(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記方法は、更に、複数の電極うちの治療を適用するための前記少なくとも1つの電極の選択を前記ディスプレイから受信することを含む、請求項1に記載の治療システム。
前記方法は、更に、前記治療システムに命令して、複数の電極のうちの治療のための前記少なくとも1つの電極に接触している組織に治療を適用することを含む、請求項1又は2に記載の治療システム。
治療は、無線周波数エネルギ、超音波エネルギ、レーザエネルギ、冷凍アブレーション、マイクロ波アブレーション、ボトックス注入、神経破壊剤、光エネルギ、不可逆的電気穿孔、磁気、超音波熱治療、ヒドロゲル注入、信号変換のための物理的又は化学的バリヤを生成する材料の注入、又は任意の薬物又は薬物担持複合製剤の注入のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の治療システム。
電気活動を測定することは、自然電気活動を測定すること、複数の電極のペーシングの結果を測定すること、又は、ベクトルインピーダンスを測定することのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療システム。
前記方法は、更に、組織に治療を適用するように治療システムに命令した後、組織に接触している複数の電極の各々について、電気活動を測定することを含む、請求項3〜5のいずれか1項に記載の治療システム。
前記方法は、更に、治療した複数の電極のうちの前記少なくとも1つの電極について、第4のしるしを有する代表マーキングを前記ディスプレイに伝達することを含む、請求項7に記載の治療システム。
前記方法は、更に、治療した複数の電極のうちの治療のための少なくとも1つの電極を決定することと、治療システムに命令して、治療した複数の電極のうちの治療のための前記少なくとも1つの電極に接触している組織に治療を適用することと、を含む請求項6に記載の治療システム。
前記方法は、更に、内部組織に接触している複数の電極の各々のところで測定された電気活動のグラフィック表現を生成することを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の治療システム。
前記方法は、更に、内部組織に接触している複数の電極の各々のところで測定された電気活動を前記ディスプレイに伝達することを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の治療システム。
前記方法は、更に、複数の電極のうちの治療のために決定した少なくとも2つの電極を含む脚を、複数の脚のうちから特定することを含む、請求項13に記載の治療システム。
前記方法は、更に、治療システムに命令して、前記特定した脚の上に配置された各電極に接触している組織に治療を適用することを含む、請求項14に記載の治療システム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面に示されている本開示の例をこれから詳細に参照する。以下、可能である場合はいつも、同じ参照番号は、同じ又は類似する部分を指示するように図面を通して使用される。用語「遠位」は、デバイスのユーザ端から離れた位置を指示する。用語「近位」は、デバイスのユーザ端により近い位置を指示する。本明細書に使用する場合、用語「約」及び「実質的に」は、述べた数値の±5%内の値の範囲を示す。
【0022】
膀胱及び過活動膀胱(OAB)を参照する例をここに説明するが、本開示はこれに限定されない。本明細書に説明するデバイス及び方法は、電気活動が存在する身体内の任意の中空器官の内部又は中空器官の外部又は他の器官/面に適用することができる。
【0023】
本開示は、一般的に、様々な病状の治療のためのターゲット部位を特定することに関連する。具体的には、本開示は、電極アレイを挿入すること、及び、電極アレイを患者の内壁上の複数の部位に接触させることに関連する。次いで、これらの部位における電気活動を任意の方法で測定する。特に、本明細書に開示するように、デバイスは、(1)自然電気活動、(2)ベクトルインピーダンス、及び/又は(3)ペーシングされた電極対から得られる活動を測定する。測定した電気活動を使用して、治療のためのターゲット部位を特定する。いくつかの実施例では、特定後にターゲット部位に治療を適用する。電極アレイを含む本明細書に説明するデバイス、及び/又は電気活動を測定する任意の方法を使用して、適用した治療が有効であったか否か及び/又はどの程度まで有効であったかを決定する。
【0024】
例示のデバイス
図1は、例示の医療デバイス250を示している。医療デバイス250は、本明細書に記載されている任意の方法と共に使用され、かかる方法は、ターゲット部位を特定する方法、治療を行う方法、及び/又は治療有効性を決定する方法を含む。他の例示の医療デバイス及び電極形態は、2015年3月25日出願の特許文献1、2012年6月28日出願の特許文献2、及び2014年3月14日出願の特許文献3に説明され、各々の内容を本明細書に援用する。
【0025】
図1の医療デバイス250は、カテーテル242と、ハンドル部分234と、電極アレイ116を含む。カテーテル242は、近位端部238と、遠位端部230を有する。ハンドル部分234は、カテーテル242の近位端部238に配置される。
【0026】
電極アレイ116は、カテーテル242内に配置され、又は、
図1に示すようにカテーテル242の遠位端部230から外に展開される。電極アレイ116は、例えば、ステンレス鋼、金属−ポリマー複合材、及び/又は金属合金で作られ、金属合金は、ニッケル、チタン、銅コバルト、バナジウム、クロミウム、及び鉄の金属合金である。1つの例では、電極アレイ116を形成する材料は、ニッケル−チタン合金であるニチノール等の超弾性材料である。いくつかの例では、拡張可能なアレイが、ニチノールを含む弾性材料で作られる。
図1に示した例に示すように、電極アレイ116は、電極アレイ116全体に均一に分布した1又は2以上の電極1〜20を含み、電極は、電気を供給し、電気信号を検出し、及び/又は患者の器官に治療を配送する。電極1〜20は、電流又は他のパラメータを測定することができ、かかるパラメータは、例えば、インピーダンス及び/又は温度である。同じ電極は、治療を行うことができ、かかる治療は、例えば、ペーシングエネルギを送出することが可能である。いくつかの例では、医療デバイス250は、無線周波数(「RF」)エネルギ、超音波エネルギ(例えば、高強度集束超音波)、レーザエネルギ、冷凍アブレーション、マイクロ波アブレーション、ボトックス注入、神経破壊剤、光エネルギ源、不可逆的電気穿孔、磁気、超音波熱治療、ヒドロゲル注入、信号変換のための物理的又は化学的バリヤを生成する材料の注入、いずれかの薬物又は薬物担持複合製剤の注入、及び/又は神経の反応性に影響を与える他の適切な技術である。電極アレイ116は、任意の数の電極を任意の形態で含む。電極アレイ116は、任意の数の脚を含み(例えば、電極1〜4が配置されている脚、又は、電極17〜20が配置されている脚)、任意の数の脚は、限定するわけではないが、1〜10の脚を含む(例えば、
図1は、5つの脚を有する例示の電極アレイを示し、
図4は8つの脚を有する例示の電極アレイを示す)。いくつかの又はすべての脚は、遠位自由端部を有する(例えば、電極アレイ116の遠位端部は、開放している)。変形例としてのいくつかの例では、電極アレイは、単一リードである。電極アレイは、カテーテル内に搭載されるとき、真っ直ぐであるのがよい。電極アレイがカテーテルを出て膀胱に入るとき、電極アレイは、(例えば、形状記憶材料の使用により)螺旋形態に変形して、膀胱に適合するように拡張されるのがよい。
【0027】
電極は、脚の上に配置されてもよいし、脚の中に配置されてもよい。いくつかの例では、電極は、針として構成される。針電極は、脚の空洞内に配置される。針電極は、最初、脚の中に配置され、次いで、脚の外方に延長される。針電極は、脚の外に任意適切な仕方で「押され」、かかる仕方は、限定するわけではないが、プッシュ/プルワイヤ、摺動ブロック、及び膨張可能なバルーンを含む。例えば、針電極は、脚の中に配置されたバルーン(図示せず)を膨張させることによって、脚の外に押される。針電極は、ボトックス又は他の神経毒をターゲット組織に送出することが可能である。これに加えて又は変形例として、針電極は、生理食塩水等の冷却物質を送出することが可能であり、エネルギを付与するとき、各針電極に直ぐに隣接した組織が過熱すること及び/又は焦げることを防止する。例えば、針電極は、チューブ材に接続され、チューブ材は、神経毒、冷却物質、及び/又は任意その他の望ましい不溶融性材料の供給源に通じている。いくつかの例では、針電極は、増量剤を送出する。針電極は、電気エネルギを送出し及び/又は測定することが可能なデバイスに電極を接続する個々の配線を有し、かかるデバイスは、例えば、コントローラ270を含む。
【0028】
カテーテル242は、尿路を含む患者の身体を横断するのに十分な可撓性を有し且つ当業者に知られている任意適切な生体適合性材料で作られたチューブであるのがよい。かかる材料は、限定するわけではないが、ゴム、シリコーン、シリコーンゴム、合成プラスチック、及び/又はポリマーであり、ポリマーは、例えば、ポリ(スチレン−ブロック−イソブチレン−ブロック−スチレン)(SIBS)等のポリオレフィントリブロックポリマー、ラテックス、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及び/又はポリプロピレン(PP)である。別の例では、カテーテル242を形成する材料は、ニッケル−チタン合金であるニチノール等の超弾性材料である。更に別の例では、カテーテル242は、1又は2以上の金属及び/又は合金を含む。
【0029】
カテーテル242は、任意の断面形状及び/又は形態を有し、下側尿路を含む患者の身体の望ましい側面に受入れられる任意の望ましい寸法のものである。外側シース(図示せず)は、カテーテル242を包囲する。外側シースは、絶縁ポリマー材料で構成され、かかる絶縁ポリマー材料は、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、又は任意その他の適切な材料である。外側シースの少なくとも一部分、例えば、遠位部分は、反らし可能であり及び/又はステアリング可能である。カテーテル242はまた、カテーテル242の近位端部238からカテーテル242の遠位端部230まで延びる1又は2以上の内腔を含む。内腔は、任意のサイズ、断面積、形状、及び/又は形態を有する。
【0030】
1つの例では、医療デバイス250は、コンピュータシステムに取付けられ又はそれを含み、かかるコンピュータシステムは、コントローラ270及び/又はインタフェース280を含む。コントローラ270は、信号処理部及び/又は電気エネルギ源を含み、信号処理部及び/又は電気エネルギ源は、それぞれのワイヤ260、266を介して医療デバイス250のハンドル234内に配置され又はそれに接続される。いくつかの実施例では、医療デバイス250は、他の構成要素を含み、かかる構成要素は、限定するわけではないが、流体源、冷却剤源、及び/又はレーザ源を含む。
【0031】
コントローラ270は、医療デバイス250の様々な構成要素の作動を制御し、及び/又はオペレータがかかる作動を制御することを可能にする。いくつかの実施例では、コントローラ270は、限定するわけではないが、例えば、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、物理的記憶媒体に具現化された任意の種類のランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM)を含み、かかる物理的記憶媒体は、フロッピーディスク、ハードディスク、又は磁気テープを含む磁気ストレージ、半導体ディスク(SSD)又はフラッシュメモリ等の半導体ストレージ、光ディスクストレージ、クラウドストレージ、医用デジタル画像及び通信(DICOM)対応ストレージ、又は磁気光ディスクストレージである。ソフトウエアは、1又は2以上のアプリケーション及びオペレーティングシステムを含む。1つの側面によれば、メモリは、電気信号を評価するための命令等のプロセッサ可読命令を記憶する。プロセッサは、それらの命令を実行して1又は2以上の方法ステップを実施する。プロセッサは、例えば、電気エネルギ源に命令して、それを作動させる。
【0032】
いくつかの実施例では、コントローラ270(又はコントローラ270内のプロセッサ)は、電気エネルギ供給装置から電極1〜20のうちの1又は2以上への電気エネルギの周波数、パターン、及び行き先を制御する。コントローラ270(又はコントローラ270内のプロセッサ)は、医療デバイス250から(電極アレイ116及び/又は電極1〜20からを含む)受信した電気信号を受信し及び/又は処理する。コントローラ270(又はコントローラ270内のプロセッサ)はまた、医療デバイス250の性質に応じて様々な作業を行い、かかる作業は、例えば、関心のある領域の幾何学的特性を決定すること、関心のある領域の画像及び/又はインタフェース280等のディスプレイに出力するために受信した電気信号のグラフィック表現を生成すること、又はターゲット部位へ治療を配送することを制御することである。コントローラ270(又はコントローラ270内のプロセッサ)は、インタフェース280と通信する。かかる通信は、受信した信号及び/又は処理した信号に関する情報を含む。
【0033】
いくつかの実施例では、コントローラ270(又はコントローラ270内のプロセッサ)は、インタフェース280に接続される。インタフェース280は、オペレータからの入力指令をコントローラ270(又はコントローラ270内のプロセッサ)に通信し、かかる入力指令は、医療デバイス250のエネルギ源、電極、及び/又は任意その他の構成要素へのデータを制御し及び/又は提供するのに使用する指令を含む。インタフェース280は、ユーザ入力デバイスを含み、かかるユーザ入力デバイスは、限定するわけではないが、任意の種類の入力/出力デバイス又はその組合せを含み、例えば、ディスプレイモニタ、タッチパッド、タッチスクリーン、マイクロフォン、カメラ、キーボード、ウエアラブルデバイス(時計、バンド、イヤホン等)、及び/又はマウスである。いくつかの例では、インタフェース280及びコントローラ270は、単一ユニットであり、例えば、タブレット、スマートフォン、及び/又はパーソナルコンピュータである。インタフェース280は、オペレータへの出力のために、表示スクリーンを含む。表示スクリーンは、例えば、電極1〜20のうちの1又は2以上から受信した電気信号のグラフィック表現(
図3A及び3B)を表示し、かかる電気信号は、コントローラ270(又はコントローラ270内のプロセッサ)に通信され且つそれによって処理される。これに加えて又は変形例として、解析及び/又は治療すべき器官又は管の仮想マップを、例えば、インタフェース280の表示スクリーンに表示する。
図2A〜
図2Eは、解析すべき身体部分が膀胱である例における仮想膀胱202の例示の表示を示す。
【0034】
〔例示の使用方法〕
いくつかの実施例では、患者の解析及び/又は治療すべき内壁は、膀胱、腸、尿路、及び/又は消化管を含む患者の身体の任意の器官又は身体管である。例えば、電極アレイ116を有するカテーテル242を、患者内に挿入する。解析及び治療する内壁が膀胱である例では、電極アレイ116を身体内に尿道を通して膀胱まで収縮形態(図示せず)で挿入する。例えば、挿入中、電極アレイ116をカテーテル242の内腔内に収縮形態で配置し、いったんカテーテル242の遠位端部230が膀胱(又は他の望ましい器官)内の所望の位置についたら、次いで、電極アレイ116を遠位端部230の外に展開し、拡張形態(
図1に示すような)に開く。いくつかの例では、電極アレイ116は、細長い部材の遠位端部に固定される。細長い部材は、カテーテル242の内腔内に移動可能に配置されるのがよい。いくつかの例では、電極アレイ116は、センサを含み、かかるセンサは、例えば、圧力センサ、生化学センサ、及び、pH、カリウム、ナトリウム等のセンサを含む。かかるセンサは、膀胱壁異常を決定するのを助けるのがよい(インピーダンス/筋活動電極に加えて)。
【0035】
上述したように、いくつかの例では、所望の身体部分の仮想マップを、例えば、コントローラ280内のプロセッサによって生成し、例えば、インタフェース270に表示する。いくつかの例では、表示する仮想マップを予め設定する。例えば、インタフェース280は、各使用/手順中、同じ身体部分を同じ形状で且つ同じ数及び形態の電極を有するように表示する。他の例では、表示される仮想マップは、リアルタイムのデータ/解析に基づく。例えば、データ解析は、特定のパターンを膀胱活動のサインとして認識するパターン認識を伴う。電極がこのパターンを感知する度に(例えば、応答/パターンの以前に記録したデータベース内に一致するものを見つけることによって)、活動領域を特定し/マーキングする。例えば、医療デバイス250の情報を記憶しておき、医療デバイス250をコントローラ270及び/又はインタフェース280に接続したら、電極アレイの形状、電極の数、及び/又は電極形態に基づいて、仮想マップを生成する。同様に、コントローラ270及び/又はコントローラ270内のプロセッサは、電極の形状を感知することができ、電極アレイが拡張形態になったら(例えば、身体部分の内壁を収縮させたら)、電極アレイの形状は、表示される身体部分の形状である。例えば、電極アレイ116を拡張させて、膀胱の内壁と接触させたら、電極アレイ116の拡張させた形状に基づいて、患者の膀胱の寸法及び形状に近似する仮想マップを生成する。
【0036】
図2Aは、(後で更に説明するような)電極アレイを挿入して拡張させた後であり且つ電極が膀胱の内壁に係合する前である膀胱の例示の仮想マップを示す。
図2Aに示すように、各電極(例えば、
図1の電極1〜20)は、円によって表されているが(例えば、代表マーキング21〜40)、本開示の仮想マップは、それに限定されない。例えば、電極は、数、文字、他の形状等によって表されてもよい。更に、各代表マーキングは、1よりも多い電極を表してもよく、例えば、各マーキングは、電極対を表す。仮想マップ内の電極のための各代表マーキング(例えば、
図2A〜
図2Eの各円)は、電極状態を示すしるしを有するのがよい。しるしは、様々な陰影、色、記号、文字、数等である。電極は、任意の数の電極状態を有し、及び/又は、コントローラ270のプロセッサは、任意の数の電極状態を検出する。
図2A〜
図2Eに示す例では、電極は、4つの状態を有し、4つの状態は、非係合、係合、要治療、有効治療済である。これらの状態は、代表マーキングを4つの異なる色で表示することによって指示され、4つの異なる色はそれぞれ、例えば、黄色、緑色、赤色、青色である。いくつかの例では、状態は、インジケータ(オフ、オン、待機、完了等)であってもよいし、数(例えば、1、2、3、4等)であってもよいし、文字(例えば、A、B、C、D等)であってもよいし、記号(例えば、=、±、−、+、又は、停止サイン、立てた親指、悲しい顔、笑った顔等)であってもよい。
図2Aは、どの電極も患者組織に係合していないとき及び/又はコントローラ270内のプロセッサが組織と電極の係合を検出していないときの仮想膀胱マップを示す。代表マーキング(例えば、円)の各々における非係合は、第1の陰影又は第1の色(例えば、黄色)によって示される。
図2Aの代表マーキングの全ては、どの電極も患者組織(例えば、患者の膀胱の内壁)に係合していないことを示す第1の陰影/色である。
【0037】
いったんアレイ116を有するカテーテル242を所望の器官又は管内に導入したら、電極を内壁(例えば、膀胱の壁)に係合させる。例えば、電極アレイ116が所望の位置についたら、電極アレイ116を拡張形態に移行させ、電極を内壁(例えば、膀胱の壁)に係合させる。いくつかの実施例では、バルーン(図示せず)を電極アレイ116内で膨らませて、電極アレイ116を拡張させる。変形例として、電極アレイの実施形態は、ニチノール等の形状記憶材料を含み、電極アレイ116を拡張形態に移行させる。このとき、生成された及び/又は表示された仮想マップは、電極が患者組織に係合したことを示す。例えば、
図2Bは、電極の少なくともいくつかが患者の膀胱の内壁に係合したときの患者の膀胱の例示の仮想マップを示す。係合した任意の電極(又は係合した電極対)は、第2のしるしと共に表示されている代表マーキング(例えば、円)によって指示される。例えば、第2のしるしは、第2の陰影又は第2の色(例えば、緑色)である。
図2Bに示す例では、すべての電極(電極対)が係合しているわけではない(又はコントローラ270のプロセッサによって係合したと検出されているわけではない)。
図2Bに示すように、代表マーキング23、34は、第1の陰影/色で表示されたままであり、かくして、それと関連した電極が患者組織に係合していないことを指示している。
【0038】
いったん電極が患者の内壁に係合したら、及び/又は、十分な数の代表マーキングが第2のしるしと共に表示されたことをオペレータが決定したら、本方法は、次の段階、例えば、電気活動を測定する段階に進む。上述したように、電気活動は、任意の仕方で測定され、任意の仕方は、(1)自然電気活動、(2)ベクトルインピーダンス、及び/又は(3)ペーシングされた電極対から生じた活動を測定することを含む。
【0039】
〔I.自然電気活動を測定する〕
いくつかの例では、1又は2以上の電極を使用して、自然筋活動を複数部位(例えば、電極が内壁に係合している部位)で測定する。自然電気活動を、約1分〜約5分にわたって測定するのがよい。
図1に示す例では、電極アレイ116は、電極1〜20を含む。いくつかの例では、測定を、隣接した電極対(例えば、1−2、3−4等)の間で行う。他の例では、測定を、隣接していない電極対の間で行ってもよい。測定を、全ての電極対で同時に行ってもよいし、測定を異なる時間に行ってもよい。電気活動の測定が、運動によるアーチファクト(artifact、人工の産物)、生理学的(例えば、筋原性)なアーチファクト又は生理学的以外(例えば、計装、外部ノイズ、十分な接地など)のアーチファクトの結果ではないことを確保するために、各電極測定を、通常の極性及び反対の極性で行うのがよい。これに加えて又は変形例として、1又は2以上のフィルタを使用し、アーチファクトをフィルタで除去することによって、測定の精度を高めてもよい。例えば、マッピングアルゴリズムをコントローラ270のメモリ及び/又はプロセッサ内で使用し、例えば、それを記憶して処理する。マッピングアルゴリズムは、アーチファクト(例えば、電極によって拾われた心拍信号)をフィルタ除去する。例えば、マッピングアルゴリズムは、一貫した周波数で観察された信号を特定し及び/又はピーク間距離を計算する。特定の電極のためのピーク間の距離が、患者の心拍及び/又は既知の/通常の人の心拍又は呼吸パターンと一致したら、かかる電極からのデータを解析せず及び/又はフィルタ除去する。いくつかの例では、電極をオフにしてもよい。オペレータは、必要なとき、フィルタの感度を変化させて、信号の感度を増大させるか減少させるかのいずれかを行い、ノイズをフィルタ除去し又はより小さい信号を拾う。ペースメーカーを有する患者のためのフィルタの感度を調節する必要がある。例えば、ペーシングインパルスは、約0.5msペーシングアーチファクト信号を導入する。強いRF電流及び/又は高いペーシング電流は、正常なペースメーカー活動を妨害することがある。これにより、埋込まれたペースメーカーを有する患者に対して望ましくない不整脈及び/又は他の危険を生じさせることがある。
【0040】
電極は、電気活動を測定し、生じた電気信号をプロセッサ(例えば、コントローラ270内のプロセッサ)に伝達する。いくつかの例では、コントローラ270内のプロセッサは、かかる電気信号を処理し及び/又はかかる信号をインタフェース280のディスプレイに表示する。
図3Aは、電気活動のグラフィック表現を示している。
図3Aは、
図1の電極アレイ116によって測定された及び/又は
図1のインタフェース280に表示された自然電気活動の例示の出力を示している。自然活動は、電極アレイから記録された筋電位によって指示される平滑筋収縮である。自然活動はまた、電極アレイから記録された神経電位であってもよい。インピーダンスは、2つの電極間に注入される電流と、それに対応する測定電圧である。インピーダンスを使用して、電極が組織に接触しているか否か、また、電極間の相対的な容積又は距離の変化を決定する。結果として、電極アレイ(例えば、電極アレイ116)は、局所的な電気筋電位を感知し、次いで、それに対応する膀胱の任意の機械的収縮をインピーダンスの使用を介して検出する。機械的収縮は、局所的であり、それに対応する少ない電極によって示される膀胱の小さい領域に関わるものであってもよいし、より広域的であり、アレイ上のほとんど又は全ての電極に対する変化によって指示される膀胱全体に関わるものであってもよい。
【0041】
自然電気活動を測定したら、最高相対電気活動を測定した1又は2以上の電極を決定する。最高相対電気活動は、累積電流強度を長い時間かけて決定することによって計算されるのがよい。例えば、オペレータが、測定した電気活動を(例えば、
図3Aのような電気活動のグラフィック表現を検討することによって)検討し、及び/又は、プロセッサ(例えば、コントローラ270のプロセッサ)が、最高相対電気活動を有する電極及び/又は電極対を決定する。
図3Aに示す例では、電極対9〜10、電極対15〜16、及び電気電極対19〜20の間で測定された電気活動を最高電気活動であると決定する。いくつかの例では、どの電極が最高相対電気活動を測定するのかを(電気活動の表現を検討するオペレータによって、及び/又は、プロセッサによって)決定したら、仮想マップ200は、これらの電極と関連した代表マーキング(例えば、電極9、10、15、16、19、20と関連した代表マーキング)を第3のしるしと共に表示する。
図2Cに示すように、電極9、10、15、16、19、20は、マーキング25、26、29、30、33、37によって表され、かくして、かかるマーキングは、
図2Cの仮想マップ200及び
図1のインタフェース280において、第3のしるし(例えば、赤色)で表示される。いくつかの例では、治療の必要性を測定しなかった電極(マーキング25、26、29、30、33、37が第3のしるしとして表示された後の残りの電極)を第2のしるしとして維持する代わりに、これらの残りの電極を、測定したが治療の必要がないと決定したことを示す第4のしるしと共に表示してもよい。いくつかの例では、いったん高活動領域を特定したら、異なる電極アレイ(例えば、より小さい空間を電極間に有する電極アレイ)を使用して、領域のより高密度のマップを提供してもよい。これに加えて又は変形例として、電極アレイを移動させて、信号が正しいことを確保してもよい(例えば、アレイを移動した後で同じマップが得られれば、異常箇所が確認される)。
【0042】
図2Dは、例示の選択機構を示し、選択機構は、例えば、治療部位を選択するためにタッチスクリーン上の望ましい代表マーキングに触れるオペレータである。いくつかの例では、最高相対自然電気活動を測定する部位、例えば、第3のしるしと共に表示される部位/代表マーキングは、特定された治療部位である。かくして、オペレータは、マーキング25、26、29、30、33、37を選択して、電極9、10、15、16、19、20に係合した組織の部位を治療する。インタフェース280は、オペレータがこれらの及び/又は任意の望ましい治療部位を選択することを可能にするタブレット又はPCのタッチスクリーンであるのがよい。適用される治療は、任意の既知の治療であり、無線周波数エネルギ、超音波エネルギ、レーザエネルギ、冷凍アブレーション、マイクロ波アブレーション、ボトックス注入、神経破壊剤、光エネルギ、不可逆的電気穿孔、膀胱切除、ペーシング、磁気、超音波熱治療、ヒドロゲル注入、信号変換のための物理的又は化学的バリヤを生成する材料の注入、又は任意の薬物又は薬物キャリヤ複合製剤の注入の適用を含む。切除の様々な方法は、以下により詳細に説明され、電気活動を測定する任意の方法及び/又は任意の既知の治療と組合せて使用されてもよい。いくつかの例では、利用される医療デバイスは、治療の1つの形態だけを提供する機能を含む。他の例では、
図1のインタフェース280及び/又は
図2A〜
図2Eの仮想マップ200は、選択された治療部位の治療のための1又は2以上の形態を選択する機能をオペレータに提供する。
【0043】
選択した治療を完了したら、電気活動を、自然電気活動の測定を含む任意の仕方で再び測定する。いくつかの例では、新しい仮想マップを発生させる。いくつかの例では、仮想マップ200を、新しい測定値を用いて更新する。コントローラ270内のプロセッサは、これらの電気信号を処理し、及び/又は、インタフェース280で表示するための信号を出力する。
図3Bは、「成功である」又は「有効な」治療後に測定された電気活動のグラフィック表現を示す。グラフィック表現を検討し、線内の変動が所定の閾値内(例えば、±5%)にあると決定したオペレータは、有効治療であることを決定する。いくつかの例では、オペレータは、
図3Bに示す線と同様に線が実質的に水平線であることを決定することによって、治療が成功であったことを決定する。いくつかの例では、実質的に水平な線は、治療が有効であると見なすのに必要ではない場合がある。例えば、オペレータは、前処理電気活動を後処理電気活動と比較する(例えば、インタフェース280は、
図3A〜Bを並べて又は一方を他方の上のオーバーレイとして表示する)。電気活動が単に前処理活動よりも小さい場合、治療が成功であると見なすことができる。グラフィック表現は、平坦な又はより水平な線を表示することによって電気活動の低減又は低下を示すと考えられる。いくつかの例では、コントローラ270内のプロセッサは、測定された電気活動が閾値分散よりも低いか又は前処理レベルよりも低いと決定することができる。いくつかの例では、どの電極がそれに対応する部位を確実に/十分に治療したのかを決定したら、仮想マップ200は、第4のしるしと共に、確実に治療することが決定された治療した電極と関連した代表マーキング(例えば、電極9、10、15、16、19、20と関連した代表マーキング)を表示する。
図3Bに示すように、電極9〜10、15〜16、19〜20は、ここでは実質的に水平線であり、かくして、オペレータ又はプロセッサ(例えば、コントローラ270内のプロセッサ)は、
図2Dでそれぞれのマーキング25、26、29、30、33、37を選択した後に適用された治療が成功した/十分であったことを決定する。かくして、これらのマーキングは、
図2Eの仮想マップ200及び/又は
図1のインタフェース280において、第4のしるし(例えば、青色)と共に表示される。変形例として、いったん治療が成功であることを決定したら、代表マーキングを、第2のしるし(例えば、係合したが治療不要)に変更してもよい。
【0044】
治療後、オペレータ及び/又はプロセッサが、治療が十分な成功でなかった(例えば、電気活動が十分に減少しなかった及び/又は代表マーキングが依然として第3のしるしと共に表示されている)と決定したら、(
図2Dに示すように)代表マーキングを再び選択し及び/又は同じ又は異なる治療を代表マーキングと関連した部位に適用する。いくつかの場合には、治療後、センサは、以前は「要治療」と示されていなかった及び/又は以前に第3のしるしと共に表示されていなかったが「要治療」と決定された代表マーキングを測定する。オペレータは、この電極が1回目に治療されていなかったとしても、この電極を治療のために選択する(
図2D参照)。
【0045】
治療方法が切除を含むいくつかの例では、電極は、自己調節式の、例えば、「スマート電極」であるのがよい。切除を適用するとき、電極及び/又はプロセッサ(例えば、コントローラ270内のプロセッサ)は、電気活動を測定し続ける。いったん電気活動が閾値レベルに達したら、切除を終了する。
【0046】
〔II.ベクトルインピーダンスを測定する〕
いくつかの例では、自然電気活動の変形例として又はそれに加えて、インピーダンス測定を、隣接した電極対(例えば、電極1と2、3と4)の各々の間で行う。これらの測定値を、「ベクトルインピーダンス」値として記憶する。いったんインピーダンス値を各ベクトルについて測定し及び/又はコントローラ270に記憶したら、これらのベクトルの各々のための電流を徐々に増大させて他の電極におけるEMG応答を測定することによって、神経動員曲線を取得する。活動閾値(例えば、所定の閾値よりも大きいEMG応答を測定するときの電流)を、各ベクトルについて(例えば、コントローラ270のメモリに)記録し及び/又は記憶する。活動閾値を、各ベクトルについて決定されたインピーダンスによって(例えば、コントローラ270内のプロセッサによって)分割して、各部位において必要とされる電圧を決定する。オペレータ及び/又はプロセッサは、応答を導出するのに必要とされる電圧が最も低い部位を決定する。いくつかの例では、仮想マップ200においてこれらの部位と関連した代表マーキングを、第3のしるし(例えば、マーキング25、26、29、30、33、37が赤色であること)と共に表示する。次いで、これらの部位を、本明細書で説明する任意の治療方法で治療する。例えば、ユーザは、
図2Dに示すようなマーキング25、26、29、30、33、37を選択し、無線周波数(RF)エネルギ、超音波エネルギ(例えば、高強度集束超音波)、レーザエネルギ、冷凍アブレーション、マイクロ波アブレーション、ボトックス注入、神経破壊剤、光エネルギ源、不可逆的電気穿孔、磁気、超音波熱治療、ヒドロゲル注入、信号変換のための物理的又は化学的バリヤを生成する材料の注入、又は任意の薬物又は薬物担持複合製剤の注入、及び/又は神経の反応性に影響を与える別の適切な技術のうちの1つを、応答を導出するのに必要とされる最も低い電圧を有することが決定された部位に適用する。上述したように、治療が有効であったかどうか及び/又は十分に成功したかどうかを治療後に決定するのがよい。いくつかの例では、上述した電気活動と任意のインピーダンスベクトル計算の両方を、治療が有効であったことを確認する治療後のフィードバックとして使用する。
【0047】
〔III.電極対をペーシングする〕
いくつかの例では、自然電気活動及び/又はインピーダンス測定の代わりに又はこれに加えて、電極ペーシングを所定の部位(例えば、電極対)で繰返す。最初、上述したように、デバイス(例えば、
図1のデバイス250)を、注目している身体器官又は管内に挿入する。いったん電極が組織(例えば、
図2Bに第2のしるしと共に表示されている代表マーキングによって指示されているような)に係合したら、電極対をペーシングすることによって、電気活動を測定する。例えば、電極対1−2を最初にペーシングして、他の電極対に生じた活動を測定して記憶する。電極対を高周波数でペーシングしてもよいし、低周波数でペーシングしてもよい。例えば、低周波数ペーシングは、約0.5Hz〜約10Hzである。1つの側面によれば、低周波数ペーシングは、約2Hzである。いくつかの実施例では、高周波数ペーシングは、約100Hz〜約500Hzであり、いくつかの例では、約300Hzである。いくつかの例では、比較的低い周波数の刺激は、平滑筋をターゲットにし、比較的高い周波数の刺激は、神経組織をターゲットにする。いくつかの例では、電極対を、ランダムな順序でペーシングする。変形例として、電極対を毎回同じ順序で1つの解剖学的部位から始まって別の解剖学的部位まで(例えば、本方法が常に同じ仕方でマップを生成するように膀胱頸部から膀胱円蓋まで)ペーシングしてもよい。走査モードが完了した後、オペレータは、各電極対について、
図3Aと同様な電気活動のグラフィック表現を見る。例えば、インタフェース280は、電極対1−2がペーシングされたときの電気活動の第1のグラフィック表現、電極対3−4がペーシングされたときの電気活動の第2のグラフィック表現、電極対5−6がペーシングされたときの電気活動の第3のグラフィック表現等を表示する。オペレータは、これらのグラフィック表現を比較して、測定された最高活動をどの電極対が導出したか(例えば、どのグラフィック表現が示されているか)を決定する。いくつかの例では、プロセッサ(例えば、コントローラ270内のプロセッサ)は、ペーシングされていない他の電極/部位で測定された最高活動をどの電極対が導出したかを決定する。最高活動を導出した電極対を特定したら、仮想マップ200において、これらの電極対と関連した代表マーキングを、第3のしるしと共に表示する(例えば、マーキング25、26、29、30、33、37を赤色にする)。次いで、これらの部位を、本明細書で説明されている任意の治療方法で治療する。例えば、ユーザは、
図2Dに示すようなマーキング25、26、29、30、33、37を選択し、無線周波数(「RF」)エネルギ、超音波エネルギ(例えば、高強度集束超音波)、レーザエネルギ、冷凍アブレーション、マイクロ波アブレーション、ボトックス注入、神経破壊剤、光エネルギ源、不可逆的電気穿孔、磁気、超音波熱治療、ヒドロゲル注入、信号変換のための物理的又は化学的バリヤを生成する材料の注入、又は任意の薬物又は薬物担持複合製剤の注入、及び/又は神経の反応性に影響を与える別の適切な技術うちの1つを、ペーシングされていない他の電極/部位で測定された最高活動を導出した電極対に接続されている部位に適用する。上述したように、治療が有効であったか及び/又は十分に成功したかどうかを、治療後に決定するのがよい。いくつかの例では、電気活動及びペーシングの両方を、治療が有効であったことを治療後に点検するフィードバックとして使用してもよい。
【0048】
〔追加の例示の条件及び方法〕
上述したように、切除は、治療の1つの利用可能な形態である。いくつかの例では、電極自体(例えば、電極アレイ116の電極1〜20)は、電極のところの又はその近くの組織を切除するのに利用される。いくつかの例では、電極は、神経/筋電気信号伝達を妨害するリング形態、ライン形態、又は螺旋形態に位置決めされ、除去される。いくつかの例では、切除は、切除電極の深さ及び解剖学的位置に応じて、神経又は筋肉に適用される(例えば、膀胱円蓋及び頸部が切除され、神経に影響を与える)。例えば、主要な神経が切除電極の部位に配置されていれば、切除の条件(深さを含む)は、切除が貫壁性であり且つ膀胱壁の近くの神経が切除されるように選択される。いくつかの例では、切除周波数は、神経を破壊するように選択されてもよいし、筋肉を破壊するように選択されてもよい。
【0049】
いくつかの例では、電極の表面を、組織内へのより深い穿刺のために冷却する。いくつかの例では、膀胱全体を、熱を運び去る流体を循環させることによって冷却する。これに加えて又は変形例として、電極の直ぐそばに隣接した組織を冷却する開放式潅流デバイスが含まれる。かかるデバイスは、焦げを低減し、より大きい傷が展開されることを可能にする。
【0050】
切除は、神経を麻痺させることがあるが、治療される組織、例えば、膀胱の内面に重大な又は不可逆的な又は損傷させる効果はない。例えば、軽い切除(例えば、粘膜面阻害、貫壁性損傷、及び/又は平滑筋層穿孔)の適用は、膀胱壁の神経麻痺を生じさせるが、それと同時に、膀胱充填/排出に伴う無傷神経機能を維持する。例えば、密な神経支配がない領域における貫壁性に対する表面的な組織の切除は、必要な神経機能を維持しながら神経を麻痺させる。別の例では、密な神経支配を有する領域(例えば、膀胱頸部)の表面的な切除(又は切除の回避)は、神経機能を維持する。別の例では、一般的な内臓求心性繊維の変調は、中枢神経系に送られる感覚フィードバックを低減させる。減少した感覚フィードバックは、排尿筋が引き伸ばされるときに過感受性を低下させ、及び/又は、比較的大きい過反応性の箇所における遠心性運動神経を直接的に変調させる。
【0051】
いくつかの例では、切除の作用により、電極が組織から離れる。かかる場合、電極は、後処理電気活動を正確に測定しないことがある。従って、後処理電気活動の測定の前(例えば、
図2Eの前)、組織との接触を試験して確認しなければならず(例えば、
図2B)、必要に応じて、接触を回復させなければならない。
【0052】
いくつかの例(例えば、選択された治療が切除の形態である例)では、マッピング(例えば、仮想マップ200の生成及び/又は表示)と切除段階の間に、暫定的な「試験切除」期間が存在する。例えば、医療デバイス(例えば、医療デバイス250及び/又は電極アレイ116)は、理想的な切除ゾーンをマッピングして決定するために、神経を刺激し及び/又は電気活動を感知し、短時間作用型神経ブロック(例えば、ボトックス、リドカイン、ブピバカインなど)をかかる切除ゾーンに注入し、マーカ(例えば、時間をかけて生体再吸収される少量の注入可能なインク/染料及び/又は蛍光マーカ)を各切除ゾーンに残す。次いで、医療デバイスを患者の身体から取出す。いくつかの例では、特定の期間、例えば約12時間〜約48時間にわたって患者をモニタし、悪影響、例えば、治療で一般的に観察される尿閉又は他の問題、例えば、共通ボトックス副作用があまり発生しないことを確保する。オペレータ(例えば、医療専門家又は医師)が、結果は満足であると決定したら、例えば、短時間作用型神経ブロックが使用された元々の切除ゾーンを決めることによって、恒久的な切除治療を実施することができる。いくつかの例では、前の治療の元々の切除ゾーン又は部位は、注入された蛍光色素を特定する発光ダイオード(LED)を含む蛍光撮像で特定される。
【0053】
図4は、例示の電極アレイ470を示す。
図1の電極アレイ116と同様、電極アレイ470は、
図4に示すようなカテーテル442等のカテーテル内で且つカテーテル442の遠位端部430のところで移動可能に配置される。電極アレイ470は、8つの脚(例えば、脚41〜48)を含み、各脚は、複数の電極を含む。
【0054】
いくつかの例では、
図4は、電極アレイ470のデジタルバージョンの変形例のディスプレイ(例えば、
図1のインタフェース280上の)を示す。かかる例において、電気活動を(本明細書で説明されている方法又は当該技術で既知の任意の方法で)測定して、治療のための部位を(本明細書で説明されている方法又は当該技術で既知の任意の方法で)決定した後、代表マーキング(例えば、電極480、482、484、486のところのターゲットアイコン)を、電極アレイ470の画像の上に表示し、(1)どの電極が最高自然電気活動を測定するのか、(2)どの電極が応答を導出するのに必要とされる最低電圧を必要としているのか、(3)どの電極がペーシングされたときに最も大きい応答を他の電極において導出するのか、及び/又は(4)接続され/係合された組織部位の治療に必要な任意その他のインジケータをオペレータに指示する。
【0055】
いくつかの実施例では、切除(又は他の治療)は、要治療として指示された(例えば、第3のインジケータ、赤色として表示された)単一の電極(又は単一の電極対)で実施されず、その代わりに、電極アレイの脚全体で実施されてもよい。
図4に示すように、4つの電極は、識別子480、482、484、486で示されている。識別子480、482、484、486は、
図4にターゲットアイコンとして表示されているが、それに限定されない。例えば、識別子480、482、484、486は、色、形状、陰影などを含む任意のしるしであってもよい。4つのうちの3つは、脚41上にある。この例では、脚が最高活動を有するので、治療は、(治療のために指示された電極だけではなく)脚全体にわたって行われる。膀胱内の鉛直線内の治療/切除は、膀胱の周りの導電性の低下を生じさせる。
【0056】
いくつかの例では、デバイスは、切除のための4つの脚又は「スプライン」を有していてもよい。4つのスプラインは、90度ずつ離れ、かくして、膀胱を4つのセクションに分割又は分離する。これにより、信号伝達の低下を生じさせる。
【0057】
いくつかの例では、多数のスプライン又は脚が、治療を同時に行う。治療のための電極が脚/スプラインの1つのセクションに集中している例では、切除は、スプラインの部分長さで(しかし、治療のために示された電極よりも多くで)行われる。
【0058】
加えて、デバイス(例えば、医療デバイス250)は、本明細書に説明する方法又は手順の任意の間、可視化を行ってもよい。これにより、解析され且つ治療されている組織、身体器官、身体管等を見る機能をオペレータに提供する。例えば、血管系の可視化は、切除中に血管系を回避する際にオペレータを助ける。可視化は、カテーテル(例えば、
図1のカテーテル242)を用いてワーキングチャネルを介して提供される。ワーキングチャネルは、約24Fr〜約25Fr(約8.0〜8.3mm)の間であるのがよい。いくつかの例では、可視化は、超音波を介して提供される。
【0059】
1つの例では、方法は、膀胱全体活動の測定、次いで「休息段階」(例えば、測定なし)、続いて別の全体膀胱測定、続いて「休息段階」等を含む。このように、膀胱は、様々な段階でマッピングされ、包括的なマップが生成され(例えば、電極当たりの活動の平均を使用して)、高度活性部位が正確に示される。休息段階は、膀胱を充填すること、及び/又は、膀胱を(機械的、電気的等で)刺激することを含み、続いて、別の測定及びその後の測定−刺激サイクルを行い、それにより、最終的な膀胱活動マップのための平均を得る。
【0060】
加えて、本開示の範囲から逸脱することなしに、上述した実施形態及び実施例の側面を、任意の他の実施形態又は実施例の任意の他の側面と組合せてもよい。本開示の他の実施形態は、本明細書の考察及び本明細書に開示した実施形態の実施から当業者に明らかである。本明細書及び実施例は、単なる例示と考えられ、本開示の真の範囲及び精神は添付の特許請求の範囲によって定められることを意図している。