(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
着座者の荷重によって前記座部および前記背凭れ部が受ける力と、前記付勢部材の付勢力とがバランスすることにより、前記座部が、前記基準位置から離間したバランス位置に位置付けられるように構成されることを特徴とする請求項1記載のリクライニング椅子。
前記規制部が、前記座部または前記台部に設けられる係合凸部と、前記台部または前記座部に設けられ、前記台部に対する前記座部の上方向への移動を規制するように前記係合凸部と係合可能な被係合凹部とを備えていることを特徴とする請求項3記載のリクライニング椅子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のリクライニング椅子では、背凭れの両側外方に突出して設けられた回転軸がそれぞれ、ベースフレームの両側に設けられた長方形の長孔に挿通され、回転軸が長孔内でその移動が制限されながら、背凭れが傾動する。したがって、背凭れの傾動は、前側および後側のいずれの方向においても、座席の前後動と連動する。特に、背凭れが前側に傾動する場合は、座席の後側への移動が制限されているために、背凭れの前側への傾動は大きく制限される。
【0005】
たとえば旅館などにおいてこのようなリクライング椅子を使用する場合には、客室の数に応じてなど多数保有する必要があるが、それと同時に、多数のリクライニング椅子を不使用時に限られた空間内に収納する必要が生じる。ところが、このリクライニング椅子は、背凭れの前側への傾動が大きく制限されるので、たとえば、背凭れの上方に突出した部分が収納スペースを占有し、また、背凭れの上方に突出した部分が邪魔でリクライニング椅子を互いに積み重ねることも容易ではないので、収納スペースを大きく占有することになる。さらに、リクライニング椅子を運送するために運送トラックなどに積載して収納する際にも同じような問題が生じ、一度に運送トラックに積載して収納できる数が少なくなるので、リクライニング椅子1つあたりの運送費の高騰をもたらすことになる。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、従来技術と比べて、背凭れ部の前側への傾動の制限を緩和し、収納性に優れたリクライニング椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のリクライニング椅子は、台部と、前記台部の前後方向に摺動可能に設けられた座部と、前記座部に傾動可能に連結された背凭れ部とを備え、前記座部の摺動と前記背凭れ部の傾動とが連動するように構成されたリクライニング椅子であって、前記背凭れ部の後面が、前記台部に設置された固定軸に当接し、前記固定軸に対して移動することにより、前記背凭れ部が傾動し、前記背凭れ部の後面が前記固定軸から離間可能であることを特徴とする。
【0008】
また、前記座部が所定の基準位置から移動した際に前記基準位置に戻るように前記座部を付勢する付勢部材をさらに備えることが好ましい。
【0009】
また、着座者の荷重によって前記座部および前記背凭れ部が受ける力と、前記付勢部材の付勢力とがバランスすることにより、前記座部が、前記基準位置から離間したバランス位置に位置付けられるように構成されることが好ましい。
【0010】
また、前記台部に対する前記座部の上方向への移動を規制する規制部を備えることが好ましい。
【0011】
また、前記規制部が、前記座部または前記台部に設けられる係合凸部と、前記台部または前記座部に設けられ、前記台部に対する前記座部の上方向への移動を規制するように前記係合凸部と係合可能な被係合凹部とを備えていることが好ましい。
【0012】
また、前記係合凸部が、前記台部に前記座部が設けられた状態で、前記座部または前記台部に対して着脱自在に構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来技術と比べて、背凭れ部の前側への傾動の制限を緩和し、収納性に優れたリクライニング椅子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の3つの実施形態(第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態)に係るリクライニング椅子1、10、20を説明する。ただし、本発明のリクライニング椅子は、以下の3つの実施形態に限定されることはない。以下の説明の中において、特に断らない限り、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」との方向を示す用語は、リクライニング椅子に着座した状態の着座者から見た方向を示すものである。具体的には、着座者から見た前方を「前」、後方を「後」、左方を「左」、右方を「右」、鉛直方向上方を「上」、鉛直方向下方を「下」と称する。また、「前後方向」、「上下方向」および「左右方向」の用語はそれぞれ、対象部材の前後を結ぶ方向、上下を結ぶ方向、左右を結ぶ方向を意味し、厳密な意味で水平方向や鉛直方向に限定するものではなく、水平方向や鉛直方向から傾斜した方向も含むことが意図される。
【0016】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るリクライニング椅子1は、
図1に示されるように、台部2と、台部2の前後方向に摺動可能に設けられた座部3と、座部3に傾動可能に連結された背凭れ部4とを備えている。リクライニング椅子1は、座部3の摺動と背凭れ部4の傾動とが連動するように構成されている。
【0017】
台部2は、座部3を摺動可能に支持し、背凭れ部4を傾動可能に支持する部位である。台部2は、
図1に示されるように、座部3を摺動可能に支持する座部支持部21と、背凭れ部4を傾動可能に支持する固定軸22とを備えている。座部支持部21および固定軸22は、上下方向に延びて立設する支持脚23、24に取り付けられる。台部2はさらに、支持脚23、24の上端に固定され、着座者が肘を置くための肘掛25を備えている。ただし、台部2は、座部3を摺動可能に支持し、背凭れ部4を傾動可能に支持することができれば、本実施形態に限定されることはなく、たとえば肘掛25を有していなくてもよいし、支持脚23、24が上下方向から傾斜していてもよい。また、台部2は、座部3を摺動可能に支持し、背凭れ部4を傾動可能に支持する強度を有していれば、その材質は特に限定されることはなく、木材、樹脂、金属などの任意の材料を材質として採用することができる。
【0018】
座部支持部21は、座部3を支持するとともに、座部3の前後方向の摺動を案内するように構成されている。座部支持部21は、
図1および
図2に示されるように、座部3の下面に摺接して座部3の下方への移動を規制する下方摺接部21aと、座部3の左右両側面に摺接して座部3の左右両側への移動を規制する一対の側方摺接部21b、21bとを備えている。座部3は、下方摺接部21aによって下方向への移動が規制され、側方摺接部21bによって左右方向への移動が規制されて、座部支持部21に対して前後方向への摺動が案内される。本実施形態では、下方摺接部21aは、左右方向に延びる略板状の部材であり、一対の側方摺接部21b、21bはそれぞれ、前後方向に延びる略直方形状の部材である。下方摺接部21aおよび一対の側方摺接部21b、21bは、下方摺接部21aの延在方向の両端に一対の側方摺接部21b、21bの側面が固定されて、互いに接続される。下方摺接部21aおよび一対の側方摺接部21b、21bは、互いに接続されることにより、座部3を摺動可能に収容する空間を確定する。座部支持部21は、側方摺接部21b、21bの前端が前側支持脚23、23に固定され、側方摺接部21b、21bの後端が後側支持脚24、24に固定されることで、台部2に取り付けられる。
【0019】
座部支持部21は、本実施形態では、
図2に示されるように、後側よりも前側の方が上側に位置するように傾斜している。それによって、座部支持部21に支持される座部3も同様に、後側よりも前側の方が上側に位置するように傾斜し、その傾斜方向に沿って摺動する。したがって、着座者は、リクライニング椅子1に着座した際に重心が後側に移動するので、リクライニング椅子1の後側に引き寄せられるように安定して着座することができる。その傾斜角度は、特に限定されることはないが、水平に対して0〜10°の範囲で適宜決定することができる。たとえば、2〜8°の範囲が好ましく、4〜6°の範囲がさらに好ましい。一方、後述する付勢部材5が設けられない場合は、むしろ傾斜を設けずに水平で、傾斜角度が0°であることが好ましい。傾斜角度が0°であることによって、座部3を元の位置に容易に戻すことができる。
【0020】
固定軸22は、背凭れ部4が傾動する際の支点となって、背凭れ部4を支持するように構成されている。固定軸22は、
図1に示されるように、その設置位置が台部2に対して固定されるように、一対の後側支持脚24、24の間に設置される。固定軸22は、略円柱状に形成され、左右方向に亘って略水平に延びるように、軸方向の両端が一対の後側支持脚24、24に固定される。固定軸22は、背凭れ部4の後側への傾動の際に固定軸22に対して背凭れ部4の後面4aが接触または摺接し、背凭れ部4の前側への傾動の際に固定軸22から背凭れ部4の後面4aが離間するように、背凭れ部4より後側に設けられている。固定軸22は、背凭れ部4より後側に設けられていれば、設けられる上下方向の位置は特に限定されることはない。たとえば、固定軸22は、着座者による荷重によって背凭れ部4が後側に傾動しやすいように、背凭れ部4の上下方向の中心よりも下側の後面4aの位置が固定軸22と接触または摺接するように位置付けられる。また、固定軸22は、たとえば上下方向に沿って台部2に複数設けられた設置位置に対して着脱自在に構成されるなどして、高さ位置が調節できるように台部2に設置されてもよい。そうすることによって、背凭れ部4に対する支点の位置を変えて、背凭れ部4の傾動に要する力を調節することができるので、着座者の身長や体重に合わせて背凭れ部4の傾動のし易さを調節することができる。
【0021】
固定軸22は、その設置位置が台部2に対して固定されていればよく、軸周り回転不能または軸周り回転可能のいずれで固定されていてもよい。また、固定軸22は、本実施形態では略円柱状に形成されているが、背凭れ部4の傾動に応じて軸周りで回転可能であれば、略角柱状など他の形状に形成されてもよい。また、固定軸22は、背凭れ部4を支持できる強度を有していれば、その材質は特に限定されることはなく、金属、木材、樹脂などの任意の材料を材質として採用することができる。
【0022】
座部3は、リクライニング椅子1に着座する際に着座者が座る部位である。座部3は、
図1および
図2に示されるように、台部2の座部支持部21に対して前後方向に摺動可能に設けられる。より具体的には、座部3は、下面が座部支持部21の下方摺接部21aに摺接し、側面が座部支持部21の一対の側方摺接部21b、21bに摺接するように、下方摺接部21aおよび一対の側方摺接部21b、21bにより画定される空間に設けられる。座部3は、全体として前後左右方向に伸張する(上面視で)略矩形状に形成され、その後端が背凭れ部4の下端にヒンジ接続される。座部3は、本実施形態では蝶番7を介して背凭れ部4にヒンジ接続されるが、背凭れ部4が傾動可能に接続されれば、蝶番に限定されることはなく、公知のリンク機構を介して接続されてもよい。また、座部3と背凭れ部4とが接続される位置も、特に限定されることはない。
【0023】
座部3は、
図1および
図2に示されるように、前後に延び、座部支持部21の下方摺接部21aに摺接する一対の座部摺接部31、31と、左右に延び、座部支持部21の下方摺接部21aから離間する複数の中央連結部32とを備えている。一対の座部摺接部31、31および複数の中央連結部32は、複数の中央連結部32の延在方向の両端に座部摺接部31、31の内側の側面が固定されて、互いに接続される。ただし、座部3は、着座者が座ることができ、台部2に対して前後方向に摺動可能に設けることができれば、その形状は限定されることはない。また、座部3は、着座者による荷重を支持できる強度を有していれば、その材質は特に限定されることはなく、木材、樹脂、金属などの任意の材料を材質として採用することができる。
【0024】
背凭れ部4は、リクライニング椅子1に着座する際に着座者の背中を含む背面が凭れ掛かる部位である。背凭れ部4は、
図1および
図2に示されるように、全体として上下方向に延びる(前面視で)略矩形状に形成され、その下端が座部3の後端に傾動可能にヒンジ接続される。背凭れ部4は、
図2および
図4に示されるように、背凭れ部4の後面4aが、台部2に設置された固定軸22に当接し、固定軸22に対して移動することにより、背凭れ部4が傾動するように構成される。たとえば、背凭れ部4の後面4aは、固定軸22が台部2に対して軸周り回転不能に固定されている場合、固定軸22上を摺動し、固定軸22が台部2に対して軸周り回転可能に固定されている場合、固定軸22を軸周り回転させながら、固定軸22上を移動する。また、背凭れ部4は、
図5に示されるように、背凭れ部4の後面4aが固定軸22から離間可能であるように構成される。より具体的には、背凭れ部4は、背凭れ部4の後側への傾動の際に(
図2の状態から
図4の状態へ変化する際に)固定軸22に対して背凭れ部4の後面4aが接触または摺接し、背凭れ部4の前側への傾動の際に(
図2の状態から
図5の状態へ変化する際に)固定軸22から背凭れ部4の後面4aが離間するように構成されている。背凭れ部4は、前側への傾動が固定軸22によって制限されることがないので、たとえば、
図5に示されるように、座部3と略平行な位置まで折り畳むことができる。リクライニング椅子1は、従来技術と比べて、背凭れ部4の前側への傾動の制限が緩和され、背凭れ部4を前側に折り畳むことができるので、収納性が向上する。
【0025】
背凭れ部4は、
図1および
図2に示されるように、着座者の腰から背中にかけて凭れ掛かる下側背凭れ部41と、着座者の背中から後頭部にかけて凭れ掛かる上側背凭れ部42とを有している。上側背凭れ部42は、下側背凭れ部41の延びる方向に対して前側に傾斜して延びている。したがって、背凭れ部4が後側に傾動しても、着座者は、顔が正面に近い方向を向くので、正面にあるテレビや対話者などと向き合うことができる。ただし、背凭れ部4は、着座者の背面が凭れ掛かることができ、固定軸22に後面4aが当接して傾動することができれば、その形状は限定されることはない。また、背凭れ部4は、着座者による荷重を支持できる強度を有していれば、その材質は特に限定されることはなく、木材、樹脂、金属などの任意の材料を材質として採用することができる。
【0026】
リクライニング椅子1は、座部3が所定の基準位置から移動した際に基準位置に戻るように座部3を付勢する付勢部材5をさらに備えている。ここで、所定の基準位置とは、外部から負荷が加えられていない状態で平衡を保つように予め定められた座部3の位置のことである。本実施形態では、所定の基準位置とは、リクライニング椅子1に着座者が着座しておらず、着座者による荷重が付加されていない状態の座部3の位置(
図2の位置)のことである。着座者がリクライニング椅子1に着座して、背凭れ部4に荷重を加えると背凭れ部4が後側に傾動し、それに連動して座部3が前側に摺動するが(
図4の位置)、付勢部材5は、座部3が基準位置に戻るように座部3を後側に付勢する。したがって、リクライニング椅子1は、着座者の荷重によって座部3および背凭れ部4が受ける力と、付勢部材5の付勢力とがバランスすることにより、座部3が、基準位置(
図2の位置)から離間したバランス位置(
図4の位置)に位置付けられるように構成される。リクライニング椅子1は、座部3を特定の位置でロックするためのロック機構を設けなくても、座部3をバランス位置に位置付けることができるので、ロック機構を省略して軽量化を図ることができる。さらに、リクライニング椅子1は、ロック機構により座部がロックされることがないので、着座者が姿勢を動かすことによって座部3および背凭れ部4にかかる負荷が変わって、座部3および背凭れ部4がバランス位置を中心に揺動するので、着座者が「ゆりかご」に乗っているような感覚で快適に着座することができる。ただし、リクライニング椅子1は、付勢部材5を有さずに、座部3を特定の位置でロックするためのロック機構を有していても構わない。
【0027】
付勢部材5としては、本実施形態では、
図1および
図2に示されるように、4つの公知の引張りコイルばねが用いられる。引張りコイルばね5の一端は、台部2に固定され、引張りコイルばね5の他端は、座部3に固定される。引張りコイルばね5は、座部3が所定の基準位置から台部2に対して前側に摺動すると(
図2の状態から
図4の状態に変化すると)、初期の長さから伸長されることで付勢力が蓄積されて、所定の基準位置に戻るように台部2に対して座部3を後側に付勢する。
【0028】
図1および
図2に示されるように、引張りコイルばね5の一端は、ボルトなどの公知の固定手段Bにより座部支持部21の下方摺接部21aの下面に固定され、引張りコイルばね5の他端は、座部3の下面に設けられたフックなどの公知の係止手段Fにより、座部3の中央連結部32の下面に取り外し可能に固定される。引張りコイルばね5の他端が係止手段Fにより係止するだけで座部3の中央連結部32の下面に固定することができるので、リクライニング椅子1の組み立ての際に容易に引張りコイルばね5を取り付けることができる。さらに、引張りコイルばね5の他端が取り外し可能なので、後述する第2実施形態のリクライニング椅子10のように、座部3を台部2から取り外す際に容易に取り外すことができる。ただし、引張りコイルばね5は、一端が係止手段Fにより取り外し可能に固定され、他端が固定手段Bにより固定されてもよく、また、一端および他端の両方が、係止手段Fにより取り外し可能に固定されるか、または固定手段Bにより固定されても構わない。また、付勢部材5は、座部3が所定の基準位置から移動した際に基準位置に戻るように座部3を付勢することができればよく、圧縮コイルばねなど他の付勢部材を用いてもよいし、接続される位置も上述した位置とは異なる位置であってもよく、その数も3つ以下や5つ以上であってもよい。
【0029】
リクライニング椅子1は、
図3に示されるように、台部2に対する座部3の上方向への移動を規制する規制部6を備えている。リクライニング椅子1は、座部3の上方向への移動を規制する規制部6を備えることにより、座部3の浮き上がりが抑制され、着座者が安定して着座することができる。ただし、リクライニング椅子1は、以下の第3実施形態に関連して説明するように、必ずしも規制部6を備えていなくてもよく、座部3および背凭れ部4の自重や着座者による荷重によって座部3の上方向への移動を規制することも可能である。
【0030】
規制部6は、本実施形態では、
図3に示されるように、座部3に設けられる係合凸部61と、台部2に設けられ、台部2に対する座部3の上方向への移動を規制するように係合凸部61と係合可能な被係合凹部62とを備えている。ここで、座部3には、
図1に示されるように、座部3の左右方向に亘って略水平に延びる(台部2に対して可動の)可動軸33が設けられている。係合凸部61は、この可動軸33が座部3の左右方向の側面から突出した部分として形成される。一方、被係合凹部62は、台部2の座部支持部21の側方摺接部21bの内側において、側方摺接部21bの前後方向に沿って延びる凹部として形成される。係合凸部61は、被係合凹部62の延びる方向に沿って、被係合凹部62内を摺動することができるように構成されている。係合凸部61は、被係合凹部62の上側の壁と係合することにより、台部2に対する座部3の上方向への移動を規制する。係合凸部61はさらに、被係合凹部62の下側の壁とも係合することにより、台部2に対する座部3の下方向への移動も規制する。したがって、本実施形態では、係合凸部61および被係合凹部62は、台部2に対する座部3の上下両方向の移動を規制して、座部3の前後方向の摺動を案内する。さらに、本実施形態では、被係合凹部62は、前側および後側の両方に、係合凸部61が係合可能な壁を有し、係合凸部61、ひいては座部3が所定の位置よりも前側および後側に移動することを規制するように構成されている。ただし、係合凸部61と被係合凹部62とは、台部2に対する座部3の上方向への移動を規制するように互いに係合することができればよく、たとえば被係合凹部62の前側や後側、下側の壁が設けられていなくてもよい。また、係合凸部61および被係合凹部62の設けられる位置も特に限定されることはなく、係合凸部61が、台部2に設けられ、被係合凹部62が座部3に設けられていても同じ目的が達成される。
【0031】
係合凸部61は、本実施形態では、被係合凹部62から抜出不能に構成されている。しかし、被係合凹部62に、座部支持部21の外部から、係合凸部61と被係合凹部62とが係合する位置まで、係合凸部61が移動可能な通路を接続することで、係合凸部61が設けられた座部3を座部支持部21に取外し可能に設けることができるように、係合凸部61を被係合凹部62から抜出可能に構成してもよい。これにより、第2実施形態で詳述するように、背凭れ部4が連結された座部3が挿通可能な開口21cを座部支持部21に設けておけば、座部3および背凭れ部4を座部支持部21に対して容易に着脱することができる。リクライニング椅子1は、このように構成することにより、製造工程が簡略化するとともに、収納性がさらに向上する。
【0032】
係合凸部61は、本実施形態では、
図3に示されるように、座部3の左右方向に延びる略円柱状に形成されており、それによって被係合凹部62内での軸周り回転が許容される。したがって、座部3は、この係合凸部61(可動軸33)を中心として、台部2に対して回転可能に構成される。たとえば、
図2の所定の基準位置にある座部3は、係合凸部61(可動軸33)を中心として、後側に対して前側が上方に持ち上がるように(
図2中、反時計方向に)回転することができる。本実施形態のリクライニング椅子1では、座部3が回転するような負荷が座部3に加わるようなことがあった場合に、その負荷により座部3が回転する一方、回転される座部3は、付勢部材5によって基準位置に戻るように付勢される。そして、座部3は、両者の力がバランスしたバランス位置に位置付けられる。本実施形態のリクライニング椅子1では、座部3は、前後方向だけでなく回転方向に対しても、バランス位置に位置付けられるとともに、バランス位置を中心に揺動可能なので、着座者はより快適に着座することができる。
【0033】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係るリクライニング椅子10の分解斜視図を示す。
図6では、上述した第1実施形態に係るリクライニング椅子1と同一の構成要素に同じ符号が付されている。以下において、第2実施形態のリクライニング椅子10について、第1実施形態のリクライニング椅子1と共通する点(変形例も含む)については説明を省略し、第1実施形態のリクライニング椅子1との相違点を中心に説明する。
【0034】
第2実施形態のリクライニング椅子10では、台部2の座部支持部21は、座部3が挿通可能な開口21cを上側に有しており、背凭れ部4に連結された状態の座部3を、開口21cを通して上側から(
図6中の矢印を参照)座部支持部21に設置可能に構成されている。したがって、リクライニング椅子10は、製造に際して、座部3および背凭れ部4をそれぞれ別工程で座部支持部21に設ける必要がなく、座部3および背凭れ部4を座部支持部21に1工程で設けることができるので、製造工程を簡略化できる。
【0035】
また、第2実施形態のリクライニング椅子10では、第1実施形態のリクライニング椅子1で用いられる可動軸33のかわりに、座部3に対して取り外し可能に設けられる取外軸34が用いられる。取外軸34は、座部3に設けられた雌ネジ部35に螺合する雄ネジ部34aと、座部3に取り付けられた際に、座部3の左右方向の側面から突出する係合凸部61とを備えている。係合凸部61は、台部2に座部3が設けられた状態で、座部3に対して着脱自在に構成され、上述した第1実施形態における係合凸部と同様に機能する。第2実施形態のリクライニング椅子10では、背凭れ部4が連結された座部3を座部支持部21に設けた状態で係合凸部61を座部3に取り付けることができるので、リクライニング椅子10の組み立てが非常に容易である。さらに、背凭れ部4が連結された座部3を座部支持部21に設けた状態で係合凸部61を座部3から取り外すことができるので、台部2から座部3および背凭れ部4を容易に取り外すことができる。したがって、リクライニング椅子10の収納性が格段に向上する。なお、台部2に座部3が設けられた状態で、台部2に対して着脱自在に構成されて、被係合凹部62が座部3に設けられてもよい。
【0036】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係るリクライニング椅子20の分解斜視図を示す。
図7では、上述した第1および第2実施形態に係るリクライニング椅子1、10と同一の構成要素に同じ符号が付されている。以下において、第3実施形態のリクライニング椅子20について、第1および第2実施形態のリクライニング椅子1、10と共通する点(変形例も含む)については説明を省略し、第1および第2実施形態のリクライニング椅子1、10との相違点を中心に説明する。
【0037】
第3実施形態のリクライニング椅子20では、第1および第2実施形態に係るリクライニング椅子1、10とは異なり、台部2に対する座部3の上方向への移動を規制する規制部6が設けられていない。リクライニング椅子20は、座部3および背凭れ部4の自重、または、座部3および背凭れ部4の自重ならびに着座者による荷重によって、台部2に対する座部3の上方向への移動が規制または抑制されるように構成されている。そして、リクライニング椅子20は、背凭れ部4に連結された状態の座部3を、開口21cを通して上側から(
図7中の矢印を参照)座部支持部21に設置可能に構成されている。リクライニング椅子20は、背凭れ部4に連結された状態の座部3を台部2の上側から挿入して載置するだけで組み立てが完了するので、極めて容易に製造することができる。さらに、リクライニング椅子20は、座部3および背凭れ部4の自重に抗して、座部3および背凭れ部4を持ち上げるだけで、台部2から座部3および背凭れ部4を容易に取り外すことができるので、その収納性が格段に向上する。
【0038】
また、リクライニング椅子20の座部支持部21は、
図7に示されるように、座部3の下面に摺接して座部3の下方への移動を規制する一対の摺り桟21d、21dを備えている。本実施形態では、座部3は、一対の摺り桟21d、21dによって下方向への移動が規制され、一対の側方摺接部21b、21bによって左右方向への移動が規制されて、座部支持部21に対して前後方向への摺動が案内される。一対の摺り桟21d、21dのそれぞれは、前後方向に延びる略直方形状の部材であり、一対の側方摺接部21b、21bのそれぞれに対して略平行に固定されている。また、一対の摺り桟21d、21dのそれぞれは、その前後方向の長さが座部3の前後方向の長さよりも長くなるように形成されている。座部3は、前後方向に延びる摺り桟21d、21dによって下方から支持されながら摺動するので、より安定して摺動することができる。
【0039】
また、リクライニング椅子20の座部支持部21は、
図7に示されるように、座部3が所定位置以上に後側に摺動するのを規制する一対の後側摺動規制部21e、21eを備えている。一対の後側摺動規制部21e、21eのそれぞれは、座部支持部21の一対の摺り桟21d、21dのそれぞれの後端側の上面に、上方向に突出するように設けられている。一対の後側摺動規制部21e、21eのそれぞれは、座部3が後側に摺動した際に座部3(座部摺接部31、31)の後端が当接して、座部3をそれ以上後側に摺動させないように構成されている。また、座部3は、座部3が所定位置以上に前側に摺動するのを規制する前側摺動規制部36を備えている。前側摺動規制部36は、座部3(中央連結部32)の左右方向略中央で、座部3の後端側の下面に、下方向に突出するように設けられている。前側摺動規制部36は、座部3が前側に摺動した際に座部支持部21の下方摺接部21aの後端と当接して、座部3をそれ以上前側に摺動させないように構成されている。一対の後側摺動規制部21e、21eおよび前側摺動規制部36の設けられる位置は、座部3が所定の範囲内で前後方向に摺動できるように位置付けられていれば、特に限定されることはなく、座部3の要求される摺動範囲に応じて適宜設定することができる。