特許第6785057号(P6785057)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6785057
(24)【登録日】2020年10月28日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/10 20060101AFI20201109BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20201109BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20201109BHJP
【FI】
   H01L31/10 A
   H01L31/02 D
   G02B6/12
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-92400(P2016-92400)
(22)【出願日】2016年5月2日
(65)【公開番号】特開2017-201649(P2017-201649A)
(43)【公開日】2017年11月9日
【審査請求日】2018年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 達矢
【審査官】 山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−091354(JP,A)
【文献】 特表2010−536170(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/121926(WO,A1)
【文献】 特表2008−546181(JP,A)
【文献】 米国特許第07871854(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00−31/0392、31/08−31/119
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換機能を有する受光素子を備える、半導体装置であって、
第1開口部が形成された半導体層と、
前記半導体層上に形成されており、かつ、前記第1開口部と連通している第2開口部が形成された絶縁膜と、
前記第2開口部から露出する前記半導体層の表面に形成されており、前記絶縁膜の下面に接しており、かつ、第1導電型である第1半導体層と、
前記第2開口部の内側面である前記絶縁膜の側面と、前記絶縁膜の下面とに接しており、かつ、前記第1半導体層上に形成されたエピタキシャル層と、
前記絶縁膜の前記側面と接しており、かつ、前記エピタキシャル層上に形成され、かつ、前記第1導電型とは反対の導電型である第2導電型の第2半導体層と、
前記絶縁膜の前記側面と接しており、かつ、前記第2半導体層上に形成されたキャップ層と、
を有する、半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記半導体層は、光導波路層である、半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置において、
前記半導体層のバンドギャップは、前記エピタキシャル層と前記第2半導体層のいずれの層のバンドギャップよりも大きい、半導体装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記第2半導体層の高さは、前記絶縁膜の上面の高さよりも低い、半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記第1開口部の内壁面は、ラウンド形状を有している、半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記半導体層は、シリコン層から形成され、
前記エピタキシャル層は、第1ゲルマニウム層から形成され、
前記第2半導体層は、第2ゲルマニウム層から形成されている、半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置において、
前記受光素子は、前記受光素子の上方側から入射される光を受光可能に構成されている、半導体装置。
【請求項8】
(a)半導体層をパターニングする工程、
(b)パターニングした前記半導体層を覆う絶縁膜を形成する工程、
(c)前記半導体層に第1開口部を形成し、かつ、前記絶縁膜を貫通し、前記第1開口部に連通する第2開口部を形成する工程、
(d)前記第2開口部から露出する前記半導体層の表面に第1導電型の第1半導体層を形成する工程、
(e)前記第2開口部に露出している前記第1半導体層上にエピタキシャル層を形成する工程、
(f)前記エピタキシャル層上に第2導電型の第2半導体層を形成する工程、
(g)前記第2半導体層上にキャップ層を形成する工程、
を備え、
前記第1半導体層は、前記絶縁膜の下面と接しており、
前記エピタキシャル層は、前記第2開口部の内側面である前記絶縁膜の側面と、前記絶縁膜の下面とに接しており、
前記第2半導体層は、前記絶縁膜の前記側面と接しており、
前記キャップ層は、前記絶縁膜の前記側面と接している、半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程と、前記(f)工程と、前記(g)工程とは、連続したエピタキシャル成長法で実施される、半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程で形成される前記第1開口部の内壁面は、ラウンド形状を有する、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、例えば、光電変換機能を有する受光素子(受光器)を備える半導体装置およびその製造技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平10−290023号公報(特許文献1)には、N型エピタキシャル層に形成された溝の内部に、N型ゲルマニウム層と、ゲルマニウム単結晶層と、P型ゲルマニウム層と、P型シリコン層とを形成する技術が記載されている。
【0003】
非特許文献1には、シリコン基板上に埋め込み絶縁層を介して形成されたp型シリコン層と、p型シリコン層上に形成されたゲルマニウム層と、ゲルマニウム層上に形成されたn型シリコンゲルマニウム層(またはノンドープのシリコンゲルマニウム層)と、から構成されるpin型構造のGeフォトダイオードおよびショットキー型構造のGeフォトダイオードが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−290023号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】J. Fujikata, M. Noguchi, M. Miura, D. Okamoto, T. Horikawa, and Y. Arakawa, “High Performance Silicon Waveguide-Integrated PIN and Schottky Ge Photodiodes and their Link with Inverter-Type CMOS TIA Circuits” Extended Abstracts of the 2013 International Conference on Solid State Devices and Materials, Fukuoka, 2013, pp980-981
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シリコンフォトニクス技術においては、光回路と電子回路とを融合させるため、光電変換機能を有する受光素子が必要不可欠である。特に、シリコン層を光導波路層として使用するシリコンフォトニクス技術においては、例えば、受光素子として、シリコン層を伝わる光を吸収できるようにシリコンよりもバンドギャップの小さなゲルマニウムを利用したフォトダイオードが使用される。ところが、本発明者の検討から、ゲルマニウムを利用したフォトダイオードにおいては、製造コストを低減することと、光学特性の性能向上を図ることを両立することが難しいことが明らかにされている。つまり、シリコンフォトニクス技術で使用される受光素子においては、製造コストの低減と光学性能も向上とを両立する観点から、改善の余地が存在する。
【0007】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施の形態における半導体装置は、第1面と、第1面と交差する第2面とを有する絶縁膜を利用して、第1面に接する第1半導体層と、第1面および第2面の両方に接する真性半導体層と、第2面に接する第2半導体層とからなる積層構造を形成する。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態によれば、受光素子を含む半導体装置において、製造コストの低減と、受光素子の光学性能の向上とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】関連技術におけるGeフォトダイオードを含む半導体装置の模式的な構成を示す断面図である。
図2】製造コストの削減に着目した検討技術の模式的な構成を示す断面図である。
図3】実施の形態1におけるGeフォトダイオードの模式的な構成を示す平面図である。
図4図3のA−A線で切断した断面図である。
図5】実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図6図5に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図7図6に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図8図7に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図9】実施の形態2におけるGeフォトダイオードの構成を示す断面図である。
図10】実施の形態2における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図11図10に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図12図11に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図13】実施の形態3におけるGeフォトダイオードの構成を示す断面図である。
図14】実施の形態3における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図15図14に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図16図15に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図17】実施の形態4におけるGeフォトダイオードの構成を示す断面図である。
図18】実施の形態4における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図19図18に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図20】実施の形態5におけるGeフォトダイオードの構成を示す断面図である。
図21】実施の形態5における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図22図21に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0012】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0013】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0014】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0015】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0016】
(実施の形態1)
近年、シリコン(Si)を材料とした光信号用の伝送線路(光導波路)を基板に作製し、この光信号用の伝送線路により構成した光回路をプラットフォームとして、種々の光デバイスと電子デバイスとを集積することで、光通信用モジュールを実現する技術であるシリコンフォトニクス技術の開発が積極的に行われている。
【0017】
シリコンからなる基板上に形成された光導波路を基本とする光回路では、シリコンからなるコア層をシリコンよりも屈折率の小さな酸化シリコン層からなるクラッド層で覆う構造からなるシリコン導波路が主に用いられている。シリコンは電子回路において広く使用されている材料であり、シリコン導波路を使用することにより光回路と電子回路とを同一の基板上に作製することが可能となる。
【0018】
光回路と電子回路とを融合するためには、光信号を電気信号に変換するための受光素子(受光器)が必要不可欠となるが、シリコンフォトニクス技術で使用される受光素子には、シリコンよりもバンドギャップ(禁制帯幅)の小さいゲルマニウム(Ge)を利用した受光素子が検討されている。なぜなら、通信波長帯である1.6μm程度までの近赤外線を光電変換するためには、近赤外線のエネルギーよりもバンドギャップが小さいことが必要であるからである。さらに、ゲルマニウムは、シリコンとの親和性も高く、ゲルマニウムを利用した受光素子をシリコン導波路上にモノリシックに形成できる利点がある。
【0019】
そこで、本実施の形態1では、ゲルマニウムを利用したフォトダイオード(以下、Geフォトダイオードという)を受光素子に採用することを前提として、Geフォトダイオードにおける製造コストと光学性能の向上との両立を図ることができる工夫を施している。以下では、まず、関連技術を使用して、本発明者が新たに見出した改善の余地を説明し、その後、この改善の余地に対する工夫である本実施の形態1における技術的思想について説明することにする。
【0020】
<関連技術の説明>
本明細書でいう「関連技術」は、新規に発明者が見出した課題を有する技術であって、公知である従来技術ではないが、新規な技術的思想の前提技術(未公知技術)を意図して記載された技術である。
【0021】
図1は、関連技術におけるGeフォトダイオードを含む半導体装置の模式的な構成を示す断面図である。図1において、関連技術における半導体装置は、例えば、シリコン単結晶から形成された支持基板SUBと、支持基板SUB上に形成された埋め込み絶縁層BOXと、埋め込み絶縁層BOX上に形成されたシリコン層SLとからなるSOI(Silicon On Insulator)基板1Sを有している。そして、SOI基板1Sのシリコン層SLは、パターニングされており、このパターニングされたシリコン層SLが光導波路として機能する。
【0022】
図1に示す関連技術においては、このシリコン層SLと接するように受光素子であるGeフォトダイオードPDが形成されている。具体的に、GeフォトダイオードPDは、図1に示すように、シリコン層SL内に形成されたp型シリコン層PSLと、シリコン層SL上に形成された構造体とを有する。このとき、構造体は、p型シリコン層PSL上に形成されており、真性ゲルマニウム層IGLと、真性ゲルマニウム層IGL上に形成されたn型ゲルマニウム層NGLと、n型ゲルマニウム層NGL上に形成されたキャップ層CAPとから構成されている。これにより、GeフォトダイオードPDは、PIN型のフォトダイオードを構成することになる。
【0023】
さらに、図1に示すように、Geフォトダイオードが配置されたシリコン層SLを覆うように層間絶縁膜ILが形成されており、この層間絶縁膜ILには、層間絶縁膜ILを貫通するプラグPLG1AとプラグPLG1Bとが形成されている。例えば、プラグPLG1Aは、シリコン層SLと接続され、かつ、プラグPLG1Bは、GeフォトダイオードPDの最上層に形成されているキャップ層CAPと接続されている。そして、図1に示すように、プラグPLG1AとプラグPLG1Bとを形成した層間絶縁膜IL上には、第1層配線が形成されており、この第1層配線は、例えば、プラグPLG1Aと接続される配線L1Aと、プラグPLG1Bと接続される配線L1Bとを含んでいる。
【0024】
このように構成されている関連技術におけるGeフォトダイオードPDでは、シリコン層SL上に形成される構造体の断面形状が、台形形状(ファセット形状、順テーパ形状)をしている。これは、構造体を構成する真性ゲルマニウム層IGLをエピタキシャル成長法によって形成するため、成長する結晶方向の関係から、構造体の断面形状が台形形状となるからである。そして、関連技術におけるGeフォトダイオードFDでは、イオン注入法を使用することにより、真性ゲルマニウム層IGLの表面に、例えば、リンに代表されるp型不純物を導入する。この結果、真性ゲルマニウム層IGL上にn型ゲルマニウム層NGLを形成することができる。
【0025】
ところが、n型ゲルマニウム層NGLの形成方法として、イオン注入法を使用する場合、フォトレジスト膜の塗布→フォトレジスト膜の露光・現像(パターニング)→イオン注入→フォトレジスト膜の除去という複数の工程を経ることになる。このことは、n型ゲルマニウム層NGLの形成工程の工程数が多くなることを意味し、これによって、関連技術においては、製造コストが上昇するという問題点がある。さらに、イオン注入法では、n型ゲルマニウム層NGLの上部にダメージを与えやすく、例えば、結晶欠陥の増加を引き起こすことが懸念される。結晶欠陥が増加するということは、GeフォトダイオードPDの暗電流が増加することを意味し、これによって、GeフォトダイオードPDのS/N比が低下することを意味する。つまり、暗電流とは、GeフォトダイオードPDに光が照射されていないにも関わらず、Geフォトダイオードに流れる雑音電流を意味する。この暗電流が大きくなると、GeフォトダイオードPDに光が照射された場合に流れる電流(シグナル)に対するノイズ成分(暗電流)が大きくなって、Geフォトダイオードの検出感度が低下することになる。すなわち、関連技術のように、n型ゲルマニウム層NGLの形成方法としてイオン注入法を使用すると、製造コストの上昇と、GeフォトダイオードPDの性能低下を招くことになる。したがって、関連技術には、製造コストの低減と、GeフォトダイオードPDの性能向上とを図る観点から改善が必要であることがわかる。
【0026】
この点に関し、製造コストの削減に着目して、図1に示す関連技術を改良することが考えられる。具体的には、Geフォトダイオードの製造工程にイオン注入法を使用する替わりに連続エピタキシャル成長法を使用するものである。
【0027】
以下に、この検討技術について説明する。図2は、製造コストの削減に着目した検討技術の模式的な構成を示す断面図である。図2において、検討技術においても、SOI基板1Sのシリコン層SL上に、Geフォトダイオードを構成する構造体が形成されているが、この検討技術においては、GeフォトダイオードPDの構造体を連続エピタキシャル成長法で形成する。具体的には、図2に示すように、まず、エピタキシャル成長法によって、シリコン層SL上に、p型不純物(ボロン)を導入したp型ゲルマニウム層PGLを形成し、その後、ドーピングガスの供給を停止したエピタキシャル成長法によって、真性ゲルマニウム層IGLを形成する。そして、さらに、エピタキシャル成長法によって、真性ゲルマニウム層IGL上に、n型不純物(リン)を導入したn型ゲルマニウム層NGLを形成する。このようにして、Geフォトダイオードを構成する構造体を形成することができる。このとき、検討技術では、構造体の形成工程において、フォトリソグラフィ工程を含むイオン注入法を使用する替わりに連続エピタキシャル成長法を使用していることから、工程数を削減できる。つまり、検討技術では、イオン注入法に替えて、連続エピタキシャル成長法を使用することにより、製造コストを削減することができる。さらに、検討技術では、イオン注入法を使用しないことから、イオン注入によるダメージに起因して、Geフォトダイオードの暗電流が増加するという問題点が顕在化することを抑制することができる。したがって、検討技術によれば、製造コストの低減と、GeフォトダイオードPDの性能向上との両立を図ることができることがわかる。
【0028】
ところが、本発明者の検討によると、検討技術では、新たな改善の検討が必要であることが判明したので、この点について説明する。図2において、検討技術では、GeフォトダイオードPDの構造体を連続エピタキシャル成長法で形成する。ここで、連続エピタキシャル成長法では、成長する結晶方位の関係から、図2に示すように、GeフォトダイオードPDの構造体の断面形状は、台形形状に形成される。この結果、図2の領域ARに着目すると、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLが近接することになる。このことは、領域AR近傍において、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの間に導電型不純物の相互拡散が生じやすくなることを意味する。p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの間で導電型不純物の相互拡散が生じるということは、p型ゲルマニウム層PGLにn型不純物が導入され、かつ、n型ゲルマニウム層NGLにp型不純物が導入されことを意味する。このことは、p型ゲルマニウム層PGLのp型半導体層としての機能が損なわれるとともに、n型ゲルマニウム層NGLのn型半導体層としての機能が損なわれることを意味する。すなわち、イオン注入法に替えて、連続エピタキシャル成長法を使用する検討技術においては、イオン注入法を使用する関連技術に比べて、製造コストの低減と、GeフォトダイオードPDの性能向上との両立を図ることができると期待される。ところが、実際には、連続エピタキシャル成長法で形成されるGeフォトダイオードPDの構造体の断面形状が台形形状になることに起因して、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの間で導電型不純物の相互拡散が生じるという新たな問題点が顕在化するのである。すなわち、単に、イオン注入法に替えて、連続エピタキシャル成長法を使用すれば、製造コストの低減と、GeフォトダイオードPDの性能向上との両立を図ることができるというのは、単純すぎるのであり、連続エピタキシャル成長法に特有の性質に起因する改善の余地を克服する必要がある。
【0029】
このように、本発明者は、連続エピタキシャル成長法に特有の性質に起因する改善の余地として、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの間で導電型不純物の相互拡散が生じるおそれがあるという知見を新たに見出し、この知見に基づいて、連続エピタキシャル成長法を使用しながらも、GeフォトダイオードPDの性能向上を図ることができる工夫を施している。以下に、この工夫を施した本実施の形態1における技術的思想について説明することにする。
【0030】
<Geフォトダイオードの構成>
図3は、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1の模式的な構成を示す平面図である。図3において、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1は、SOI基板1S上に形成されている。そして、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1は、配線L1Aおよび配線L1Bと電気的に接続されており、このGeフォトダイオードPD1は、配線L1Aおよび配線L1Bと平面的に重なる部分と、配線L1Aおよび配線L1Bと平面的に重ならない部分とを有している。すなわち、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1は、光電変換機能を有する受光素子であり、配線L1Aおよび配線L1Bと平面的に重ならない部分において、入射光を受光可能に構成されている。つまり、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1(受光素子)は、GeフォトダイオードPD1の上方側から入射される光を受光可能に構成されている。
【0031】
次に、図4は、図3のA−A線で切断した断面図である。図4に示すように、例えば、シリコン単結晶から形成された支持基板SUBと、支持基板SUB上に形成された埋め込み絶縁層BOXと、埋め込み絶縁層BOX上に形成されたシリコン層SLとからなるSOI基板1S上に、GeフォトダイオードPD1が形成されている。このとき、SOI基板1Sのシリコン層SLは、光導波路層として機能し、GeフォトダイオードPD1は、光導波路層として機能するシリコン層SLを伝わる光を受光可能なように構成されている。すなわち、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1は、まず、図3に示す配線L1Aおよび配線L1Bと平面的に重ならない部分を有することにより、GeフォトダイオードPD1の上方側から入射される光を受光可能に構成されている。さらに、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1は、シリコン層SLと接するように構成されている結果、光導波路層として機能するシリコン層SLを伝わる光を受光可能なようにも構成されている。つまり、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1は、互いに異なる入射方向からの光を受光可能なように構成されており、GeフォトダイオードPD1の上方側から入射される光に対する受光素子として機能させることもできるし、光導波路層であるシリコン層SLを伝わる光に対する受光素子として機能させることもできることになる。
【0032】
続いて、図4に示すように、SOI基板1Sのシリコン層SLを覆うように、例えば、酸化シリコン膜からなる絶縁膜IFが形成されている。そして、この絶縁膜IFに開口部OPが形成されており、開口部OPからシリコン層SLの表面の一部が露出している。
【0033】
開口部OPから露出するシリコン層SLの表面上には、開口部OPの内部に収まるように、p型ゲルマニウム層PGLが形成されている。p型ゲルマニウム層PGL上には、真性ゲルマニウム層IGLが形成されている。この真性ゲルマニウム層IGLは、開口部OPの内部を埋め込み、かつ、真性ゲルマニウム層IGLの一部が開口部OPからはみ出して絶縁膜IFの上面USと直接接触するように形成されている。すなわち、図4に示すように、真性ゲルマニウム層IGLは、開口部OPから露出する絶縁膜IFの側面SSと接するとともに、開口部OPが形成された絶縁膜IFの上面USと接するように形成されている。この結果、例えば、図4に示すように、真性ゲルマニウム層IGLの断面形状は、マッシュルーム形状のような形状となる。そして、n型ゲルマニウム層NGLは、真性ゲルマニウム層IGLの表面を覆うように形成される結果、n型ゲルマニウム層NGLは、絶縁膜IFの上面USと接触することになる。さらに、このn型ゲルマニウム層NGLの表面を覆うように、キャップ層CAPが形成されており、このキャップ層CAPは、絶縁膜IFの上面USと接触している。キャップ層CAPは、例えば、リン(n型不純物)を導入したシリコン層や、シリコンゲルマニウム層(SiGe層)から構成される。
【0034】
以上のようにして、SOI基板1Sのシリコン層SL上に、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1の構造体が形成されていることになる。すなわち、図4に示すように、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1は、側面SSと側面SSと交差する上面USとを有する絶縁膜IFと、絶縁膜IFの側面SSに接するp型ゲルマニウム層とを有する。特に、本実施の形態1では、絶縁膜IFには、絶縁膜IFを貫通する開口部OPが形成され、絶縁膜の側面SSは、開口部OPの内壁面である。そして、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1は、絶縁膜IFの側面SSと上面USとに接し、かつ、p型ゲルマニウム層PGL上に形成された真性ゲルマニウム層IGLと、絶縁膜IFの上面USと接し、かつ、真性ゲルマニウム層IGL上に形成されたn型ゲルマニウム層NGLとを有する。
【0035】
この結果、図4に示すように、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1の構造体は、絶縁膜IFを貫通する開口部OPの内部から絶縁膜IFの上面USにわたって形成されていることになる。さらに、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1の構造体は、SOI基板1Sのシリコン層SL上に形成されている。このとき、シリコン層SLは、シリコン(Si)から構成されている一方、GeフォトダイオードPD1の構造体を構成するp型ゲルマニウム層PGLと真性ゲルマニウム層IGLとn型ゲルマニウム層NGLとは、ゲルマニウム(Ge)から構成されている。したがって、シリコン層SLのバンドギャップは、p型ゲルマニウム層PGLと真性ゲルマニウム層IGLとn型ゲルマニウム層NGLのいずれの層のバンドギャップよりも大きいことになる。
【0036】
次に、図4に示すように、SOI基板1S上に形成されたGeフォトダイオードPD1を覆うように、例えば、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜ILが形成されている。そして、層間絶縁膜ILと絶縁膜IFとには、層間絶縁膜ILと絶縁膜IFとを貫通して、SOI基板1Sのシリコン層SLに達するプラグPLG1Aが形成されており、このプラグPLG1Aは、例えば、層間絶縁膜ILの上面上に形成されている配線L1Aと電気的に接続されている。さらに、層間絶縁膜ILには、層間絶縁膜ILの上面からGeフォトダイオードPD1のキャップ層CAPに達するプラグPLG1Bが形成されており、このプラグPLG1Bは、例えば、層間絶縁膜ILの上面上に形成されている配線L1Bと電気的に接続されている。プラグPLG1AおよびプラグPLG1Bは、例えば、チタンと窒化チタン膜からなるバリア導体膜と、アルミニウム膜(アルミニウム合金膜)とから形成され、同様に、配線L1Aおよび配線L1Bも例えば、チタンと窒化チタン膜からなるバリア導体膜と、アルミニウム膜(アルミニウム合金膜)とから形成されている。
【0037】
このように構成された本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1によれば、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとによって挟まれた真性ゲルマニウム層IGLが空乏化して空乏層として機能する。この結果、空乏層として機能する真性ゲルマニウム層に、ゲルマニウムのバンドギャップよりも大きなエネルギーを有する光が入射すると、価電子帯の電子が伝導帯に励起されることによって、正孔電子対が発生する。そして、伝導帯に励起された電子は、空乏層内の電界によって、n型ゲルマニウム層NGLに注入される一方、価電子帯に形成された正孔は、空乏層内の電界によって、p型ゲルマニウム層PGLに注入される。これにより、n型ゲルマニウム層NGLに注入された電子は、n型ゲルマニウム層NGL→キャップ層CAP→プラグPLG1B→配線L1Bの経路に沿って流れる。一方、p型ゲルマニウム層PGLに注入された正孔は、p型ゲルマニウム層PGL→シリコン層SL→プラグPLG1A→配線L1Aの経路に沿って流れる。このようにして、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1によれば、入射した光を電気信号(電流)に変換する光電変換機能が実現されることがわかる。
【0038】
<半導体装置の製造方法>
本実施の形態1におけるGeフォトダイオードを含む半導体装置は、上記のように構成されており、以下に、その製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0039】
まず、図5に示すように、支持基板SUBと、この支持基板SUB上に形成された埋め込み絶縁層BOXと、埋め込み絶縁層BOX上に形成されたシリコン層SLとを有するSOI基板1Sを用意する。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、SOI基板1Sのシリコン層SLをパターニングする。具体的に、シリコン層SLのパターニングは、光導波路層を形成するように行なわれる。
【0040】
次に、図6に示すように、パターニングしたシリコン層SLを覆う絶縁膜IFを形成する。この絶縁膜IFは、例えば、酸化シリコン膜から形成することができ、例えば、CVD法(Chemical Vapor Deposition)を使用することにより形成することができる。これにより、パターニングされたシリコン層SLは、埋め込み絶縁層BOXと絶縁膜IFで囲まれることになる。そして、酸化シリコン膜の屈折率は、シリコン層SLの屈折率よりも小さいことから、屈折率の大きなシリコン層SLをコア層とし、かつ、屈折率の小さな酸化シリコン膜をクラッド層とする光導波路が形成されることになる。すなわち、シリコン層SLを伝わる光は、屈折率の小さなクラッド層によって全反射することにより、クラッド層に漏れ出ることなく、コア層であるシリコン層SLを伝わることになる。
【0041】
続いて、図6に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、絶縁膜IFに、絶縁膜IFを貫通する開口部OPを形成する。これにより、開口部OPを有する絶縁膜IFは、開口部OPの内壁面である側面SSと、この側面SSと交差する上面USとを有することになる。なお、絶縁膜IFに開口部OPを形成する結果、開口部OPの底面からは、シリコン層SLの表面の一部が露出することになる。
【0042】
その後、図7に示すように、選択エピタキシャル成長法を使用することにより、開口部OPの底面から露出するシリコン層SLの表面に、p型ゲルマニウム層PGLを形成する。具体的に、p型ゲルマニウム層PGLは、主に、モノゲルマンガスとジボランガスとを含む選択エピタキシャル成長法により、ボロン(ホウ素:p型不純物)が導入されたゲルマニウム層を形成する。このとき、図7に示すように、p型ゲルマニウム層PGLは、絶縁膜IFに形成された開口部OPの内部に収まるように形成される。
【0043】
続いて、同じチャンバ内において、ドーパントガス(ジボランガス)の供給を停止した状態で、モノゲルマンガスを含む選択エピタキシャル成長法により、導電型不純物を含有しないノンドープの真性ゲルマニウム層IGLを、開口部OPの底面から露出するp型ゲルマニウム層PGLを起点として、p型ゲルマニウム層PGL上に形成する。このとき、真性ゲルマニウム層IGLは、開口部OPの内部から絶縁膜IFの上面USにはみ出すように形成される。すなわち、本実施の形態1において、真性ゲルマニウム層IGLは、絶縁膜IFの側面SS(開口部OPの内壁面)と接触し、かつ、絶縁膜IFの上面USと接触するように形成される。この結果、本実施の形態1において形成される真性ゲルマニウム層IGLの断面形状は、マッシュルーム形状(キノコ形状)となる。
【0044】
次に、同じチャンバ内において、モノゲルマンガスにフォスフィンガスを添加した選択エピタキシャル成長法により、真性ゲルマニウム層IGLの表面を覆うように、n型ゲルマニウム層NGLを形成する。この結果、図7に示すように、n型ゲルマニウム層NGLは、真性ゲルマニウム層IGLの表面を覆うように形成されるとともに、端部において、絶縁膜IFの上面USと接触するように形成される。
【0045】
その後、シラン系ガスを使用した選択エピタキシャル成長法により、n型ゲルマニウム層NGLの表面を覆うように、例えば、リンを導入したシリコン(Si)からなるキャップ層CAPを形成する。このキャップ層CAPも、端部において、絶縁膜IFの上面USと接触するように形成されることになる。以上のようにして、同一チャンバ内において、供給する原料ガスを切り換えた連続選択エピタキシャル成長法により、p型ゲルマニウム層PGLと、真性ゲルマニウム層IGLと、n型ゲルマニウム層NGLと、キャップ層CAPとからなるGeフォトダイオードの構造体を形成することができる。
【0046】
続いて、図8に示すように、Geフォトダイオードの構造体上を含むSOI基板1S上に層間絶縁膜ILを形成する。層間絶縁膜ILは、例えば、酸化シリコン膜から形成することができ、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、層間絶縁膜ILおよび絶縁膜IFを貫通してSOI基板1Sのシリコン層SLの表面に達するコンタクトホールCNT1Aを形成する。同様に、層間絶縁膜ILの表面からキャップ層CAPの表面に達するコンタクトホールCNT1Bも形成する。
【0047】
次に、図4に示すように、コンタクトホールCNT1AおよびコンタクトホールCNT1B内を含む層間絶縁膜ILの表面にバリア導体膜を形成し、その後、バリア導体膜上にアルミニウム膜(アルミニウム合金膜)を形成し、さらに、アルミニウム膜上にバリア導体膜を形成する。これにより、コンタクトホールCNT1Aの内部およびコンタクトホールCNT1Bの内部を埋め込んだプラグPLG1AおよびプラグPLG1Bを形成することができるとともに、層間絶縁膜ILの表面を覆う積層膜(バリア導体膜+アルミニウム膜+バリア導体膜)を形成することができる。このとき、例えば、バリア導体膜は、チタン膜(Ti膜)と窒化チタン膜(TiN膜)からなり、例えば、スパッタリング法を使用することにより形成することができる。また、アルミニウム膜も、スパッタリング法を使用することにより形成することができる。なお、アルミニウム膜に替えて、アルミニウム合金膜(Al−Si−Cu膜など)を使用することもできる。
【0048】
その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、層間絶縁膜ILの表面に形成されている積層膜をパターニングすることにより、プラグPLG1Aと電気的に接続される配線L1A、および、プラグPLG1Bと電気的に接続される配線L1Bを形成する。以上のようにして、本実施の形態1におけるGeフォトダイオードを含む半導体装置を製造することができる。
【0049】
なお、本実施の形態1では、バリア導体膜とアルミニウム膜からプラグPLG1AおよびプラグPLG1Bを形成したが、これに限らず、例えば、プラグPLG1AおよびプラグPLG1Bをバリア膜とタングステン膜から形成することもできる。また、配線L1Aおよび配線L1Bは、アルミニウム配線に限られるものではなく、例えば、ダマシン法を使用した銅配線から形成することもできる。
【0050】
<実施の形態1における特徴>
続いて、本実施の形態1における特徴点について説明する。本実施の形態1における第1特徴点は、例えば、図7に示すように、Geフォトダイオードの構造体を構成するp型ゲルマニウム層PGLと真性ゲルマニウム層IGLとn型ゲルマニウム層NGLとを連続した選択エピタキシャル成長法により形成している点にある。これにより、本実施の形態1によれば、工程数の多いイオン注入法を使用する替わりに連続した選択エピタキシャル成長法を使用していることから、工程数を削減できる。つまり、本実施の形態1によれば、工程数を削減できることから、Geフォトダイオードを含む半導体装置の製造コストを削減することができる。さらに、本実施の形態1における第1特徴点によれば、イオン注入法を使用しないことから、イオン注入によるダメージに起因して、Geフォトダイオードの暗電流が増加することを抑制できる。この結果、本実施の形態1における第1特徴点によれば、製造コストの低減と、Geフォトダイオードの性能向上との両立を図ることができることになる。
【0051】
ただし、本発明者の検討によると、上述した第1特徴点の副作用として、連続した選択エピタキシャル成長法に特有の性質(結晶方位に基づく成長)によって形成される台形形状(ファセット形状、順テーパ形状)に起因して、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとが近接することになる。この結果、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの間で導電型不純物の相互拡散が生じるおそれがある。そして、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの間での相互拡散が生じると、p型ゲルマニウム層PGLのp型半導体層としての機能が損なわれるとともに、n型ゲルマニウム層NGLのn型半導体層としての機能が損なわれることが懸念される。
【0052】
そこで、本実施の形態1では、連続した選択エピタキシャル成長法を使用するという第1特徴点を前提としながらも、Geフォトダイオードの性能向上を図るため、以下に示す第2特徴点も有している。すなわち、本実施の形態1における第2特徴点は、例えば、図4に示すように、SOI基板1Sのシリコン層SL上に開口部OPを有する絶縁膜IFを形成し、かつ、真性ゲルマニウム層IGLを開口部OPの内部から絶縁膜IFの上にまではみ出すように形成する点にある。言い換えれば、本実施の形態1における第2特徴点は、開口部OPを形成した絶縁膜IFを利用して、真性ゲルマニウム層IGLの断面形状をマッシュルーム形状とする点にあるともいえる。
【0053】
これにより、図4に示すように、真性ゲルマニウム層IGLの下層に形成されるp型ゲルマニウム層PGLは、開口部OPの内部に収まることになる。一方、真性ゲルマニウム層IGLの表面上に形成されるn型ゲルマニウム層NGLは、開口部OPに接触することなく、真性ゲルマニウム層IGLの表面と絶縁膜IFの上面USとの接触するように形成される。この結果、図4に示すように、絶縁膜IFの開口部OPによる段差によって、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとが近接することを抑制できる。つまり、本実施の形態1における第2特徴点によれば、開口部OPの内部から絶縁膜IFの上面USにまではみ出すように形成された真性ゲルマニウム層IGLの存在によって、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの接触が防止される。言い換えれば、p型ゲルマニウム層PGLが開口部OPの内壁面(絶縁膜IFの側面SS)と接するように形成される一方、n型ゲルマニウム層NGLが絶縁膜IFの側面SSと交差する上面USと接触するように形成される。この結果、絶縁膜IFの側面SSと上面USとによって形成されるギャップ(段差)によって、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの接触が防止されるのである。
【0054】
このことは、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの接触に起因する導電型不純物の相互拡散が抑制されることを意味する。したがって、本実施の形態1における第2特徴点によれば、p型ゲルマニウム層PGLのp型半導体層としての機能を維持できるとともに、n型ゲルマニウム層NGLのn型半導体層としての機能も維持することができる。このことから、本実施の形態1における第2特徴点によれば、Geフォトダイオードの性能低下を抑制することができる。
【0055】
以上のことから、本実施の形態1における第1特徴点と第2特徴点との組み合わせによって、Geフォトダイオードの製造コストを削減と、Geフォトダイオードの性能向上とを両立することができる。特に、本実施の形態1における第1特徴点によって、イオン注入法に替えて連続した選択エピタキシャル成長法を使用することによる製造コストの削減と、イオン注入法を使用することによるダメージに起因する暗電流の増加を抑制することができる。そして、本実施の形態1における第2特徴点によって、第1特徴点の利点を維持しながら、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの近接に起因する導電型不純物の相互拡散という第1特徴点の副作用を抑制することができる。すなわち、本実施の形態1における第1特徴点と第2特徴点とを組み合わせることにより、第1特徴点の利点と、第2特徴点による第1特徴点の副作用の補填との相乗効果によって、Geフォトダイオードを含む半導体装置の製造コストの削減と性能向上とを両立できるという顕著な効果を得ることができる。
【0056】
(実施の形態2)
<Geフォトダイオードの構成>
次に、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードについて説明する。本実施の形態2におけるGeフォトダイオードは、前記実施の形態1におけるGeフォトダイオードとほぼ同様の構成をしているため、相違点を中心に説明する。
【0057】
図9は、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードの構成を示す断面図である。図9において、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2は、絶縁膜IFの下層に形成されたシリコン層SLを有し、絶縁膜IFおよびシリコン層SLを貫通するように開口部OPが形成されている。そして、この開口部OPは、シリコン層SLの下層に形成されている埋め込み絶縁層BOXにまで達している。そして、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2において、p型ゲルマニウム層PGLは、開口部OPの内壁面から露出するシリコン層SLと接している。つまり、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2では、前記実施の形態1とは異なり、開口部OPが、絶縁膜IFだけでなく、SOI基板1Sのシリコン層SLも貫通して、SOI基板1Sの埋め込み絶縁層BOXにまで達している。この結果、前記実施の形態1では、例えば、図4に示すように、シリコン層SL上にp型ゲルマニウム層PGLが形成されていたのに対し、本実施の形態2では、開口部OPの内壁面から露出するシリコン層SLの側面にp型ゲルマニウム層PGLが形成されている。この点に本実施の形態2における特徴点がある。
【0058】
これにより、図9に示すように、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2によっても、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとは、開口部OPの内部から絶縁膜IFの上面USにはみ出すように形成されている真性ゲルマニウム層IGLによって、互いに離間することになる。この結果、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2においても、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの間での導電型不純物の相互拡散を抑制することができる。
【0059】
さらに、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2に特有の利点としては、光導波路となるシリコン層SLの水平方向から入射する光に対して、GeフォトダイオードPD2の受光面積が大きくなるため、GeフォトダイオードPD2の受光効率を向上できる利点を得ることができる。すなわち、前記実施の形態1におけるGeフォトダイオードPD1への入射光は、例えば、図3に示すように、GeフォトダイオードPD1の上方から入射する光も受光可能であるとともに、図4に示すように、GeフォトダイオードPD1の下層に形成されているシリコン層SL(光導波路)から入射する光も受光可能なように構成されている。この点に関し、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2も同様であるが、特に、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2の構成においては、シリコン層SLの水平方向から入射する光に対して、GeフォトダイオードPD2の受光面積が大きくなる。このことから、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2は、特に、光導波路であるシリコン層SLから入射する光を受光する構成に適用する場合、受光効率を向上できるという利点を得ることができる。
【0060】
<Geフォトダイオードの製造方法>
続いて、本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2を含む半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。まず、図10に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、パターニングされたシリコン層SLを覆う絶縁膜IFと、シリコン層SLとを貫通し、かつ、SOI基板1Sの埋め込み絶縁層BOXに達する開口部OPを形成する。
【0061】
次に、図11に示すように、選択エピタキシャル成長法を使用することにより、開口部OPの内壁面から露出するシリコン層SLの表面を起点として、p型ゲルマニウム層PGLを形成する。具体的に、p型ゲルマニウム層PGLは、主に、モノゲルマンガスとジボランガスとを含む選択エピタキシャル成長法により、ボロン(B)が導入されたゲルマニウム層を形成する。その後、図11に示すように、前記実施の形態1と同様にして、供給される原料ガスを切り換えた選択エピタキシャル成長法により、真性ゲルマニウム層IGLと、n型ゲルマニウム層NGLと、キャップ層CAPとを順次形成する。このとき、図11に示すように、真性ゲルマニウム層IGLが、開口部OPの内部から絶縁膜IFの表面にはみ出すように形成されるため、開口部OPの内壁面に形成されているp型ゲルマニウム層PGLと、絶縁膜IFの上面USに接触するn型ゲルマニウム層NGLとは、絶縁膜IFの側面SSと上面USとの位置関係に起因して離間される。この結果,本実施の形態2においても、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとが近接することに起因する導電型不純物の相互拡散を抑制することができる。
【0062】
その後、図12に示すように、Geフォトダイオードの構造体上を含むSOI基板1S上に層間絶縁膜ILを形成する。層間絶縁膜ILは、例えば、酸化シリコン膜から形成することができ、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、層間絶縁膜ILおよび絶縁膜IFを貫通してSOI基板1Sのシリコン層SLの表面に達するコンタクトホールCNT1Aを形成する。同様に、層間絶縁膜ILの表面からキャップ層CAPの表面に達するコンタクトホールCNT1Bも形成する。そして、前記実施の形態1における半導体装置の製造工程と同様の工程を経ることにより、図9に示すような本実施の形態2におけるGeフォトダイオードPD2を含む半導体装置を製造することができる。
【0063】
(実施の形態3)
<Geフォトダイオードの構成>
次に、本実施の形態3におけるGeフォトダイオードについて説明する。本実施の形態3におけるGeフォトダイオードは、前記実施の形態1におけるGeフォトダイオードとほぼ同様の構成をしているため、相違点を中心に説明する。
【0064】
図13は、本実施の形態3におけるGeフォトダイオードの構成を示す断面図である。図13において、本実施の形態3におけるGeフォトダイオードPD3は、埋め込み絶縁層BOX上にシリコン層SLを有し、このシリコン層SLには、シリコン層SLを貫通する開口部OP2が形成されている。そして、開口部OP2が形成されたシリコン層SL上には、絶縁膜IFが形成されており、この絶縁膜IFには、絶縁膜IFを貫通する開口部OP1が形成されている。そして、図13に示すように、絶縁膜IFに形成されている開口部OP1と、シリコン層SLに形成されている開口部OP2とは、互いに連通しており、開口部OP2は、開口部OP1を内包している。言い換えれば、開口部OP2のサイズは、開口部OP1のサイズよりも大きくなっている。この結果、図13に示すように、開口部OP2から絶縁膜IFの下面BSの一部が露出することになる。
【0065】
図13に示すように、開口部OP2の側面から露出するシリコン層SLに接するように、p型ゲルマニウム層PGLが形成されており、このp型ゲルマニウム層PGLは、開口部OP2から露出する絶縁膜IFの下面BSとも接している。このとき、p型ゲルマニウム層PGLは、開口部OP1の内部側へはみ出していない。すなわち、平面視において、p型ゲルマニウム層PGLは、絶縁膜IFに形成された開口部OP1と重ならないように配置されているということもでき、さらには、平面視において、p型ゲルマニウム層PGLは、絶縁膜IFに形成された開口部OP1の外側に配置されているということもできる。
【0066】
続いて、図13に示すように、開口部OP2の内部を埋め込み、かつ、開口部OP1の内部にわたって、真性ゲルマニウム層IGLが形成されており、この真性ゲルマニウム層IGL上にn型ゲルマニウム層NGLが形成されている。このとき、n型ゲルマニウム層NGLは、開口部OP1から露出する絶縁膜IFの側面SS(開口部OP1の内壁面)と接するように形成されている。さらに、n型ゲルマニウム層NGL上には、キャップ層CAPが形成されている。ここで、キャップ層CAPの上面は、絶縁膜IFの上面USよりも低くなっている。すなわち、図13に示すように、真性ゲルマニウム層IGLとn型ゲルマニウム層NGLとキャップ層CAPとは、絶縁膜IFに形成された開口部OP1の内部に形成され、開口部OP1からはみ出さないように形成されている。
【0067】
以上のように、本実施の形態3におけるGeフォトダイオードPD3を含む半導体装置は、絶縁膜IFの下層に形成されたシリコン層SLと、絶縁膜IFを貫通する開口部OP1と、シリコン層SLを貫通し、かつ、開口部OP1と連通し、かつ、平面視において、開口部OP1を内包する開口部OP2とを有する。このとき、p型ゲルマニウム層PGLは、開口部OP2の内壁面から露出するシリコン層SLと、開口部OP2から露出する絶縁膜IFの下面BSとに接する。また、n型ゲルマニウム層NGLは、開口部OP1の内壁面に接するように形成されている。特に、本実施の形態3では、図13に示すように、キャップ層CAPの高さは、絶縁膜IFの上面USの高さよりも低くなっている。
【0068】
ここで、本実施の形態3における特徴点は、例えば、図13に示すように、開口部OP2から露出するシリコン層SLに接し、かつ、開口部OP2から露出する絶縁膜IFの下面BSに接し、かつ、開口部OP1と平面的に重ならないようにp型ゲルマニウム層PGLが形成されている点と、開口部OP1の内壁面に接するようにn型ゲルマニウム層NGLが形成されている点とにある。この場合、図13に示すように、真性ゲルマニウム層IGLは、開口部OP2の内部を埋め込み、かつ、開口部OP1も内部にわたって形成されることになる。これにより、本実施の形態3におけるGeフォトダイオードPD3によれば、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとは、真性ゲルマニウム層IGLによって、互いに離間することになる。つまり、本実施の形態3におけるGeフォトダイオードPD3によれば、開口部OP2の内壁面に形成されているp型ゲルマニウム層PGLと、開口部OP1の内壁面(絶縁膜IFの側面SS)に接触するn型ゲルマニウム層NGLとは、絶縁膜IFの側面SSと下面BSとの位置関係に起因して離間される。この結果,本実施の形態3においても、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとが近接することに起因する導電型不純物の相互拡散を抑制することができる。
【0069】
さらに、本実施の形態3におけるGeフォトダイオードPD3では、図13に示すように、キャップ層CAPが、絶縁膜IFの上面USにはみ出さず、絶縁膜IFに形成された開口部OP1の内部に形成されている。この結果、GeフォトダイオードPD3の構造体が絶縁膜IFの上面USよりも高くならないことから、GeフォトダイオードPD3を覆うように形成される層間絶縁膜ILの表面(上面)の平坦性を向上することができる。
【0070】
<Geフォトダイオードの製造方法>
続いて、本実施の形態3におけるGeフォトダイオードPD3を含む半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。まず、図14に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、パターニングされたシリコン層SLを覆う絶縁膜IFを貫通する開口部OP1を形成する。
【0071】
その後、図14に示すように、開口部OP1の底面から露出するシリコン層SLを等方性エッチングすることにより、シリコン層SLを貫通する開口部OP2を形成する。このとき、等方性エッチングを使用することから、シリコン層SLのエッチングは、縦方向(厚さ方向)だけでなく、横方向にも進むため、図14に示すように、シリコン層SLに形成される開口部OP2のサイズは、絶縁膜IFに形成される開口部OP1のサイズよりも大きくなる。言い換えれば、平面視において、開口部OP2は、開口部OP1を内包するように形成されることになる。この結果、開口部OP2からは、絶縁膜IFの下面BSの一部が露出することになる。なお、等方性エッチングとしては、等方性ドライエッチングやウェットエッチングを使用することができる。
【0072】
次に、図15に示すように、選択エピタキシャル成長法により、開口部OP2の内壁面から露出するシリコン層SLを起点として、開口部OP2内にp型ゲルマニウム層PGLを形成する。ここで、p型ゲルマニウム層PGLは、開口部OP2から露出するシリコン層SLの側面と絶縁膜IFの下面BSに接するように形成され、かつ、平面視において、開口部OP1とは重ならないように形成される。すなわち、p型ゲルマニウム層PGLが開口部OP1の内部にまではみ出さないように、p型ゲルマニウム層PGLの形成が調整される。その後、同一のチャンバ内における連続した選択エピタキシャル成長法により、p型ゲルマニウム層PGLを形成した開口部OP2内と絶縁膜IFに形成された開口部OP1内とにわたって、真性ゲルマニウム層IGLを形成する。続いて、同一のチャンバ内における連続した選択エピタキシャル成長法により、真性ゲルマニウム層IGLを形成した開口部OP1内にn型ゲルマニウム層NGLを形成する。さらに、同一のチャンバ内における連続した選択エピタキシャル成長法により、開口部OP1内にn型ゲルマニウム層NGLを覆うキャップ層CAPを形成する。このとき、キャップ層CAPの形成は、開口部OP1からはみ出さないように調整される。
【0073】
その後、図16に示すように、Geフォトダイオードの構造体上を含む絶縁膜IF上に層間絶縁膜ILを形成する。層間絶縁膜ILは、例えば、酸化シリコン膜から形成することができ、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、層間絶縁膜ILおよび絶縁膜IFを貫通してSOI基板1Sのシリコン層SLの表面に達するコンタクトホールCNT1Aを形成する。同様に、層間絶縁膜ILの表面からキャップ層CAPの表面に達するコンタクトホールCNT1Bも形成する。そして、前記実施の形態1における半導体装置の製造工程と同様の工程を経ることにより、図13に示すような本実施の形態3におけるGeフォトダイオードPD3を含む半導体装置を製造することができる。
【0074】
(実施の形態4)
<Geフォトダイオードの構成>
次に、本実施の形態4におけるGeフォトダイオードについて説明する。本実施の形態4におけるGeフォトダイオードは、前記実施の形態1におけるGeフォトダイオードとほぼ同様の構成をしているため、相違点を中心に説明する。
【0075】
図17は、本実施の形態4におけるGeフォトダイオードの構成を示す断面図である。図17において、本実施の形態4におけるGeフォトダイオードPD4は、埋め込み絶縁層BOX上にシリコン層SLを有し、シリコン層SLを覆うように絶縁膜IFが形成されている。そして、絶縁膜IFを貫通し、かつ、シリコン層SLの途中の厚さまで達する開口部OPが形成されている。そして、開口部OPから露出するシリコン層SL上と開口部OPの内壁面にp型ゲルマニウム層PGLが形成されている。さらに、p型ゲルマニウム層PGL上には、開口部OPの内部から絶縁膜IFの上面USまではみ出すように真性ゲルマニウム層IGLが形成されている。この真性ゲルマニウム層IGLの表面を覆うように、n型ゲルマニウム層NGLが形成されており、このn型ゲルマニウム層NGLの端部は、絶縁膜IFの上面USと接している。またn型ゲルマニウム層NGLの表面を覆うように、キャップ層CAPが形成されており、キャップ層CAPの端部は、絶縁膜IFの上面USと接している。
【0076】
以上のように、本実施の形態4におけるGeフォトダイオードPD4を含む半導体装置は、絶縁膜IFの下層に形成されたシリコン層SLと、絶縁膜IFを貫通し、かつ、シリコン層SLの内部に達する開口部OPとを有する。このとき、p型ゲルマニウム層PGLは、開口部OPの内壁面と、開口部OPの底面とに接する。また、n型ゲルマニウム層NGLは、絶縁膜IFの上面USに接する。
【0077】
これにより、図17に示すように、本実施の形態4におけるGeフォトダイオードPD4によっても、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとは、開口部OPの内部から絶縁膜IFの上面USにはみ出すように形成されている真性ゲルマニウム層IGLによって、互いに離間することになる。この結果、本実施の形態4におけるGeフォトダイオードPD4においても、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとの間での導電型不純物の相互拡散を抑制することができる。
【0078】
さらに、本実施の形態4におけるGeフォトダイオードPD4の利点としては、光導波路となるシリコン層SLの水平方向から入射する光に対して、GeフォトダイオードPD4の受光面積が大きくなる。このため、本実施の形態4によれば、GeフォトダイオードPD4の受光効率を向上できる利点を得ることができる。
【0079】
<Geフォトダイオードの製造方法>
続いて、本実施の形態4におけるGeフォトダイオードPD4を含む半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。まず、図18に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、パターニングされたシリコン層SLを覆う絶縁膜IFを貫通して、シリコン層SLの内部に達する開口部OPを形成する。
【0080】
次に、図19に示すように、選択エピタキシャル成長法を使用することにより、開口部OPの内壁面および底面から露出するシリコン層SLの表面を起点として、p型ゲルマニウム層PGLを形成する。具体的に、p型ゲルマニウム層PGLは、主に、モノゲルマンガスとジボランガスとを含む選択エピタキシャル成長法により、ボロン(B)が導入されたゲルマニウム層を形成する。その後、図19に示すように、前記実施の形態1と同様にして、供給される原料ガスを切り換えた選択エピタキシャル成長法により、真性ゲルマニウム層IGLと、n型ゲルマニウム層NGLと、キャップ層CAPとを順次形成する。このとき、図19に示すように、真性ゲルマニウム層IGLが、開口部OPの内部から絶縁膜IFの表面にはみ出すように形成されるため、開口部OPの内壁面に形成されているp型ゲルマニウム層PGLと、絶縁膜IFの上面USに接触するn型ゲルマニウム層NGLとは、絶縁膜IFの側面SSと上面USとの位置関係に起因して離間される。この結果,本実施の形態4においても、p型ゲルマニウム層PGLとn型ゲルマニウム層NGLとが近接することに起因する導電型不純物の相互拡散を抑制することができる。その後の工程は、前記実施の形態1と同様であるため、省略する。以上のようにして、本実施の形態4における半導体装置を製造することができる。
【0081】
(実施の形態5)
次に、本実施の形態5におけるGeフォトダイオードについて説明する。本実施の形態5におけるGeフォトダイオードは、前記実施の形態1におけるGeフォトダイオードとほぼ同様の構成をしているため、相違点を中心に説明する。
【0082】
図20は、本実施の形態5におけるGeフォトダイオードの構成を示す断面図である。図20において、本実施の形態5におけるGeフォトダイオードPD5は、埋め込み絶縁層BOX上にシリコン層SLを有し、このシリコン層SLには、シリコン層SLの内部に達する開口部OP2が形成されている。このとき、開口部OP2の内壁面は、例えば、丸みを帯びたラウンド形状をしている。そして、開口部OP2が形成されたシリコン層SL上には、絶縁膜IFが形成されており、この絶縁膜IFには、絶縁膜IFを貫通する開口部OP1が形成されている。そして、図20に示すように、絶縁膜IFに形成されている開口部OP1と、シリコン層SLに形成されている開口部OP2とは、互いに連通しており、開口部OP2は、開口部OP1を内包している。言い換えれば、開口部OP2のサイズは、開口部OP1のサイズよりも大きくなっている。この結果、図20に示すように、開口部OP2から絶縁膜IFの下面BSの一部が露出することになる。
【0083】
図20に示すように、開口部OP2のラウンド形状をした側面から露出するシリコン層SLに接するように、p型ゲルマニウム層PGLが形成されており、このp型ゲルマニウム層PGLは、開口部OP2から露出する絶縁膜IFの下面BSとも接している。このとき、p型ゲルマニウム層PGLは、開口部OP1の内部側へはみ出していない。
【0084】
続いて、図20に示すように、開口部OP2の内部を埋め込み、かつ、開口部OP1の内部にわたって、真性ゲルマニウム層IGLが形成されており、この真性ゲルマニウム層IGL上にn型ゲルマニウム層NGLが形成されている。このとき、n型ゲルマニウム層NGLは、開口部OP1から露出する絶縁膜IFの側面SS(開口部OP1の内壁面)と接するように形成されている。さらに、n型ゲルマニウム層NGL上には、キャップ層CAPが形成されている。ここで、キャップ層CAPの上面は、絶縁膜IFの上面USよりも低くなっている。すなわち、図20に示すように、真性ゲルマニウム層IGLとn型ゲルマニウム層NGLとキャップ層CAPとは、絶縁膜IFに形成された開口部OP1の内部に形成され、開口部OP1からはみ出さないように形成されている。
【0085】
以上のように、本実施の形態5におけるGeフォトダイオードPD5を含む半導体装置は、絶縁膜IFの下層に形成されたシリコン層SLと、絶縁膜IFを貫通する開口部OP1と、シリコン層SLに形成され、かつ、開口部OP1と連通し、かつ、平面視において、開口部OP1を内包する開口部OP2とを有する。このとき、開口部OP2の内壁面は、ラウンド形状をしている。なお、p型ゲルマニウム層PGLは、開口部OP2の内壁面と、開口部OP2の底面と、開口部OP2から露出する絶縁膜IFの下面BSとに接する。また、n型ゲルマニウム層NGLは、開口部OP1の内壁面に接する。そして、キャップ層CAPの高さは、絶縁膜IFの上面USの高さよりも低くなっている。
【0086】
<Geフォトダイオードの製造方法>
続いて、本実施の形態5におけるGeフォトダイオードPD5を含む半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。まず、図21に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、パターニングされたシリコン層SLを覆う絶縁膜IFを貫通する開口部OP1を形成する。
【0087】
その後、図21に示すように、開口部OP1の底面から露出するシリコン層SLを等方性エッチングすることにより、シリコン層SLを貫通する開口部OP2を形成する。このとき、等方性エッチングを使用することから、シリコン層SLのエッチングは、縦方向(厚さ方向)だけでなく、横方向にも進むため、図21に示すように、シリコン層SLに形成される開口部OP2のサイズは、絶縁膜IFに形成される開口部OP1のサイズよりも大きくなる。言い換えれば、平面視において、開口部OP2は、開口部OP1を内包するように形成されることになる。この結果、開口部OP2からは、絶縁膜IFの下面BSの一部が露出することになる。なお、等方性エッチングとしては、等方性ドライエッチングやウェットエッチングを使用することができる。ここで、本実施の形態5では、等方性エッチングの条件を適宜調整することにより、開口部OP2の内壁面に、丸みを帯びたラウンド形状を形成することができる。
【0088】
次に、図22に示すように、選択エピタキシャル成長法により、開口部OP2の内壁面から露出するシリコン層SLを起点として、開口部OP2内にp型ゲルマニウム層PGLを形成する。ここで、p型ゲルマニウム層PGLは、開口部OP2から露出するシリコン層SLの側面と絶縁膜IFの下面BSに接するように形成され、かつ、平面視において、開口部OP1とは重ならないように形成される。すなわち、p型ゲルマニウム層PGLが開口部OP1の内部にまではみ出さないように、p型ゲルマニウム層PGLの形成が調整される。特に、本実施の形態5では、開口部OP2の内壁面がラウンド形状をしているため、p型ゲルマニウム層PGLが開口部OP1の内部にまではみ出さないように調整することが容易となる。
【0089】
その後、同一のチャンバ内における連続した選択エピタキシャル成長法により、p型ゲルマニウム層PGLを形成した開口部OP2内と絶縁膜IFに形成された開口部OP1内とにわたって、真性ゲルマニウム層IGLを形成する。続いて、同一のチャンバ内における連続した選択エピタキシャル成長法により、真性ゲルマニウム層IGLを形成した開口部OP1内にn型ゲルマニウム層NGLを形成する。さらに、同一のチャンバ内における連続した選択エピタキシャル成長法により、開口部OP1内にn型ゲルマニウム層NGLを覆うキャップ層CAPを形成する。このとき、キャップ層CAPの形成は、開口部OP1からはみ出さないように調整される。
【0090】
その後の工程は、前記実施の形態1と同様であるため、省略する。以上のようにして、本実施の形態5における半導体装置を製造することができる。
【0091】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0092】
BS 下面
CAP キャップ層
IF 絶縁膜
IGL 真性ゲルマニウム層
NGL n型ゲルマニウム層
OP 開口部
OP1 開口部
OP2 開口部
PD1 Geフォトダイオード
PD2 Geフォトダイオード
PD3 Geフォトダイオード
PD4 Geフォトダイオード
PD5 Geフォトダイオード
PGL p型ゲルマニウム層
SS 側面
US 上面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22