電検知メッセージ送信処理に関与する外部ネットワークインターフェース23、停電検知部26および停電通知専用プロセッサ28に電力供給することにより、上述した第1の実施例によるネットワーク機器10よりも更に小容量の蓄電池を用いて停電発生を監視サーバ110に通知することができる。
【0045】
その後、停電が回復されると、電源部24からの電力供給が再開されるため、ネットワーク機器20が正常に動作を開始する。
このとき、停電検知部26の第1のスイッチSW1は、商用電圧の供給が再開されるため、オン状態からオフ状態に切り換わる。
【0046】
また、プロセッサ21は、第2のスイッチSW2をオフ状態からオン状態に切り換えるためのスイッチ制御信号S
SWを停電検知部26に出力する。
これにより、第2のスイッチSW2はオフ状態からオン状態に切り換わるが、第1のスイッチSW1はオフ状態に切り換っているため、蓄電部27から外部ネットワークインターフェース23、停電検知部26および停電通知専用プロセッサ28への電力供給は停止されたままとなる。