(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
天面が長方形である箱形状で、第1、第2の吹出口と第1、第2の吸込口とを有し、車両天井面に取り付けられる本体ケースと、前記本体ケース内に形成された、前記第1の吹出口と前記第1の吸込口とを連通する第1の送風路と、
前記第1の送風路に設けた、空気清浄部および送風部と、
前記本体ケース内に形成された、前記第2の吹出口と前記第2の吸込口とを連通する第2の送風路と、
前記第2の送風路に設けた、粉塵検知部および第1の基板部と、を備え、
前記第1の基板部は、前記粉塵検知部からの信号によって前記送風部の風量を制御する制御基板部分を有し、
前記粉塵検知部は、前記本体ケースにおける一方の長辺側で、かつ一方の短辺側に配置され、
前記空気清浄部は、前記本体ケースにおける一方の長辺側で、かつ他方の短辺側に、前記粉塵検知部と隣接して配置され、
前記第1の基板部は、前記本体ケースにおける他方の長辺側で、かつ一方の短辺側に配置され、
前記送風部は、前記本体ケースにおける他方の長辺側で、かつ前記第1の基板部よりも他方の短辺側に、前記第1の基板部と隣接して配置され、
前記本体ケースにおける長辺方向の前記空気清浄部の長さは、前記本体ケースにおける長辺方向の前記送風部の長さより長い構成であることを特徴とする車両用空気清浄機。
前記粉塵検知部の前記本体ケースにおける一方の短辺側から、前記空気清浄部の前記本体ケースにおける他方の短辺側までの長さは、前記第1の基板部の前記本体ケースにおける一方の短辺側から、前記第2の基板部の前記本体ケースにおける他方の短辺側までの長さと実質的に同じであることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気清浄機。
前記第1の基板部の前記本体ケースにおける長辺方向の長さは、前記第2の基板部の前記本体ケースにおける長辺方向の長さより長いことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気清浄機。
前記本体ケースは、運転席より後方で車内天井面の左右方向における中心線上に装着され、前記本体ケースにおける他方の長辺側が車における前方向となり、前記本体ケースにおける一方の短辺側が前記運転席側となり、前記本体ケースは、前記天井面に固定され前記本体ケースの上面である上本体ケースと、前記上本体ケースに装着される前記本体ケースの下面である下本体ケースとを備え、
前記第1の基板部は、操作用基板部分を有し、前記操作用基板部分は、操作用基板と、前記操作用基板に設けた複数のスイッチを備え、前記下本体ケースは、前記スイッチが貫通する複数の孔を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気清浄機。
前記粉塵検知部は、箱形状の検知ケースと、前記検知ケース内に設けられた検知センサーとを有し、前記検知ケースには、検知用吸込口、検知用吹出口とを備え、前記検知ケース内には、前記検知用吸込口と前記検知用吹出口とを連通する水平方向に延びた検知用風路を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気清浄機。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1における車両用空気清浄機について説明する。
【0013】
図1は、実施の形態1における車両用空気清浄機を、車室内の天井に取り付けた場合の模式図である。
【0014】
図1に示すように、実施の形態1の車両用空気清浄機1は、自動車2の車室内の天井3に取り付けられている。実施の形態1における車両用空気清浄機1は、自動車2に取り付けられた状態において、自動車2における前側を前側、自動車2における後側を後側、自動車2の前側から見て左側を左側、自動車2の前側から見て右側を右側と定義する。
【0015】
図2は、実施の形態1における車両用空気清浄機を前側から見た斜視図である。
図3は、実施の形態1における車両用空気清浄機を後側から見た斜視図である。
図4は、実施の形態1における車両用空気清浄機の展開図である。
図5は、実施の形態1における車両用空気清浄機のブロック図である。
【0016】
図2〜
図5に示すように、車両用空気清浄機1は、本体ケース4と、空気清浄部5と、送風部6と、粉塵検知部7と、表示部8と、第1の基板部9と、第2の基板部10とを備えている。
【0017】
図2、
図3に示すように、本体ケース4は、左右、前後方向の寸法に比べて、上下方向の寸法が小さい略箱形状である。本体ケース4は、下から見ると、天面側が横長(左右方向)の長方形である。本体ケース4の前面側には、第1の吹出口(清浄吹出口)11と、第2の吹出口12とを備えている。本体ケースの後面側には、第1の吸込口(清浄吸込口)13を設け、本体ケース4の下面側には、第2の吸込口14を備えている。
【0018】
図4に示すように、本体ケース4内には、第1の吹出口11と第1の吸込口13とを連通する第1の送風路(清浄送風路)15と、第2の吹出口12と第2の吸込口14とを連通する第2の送風路18が形成されている。第1の送風路15では、第1の吸込口13から吸い込まれた車内の空気が、順に空気清浄部5、送風部6を介して第1の吹出口11から車内へ送風される。
【0019】
空気清浄部5は、本体ケース4の後面側の第1の吸込口13付近に装着されている。空気清浄部5は、一例として、濾材を波状に折り曲げた集塵フィルターである。
【0020】
送風部6は、スクロール形状のケーシング16と、ケーシングに固定されたモータ24(
図5参照)と、モータ24によって回転する羽根(図示せず)とを備えている。ケーシング16は、天面に円形の吸気口(図示せず)を、前面側に四角形の吐出口17を有している。
【0021】
モータ24によって羽根が回転すると、車内の空気が、本体ケース4の第1の吸込口13から、本体ケース4内へ吸い込まれる。この吸い込まれた空気は、空気清浄部5へ送風され、空気清浄部5によって、空気中の埃等が捕集される。空気清浄部5を通過した空気は、ケーシング16の吸気口を介して、ケーシング16内へ送風される。そして、ケーシング16の吐出口17から、本体ケース4の第1の吹出口11を介し、車内へ送風される。
【0022】
第2の送風路18では、第2の吸込口14から吸い込まれた車内の空気が、順に粉塵検知部7、第1の基板部9を介して第2の吹出口12から車内へ送風される。
【0023】
粉塵検知部7は、空気中の粉塵量を測定するものである。粉塵検知部7は、一例として、光散乱式である。
【0024】
表示部8は、本体ケース4における下面に設けられている。表示部8の表示内容は、粉塵検知部7で計測された値を元に、本体ケース4内に備えられた第2の基板部10によって制御される。
【0025】
第2の基板部10は、本体ケース4内に備えられ、表示部8の上方に配置されている。
【0026】
第1の基板部9は、制御基板部分19と操作用基板部分20とを有している。制御基板部分19は、粉塵検知部7からの信号によって送風部6の風量を制御する。操作用基板部分20は、操作用の複数のスイッチ21を備えている。この複数のスイッチ21によって、電源の入り、切り、モードの切替等を行うことができる。
【0027】
図6は、実施の形態1における車両用空気清浄機を下方から見た展開図である。ここで、本体ケース4内における、部品の配置について説明する。
【0028】
図6に示すように、本体ケース4内における後側(一方の長辺側)には、粉塵検知部7と、空気清浄部5とを備えている。粉塵検知部7は、本体ケース4における後側(一方の長辺側)で、かつ右側(一方の短辺側)に配置されている。空気清浄部5は、本体ケース4における後側(一方の長辺側)で、かつ左側(他方の短辺側)に配置されている。粉塵検知部7と空気清浄部5とは、隣接して配置されている。本体ケース4における長辺方向の空気清浄部5の長さAは、本体ケース4における長辺方向の粉塵検知部7の長さBより長い。
【0029】
本体ケース4内における前側(他方の長辺側)には、第1の基板部9と、送風部6と、第2の基板部10とを備えている。第1の基板部9は、本体ケース4における前側(他方の長辺側)で、かつ右側(一方の短辺側)に配置され、第2の基板部10は、本体ケース4における前側(他方の長辺側)で、かつ左側(他方の短辺側)に配置されている。送風部6は、第1の基板部9と第2の基板部10との間に配置され、第1の基板部9と第2の基板部10の両方に隣接して配置されている。
【0030】
以上のように、粉塵検知部7と空気清浄部5とは隣接する構成である。また、送風部6は第1の基板部9と第2の基板部10との間に配置され、第1の基板部9、第2の基板部10の両方に隣接する構成である。これより、部品同士が上下方向に重なることなく、無駄な空間のない部品配置が可能となる。
【0031】
また、本体ケース4における左右方向(長辺方向)の送風部6の長さCは、本体ケース4における左右方向(長辺方向)の空気清浄部5の長さAより短く、送風部6は、第1の基板部9と第2の基板部10との間に配置される。これにより、本体ケース4における左右方向(長辺方向)の送風部6の中心E(吸気口の中心)と、空気清浄部5の中心Dとの距離が縮まり、送風部6の中心Eから空気清浄部5の両端までの距離がA/2(同一)に近づく。つまり、空気清浄部5の左右方向(長辺方向)における風量が均一に近づき、空気清浄部5全体でより均一に空気中の埃等を捕集できる。結果として、小型化、薄型化できる部品配置となり、捕集風量の低下を抑制する車両用空気清浄機を提供することができる。
【0032】
ここで、粉塵検知部7の本体ケース4における右側(一方の短辺側)から、空気清浄部5の本体ケース4における左側(他方の短辺側)までの長さを長さFと定義する。また、第1の基板部9の本体ケース4における右側(一方の短辺側)から、第2の基板部10の本体ケース4における左側(他方の短辺側)までの長さを長さGと定義する。この時、長さFと長さGは実質的に同じである。なお実質的に同じとは、長さFに対して、長さGが、80%から120%の間の長さであることを意味する。
【0033】
これにより、本体ケース4における左右方向(長辺方向)の長さが、それぞれ実質的に同じであるので、本体ケース4内にできる無駄な空間を抑制できる。
【0034】
また、実施の形態1における車両用空気清浄機1において、第1の基板部9の本体ケース4における左右方向(長辺方向)の長さHは、第2の基板部10の本体ケース4における左右方向(長辺方向)の長さIより長いことを特徴とするものである。空気清浄部5の右側(一方の短辺側)には、粉塵検知部7を備えている。送風部6の右側(一方の短辺側)には、第1の基板部9を備え、送風部6の左側(他方の短辺側)には、第2の基板部10を備えている。ここで、送風部6の右側(一方の短辺側)の第1の基板部9の本体ケース4における左右方向(長辺方向)の長さHは、送風部6の左側(他方の短辺側)の第2の基板部10の本体ケース4における左右方向(長辺方向)の長さIより長い。
【0035】
これにより、第1の基板部の長さHが、第2の基板部10の長さIより短い場合に比べ、送風部6の中心E(吸気口の中心)と、空気清浄部5の中心Dとの距離が縮まる。つまり、送風部6の中心Eから空気清浄部5の両端までの距離がA/2(同一)に近づくので、空気清浄部5の左右方向(長辺方向)における風量が均一に近づき、空気清浄部5全体でより均一に空気中の埃等を捕集できる。
【0036】
また、本体ケース4は、運転席より後方で車内の天井3面の左右方向における中心線上に装着されている。ここで、本体ケース4における前側(他方の長辺側)が車における前方向となり、本体ケース4における右側(一方の短辺側)が運転席側となる。本体ケース4は、天井3面に固定され、本体ケース4の上面である上本体ケース22と、上本体ケース22に装着される本体ケース4の下面である下本体ケース23とを有している。下本体ケース23は、第1の下本体ケース23Aと第2の下本体ケース23Bを備えている。第1の基板部9は、制御基板部分19と操作用基板部分20を有している。操作用基板部分20は、操作用基板25と、操作用基板25に設けた複数のスイッチ21を備えている。第1の下本体ケース23Aは、スイッチ21が貫通する複数の孔27を有する。
【0037】
これにより、第1の基板部9は、本体ケース4における前側(他方の長辺側)で、かつ右側(一方の短辺側)に配置されている。つまり、本体ケース4における右側(一方の短辺側)、運転席側にスイッチ21を備えている。これにより、スイッチ21は、運転席より後方ではあるが、運転席からスイッチ21までの距離が近くなるので、本体ケース4における左側(他方の短辺側)に配置されている場合に比べて、運転席からのスイッチ操作が容易になる。
【0038】
また、表示部8は、下本体ケース23における左側(他方の短辺側)寄り、つまり運転席より後方で助手席側に配置されている。
【0039】
これにより、運転席から後方を振り返って表示部8を確認する場合に、表示部が運転席より後方で運転席側に配置されている場合に比べて、振り返る角度が小さいので、運転席からの表示部8の確認が容易になる。
【0040】
なお、ここでは本体ケース4における右側(一方の短辺側)が運転席側となる場合、つまり、左側ハンドルの場合について説明した。本体ケース4における左側(他方の短辺側)が運転席側となる場合、つまり右側ハンドルの場合は、上記構成を全て左右反対とすれば同様の効果を得られる。
【0041】
図7は、実施の形態1における車両用空気清浄機の粉塵検知部を示す斜視図である。
図7に示すように、粉塵検知部7は、箱形状の検知ケース29と、検知ケース29内に設けられた検知センサー(図示せず)とを有している。検知ケース29は、検知用吸込口31と、検知用吹出口32とを備えている。検知ケース29内には、検知用吸込口31と検知用吹出口32とを連通する水平方向に延びた検知用風路33が形成されている。このように、箱形状の検知ケース29内に検知用風路33が水平方向に延びているので、検知ケース29を左右、前後方向の寸法に比べて、上下方向の寸法が小さい略箱形状にでき、装置の薄型化が可能となる。
【0042】
(実施の形態2)
次に実施の形態2における車両用空気清浄機について説明する。
【0043】
従来、この種の車両用空気清浄機は、清浄吹出口と清浄吸込口とを有する箱形状の本体ケース内に、清浄吹出口と清浄吸込口とを連通する清浄送風路が形成され、清浄送風路に空気清浄部と送風部とを備えている。本体ケースは、車内天井面に取り付けられ、本体ケースの上面である上本体ケースと、上本体ケースに装着され、本体ケースの下面となる第1の下本体ケースと第2の下本体ケースとを備えている。上本体ケースには送風部が固定され、第2の下本体ケースには空気清浄部が装着されている。第2の下本体ケースは、垂直断面形状がU字形状で、第2の下本体ケースの両側面の上端によって、上本体ケースを挟むように装着されていた。そして第2の下本体ケースを下方向へ移動させることにより、第2の下本体ケースを本体ケースから外す構成であるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0044】
従来より、車室内の天井に取り付けるタイプである車両用空気清浄機では、空気清浄部のメンテナンス性の更なる向上が望まれている。
【0045】
空気清浄部を取り外す場合には、空気清浄部に直接触ることなく取り外せるように、空気清浄部が第2の下本体ケースに取り付けられており、この第2の下本体ケースを、上本体ケースから外すと、空気清浄部も同時に取り外せる構成であった。
【0046】
しかしながら、第2の下本体ケースは、垂直断面形状がU字形状で、第2の下本体ケースの両側面の上端によって、上本体ケースを挟むように装着され、落下方向である下方向へ移動させることにより上本体ケースから第2の下本体ケースを外す構成であった。そのために、外すときに片側の側面に力を入れすぎ、片側の側面だけが下げると、第2の下本体ケースが大きく傾いたり、第2の下本体ケースを落すことで、空気清浄部で捕集した粉塵が、飛び散る場合があった。
【0047】
そこで実施の形態2では、空気清浄部を取り外す場合に、空気清浄部が大きく傾いたり、第2の下本体ケースを落すことで、空気清浄部で捕集した粉塵が飛び散ることを抑制する車両用空気清浄機を提供することを目的とする。
【0048】
そして、この目的を達成するために、実施の形態2では、箱形状で、第1の吹出口と第1の吸込口とを有し、車両天井面に取り付けられる本体ケースと、上記本体ケース内に形成された、上記第1の吹出口と上記第1の吸込口とを連通する第1の送風路と、上記第1の送風路に設けた、空気清浄部および送風部と、を備え、上記本体ケースは、上記本体ケースの上面を構成する上本体ケースと、上記上本体ケースに取り付けられ上記本体ケースの下面を構成する第1の下本体ケースおよび第2の下本体ケースと、を備え、上記上本体ケースには上記送風部が固定され、上記第2の下本体ケースには上記空気清浄部が装着され、上記第2の下本体ケースは、水平方向へ移動させることにより上記上本体ケースに対して着脱される構成であることを特徴としたものである。
【0049】
これにより、第2の下本体ケースを上本体ケースから取り外す時に、空気清浄部が大きく傾いたり、第2の下本体ケースを落してしまい、空気清浄部で捕集した粉塵が、飛び散ることを抑制できる車両用空気清浄機を提供することができる。
【0050】
図1〜
図3、
図5、
図7に示すように、実施の形態2の車両用空気清浄機101の基本的な構成は、実施の形態1の車両用空気清浄機1と同様である。したがって、実施の形態1の車両用空気清浄機1と共通する構成については、実施の形態1の車両用空気清浄機1の説明で使用した
図1〜
図3、
図5、
図7を使用して説明する。
【0051】
一方、実施の形態2の車両用空気清浄機101の特徴的な構成については、
図8〜
図10を使用して説明する。
【0052】
図8は実施の形態2における車両用空気清浄機の概略図である。
図9は実施の形態2における車両用空気清浄機を下側から見た展開図である。
図10は実施の形態2における車両用空気清浄機において、上本体ケースから第2の下本体ケースを外した模式図である。
【0053】
図1に示すように、実施の形態2の車両用空気清浄機101は、自動車2の車室内の天井3に取り付けられている。実施の形態2における車両用空気清浄機101は、自動車2に取り付けられた状態において、自動車2における前側を前側、自動車2における後側を後側、自動車2の前側から見て左側を左側、自動車2の前側から見て右側を右側と定義する。
【0054】
図2、
図3、
図5、
図8に示すように、車両用空気清浄機101は、本体ケース4と、空気清浄部5と、送風部6と、粉塵検知部7と、表示部8と、第1の基板部9と、第2の基板部10とを備えている。
【0055】
本体ケース4は、左右、前後方向の寸法に比べて、上下方向の寸法が小さい略箱形状である。本体ケース4は、下から見ると、天面側が横長(左右方向)の長方形である。
図2に示すように、本体ケース4の前側には、清浄吹出口である第1の吹出口11と、第2の吹出口12とを備えている。
図3に示すように、本体ケースの後側には、清浄吸込口である第1の吸込口13を設け、本体ケース4の下面側には、第2の吸込口14を備えている。
【0056】
図8に示すように、本体ケース4内には、第1の吹出口11と第1の吸込口13とを連通する清浄送風路である第1の送風路15と、第2の吹出口12と第2の吸込口14とを連通する第2の送風路18が形成されている。第1の送風路15では、第1の吸込口13から吸い込まれた車内の空気が、順に空気清浄部5、送風部6を介して第1の吹出口11から車内へ送風される。
【0057】
空気清浄部5は、後述する第2の下本体ケース23Bに装着されている。空気清浄部5は、一例として、濾材を波状に折り曲げた集塵フィルターである。
【0058】
送風部6は、スクロール形状のケーシング16と、ケーシングに固定されたモータ24(
図5参照)と、モータ24によって回転する羽根(図示せず)とを備えている。ケーシング16は、天面に円形の吸気口(図示せず)を、前面側に四角形の吐出口17を有している。
【0059】
モータ24によって羽根が回転すると、車内の空気が、本体ケース4の第1の吸込口13から、本体ケース4内へ吸い込まれる。この吸い込まれた空気は、空気清浄部5へ送風され、空気清浄部5によって、空気中の埃等が捕集される。空気清浄部5を通過した空気は、ケーシング16の吸気口(図示せず)を介して、ケーシング16内へ送風される。そして、ケーシング16の吐出口17から、本体ケース4の第1の吹出口11を介し、車内へ送風される。
【0060】
第2の送風路18では、第2の吸込口14から吸い込まれた車内の空気が、順に粉塵検知部7、第1の基板部9を介して第2の吹出口12から車内へ送風される。
【0061】
粉塵検知部7は、空気中の粉塵量を測定するものである。粉塵検知部7は、一例として、光散乱式である。
【0062】
表示部8は、本体ケース4における下面に設けられている。表示部8の表示内容は、粉塵検知部7で計測された値を元に、本体ケース4内に備えられた第2の基板部10によって制御される。
【0063】
第2の基板部10は、本体ケース4内に備えられ、表示部8の上方に配置されている。
【0064】
第1の基板部9は、制御基板部分19と操作用基板部分20とを有している。制御基板部分19は、粉塵検知部7からの信号によって送風部6の風量を制御する。操作用基板部分20は、操作用の複数のスイッチ21を備えている。この複数のスイッチ21によって、電源の入り、切り、モードの切替等を行うことができる。
【0065】
図9は、実施の形態2における車両用空気清浄機を下方から見た展開図である。ここで、本体ケース4内における、部品の配置について説明する。
【0066】
図8、
図9に示すように、本体ケース4は、本体ケース4の上面を構成する上本体ケース22と、上本体ケースに取り付けられ本体ケースの下面を構成する第1の下本体ケース23Aおよび第2の下本体ケース23Bとを備えている。
【0067】
上本体ケース22は、平板形状で、自動車2の車室内の天井3に取り付けられ、上本体ケース22の下面には送風部6、粉塵検知部7と、第1の基板部9と、第2の基板部10と、第1の下本体ケース23Aとが固定されている。第2の下本体ケース23Bの上面には、空気清浄部5が着脱自在に装着されている。
【0068】
第1の下本体ケース23Aは、本体ケース4における前側(他方の長辺側)に配置され、第2の下本体ケース23Bは、本体ケース4における後側(一方の長辺側)に配置されている。
【0069】
空気清浄部5は、本体ケース4における後側(一方の長辺側)で、かつ左側(他方の短辺側)に配置され、粉塵検知部7とは、隣接して配置される。
【0070】
本体ケース4内における前側(他方の長辺側)には、第1の基板部9と、送風部6と、第2の基板部10とを備えている。第1の基板部9は、本体ケース4における前側(他方の長辺側)で、かつ右側(一方の短辺側)に配置され、第2の基板部10は、本体ケース4における前側(他方の長辺側)で、かつ左側(他方の短辺側)に配置されている。送風部6は、第1の基板部9と第2の基板部10との間に配置され、第1の基板部9と第2の基板部10の両方に隣接して配置されている。
【0071】
続いて空気清浄部5の取り外し方について説明する。
図10は、実施の形態2における車両用空気清浄機において、上本体ケースから第2の下本体ケースを外した模式図である。
図10に示すように、空気清浄部5は、第2の下本体ケース23Bの上面に着脱自在に装着されている。第2の下本体ケース23Bは、上本体ケース22に着脱自在に装着され、本体ケース4内における後側(一方の長辺側)へ移動させることにより上本体ケース22から外れる構成である。
【0072】
具体的には、第2の下本体ケース23Bは、水平面を有する四角形の下板34と、2枚の第1の側板35と、第2の側板36と、を備える。第1の側板35は、下板34における第2の下本体ケース23Bの移動方向に沿った2つの辺からそれぞれ上方へ延びた2枚の側板をいう。第2の側板36は、下板34における第1の下本体ケース23Aとは反対側の辺から上方へ延びた側板をいう。
【0073】
第2の側板36は、2枚の第1の側板35と連結し、第1の吸込口13である複数の開口37を設け、第1の側板35のそれぞれは、上端に内方へ延びた爪部38を備えている。上本体ケース22には、爪部38のそれぞれが嵌る2つの水平方向に延びた水平溝部39を設けている。この構成により、第2の下本体ケース23Bは、水平方向への移動が可能となる。つまり、第2の下本体ケース23Bを本体ケース4内における後側(一方の長辺側)へ移動させることにより、空気清浄部5に触れずに、上本体ケース22から第2の下本体ケース23Bと空気清浄部5とを外すことができる。
【0074】
このように、第2の下本体ケース23Bは、落下方向に対して直角方向となる水平方向へ移動させることにより上本体ケース22から外れる構成である。よって、空気清浄部5を取り外す時に、空気清浄部5の傾きや第2の下本体ケース23Bの落下などに起因する空気清浄部5からの粉塵の飛散を抑制できる車両用空気清浄機を提供することができる。
【0075】
また、清浄吸込口である第1の吸込口13は、第2の下本体ケース23Bの第2の側板36に設けた複数の開口37である。空気清浄部5における風上側に、複数の開口37である第1の吸込口13を備えている。これにより、空気清浄部5を取り外す時に、空気清浄部5を傾けた場合にも、空気清浄部5における風上側に溜まった粉塵の塊が、複数の横長四角形状の開口37を形成している格子30によって、車内に落下するのを抑制できる。
【0076】
また、水平溝部39の本体ケース4における後側先端には、下方へ傾斜した傾斜溝部41を設けた。これにより、上本体ケース22に第2の下本体ケース23Bを取り付ける場合に、第2の下本体ケース23Bを傾斜させて、爪部38を傾斜溝部41に挿入できるので、取り付け作業が容易になる。
【0077】
図7は、実施の形態2における車両用空気清浄機の粉塵検知部を下側からみた模式図である。
図7に示すように、車両空気清浄機101は、本体ケース内に粉塵検知部7と、制御基板部分19を備える第1の基板部9を有している。制御基板部分19は粉塵検知部7の信号によって送風部6の風量を制御する。粉塵検知部7は、箱形状の検知ケース29と、検知ケース29内に設けられた検知センサー(図示せず)とを有している。検知ケース29には、検知用吸込口31と、検知用吹出口32と、検知センサーのメンテナンス用の孔45を備えている。メンテナンス用の孔45は、検知ケース29の下面に設けられている。メンテナンス用の孔45の下方には、第2の下本体ケース23Bが配置されている。
【0078】
これにより、上本体ケース22から第2の下本体ケース23Bを外すと、本体ケース4の下方から検知センサーのメンテナンス用の孔45が見えるので、検知センサーのメンテナンスが容易になる。