(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6784967
(24)【登録日】2020年10月28日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】LEDバックライト駆動回路及びその駆動方法、並びに液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/10 20200101AFI20201109BHJP
H05B 45/32 20200101ALI20201109BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20201109BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20201109BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20201109BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20201109BHJP
【FI】
H05B45/10
H05B45/32
H05B45/345
H05B47/155
G02F1/13357
F21S2/00 430
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-116803(P2015-116803)
(22)【出願日】2015年6月9日
(65)【公開番号】特開2017-4728(P2017-4728A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】519380923
【氏名又は名称】天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(72)【発明者】
【氏名】見尾 世津子
【審査官】
野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−122846(JP,A)
【文献】
特開2013−233033(JP,A)
【文献】
特表2009−541988(JP,A)
【文献】
特開2008−262966(JP,A)
【文献】
特開2006−261682(JP,A)
【文献】
特表2013−516741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00、47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の直列接続されたLED列を複数並列接続したLED回路と、前記並列数と同数の定電流回路が接続されたLED制御回路とを有し、前記LED制御回路は、前記LED列の駆動電流をON/OFF制御する回路と、調光信号に応じて前記駆動電流の電流値を任意に設定できる制御信号を出力する調光判定回路とを備えたLEDバックライト駆動回路であって、
前記LED制御回路は、前記LED列について、前記駆動電流をON/OFF制御せずに前記電流値を可変に制御して調光する第一の駆動と、前記駆動電流をON期間及びOFF期間を一定にしてON/OFF制御すると共に前記電流値を可変に制御して調光する第二の駆動とを実行することを特徴とするLEDバックライト駆動回路。
【請求項2】
前記LED制御回路は、前記駆動電流のON/OFF時間を制御する信号を出力するシーケンス制御回路を備えることを特徴とする請求項1に記載のLEDバックライト駆動回路。
【請求項3】
前記調光信号のデューティ比が所定値より大きい場合に前記第一の駆動を行い、前記デューティ比が所定値以下である場合に前記第二の駆動を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のLEDバックライト駆動回路。
【請求項4】
前記第二の駆動では、前記駆動電流のON期間を前記LED列の並列数分の1とし、かつ並列された前記LED列を同時点灯せず、順次に駆動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のLEDバックライト駆動回路。
【請求項5】
前記第二の駆動では、前記駆動電流を前記第一の駆動で調光する場合と同一輝度時の電流値に対して、並列数倍の電流値で駆動することを特徴とする請求項4に記載のLEDバックライト駆動回路。
【請求項6】
前記第二の駆動は、一の前記定電流回路から駆動電流が前記LED回路に順次供給されることにより行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載のLEDバックライト駆動回路。
【請求項7】
前記第二の駆動は、前記定電流回路すべての出力を重畳した駆動電流を前記LED回路に順次供給することにより行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載のLEDバックライト駆動回路。
【請求項8】
前記LED列は全体としてOFF期間を設けないことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一に記載のLEDバックライト駆動回路。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一に記載のLEDバックライト駆動回路とバックライトユニットを搭載したことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
直列接続されたLED列を複数並列接続したLED回路を駆動するLEDバックライト駆動回路に、
該LEDバックライト駆動回路に入力される調光信号のデューティ比を取得し、
該デューティ比が閾値以下であるか否かを判断し、
前記デューティ比が前記閾値以下でないと判断した場合、前記デューティ比に基づいて設定された電流値の駆動電流を前記LED列に連続的に供給し、
前記デューティ比が前記閾値以下であると判断した場合、前記駆動電流を前記LED列の並列数に基づく電流値に制御して、前記LED列に時分割で順次供給する処理を実行させることを特徴とするLEDバックライト駆動回路の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDバックライト駆動回路
及びその駆動方法、並びに液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDバックライトを使用した液晶表示装置において、LEDの明るさを制御する方式としては、大きく分けてパルス電流調光方式と定電流調光方式の2種類の方法がある。パルス電流調光方式(以降、PWM調光)はLEDに流す電流値は一定で、電流のON/OFFの時間比率、いわゆるデューティ比を変化させることで見た目の明るさを制御するものである。定電流方式(以降、定電流調光)はLEDに流す電流値を変化させることで、見た目の明るさを制御する方法である。
【0003】
PWM調光はON時間のスイッチング制御が主なため、精度のよい調整が可能であり、ON時のLED電流が一定である。また、PWM調光は、点灯時のLEDの特性に変化がないため、色度等の制御がしやすく、現在の調光方式として、広く用いられている方法である。しかし、PWM調光では駆動電流の立上り/立下り時間によって調光比が制限され、十分な調光比が得られない場合がある。この課題の解決手段として特許文献1(特開2008−47494号公報)がある。これは、PWMのデューティ比を小さくすると同時に、駆動電流値も小さくし、パルスと電流を同時に制御することで、調光範囲を広げるというものである。
【0004】
また、PWM調光はこの他にも人によっては点滅が感じられるという課題がある。更に、PWM調光は、LEDに流す電流値が大きい(輝度が高い)ほど、ON/OFF時の電流変化が大きいために、電源回路側にリップルが重畳しやすくなる。これにより、PWM調光は、コンデンサやコイル等の回路部材で音鳴りが発生しやすいなどの課題がある。そのため、最近はLEDの点滅やLED電流のON/OFF変化を避けるために、駆動電流のパルス幅変調を行わず、駆動電流のみを増減し、LEDの輝度を制御する定電流調光方式が用いられるものが出てきている。しかし、定電流調光方式では、電圧・電流リップルや音鳴り、視認性は改善されるが、電流をアナログで制御するため、電流誤差がLEDの輝度特性に直接影響する。よって、低輝度側(低電流値)での制御がPWM調光より難しく、輝度ムラが発生しやすいという課題がある。
【0005】
複数並列のLED回路を備えたLEDバックライトを調光する場合は、複数の電流源、すなわち複数の定電流回路を同時に調光することが必要である。定電流調光方式で調光制御する場合、定電流回路の個々のバラつきにより、駆動電流値がバラつき、これが各LED列の輝度のバラつきとなる。したがって、定電流調光方式には、LEDバックライト全体の面内輝度ムラが発生するという課題がある。
【0006】
たとえば、調光100%のときに100mAを駆動する定電流回路AとBの2つでLEDバックライトを駆動する場合、回路毎に誤差があり、調光100%でAは101mA、Bは99mAの駆動電流を流すとすると、回路間の誤差は2mAであり、駆動電流に対して輝度差はおよそ2%である。しかし、調光10%時にAは11mA、Bは9mAとなる場合、同じ2mAの誤差であっても、駆動電流に対する輝度差は20%近くになってしまう。すなわち、定電流回路間の電流のバラつき(誤差)が調光率によらずほぼ一定である場合、低調光時(低電流時)に駆動電流値が下るほど、駆動電流値に対して定電流回路間の駆動電流値の電流差の比率が上がり、電流差が輝度差として特に顕著に見えやすく、輝度ムラになる。バックライト全体の面内輝度設計によるが、隣接LEDの電流値の誤差が10%程度でもムラとして視認される場合があるため、2mAの誤差を持つ定電流回路は20%未満の低調光は使用できないことになる。
【0007】
これらの課題の解決手段の一つとして、特許文献2(特許第5030623号公報)がある。これは電流源とLEDをスイッチで交互に切替えて、時分割駆動することで輝度のバラつきを平均化するというものと、電流源1つに対して複数のLEDを時分割駆動することで電流源のバラつきを無くすというものである。
【0008】
しかし、前者では、並列数が2の場合は交互にするだけで良いが、並列数が増えるにしたがって、制御や交互駆動の組み合わせが複雑化することで、回路構成が大規模になる可能性がある。また、後者では、並列接続の各LEDに対する電流のON時間は必ず並列数分の1となり、バックライトの最大輝度はLEDが常時ONしている輝度に対して常に半分以下になってしまい、LEDの発光効率を十分に活用できない。また、公知例では、時間間隔やパルス幅により調光する方法が前提であり、電流を増減させることによる調光方式の場合の低調光時の課題や解決方法には触れてられていない。
【0009】
また、定電流調光における低輝度調光時の明るさばらつきを解決する手段として、特許文献3(特開2009−123681号公報)がある。これは低輝度時にLEDに流れる電流をパルス状にし、パルス波形の平均値(すなわちデューティ比または周波数)を変化させることにより、調光するというものである。この公知例は、LEDの調光−輝度特性の直線性、再現性を確保するためには有効な方法である。しかし、デューティ比や周波数で調光する方法は従来のPWM調光と同じ方式であり、ノイズや音鳴り、ちらつきやさざなみといった従来の課題が残る。また、パルス平均値で調光する場合のLED電流値(ピーク値)は一定であるため、複数並列のLEDを複数の定電回路で駆動する場合における低輝度時の電流のバラつきは改善されないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−47494号公報
【特許文献2】特許第5030623号公報
【特許文献3】特開2009−123681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の通り、特許文献2に記載の発明は、回路構成が大規模になる可能性があるという課題、LEDの発光効率を十分に活用できないという課題がある。また、特許文献3に記載の発明は、ノイズや音鳴り、ちらつきやさざなみという課題、低輝度時の電流のバラつきは改善されないという課題がある。
【0012】
本発明は、上記課題を背景として、LED数や駆動電流の最大値を増やすことなく、既存のバックライトの発光効率を生かしつつ、低調光時の面内輝度ムラを抑制することを可能とするLEDバックライト駆動回路
及びその駆動方法、並びに液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
LEDの電流制御を、面内輝度のバラつきに影響を与える低輝度(低電流)駆動時に各定電流回路をスイッチング制御することで、LEDの駆動電流をON/OFF制御し、LEDをシーケンス駆動する方法に切り替える。シーケンス駆動時の各系統(並列)の電流ON時間(パルス幅)は系統数(並列数)分の1とし、電流値は所望の輝度に必要な電流値の系統数(並列数)倍とする。また、LED回路全体として全OFF期間(消灯期間)を設けないよう制御を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、LED数や駆動電流の最大値を増やすことなく、かつ既存のバックライトの発光効率を生かしつつ、低調光時の面内輝度ムラを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態1のLEDバックライト駆動回路の構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1の液晶表示装置の説明図である。
【
図3】実施の形態1のLED制御回路とLED回路の詳細図である。
【
図4】LEDバックライト6とLED回路7の説明図である。
【
図5】調光判定回路10の動作フローチャートである。
【
図7】実施の形態1のタイミングチャート(1/2)である。
【
図8】実施の形態1のタイミングチャート(2/2)である。
【
図9】実施の形態1の時間とLED電流/調光率の関係図である。
【
図10】実施の形態1の調光率と駆動電流の関係図である。
【
図11】実施の形態1の調光率と電流誤差の関係図である。
【
図12】実施の形態2のLEDバックライト駆動回路の構成を示す図である。
【
図13】実施の形態2の定電流回路11の詳細図である。
【
図14】実施の形態2のタイミングチャート(1/2)である。
【
図15】実施の形態2のタイミングチャート(2/2)である。
【
図16】実施の形態2の時間とLED電流/調光率の関係図である。
【
図17】実施の形態2の調光率と駆動電流の関係図である。
【
図18】実施の形態2の調光率と電流誤差の関係図である。
【
図19】実施の形態3のLEDバックライト駆動回路のスイッチの内部構成と定電流回路の関係を示した図である。
【
図20】実施の形態3の調光判定回路10の動作フローチャートである。
【
図21】実施の形態3のタイミングチャート(1/2)である。
【
図22】実施の形態3のタイミングチャート(2/2)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
<実施の形態1の構成>
図1は実施の形態1のLEDバックライト駆動回路の構成を示す図である。LED制御回路4により生成された電圧と電流により、LED回路7の各LED70を調光する。LED制御回路4は、定電流回路11に加え、調光判定回路10とシーケンス制御回路12、アノード電圧生成回路14を備える。アノード電圧生成回路14でLEDのアノード側に電圧を印加し、定電流回路11により各LED列のカソード側から電流を流すことでLED70を点灯させる。また、電流値を可変することで各LED列の輝度を制御する。また、調光判定回路10によりシーケンス制御を実施するか否かを決定し、かつ、LED駆動電流値を決定する。さらに、シーケンス制御を実施する場合は、シーケンス制御回路12により各定電流回路のON/OFF制御を行い、LED駆動電流をON/OFF制御することで、LED回路7全体の調光を行う。
【0017】
図2は実施の形態1の液晶表示装置全体の構成を示す図である。液晶表示装置1はLCDパネル5とLEDバックライト6、制御回路2で構成されている。LEDバックライト6の中にLED回路7が搭載されている。制御回路2はLCD制御回路3とLED制御回路4で構成されている。LCD制御回路3は表示信号8に基づき、LCDパネル5に信号や電圧などを送り、LCDの表示を制御する。LED制御回路4は調光信号9に基づき、LEDバックライト6を調光するための駆動信号および電圧などをLED回路7に与えている。LED制御回路4は、例えば、CPU(不図示)が記憶媒体(不図示)に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより後述の動作を行う。
【0018】
なお、液晶表示装置1においては、LED制御回路4及びLED回路7により、前記LEDバックライト駆動回路をなす。また、LEDバックライト6は、LED回路7の他に、LED70からの光を面光源に変換する導光板が収容されるバックライトシャーシ、導光板の背面、前面に設けられLED70からの光を有効に活用するための反射シートやプリズムシート等からなるバックライトユニット13(詳細不図示)を備える。
【0019】
図3はLED制御回路4の内部構成とLED回路7との接続関係を示す図である。LED制御回路4は調光判定回路10と定電流回路11、シーケンス制御回路12、アノード電圧生成回路14で構成されている。LED回路7は1個以上のLED70が直列接続されたLED群7a−1から7a−nが2列以上並列接続された状態で構成されている。アノード電圧生成回路14はLED回路7のLED群のアノード側に電圧を印加し、並列接続されたLED70のカソード側が定電流回路11に接続され、定電流回路11が電流を流すことによりLED70を点灯させる。調光判定回路10とシーケンス制御回路12は、調光信号9から入力された調光率に基づき、定電流回路11を駆動させるための制御信号を生成する。ここで、調光率は、調光信号9のデューティ比である。
【0020】
図4はLEDバックライト6におけるLED70の配列を示す図である。LED回路7はLEDバックライト6の片端または両端に1列に配置され、LED群7a−1から7a−nはブロック単位でまとめて端から順に配置される。これらLED群が個々に駆動されることにより、LEDバックライト6の面内全体が発光する。
【0021】
<実施の形態1の動作の説明>
図1には、LED回路7の構成が3並列数を例とした場合の構成を示してある。定電流回路11は並列数に応じて3ch分の定電流回路11a/11b/11cを備える。調光判定回路10は外部からの調光信号9にもとづいてシーケンス制御の実施有無を決定する。調光判定回路10は、電流制御信号10aを生成し、電流制御信号10aが定電流回路11の各回路に入力される。また、さらに調光判定回路10はOn/Off制御信号10b、同期信号10cを生成し、これらの信号はシーケンス制御回路12に入力される。シーケンス制御回路12はOn/Off制御信号10bと同期信号10cをもとに、各LED列用のスイッチング信号12a/12b/12cを生成する。これらの信号は定電流回路11の各LED列ごとの定電流回路11a/11b/11cに入力される。
【0022】
ここで調光判定回路10の動作フローを
図5、定電流回路11aの詳細を
図6に示す。調光判定回路10では、外部からの調光信号9の調光率Xの情報Yがある一定の調光率か否かを判定する。判定の閾値となる調光率は調光判定回路10の内部で保持しておく一定値である。ここではこの閾値を例として20%とする。
図5に示すように、調光判定回路10には、調光信号9が入力される(S1)。即ち、調光判定回路10は、調光信号9を取得する。調光判定回路10は取得した調光信号9から調光率X%を算出する。その後、調光判定回路10は、調光率XがY[%](ここでは20%)以下であるか否かを判定する(S2)。調光判定回路10が、調光率XがY以下でないと判定した場合(S2:NO)、調光率Xと電流制御信号10aは入力された調光率Xと同じ比率の電流値を設定する(S3)。同時にOn/Off制御信号10bをOFFにして(S4)シーケンス駆動は行わず、LED駆動電流は常時ONとする。即ち、調光率に基づいて設定された電流値の駆動電流が各LED列に供給される。これを第一の駆動方式とする。
【0023】
調光判定回路10が、調光率XがY[%](ここでは20%)以下であると判定した場合(S2:YES)、送る電流制御信号10aの調光率はch数倍(ここでは3chであるので3倍)され(S5)、定電流回路11に送られる。同時にOn/Off制御信号10bをONにし(S6)、シーケンス制御回路12に送る。On/Off制御信号10bがONである場合、調光率Xに基づいて設定された電流値がLED列の並列数に基づく電流値に制御され、各LED列に順次供給される。これを第二の駆動方式とする。すなわち、調光率に応じて、第一の駆動方式と第二の駆動方式を切り替えて制御を行う。
【0024】
定電流回路11a/11b/11cは同一回路であるが、代表で
図6に定電流回路11aおよびスイッチ15aの関係を示す。定電流回路11aは、FET110、演算増幅器111及び電流設定抵抗Raを有する。FET110のドレインは、LED70のカソード側に接続され、ソースは、電流設定抵抗Raに接続されている。FET110のゲートには、演算増幅器111の出力が接続されている。演算増幅器111の非反転入力端子は、スイッチ15aに接続されており、反転入力端子は、FET110のソース及び電流設定抵抗Raの接続点に接続されている。スイッチ15aは、定電流回路11aの演算増幅器111の非反転入力端子に対して、電流制御信号10aのON/OFF機能をもつ。電流制御信号10aがONのとき、調光判定回路10及び非反転入力端子が接続され、電流制御信号10aがOFFのとき、非反転入力端子は接地される。定電流回路11b及びスイッチ15b、定電流回路11c及びスイッチ15cも同様の関係を有する。
【0025】
定電流回路11aの動作としては電流制御信号10aが入力されると、電流設定抵抗Raにも同じ電圧レベルが発生する。よって、LED駆動電流であるch1電流7b−1は次式であらわされる。
7b−1[A] = 10a[V] / Ra[Ω]
ここでRaの抵抗値は一定であるため、電流7b−1は電流制御信号10aの値により、任意に可変することができる。また、電流のON/OFF は定電流回路11a内のシーケンス制御回路12からのスイッチング信号12aにより定電流回路11aの前段のスイッチ15aの接続を切り替えることで制御する。
【0026】
さらに、LED制御回路4全体の動作のタイミングチャートを
図7と
図8に示す。まず、調光信号9が100%未満で調光されると、調光信号9の周期を元に並列数分の1のON期間を持つ同期信号10cを生成する。また、調光率に応じた判定結果によりOn/Off制御信号10bを生成する。調光信号9が判定回路10の判定閾値(20%)になると、On/Off制御信号10bはONになる。この2つの信号をもとにシーケンス制御回路12内では、定電流回路11がシーケンス駆動をするためのスイッチング信号12a/12b/12cが生成される。また、調光判定回路10にて並列数倍の電流値で駆動するための電流制御信号10aを生成し、定電流回路11へ入力する。
【0027】
電流制御信号10aがスイッチ15を介して定電流回路11a/11b/11cに入力されることにより7b−1/7b−2/7b−3の電流値は並列数倍で駆動される。スイッチング信号12a/12b/12cがスイッチ15a/15b/15cに入力されることによりON期間が調整され、並列数分の1で駆動される。面内輝度としては、外部から入力された調光信号9と同一の調光率に応じた輝度になるよう制御する。ON期間とOFF期間はそれぞれ一定である。
【0028】
なお、調光信号9がパルス信号ではなくアナログ電圧等であった場合などには、入力される信号に基づき、パルスによる基準信号を生成する回路を前段に設けてもよい。また、ここではスイッチ15を用いて電流のON/OFFを切り替える例を説明したが、電流値自身を0とすることでON/OFFを切り替えても構わない。
【0029】
なお、
図1ではスイッチング信号は12a/12b/12cの順に生成されているため、
図4との関係を考慮すると、表示の端から順次駆動していることになるが、ON/OFFの順番に制約は無く、時間平均で面内LEDを均一に駆動できるよう制御すればよい。
【0030】
また、
図9に時間軸でみた駆動方式と調光LED電流、輝度の関係を示してある。
図9において、横軸は時間であり、縦軸は、LED電流の値及び調光率である。
図9においては、時間の経過とともに調光率を三回変更し、変更の度に調光率を低下させている。初めは、調光率は100%で駆動し、二度の変更により調光率をY%としている。その後三度目の変更により調光率をY%よりも小さくしている。また、初めは定電流駆動を行い、調光率の二度目の変更の後、即ち調光率がY%であるときにシーケンス駆動を開始している。このとき、図示のように、7b−1/7b−2/7b−3電流の値には、ch間誤差が存在している。
【0031】
LEDバックライト駆動回路は、調光率の変化に応じて、電流値を変化させている。定電流駆動回路を行っている場合において、調光率が100%であるとき、7b−1/7b−2/7b−3電流は夫々設定Max電流の値である。その後調光率の低下に伴い、電流値を小さくしている。
【0032】
調光率を二度の変更によりY%以下とし、シーケンス駆動を開始した場合、7b−1/7b−2/7b−3電流を順次各LED列に供給していく。このとき、7b−1/7b−2/7b−3電流の値は、設定Max電流に調光率及びch数(図では3倍)を乗じた値になるように設定されている。
【0033】
以上の如く、調光率Y%以下の領域では、電流値は
図9にあるようにch数倍(ここでは3倍)しながら調光し、ON期間はch数分の1(ここでは1/3周期)で順次駆動することで所望の調光を行うことができる。
【0034】
<実施の形態1の効果の説明>
実施の形態1の構成による、調光率とLED駆動電流の関係を
図10、調光率とLED駆動電流の誤差の関係を
図11に示す。調光率Y%以下で実施の形態1のシーケンス駆動を実施した場合を実線で、シーケンス駆動を実施せず、定電流調光のみで駆動した場合を点線で表す。Y%以下の低調光時に実施の形態1のシーケンス駆動を実施した場合は、実施しない場合に比べて理想値に対する電流誤差が相対的に小さくなっている。すなわち、定電流回路間の誤差も小さくなり、面内の輝度差を抑制することができる。
【0035】
また実施の形態1では、LED回路の並列数が多くなっても、順次駆動するだけで良いので、制御が単純である。また低調光側のみ順次駆動するため、LED回路の並列数が増えても輝度が下がることが無く、既存の輝度設計を維持しつつ、電流差による面内輝度差を抑制することができる。
【0036】
さらに、時間軸で見た回路全体の電力変化はPWMの様に電力のON/OFFを繰り返すものではなく、常に一定であるため、ノイズや音鳴りが発生しにくい。またバックライトとしては、PWMの様に点灯/消灯を繰り返すものではなく、常にどこかのLEDが点灯状態であるため、ちらつきやさざなみが発生しにくい。
【0037】
(実施の形態2)
<実施の形態2の構成>
図12は実施の形態2のLEDバックライト駆動回路の構成を示す図である。
図1との相違点はシーケンス制御回路を設けず、定電流回路11の前段のスイッチ15を無くし、後段にスイッチ16を設ける構成とする点である。そして、調光判定回路10からのOn/Off制御信号10bと同期信号10cをスイッチ16に入力する構成とする。定電流回路の後段に設けたスイッチ16では、定電流回路11aから11cとLED回路7との接続を切り替えるスイッチとして動作させる。
【0038】
定電流回路11の詳細を
図13に示す。定電流回路11aは、実施の形態1と同様にFET110及び演算増幅器111を有し、定電流回路11b/11cは定電流回路11aと同様の構造である。定電流回路11b/11cにおいて、夫々が有するFET及び演算増幅器は、FET110及び演算増幅器111と同様の構成であるので、符号は省略している。定電流回路11a/11b/11cの動作は実施例1と同様のため省略する。定電流回路11a/11b/11cの後段には、スイッチ16を介してch1/2/3電流である7b−1/7b−2/7b−3と接続され、スイッチ16は定電流回路11a/11b/11cの出力がスイッチである16a/16b/16cとそれぞれつながっている。またスイッチ16には、調光判定回路10からのOn/Off制御信号10bと同期信号10cが入力される。スイッチ16の中の16aは定電流回路11aとch1電流7b−1との接続のON/OFF機能を持ち、16bは定電流回路11bとch1/2/3電流7b−1/7b−2/7b−3電流の切り替え機能を持つ。また、16cは定電流回路11cとch3電流7b−3との接続のON/OFF機能を持つ。
【0039】
<実施の形態2の動作の説明>
LED回路全体の動作タイミングを
図14と
図15に示す。シーケンス駆動を開始するタイミングは実施例1と同様であるが、On/Off制御信号10bにより、スイッチ16の16a、16cの経路をOFF(遮断)する。同時に16bの順次スイッチングを開始する。定電流回路11bのみでLED回路7の各chのLED列と順次接続することで、一つの定電流回路を使った電流のシーケンス駆動を行う。定電流動作時はスイッチ16bはシーケンス駆動を行わず、2ch(7b−2)と常時接続する状態とする。
【0040】
また、実施例1と同様に、
図16に横軸を時間として駆動方式と調光LED電流の関係を示してある。調光率がY%以下の領域では、
図16にあるようにch数倍(ここでは3倍)しながら調光しつつ、定電流回路11bのみを使用するため、駆動電流値の誤差は無く、同一電流をch数分の1(ここでは1/3周期)で順次駆動する。
【0041】
<実施の形態2の効果の説明>
実施の形態2では、一つの定電流回路で駆動するために、低電流(低調光)時の誤差を抑制した上で定電流回路間の電流ばらつきを無くすことができる。実施の形態2による、調光率と駆動電流の関係を
図17、調光率と駆動電流の誤差の関係を
図18に示す。調光率Y%以下で本発明のシーケンス駆動を実施した場合を実線で、シーケンス駆動を実施せず、定電流調光のみで駆動した場合を点線で表す。Y%以下の低調光時に一つの定電流回路を使うことで、定電流回路間の誤差は無くなり、面内の輝度差が生じにくくすることができる。またシーケンス駆動を実施することで、実施の形態1と同様に、低調光時の誤差の拡大を抑制することができる。
【0042】
なお、実施の形態2において、スイッチ16bでなく、スイッチ16a又はスイッチ16cのスイッチングによりシーケンス駆動を行ってもよい。また、スイッチ16a、16b、16cの内の二つ又は全てスイッチ夫々をスイッチングすることにより、シーケンス駆動を行ってもよい。更に、シーケンス制御回路12を用いて、シーケンス駆動におけるスイッチングを制御してもよい。その他、定電流回路11a/11b/11cの内、一の定電流回路からLED列の並列数倍の駆動電流をLED回路7に順次供給することができれば、いかなる構成によりシーケンス駆動を行ってもよい。
【0043】
(実施の形態3)
<実施の形態3の構成>
実施の形態3のLEDバックライト駆動回路の構成は、実施の形態2(
図12)と同様であるが、LED制御回路4のスイッチ16の内部構成を変更した構成としている。
図19はこの実施例のスイッチ16の内部構成と定電流回路11の関係を示した図である。
図13のスイッチ16aと16cの代わりに、スイッチ17aと17cを設ける。スイッチ17aはch1電流7b−1とch2電流7b−2との接続を切り替えるスイッチとしている。スイッチ17cはch2電流7b−2とch3電流7b−3との接続を切り替えるスイッチとしている。なお、定電流回路11b/11cにおいて、夫々が有するFET及び演算増幅器は、FET110及び演算増幅器111と同様の構成であるので、符号は省略している。
【0044】
<実施の形態3の動作の説明>
定電流駆動時、スイッチ17aはch1電流7b−1、スイッチ17cはch3電流7b−3と接続され、シーケンス駆動時は、スイッチ17aと17cはともにch2電流7b−2と接続されるように動作する。
【0045】
これにより、シーケンス駆動時は定電流回路11a/11b/11cの出力が重畳され、電流値が合算され、3倍のLED電流で駆動する。また、この実施の形態3の調光判定回路10の動作を
図20に示す。第一の実施例の
図5のフローチャートとは異なり、調光率に応じて電流制御信号10aを可変することはせず、On/Off制御信号10bの動作の判定のみ行う。
【0046】
調光判定回路10には、調光信号9が入力される(S10)。即ち、調光判定回路10は、調光信号9を取得する。調光判定回路10は取得した調光信号9から調光率X%を算出し(S11)、調光率XがY[%](ここでは20%)以下であるか否かを判定する(S12)。調光判定回路10は、調光率XがY[%](ここでは20%)以下であると判定した場合(S12:YES)、On/Off制御信号10bをONにし(S13)、シーケンス制御回路12に送る。これにより、上述の如くシーケンス駆動が行われる。調光判定回路10は、調光率XがY以下でないと判定した場合(S12:NO)、On/Off制御信号10bをOFFにして(S14)、LED駆動電流は常時ONとして定電流駆動を行う。
【0047】
<実施の形態3の効果の説明>
LED回路全体の動作タイミングを
図21、
図22に示す。実施の形態2のタイミングチャート
図14、
図15に対して、電流制御信号10aの動作のみが異なり、駆動方式の切り替えによらず一定の値となりつつ、実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0048】
なお、スイッチ17aをch1電流7b−1及びch3電流7b−3を切り替えるスイッチとし、スイッチ17cに代えて、ch1電流7b−2及びch2電流7b−3との接続を切り替えるスイッチ17bを設けてもよい。このとき、スイッチ17a及びスイッチ17bをともにch3電流7b−3に接続されるように動作させて、シーケンス駆動を行うことができる。これにより、定電流回路11a/11b/11cの値が合算され、3倍のLED電流で駆動することができる。
【0049】
また、スイッチ17cをch1電流7b−1及びch3電流7b−3を切り替えるスイッチとし、スイッチ17aに代えて、ch1電流7b−2及びch2電流7b−1との接続を切り替えるスイッチ17bを設けてもよい。このとき、スイッチ17b及びスイッチ17cをともにch1電流7b−1に接続されるように動作させて、シーケンス駆動を行うことができる。これにより、定電流回路11a/11b/11cの値が合算され、3倍のLED電流で駆動することができる。
【0050】
その他、スイッチ16は、定電流回路11a/11b/11cすべての出力を重畳した駆動電流をLED回路7に順次供給することが可能であれば、いかなる構成であってもよい。
【0051】
なお、実施の形態1から実施の形態3までにおいて、LED制御回路4は、三つの定電流回路11a/11b/11cを有するが、定電流回路の数はこれに限られず、LED群7a−1、7a−2、・・・7a−nの数に合わせて、二個又は四個以上であってもよい。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1 液晶表示装置
4 LED制御回路
6 LEDバックライト
7 LED回路
7a−1、7a−2、・・・7a−n LED群(LED列)
7b−1、7b−2、7b−3 駆動電流
9 調光信号
10 調光判定回路
10a 電流制御信号(制御信号)
11、11a、11b、11c 定電流回路
12 シーケンス制御回路
70 LED