(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1または複数の表示対象を表示するとともに、選択された表示対象が予め定められた特定領域に移動された場合に、表示範囲が移動する第1の表示領域と、前記第1の表示領域を含む領域の一部を不可視範囲とする第2の表示領域とを表示する表示手段と、
前記第1の表示領域における特定領域が前記第2の表示領域における不可視範囲に含まれている状態において、前記第1の表示領域において表示対象を選択して移動することにより前記第2の表示領域の不可視範囲までの距離が予め定められた値以下となった場合、前記第2の表示領域における不可視範囲を移動させて前記第1の表示領域における特定領域が表示されるよう前記表示手段を制御する制御手段と、
を備えた情報処理装置。
1または複数の表示対象を表示するとともに、選択された表示対象が予め定められた特定領域に移動された場合に、表示範囲が移動する第1の表示領域と、前記第1の表示領域を含む領域の一部を不可視範囲とする第2の表示領域とを表示部に表示するステップと、
前記第1の表示領域における特定領域が前記第2の表示領域における不可視範囲に含まれている状態において、前記第1の表示領域において表示対象を選択して移動することにより前記第2の表示領域の不可視範囲までの距離が予め定められた値以下となった場合、前記第2の表示領域における不可視範囲を移動させて前記第1の表示領域における特定領域が表示されるよう前記表示部を制御するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ある表示領域内に複数の表示対象を配列して表示するような場合、表示する表示対象の数が多くなると表示領域内に表示することができなくなる場合がある。このような場合、表示領域には表示すべき複数の表示対象のうち一部の表示対象のみが表示されることになる。
【0005】
このような状態で1つの表示対象を選択して配列位置を移動するような場合、選択された表示対象が、表示領域内の例えば、上端または下端に設定されたスクロール領域(特定領域)に入ると、表示範囲が徐々に移動されて、表示されていなかった表示対象を表示するような、いわゆるスクロール制御が行われる。
【0006】
一般的に表示範囲を広くすることができない表示部を有するプリンタ等の情報処理装置では、このような表示領域を含む領域の一部のみを表示部に表示し、表示部に表示する表示範囲をスクロールして移動可能なようにする場合がある。
【0007】
このようにある表示領域内で表示対象をスクロール制御で表示し、その表示領域を表示する表示部でもスクロール制御するような二重スクロール制御を行う場合、表示領域の全体が表示部に表示されずに表示領域内のスクロール領域が隠れてしまうような状態になることがある。
【0008】
このような状態で、表示領域内の表示対象を表示されていない場所に移動しようとすると、先ず表示部の表示範囲をスクロールさせて表示領域のスクロール領域が表示されるような状態にし、その後に移動しようとする表示対象を選択してスクロール領域に移動させて表示領域の表示範囲をスクロールさせて表示対象を移動させようとする位置まで移動させるという操作が必要となる。
【0009】
本発明の目的は、第1の表示領域における表示範囲を移動させるための特定領域が、第2の表示領域により隠されている場合に、第2の表示領域の不可視範囲を変更する操作を必要とすることなく、第1の表示領域における表示範囲を移動させることが可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[情報処理装置]
請求項1に係る本発明は、1または複数の表示対象を表示するとともに、選択された表示対象が予め定められた特定領域に移動された場合に、表示範囲が移動する第1の表示領域と、前記第1の表示領域を含む領域の一部を不可視範囲とする第2の表示領域とを表示する表示手段と、
前記第1の表示領域における特定領域が前記第2の表示領域における不可視範囲に含まれている状態において、前記第1の表示領域において表示対象を選択して移動
することにより前記第2の表示領域の不可視範囲までの距離が予め定められた値以下となった場合、前記第2の表示領域における不可視範囲を移動させて前記第1の表示領域における特定領域が表示されるよう前記表示手段を制御する制御手段とを備えた情報処理装置である。
【0012】
請求項
2に係る本発明は、前記制御手段が、前記第2の表示領域における不可視範囲を徐々に移動させて前記第1の表示領域における特定領域が表示されるよう前記表示手段を制御する請求項
1記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項
3に係る本発明は、1または複数の表示対象を表示するとともに、選択された表示対象が
上端および下端から予め設定された距離以内の領域に設定された特定領域に移動された場合に、表示範囲が移動する第1の表示領域と、前記第1の表示領域を含む領域の一部を不可視範囲とする第2の表示領域とを表示する表示手段と、
前記第1の表示領域における特定領域が前記第2の表示領域における不可視範囲に含まれている状態において、前記第1の表示領域において
選択された表示対象の上端が前記第1の表示領域の上端に設定された特定領域内に入った場合に、前記第1の表示領域の表示範囲が上方向に移動し、選択された表示対象の下端が前記第1の表示領域の下端に設定された特定領域内に入った場合に、前記第1の表示領域の表示範囲が下方向に移動するよう前記表示手段を制御する制御手段とを備えた情報処理装置である。
【0014】
請求項
4に係る本発明は、1または複数の表示対象を表示するとともに、選択された表示対象が
左端および右端から予め設定された距離以内の領域に設定された特定領域に移動された場合に、表示範囲が移動する第1の表示領域と、前記第1の表示領域を含む領域の一部を不可視範囲とする第2の表示領域とを表示する表示手段と、
前記第1の表示領域における特定領域が前記第2の表示領域における不可視範囲に含まれている状態において、前記第1の表示領域において
選択された表示対象の左端が前記第1の表示領域の左端に設定された特定領域内に入った場合に、前記第1の表示領域の表示範囲が左方向に移動し、選択された表示対象の右端が前記第1の表示領域の右端に設定された特定領域内に入った場合に、前記第1の表示領域の表示範囲が右方向に移動するよう前記表示手段を制御する制御手段とを備えた情報処理装置である。
【0015】
[プログラム]
請求項
5に係る本発明は、1または複数の表示対象を表示するとともに、選択された表示対象が予め定められた特定領域に移動された場合に、表示範囲が移動する第1の表示領域と、前記第1の表示領域を含む領域の一部を不可視範囲とする第2の表示領域とを表示部に表示するステップと、
前記第1の表示領域における特定領域が前記第2の表示領域における不可視範囲に含まれている状態において、前記第1の表示領域において表示対象を選択して移動
することにより前記第2の表示領域の不可視範囲までの距離が予め定められた値以下となった場合、前記第2の表示領域における不可視範囲を移動させて前記第1の表示領域における特定領域が表示されるよう前記表示部を制御するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
また、請求項6に係る本発明は、1または複数の表示対象を表示するとともに、選択された表示対象が
上端および下端から予め設定された距離以内の領域に設定された特定領域に移動された場合に、表示範囲が移動する第1の表示領域と、前記第1の表示領域を含む領域の一部を不可視範囲とする第2の表示領域とを表示部に表示するステップと、
前記第1の表示領域における特定領域が前記第2の表示領域における不可視範囲に含まれている状態において、前記第1の表示領域において
選択された表示対象の上端が前記第1の表示領域の上端に設定された特定領域内に入った場合に、前記第1の表示領域の表示範囲が上方向に移動し、選択された表示対象の下端が前記第1の表示領域の下端に設定された特定領域内に入った場合に、前記第1の表示領域の表示範囲が下方向に移動するよう前記表示部を制御するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
さらに、請求項7に係る本発明は、1または複数の表示対象を表示するとともに、選択された表示対象が
左端および右端から予め設定された距離以内の領域に設定された特定領域に移動された場合に、表示範囲が移動する第1の表示領域と、前記第1の表示領域を含む領域の一部を不可視範囲とする第2の表示領域とを表示部に表示するステップと、
前記第1の表示領域における特定領域が前記第2の表示領域における不可視範囲に含まれている状態において、前記第1の表示領域において
選択された表示対象の左端が前記第1の表示領域の左端に設定された特定領域内に入った場合に、前記第1の表示領域の表示範囲が左方向に移動し、選択された表示対象の右端が前記第1の表示領域の右端に設定された特定領域内に入った場合に、前記第1の表示領域の表示範囲が右方向に移動するよう前記表示部を制御するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る本発明によれば、第1の表示領域における表示範囲を移動させるための特定領域が、第2の表示領域により隠されている場合に、第2の表示領域の不可視範囲を変更する操作を必要とすることなく、第1の表示領域における表示範囲を移動させることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0018】
請求項
2に係る本発明によれば、第2の表示領域における不可視範囲の移動を操作者が希望する任意の位置で止めることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0019】
請求項
3に係る本発明によれば、第1の表示領域における表示範囲を移動させるための上端または下端の特定領域が、第2の表示領域により隠されている場合に、第2の表示領域の不可視範囲を変更する操作を必要とすることなく、第1の表示領域における表示範囲を移動させることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0020】
請求項
4に係る本発明によれば、第1の表示領域における表示範囲を移動させるための左端または右端の特定領域が、第2の表示領域により隠されている場合に、第2の表示領域の不可視範囲を変更する操作を必要とすることなく、第1の表示領域における表示範囲を移動させることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0021】
請求項
5に係る本発明によれば、第1の表示領域における表示範囲を移動させるための特定領域が、第2の表示領域により隠されている場合に、第2の表示領域の不可視範囲を変更する操作を必要とすることなく、第1の表示領域における表示範囲を移動させることが可能なプログラムを提供することができる。
請求項6に係る本発明によれば、第1の表示領域における表示範囲を移動させるための上端または下端の特定領域が、第2の表示領域により隠されている場合に、第2の表示領域の不可視範囲を変更する操作を必要とすることなく、第1の表示領域における表示範囲を移動させることが可能なプログラムを提供することができる。
請求項7に係る本発明によれば、第1の表示領域における表示範囲を移動させるための左端または右端の特定領域が、第2の表示領域により隠されている場合に、第2の表示領域の不可視範囲を変更する操作を必要とすることなく、第1の表示領域における表示範囲を移動させることが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施形態の情報処理装置である画像形成装置10を含む画像形成システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態における画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態の画像形成装置10における表示部32の表示内容の一例を示す図である。
【
図5】新規の電子メール送信設定を行うための画面例を説明するための図である。
【
図6】表示部32の表示領域の構成を説明するための図である。
【
図7】送信先アドレス表示領域50の構成を説明するための図である。
【
図8】送信先アドレスの配列順を変更する場合に、移動しようとする送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」を選択する例を説明するための図である。
【
図9】送信先アドレス表示領域50におけるスクロール領域61、62を説明するための図である。
【
図10】スクロール領域61、62を用いたスクロール操作を説明するための図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態の画像形成装置10におけるスクロール操作を説明するための図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態の画像形成装置10におけるスクロール操作を説明するための図である。
【
図13】本発明の第1の実施形態の画像形成装置10におけるスクロール操作を説明するための図である。
【
図14】本発明の第1の実施形態の画像形成装置10におけるスクロール操作を説明するための図である。
【
図15】本発明の第1の実施形態の画像形成装置10におけるスクロール操作を説明するための図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態の画像形成装置10におけるスクロール操作を説明するための図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態の画像形成装置10におけるスクロール操作を説明するための図である。
【
図18】本発明の第2の実施形態の画像形成装置10におけるスクロール操作を説明するための図である。
【
図19】本発明の第2の実施形態の画像形成装置10におけるスクロール操作を説明するための図である。
【
図20】本発明の第2の実施形態の画像形成装置10におけるスクロール操作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の情報処理装置である画像形成装置10を含む画像形成システムの構成を示す図である。
【0025】
本実施形態の画像形成システムは、
図1に示されるように、ネットワーク30により相互に接続された画像形成装置10、および端末装置20により構成される。端末装置20は、印刷データを生成して、ネットワーク30経由にて生成した印刷データを画像形成装置10に対して送信する。画像形成装置10は、端末装置20から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。なお、画像形成装置10は、印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0026】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける画像形成装置10のハードウェア構成を
図2に示す。
【0027】
画像形成装置10は、
図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UI)装置15、スキャナ16、プリントエンジン17を有する。これらの構成要素は、制御バス18を介して互いに接続されている。
【0028】
プリントエンジン17は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。
【0029】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0030】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0031】
本実施形態の画像形成装置10は、
図3に示されるように、制御部31と、表示部32と、記憶部33と、画像読取部34と、通信部35と、画像出力部36とを備えている。
【0032】
表示部32は、いわゆるタッチパネル等の操作パネルにより構成され、画像形成装置10に対する操作を受け付けたり、操作結果、処理結果等をユーザに示すために表示する。
【0033】
記憶部33は、制御部31による処理が行われる際の途中の画像データ等を一時的に記憶するためのメモリである。
【0034】
画像読取部34は、セットされた原稿を読取って画像データに変換する処理を行っている。
【0035】
通信部35は、端末装置20等の外部装置との間でデータのソース受信を行い、端末装置20からの印刷ジョブを受信したり、画像データをファクシミリ送信したり、電子メールの送受信等を行っている。
【0036】
画像出力部36は、制御部31による指示に基づいて動作を行って、画像データを印刷用紙等の記録媒体上に印刷して出力する処理を実行する。
【0037】
制御部31は、表示部32、記憶部33、画像読取部34、通信部35、画像出力部36等を制御して、印刷処理、複写処理、原稿画像の読取り処理等の様々な処理を実行している。
【0038】
次に、本実施形態の画像形成装置10における表示部32の表示内容について説明する。
【0039】
先ず、本実施形態の画像形成装置10における表示部32の表示内容の一例を
図4に示す。
【0040】
図4に示した例では、新規の電子メールの送信設定を行う際の表示内容が示されている。ここでは、表示部32内の右端にスクロールバー41が表示されている。このスクロールバー41を上下に操作することにより表示部32の表示範囲を移動させて隠れている表示内容が表示されるようにするスクロール操作が行われる。
【0041】
具体的には、新規の電子メール送信設定を行うための画面は、
図5に示すように表示部32の表示領域よりも上下方向に長くなっているため、その一部のみが表示部32に表示されている。そして、表示部32の表示領域内に表示されたスクロールバー41を操作することにより、ユーザは操作したい場所を表示部32に表示させて、新規の電子メール送信設定のための各種操作を行うことができるようになっている。
【0042】
つまり、表示部32の表示領域は、
図6に示すように可視範囲43と、不可視範囲42とから構成され、可視範囲43内の表示内容が表示部32に表示される。
【0043】
また、この新規の電子メール送信設定の画面内には、入力した電子メールの送信先アドレス(宛先アドレス)の一覧を表示するための送信先アドレス表示領域50が含まれている。
【0044】
そして、この送信先アドレス表示領域50は、一定の大きさの領域となっているため、
図7に示すように、表示対象である複数の送信先アドレスを配列して表示する際に、全ての送信先アドレスを表示できない場合、複数の送信先アドレスの一部のみを表示するような表示領域になっている。
【0045】
そして、送信先アドレス表示領域50の右端にもスクロールバー51が設けられており、このスクロールバー51を上下方向に操作することにより、表示範囲が移動して隠れていた送信先アドレスを表示させることができるようになっている。
【0046】
次に、ユーザがこの送信先アドレス表示領域50内の送信先アドレスの配列順序を変更する場合の操作について説明する。例えば、企業内において複数人に同一の電子メールを送信する際に、職位が上位の人の送信先アドレスはできるだけ配列順を上にするような場合、入力した送信先アドレスの配列順を変更する操作が必要になる。
【0047】
このように送信先アドレスの配列順を変更する場合、先ず、
図8に示すように指70により移動しようとする送信先アドレスを長押しして選択するドラッグ操作を行う。
図8では、「aaa@bbb.co.jp」というアドレスを選択した場合が示されている。
【0048】
そして、ユーザは、選択した送信先アドレスを移動したい位置で離すことにより(ドロップ操作)その位置まで送信先アドレスを移動させるが、移動したい位置が送信先アドレス表示領域50内に表示されていない場合、スクロール操作を行って移動したい位置を表示させる必要がある。
【0049】
ここで、送信先アドレス表示領域50では、
図9に示すように、上端と下端のそれぞれに、スクロール領域61、62が設定されている。例えば、送信先アドレス表示領域50におけるスクロール領域(特定領域)が、送信先アドレス表示領域50における上端および下端から予め設定された距離である20ピクセル以内の領域に設定される。
【0050】
ここでいう特定領域とは、移動対象(送信先アドレス)を当該領域内に移動させる操作を受け付けた場合、対応する領域を移動させるよう表示部を制御する指示が行われる領域である。
【0051】
このようなスクロール領域61、62を用いたスクロール操作について
図10を参照して説明する。
【0052】
制御部31は、
図10(A)に示すように、選択された送信先アドレスの上端が送信先アドレス表示領域50の上端に設定されたスクロール領域61内に入った場合に、送信先アドレス表示領域50の表示範囲が上方向、つまり表示されている送信先アドレスが下方向に移動するようなスクロール動作が行われるよう表示部32を制御する。
【0053】
また、制御部31は、
図10(B)に示すように、選択された送信先アドレスの下端が送信先アドレス表示領域50の下端に設定されたスクロール領域62内に入った場合に、送信先アドレス表示領域50の表示範囲が下方向、つまり表示されている送信先アドレスが上方向に移動するようなスクロール動作が行われるよう表示部32を制御する。
【0054】
なお、本実施形態では、上下方向のスクロール動作が行われる場合を用いて説明するが、同様の方法により左右方向のスクロール動作が行われる場合でも本発明は適用可能である。
【0055】
このような場合には、スクロール領域が、表示における左端および右端から予め設定された距離以内の領域に設定される。そして、選択された表示対象の左端が表示領域の左端に設定されたスクロール領域内に入った場合に、表示領域の表示範囲が左方向に移動し、選択された表示対象の右端が表示領域の右端に設定されたスクロール領域内に入った場合に、表示領域の表示範囲が右方向に移動するような制御が行われることになる。
【0056】
つまり、送信先アドレス表示領域(第1の表示領域)50は、1または複数の送信先アドレス(表示対象)を表示するとともに、選択された送信先アドレスが予め定められたスクロール領域(特定領域)に移動された場合に、見えていなかった領域が見えるように表示範囲が移動するような表示領域である。
【0057】
このように、表示部32は、送信先アドレス表示領域50と、送信先アドレス表示領域50を含む領域の一部を不可視範囲42とする表示領域(第2の表示領域)とを表示する。
【0058】
次に、本実施形態の画像形成装置10における表示部32内に表示された送信先アドレス表示領域50において、送信先アドレスの配列順序を変更する場合の動作を図面を参照して説明する。
【0059】
ここでは、
図11に示すように、送信先アドレス表示領域50におけるスクロール領域62が表示部32の表示領域における不可視範囲42に含まれている状態において、送信先アドレス表示領域50内の送信先アドレスを移動させて配列順序を変更する場合について説明する。
【0060】
制御部31は、このように送信先アドレス表示領域50のスクロール領域が、表示部32の表示領域における不可視範囲42に含まれて隠された状態において、送信先アドレス表示領域50において表示対象である送信先アドレスを選択して移動しようとする操作が行われた場合、表示部32の表示領域における不可視範囲42を変化させてスクロール領域が表示されるよう表示部32を制御する。
【0061】
具体的には、先ず
図11に示すように、ユーザが指70により移動しようとする送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」を長押しすることにより選択して移動開始する。なお、移動しようとする送信先アドレスを選択する方法はこのような長押しに限定されるものではなく、送信先アドレスが選択されたことを検知することができる操作であれば、シングルタッチ、ダブルタッチ等の他の操作により送信先アドレスを選択することができるようにしても良い。
【0062】
そして、
図12に示すように、ユーザが選択した送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」を下方の配列順序に移動させようとして、下方に移動させ、選択した送信先アドレスの下端と、可視範囲43と不可視範囲42の境界線との距離が所定値以下となったものとする。
【0063】
すると、
図13に示すように、表示部32の表示領域がスクロール動作を開始することにより、可視範囲43が徐々に移動して、下方の表示内容が表示されるようになる。
【0064】
このように、制御部31は、送信先アドレス表示領域50において表示対象である送信先アドレスを選択して移動することにより表示部32の表示領域の不可視範囲42までの距離が予め定められた値以下となった場合、表示部32の表示領域における不可視範囲42を徐々に移動させて送信先アドレス表示領域50におけるスクロール領域62が表示されるよう表示部32を制御する。つまり、制御部31は、表示対象である送信先アドレスに対する移動操作に基づいて、表示部32の表示領域の表示内容を変化させて、送信先アドレス表示領域50におけるスクロール領域62が表示されるよう表示部32を制御する。
【0065】
すると、
図14に示すように、送信先アドレス表示領域50の全体が可視範囲43内となり、送信先アドレス表示領域50のスクロール領域62も表示されることになる。この状態でユーザが選択した送信先アドレスを下方に移動し続けると、選択された送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」の下端が送信先アドレス表示領域50のスクロール領域62内に入ることになる。
【0066】
そのため、
図15に示すように、送信先アドレス表示領域50においてスクロール動作が開始され、表示範囲が下方に移動し、表示されていた他の送信先アドレスが上方向に移動することになる。
【0067】
この状態でユーザは、移動しようとしていた場所が表示されるまでスクロール動作を継続させ、移動しようとする場所が表示されると、選択していた送信先アドレスを離す(ドロップ操作を行う)ことにより希望する位置までの移動が実行されることになる。
【0068】
なお、比較のため、上述したようなスクロール動作が行われない場合、
図11に示したような状態から、送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」を選択して下方に移動させようとした場合の操作について説明する。
【0069】
このような場合、まず最初に、ユーザは、表示部32のスクロールバー41を下方に移動させて、送信先アドレス表示領域50のスクロール領域62を表示部32に表示させる必要がある。そして、その後、送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」を選択して、表示されたスクロール領域62まで選択した送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」の下端を移動させるという2回の操作を行う必要がある。
【0070】
これに対して、
図11〜
図15を用いて説明した本実施形態の操作方法によれば、ユーザは、スクロールバー41を操作することなく、送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」を希望する位置まで移動させることができる。
【0071】
なお、本実施形態では新規電子メール送信という1つの画面内で上下にスクロール表示が行われる場合を用いて説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、連続した複数の画面が存在し、選択した表示対象を移動させる場合に、この複数の画面間を遷移するような構成においても同様に適用可能である。このような構成では、ある画面内において選択した表示対象を移動させようとして、その画面内の上端または下端(あるいは左端または右端)に設定された所定範囲に表示対象が入ると、他の画面に遷移するような制御が行われる。
【0072】
さらに、本実施形態では、送信先アドレス表示領域50において表示対象である送信先アドレスを選択して移動することにより表示部32の表示領域の不可視範囲42までの距離が予め定められた値以下となった場合に、表示部32の表示領域における不可視範囲42が徐々に移動するようなスクロール動作が行われる場合を用いて説明したが、本発明はこのような制御が行われる場合に限定されるものではない。
【0073】
例えば、移動させたい方向の表示領域境界までユーザが選択した表示対象を移動させた場合に、表示領域における不可視範囲が移動するような制御が行われるようにすることも可能である。
【0074】
また、不可視範囲が移動するような制御が行われるタイミングは、移動させたい方向の表示領域境界まで選択した表示対象が到達するよりも前であっても良い。
【0075】
さらに、移動しようとする表示対象が選択されたタイミングで、不可視範囲が移動するような制御を行うようにすることも可能である。
【0076】
さらに、移動しようとする表示対象が選択され、ある移動方向への移動が始まったタイミングで、不可視範囲が移動するような制御を行うようにすることも可能である。
【0077】
このような制御を行う場合には、例えば、表示領域が上側に張り付いており上方向へのスクロールができないような状態で、表示対象が選択されて少しでも移動した場合には、表示領域の不可視範囲を移動させるようにしても良い。
【0078】
しかし、このような制御を行う場合でも、例えば、上下の両方向へのスクロールが可能な状態で、表示対象が選択されて移動した場合には、表示対象が少し移動しただけで表示領域の不可視範囲を移動させたのではユーザの意図と異なる場合もあり得るため、移動させたい方向の表示領域境界まで表示対象が近づくのを待ってから不可視範囲を移動させるようにする。
【0079】
さらに、本実施形態では、送信先アドレスを移動対象として、この送信先アドレスが特定領域であるスクロール領域61、62に移動した場合に、送信先アドレス表示領域50を移動するような制御が行われる場合を用いて説明した。しかし、移動対象をスクロールバー51とした場合でも、本発明は適用可能である。例えば、
図9に示すような状態では、スクロールバー51を選択して下方に移動しようとした場合、移動しようとする場所が不可視領域に含まれているため隠されているので移動することができない。
【0080】
このような場合に、スクロールバー51が表示対象の境界領域に接近することにより、表示領域の不可視領域が移動して、隠れていた領域(スクロールバー51の下方領域)が見えるようになり、スクロールバー51をその領域に移動することが可能となる。
【0081】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の情報処理装置について説明する。
【0082】
上記第1の実施形態では、画像形成装置10における表示部32の表示領域により送信先アドレス表示領域50のスクロール領域62が隠された場合について説明した。
【0083】
これに対して、本実施形態では、
図16に示すように、例えば、ノートパソコン(パーソナルコンピュータ)等の表示画面において、送信先アドレス表示領域50のスクロール領域62が表示領域80により隠されたような場合について説明する。この例では表示領域80は当該位置で最前面に表示されているため、スクロール領域62を選択したことでも隠された状態が解消しない場合を考えている。
【0084】
先ず、
図16に示すように、ユーザが指70により移動しようとする送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」を長押しすることにより選択して移動開始する。
【0085】
そして、
図17に示すように、ユーザが選択した送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」を下方の配列順序に移動させようとして、下方に移動させ、選択した送信先アドレスの下端と、表示領域80との距離が所定値以下となったものとする。
【0086】
すると、
図18に示すように、表示領域80がスクロール動作を開始することにより徐々に下方に移動する。
【0087】
すると、
図19に示されるように、送信先アドレス表示領域50の全体が表示されるようになり、送信先アドレス表示領域50のスクロール領域62も表示されることになる。この状態でユーザが選択した送信先アドレスを下方に移動し続けると、
図19に示すように、選択された送信先アドレス「aaa@bbb.co.jp」の下端が送信先アドレス表示領域50のスクロール領域62内に入ることになる。
【0088】
そのため、
図20に示すように、送信先アドレス表示領域50においてスクロール動作が開始され、表示範囲が下方に移動し、表示されていた他の送信先アドレスが上方向に移動することになる。
【0089】
なお、
図18では、表示領域80が徐々に下方に移動する場合について説明していたが、選択した送信先アドレスの下端と表示領域80との距離が所定値以下となった場合に、表示領域80が一気に移動して、送信先アドレス表示領域50のスクロール領域62が表示されるような制御にすることも可能である。
【0090】
さらに、上記の実施形態では、選択した送信先アドレスを移動させた際に、表示領域80の不可視範囲を変化させる一例として表示領域80を徐々に移動させる場合を用いて説明したが、本発明はこのような制御に限定されるものではない。例えば、表示領域80の形状を変化させたり、表示領域80を移動させずに外枠以外を透明とすることにより、隠されていたスクロール領域62が表れて、送信先アドレス表示領域50と表示領域80とが重なった領域に選択した送信先アドレスを移動できるようにするようにしても良い。ここで、表示領域80の形状を変化させる場合の例としては、例えば、表示領域80の大きさが小さくなる、スクロール領域62が見えるように一部がぐにゃっと曲がる等の様々な形状の変化が考えられる。
【0091】
[変形例]
上記実施形態では、画像形成装置に対して本発明を適用した場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スマートフォン、タブレット端末装置、携帯電話装置、ノートパソコン等のスクロール表示を行う各種情報処理装置に対しても同様に本発明を適用することができるものである。