【文献】
Intel Corporation,Discussion on SFN timing difference in Dual connectivity,3GPP TSG−RAN WG4 Meeting#71 R4−143028,2014年5月12日アップデート,URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_71/Docs/R4−143028.zip
【文献】
Samsung,Measurement gap handling in SeNB in asynchronuous,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #87 R2−143080,2014年8月7日アップデート,URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_87/Docs/R2−143080.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。本実施の形態では、LTEの移動通信システムを対象とするが、本発明はLTEに限らず他の移動通信システムにも適用可能である。また、本実施の形態では、キャリアアグリゲーション技術が導入されている移動通信システムである前提で説明するが、これに限定されるわけではない。
【0029】
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「LTE」は、3GPPのリリース8、又は9に対応する通信方式のみならず、3GPPのリリース10、11、12、13、又はリリース14以降に対応する通信方式も含む広い意味で使用する。
【0030】
<システム全体構成>
図6は、実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。
図6に示すように、本実施の形態における通信システムは、ユーザ装置1とMCGを構成する基地局(MeNB)2aとSCGを構成する基地局(SeNB)2bとを含む通信システムである。基地局2aと基地局2bとは、DCによるCAを構成しており、ユーザ装置1は、基地局2aと基地局2bとの間でCA通信を行うことができる。
【0031】
また、基地局2aはセル3a(PCell)を構成しており、基地局2bはセル3b(PSCell)を構成している。各セル(3a、3b)は、例えば、1つのCC、もしくは、下りCCと上りCCとの組とからなるが、以下の説明では、各セルはCCと同義と考えてよい。また、
図6において、基地局2a及び基地局2bは、それぞれセル3a及びセル3bを構成するように図示されているが、図示の便宜上のものであり、基地局2a及び基地局2bは、それぞれ他のセル(SCell)を更に構成するようにしてもよい。
【0032】
なお、以下の説明において、基地局2a及び基地局2bを、まとめて基地局2と記載することがある。また、セル3a及びセル3bを、まとめてセル3と記載することがある。
【0033】
ユーザ装置1は、無線を通じて基地局2及びコアネットワーク等と通信を行う機能を有する。ユーザ装置1は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、モバイルルータ、ウェアラブル端末などである。ユーザ装置1は、通信機能を有する機器であれば、どのようなユーザ装置1であってもよい。ユーザ装置1は、プロセッサなどのCPU、ROM、RAM又はフラッシュメモリなどのメモリ装置、基地局2と通信するためのアンテナ、RF(Radio Frequency)装置などのハードウェアリソースにより構成される。ユーザ装置1の各機能及び処理は、メモリ装置に格納されているデータやプログラムをプロセッサが処理又は実行することによって実現されてもよい。しかしながら、ユーザ装置1は、上述したハードウェア構成に限定されず、他の何れか適切なハードウェア構成を有してもよい。
【0034】
基地局2は、無線を通じてユーザ装置1との間で通信を行う。基地局2は、プロセッサなどのCPU、ROM、RAM又はフラッシュメモリなどのメモリ装置、ユーザ装置1等と通信するためのアンテナ、隣接する基地局2及びコアネットワーク等と通信するための通信インタフェース装置などのハードウェアリソースにより構成される。基地局2の各機能及び処理は、メモリ装置に格納されているデータやプログラムをプロセッサが処理又は実行することによって実現されてもよい。しかしながら、基地局2は、上述したハードウェア構成に限定されず、他の何れか適切なハードウェア構成を有してもよい。
【0035】
実施の形態に係る通信システムにおいて、ユーザ装置1は、基地局2a及び基地局2bの各々から受信した無線信号のサブフレームのずれを測定し、測定したサブフレームのずれを基地局2a又は/及び基地局2bに通知するようにする。また、基地局2a及び基地局2bは、ユーザ装置1から通知されたサブフレームのずれに基づき、DRX制御及びmeasurement gapを考慮したスケジューリング制御を行うようにする。
【0036】
<機能構成>
(ユーザ装置)
図7は、実施の形態に係るユーザ装置の機能構成の一例を示す図である。
図7に示すように、ユーザ装置1は、信号受信部11、信号送信部12、受信タイミング測定部13、及び報告部14を有する。
図7は、ユーザ装置1において本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、
図7に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0037】
信号受信部11は、基地局2から各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。信号送信部12は、ユーザ装置1から送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。また、信号受信部11及び信号送信部12はそれぞれ、複数のCCを束ねて通信を行うCAを実行する機能を含む。信号受信部11と信号送信部12はそれぞれ、パケットバッファを備え、レイヤ1(PHY)及びレイヤ2(MAC、RLC、PDCP)の処理を行うことを想定している。ただし、これに限られるわけではない。
【0038】
また、信号受信部11は、基地局2aから送信される同期信号(PSS、SSS)及びPBCH(Physical Broadcast Channel)に含まれるMIB(Master Information Block)等に基づいて、基地局2a及び基地局2bから送信される無線信号の各々の受信タイミング(シンボルタイミング)、SFN及びサブフレーム番号を認識する。
【0039】
受信タイミング測定部13は、基地局2aから送信される無線信号の受信タイミング(シンボルタイミング)、SFN及びサブフレーム番号と、基地局2bから送信される無線信号の受信タイミング(シンボルタイミング)、SFN及びサブフレーム番号とを比較し、基地局2aから送信される無線信号と基地局2bから送信される無線信号との間の受信タイミングのずれを測定する。
【0040】
報告部14は、受信タイミング測定部13で測定された受信タイミングのずれを示す情報(以下、「受信タイミング情報」という)を、信号送信部12を介して、基地局2a又は/及び基地局2bに送信(通知)する。
【0041】
(基地局)
図8は、実施の形態に係る基地局の機能構成の一例を示す図である。
図8に示すように、基地局2は、信号受信部21、信号送信部22、基地局間通信部23、連携情報交換部24、記憶部25、DRX制御部26、及びスケジューリング制御部27を有する。
図8は、基地局2において本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、
図8に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0042】
信号受信部21は、ユーザ装置1から各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。信号送信部22は、基地局2から送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。信号受信部21及び信号送信部22はそれぞれ、複数のCCを束ねて通信を行うCAを実行する機能を含むようにしてもよい。
【0043】
信号受信部21と信号送信部22はそれぞれ、パケットバッファを備え、レイヤ1(PHY)及びレイヤ2(MAC、RLC、PDCP)の処理を行うことを想定している。ただし、これに限られるわけではない。
【0044】
基地局間通信部23は、他の基地局との間で通信を行う。また、基地局間通信部23は、X2インタフェースを介して送受信される信号を処理する機能を含むようにしてもよい。
【0045】
連携情報交換部24は、ユーザ装置1から受信タイミング情報を受信すると共に、受信タイミング情報に基づいて、DRX制御及びmeasurement gapを考慮したスケジューリング制御を連携して行うための情報(以下、「連携情報」という)を他の基地局との間で交換する。また、他の基地局との間で交換した連携情報を、記憶部25に格納する。
【0046】
記憶部25は、連携情報を記憶する。なお、連携情報は、ユーザ装置1ごとに異なる情報であり、例えば、DRX制御において基地局2の間でOn duration期間を揃えるための情報、MeNBでmeasurement gapを設ける区間及びタイミングに関する情報等が含まれる。
【0047】
DRX制御部26は、受信タイミング情報又は/及び記憶部25に記憶されている連携情報に基づいて、ユーザ装置1に対して、On duration期間及びOn duration期間の開始タイミングを指示する。
【0048】
スケジューリング制御部27は、受信タイミング情報又は/及び記憶部25に記憶されている連携情報に基づいて、measurement gapの区間に該当するサブフレームについてはDL及びULの無線リソースを割当てないようにスケジューリングを行う。
【0049】
以上説明したユーザ装置1及び基地局2の機能構成は、全体をハードウェア回路(例えば、1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
【0050】
図9は、実施の形態に係るユーザ装置のハードウェア構成例を示す図である。
図9は、
図7よりも実装例に近い構成を示している。
図9に示すように、ユーザ装置1は、無線信号に関する処理を行うRE(Radio Equipment)モジュール101と、ベースバンド信号処理を行うBB(Base Band)処理モジュール102と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール103と、SIMカードにアクセスするインタフェースであるSIMスロット104とを有する。
【0051】
REモジュール101は、BB処理モジュール102から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A(Digital-to-Analog)変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D(Analog to Digital)変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール102に渡す。REモジュール101は、例えば、
図7に示す信号受信部11の一部及び信号送信部12の一部を含む。
【0052】
BB処理モジュール102は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP(Digital Signal Processor)112は、BB処理モジュール102における信号処理を行うプロセッサである。メモリ122は、DSP112のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール102は、例えば、
図7に示す信号受信部11の一部、信号送信部12の一部及び受信タイミング測定部13を含む。
【0053】
装置制御モジュール103は、IPレイヤのプロトコル処理、各種アプリケーションの処理等を行う。プロセッサ113は、装置制御モジュール103が行う処理を行うプロセッサである。メモリ123は、プロセッサ113のワークエリアとして使用される。また、プロセッサ113は、SIMスロット104を介してSIMとの間でデータの読出し及び書込みを行う。装置制御モジュール103は、例えば、
図7に示す報告部14を含む。
【0054】
図10は、実施の形態に係る基地局のハードウェア構成例を示す図である。
図10は、
図8よりも実装例に近い構成を示している。
図6に示すように、基地局2は、無線信号に関する処理を行うREモジュール201と、ベースバンド信号処理を行うBB処理モジュール202と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール203と、ネットワークと接続するためのインタフェースである通信IF204とを有する。
【0055】
REモジュール201は、BB処理モジュール202から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール202に渡す。REモジュール401は、例えば、
図8に示す信号受信部21の一部及び信号送信部22の一部を含む。
【0056】
BB処理モジュール202は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP212は、BB処理モジュール202における信号処理を行うプロセッサである。メモリ222は、DSP212のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール202は、例えば、
図8に示す信号受信部21の一部及び信号送信部22の一部、記憶部25、DRX制御部26及びスケジューリング制御部27を含む。
【0057】
装置制御モジュール203は、IPレイヤのプロトコル処理、OAM(Operation and Maintenance)処理等を行う。プロセッサ213は、装置制御モジュール203が行う処理を行うプロセッサである。メモリ223は、プロセッサ213のワークエリアとして使用される。補助記憶装置233は、例えばHDD等であり、基地局2自身が動作するための各種設定情報等が格納される。装置制御モジュール203は、例えば、
図8に示す連携情報交換部24を含む。通信IF204は、例えば、
図8に示す基地局間通信部23を含む。
【0058】
<処理手順>
(処理シーケンス)
図11は、実施の形態に係る通信システムの処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図11を用いて、基地局2a及び基地局2bから送信される無線信号の受信タイミングのずれをユーザ装置1が測定し、測定結果を示す情報(受信タイミング情報)を基地局2a又は/及び基地局2bに送信する処理手順について説明する。ユーザ装置1は、基地局2aが構成するセル3aと基地局2bが構成するセル3bとの間でCAを行っている前提とする。
【0059】
なお、
図11において、「処理手順1」は、ユーザ装置1が受信タイミング情報を所定の基地局2aのみに送信する場合の処理手順を示し、「処理手順2」は、ユーザ装置1が受信タイミング情報をDCによるCAを構成する全ての基地局2に送信する場合の処理手順を示している。なお、「処理手順1」において、ユーザ装置1は、受信タイミング情報を所定の基地局2bのみに送信するようにしてもよい。
【0060】
ステップS101で、基地局2a及び基地局2bの信号送信部22は、ユーザ装置1に無線信号を送信する。無線信号には、同期信号(PSS、SSS)、PBCH等が含まれている。また、ユーザ装置1の信号受信部11は、基地局2a及び基地局2bから送信される同期信号、PBCH等に基づき、基地局2a及び基地局2bから送信される無線信号の各々の受信タイミング(シンボルタイミング)、SFN、サブフレーム番号及びセルを一意に識別する情報を認識する。
【0061】
ステップS102で、ユーザ装置1の受信タイミング測定部13は、基地局2aから送信される無線信号の受信タイミング(シンボルタイミング)、SFN及びサブフレーム番号と、基地局2bから送信される無線信号の受信タイミング(シンボルタイミング)、SFN及びサブフレーム番号とを比較し、基地局2aから送信される無線信号と基地局2bから送信される無線信号との間の受信タイミングのずれを測定する。
【0062】
ステップS103で、ユーザ装置1の報告部14は、信号送信部12を介して、ステップS102で測定した受信タイミングのずれを示す受信タイミング情報を含む受信タイミング情報報告信号を基地局2aに送信する。なお、受信タイミング情報報告信号は、例えば、RRCの制御信号でもよいし、MAC信号のコマンドでもよいし、物理チャネルの制御情報であってもよい。
【0063】
ステップS104で、基地局2aは、基地局2bとの間で連携情報を交換する。連携情報の交換は、例えば、X2インタフェースを用いて行われてもよいし、OAMに用いられるインタフェースを用いて行われてもよい。
【0064】
ステップS105及びステップS107は、それぞれステップS103及びステップS104と同一であるため説明は省略する。
【0065】
ステップS106で、ユーザ装置1の報告部14は、信号送信部12を介して、ステップS102で測定した受信タイミングのずれを示す受信タイミング情報を含む受信タイミング情報報告信号を基地局2bに送信する。なお、受信タイミング情報報告信号は、例えば、RRCの制御信号でもよいし、MAC信号のコマンドでもよいし、物理チャネルの制御情報であってもよい。
【0066】
(処理手順の具体例(その1))
続いて、ユーザ装置1がステップS102で行う処理の内容、及び、ステップS103又はステップS106で基地局2に送信する受信タイミング情報の内容について具体的に説明する。更に、
図11による処理手順が行われた後、基地局2a及び基地局2bが行うDRX制御の動作を具体的に説明する。なお、以下の説明において、基地局2aがCC#1を構成し、基地局2bがCC#2を構成するものとする。また、以下の説明において、CC#1は、PCellでもよいしSCellでもよい。また、CC#2は、PSCellでもよいしSCellでもよい。
【0067】
図12A及び
図12Bは、受信タイミングのずれの測定方法及び受信タイミング情報の一例(その1)を説明するための図である。
図13A及び
図13Bは、DRX制御におけるOn duration区間(その1)を説明するための図である。
【0068】
図12A及び
図12Bにおいて、「a」は、CC#1におけるSFNを示しており、「i」は、CC#1におけるサブフレーム番号を示している。つまり「a/i+1」、「a/i+2」及び「a/i+3」で示されるサブフレームは、CC#1における連続する3つのサブフレームを示している。同様に、「b」は、CC#2におけるSFNを示しており、「n」は、CC#2におけるサブフレーム番号を示している。つまり、「b/n」、「b/n+1」及び「b/n+2」で示されるサブフレームは、CC#2における連続する3つのサブフレームを示している。同様に、
図13A及び
図13Bにおいて、「i」は、CC#1におけるサブフレーム番号を示しており、「n」は、CC#2におけるサブフレーム番号を示している。
【0069】
まず、受信タイミング測定部13は、CC#1におけるいずれか1つのサブフレームを選択し、選択したサブフレームのSFN及びサブフレーム番号を記憶しておく。選択されたCC#1のサブフレームは、受信タイミング測定部13が受信タイミングのずれを測定する際の基準になるサブフレームである。
図12A及び
図12Bの例では、受信タイミング測定部13は、「a/i+2」のサブフレームを選択したと仮定する。
【0070】
続いて、受信タイミング測定部13は、選択されたCC#1のサブフレーム(
図12A及び
図12Bの例では「a/i+2」のサブフレーム)の開始地点〜終了地点までの間に開始地点があるCC#2のサブフレームを選択し、そのサブフレームのSFN及びサブフレーム番号を記憶しておく。
図12A及び
図12Bの例では、「b/n+1」のサブフレームが選択される。
【0071】
続いて、受信タイミング測定部13は、選択されたCC#1のサブフレーム(
図12A及び
図12Bの例では「a/i+2」のサブフレーム)の開始地点と、選択されたCC#2のサブフレーム(
図12A及び
図12Bの例では「b/n+1」のサブフレーム)の開始地点との間の時間のずれ「X」を測定し、測定したXの値を記憶しておく。
【0072】
続いて、報告部14は、選択されたCC#1のサブフレーム(
図12A及び
図12Bの例では「a/i+2」のサブフレーム)のSFN、サブフレーム番号及びCC#1を一意に識別する識別子と、選択されたCC#2のサブフレーム(
図12A及び
図12Bの例では「b/n+1」のサブフレーム)のSFN、サブフレーム番号及びCC#2を一意に識別する識別子と、測定したXの値とを、受信タイミング情報に格納して基地局2a又は/及び基地局2bに送信する(
図11のステップS103、S105又はS106)。
【0073】
なお、CC#1を一意に識別する識別子及びCC#2を一意に識別する識別子は、例えば、CellIndexであってもよいし、他の識別子でもよい。基地局2がCAを構成するセル又はCCを一意に識別できる識別子であれば、どのような識別子でもよい。
【0074】
なお、
図12Aは、選択されたCC#1のサブフレームと選択されたCC#2のサブフレームとの間の時間のずれ(Xの値)が、サブフレーム間隔の半分(0.5ms)より短い場合の一例を示しており、
図12Bは、Xの値が、サブフレーム間隔の半分(0.5ms)より長い場合の一例を示している。
【0075】
基地局2は、Xの値が0.5msより短い場合、
図12Aのように、受信タイミング情報で報告されたCC#1のサブフレーム及びCC#2のサブフレーム同士が、半分以上(0.5ms以上)重なっていると判断することができる。
【0076】
この場合、例えば、基地局2aのDRX制御部26は、報告されたCC#1のサブフレームのSFNから所定の無線フレーム区間後(例えばZ区間後)の無線フレームにおいて、報告されたCC#1のサブフレーム番号のサブフレームを開始点としてOn duration区間を設定するようにしてもよい。同様に、基地局2bのDRX制御部26は、報告されたCC#2のサブフレームのSFNから所定の無線フレーム区間後(CC#1と同様のZ区間後)の無線フレームにおいて、報告されたCC#2のサブフレーム番号(「n+1」)のサブフレームを開始点としてOn duration区間を設定するようにしてもよい。このようにOn duration区間が設定された場合の様子を
図13Aに示す。なお、太枠で示されているサブフレームは、受信タイミング情報で報告されたサブフレーム番号に該当するサブフレームを示している。
【0077】
一方、基地局2は、Xの値が0.5ms以上の場合、
図12Bのように、受信タイミング情報で報告されたCC#1のサブフレーム及びCC#2のサブフレーム同士が重なっている区間は、サブフレーム間隔の半分未満であると判断することができる。この場合、例えば、基地局2aのDRX制御部26は、報告されたCC#1のサブフレームのSFNから所定の無線フレーム区間後(例えばZ区間後)の無線フレームにおいて、報告されたCC#1のサブフレーム番号のサブフレームを開始点としてOn duration区間を設定するようにしてもよい。同様に、基地局2bのDRX制御部26は、報告されたCC#2のサブフレームのSFNから所定の無線フレーム区間後(CC#1と同様のZ区間後)の無線フレームにおいて、報告されたCC#2のサブフレーム番号(「n+1」)の1つ前のサブフレーム(「n」)を開始点としてOn duration区間を設定するようにしてもよい。このようにOn duration区間が設定された場合の様子を
図13Bに示す。なお、太枠で示されているサブフレームは、受信タイミング情報で報告されたサブフレーム番号に該当するサブフレームを示している。
【0078】
なお、上述の処理手順の具体例(その1)は一例であり、これに限られない。受信タイミング測定部13は、基準となるCC#1のサブフレームの開始地点〜終了地点の間に開始地点があるCC#2のサブフレームを選択するようにしたが、例えば、受信タイミング測定部13は、CC#1で選択した基準となるサブフレームの開始地点〜終了地点の間に終了地点があるCC#2のサブフレームを選択するようにしてもよい。また、別の例として、例えば、受信タイミング測定部13は、CC#1で選択した基準となるサブフレームと同一のサブフレーム番号を有するCC#2のサブフレームを選択するようにしてもよいし、CC#1で選択した基準となるサブフレームと同一のSFN及びサブフレーム番号を有するCC#2のサブフレームを選択するようにしてもよい。
【0079】
つまり、受信タイミング情報で通知されるCC#1のサブフレーム及びCC#2のサブフレームの選択基準と、時間のずれ「X」がどの区間の時間のずれを示しているのかとが、ユーザ装置1と基地局2との間で認識が統一されていれば、どのような処理手順であってもよい。
【0080】
また、時間のずれ「X」には、例えば、具体的な時間(例えばマイクロ秒単位)を格納するようにしてもよいし、所定の数(例えば、100マイクロ秒)で離散化された値を格納するようにしてもよいし、所定の時間のずれに対応づけられるインデックス番号等を格納するようにしてもよい。
【0081】
また、受信タイミング測定部13は、時間のずれ「X」を測定する場合、選択されたCC#1及びCC#2のサブフレームの開始地点どうしを比較するようにしてもよいし、終了地点どうしを比較するようにしてもよいし、サブフレームの中間地点どうしを比較するようにしてもよい。また、所定のシンボルタイミングの地点どうしを比較するようにしてもよい。受信タイミング測定部13は、どのような方法で時間のずれ「X」を測定するようにしてもよい。
【0082】
また、報告部14は、例えば、CC#2のサブフレームのSFN、及びサブフレーム番号の代わりに、CC#1のサブフレームのSFNとの差分(例えば、CC#2のSFNからCC#1のSFNを引いた値)と、CC#1のサブフレーム番号との差分(例えば、CC#2のサブフレーム番号からCC#1のサブフレーム番号を引いた値)とを受信タイミング情報に格納するようにしてもよい。逆に、報告部14は、例えば、CC#1のサブフレームのSFN、及びサブフレーム番号の代わりに、CC#2のサブフレームのSFNとの差分(例えば、CC#1のSFNからCC#2のSFNを引いた値)と、CC#2のサブフレーム番号との差分(例えば、CC#1のサブフレーム番号からCC#2のサブフレーム番号を引いた値)とを受信タイミング情報に格納するようにしてもよい。また、報告部14は、SFN及びサブフレーム番号の各々の差分を計算するのではなく、SFN及びサブフレーム番号が連結された値どうしを引き算することで差分を計算し、計算した差分を受信タイミング情報に格納するようにしてもよい。
【0083】
なお、基地局2a及び基地局2bは、ユーザ装置1から通知された受信タイミング情報に基づいて連携情報を交換し、交換された連携情報に基づいて、ユーザ装置1に対する各種制御を行うようにしてもよい。
【0084】
また、基地局2a及び基地局2bは、上記の処理手順によりユーザ装置1から通知された受信タイミング情報又は交換された連携情報に基づいて、measurement gap制御を行うようにしてもよい。例えば、基地局2aのスケジューリング制御部27が、
図13A及び
図13BのCC#1において、「i+2」〜「i+7」のサブフレームをmeasurement gap区間として設定した場合、基地局2bのスケジューリング制御部27は、報告されたCC#2のサブフレーム(「n+1」)の1つ前のサブフレーム(「n」)を起点として、すなわち、「n」〜「n+6」のサブフレームについてはDL及びULの無線リソースを割当てないようにスケジューリングを行うようにしてもよい。
【0085】
(処理手順の具体例(その1の変形例))
処理手順の具体例(その1の変形例)は、処理手順の具体例(その1)と同様の処理手順により受信タイミングのずれを測定するが、受信タイミング情報に時間のずれ「X」を含めないようにする。以下の説明において特に言及しない点は、処理手順の具体的(その1)と同一でよい。
【0086】
まず、受信タイミング測定部13は、CC#1におけるいずれか1つのサブフレームを選択し、選択したサブフレームのSFN及びサブフレーム番号を記憶しておく。選択されたCC#1のサブフレームは、受信タイミング測定部13が受信タイミングのずれを測定する際の基準になるサブフレームである。
図12A及び
図12Bの例では、受信タイミング測定部13は、「a/i+2」のサブフレームを選択したと仮定する。
【0087】
続いて、受信タイミング測定部13は、選択されたCC#1のサブフレーム(
図12A及び
図12Bの例では「a/i+2」のサブフレーム)の開始地点〜終了地点までの間に開始地点があるCC#2のサブフレームを選択し、そのサブフレームのSFN及びサブフレーム番号を記憶しておく。
図12A及び
図12Bの例では、「b/n+1」のサブフレームが該当する。
【0088】
続いて、報告部14は、選択されたCC#1のサブフレーム(
図12A及び
図12Bの例では「a/i+2」のサブフレーム)のSFN、サブフレーム番号及びCC#1を一意に識別する識別子と、選択されたCC#2のサブフレーム(
図12A及び
図12Bの例では「b/n+1」のサブフレーム)のSFN、サブフレーム番号及びCC#2を一意に識別する識別子とを、受信タイミング情報に格納して基地局2a又は/及び基地局2bに送信する(
図11のステップS103、S105又はS106)。
【0089】
処理手順の具体例(その1の変形例)では、基地局2は、サブフレームのずれが
図13Aの状態(すなわち、報告されたサブフレームどうしが重なる区間が多い場合)なのか、
図13Bの状態(すなわち、報告されたサブフレームどうしが重なる区間が少ない場合)なのか判断が出来ない。従って、例えば、基地局2bのDRX制御部26は、報告されたCC#2のサブフレームのSFNから所定の無線フレーム区間後(CC#1と同様のZ区間後)の無線フレームにおいて、報告されたCC#2のサブフレーム番号(「n+1」)のサブフレームを開始点としてOn duration区間を設定するようにしてもよい。言い換えると、
図13A及び
図13Bのどちらの場合であっても、基地局2bのDRX制御部26は、「n+1」〜「n+6」のサブフレームをOn duration区間に設定するようにしてもよい。
【0090】
また、基地局2a及び基地局2bは、上記の処理手順によりユーザ装置1から通知された受信タイミング情報又は交換された連携情報に基づいて、measurement gap制御を行うようにしてもよい。例えば、基地局2aのスケジューリング制御部27が、
図13A及び
図13BのCC#1において、「i+2」〜「i+7」のサブフレームをmeasurement gap区間として設定した場合、基地局2bのスケジューリング制御部27は、報告されたCC#2のサブフレーム番号(「n+1」)の1つ前のサブフレーム(「n」)を起点として、すなわち、「n」〜「n+6」のサブフレームについてはDL及びULの無線リソースを割当てないようにスケジューリングを行うようにしてもよい。
【0091】
なお、上述の処理手順の具体例(その1の変形例)は一例であり、これに限られない。受信タイミング測定部13は、基準となるCC#1のサブフレームの開始地点〜終了地点の間に開始地点があるCC#2のサブフレームを選択するようにしたが、例えば、受信タイミング測定部13は、CC#1で選択した基準となるサブフレームの開始地点〜終了地点の間に終了地点があるCC#2のサブフレームを選択するようにしてもよい。
【0092】
この場合、measurement gap制御において、例えば、基地局2aのスケジューリング制御部27が、
図13A及び
図13BのCC#1において、「i+2」〜「i+7」のサブフレームをmeasurement gap区間として設定した場合、基地局2bのスケジューリング制御部27は、報告されたCC#2のサブフレーム番号(「n」)を起点として、すなわち、「n」〜「n+6」のサブフレームについてはDL及びULの無線リソースを割当てないようにスケジューリングを行うようにしてもよい。
【0093】
なお、受信タイミング測定部13は、CC#1及びCC#2のサブフレーム開始地点の前後関係の差が非常に小さい場合(例えば、前後関係の差が所定の閾値以下である場合)、ユーザ装置1の報告部14は、基準になるCC#1のサブフレームと重なる区間が最も
長いCC#2のサブフレームを選択して受信タイミング情報に格納するようにしてもよい。また、当該前後関係の差を判断する際に用いられる所定の閾値として、受信タイミング測定部13は、例えば、同期DCにおいて規定されている、CG間(例えば、PCell及びPSCell)におけるサブフレームの受信タイミングの差(言い換えると、最大DL受信タイミングの差、又は、最大UL送信タイミングの差)を用いるようにしてもよい。また、報告部14は、当該前後関係の差が非常に小さいことを示す情報を、受信タイミング情報に含めて基地局2に通知するようにしてもよい。
【0094】
これにより、当該前後関係の差が非常に小さい場合、基地局2a及び基地局2bは、measurement gap制御を、例えば、後述の処理手順の具体例(その2)と同様の処理手順により行うことができる。
【0095】
(処理手順の具体例(その2))
図14A及び
図14Bは、受信タイミングのずれの測定方法及び受信タイミング情報の一例(その2)を説明するための図である。
図15A及び
図15Bは、DRX制御におけるOn duration区間(その2)を説明するための図である。以下の説明において特に言及しない点は、処理手順の具体的(その1)と同一でよい。
【0096】
まず、受信タイミング測定部13は、CC#1におけるいずれか1つのサブフレームを選択し、選択したサブフレームのSFN及びサブフレーム番号を記憶しておく。選択されたCC#1のサブフレームは、受信タイミング測定部13が受信タイミングのずれを測定する際の基準になるサブフレームである。
図14A及び
図14Bの例では、受信タイミング測定部13は、「a/i+2」のサブフレームを選択したと仮定する。
【0097】
続いて、受信タイミング測定部13は、選択されたCC#1のサブフレーム(
図14A及び
図14Bの例では「a/i+2」のサブフレーム)の開始地点〜終了地点までの間に開始地点があるCC#2のサブフレームを選択し、そのサブフレームのSFN及びサブフレーム番号を記憶しておく。
図14A及び
図14Bの例では、「b/n+1」のサブフレームが該当する。
【0098】
続いて、受信タイミング測定部13は、選択されたCC#1のサブフレーム(
図14A及び
図14Bの例では「a/i+2」のサブフレーム)の開始地点と、選択されたCC#2のサブフレーム(
図14A及び
図14Bの例では「b/n+1」のサブフレーム)の開始地点との間の時間のずれ「X」を測定し、測定したXの値を記憶しておく。
【0099】
続いて、報告部14は、Xの値が0.5msより短い場合、選択されたCC#1のサブフレーム(
図14Aの例では「a/i+2」のサブフレーム)のSFN、サブフレーム番号及びCC#1を一意に識別する識別子と、選択されたCC#2のサブフレーム(
図14Aの例では「b/n+1」のサブフレーム)のSFN、サブフレーム番号及びCC#2を一意に識別する識別子とを、受信タイミング情報に格納して基地局2a又は/及び基地局2bに送信する。
【0100】
また、報告部14は、Xの値が0.5ms以上の場合、選択されたCC#1のサブフレーム(
図14Bの例では「a/i+2」のサブフレーム)のSFN、サブフレーム番号及びCC#1を一意に識別する識別子と、選択されたCC#2のサブフレームの1つ前のサブフレーム(
図14Bの例では「b/n」のサブフレーム)のSFN、サブフレーム番号及びCC#2を一意に識別する識別子とを、受信タイミング情報に格納して基地局2a又は/及び基地局2bに送信する。
【0101】
なお、
図14Aは、選択されたCC#1のサブフレームと選択されたCC#2のサブフレームとの間の時間のずれ(Xの値)が、サブフレーム間隔の半分(0.5ms)より短い場合の一例を示しており、
図14Bは、Xの値が、サブフレーム間隔の半分(0.5ms)以上の場合の一例を示している。
【0102】
処理手順の具体例(その2)において、基地局2は、受信タイミング情報で報告されたCC#1のサブフレーム及びCC#2のサブフレームは、少なくとも、半分以上(0.5ms以上)重なっていると判断するようにする。基地局2aのDRX制御部26は、報告されたCC#1のサブフレームのSFNから所定の無線フレーム区間後(例えばZ区間後)の無線フレームにおいて、報告されたCC#1のサブフレーム番号のサブフレームを開始点としてOn duration区間を設定するようにしてもよい。同様に、基地局2bのDRX制御部26は、報告されたCC#2のサブフレームのSFNから所定の無線フレーム区間後(CC#1と同様のZ区間後)の無線フレームにおいて、報告されたCC#2のサブフレーム番号(「n」又は「n+1」)のサブフレームを開始点としてOn duration区間を設定するようにしてもよい。このようにOn duration区間が設定された場合の様子を
図15A及び
図15Bに示す。なお、太枠で示されているサブフレームは、受信タイミング情報で報告されたサブフレーム番号に該当するサブフレームを示している。
図15Aは、Xの値が0.5ms未満であった場合の一例を示し、
図15Bは、Xの値が0.5ms以上であった場合の一例を示している。
【0103】
以上説明した処理手順の具体的(その2)は、処理手順の具体的(その1)と異なり、受信タイミング情報に時間のずれ「X」を含めないようにしている。すなわち、処理手順の具体的(その2)は、処理手順の具体的(その1)と比較して、制御信号(シグナリング信号)を削減することができる。
【0104】
なお、報告部14は、例えば、CC#2のサブフレームのSFN、及びサブフレーム番号の代わりに、CC#1のサブフレームのSFNとの差分(例えば、CC#2のSFNからCC#1のSFNを引いた値)と、CC#1のサブフレーム番号との差分(例えば、CC#2のサブフレーム番号からCC#1のサブフレーム番号を引いた値)とを受信タイミング情報に格納するようにしてもよい。逆に、報告部14は、例えば、CC#1のサブフレームのSFN、及びサブフレーム番号の代わりに、CC#2のサブフレームのSFNとの差分(例えば、CC#1のSFNからCC#2のSFNを引いた値)と、CC#2のサブフレーム番号との差分(例えば、CC#1のサブフレーム番号からCC#2のサブフレーム番号を引いた値)とを受信タイミング情報に格納するようにしてもよい。また、報告部14は、SFN及びサブフレーム番号の各々の差分を計算するのではなく、SFN及びサブフレーム番号が連結された値どうしを引き算することで差分を計算し、計算した差分を受信タイミング情報に格納するようにしてもよい。
【0105】
なお、基地局2a及び基地局2bは、上記の処理手順によりユーザ装置1から通知された受信タイミング情報又は交換された連携情報に基づいて、measurement gap制御を行うようにしてもよい。例えば、基地局2aのスケジューリング制御部27が、例えば
図15A及び
図15BのCC#1において、「i+2」〜「i+7」のサブフレームをmeasurement gap区間として設定した場合、基地局2bのスケジューリング制御部27は、CC#2において、例えば、報告されたCC#2のサブフレームの1つ前のサブフレームを起点として8つのサブフレーム、すなわち、
図15Aでは、「n」〜「n+7」のサブフレームについてはDL及びULの無線リソースを割当てないようにスケジューリングを行うようにして、
図15Bでは「n−1」〜「n+6」のサブフレームについてはDL及びULの無線リソースを割当てないようにスケジューリングを行うようにしてもよい。なお、
図15AでCC#2の「n+7」のサブフレーム、
図15BでCC#2の「n−1」のサブフレームも含まれるようにしているのは、基地局2bは、ユーザ装置1から通知された受信タイミング情報に設定されているCC#2のサブフレームの開始地点が、CC#1のサブフレームの開始地点より前なのか後ろなのか分からない(つまり、
図15A及び
図15Bのどちらの状態なのか分からない)ためである。
【0106】
(処理手順の具体例(その2の変形例))
前述のとおり、処理手順の具体例(その2)において、基地局2は、ユーザ装置1から通知された受信タイミング情報に格納されている、CC#1のサブフレームの開始地点とCC#2のサブフレームの開始地点との前後関係を把握することができない。
【0107】
そこで、ユーザ装置1の報告部14は、受信タイミング情報に、CC#1のサブフレームの開始地点とCC#2のサブフレームの開始地点との前後関係を示す情報を追加するようにする。当該情報は、例えば、
図14Aの状態を「0」とし、
図14Bの状態を「1」とする1ビットの情報であってもよいし、
図14Aの状態を「1」とし、
図14Bの状態を「0」とする1ビットの情報であってもよい。また、CC#1及びCC#2のサブフレーム開始地点の前後関係の差が非常に小さい場合(例えば、前後関係の差が所定の閾値以下である場合)、ユーザ装置1の受信タイミング測定部13又は報告部14は、前後関係を厳密に判断せずに、前後関係が
図14Aの状態であるのか
図14Bの状態であるのかを固定的に選択するようにしてもよい。また、報告部14は、当該前後関係を示す情報を通知しないようにして、当該前後関係の差が非常に小さいことを基地局2に暗に示すようにしてもよい。
【0108】
基地局2a及び基地局2bは、上記の処理手順によりユーザ装置1から通知された受信タイミング情報又は交換された連携情報に基づいて、measurement gap制御を行うようにしてもよい。例えば、基地局2aのスケジューリング制御部27が、例えば
図15A及び
図15BのCC#1において、「i+2」〜「i+7」のサブフレームをmeasurement gap区間として設定した場合、基地局2bのスケジューリング制御部27は、
図15Aの場合、CC#2において、報告されたCC#2のサブフレーム(「n+1」)の1つ前のサブフレーム(「n」)を起点として、すなわち「n」〜「n+6」のサブフレームについてはDL及びULの無線リソースを割当てないようにスケジューリングを行うようにしてもよい。また、基地局2bのスケジューリング制御部27は、
図15Bの場合、CC#2において、報告されたCC#2のサブフレーム(「n」)を起点として、すなわち「n」〜「n+6」のサブフレームについてはDL及びULの無線リソースを割当てないようにスケジューリングを行うようにしてもよい。上述の通り、受信タイミング情報に、CC#1のサブフレームの開始地点とCC#2のサブフレームの開始地点との前後関係を示す情報が含まれているため、基地局2bのスケジューリング制御部27は、サブフレームのずれが、
図15Aの状態なのか、
図15Bの状態なのかを判断することができる。
【0109】
(ユーザ装置における測定誤差について)
ユーザ装置1の受信タイミング測定部13は、CC#1のサブフレーム及びCC#2のサブフレームの間の時間のずれを測定するが、実際には測定誤差が発生する可能性がある。例えば、時間のずれ「X」の値が0.5msに近い場合、基地局2に通知される受信タイミング情報に誤りが生じることが想定される。
【0110】
図16は、ユーザ装置における測定誤差を説明するための図である。例えば、
図16に示すように、CC#1のサブフレームのほぼ中心に、CC#2のサブフレームの開始地点が存在する場合(すなわち、Xの値がほぼ0.5msである場合)、ユーザ装置1が受信タイミングのずれは
図12A又は
図14Aの状態であると判断したとしても、実際の受信タイミングのずれは
図12B又は
図14Bの状態であることが想定される。この場合、基地局2には、誤った受信タイミング情報が通知されることになる。
【0111】
そこで、時間のずれ「X」の値が所定の閾値の範囲である場合、報告部14は、受信タイミング情報に、測定誤差により誤った状態を通知している可能性がある旨を示す情報を含めるようにして、基地局2に送信するようにしてもよい。
【0112】
また、当該所定の閾値は、予めユーザ装置1に記憶されていてもよいし、基地局2から報知情報やシステム情報等でユーザ装置1に通知されるようにしてもよい。
【0113】
これにより、基地局2は、DRX制御やmeasurement gap制御を行う際に、ユーザ装置1から通知された受信タイミング情報に測定誤差が含まれている可能性があると判断することができ、測定誤差が含まれていることを考慮した制御を行うことが可能になる。
【0114】
<効果>
以上、実施の形態によれば、キャリアアグリゲーションをサポートする通信システムにおいて、第一の基地局と第二の基地局と通信を行うユーザ装置であって、前記第一の基地局から受信する第一の無線信号の受信タイミングと、前記第二の基地局から受信する第二の無線信号の受信タイミングとの間のタイミングのずれを測定する測定部と、前記測定部により測定された、前記タイミングのずれを示す情報を前記第一の基地局又は前記第二の基地局に送信する送信部と、を有するユーザ装置が提供される。
【0115】
このユーザ装置1により、複数の基地局2から送信される無線信号の各々のサブフレームのずれをユーザ装置1が検出して基地局に通知する技術が提供される。
【0116】
また、前記測定部は、前記タイミングのずれが所定の閾値に含まれているか否かを判断し、前記送信部は、前記タイミングのずれが所定の閾値に含まれている場合、前記タイミングのずれが所定の閾値に含まれていることを示す情報を、前記第一の基地局又は前記第二の基地局に送信するようにしてもよい。
【0117】
これにより、基地局2は、ユーザ装置1から通知された受信タイミング情報に測定誤差が含まれている可能性があると判断することができ、測定誤差が含まれていることを考慮した各種制御を行うことが可能になる。
【0118】
また、前記タイミングのずれを示す情報は、前記第一の無線信号を構成するサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号と、前記第二の無線信号を構成するサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号とを含むようにしてもよい。
【0119】
これにより、基地局2は、受信タイミングのずれをサブフレーム単位で識別することが可能になる。また、これにより、DCによるCAを構成する各基地局2の間で、DRX制御又はmesuremanet gap制御を連携して行うことができ、ユーザ装置1の消費電力を削減することが可能になると共に、ユーザ装置1が通信出来ない期間(measuremanet gap区間)において、無駄に無線リソースを割当ててしまうことを防止することができる。
【0120】
また、前記タイミングのずれを示す情報は、更に、前記第一の無線信号を構成するサブフレームの予め定められた測定タイミングと、前記第二の無線信号を構成するサブフレームの予め定められた測定タイミングとの間の時間の差分を示す情報を含むようにしてもよい。
【0121】
これにより、基地局2は、CCごとのサブフレームの受信タイミングのずれを、詳細に識別することが可能になる。また、これにより、ユーザ装置1の消費電力を更に削減することが可能になると共に、ユーザ装置1が通信出来ない期間において、無駄に無線リソースを割当ててしまうことを防止することができる。
【0122】
また、前記測定部は、前記第一の無線信号を構成するサブフレームの予め定められた測定タイミングと、前記第二の無線信号を構成するサブフレームの予め定められた測定タイミングとを比較することで、前記タイミングのずれを測定するようにしてもよい。
【0123】
また、前記予め定められた測定タイミングは、サブフレームの開始タイミング、サブフレームの開始タイミング及び終了タイミングの中間のタイミング、又は、サブフレームの終了タイミングであってもよい。
【0124】
これにより、ユーザ装置1は、様々な測定タイミングにより、各CCの間のサブフレームの受信タイミングのずれを測定することが可能になる。
【0125】
また、実施の形態によれば、キャリアアグリゲーションをサポートする通信システムにおいて、ユーザ装置と通信を行う基地局であって、前記ユーザ装置から、当該基地局から送信される第一の無線信号の受信タイミングと、当該基地局とは異なる他の基地局から送信される第二の無線信号の受信タイミングとの間のタイミングのずれを示す情報を受信する受信手段と、前記タイミングのずれを示す情報に基づいて、前記ユーザ装置を制御する制御手段と、を有する基地局が提供される。
【0126】
この基地局2により、複数の基地局2から送信される無線信号の各々のサブフレームのずれをユーザ装置1が検出して基地局に通知する技術が提供される。
【0127】
また、前記制御手段は、前記タイミングのずれを示す情報に基づいて、前記ユーザ装置に対する無線リソースのスケジューリング、又は、前記ユーザ装置に間欠受信タイミングを指示するようにしてもよい。
【0128】
これにより、DCによるCAを構成する各基地局2の間で、DRX制御又はmesuremanet gap制御を連携して行うことができ、ユーザ装置1の消費電力を削減することが可能になると共に、ユーザ装置1が通信出来ない期間において、無駄に無線リソースを割当ててしまうことを防止することができる。
【0129】
<実施形態の補足>
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べたシーケンス及びフローチャートは、矛盾の無い限り順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、ユーザ装置1及び基地局2は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってユーザ装置1が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って基地局2が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0130】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【0131】
なお、実施の形態において、受信タイミング測定部13は測定手段の一例である。報告部14及び信号送信部12は、送信手段の一例である。受信タイミング情報又は連携情報は、タイミングのずれを示す情報の一例である。信号受信部21及び連携情報交換部24は、受信手段の一例である。DRX制御部26又はスケジューリング制御部27は、制御手段の一例である。
【0132】
(第1項)
キャリアアグリゲーションをサポートする通信システムにおいて、第一の基地局と第二の基地局と通信を行うユーザ装置であって、
前記第一の基地局から受信する第一の無線信号の受信タイミングと、前記第二の基地局から受信する第二の無線信号の受信タイミングとの間のタイミングのずれを測定する測定部と、
前記測定部により測定された、前記タイミングのずれを示す情報を前記第一の基地局又は前記第二の基地局に送信する送信部と、
を有するユーザ装置。
(第2項)
前記測定部は、前記タイミングのずれが所定の閾値に含まれているか否かを判断し、
前記送信部は、前記タイミングのずれが所定の閾値に含まれている場合、前記タイミングのずれが所定の閾値に含まれていることを示す情報を、前記第一の基地局又は前記第二の基地局に送信する、第1項に記載のユーザ装置。
(第3項)
前記タイミングのずれを示す情報は、前記第一の無線信号を構成するサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号と、前記第二の無線信号を構成するサブフレームのシステムフレーム番号及びサブフレーム番号とを含む、第1項又は第2項に記載のユーザ装置。
(第4項)
前記タイミングのずれを示す情報は、更に、前記第一の無線信号を構成するサブフレームの予め定められた測定タイミングと、前記第二の無線信号を構成するサブフレームの予め定められた測定タイミングとの間の時間の差分を示す情報を含む、第3項に記載のユーザ装置。
(第5項)
前記測定部は、前記第一の無線信号を構成するサブフレームの予め定められた測定タイミングと、前記第二の無線信号を構成するサブフレームの予め定められた測定タイミングとを比較することで、前記タイミングのずれを測定する、第1項乃至第4項のいずれか一項に記載のユーザ装置。
(第6項)
前記予め定められた測定タイミングは、サブフレームの開始タイミング、サブフレームの開始タイミング及び終了タイミングの中間のタイミング、又は、サブフレームの終了タイミングである、第5項に記載のユーザ装置。
(第7項)
キャリアアグリゲーションをサポートする通信システムにおいて、ユーザ装置と通信を行う基地局であって、
前記ユーザ装置から、当該基地局から送信される第一の無線信号の受信タイミングと、当該基地局とは異なる他の基地局から送信される第二の無線信号の受信タイミングとの間のタイミングのずれを示す情報を受信する受信手段と、
前記タイミングのずれを示す情報に基づいて、前記ユーザ装置を制御する制御手段と、
を有する基地局。
(第8項)
前記制御手段は、前記タイミングのずれを示す情報に基づいて、前記ユーザ装置に対する無線リソースのスケジューリング、又は、前記ユーザ装置に間欠受信タイミングを指示する、第7項に記載の基地局。
本特許出願は2015年4月3日に出願した日本国特許出願第2015−077225号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2015−077225号の全内容を本願に援用する。