(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6784966
(24)【登録日】2020年10月28日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】画像表示方法、画像表示システム、及び画像表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20130101AFI20201109BHJP
G06F 3/0481 20130101ALI20201109BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20201109BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20201109BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20201109BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
G06F3/0484 150
G06F3/0481 150
G06T19/00 A
G09G5/14 A
G09G5/00 510H
G09G5/36 520F
G09G5/36 520G
G09G5/00 530T
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-75536(P2020-75536)
(22)【出願日】2020年4月21日
【審査請求日】2020年4月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518151593
【氏名又は名称】3D Nest株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼顕赫
【審査官】
滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−108992(JP,A)
【文献】
特開平11−306212(JP,A)
【文献】
特開2012−177808(JP,A)
【文献】
特表2017−526990(JP,A)
【文献】
特開2014−123271(JP,A)
【文献】
特開平07−170353(JP,A)
【文献】
特開2018−170037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0484
G06F 3/0481
G06T 19/00
G09G 5/00
G09G 5/14
G09G 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産の内部空間の画像を表示するためにコンピュータによって実行される画像表示方法であって、
対比表示指示を受け取ると、前記内部空間を内装する前の画像と前記内部空間を仮想的に内装した後の画像を含んで前記内部空間の画像を2つ以上同時に表示し、
同時に表示される前記内部空間の画像は、同じ前記内部空間内にある同一観察点から同一観察角度で見た画像であり、
前記内部空間の画像を2つ以上同時に表示する場合に、いずれかの画像に対する操作指示が検出されると、同時に表示されている全ての画像が前記操作指示に応答して同じく動作し、
表示されている前記内部空間の画像は、それぞれ前記表示されている前記内部空間の画像における観察点と違う他観察点を一つ以上有し、
いずれかの前記他観察点へのトリガー操作を検出すると、前記他観察点に対応する前記内部空間の画像を取得し、前記他観察点における前記内部空間の画像を同時に2つ以上表示し、現在の観察点の画像から前記他観察点の画像に切り替え表示し、
前記現在の観察点の画像から前記他観察点の画像に切り替え表示すると、切り替え後に表示される前記他観察点の画像は、前記現在の観察点の画像と同じ観察角度で表示する、
画像表示方法。
【請求項2】
前記内部空間の画像は、現実パノラマ画像、及び/又は、仮想パノラマ画像を含み、
前記現実パノラマ画像は、前記内部空間を実際に撮影して得られた前記内部空間の実態を示すパノラマ画像であり、
前記仮想パノラマ画像は、仮想的に制作して得られた前記内部空間の仮想的な状態を示すパノラマ画像である、
請求項1に記載の画像表示方法。
【請求項3】
前記対比表示指示を受け取ると、前記対比表示指示を受け取った所に最も近い観察点を判定して、前記観察点の位置情報を取得し、
前記観察点の位置情報に基づき、前記観察点に対応する前記内部空間の画像を取得し、
前記内部空間の画像を2つ以上同時に表示する、
請求項1又は2に記載の画像表示方法。
【請求項4】
前記操作指示は、ズームイン、ズームアウト、および前記観察角度の回転を含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項5】
同時に表示しようとする複数の前記画像のそれぞれを左右又は上下に複数の部分に分割し、
複数の前記画像のそれぞれの中央部にある一部の部分を、左右、又は、上下に並べて表示する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項6】
不動産の内部空間の画像を表示するためにコンピュータによって実行される画像表示方法であって、
対比表示指示を受け取ると、仮想的に内装された後の前記内部空間の画像を2つ以上同時に表示し、
同時に表示される前記内部空間の画像は、同じ前記内部空間内にある同一観察点から同一観察角度で見た画像であり、同時に表示される前記内部空間の画像は内装のスタイルが異なり、
前記内部空間の画像を2つ以上同時に表示する場合に、いずれかの画像に対する操作指示が検出されると、同時に表示されている全ての画像が前記操作指示に応答して同じく動作し、
表示されている前記内部空間の画像は、それぞれ前記表示されている前記内部空間の画像における観察点と違う他観察点を一つ以上有し、
いずれかの前記他観察点へのトリガー操作を検出すると、前記他観察点に対応する前記内部空間の画像を取得し、前記他観察点における前記内部空間の画像を同時に2つ以上表示し、現在の観察点の画像から前記他観察点の画像に切り替え表示し、
前記現在の観察点の画像から前記他観察点の画像に切り替え表示すると、切り替え後に表示される前記他観察点の画像は、前記現在の観察点の画像と同じ観察角度で表示する、
画像表示方法。
【請求項7】
不動産の内部空間の画像を表示する画像表示システムであって、
画像を表示する表示部と、操作部と、情報処理部と、を含み、
前記情報処理部は、前記操作部への操作を検出すると、対比表示指示を受け取ったと判定し、前記対比表示指示を前記表示部に送信し、
前記表示部は、前記対比表示指示に応じて、前記内部空間を内装する前の画像と前記内部空間を仮想的に内装した後の画像を含んで前記内部空間の画像を2つ以上同時に表示し、
同時に表示される前記内部空間の画像は、同じ前記内部空間内にある同一観察点から同一観察角度で見た画像であり、
前記内部空間の画像を2つ以上同時に表示する場合に、いずれかの画像に対する操作指示が検出されると、同時に表示されている全ての画像が前記操作指示に応答して同じく動作し、
表示されている前記内部空間の画像は、それぞれ前記表示されている前記内部空間の画像における観察点と違う他観察点を一つ以上有し、
いずれかの前記他観察点へのトリガー操作を検出すると、前記他観察点に対応する前記内部空間の画像を取得し、前記他観察点における前記内部空間の画像を同時に2つ以上表示し、現在の観察点の画像から前記他観察点の画像に切り替え表示し、
前記現在の観察点の画像から前記他観察点の画像に切り替え表示すると、切り替え後に表示される前記他観察点の画像は、前記現在の観察点の画像と同じ観察角度で表示する、画像表示システム。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の画像表示方法をコンピュータに実行させるための画像表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示方法、画像表示システム、及び画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、不動産物件を選ぶ場合、間取り図を見ながら物件を選び、選んだ物件を内覧することなどにより、所望の物件を選んでいる。また、購入者や賃貸者などの対象者の好感度を高めるために、モデルルームの展示などが行われている。
【0003】
近年、インターネットなどの通信ネットワークを介して所望する物件の間取りをコンピュータに表示させながら、物件を選ぶことが利用されるようになり、ネットワークを介して物件のシミュレーション空間を表示する技術が望まれている。
【0004】
コンピュータにより住宅の間取りや内装に関する3次元形状データを作成し、当該データを適宜に処理して、間取りや内装のデザインを表示し、3次元CG(Computer Graphics)画像中の視点を適宜変更して表示するVR(Virtual Reality)によるプレゼンテーション技術も知られている。インターネットを介して不動産情報を表示する場合、最も重要な課題の1つは、ユーザに実際のモデルルームを体験している感覚を提供することである。
【0005】
特許文献1では、ユーザは、自分の思い通りに物件をデザインすることで、デザインされた物件の完成状態を見ることができる。しかし、完成した物件の3次元空間を疑似体験することは困難である。
【0006】
ユーザにデザインされた物件の完成状態を疑似体験させるために、特許文献2では、VR・AR技術を活用した不動産表示システムが開示されている。写真やパンフレットなどの紙媒体に掲載する間取り情報を認識し、識別された間取り情報に従って、当該間取りに対応するパノラマ写真またはパノラマビデオを表示する。
【0007】
特許文献3には、通信ネットワークを介して不動産情報を表示する方法が開示されている。ユーザは、あらかじめ生成されてサーバに保存されている間取りのシミュレーション情報、パノラマ画像などを確認でき、物件の仮想の内装の閲覧を体験できる。しかし、特許文献3では、仮想の内装しか閲覧できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平07−296047号
【特許文献2】中国特許公開公報106683197A
【特許文献3】中国特許公開公報107545495A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1,2,3に開示された技術によれば、物件のシミュレーション画像や、デザイン後の状態の空間しか表示できず、ユーザが、物件の内部のどこに居るか迷ってしまうことがある。また、内装後の状態しか表示されないため、前の状態との対比が難しい。そのため、ユーザへのインパクトが低く、ユーザへの説得力も限られてしまうという課題がある。
【0010】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、同じ空間の異なる状態での複数の画像を対比しながらユーザに提示することで、ユーザへの臨場感と対比による視覚上のインパクトを向上できる画像表示方法、画像表示システム、及び画像表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、空間の画像を表示するためにコンピュータによって実行される画像表示方法であって、対比表示指示を受け取ると、空間の画像を2つ以上同時に表示する。同時に表示される空間の画像は、同じ空間内にある同一観察点から同一観察角度で見た画像である。空間の画像を2つ以上同時に表示する場合に、いずれかの画像に対する操作指示が検出されると、同時に表示されているすべての画像が操作指示に応答して同じく動作する。本態様によれは、同じ表示画面に2つ以上の画像を同時に表示することできる。また、同時に表示する画像が連動することで、ユーザに臨場感を与えながら対比することができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様の画像表示方法において、空間の画像は、現実パノラマ画像及び/又は仮想パノラマ画像を含む。現実パノラマ画像は、空間を実際に撮影して得られた空間の実態を示すパノラマ画像である。仮想パノラマ画像は、仮想的に制作して得られた空間の仮想的な状態を示すパノラマ画像である。本態様によれば、同時に表示する画像は、物件などの各内装段階の現実のパノラマ画像同士や、仮想の画像(例えば、シミュレーションパノラマ画像、洋式部屋のパノラマ画像や和式部屋のパノラマ画像など)同士や、現実パノラマと仮想パノラマなど任意の組み合わせで、対比可能である。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様の画像表示方法において、対比表示指示を受け取ると、対比表示指示を受け取った所に最も近い観察点を判定して、最も近い観察点の位置情報を取得し、最も近い観察点の位置情報に基づき、最も近い観察点に対応する空間の画像を取得し、空間の画像を2つ以上同時に表示する。本態様によれば、対比指示を受け取った位置を判断しなら、当該位置の画像を表示することができる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかの画像表示方法において、操作指示は、ズームイン、ズームアウト、および観察角度の回転を含む。本態様によれば、同時表示する画像が連動することができるので、ユーザに臨場感を与えながら対比させることができる。
【0015】
本発明の第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかの画像表示方法において、表示されている空間の画像は、表示されている空間の画像における観察点と違う他観察点を一つ以上有し、いずれかの他観察点へのトリガー操作を検出すると、他観察点に対応する空間の画像を取得し、他観察点における空間の画像を同時に2つ以上表示し、現在の観察点の画像から他観察点の画像に切り替え表示する。本態様によれば、観察点の変更により、表示する画像の切り替えができ、各場所での対比ができるようになる。
【0016】
本発明の第6の態様は、第5の態様の画像表示方法において、現在の観察点の画像から他観察点の画像に切り替え表示すると、切り替え後に表示される他観察点の画像は、現在の観察点の画像と同じ観察角度で表示する。本態様によれば、前後の画像が同じ観察角度で切り替えられるため、現在の観察点から他観察点へ「直行」する感覚で表示できる。同時に表示する画像と共に直行していく感覚で表示されるので、ユーザが体験できる臨場感が高く、対比による視覚上のインパクトも強い。
【0017】
本発明の第7の態様は、第1から第6の態様のいずれかの画像表示方法において、同時に表示しようとする複数の画像のそれぞれを左右又は上下に複数の部分に分割し、複数の画像のそれぞれの中央部にある一部の部分を左右、又は、上下に並べて表示する。本態様によれば、複数の画像の表示部分をフルスクリーンで同時に表示できるので、ユーザの体験を向上できる。
【0018】
本発明の第8の態様は、空間の画像を表示する画像表示システムであって、画像を表示する表示部と、操作部と、情報処理部と、を含む。情報処理部は、操作部への操作を検出すると、対比表示指示を受け取ったと判定し、対比表示指示を表示部に送信する。表示部は、対比表示指示に応じて、空間の画像を2つ以上同時に表示する。同時に表示される空間の画像は、同じ空間内にある同一観察点から同一観察角度で見た画像である。
【0019】
本発明の第9の態様は、第8の態様の画像表示システムにおいて、表示部に表示されている空間の画像は、現在表示されている空間の画像における観察点と違う他観察点を一つ以上有する。情報処理部は、いずれかの他観察点へのトリガー操作を検出すると、他観察点に対応する空間の画像を取得し表示部に発信する。表示部は、他観察点における空間の画像を同時に2つ以上表示し、現在の観察点の画像から他観察点の画像に切り替え表示する。
【0020】
本発明の第10の態様は、第1から第7の態様のいずれかの画像表示方法をコンピュータに実行させるための画像表示プログラムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、同じ空間にある同じ観察点において同じ方向から見た複数の画像が同時に表示される。また、同時に表示される複数の画像が、画像に対する操作指示に応じて同じ動作を行う。それにより、ユーザに強い臨場感と対比による視覚上のインパクトを与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】画像表示システムの構成を示す模式図である。
【
図2】画像表示方法の処理を示すフローチャートである。
【
図3】表示部に表示される現実パノラマ画像の例を示す図である。
【
図4】2つのパノラマ画像を対比しなら表示する例を示す図である。
【
図5】対比しなら表示する2つの画像を形成する方法の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る画像表示システムの構成を示す模式図である。本実施形態の画像表示システムは、サーバ1とユーザ端末2とを含む。
【0024】
サーバ1は、通信ネットワーク100を介して、ユーザ端末2とデータ転送可能に接続されている。サーバ1は、情報処理部11と画像記憶部12とを含む。情報処理部11は、CPUなどのプロセッサと、RAM,ROMなどのメモリとを含む。画像記憶部12は、画像データを記憶している。情報処理部11は、ユーザ端末2からの要求に応じて、画像記憶部12に保存されている画像データをユーザ端末2に送信する。
【0025】
ユーザ端末2は、通信ネットワーク100を介してサーバ1と通信可能であり、画像を表示できるコンピュータである。ユーザ端末2は、例えばスマートフォンやタブレットなどの携帯端末、或いはパーソナルコンピュータである。なお、
図1には、1台のユーザ端末2が図示されているが、ユーザ端末の数は限定されない。
【0026】
ユーザ端末2は、情報処理部21と、表示部22と、操作部23とを含む。情報処理部21は、CPUなどのプロセッサと、RAM,ROMなどのメモリとを含む。表示部22は、2次元の表示画面を有し、2次元画像と3次元パノラマ画像とを含む画像を表示することができる。なお、本明細書における2次元画像とは、写真等の平面画像をいう。パノラマ画像は、全観察角度パノラマ画像である。パノラマ画像を撮影する場合、カメラを中心として、所定角度ごとに別々に撮った一群の画像を取得し、隣接し且つ重なり合う領域のある画像を、ソフトウェアなどによりシームレスにつなぎ、それらを球形パノラマ画像に結合する。全観察角度パノラマ画像とは、ある空間内の画像を確認する際に、前後、左右の360度と上下180度の範囲内の状況を確認できる画像である。
【0027】
操作部23は、外部からの入力を受け取る手段である。
図3に示すように、操作部23は、トリガー操作を受け取ったことを認識するために表示部22に表示される仮想的なボタンを含む。トリガー操作は、マウスやタッチパネルなどによるクリック、タップ、スライド、予め設定された認識可能なジェスチャー操作、音声操作などの入力でもよい。操作部23は、有線、或いは無線によりユーザ端末2に接続される入力手段であってもよい。操作部23は、表示部22とは別体又は一体に設けられたボタンや操作レバーであってもよい。
【0028】
操作部23がトリガー操作を受けると、情報処理部21は、操作部23からの情報に基づいて対比表示指示を受信したと判断し、対比表示のための画像データをサーバ1に要求する。サーバ1は、ユーザ端末2からの要求に応じた画像データをユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2が画像データを受信すると、情報処理部21は、対比表示する指示を表示部22に送信する。表示部22は、情報処理部21からの指示に従って、画像を表示する。
【0029】
以下、本実施形態の画像表示方法について、不動産の内部空間を例に詳細に説明する。なお、以下に述べる処理のうち、ユーザ端末2の情報処理部21によって実行される処理の一部は、サーバ1の情報処理部11によって実行されてもよい。
【0030】
図2は、本実施形態の画像表示方法の処理を示すフローチャートである。表示が開始される際、表示部22は初期表示状態であり、操作部23は、ユーザからの指示を受け取り可能な待機状態である(ステップS1)。本実施形態において、初期表示状態における表示内容は限定されない。表示部22が初期表示状態である場合、表示される画面は、対象空間に関する画像であってよい。例えば、物件内の写真などの現実画像、仮想の内装図、間取り図、または3次元間取り図などが想定できる。
【0031】
図3は、表示部22の初期表示状態が、家の内部空間の実写である例を示している。表示部22の一部には、操作部23が設けられている。
図3に示すように、本実施形態における操作部23は、仮想ボタンである。
【0032】
ユーザが、操作部23をクリックすると、情報処理部21は、対比表示指示を受信したと判定する。情報処理部21は、対比表示指示を受信したと判定すると、表示部22に表示されている物件の内部空間の画像Aの位置情報と観察角度情報とを取得する(ステップS2)。位置情報は、物件の内部空間における観察点の位置を示す情報である。観察角度情報は、物件の内部空間における観察方向(観察角度)を示す情報である。
【0033】
情報処理部21は、取得した位置情報と観察角度情報とに基づいて、画像記憶部12に予め記憶されている画像から同じ位置情報と同じ観察角度情報とを有する画像Bを検索し、取得する(ステップS3)。情報処理部21は、画像Bを表示する指示を表示部22に送信する。表示部22は、上記指示を受け取ると、
図4に示すように、画像Aと画像Bを同時に表示する(ステップS4)。画像Aと画像Bとは、同じ位置情報と観察角度情報とを有する。画像Aと画像Bとは、同じ観察点から同じ室内空間を同じ方向から見た画像である。
【0034】
(実施例1:不動産の現実画像と仮想画像との比較)
画像Aおよび画像Bは、いずれも画像記憶部12に予め記憶されている写真またはパノラマ画像である。
図4に示す例では、左側の画像Aが現実パノラマであり、右側の画像Bが仮想パノラマである。このうち、画像Bと画像Aとは、完全に対応している。例えば、画像Aはある観察点で内装前の部屋を撮影した全景パノラマであり、画像Bは、画像Aと同じ観察点で、仮想的に内装された後の部屋を示す全景パノラマである。
同時に表示される画像について、いずれかへの操作指示を検出すると、同時に表示されているすべての画像が、操作指示に応じて、同時に同じ動作をする。
【0035】
例えば、画像Aと画像Bとが同時に表示されている場合、情報処理部21は、画像Aに対する拡大または縮小の指示を受けると、画像Aを拡大または縮小する指示を送ると同時に、画像Bに対しても同じ倍率で拡大または縮小するように指示を送る。それにより、同時に表示されている画像Aと画像Bとが、同時に拡大または縮小する。
【0036】
例えばズーム操作を例として説明する。情報処理部21は、画像Aに対する拡大の指示を受け取ると、ズーム操作を受けた位置の位置情報と拡大倍率情報とを取得する。また、情報処理部21は、当該位置情報と拡大倍率情報とに基づいて、画像Bに対して、当該位置情報に対応する位置を中心として、同じ拡大倍率で拡大することを指示する。そして、画像Aと画像Bとは、同じ位置を中心として、同時に同じ拡大率で拡大する。
【0037】
同様に、画像Aと画像Bとが同時に表示されている場合、画像Aが切り替え指示を受けると、画像Bも切り替え動作を行う。即ち、情報処理部21で得られた画像Aの切り替え後の画像の位置情報、観察角度情報、時間情報等に基づいて、同じ情報を有する画像Bの切り替え後の画像を表示することにより、画像Aと画像Bとが同時に切り替えられる。
【0038】
図4に示すように、画像Aと画像Bとが全観察角度パノラマの場合、左右360°と上下180°との範囲内で2つの画像に対して、その観察角度を同時に回転することができ、2つの画像を同時に変更することができる。画像Aと画像Bとが両方とも全観察角度パノラマであるため、観察角度の回転の操作は、たとえば、マウスのドラッグや画面のスライドなどで行うことができる。例えば、情報処理部21は、操作指示が画像Aに対する観察角度を変更する指示であると判断すると、変更用の観察角度情報を取得する。情報処理部21は、画像Bにもそれに応じて同様に観察角度を変化するように指示する。これにより、画像Aと画像Bとを同期して同じ観察角度で回転させることができる。
【0039】
同時に表示する画像の種類は一致している。例えば、画像Aが2次元画像である場合、画像Aと同時に表示される他の画像Bも2次元画像である。画像Aが全観察角度パノラマである場合、画像Aと同時に表示される他の画像Bも全観察角度パノラマである。画像に対して実行できる操作は、画像の種類に応じて事前に選択および設定可能である。2次元画像の場合、観察角度を回転させることは、その観察角度の画像に切り替わることである。
【0040】
(実施例2:不動産の現実画像同士の比較)
同時に表示する画像が、すべて現実パノラマ画像、又は現実写真である場合について説明する。時間の経過に従って、同じ空間で撮影された複数の現実の画像が表示されてもよい。例えば、画像Aは、内装工事が開始されていない時期に撮影された最初のパノラマであり、画像Bは、一定期間後に撮影された中期のパノラマである。内装工事が終わった後に撮影したパノラマ写真として画像Cなど複数の現実の画像が表示されてもよい。このとき、各画像は、同じ位置情報と観察角度情報を有するだけでなく、各自の時間情報を有する。時間情報は、各画像が撮影された日時を示す。これにより、情報処理部21は、同時に表示可能な画像に関する情報を取得することができる。
【0041】
(実施例3:不動産の仮想画像同士の比較)
同時に表示される画像は、すべて仮想パノラマまたは描画された仮想写真であってもよい。
例えば、画像Aは、実際の不動産の構造に合わせて描かれた和風に内装した仮想パノラマであり、画像Bは、ヨーロッパ風に内装した仮想パノラマや、その他のスタイルの画像である。各仮想パノラマは、同じ位置情報、観察角度情報を有すると共に、和風、ヨーロッパ風などの各自のスタイル情報を有する。
【0042】
次に、画像内での移動について説明する。同時に表示されている現実パノラマと仮想パノラマとは、表示されているパノラマの観察点とは異なる他の観察点を含む。観察点は複数でもよい。
図3及び
図4において、P1−P3は、複数の他の観察点を示している。例えば、表示されている画像の任意の箇所P0をクリックしてトリガー操作を行うと、情報処理部21は、トリガー操作を発生させた信号を受信し、トリガー操作の発生した箇所P0の位置情報を取得する。そして、情報処理部21は、このトリガー操作を発生した箇所P0の位置情報に最も近い観察点P2の位置情報を取得する。情報処理部21は、観察点P2の位置情報に基づいて、画像記憶部12から観察点P2の位置情報に対応する画像を取得し、表示部22に観察点P2に対応する画像を表示するよう指示する。これにより、表示部22における表示画面において、ある観察点から別の観察点への移動が完了する。
【0043】
なお、トリガー操作がいずれかの観察点で発生した場合、最も近い観察点はトリガー操作された観察点自身である。例えば、観察点P1においてトリガー操作が発生した場合、最も近い観察点は、観察点P1である。
【0044】
切り替え後に表示される画像は、切り替え前に表示される画像と同じ観察角度情報を有してもよい。これにより、ある観察点から別の観察点に直進する感覚をユーザに与えることができ、臨場感を向上させることができる。このとき、情報処理部21は、トリガー操作が発生した旨の信号を受信すると、トリガー操作に最も近い観察点(以下、「最接近観察点」と呼ぶ)の位置情報だけでなく、現在表示中の画像の観察角度情報も取得する。情報処理部21が表示部22に最接近観察点の画像を表示するようと指示する際に、表示しようとする画像は、最接近観察点の位置情報と、現在表示されている画像の観察角度情報とを有する。すなわち、切り替え前後の画像が同じ観察角度情報を有する。
【0045】
切り替えの直後に表示される画像の観察角度は、予め設定された初期観察角度であってもよい。例えば、
図3に示すように、この部屋に対して、所定の初期観察角度はカメラ(目のある場所)からZ軸と平行で正の方向に延伸する方向に設定してもよい。ここでいう観察角度とは、目から見る方向である。観察角度は、表示部22における画像の表示角度である。
【0046】
次に、不動産の空間を例として、現実パノラマ画像と仮想パノラマ画像を作成する方法について説明する。まず、物件の間取り図に基づいて、事前に内部で複数の観察点を選択する。各観察点の位置情報を表現するため、
図3に示す座標系XYZのような3次元座標系を設定する。各観察点は、間取り図の3次元座標系である位置情報座標系XYZにおいて、各自の座標データを有する。各自の座標データが各観察点の位置情報を構成する。位置情報座標系XYZの原点は、任意に設定可能である。
【0047】
物件の内部において、事前に選択した各観察点において、一程度高さHにカメラを立たせて、3次元のパノラマ画像が撮影され、撮影したパノラマ画像を球形パノラマ画像に結合し、各観察点に対応する現実パノラマ画像として画像記憶部12に記憶しておく。各観察点の現実パノラマ画像には、各観察点の位置情報が付されている。同様に、各観察点で2次元画像を撮影すると、画像記憶部12に記憶される各2次元画像は、それぞれ観察点の位置情報に対応し、それぞれ観察点の位置情報が付されている。上述のように、各観察点の位置情報を示すために、位置情報座標系XYZを使用する。各観察点で撮影した現実パノラマ画像には、その位置情報が付されている。
【0048】
仮想パノラマ画像は、現実パノラマ画像を基礎として、作成される。仮想パノラマ画像と現実パノラマ画像とは、同じ物件の内部空間の画像であるため、完全対応させる必要がある。そのため、仮想パノラマ画像と現実パノラマ画像とに、同じ位置情報を持たせることで、位置情報を統合させ、同じ観察点の画像として互いに関連付けられる。
【0049】
また、同じ観察点であっても、観察角度に応じて見える風景が異なる。そのため、当該物件の内部空間のシミュレーション画像である仮想パノラマ画像の各部分を現実パノラマ画像の各部分と対応させるために、同じ観察角度で各部分を示すことが必要となる。そのため、仮想パノラマ画像と現実パノラマ画像とに、同じ観察角度情報を持たせることで、観察角度情報を統合させ、同じ観察点における同じ観察角度の画像として互いに関連付けられる。観察角度情報は、各観察点を原点とする観察角度座標系で表現される。
【0050】
以上のように、位置情報と観察角度情報とが決定されることで、同時に表示される一対の画像が生成される。各観察点で生成又は合成された現実パノラマ画像は、左右360°および上下180°の全観察角度範囲内において、観察角度情報を指示すれば、表示する部分を確定することができる。画像記憶部12には、各観察点の位置情報、各観察点のパノラマ画像、位置情報とパノラマ画像との対応関係、パノラマ画像の初期観察角度情報などが記憶される。
(他の実施形態)
上記の実施形態では2つの画像が同時に表示されている。しかし、同時に表示される画像は2つに限らず、3つ以上であってもよい。或いは、同じ空間に対応する画像が3つ以上ある場合には、優先度を付けて表示することも可能である。
【0051】
2つの画像を並んで表示する場合、表示部22の表示画面のサイズや様式等により、各画像の全体を表示できない場合がある。この問題を解決するために、以下の処理が行われてもよい。まず、
図5に示すように、各画像A,Bの全体を左右に4等分する。すなわち、画像Aを左右にA1〜A4の部分に分けて、中央部にある2つの部分A2,A3だけを表示部分として取得する。同様に、画像Bを左右にB1〜B4の部分に分けて、中央部にある2つの部分B2,B3だけを表示部分として取得する。そして、画像Aの表示部分A2,A3から生成された画像A’と、画像Bの表示部分B2,B3から生成された画像B’とを左右に並べて対比表示する。
【0052】
このように、画像Aと画像Bとが処理されることで、画像A’と画像B’とをフルスクリーンで同時に表示できる。なお、上記の例では、画像が左右に並べられる場合について説明したが、画像が上下に並べられる場合には、各画像を上下に4等分し、中央の2つの部分を表示部分としてもよい。なお、分割数は4つに限らない。分割数は4つより少なくてもよく、或いは4つより多くてもよい。
【0053】
上記の実施形態では、パノラマ画像は、前後左右の360度と上下の180度である。しかし、パノラマ画像の表示範囲は、これらの範囲より小さくてもよい。
【0054】
上記実施形態では、不動産の空間を例として対象空間に対して説明したが、対象空間はこれに限定されない。百貨店の販売空間、自動車の車体空間、工場、天然洞窟、動物の体内空間、公園などの人工や自然に形成された空間などであってもよい。
【0055】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またそのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0056】
11,21 情報処理部
22 表示部
23 操作部
【要約】 (修正有)
【課題】同じ空間の異なる状態での画像を対比しながらユーザに提示することで、ユーザへの臨場感と対比による視覚上のインパクトを向上できる画像表示方法、画像表示システム及び画像表示プログラムを提供する。
【解決手段】空間の画像を表示するためにコンピュータによって実行される画像表示方法であって、対比表示指示を受け取ると、空間の画像を2つ以上同時に表示し、同時に表示される空間の画像A、画像Bが、同じ空間内にある同一観察点P
1(P
2)から同一観察角度で見た画像であり、空間の画像を2つ以上同時に表示する場合に、いずれかの画像に対する操作指示が検出されると、同時に表示されているすべての画像が操作指示に応答して同じく動作する。
【選択図】
図4