特許第6784983号(P6784983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6784983
(24)【登録日】2020年10月28日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】獣進入防止設備
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/30 20110101AFI20201109BHJP
   E01C 9/10 20060101ALI20201109BHJP
   E01C 11/22 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   A01M29/30
   E01C9/10
   E01C11/22 A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-105725(P2018-105725)
(22)【出願日】2018年5月31日
(65)【公開番号】特開2018-201503(P2018-201503A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2019年12月25日
(31)【優先権主張番号】特願2017-108862(P2017-108862)
(32)【優先日】2017年5月31日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597024212
【氏名又は名称】株式会社三州コンクリート工業
(74)【代理人】
【識別番号】100139815
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 忠克
(72)【発明者】
【氏名】後藤 和憲
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−223484(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1067734(KR,B1)
【文献】 実開昭50−022953(JP,U)
【文献】 特開2011−160732(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2016−0064460(KR,A)
【文献】 田所裕之、細井栄嗣、岡本智伸、小泉透,ニホンジカに対する改良型テキサスゲートの通行制限効果,山口農試研報,日本,2009年,57,pp.15-21
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 29/30
E01C 9/10
E01C 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝の開口が上側に位置する状態で設置される溝部材と、当該溝部材の上側に設置される複数の棒材とを有する獣進入防止設備であり、
前記溝部材の上側に設置された前記複数の棒材は、間隔を空けて並べて設置されており、
前記溝部材は、その上端部に、前記棒材を保持する複数の凹部と、当該凹部の間に形成された凸部の上面である前記溝部材の上面とを有する保持構造を備えており
前記棒材は、前記凹部の底面に接する状態に設置されており、
前記棒材の上端は、前記溝部材の上端の高さ位置より上側である、獣進入防止設備。
【請求項2】
前記棒材は、円筒形の外周面を有するものであり、
前記凹部に設置された前記棒材の中心の高さ位置は、前記溝部材の上端の高さ位置より下側である、請求項1に記載の獣進入防止設備。
【請求項3】
前記凹部は、前記底面から上方に延びる両側面を備えており、
前記凹部に設置された前記棒材は、一方の前記側面に接触するときに他方の前記側面との間に隙間が生じる状態で、当該両側面の間に設置されている、請求項1又は請求項2に記載の獣進入防止設備。
【請求項4】
前記凹部は、前記底面から上方に延びる両側面を備えており、
前記両側面は、上方に向けて末広がりの傾斜面であり、
前記溝部材は、前記凹部と前記凸部とを有する前記保持構造が一体に形成されたものである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の獣進入防止設備。
【請求項5】
前記溝部材は、当該溝部材の上側に間隔を空けて並べて設置された前記複数の棒材の下側領域に存する溝内空間部を備えるものであり、
前記溝部材が複数用いられており、
当該複数の溝部材は、各溝部材の溝の延在方向が一致する状態で並列配置されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の獣進入防止設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣進入防止設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
山間部(および近年にあっては町部)では、集落への獣の進入が問題になっている。集落及びその近辺に進入した獣が、田畑及び田畑で栽培された収穫前の農作物を荒して、農家及び農業経営に被害を与えている。
獣進入防止手段としては、例えば、グレーチング部材とU字溝部材との取付部を千鳥状に配置した害獣進入防止装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−223484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した害獣進入防止装置は、グレーチング部材30の取付部36をグレーチング部材30の長辺側から見て千鳥状に配置した構成である(図2、段落0013参照)。グレーチング部材30を設置しただけでは必ずしも十分な害獣進入防止効果が得られず、さらなる工夫を施したものと考えられる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、より高い獣進入防止効果が得られ、設置が容易であると共にメインテナンスが容易であるなど運用が容易な獣進入防止設備を提供することを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、溝の開口が上側に位置する状態で設置される溝部材と、当該溝部材の上側に設置される複数の棒材とを有する獣進入防止設備であり、前記溝部材は、その上端部に、前記棒材を保持する複数の保持部を有する保持構造が形成されている、獣進入防止設備である。
【0006】
前記溝部材を複数備えており、当該複数の溝部材は、溝の延在方向が一致する状態で並列に設置されている。
【0007】
また、当該保持部に設置された前記棒材は、その上端部が前記溝部材の上面より上側に位置する状態に設置される。
【0008】
前記棒材は、円弧形状の断面形状を有するものであり、前記溝部材の上面より上側に位置する突出部分の外周面は、曲面である。
【0009】
前記棒材は、前記溝部材の溝の延在方向に対して交差する方向に延びる状態で設置されており、前記溝部材の前記保持構造に形成された前記保持部は、上側に開口する凹部であり、前記棒材は、前記保持部に着脱可能な状態で設置されている。
【0010】
前記獣進入防止設備は、道に設置されるものであり、前記棒部材は、道の往来方向と棒材の延在方向とが交差する状態に設置される。
【0011】
また、本発明は、間隔を空けて並べて設置される複数の棒材と、当該棒材を支持する保持部材と、設置された前記複数の棒材の下側領域に存する空間部とを備えており、前記保持部材は、前記空間部を挟んでその両側に配置されている、獣進入防止設備である。
【0012】
前記各保持部材は、前記棒材を支持する複数の保持部を備えており、前記複数の保持部は、前記保持部材の長手方向に並べて形成されており、前記棒材は、前記保持部に対して着脱可能に設置されるものであり、前記空間部を挟んで対向配置される各保持部材は、一体の部材に構成された構造であり、前記棒材は、前記保持部材の延在方向に対して交差する方向に延びる状態に設置されるものであり、前記保持部は、前記保持部材の上面側に形成された凹部である。
【0013】
前記保持部に設置された前記棒材の上端部は、前記保持部材の上面より上側に位置する。
【0014】
道に設置される前記獣進入防止設備の前記保持部材は、その長手方向が道の往来方向に向く状態に設置されるものであり、前記複数の棒材が設置された設備の上面は、その上を歩行可能であり、当該棒材エリアは、その上を車両通行可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る獣進入設備であれば、高い獣進入防止効果が得られる。また、本発明に係る設備は、設置容易性やメインテナンス容易性に優れており、獣進入防止対策を迅速に行うことができ、しかもメインテナンスによって当初の性能を長期間にわたって維持し、発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る獣進入防止設備を道路に設置した状態を模式的に示す斜視図である。
図2図1に示される獣進入防止装置を山林の道路に設置した状態をイメージするための説明図である。
図3】本発明に係る獣進入防止設備を示す平面図である。
図4図3に示されるA−A面における断面を示す断面図である。
図5図3に示されるB−B面における断面を示す断面図である。
図6】本発明に係る獣進入防止設備を構成する溝部材を示す側面図である。
図7】本発明に係る獣進入防止設備を構成する溝部材を示す正面図である。
図8図6に示される棒材20及びその周辺部分を拡大して示した拡大部分説明図である。
図9図6に示される棒材20及びその周辺部分を拡大して示した拡大部分説明図である。
図10】本発明に係る、テスト場所に設置された獣進入防止設備及びその周囲を示す写真である。
【符号の説明】
【0017】
1…獣進入防止設備(獣進入防止溝)、
1s…棒材エリア(防止設備の上面の中央エリア)、
10…U字形状の溝部材、10a…底部、10b…側部、10c…傾斜面、
11…凹部、12…底面、13…側面、14…凸部、14a…溝部材の上端面(上端)、
15…保持構造(保持部材)、
20…棒材、20a…棒材の中心、20b…棒材20の下端、20p…棒材の上端、
20u…突出部、25…空間部、30…均しコンクリート、
11h…凹部11の深さ(高さ寸法)、11Wm…凹部の中間高さ位置での開口部の幅寸法、
12W…底面の幅、14h…棒材の中心の位置から保持部材の上端までの高さ寸法、
20C…棒部材20の隙間、20D…棒材の直径、
20e…上端面の高さ位置の棒材の外周面の所定の表面位置、20h…突出部の高さ、
20x…接点P1の高さ位置から棒材の中心の高さ位置Hmまでの高さ寸法、
Hm…棒材の中間高さ位置(中心高さ位置)、
a,b,c…補助線、A…遠距離視線、B…中距離視線、C…近距離視線、
D1…溝部材の溝の延在方向(保持構造の長手方向)、
D2…溝の延在方向と交差(直交)する方向、
R…道路面、X…野生の獣(害獣)、W…往来方向、
α1…側面の傾斜角度、
α2…棒材の外周面の所定位20eにおける接線と底面の延長線とのなす角度。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明に係る獣進入防止設備(獣進入防止溝)について説明する。
獣進入防止設備(以下、単に防止設備と称することがある)は、野生の獣X(図2参照)が山から集落に進入することを防止する屋外設備である。
本発明に係る防止設備は、屋外に設置されるものであり、後述の実施例の防止設備1は、複数の棒材20(図6及び図1参照)と、棒材20の端部を支持する保持構造15(図6参照)と、設置された棒材20の下側領域に形成された空間部25とを備えている(図7参照)。
保持構造(保持部材)は、空間部を挟んで配置されており、空間部を挟んで両側に対をなす状態(対向する状態)に配置されている。
後述の実施例では、対向配置された保持構造は、相互に平行に配置されている。また、空間部を挟んで対向配置される保持構造は、一体の部材に形成されている。後述の実施例では、U字形状の溝部材10(図6及び図7参照)の両上端部に、対をなす保持構造(保持部材)が一体に形成されている。
保持部材は、棒材を支持する複数の保持部を備えている。複数の保持部は、保持部材の長手方向に並べて形成されている。後述の実施例の防止設備1における保持構造(保持部材)15は直線状に延びる構造であり、凹部11(図6参照)で構成された保持部は直線状に並んでいる。保持部は等間隔で並べられている。
棒材は、保持部材の延在方向に対して交差する方向に延びる状態に設置される。後述の実施例では、棒材は、保持構造(保持部材)の延在方向に対して直交する方向に配置される。
棒材は、空間部を跨ぐ状態に設置されるものであり、保持部に着脱可能に設置される。複数の棒材は並列に並ぶ状態に設置されており、凹部の間隔に対応する間隔で配置される。
保持部に設置された棒材は、その上端部が保持部材(保持構造)の上面(上端部)よりも上側に位置する状態に設置される。
後述の実施例では、棒材20は、断面円形の部材(丸棒)であり、保持部材の上端面よりも上側に突出した突出部の外周面は、円筒面(断面円弧形状の曲面)である。また、棒材は保持部に設置された状態で回転可能である。断面円形の棒材の場合、任意の回転位置に回転させた状態で保持部に設置可能である。
【0019】
獣進入防止設備は、例えば、山道や林道などの道に設置される。この場合、保持部材は、例えば、保持部材の長手方向が道の往来方向W(図1参照)に向く状態に配置される。このとき、棒材は、道の延在方向Wに対して交差する方向に延びる状態に配置される。後述の実施例では、棒材20は、道の往来方向Wに直交する向きに配置されている。
設置された獣進入防止設備は、その上面に複数の棒材が設置された構成である。複数の棒材が設置された棒材エリア1sは、歩行可能であると共に車両通行可能である。そして、設置された棒材の下側には空間部が配置されており、複数の棒材の隙間から空間部を視認できる。
【0020】
次に、本発明に係る獣進入防止設備の実施例について、詳細に説明する。
【0021】
図1に示されるように、獣進入防止設備は、溝部材10と、溝部材10の上面側に設置された複数の棒材20とを備えている。
本実施例では、溝部材として、断面U字形状の溝部材が用いられている。
図3に示されるように、棒材20は、溝部材10の溝の延在方向D1と交差する方向(本実施形態では直交方向)D2(図3参照)に延びる状態で、溝部材10の上面部に設置されている。
【0022】
溝部材10は、いわゆるコンクリート二次製品であり、図7に示されるように、底部10aと、底部10aの両端部から上方に延びる一対の側部10b,10bとを備えている。
そして、この側部の上端部(溝部材の上端部)に、後述の保持構造(保持部材)15が形成されている。
また、溝部材10は、一対の側部10bの上端部が、上端縁に向けて先細形状になっている。本実施例では、側部10bの溝外側面は、溝部材10の設置面に対して直交する向き(図7における上向き)に延びている。他方、側部10bの溝内側面は、側部10bの上端部に、側部10bの底部側から先端縁に向けて外側に傾斜した傾斜面10cを有する。つまり、溝部材10の側部10bは、正面視(図7参照)の状態で、上端縁側に向けて先細の形状であり、正面視における溝部材10の上端面の幅は、側部10bの幅(厚み)より幅狭である。側部10bの上端部の幅方向D2の厚さは、例えば、100mm以下が好ましい。なお、後述するように、本実施例では複数の溝部材10が並列配置されている。この場合、溝部材10が相互に隣接する位置では、溝部材10の側部10bの厚さは200mm以下が好ましい。なお、本実施例では、側部10bの上端は先細であり、上端部の幅は側部10の基部の幅より幅狭である。
【0023】
そして、本実施例の獣進入防止設備1は、複数の溝部材10を備えている。
複数の溝部材10は、並列に並ぶ状態に設置される。具体的には、各溝部材10の溝の延在方向D1が平行になるように配置されている。
また、複数の溝部材10は、相互に隣接する状態(接する状態)に設置されており、隣接する溝部材10の保持構造15は相互に隣接している(接している)。
さらに、複数の溝部材10は、相互に隣接する保持構造15の後述の凹部11の位置が一致する状態に配置されている。したがって、棒材20を凹部11内に設置するとき、棒材20を複数の溝部材10を跨ぐ状態に容易に設置することができる。
【0024】
図6に示されるように、溝部材10の側部10bの上部には、設置される棒材20を保持する凹部(保持部)11が形成されている。凹部11は複数形成されている。
つまり、溝部材10の各側部10の上端部は、棒材20を保持する複数の凹部11が形成された保持構造(保持部材)15を備えている。なお、保持構造15は、後述するように、獣進入防止設備1を設置する場所の地面の高さ位置(例えば道の路面の高さ位置)に配置されるものであり、その長手方向が往来方向Wに向けて延在する状態に配置されるものである。
【0025】
各凹部11は、防止設備1が設置されたときに、上側に開口する状態になるように溝部材10の保持構造15に形成されており、溝部材10を側面視したときに、その凹形状を視認できる状態に形成されている(図6参照)。
保持構造15の複数の凹部11は等間隔に形成されている。したがって、各凹部11内に棒材20を設置すると、設置された複数の棒材20は、一定の間隔(等間隔)に配置される。
【0026】
各凹部11は、平面の底面12と、底面12から上方に延びる一対の側面13,13を備えている。
各側面13,13は、底面12から上端側に延在する面であり、本実施例では傾斜する面である。つまり、凹部11の幅(方向D1の幅寸法)は、底面12から上端側に向けて末広がりである。
各側面13,13は、溝部材10の幅方向D1と一致する方向に延びており、凹部11に設置された棒材20の延在方向と一致する方向に延びている。
また、保持構造15は、複数の凹部11の間に形成される凸部14を有する。この凸部14は、側面視(図6参照)の状態及び正面視(図7参照)のいずれの場合でも、上方(溝10の側部10bの上端縁側)に向けて先細の形状である。
【0027】
本実施形態では、凹部11の底面12の幅(方向D1の幅寸法)は、棒材20の幅(直径)と同じである。棒材20は、凹部11の底面12に接する状態で設置される。
図6及び図3に示されるように、複数の凹部11内に設置された各棒材20は、延在方向D1と直交する方向D2に延びる状態で、凹部11に設置される。
【0028】
また、上述したように、凹部11の側面13,13は、上側に向けて末広がりに傾斜しており、図8に示されるように、底面12の幅12Wと棒材20の直径20Dが同じであるので、棒材20は両側面13,13との間に隙間を有する状態で凹部11内に設置される。つまり、棒材20の幅が最大である中間高さ位置(中心高さ位置)Hmにおける凹部11の幅寸法11Wmは、棒材20の直径(幅寸法)20Dより長い。
本実施例では、棒材20は断面円形であり、棒材20の外周面は円筒面(断面円弧形状の曲面)である。したがって、凹部11内の棒材20は、底面上を転がり移動可能である。
【0029】
棒材20の直径20Dとしては、種々の検討の結果、例えば、30mm以上が好ましく、100mm以下が好ましい。隣接する棒材相互間の隙間寸法20C(図8参照)としては、種々の検討の結果、例えば、30mm以上が好ましく、80mm以下が好ましい。
【0030】
なお、図6では、一部の棒材20が取外された状態を示しているが、これは、凹部11の形状を明示するために便宜的に取外した状態にしたものであり、実際の獣進入防止設備1では、全ての凹部11に棒材20が設置されている。
【0031】
図8に示されるように、凹部11の深さ(高さ寸法)11hは、棒材20の直径20Dより短い。したがって、棒材20は、当該棒材20の上端20pが溝部材10の上端面(上端)14aよりも上方に位置する状態に設置される。別言すれば、設置された棒材20の上端20pは、凹部11の上端14aより上側に位置している。
つまり、本実施形態の防止設備1は、溝部材10の上端14aよりも上側に突出した突出部20uを備えている。
本実施例では、棒材20は上述のように断面円形の部材であり、突出部20uの上側面(外周面)は棒材20の外周面で構成される。つまり、突出部20uの上側面は、上側に凸の円筒面(断面円弧形状の曲面)である。
【0032】
突出部20uは、その上端縁20pの位置から往来方向Wの両側に向けて降り方向(下向き)の傾斜面を有する。その傾斜面は曲面である。
突出部20uの高さ20h(溝部材の上端面14aからの棒材20の突出高さ寸法)は、溝部材10の上端面14aから棒材20の下端20bまでの長さ寸法(凹部11内の高さ寸法)よりも短い。
別言すれば、凹部11の上端位置14aは、設置された棒材20の水平断面の幅寸法が最大になる位置(図8における棒材20の上下方向の中間高さ位置Hm)以上の高さ位置である。このような構成にすると、棒材20の半部以上が凹部11内に配置される。
【0033】
また、棒材20の外周面(本実施例では円筒形状の外周面)の表面は平滑面である。
本実施形態では、棒材20の外周面を構成する外周部材として塩化ビニル樹脂製のパイプを用いた。そして、棒材20の外周部材の内部の芯部材は、鉄筋を配置してモルタルを充填した構成である(不図示)。つまり、棒材20は、平滑な外表面を有する外周部材と、外周部材の内部に配置された芯部材とを備えており、芯部材は鉄筋入りの構造材である。このような構成の棒材を用いた獣進入防止設備は、その上を人が歩行可能であると共に、山中での作業等で用いられる軽自動車や乗用車などの車両が通行可能である。
【0034】
ところで、本実施形態の獣進入防止設備1では、屋外に設置された防止設備1を視認したとき、その外観すなわち防止設備の上表面の視認状態が視認角度(あるいは視認位置)によって変化する。
ここでは、図9に示されるように、防止設備1から離れた位置における遠距離視線Aと、やや近づいた位置における中距離視線Bと、防止設備1に近づいた位置における近距離視線Cを例に挙げて説明する。
なお、図9において、二点鎖線で示される補助線a,b,cは、遠距離視線、中距離視線、近距離視線の角度をわかりやすく区切るために示した補助線である。
また、ここでは、特に、複数の棒材20が設置されている防止設備1の上面の中央エリア(棒材エリア1sと称することがある)の視認状態を中心に説明する。
【0035】
まず、遠距離視線Aで防止設備1(特に防止設備1の中央)を見た場合、視線の俯角が小さいので、視認できるものは棒材20のみである。
そして、中距離視線Bになると、棒材20のほかに、溝部材10の上端部(保持構造15の上面)14aを視認できる状態になる。棒材20と溝部材10の上端面14aは材質、形状あるいは色などが異なるものであるのであるので、遠距離視線Aから中距離視線Bになると、防止設備1の棒材エリア1sの見え方が変化する。
さらに、近距離視線Cになると、隣接する棒部材20の隙間20Cを介して溝部材10の溝内空間部25を視認できる状態になる。空間部25は、棒材20によって遮蔽された空間であるので、空間部25の視認状態は、棒材20や溝部材10の上端面14aとは異なっており、中距離視線Bから近距離視線Cになると、防止設備1の棒材エリア1sの見え方がさらに変化する。
【0036】
つまり、本実施形態の獣進入防止設備1は、防止設備1を見る者や獣の視線の角度が変化すると、見え方(認識される模様又はパターン)が大きく変化するように構成されている(図9及び図10参照)。また、見え方が徐々に変化するのではなく、ある視線角度になると、急激に(あるいは突然)、見え方が変化することになる。
したがって、人や獣は、例えば、防止設備から比較的遠い遠距離視線Aの位置から中距離視線Bの位置に移動したときや、中距離視線Bから近距離視線Cに変化したとき、本実施形態の防止設備1の見え方の変化を認識し、本実施形態の防止設備1の存在に容易、迅速かつ確実に気づくこととなる。
【0037】
次に、本防止設備の設置について説明する。
本実施形態の獣進入防止設備1は、例えば、山林等の獣生息域と集落との間に位置する(間を結ぶ)山道や林道などの道の途中の位置に設置して用いられる(図2参照)。
【0038】
設置する場合は、獣進入防止設備の設置後の上面を、道路面R(図1参照)に位置させるように道路を掘り下げる。そして、掘り下げた下面に、均しコンクリート30を打つ。均しコンクリート30の上面は、溝部材10が設置される面であり、平面であることが好ましい。なお、溝部材10の内側の溝を利用して排水する場合、均しコンクリート30の上面は、排水を考慮して傾斜平面にすることができる。
均しコンクリート30が固まった後、均しコンクリート30の上に、複数の溝部材10を設置する。溝部材10の設置では、道路の進行方向(往来方向W)と溝部材10の延在方向D1(溝の延在方向)とが一致する状態になるように溝部材10を設置する。また、図4に示されているように、本実施例では、溝部材10を縦方向にも複数(本実施例では2つ)の溝部材10を連続して並べて設置している。
複数の溝部材10を設置すると、次に、溝部材10の上面に、複数の棒材20を設置する。これにより、本実施例の獣進入防止設備の設置が完了する。
このように、本実施例の獣進入防止設備は、設置が容易であり、迅速に獣進入防止対策をとることができる点で優れている。
【0039】
各棒材20は、溝部材10の上端部の保持構造15の延在方向D1に対して交差する方向(ここでは直交する方向)に延びる状態に設置される。これにより、防止設備1の上面に、複数の棒材20が配置された棒材エリア1sが形成される。棒材エリア1sは、設置場所である道の路面の高さの位置に設置される。棒材エリア1sは歩行可能であり、車両通行可能である。
【0040】
設置された獣進入防止設備1では、棒材20は、溝部材10の空間部25(すなわち溝部材10の底部10aと両側の側部10b,10bとに囲まれた溝内空間部)を跨ぐ状態に設置される。
この空間部25は、複数の棒材20の隙間20cを介して設備の上側空間と連通しており、獣進入防止設備1に引っ掛った鹿などの動物の足が落ち込む空間である。
【0041】
本実施例の獣進入防止設備1を例えば道に設置すれば、道を経由した獣の進入を防止することができる。ここでいう獣としては、例えば、鯨偶蹄目シカ科の野生のシカや鯨偶蹄目イノシシ科の野生のイノシシを挙げることができる。
そして、本実施例の獣進入防止設備1は、いわゆる小動物というよりも、このような比較的大型の害獣の侵入防止対策に好適である。
【0042】
なお、図2は、設置状態のイメージを説明しているものであり、溝部材10を道幅いっぱいに設置していないが、獣進入防止効果の観点からすると、道幅いっぱいに複数の溝部材10を設置することが好ましい(図10参照)。さらに、溝部材10の設置領域を挟むように道幅の両側に、壁や柵などの部材を設けるなど、獣が獣進入防止設備を避けて通り抜けることをより確実に防止できる構造が、より好ましい。
【0043】
また、本実施形態の防止設備1は、水平に延びる道だけでなく、往来方向Wに傾斜した道にも設置されることがある。なお、道は、一般的には、歩行容易性や車両走行容易性の観点から、道幅方向については傾斜がない(少ない)場合が多い。
ただし、本実施例の防止設備1の設置では、設置対象の道が往来方向Wに傾斜していても、道幅方向が水平であれば、棒材20は水平に設置される。つまり、棒材20を設置又は交換する際、棒材20を常に水平の状態で扱うことができる。これに対し、同様の目的の装置であっても、装置の上面に板状の部材を設置する構成の場合、その板状の部材を、往来方向の道の傾斜に合わせて傾斜させた状態に設置する必要がある。
【0044】
ところで、山林等の獣生息域と集落との間を完全に仕切れば獣の進入を防止できることになるが、道路は住民の生活に必要なインフラであり、住人の通行を確保しておく必要がある。この道路を経由した獣の進入を防止する方法として、例えば、道路の途中に柵(図10参照)など設け、日中の生活時間帯だけ道路を開放し、夜間は道路を封鎖することが考えらえるが、手間やコストがかかる。特に、過疎が進んだ、たとえば限界集落などの山間部では、作業者を確保すること自体容易でない。
この点、本実施例の獣進入防止設備は、獣の進入を防止しつつも、住人や車両の通行については許容しており、上述した道路の開放及び封鎖の作業を行う必要がなく、管理の手間がかからない。
【0045】
また、獣進入防止施設は、通常、野外に設置されるものであるところ、防止効果を維持するためには防止設備のメインテナンスが必要になる。
メインテナンスの内容としては、たとえば、獣進入防止設備の清掃、獣進入防止設備の一部が損傷(故障)した場合の部品交換などの修理等を挙げることができる。
この点、本実施例の獣進入防止設備はメインテナンスが容易である。
【0046】
例えば、本実施形態の防止設備1は、棒材20の一方の端部を、対応する凹部11内に設置すると共に、他方の端部を対応する別の凹部11内に設置するだけで、棒材20を正確な位置に配置及び設置できる構成である。したがって、防止設備1の上面への棒材20の設置及び交換については、一人で作業可能である。また、凹部11の両側面13,13が傾斜面の構成の場合、棒20材の着脱が容易である。これらの点でもメインテナンス性に優れている。
また、棒材20は、凹部11内に設置されることで、溝部材10の上面部に保持されている。したがって、凹部11に枯れ葉や土が溜まった場合、棒材20を一旦取外して容易に清掃、除去でき、清掃終了後、棒材20を迅速に設置できる。また、隣接する棒材20の隙間に何らかの物体が引っ掛ったような場合でも、いずれか一方又は両方の棒材20を取り外すことで、その物体の除去などの対応を容易にとることができる。
さらに、棒材20の外表面についても、容易に清掃可能であり、ごみが付着した場合でも容易に拭き取りできる。また、棒材20の破損なども容易に視認することができ、しかも交換が極めて容易である。また、交換によって修理を完了させることができる点でも、修理容易性に優れている。
【0047】
また、本防止設備の棒材20は、上述したように、凹部11内に設置した状態で回転可能である。棒材20は、野外に露出している上側の面ほど損傷しやすく不具合が生じやすい。その一方で、棒材20のうち、獣進入防止に主に寄与している部分は、上側の外周面であり、溝部材内に向いた下側部分は、通常、獣及び人の足や車両のタイヤと接することが無い。したがって、メインテナンス作業において、棒材20の上側の突出部20u(図8参照)の外周面に不具合を発見したような場合は、応急措置として棒材20を回転させて、不具合がない外周面の部分を上側に向けておくことができるので、後日、その棒材20を交換するまで、獣進入防止効果を維持しつつ防止設備を運用することができる。
【0048】
また、獣進入防止設備1の運用では、獣進入防止設備に獣が引っ掛かった場合、その獣に対応をする必要がある。
本実施例の獣進入防止設備1に獣が引っ掛かっている場合、引っ掛かった獣を溝から引き上げることで、容易にその獣を捕獲及び保護することができる。また、本実施例の獣進入防止設備1では、引っ掛かった獣を傷つけることが抑制されている。掛かった獣が怪我をすると、その後の処置や扱いが難しい場合がある。さらには、怪我をした獣が掛かった状態で死亡する可能性もある。
この点、本実施形態の防止設備1のように、棒材20を用いる構成であれば、掛かった獣の怪我が抑制され、掛かった獣の捕獲や保護をスムーズに行うことができ、防止設備の運用の容易性の点で優れている。
【0049】
次に、テスト結果について説明する。
本実施形態の獣進入防止設備1について、これを山林エリアと集落エリアとを結ぶ山道の途中に設置して、獣進入防止効果を確認するテストを行った。
一定期間、設置した獣進入防止設備を監視カメラによって24時間監視し、監視映像を確認したところ、獣が人里側に進入することがなかった。これにより、獣進入防止効果があることを確認することができた。
鹿やイノシシの足(特に地面に設置する爪)の特徴や、鹿やイノシシの足の運びなどの歩行特性など、鹿やイノシシの生態、習性、特徴などとの関係で、獣進入防止効果があると考えられる。
【0050】
また、監視映像を確認した結果、山林関係者等が徒歩でスムーズに通行する姿や車両がスムーズに通過する映像が含まれており、人や車両の往来がスムーズに行われていた。
棒材20の上部が溝部材10の上端面よりも突出している構成(突出部20uを有する構成)であると、人や車両は、獣進入防止設備1のどの位置を通過する場合であっても、防止設備1の表面に接する足やタイヤを介して、棒材エリア1sの凹凸を感知することができる。
また、本実施形態の防止設備1が設置される山道が往来方向Wの傾斜を有する道である場合(上り坂、下り坂)、そのような傾斜した道に設置された防止設備1においては、各棒材20は、往来方向Wと直交する方向に延在する状態に設置されており、しかも断面丸棒の棒材20が間隔を空けて複数配置されている。つまり、これらの複数の棒材20はいわゆる階段状に配置されることになる。
【0051】
本出願に係る発明は、上記実施形態で説明した構成に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変されたものが含まれる。
【0052】
上述の実施形態の獣進入防止設備のように、棒材20の直径20Dと底面12の幅12Wとが同じであり、凹部11が上方に向けて末広がりの場合、凹部11内に設置された棒材20は、延在方向D1に移動可能である。移動可能距離はわずかであるが、この点で、棒材20は回転棒又は転がり棒と称することができる。
また、この構成は、別言すれば、断面円形の丸棒形状である棒材20は、底面12及び一方の側面13に接触させたとき、他方の側面13に非接触の状態になる太さ(直径)であるということができる。
棒材20は凹部11内で移動できない状態に設置されるものでもよいが、凹部11内の棒材20が移動可能な構成は、凹部内に設置された棒材20の着脱作業が良いである点でメインテナンス性に優れるということができる。また、棒材20が凹部内面に接するときに音が生じる構成であるということができる。
【0053】
棒材20としては、種々の形状が考えられるが、断面楕円形などの滑らかに湾曲した転がり可能な形状であることが好ましく、本実施例のように断面円形の棒材(丸棒)がより好ましい。
棒材20の外周部を構成する部材としては、表面が平滑な部材が好ましい。例えば、防錆性に優れるステインレスなどの金属製のパイプを挙げることができる。なお、メインテナンス性など長期間使用することを考慮すると、例えば「塩化ビニル樹脂」製のパイプや「ポリ塩化ビニル樹脂」製のパイプを用いたものを挙げることができる。その中でも、可塑剤を含まない「硬質」の「塩化ビニル樹脂」製のパイプや「ポリ塩化ビニル樹脂」製塩ビ製品」を挙げることができる。
また、棒材20は全体が均質の部材でもよいが、本実施例の棒材のように、外周部構成するパイプの内部に芯部材を有する構成でもよい。
また、各棒材20は、一体の一本の部材でもよいが、取扱性の観点から複数の棒状の部材を長手方向に並べることで構成されるものでもよい。なお、このように複数の棒状の部材を長手方向に並べる場合、隣接する棒状の部材同士の接続位置は、強度等の観点からすれば、棒材を設置した状態で、溝部材10の凹部の位置に一致する構成することが好ましい。
【0054】
空間部を挟んで対向配置される保持部材(保持構造15)は、上述の実施例では、一体の部材である溝部材10に一体構造に形成されているが、別体の部材でもよい。ただし、対向する保持部材(保持構造)15が一体であれば、同じ棒材20を支持する対向する凹部11の位置を対向する位置に正確に配置することが容易であり、棒材20の設置作業性に優れる。また、両保持構造が一体に形成された溝部材10であれば、溝部材の設置作業性に優れる。
【0055】
凹部11の各側面13,13は、底面12に対して直交している物でもよいが、棒材20の着脱などのメインテナンス性や凹部内における棒材の回転や転がりが可能になる点で、底面12と側面13とのなす角度は直角であるより、鈍角が好ましい。
凹部11の側面13が底面12に対して傾斜する構成を採用する場合、側面13の傾斜角度(底面12と側面13とのなす角度)α1(図8参照)は、棒材20の脱落防止、着脱作業性及び防止設備の設置場所の条件等の観点から、例えば、次のような条件を満たす角度が考えられる。なお、ここでは、棒材20が底面12の中央位置に設置された状態を前提として説明する(図8参照)。つまり、保持部材(保持構造)15の上端面14aの高さ位置と同じ高さ位置である棒材20の外周面の表面位置20eにおける棒材外周面との接線の底面12の延長線とのなす鈍角の角度α2よりも、上述の角度α1は小さい角度であることが好ましい。具体的には、側面13を傾斜させる場合、角度α1は、例えば、105度以下が好ましく、90度より大きい角度が好ましい。
【0056】
また、保持構造(保持部材)15の上端の高さ位置は、棒材の設置状態の安定性の観点では、凹部11の上端(保持構造の上端)14aは、上述したように、丸棒の棒材20の場合、棒材20の中心(重心)の高さ位置Hmより上側であることがより好ましい。この場合、棒材20の中心は凹部内に位置する。
また、棒材20の中心の高さ位置から保持部材の上端14aまでの高さ寸法14hは、次の高さ寸法よりも長いことが好ましい。
つまり、上述の高さ寸法14hは、凹部11内の棒材20を転がして一方の側面13に当接させたときに生じる棒材20と側面13との接点P1の高さ位置から棒材20の中心の高さ位置Hmまでの高さ寸法20xより長いことが好ましい。
また、保持構造の上端14aより上側に突出した突出部20uの上側の円弧形状の外周面の長さ(往来方向W断面の円弧形状の外周面の長さ)は、棒材20の半径よりも長いことが好ましい。
【0057】
また、凹部11に設置された棒材20の上端縁が溝部材10の上端面(凹部11の上端面)よりも上方に位置するように設置する構成としては、上述の実施形態の構成のほかにも種々の構成を採用可能である。
また、溝部材10の上端の保持構造15の上端14aは、平面を有する構成が好ましい。そして、この平面の上端14aは、凹部11の底面12や溝部材10の内側の底面と平行であることが好ましい。
獣進入防止設備1は、上記実施形態のように、均しコンクリート30の上に設置する構成が好ましいが、均しコンクリート30を用いることなく設置する構成も可能である。例えば、転圧が付与されたバラスの上に設置する構成などを挙げることができる。
また、溝部材10が1つの防止設備1も考えられるが、設置容易性などの観点からすると、並列に配置される複数の溝部材10を備える構成がより好ましい。
また、本防止設備1の往来方向Wの長さ、溝部材10の大きさ、空間部25の幅方向D2の寸法や深さ寸法などについては、進入防止対象の獣や設置場所の周囲の環境や条件等によって適宜設定することができる。
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