(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遊星運動機構は、前記回転主軸と同心状にかつ静止状に設けられた太陽歯車と、前記回転支軸に同心状にかつ一体的に設けられた遊星歯車と、これら太陽歯車および遊星歯車の間に噛合状態で介装されるとともに、前記回転テーブルに回転可能に支持される中間歯車とを備えてなる遊星歯車機構の形態とされ、
前記回転テーブルの水平回転により、前記収納容器は、前記回転主軸まわりに所定速度をもって水平に公転運動されながら、この公転運動に伴う前記遊星歯車機構の遊星運動作用により、公転速度よりも減速された自転速度で自転しまたは自転停止状態で、前記収納容器の傾斜方向が前記回転主軸に対して変動する構成とされている
ことを特徴とする請求項8に記載の粉体混合装置。
前記遊星運動機構は、前記回転主軸と同心状にかつ静止状に設けられた太陽プーリと、前記回転支軸に同心状にかつ一体的に設けられた遊星プーリと、これら太陽プーリおよび遊星プーリを駆動連結する伝動ベルトとを備えてなる遊星ベルト機構の形態とされ、
前記回転テーブルの水平回転により、前記収納容器は、前記回転主軸まわりに所定速度をもって水平に公転運動されながら、この公転運動に伴う前記遊星ベルト機構の遊星運動作用により、公転速度よりも減速された自転速度で自転しまたは自転停止状態で、前記収納容器の傾斜方向が前記回転主軸に対して変動する構成とされている
ことを特徴とする請求項8に記載の粉体混合装置。
前記太陽プーリおよび遊星プーリが所定の歯数比を有する歯付きプーリの形態とされるとともに、前記伝動ベルトが前記両歯付きプーリに噛合する歯付きベルトの形態とされている
ことを特徴とする請求項11に記載の粉体混合装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記撹拌翼式混合装置は、撹拌翼を高速回転させる駆動構造を備えており、撹拌混合能力に優れ短時間で均質な粉体混合を行う場合に向いている一方で、構造が一般的に複雑でコンタミネーション対策が難しいという問題を抱えている。
【0007】
また、対象となる被混合粉体によっては、撹拌中に発生する摩擦熱によって粉体の性質が変化してしまうなど、熱影響による様々な問題が懸念されるものがある。
【0008】
上記容器回転式混合装置は、処理容器を回転させる駆動構造を備えており、比較的簡単な構造のためコンタミネーションの対策が簡単である一方で、上記撹拌翼式混合装置に比較して撹拌能力に劣り、短時間で均質な粉体混合を行うには不向きであるという問題がある。
【0009】
さらに、従来の粉体混合装置は、撹拌翼式および容器回転式のいずれも、被混合粉体を連続して混合させる連続式混合、または被混合粉体をバッチごとに混合する回分式混合のいずれかの方式が採用される構成を備えているところ、これら両方式のいずれも量産向きのもので、例えば、研究や試作段階での粉体の配合条件を変えていくつもの試料を作製する、いわゆる少量多品種混合を行う各種ラボや企業の研究開発部署では不向きであった。
【0010】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、コンタミネーション対策が容易確実で、撹拌能力にすぐれ、しかも少量多品種混合に適した粉体混合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の粉体混合装置は、被混合粉体が密閉収納された収納容器を傾斜状態で水平方向に
所定の公転速度をもって公転させるとともに、この公転速度よりも減速された自転速度で自転させまたは自転停止させることにより、公転によって生じる遠心力と上記収納容器の傾斜方向の公転軸に対する変化との協働作用で、収納容器内の被混合粉体を撹拌混合する装置であって、上記収納容器を傾斜した状態で取外し可能に固定保持する収納容器保持部が、垂直な公転軸に対して平行な垂直状態で回転支持される自転軸に取り付けられ、この収納容器保持部は、複数の上記収納容器をそれぞれ上下方向へ取り外し可能に嵌装保持する容器受けと、この容器受けに保持された複数の上記収納容器を一体で固定する容器固定手段とを備えて
なり、上記容器固定手段は、上記容器受けの上端部位に螺合可能な締付け固定部材と、上記容器受けの底部に設けられて、上記容器受けに嵌挿保持された上記収納容器をそれぞれ個別的に上方向へ常時弾発付勢する弾発付勢手段とを備えてなり、上記容器受けに嵌装保持された上記収納容器に対して、上記締付け固定部材を上記容器受けの上端部位に螺合させて締め付けることにより、上記収納容器が上記弾発付勢手段と締付け固定部材との間にそれぞれ個別的に挟持状にかつ弾発的に締付け固定される構造とされていることを特徴とする。
【0012】
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記容器受けは、上記自転軸に所定角度だけ傾斜した状態で取り付け固定されて、上記収納容器を上下方向へ着脱可能な
容器収容空間を有する筒状の容器保持槽の形態とされるとともに、その内部に上記収納容器を位置決め保持する複数の位置決め保持部を備える容器アダプタが取外し交換可能に設けられている。
【0013】
(2)上記複数の位置決め保持部は、上記収納容器の外周面に沿った内周形状寸法を有
して、この収納容器を位置決めし嵌装保持する保持ポケットの形態とされるとともに、上記容器アダプタに周方向へ等間隔をもって配置形成されてなる。
【0014】
(3)
上記弾発付勢手段は、上記容器アダプタの位置決め保持部の底部に設けられて、この位置決め保持部に嵌装保持された上記収納容器を上方向へ常時弾発付勢する構造とされている。
【0015】
(4)上記弾発付勢手段は、上記収納容器の底面を上方向へ弾発付勢する圧縮スプリングを備えてなる。
【0016】
(5)上記圧縮スプリングは、上記位置決め保持部の底部に周方向へ等間隔をもって複数設けられている。
【0017】
(6)上記圧縮スプリングの上端部に、上記収納容器の底面を載置支持する支持部材が設けられており、この支持部材は、滑り止め機能を有する緩衝材から構成されている。
【0018】
(7)垂直な回転主軸に対して水平に取り付けられて、所定の速度をもって回転駆動される回転テーブルと、この水平な回転テーブル上に上記回転主軸と平行な垂直状態で回転可能に支持された回転支軸に取り付けられて、複数の上記収納容器を傾斜した状態で取外し可能に固定保持する上記収納容器保持部とを備え、上記回転テーブルと上記回転支軸は、遊星運動機構により単一の回転駆動源に駆動連結されてなり、上記回転駆動源による上記回転テーブルの水平回転により、上記収納容器が、上記回転主軸まわりに所定速度をもって水平に公転
運動されながら、この公転運動に伴う上記遊星運動機構の遊星運動作用により、公転速度よりも減速された自転速度で自転しまたは自転停止状態で、上記収納容器の傾斜方向が上記回転主軸に対して変動する構成とされている。
【0019】
(8)上記収納容器保持部は、上記回転テーブル上の外周位置に円周方向へ等間隔をもって複数個装着されている。
【0020】
(9)上記遊星運動機構は、上記回転主軸と同心状にかつ静止状に設けられた太陽歯車と、上記回転支軸に同心状にかつ一体的に設けられた遊星歯車と、これら太陽歯車および遊星歯車の間に噛合状態で介装されるとともに、上記回転テーブルに回転可能に支持される中間歯車とを備えてなる遊星歯車機構の形態とされ、
上記回転テーブルの水平回転により、上記収納容器は、上記回転主軸まわりに所定速度をもって水平に公転
運動されながら、この公転運動に伴う上記遊星歯車機構の遊星運動作用により、公転速度よりも減速された自転速度で自転しまたは自転停止状態で、上記収納容器の傾斜方向が上記回転主軸に対して変動する構成とされている。
【0021】
(10)上記遊星運動機構は、上記回転主軸と同心状にかつ静止状に設けられた太陽プーリと、上記回転支軸に同心状にかつ一体的に設けられた遊星プーリと、これら太陽プーリおよび遊星プーリを駆動連結する伝動ベルトとを備えてなる遊星ベルト機構の形態とされ、上記回転テーブルの水平回転により、上記収納容器は、上記回転主軸まわりに所定速度をもって水平に公転
運動されながら、この公転運動に伴う上記遊星ベルト機構の遊星運動作用により、公転速度よりも減速された自転速度で自転しまたは自転停止状態で、上記収納容器の傾斜方向が上記回転主軸に対して変動する構成とされている。
【0022】
(11)上記太陽プーリおよび遊星プーリが所定の歯数比を有する歯付きプーリの形態とされるとともに、上記伝動ベルトが上記両歯付きプーリに噛合する歯付きベルトの形態とされている。
【0023】
(12)上記収納容器保持部の公転速度は100〜300回転/分に設定されている。
【0024】
(13)上記収納容器保持部の自転方向は、公転方向と逆方向に設定され、上記収納容器保持部の自転速度は、上記公転速度の2/3以下に設定されている。
【0025】
(14)前記収納容器保持部の自転速度は0に設定されている。
【0026】
(15)上記収納容器保持部の自転方向は、公転方向と同一方向に設定され、上記収納容器保持部の自転速度は、上記公転速度の1/4以下に設定されている。
【0027】
(16)上記収納容器保持部に固定保持される上記収納容器の軸線の傾斜角度が10°〜60°となるように設定されている。
【発明の効果】
【0028】
本発明の粉体混合装置によれば、被混合粉体が密閉収納された収納容器を傾斜状態で水平方向に
所定の公転速度をもって公転させるとともに、この公転速度よりも減速された自転速度で自転させまたは自転停止させることにより、公転によって生じる遠心力と上記収納容器の傾斜方向の公転軸に対する変化との協働作用で、収納容器内の被混合粉体を撹拌混合する装置であって、上記収納容器を傾斜した状態で取外し可能に固定保持する収納容器保持部が、垂直な公転軸に対して平行な垂直状態で回転支持される自転軸に取り付けられ、この収納容器保持部は、複数の上記収納容器をそれぞれ上下方向へ取り外し可能に嵌装保持する容器受けと、この容器受けに保持された複数の上記収納容器を一体で固定する容器固定手段とを備えて
なり、上記容器固定手段は、上記容器受けの上端部位に螺合可能な締付け固定部材と、上記容器受けの底部に設けられて、上記容器受けに嵌挿保持された上記収納容器をそれぞれ個別的に上方向へ常時弾発付勢する弾発付勢手段とを備えてなり、上記容器受けに嵌装保持された上記収納容器に対して、上記締付け固定部材を上記容器受けの上端部位に螺合させて締め付けることにより、上記収納容器が上記弾発付勢手段と締付け固定部材との間にそれぞれ個別的に挟持状にかつ弾発的に締付け固定される構造とされているから、以下に列挙されるような効果が有効に発揮されて、コンタミネーション対策が容易確実で、撹拌能力にすぐれ、少量多品種混合に適した粉体混合装置を提供することができる。
【0029】
(1)
コンタミネーション(異物混入)対策が容易確実である。
被混合粉体が密閉収納された収納容器を傾斜状態で水平方向に公転させるとともに、この公転速度よりも減速された自転速度で自転させまたは自転停止させることにより、公転によって生じる遠心力と上記収納容器の傾斜方向の公転軸に対する変化との協働作用で、収納容器内の被混合粉体を撹拌混合する容器回転式粉体混合装置であるから、収納容器を回転させる駆動構造が比較的簡単で、撹拌翼を高速回転させる駆動構造を備える撹拌翼式混合機に比べて、コンタミネーション(異物混入)を生じる可能性は低く、コンタミネーション対策が容易確実である。
【0030】
特に、上記収納容器が収納容器保持部に取外し可能に固定保持される構造であることにより、被混合粉体の交換に際しては、収納容器ごとそのまま交換すれば良く、収納容器内に撹拌翼が設けられる撹拌翼式混合装置では必須の収納洗浄容器内を含めた装置洗浄作業が不要である。
【0031】
換言すれば、被混合粉体の交換は、収納容器ごとそのまま交換するだけで良く、したがって、常に新しい収納容器が使用できるため、コンタミネーション対策のための作業時間が大幅に短縮ないしはまったく不要となり、大幅な作業効率の向上が望め、延いては、被混合粉体を原料とする製品開発期間の大幅な短縮にも繋がる。
【0032】
また、上記収納容器に対する被混合粉体の取入れ取出し作業が容易であるとともに、収納容器自体の洗浄作業も容易であり、延いては収納容器保持部周辺のクリーニング等が不要となるなど、装置のメンテナンスも容易である。
【0033】
(2)
低速低温混合が可能である。
被混合粉体を撹拌混合する方式が上記のような容器回転式であることにより、撹拌翼を高速回転させる駆動構造を備える撹拌翼式に比べて低速低温混合が可能である。
【0034】
したがって、対象となる被混合粉体によっては、撹拌中に発生する摩擦熱によって粉体の性質が変化してしまうなど熱影響による様々な問題が懸念される場合があるところ、本発明の容器回転式混合装置においては、独自の自公転方式による公転運動と揺動運動の組合せによって、せん断力や流動など混合に必要な要素が得られ、被混合粉体の短時間かつ低温域での分散・混合が可能となり、その結果、撹拌により発生する摩擦熱により粉体の性質が変化してしまうような被混合粉体の撹拌・混合処理にも適用可能である。
【0035】
(3)
撹拌混合能力に優れる。
被混合粉体が密閉収納された収納容器を傾斜状態で水平方向に公転させるとともに、この公転速度よりも減速された自転速度で自転させまたは自転停止させることにより、公転によって生じる遠心力と上記収納容器の傾斜方向の公転軸に対する変化との協働作用で、収納容器内の被混合粉体を撹拌混合する容器回転式粉体混合装置であるから、公転によって生み出された遠心力と収納容器の自転作用による容器壁の変化が組み合わされることにより粉体混合が進行することになり、換言すれば、収納容器の傾斜と自転の組合せによる揺動運動が、収納容器内で被混合粉体に上下にせん断力を加えて流動させることになり、これによって、比重や粒子径の異なった被混合粉体を短時間で効率よくかつ均質に撹拌混合することができる(短時間均質混合)。
【0036】
したがって、容器回転式混合装置でありながら撹拌翼式混合装置のような短時間で粉体を混合でき、従来の容器回転式混合装置に比較して短時間での混合が可能となる。
【0037】
(4)
少量多品種混合に適する。
収納容器保持部に、被混合粉体を密閉収納した複数の収納容器が上下方向へ取り外し可能に固定保持される構造を備えることにより、量産ではなく少量の粉体混合に適しており、例えば、研究室(ラボ)での研究開発や実験室での試作段階において、各種粉体の配合条件を変えていくつも試料を作製する場合など、少量多品種混合に最適である。
【0038】
(5)
市販容器や保存容器などの既存の各種容器が収納容器として使用可能である。
上記収納容器保持部の容器受けの内部に、収納容器を位置決め保持する複数の位置決め保持部を備える容器アダプタが取外し交換可能に設けられ、上記複数の位置決め保持部が、上記収納容器の外周面に沿った内周形状寸法を有する保持ポケットの形態とされていることにより、任意の形状寸法の保持ポケットを備えた容器アダプタを選択的に使用することにより、各種任意の形状寸法の収納容器を装着使用可能である。
【0039】
したがって、本発明装置に標準装備される収納容器の他に、一般市販の容器(被混合粉体の販売時に充填使用される容器を含む。)や保存容器などの既存の各種容器が本発明装置の収納容器として使用可能であり、汎用性に富む。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
【0042】
実施形態1
本発明に係る粉体混合装置が
図1〜
図14に示されており、この粉体混合装置は、被混合粉体Pとしての複数種類の粉体または粉粒体、あるいはこれらの混合物を、充填収容した収納容器1、1、…を攪拌混合動作させることにより、収納容器1、1、…内の被混合粉体Pを撹拌混合する装置である。
【0043】
この粉体混合装置は、具体的には、
図11に模式的に示されるように、被混合粉体Pを密閉収納した収納容器1が傾斜状態で水平方向に公転するとともに、この公転速度よりも減速された自転速度で自転しまたは自転停止することにより、公転によって生じる遠心力と上記収納容器1の傾斜方向の回転主軸(公転軸)15に対する変化との協働作用で、収納容器1内の被混合粉体Pを撹拌混合する構成を備えてなる。
【0044】
上記粉体混合装置は、上記収納容器1を固定保持する収納容器保持部5、公転部6、自転部7および制御部8を主要部として構成され、これら構成部5〜8が装置ケース9内に装置されてなる。
【0045】
なお、装置ケース9において、12は開閉可能な蓋、13は装置ケース4の移動手段としての自在キャスタ、および14は装置ケース4を水平状態に姿勢調整するためのレベルアジャスタをそれぞれ示している。
【0046】
公転部6は、収納容器保持部5(収納容器1、1、…)を水平方向へ公転させるもので、具体的には回転テーブル10および回転駆動源である駆動モータ11を主要部として構成されている。
【0047】
回転テーブル10は、垂直な回転主軸(公転軸)15に対して水平に取り付け固定されるとともに、この回転主軸15が駆動モータ11に駆動連結されている。
【0048】
図示の実施形態においては、装置ケース9内の基台フレーム16上に主軸台17が設けられるとともに、この主軸台17に、上記回転主軸15が、軸受18、18を介して垂直状態で回転可能に軸支されており、この回転主軸15の上端部に、上記回転テーブル10が水平状態で取付け支持されている。
【0049】
また、回転主軸15の下部が軸支される上記主軸台17には、上記駆動モータ11が水平状態で取り付けられており、具体的には図示しないが、この駆動モータ11の出力軸に、上記回転主軸15の下部が駆動連結されている。
【0050】
そして、駆動モータ11の回転駆動により、上記回転主軸15と共に、上記回転テーブル10が水平方向へ所定の回転速度をもって回転駆動される。この場合の回転テーブル10の回転速度つまり後述する収納容器保持部5(収納容器1、1、…)の公転速度は、後述するように、制御部8の工程プログラムに従って自動制御される。
【0051】
上記収納容器保持部5は、上記回転テーブル10上の外周位置に円周方向へ等間隔をもって複数箇所(図示の場合は4箇所)に設けられている。各収納容器保持部5には、後述するように、複数の上記収納容器1、1、…が傾斜した状態で取外し可能に固定保持される。
【0052】
具体的には、回転テーブル10の外周位置に、4本の回転支軸20、20、…が周方向へ等間隔をもって配置され、各回転支軸20は、軸受21、21により垂直状態で、つまり上記回転主軸15と平行状態で回転可能に軸支され、この回転支軸20の上端部に、上記収納容器保持部5が傾斜状態で取付け固定されている。
【0053】
この収納容器保持部5は、
図2および
図5に示すように、その軸線Xが上記回転主軸15の軸線X0に対して所定角度αだけ傾斜するように構成されており、これにより、後述するように、収納容器保持部5に固定保持される収納容器1、1、…の軸線X1の傾斜角度が同じく上記傾斜角度αとなるように設定されている。
【0054】
上記収納容器保持部5(収納容器1、1、…)の軸線Xの傾斜角度αは、具体的には10°〜60°、望ましくは15°〜45°に設定され、図示の実施形態においては、15度の傾斜角度αとされている。
【0055】
このように傾斜角度αが設定されるのは、後述するように、収納容器保持部5に固定保持される収納容器1、1、…の内周傾斜面と収納容器1の公転により生じる遠心力との協働作用が確実に得られるということと、後述する収納容器保持部5の容器受け34に対する収納容器1の挿入および取出しが円滑かつ容易で、良好な作業性を確保できるからである。特に上記傾斜角度αが15°〜45°に設定されることで、上記効果がより顕著かつ確実に発揮され得、さらには駆動部の構造を簡素化することができるという利点もある。
【0056】
なお、上記収納容器1、1、…を固定保持する上記収納容器保持部5の具体的構成についても、後に詳述する。
【0057】
自転部7は、上記傾斜状態にある収納容器保持部5を垂直な回転支軸20まわりに自転させるもので、具体的には、上記回転テーブル10の回転方向つまり公転方向に対する収納容器保持部5の自転方向を設定するとともに、その自転速度を上記回転テーブル10の回転速度つまり収納容器保持部5の公転速度に対応して設定し、または自転停止させる構成とされている。
【0058】
上記自転部7は、具体的には遊星運動機構25から構成されてなり、この遊星運動機構25により、上記回転テーブル10つまり回転主軸15と4つの回転支軸20、20、…は、単一の回転駆動源である上記駆動モータ11に駆動連結されている。
【0059】
図示の実施形態の遊星運動機構25は遊星歯車機構の形態とされ、この遊星歯車機構25は、
図4および
図5に示すように、上記回転主軸15と同心状にかつ静止状に設けられた太陽歯車30と、上記回転支軸20、20、…に同心状にかつ一体的にそれぞれ設けられた遊星歯車31、31、…とを含んでなり、具体的には、上記太陽歯車30、上記遊星歯車31、31、…、およびこれら太陽歯車30と各遊星歯車31との間に噛合状態でそれぞれ介装される中間歯車32、32、…とを備えてなり、これら歯車30、31、32相互は所定の歯車比をもって構成されている。
【0060】
そして、回転主軸15の回転により、回転テーブル10が一体的に水平回転すると、この回転テーブル10上に配置支持された4つ(4槽)の収納容器保持部5、5、…は、上記回転主軸15まわりに所定の
公転速度をもって水平に
公転運動されるとともに、この公転運動に伴う遊星歯車機構25の上記歯車比による遊星運動作用により、上記回転テーブル10の公転方向に対して正逆いずれかの方向に所定の速度をもって自転されまたは自転停止状態とされ、上記収納容器保持部5(収納容器1、1、…)の傾斜方向が上記回転主軸15に対して変動することとなる。
【0061】
この場合の収納容器保持部5の公転運動と自転運動との相対的設計条件は、公転によって生じる遠心力と収納容器保持部5(収納容器1、1、…)の傾斜方向の回転主軸(公転軸)15に対する変化との協働作用が高効率で発揮されて、各種被混合粉体Pについての所期の撹拌混合効果が得られるように設定され、本発明者らによる種々の試験研究の結果に基づき、以下のように設定される。
【0062】
(1)収納容器保持部5の自転方向が公転方向と逆方向に設定されるとともに、収納容器保持部5の自転速度が、公転速度の2/3以下に設定される。例えば、太陽歯車30の歯数を36とすると、これに対して遊星歯車31の歯数は35〜12に設定される。
【0063】
(2)収納容器保持部5の自転速度が0に設定される。例えば、太陽歯車30の歯数を36とすると、これに対して遊星歯車31の歯数は36に設定される。
【0064】
(3)収納容器保持部5の自転方向が公転方向と同一方向に設定されるとともに、収納容器保持部5の自転速度が公転速度の1/4以下に設定される。例えば、太陽歯車30の歯数を36とすると、これに対して遊星歯車31の歯数は37〜45に設定される。
【0065】
図示の実施形態においては、
図4を参照して、回転テーブル10の回転(矢符A方向)により、この回転テーブル10上に配置支持された4つの収納容器保持部5、5、…も回転(公転)するところ、これら収納容器保持部5、5、…の回転支軸20、20、…には、上記遊星歯車機構25の遊星歯車31がそれぞれ取付け固定されている。この遊星歯車機構25において、太陽歯車30は上述のごとく静止固定されているから、これら両歯車30、31に噛合連結された中間歯車32を介して、上記遊星歯車31は太陽歯車30のまわりをA方向へ公転しながら、この公転速度よりも減速された自転速度をもって公転方向Aと逆方向へ自転されることになる。
【0066】
この場合、上記収納容器保部5(収納容器1、1、…)の自転速度は、遊星歯車機構25を構成する太陽歯車30、中間歯車32および遊星歯車31の歯車比により決定され、具体的には、上記公転運動と自転運動との相対的設計条件(1)、つまり、収納容器保持部5の自転速度が公転速度の2/3以下に設定され、望ましくは1/30の速度〜1/40の速度に設定される。
【0067】
より具体的には、上記収納容器保部5(収納容器1、1、…)の自転速度は公転速度の1/36の速度に設定されている(つまり、太陽歯車30の歯数36に対して遊星歯車31の歯数35に設定されている)。
【0068】
上記収納容器保持部5(収納容器1、1、…)の公転速度は、遠心力が有効に働くことを考慮して、100〜300回転/分に設定されており、したがって、収納容器1の自転速度は0回転〜200回転/分に設定される。
【0069】
ちなみに、収納容器保持部5(収納容器1、1、…)の公転速度は、一般的に、増加すればするほど、遠心力の増加により、より高い攪拌混合効果が望めるが、反面、公転速度を増加して高速回転にすると、撹拌される被混合粉体Pに摩擦熱が発生して、粉体によってはその性質が変化してしまう等の悪影響が生じる危険があることも判明している。
【0070】
本発明者らは、このような公転速度についての相反する技術上の課題を考慮して、種々の試験研究を行った結果、公転速度が300回転/分では、撹拌される被混合粉体Pに悪影響を及ぼすことなく、高い撹拌混合効果が得られることが判明し、本実施形態においては、上記のとおり、収納容器保持部5の公転速度が300回転/分以下に設定されている。
【0071】
また、収納容器保持部5の公転速度が300回転/分を超えると、回転機構自体が複雑となり、かつ十分な強度を確保する必要性も急激に増して、装置コストの大幅上昇を招くことになる。
【0072】
以上により、対象となる被混合粉体Pに求められる所期の攪拌混合効果、換言すれば、容器回転式混合装置でありながら撹拌翼式混合装置と同等の撹拌混合効果を確保し得る範囲の公転速度に設定しつつ、装置コストの上昇を抑えることに成功した。
【0073】
そして、このような相反する技術上の課題を解決した最大の特徴構成が、収納容器保持部5(収納容器1、1、…)が水平方向に公転されながら、収納容器保持部5(収納容器1、1、…)の傾斜方向が回転主軸15に対して変動する構成である。この点については後に詳述する。
【0074】
収納容器保持部5は、撹拌処理すべき被混合粉体Pを密封状態で充填収容した収納容器1を取外し可能に固定保持するもので、その具体的構成が
図5〜
図8に示されている。
【0075】
すなわち、上記収納容器保持部5は、具体的には、複数の収納容器1、1、…を傾斜した状態(傾斜角度α)で取外し可能に固定保持するもので、前述したように上記回転支軸20に取付け固定されており、上記容器受け34、容器固定装置(容器固定手段)35および容器アダプタ36を主要部として備えてなる。
【0076】
このように一つの収納容器保持部5に複数の収納容器1、1、…を収納保持する構造を採用する点について、収納容器保持部5の設置数を、例えば8槽、10槽、12槽と増加させることでも同様の効果が得られるが、このように収納容器保持5の設置数を増加させることは、装置の構造上、必然的に駆動機構部分の構成部品数の増加および複雑化を招くことになり、さらには装置コストの上昇を招く。これに対して、本実施形態のように一つの収納容器保持部5に複数の収納容器1、1、…を収納保持することで、装置の基本構造を大きく変えることなく収納容器1、1、…の増加設定が可能となり、装置コストの低減化も図れる。
【0077】
また、収納容器保持部5は、後述するように、本装置に標準装備される標準収納容器1A(
図2、
図5,
図6、
図7および
図8参照)の他に、
図9に例示されるような一般市販の各種容器1B〜1Fも、本発明装置の収納容器1として使用することができる構成とされている。
【0078】
上記容器受け34は、複数の上記収納容器1、1、…をそれぞれ上下方向へ取り外し可能に嵌装保持するもので、その軸線が上記収納容器保持部5の軸線Xを構成している。
【0079】
したがって、容器受け34は、その軸線Xが上記自転軸20に所定角度だけ傾斜した状態つまり上記傾斜角度αをもって自転軸20に取り付け固定されるとともに、上記収納容器1、1、…を上下方向へ着脱可能な円筒状の容器保持槽の形態とされている。
【0080】
図示の実施形態の容器受け34は、
図5および
図6に示すように、アルミニウム合金製の円筒本体34aが、回転支軸20の上端部20aに所定の傾斜角度αをもって一体的に設けられたステンレス鋼製の取付底板34bに、締付ボルト34c、34c、…によって締付け固定されてなる薄肉金属容器の形態とされて、この遠心力作用部位の軽量化が図られている。
【0081】
上記容器受け34は、収納容器1を複数個(図示の実施形態においては3個)収納する形状寸法を有する容器収容空間を備え、具体的には、図示のような本装置に標準装備される収納容器(以下、標準収納容器と称する。)1Aを3つ収納する形状寸法を有する容器収容空間を備える。
【0082】
また、円筒本体34aの上端部位には、一対の開口溝34d、34dが対向して設けられ、これら開口溝34d、34dは、各収納容器1の容器受け34に対する着脱操作部として機能する。
【0083】
容器受け34の内部には、上記収納容器1、1、…を位置決め保持する複数の位置決め保持部37、37、…を備える容器アダプタ36が取外し交換可能に設けられている。
【0084】
上記位置決め保持部37は、収納容器1の外周面に沿った内周形状寸法をする保持ポケットの形態とされ、図示の場合は、上記標準収納容器1Aの円筒外周面に沿った円筒内周形状寸法を有する。
【0085】
そして、容器アダプタ36が容器受け34内部に装着された状態において、上記保持ポケット37に嵌装保持される収納容器1は、その軸線X1が容器受け34の軸線つまり収納容器保持部5の軸線Xに平行となるように芯出し位置決めされる。これにより、上記収納容器保持部5に固定保持される上記収納容器1、1、…の軸線X1の傾斜角度も上記傾斜角度αとなるように設定される。
【0086】
上記保持ポケット37は、
図7(b)に示すように、上記容器アダプタ36に周方向へ等間隔をもって3つ配置形成されている(3等配)。
【0087】
本実施形態の粉体混合装置においては、図示される標準収納容器1A用の容器アダプタ36の他に、
図9に例示されるような一般市販の各種容器1B〜1Fに対応した保持ポケット(位置決め保持部)37、37、…を備える容器アダプタ36を予めまたは随時準備することにより、容器受け34の容量が許す範囲内で、どのような容器でも適宜の個数を収納容器1として使用可能である。特に、少量の被混合粉体Pについての撹拌混合の場合、各種任意の複数種類の粉体混合を同時に行うことが可能であり、汎用性に富む。
【0088】
上記容器アダプタ36の容器受け34内部への装着に関して、
図7(b)に示すように、容器受け34に対する容器アダプタ36の回り止めを兼ねた位置決め固定手段48が設けられている。
【0089】
この位置決め固定手段48は、容器受け34のねじ穴48a、48aに回り止めボルト48bがそれぞれ螺進退可能に螺合されるとともに、この回り止めボルト48bの先端部を挿入係止させる係止穴48cが上記容器アダプタ36に上記ねじ穴48a、48a、…に対応して同数設けられてなる。
【0090】
そして、少なくとも1本の回り止めボルト48bを、上記ねじ穴48a、48a、…のいずれかに螺合させるとともに、その先端部を上記係止穴48c、48c、…のいずれかに挿入係止させることにより、容器アダプタ36が容器受け34内の所定箇所に位置決め固定される。なお、図示の実施形態においては、1本の回り止めボルト48bが使用されている。
【0091】
容器固定装置35は、上記容器受け34に保持された複数の収納容器1、1、…を同時に一体で固定して、これら両者
34および1、1、…を一体化するものである。
【0092】
容器固定装置35は、具体的には、上記容器受け34の上端部位に螺合可能な締付け固定部材40と、上記保持ポケット37の底部に設けられて、上記収納容器1を上方向へ常時弾発付勢する弾発付勢手段41とを備えてなる。
【0093】
上記弾発付勢手段41は、上記収納容器1、1、…の底面を上方向へ弾発付勢する圧縮スプリング42を主要部として備えてなる。
【0094】
この圧縮スプリング42は、
図7(b)に示すように、上記保持ポケット37の底部に周方向へ等間隔をもって複数(図示の場合は3つ)設けられており(3等配)、収納容器1の底面を偏りなく均一に上方向へ弾発付勢する構成とされている。
【0095】
これら圧縮スプリング42、42、42は、その上下両端に一対の座金部材43、43が挟持状にそれぞれ当接係合されるとともに、これら両座金部材43、43が支持ボルト・ナット44により上下両側から連結支持されて、これにより、上記圧縮スプリング42、42、42の最大伸長寸法が規定されている。
【0096】
上記圧縮スプリング42、42、42の最大伸長寸法は、支持ボルト・ナット44のナットをボルトに対して螺進退動作させることにより調整される。
【0097】
これに関連して、容器アダプタ36の底部中央には、圧縮スプリング42、42、42の圧縮動作時の支持ボルト・ナット44の下方への移動を許容するための挿通穴36aが開設されている(
図6参照)。
【0098】
また、上記圧縮スプリング42、42、42の上下端部、具体的には上下座金部材43、43の上側と下側には、支持座板45、45がそれぞれ設けられている。これら上下両支持座板45、45は、攪拌混合動作時における収納容器1の容器受け34に対する相対的な回転を防止するためのもので、図示の実施形態においては、
図7(b)に示すように、位置決め保持部37の内周形状寸法に対応した外周形状寸法を有する円環形状の板材の形態とされている。
【0099】
具体的には、上側の支持座板45は、上側の座金部材43と収納容器1との間に介装状に設けられて、収納容器1と支持ボルト・ナット44との干渉を防止するとともに、上側の座金部材43と収納容器1間の緩衝・滑止め部材として機能する。
【0100】
一方、下側の支持座板45は、位置決め保持部37の底面と下側の座金部材43間の緩衝・滑止め部材として機能する。
【0101】
この目的のため、支持座板45は、滑り止め機能を有する緩衝材から構成されており、図示の実施形態においては、シリコンゴム製の支持座板45が使用されている。
【0102】
締付け固定部材40は、具体的には
図5、
図6および
図8に示すように、容器受け34を施蓋する円盤状の蓋体の形態とされている。この締付け固定部材40の外周には、上記容器受け34の上端内周に設けられた雌ねじ部46aに螺進退可能に螺合する雄ねじ部46bが設けられるとともに、その上面には回転操作用ハンドル47が設けられている。
【0103】
締付け固定部材40の回転操作方向、つまり上記雌ねじ部46aと雄ねじ部46bとの螺合方向は、収納容器保持部5つまり容器受け34の公転方向との関係で締り勝手となるように設定されている。図示の実施形態においては、回転主軸15つまり容器受け34の公転方向Aが反時計方向に回転制御される構成とされていることから(
図3および
図4参照)、締付け固定部材40の回転操作方向は、時計まわりつまり右ねじ構造による右回転となるように設定されている。
【0104】
すなわち、締付け固定部材40を螺合する容器受け34は右回転(時計方向へ自転)するが、回転テーブル10が左回転(反時計方向回転)Aなので、見かけ上つまり機外から見ると、容器受け34はほぼ静止状態となる。このような動作状況下における締付け固定部材40の回転操作方向を決定するための締り勝手作用試験を繰り返し行った結果、容器受け34の自転が右回転で、締付け固定部材40の螺合方向も右回転であるが、締付け固定部材40の締り勝手の作用は、回転テーブル10と締付け固定部材40の相対的回転方向関係で決定されることが判明し、その結果、締付け固定部材40の回転操作方向は、上記のとおり右ねじ構造による右回転となるように設定されている。
【0105】
そして、容器受け34内の容器アダプタ36の保持ポケット37、37、37に、収納容器1、1、…がそれぞれ位置決め嵌装されるとともに、その底部が弾発付勢手段41、41、41により弾発付勢支持された状態において、締付け固定部材40を、容器受け34の上端部位に螺合させて締付け回転操作することにより、収納容器1、1、1は上記弾発付勢手段41、41、41の弾発付勢力に抗して押し下げられる(締め付けられる)。締付け固定部材40のさらなる締付け回転操作により、収納容器1、1、1は、最終的に、締付け固定部材40と弾発付勢手段41、41、41との間に、挟持状にかつ弾発的に締付け固定されることとなり、これにより、収納容器1、1、1と容器受け34が一体化される。
【0106】
この場合、収納容器1、1、1は上記弾発付勢手段41、41、41によりそれぞれ個別的に弾発付勢支持されていることから、上記収納容器1、1、1の高さ位置が均等でなく不揃いであっても、締付け固定部材40を締付け回転操作することにより、上記収納容器1、1、1の高さ位置の不均一が弾発付勢手段41、41、41により吸収相殺されて、均一な挟持力をもって弾発的に締付け固定されることとなる。
【0107】
このような弾発的な挟持支持構造は、換言すれば、高さ寸法の異なる収納容器1、1、1の同時使用を可能とするとともに、容器アダプタ36の保持ポケット37、37、37のすべてに収納容器1が位置決め嵌装されず、一部にのみ位置決め嵌装された状態での使用も可能とする。
【0108】
以上のような機械構成において、公転部6の駆動モータ11の駆動により、上記回転テーブル10が
所定の公転速度をもって水平回転するとともに、この回転テーブル10の回転動作に上記遊星歯車機構25が連動して、収納容器保持部5、5、…は、垂直な回転主軸(公転軸)15まわりに水平方向に上記公転速度をもって公転
運動されながら、この公転運動に伴う上記遊星歯車機構25の遊星運動作用により、回転テーブル10の公転方向Aと逆方向にゆっくりした速度で自転される。
【0109】
換言すれば、回転主軸15に対して所定角度αだけ傾斜した状態で回転支軸(自転軸)20にそれぞれ取付けられている収納容器保持部5、…は、その傾斜方向(軸線Xの傾斜方向)が上記回転主軸15(の軸線X0)に対して変動することとなる。つまり、収納容器保持部5、5、…は、機外から見ると、具体的には図示しないがその傾きをほぼ一方向に保ったまま、より具体的には、
図10(a)→
図10(b)→
図10(a)のように、ゆっくりと揺動しながら公転することになる。
【0110】
この場合、上記収納容器保持部5に固定保持される収納容器1、1、1は、
図7(a)に示すように、容器アダプタ36の位置決め保持部37、37、37により、容器受け34の円筒内周面に沿って円周方向へ等間隔をもって位置決め配置されており、厳密には、回転支軸(自転軸)20の軸心上ではなく、この回転支軸20の軸心に対して一定の距離を置いて配置されているが、この距離は収納容器保持部5の公転半径に比較すれば非常に小さく、よって、回転支軸20まわりの収納容器1、1、1の回転はいずれも実質的に自転とみなすことができる。
【0111】
制御部8は、上記公転部6を自動制御するもので、具体的には、CPU、ROM、RAMおよびI/Oポートなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。
【0112】
この制御部8には、所定の撹拌工程を実行させるための工程プログラム等が組み込まれており、
図12に示すように、公転部6の駆動モータ11を駆動制御するモータ駆動部50に接続されるとともに、上記収納容器1の公転速度を設定する公転速度設定手段としての機能も含めて、各種運転条件の設定を行う設定部51と、運転時の状態を含めて、各種表示を行う表示部52とにそれぞれ接続されている。
【0113】
制御部8には、公転部6の駆動モータ11の駆動に必要な種々の情報、例えば、回転テーブル10の回転速度(収納容器1、1、1の公転速度)、動作時間、速度変更タイミングあるいは攪拌工程の工程時間等が、制御データとして予めまたは装置ケース9に設けられた操作部53の操作により適宜選択的に入力設定されており、これらのデータに従って上記駆動モータ11を制御する。
【0114】
上記操作部53は、具体的には図示しないが、起動および停止スイッチを備えるとともに、上記設定部51と表示部52の両機能を兼備したタッチパネルディスプレイ装置の形態とされており、このタッチパネルディスプレイ装置53は、液晶画面からなるディスプレイ部が、手指によるタッチ操作により上記設定部51と表示部52を切替え表示する構成とされている。
【0115】
そして、上記タッチパネルディスプレイ装置53のディスプレイ部が設定部51の画面を液晶表示している時は、この設定部51の操作パネルを手指によりタッチ操作することにより、上記制御データを入力設定することができ、一方、上記表示部52の画面を液晶表示している時は、装置の運転条件(回転テーブル10の回転速度や動作時間、あるいは運転経過時間)等の必要情報が液晶表示される。
【0116】
上記制御部8には、ユーザが上記設定部51の操作パネルから任意に組み込む個別工程プログラムの他に、種々の処理条件を考慮して、複数の攪拌工程を実行させるための基本工程プログラムが予め組み込まれており、これらの工程プログラムの選択は、上記タッチパネルディスプレイ装置(操作盤)53の設定部51の操作パネルで所望のプログラム番号をタッチ指定することにより行われる。
【0117】
具体的な基本工程プログラムとしては、標準的な工程パターン、つまり、収納容器1、1、…の公転速度が攪拌工程の開始から完了まで所定の一定値になるように、上記公転部6の駆動モータ11が駆動制御される定速工程パターンと、収納容器1、1、…の公転速度が攪拌工程の初期から仕上期に向けて低速から高速に変更し、あるいは公転方向が変わるように、上記公転部6の駆動モータ11が駆動制御される変速工程パターンとが含まれている。
【0118】
また、後者の変速工程パターンとしては、例えば以下に列挙するようなパターンが好適に採用され得る。
【0119】
(a)収納容器1の公転速度が、攪拌工程の初期から仕上期に向けて段階的に低速から高速に変更するパターン
【0120】
(b)収納容器1の公転速度が、攪拌工程の初期から仕上期に向けて連続的に低速から高速に変更するパターン
【0121】
(c)攪拌工程の工程時間が回転テーブル10の動作時間の合計の2倍の時間に設定されて、上記(a)の工程パターンの攪拌工程の完了後、これに続く残りの動作時間が仕上期の高速と同じ高速で逆回転する逆転仕上期とされるパターン
【0122】
しかして、以上のように構成された粉体混合装置において、回転テーブル10上に自転可能に設けられた4つ(4槽)の収納容器保持部5、5、…の各容器受け34に、被混合粉体Pが充填収容された収納容器1がそれぞれ3つずつ(または1〜3個の任意の数だけ)嵌装保持されて、容器固定装置35により容器受け34とそれぞれ一体固定される。この状態で、上記タッチパネルディスプレイ装置53で所望の工程プログラムが選択された後、起動スイッチが起動操作されると、制御部8により、公転部6の駆動モータ11が自動制御されて、回転テーブル10が、選択された所定の工程パターンをもって回転駆動される。
【0123】
本実施形態においては、例えば、定速工程パターンが選択設定されて、各収納容器保持部5(収納容器1、1、1)の公転速度が攪拌工程の開始から完了まで所定の一定値(同一方向・同一速度)になるように制御される。
【0124】
すなわち、上記制御部8による公転部6の駆動モータ11の駆動により、上記回転テーブル10が水平回転するとともに、この回転テーブル10の回転に上記遊星歯車機構25が連動して、上記収納容器保持部5、5、…は、垂直な回転主軸15まわりに水平方向に上記公転速度をもって、つまり、攪拌工程の初期から仕上期までの全工程を通じて所定の一定速度(同一方向・同一速度)で公転される。
【0125】
これと同時に、各収納容器保持部5(収納容器1、1、1)は、上記公転運動に伴う遊星歯車機構25の遊星運動作用により、回転テーブル10の公転方向と逆方向にゆっくりした速度で自転され、回転主軸15に対して所定角度αだけ傾斜した状態で、回転支軸20にそれぞれ取付けられている各収納容器保持部5(収納容器1、1、1)の傾斜方向(軸線X(X1、X1、X1)の傾斜方向)が上記回転主軸15(の軸線X0)に対して変動する。
【0126】
この結果、各収納容器保持部5内の各収納容器1も、前述したように、その傾きをほぼ一方向に保ったまま、つまり、
図10(a)→
図10(b)→
図10(a)のように、ゆっくりと揺動しながら公転するため、各収納容器保持部5内の各収納容器1の傾斜方向(軸線X1の傾斜方向)は、上記収納容器1内の被混合粉体Pに与える遠心力の作用方向に対して変動することになり、これにより、各収納容器1内の被混合粉体Pに遠心力が方向を変えながら与えられて、各収納容器1内の被混合粉体Pが効率よく攪拌混合される。
【0127】
図11は、このような収納容器1の独自の自公転方式による公転運動と収納容器1の傾斜姿勢変化の組合せによって、収納容器1内の被混合粉体Pがどのように動くのかということを模式的に示した図である。
【0128】
以下、この時の被混合粉体Pの挙動について、11図(a)の平面模式図において、収納容器1が最も左側の位置にある時の回転主軸(公転軸)15に対する公転方向角度を0°として(R1地点)、さらに反時計方向へ90°移動した位置(R2地点)、180°移動した位置(R3地点)および270°移動した位置(R4地点)を例にとって説明する。
【0129】
(i)収納容器1が公転方向角度0°の位置(
図11(a)のR1地点)にある時、11図(b)の正面模式図において、収納容器1は、左側に位置するように、その上側が回転主軸15に向かって傾斜している。つまり、収納容器1の傾斜壁面αの公転半径は大きくなる一方、傾斜壁面βの公転半径は小さくなる。
【0130】
この時、収納容器1内の被混合粉体Pは、遠心力によって、公転半径の大きい側の傾斜壁面αに押し付けられるとともに、この傾斜壁面αに沿って下方へ移動する(
図11(a)のR1地点および
図11(b)の左側の実線で示された部分参照)。
【0131】
(ii)次に、収納容器1が90°反時計方向へ公転した位置(
図11(a)のR2地点)では、収納容器1は、遊星歯車機構25の作用により公転方向と反対方向へほぼ同じ速度で自転しているため、機外から見ると、収納容器1の傾斜方向はほぼ一定のままである。
【0132】
しかし、この収納容器1内の被混合粉体Pを平面視すると、
図11(a)のR2地点の実線で示されるように、被混合粉体Pは、遠心力の作用によって公転半径方向外方に向かい、これにより、収納容器1の上記傾斜壁面αとこの傾斜面αに対向する傾斜壁面βとの間位置へ移動する。
【0133】
(iii)収納容器1が180°反時計方向へ公転した位置(
図11(a)のR3地点)になると、収納容器1は、同様に遊星歯車機構25の作用により、機外から見て、その傾斜方向がほぼ一定のままであるから、11図(b)の正面模式図において、収納容器1は、右側に位置するように、その上側が回転主軸15と反対方向に傾斜することになる。
【0134】
つまり、収納容器1の傾斜壁面αの公転半径は小さくなる一方、傾斜壁面βの公転半径は大きくなり、傾斜壁面αから回転主軸15までの距離と傾斜壁面βから回転主軸15までの距離が入れ替わる。
【0135】
この時、収納容器1内の被混合粉体Pは、遠心力によって、公転半径の小さい側の傾斜壁面αから公転半径の大きい側の傾斜壁面βに移動して押し付けられるとともに、この傾斜壁面βに沿って上方へ移動する(
図11(a)のR3地点および
図11(b)の右側の実線で示された部分参照)。
【0136】
(iv)さらに、収納容器1が270°反時計方向へ公転した位置(
図11(a)のR4地点)では、収納容器1は、遊星歯車機構25の作用により公転方向と反対方向へほぼ同じ速度で自転しているため、機外から見ると、収納容器1の傾斜方向はほぼ一定のままである。
【0137】
しかし、収納容器1内の被混合粉体Pを平面視すると、11(a)のR4地点の実線で示されるように、被混合粉体Pは、遠心力の作用によって公転半径方向外方に向かい、これにより、収納容器1の上記傾斜壁面βとこの傾斜壁面βと傾斜壁面αに対向する上記傾斜壁面αとの間位置へ移動する。
【0138】
(v)収納容器1が360°反時計方向へ公転した位置になると、再び11(a)のR1地点に戻り、(i)の状態となる。
【0139】
以後、(i)〜(v)の動作が繰り返される。
【0140】
このように、遊星歯車機構25の自公転運動作用(遊星運動作用)で、公転による遠心力の作用効果と収納容器1の傾斜姿勢変化とにより、収納容器1内の被混合粉体Pは、収納容器1の傾斜壁面α、βに当たることで生まれる上下方向の動きと複合的に合わさり、これが何度も繰り返されることで、対流混合や、拡散混合せん断力など混合に必要な力が生まれ、被混合粉体Pの撹拌混合が進行する。
【0141】
換言すれば、傾斜した収納容器1が公転して、遠心力により収納容器1内の被混合粉体Pが収納容器1の傾斜壁面に押し付けられて、水平方向にせん断力および流動が発生し、同時に、傾斜した収納容器1が公転方向と反対方向にゆっくりと自転して、これにより、収納容器1の傾斜と遠心力が収納容器1内の被混合粉体Pを上下方向へ流動させて、これら上下および水平方向のせん断力と流動が組み合わさって、被混合粉体Pは分散・混合していく。また、被混合粉体Pの上下方向の分散は、比重や粒子径の異なった粉体でも分離することなく分散・混合が進行する。
【0142】
以上の制御部8による所定の攪拌工程が完了すると、各収納容器保持部5において、締付け固定部材40による容器受け34に対する収納容器1、1、1の固定状態が解除されて、収納容器1、1、1が容器受け34からそれぞれ取り外され、攪拌処理を完了した被混合粉体Pは各収納容器1に充填収容されたままで取り扱われ、新たに攪拌処理されるべき被混合粉体Pを充填収容された収納容器1、1、1が、再び上記容器受け34にそれぞれ位置決め嵌装されて、固定部材40により容器受け34に一体的に固定された状態で、新たな攪拌工程が実行される。以下、同様の工程が繰り返される。
【0143】
以上のように、本実施形態の粉体混合装置によれば、被混合粉体Pが密閉収納された収納容器1、1、…を傾斜状態で水平方向に公転させるとともに、この公転速度よりも減速された自転速度で自転させまたは自転停止させることにより、公転によって生じる遠心力と上記収納容器1、1、…の傾斜方向の公転軸に対する変化との協働作用で、収納容器1、1、…内の被混合粉体Pを撹拌混合する装置であって、上記収納容器1、1、…を傾斜した状態で取外し可能に固定保持する収納容器保持部5が、垂直な回転主軸(公転軸)15に対して平行な垂直状態で回転支持される回転支軸(自転軸)20に取り付けられ、この収納容器保持部5は、複数の収納容器1、1、…をそれぞれ上下方向へ取り外し可能に嵌装保持する容器受け34と、この容器受け34に保持された複数の収納容器1、1、…を一体で固定する容器固定装置(容器固定手段)35とを備えてなるから、以下に列挙されるような効果が有効に発揮されて、コンタミネーション対策が容易確実で、撹拌能力にすぐれ、少量多品種混合に適した構成を備える。
【0144】
(a)
コンタミネーション(異物混入)対策が容易確実である。
被混合粉体Pを密閉収納した収納容器1、1、…が傾斜状態で水平方向に公転するとともに、この公転速度よりも減速された自転速度で自転しまたは自転停止することにより、公転によって生じる遠心力と上記収納容器1、1、…の傾斜方向の回転主軸(公転軸)15に対する変化との協働作用で、収納容器1、1、…内の被混合粉体Pを撹拌混合する容器回転式粉体混合装置であるから、収納容器1、1、…内の被混合粉体Pに遠心力を与えて、この被混合粉体Pを撹拌混合する容器回転式粉体混合装置であるから、収納容器1、1、…を回転させる駆動構造が比較的簡単で、撹拌翼を高速回転させる駆動構造を備える撹拌翼式混合機に比べて、コンタミネーション(異物混入)を生じる可能性は低く、コンタミネーション対策が容易確実である。
【0145】
特に、上記収納容器1、1、…が収納容器保持部5に取外し可能に固定保持される構造であることにより、被混合粉体Pの交換に際しては、収納容器1、1、…ごとそのまま交換すれば良く、収納容器内に撹拌翼が設けられる撹拌翼式混合装置では必須の収納容器洗浄を含めた装置洗浄作業が不要である。
【0146】
換言すれば、被混合粉体1、1、…の交換は、収納容器1、1、…ごと交換するだけで良く、したがって、常に新しい収納容器1、1、…が使用できるため、コンタミネーション対策のための作業時間が大幅に短縮ないしはまったく不要となり、大幅な作業効率の向上が望め、延いては、被混合粉体を原料とする製品開発期間の大幅な短縮にも繋がる。
【0147】
また、上記収納容器1、1、…に対する被混合粉体Pの取入れ取出し作業が機外で行えて容易であるとともに、収納容器1、1、…自体の洗浄作業も容易であり、延いては収納容器保持部5の周辺のクリーニング等が不要となるなど、装置のメンテナンスも容易である。
【0148】
(b)
低速低温混合が可能である。
被混合粉体Pを撹拌混合する方式が上記のような容器回転式であることにより、撹拌翼を高速回転させる駆動構造を備える撹拌翼式に比べて低速低温混合が可能である。
【0149】
したがって、対象となる被混合粉体Pによっては、撹拌中に発生する摩擦熱によって被混合粉体Pの性質が変化してしまうなど熱影響による様々な問題が懸念される場合もあるところ、本実施形態の容器回転式混合装置においては、独自の自公転方式による公転運動と揺動運動の組合せによって、せん断力や流動など混合に必要な要素が得られ、被混合粉体の短時間かつ低温域での分散・混合が可能となり、その結果、撹拌により発生する摩擦熱により被混合粉体Pの性質が変化してしまうような被混合粉体Pの撹拌・混合処理にも適用可能である。
【0150】
(c)
撹拌混合能力に優れる。
被混合粉体Pを密閉収納した収納容器1、1、…が傾斜状態で水平方向に公転するとともに、この公転速度よりも減速された自転速度で自転しまたは自転停止することにより、公転によって生じる遠心力と上記収納容器1、1、…の傾斜方向の回転主軸(公転軸)15に対する変化との協働作用で、収納容器1、1、…内の被混合粉体Pを撹拌混合する容器回転式粉体混合装置であるから、公転によって生み出された遠心力と収納容器1、1、…の自転作用による容器傾斜壁面の変化が組み合わされることにより粉体混合が進行することになり、換言すれば、収納容器1、1、…の傾斜と自転の組合せによる揺動運動が、収納容器1、1、…内で被混合粉体Pに上下にせん断力を加えて流動させることになり、これによって、比重や粒子径の異なった被混合粉体Pを短時間で効率よくかつ均質に撹拌混合することができる(短時間均質混合)。
【0151】
(d)
少量多品種混合に適する。
収納容器保持部5に、被混合粉体Pを密閉収納した複数の収納容器1、1、…が上下方向へ取り外し可能に固定保持される構造を備えることにより、量産ではなく少量の粉体混合に適しており、例えば、研究室(ラボ)での研究開発や実験室での試作段階において、各種粉体の配合条件を変えていくつも試料を作製する場合など、少量多品種混合に最適である。
【0152】
(e)
市販容器や保存容器などの既存の各種容器が収納容器として使用可能である。
上記収納容器保持部5の容器受け34の内部に、収納容器1、1、…を位置決め保持する複数の位置決め保持部37、37、…を備える容器アダプタ36が取外し交換可能に設けられ、上記複数の位置決め保持部37、37、…が、上記収納容器1、1、…の外周面に沿った内周形状寸法を有する保持ポケットの形態とされていることにより、任意の形状寸法の保持ポケットを備えた容器アダプタ36を選択的に使用することにより、各種任意の形状寸法の収納容器1、1、…を装着使用可能である。
【0153】
したがって、本実施形態に標準装備される収納容器1A、1A、…の他に、一般市販の容器(被混合粉体の販売時に充填使用される容器を含む。)や保存容器などの既存の各種容器が本実施形態の収納容器1、1、…として使用可能であり、汎用性に富む。
【0154】
実施形態2
本実施形態は
図13に示されており、実施形態1における収納容器保持部5の構成が改変されたものである。
【0155】
すなわち、実施形態1の収納容器保持部5においては3つの収納容器1、1、1を取外し可能に固定保持する構造を備えているのに対して、本実施形態の収納容器保持部5は、5つの収納容器1、1、…を取外し可能に固定保持する構造を備えてなる。
【0156】
具体的には、上記収納容器保持部5を構成する容器受け34、容器固定装置35および容器アダプタ36が5つの収納容器1、1、…を収容保持し得る構造とされている。
【0157】
上記容器受け34は、5つの上記収納容器1、1、…(図示のものにおいては標準収納容器1A、1A、…)をそれぞれ上下方向へ着脱可能な容器収容空間を有する円筒状の容器保持槽の形態とされている。
【0158】
また、容器受け34の内部に取外し交換可能に設けられる容器アダプタ36は、上記収納容器1、1、…を位置決め保持する5つの位置決め保持部37、37、…を備える。
【0159】
この位置決め保持部37は、実施形態1の場合と同様に、上記収納容器1Aの円筒外周面に沿った内周形状寸法を有する保持ポケットの形態とされ、
図13(b)に示すように、上記容器アダプタ36に周方向へ等間隔をもって5つ配置形成されてなる(5等配)。
【0160】
図示される標準収納容器1A用の容器アダプタ36の他に、
図9に例示されるような一般市販の各種容器1B〜1Fに対応した位置決め保持部37、37、…を備える容器アダプタ36(図示省略)を予めまたは随時準備することにより、容器受け34の容量が許す範囲内で、どのような容器でも適宜の個数を収納容器1として使用可能である点は実施形態1で説明したとおりである。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0161】
実施形態3
本実施形態は
図14および
図15に示されており、実施形態2と同様、実施形態1における収納容器保持部5の構成が改変されたものである。
【0162】
すなわち、本実施形態の収納容器保持部5は、
図9および
図15に示される容器1Fを収納容器1として3つ取外し可能に固定保持する構造を備えてなる。
【0163】
図5に示される容器1Fは、平面輪郭形状が正方形または矩形を有する立方体形状あるいは直方体形状の容器である。
【0164】
具体的には、上記収納容器保持部5を構成する容器受け34、容器固定装置35および容器アダプタ36が上記立方体形状または直方体形状の収納容器1Fを3つ収容保持し得る構造とされている。
【0165】
上記容器受け34は、3つの上記収納容器1F、1F、1Fをそれぞれ上下方向へ着脱可能な容器収容空間を有する円筒状の容器保持槽の形態とされている。
【0166】
また、容器受け34の内部に取外し交換可能に設けられる容器アダプタ36は、上記収納容器1F、1F、1Fを位置決め保持する3つの位置決め保持部37、37、37を備える。
【0167】
この位置決め保持部37は、上記収納容器1Fの正方形または矩形輪郭形状の外周面に沿った内周形状寸法を有する保持ポケットの形態とされ、
図14(b)に示すように、上記容器アダプタ36に周方向へ等間隔をもって3つ配置形成されてなる(3等配)。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0168】
実施形態4
本実施形態は
図16および
図17に示されており、実施形態1における自転部7の構成が改変されたものである。
【0169】
すなわち、本実施形態の自転部7を構成する遊星運動機構125は、具体的には遊星ベルト機構の形態とされ、この遊星ベルト機構125により、上記回転テーブル10つまり回転主軸15と4つの回転支軸20、20、…は、単一の回転駆動源である上記駆動モータ11に駆動連結されている。
【0170】
この遊星ベルト機構125は、
図16および
図17に示すように、上記回転主軸15と同心状にかつ静止状に設けられた太陽プーリ60と、2つの回転支軸20、20にそれぞれ同心状にかつ一体的に設けられた2つの遊星プーリ61、61と、これら太陽プーリ60および遊星プーリ61、61を駆動連結する伝動ベルト62とを備えてなる。
【0171】
具体的には、上記太陽プーリ60および遊星プーリ61、61は所定の歯数比を有する歯付きプーリの形態とされるとともに、上記伝動ベルト62は上記歯付きプーリ60、61、61に噛合する歯付きベルトの形態とされている。
【0172】
図示の実施形態においては、2組の遊星ベルト機構125、125が採用されており、各遊星ベルト機構125が、2つの回転支軸20、20つまり収納容器1、1に駆動連結されている。2つの遊星ベルト機構125、125の採用により、1つの回転主軸15に2つの太陽プーリ60、60が設けられることから、両太陽プーリ60、60さらには遊星ベルト機構125、125が互いに動作干渉しないように、
図16に示すように、回転主軸15に軸方向へ二つの太陽プーリ60、60がずらせて支持されており、これにより、2つの遊星ベルト機構125、125が上下2層状に配置構成されている。ちなみに、図示の実施形態の太陽プーリ60、60は図示のごとく一体形成されてなる単体部品とされて、組込み構造の簡素化が図られている。
【0173】
そして、回転主軸15の回転により、回転テーブル10が一体的に水平回転すると、この回転テーブル10上に配置支持された4つの収納容器保持部5、5、…は、上記回転主軸15まわりに所定の速度をもって水平に公転
運動されるとともに、この公転運動に伴う上記遊星ベルト機構125、125の上記歯数比による遊星運動作用により、上記回転テーブル10の公転方向に対して正逆いずれかの方向に所定の速度をもって自転されまたは自転停止状態とされ、上記収納容器保持部5(収納容器1、1、…)の傾斜α方向が上記回転主軸15に対して変動することとなる。
【0174】
より具体的には、実施形態1と同様に、
図3を参照して、回転テーブル10の回転(矢符A方向)により、この回転テーブル10上に配置支持された4つの収納容器保持部5、5、…も回動(公転)するところ、これら収納容器保持部5、5、…の回転支軸20、20、…には、上記遊星ベルト機構125の遊星プーリ61がそれぞれ取付け固定されている。
【0175】
この遊星ベルト機構125において、太陽プーリ60は上述のごとく静止固定されているから、これら両プーリ60、61に噛合連結された伝動ベルト62を介して、上記遊星プーリ61は太陽プーリ60のまわりをA方向へ公転しながら、この公転速度よりも減速された自転速度をもって公転方向Aと逆方向へ自転されることになる。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0176】
続いて、本発明の粉体混合装置の粉体混合特性について、従来の粉体混合装置と比較して行った試験結果について説明する。
【0177】
この特性試験は、一般社団法人日本粉体工業技術協会(APPIE)が策定した明度測定による粉体混合装置の混合特性評価方法により行った。
【0178】
具体的には、本発明装置として実施形態1の粉体混合装置を使用し、試料(被混合粉体)Pとして、色調および粒子径の異なる2種類の粉体、具体的には、白色粉体である炭酸カルシウムと赤色顔料である酸化鉄(ベンガラ)を重量比95:5、の割合で標準収納容器1Aに密閉充填し、この標準収納容器1を本発明装置の収納容器保持部5の容器受け34にセットして撹拌混合し、この時の時間毎の試料Pの明度を測定することで、試料Pの混合・分散に対する相対的な指標(混合到達度)により混合特性を評価した。
【0179】
この場合の評価指標としての混合到達度というのは、試料Pが完全分散状態にどの程度到達しているかを表す指標で、明度の測定値を基に計算で求め、1に近づくほど完全分散状態となっていることを示す。
図18に、試料Pの明度の測定値と、評価指標として完全混合時の値を1とする混合到達度の計算結果とが示されている。
【0180】
本粉体混合特性試験結果が
図19に示されている。
図19は、混合到達度を用いて本発明装置(実施形態1の装置)と従来の各種混合装置(撹拌式混合装置I〜IIIおよび容器回転式混合装置I〜IV)との比較結果を示しており、この図から明らかなように、従来の容器回転式混合装置I〜IVでは、いずれも混合到達度が0.8になるまでに12時間程度かかっているのに対し、本発明装置では10分以内で到達している。
【0181】
換言すれば、本発明装置は、容器回転式混合装置でありながら混合処理時間は従来の従来の容器回転式混合装置I〜IVよりも短時間で混合でき、収納容器内に羽根があり高速に回転することで混合を行う従来の撹拌翼式混合装置I〜IIIと同程度の混合処理時間で混合が可能となっていることが判明した。
【0182】
なお、上述した実施形態1〜4はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0183】
例えば、実施形態1において、容器固定装置35の締付け固定部材40と容器受け34との螺合構造は、締付け固定部材40の雄ねじ部40bが容器受け34の雌ねじ部40aに螺合する構造とされているが、これと逆の構造、つまり具体的には図示しないが、締付け固定部材40が内周雌ねじ部を有し、この内周雌ねじ部が容器受け34の上端外周に設けられた雄ねじ部に螺進退可能に螺合する構造も採用可能である。
【0184】
例えば、収納容器保持部5の具体的構造は、上述した実施例1〜3のものに限定されず、同様な機能を有する他の構造も採用可能である。
【0185】
また、収納容器1、1、…の公転速度が攪拌工程の初期から仕上期に向けて低速から高速に変更するように上記公転手段2の駆動モータ11が駆動制御される変速工程パターンとしては、実施形態1において例示した工程パターン(a)〜(c)のほか、同様な効果を発揮し得る範囲で、種々の工程パターンが適宜採用され得る。