【実施例1】
【0034】
(1)用語の定義
本明細書に於いて使用する主要な用語を、次の通りに定義する。「ゴミ収集業務」(garbage collection service)とは、決められたエリア内を巡回してエリア内の各地点においてゴミを収集しゴミ処理センターに回収する業務をいう。「ゴミ収集業者」(garbage-collecting agent)とは、業としてゴミ収集業務を行う者をいう。「委託者」(consigner)とは、ゴミ収集業務を委託する者(地方自治体等)をいう。「受託者」(consignee)とは、ゴミ収集業務を委託するゴミ収集業者をいう。「作業車」(work truck)とは、ゴミ収集業者が所有する塵芥収集車をいう。「作業員」(worker)とは、ゴミ収集業務を実際に現場で行うゴミ収集業者の従業員をいう。「ゴミ収集ルート」(garbage-collecting route)とは、ゴミの収集を行いながら歴巡する経路をいう。「ゴミステーション」(garbage-station:以下「ST」と略称)とは、ゴミの巡回収集を行う巡回ルート上の、ゴミの収集作業を行うポイント(収集点)であるゴミ集積所をいう。
【0035】
「管理サーバ」(management server)とは、ゴミ収集業務の業務管理及び業務支援を行うサーバをいう。「作業員端末」(worker terminal)又は「作業員端末装置」とは、作業員が利用する携帯型の端末装置をいう。「全球測位衛星システム」(GNSS:Global Navigation Satellite System)とは、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称である。
【0036】
「リスト」(list)とは、基本的なデータ構造の一つで、0個以上のデータを、順序を付けて格納したコンテナ(コレクション)の一種をいう。「ステーション写真」(station photo:ST写真)とは、ゴミステーションの写真画像データをいう。「ステーション情報」(station information:ST情報)とは、ゴミ収集ルート上の各ゴミステーションに係る情報(ゴミステーションの位置、名称、所属するゴミ収集ルート、所属するゴミ収集ルート上の順序番号、住所表記、ゴミステーションのステーション写真等の情報)をいう。「ステーションリスト」(station list:STリスト)とは、ゴミ収集ルート上のゴミステーションに係る情報の順列からなるリストをいう。「ST写真表示セル」(ST-photo display cell)とは、画面上にST写真を表示するセル(単位小区画)をいう。或るゴミステーションに対する「作業済情報」(job completed information)とは、該ゴミステーションに対するゴミ収集業務が完了したか否かの情報をいう。或るゴミステーションに対する「業務実施情報」(job implementation information)とは、該ゴミステーションに対する作業済情報及びゴミ収集業務の完了時刻に関する情報をいう。
【0037】
「ウィジェット」(widget)とは、GUI(Graphical User Interface)のインタフェース部品をいう。「電子ボタン」(electronic button)とは、押す(クリック又はタップする)ことで何らかの選択をする指示を受け付けるウィジェットをいう。「電子タブ」(electronic tab)とは、押す(クリック又はタップする)ことで、画面上の同じ領域に様々なものを切り換えて表示するための切り替え指示を入力するウィジェットをいう。
【0038】
「クリック」(click)とは、ポインティングデバイスによる入力操作であって、画面のアイコンやメニューにカーソルを位置させた状態でボタンを押してすぐ離す等の、画面上の特定の座標の選択操作をいう。「タップ」(tap)とは、タッチパネルディスプレイに対する入力操作であって、画面のアイコンやメニューを指で1回、軽く押す操作をいう。「スワイプ」(swipe)とは、タッチパネルディスプレイに対する入力操作であって、指で画面を押し、その指を画面に接触させたまま一定方向へ掃引するように動かす操作をいう。「フリック」(flick)とは、タッチパネルディスプレイに対する入力操作であって、指で画面を押してから、その指をさっとはじくように動かす操作をいう。「ピンチイン」(pinch-in)とは、タッチパネルディスプレイに対する入力操作であって、2本の指(親指と人差し指)をタッチパネルディスプレイの表面を摺動させつつその間隔を狭めるように動かす操作をいう。「ピンチアウト」(pinch-out)とは、タッチパネルディスプレイに対する入力操作であって、2本の指(親指と人差し指)をタッチパネルディスプレイの表面を摺動させつつその間隔を広げるように動かす操作をいう。「スクロール」(scroll)とは、コンピュータグラフィックスで、テキストや画像など画面に収まりきらないコンテンツを水平または垂直にスライドさせて表示する手法をいう。
【0039】
(2)塵芥収集業務支援システムの構成
図1は、本発明の実施例1に係る塵芥収集業務支援システムの全体構成を表すブロック図である。本実施例1の塵芥収集業務支援システムは、管理センターに設置された管理サーバ1、地図データの配信サービスを行うために設置された地図データ配信サーバ2、及び、各作業車に搭乗する作業員が携帯する端末装置である1以上の作業員端末装置3を備え、これらの管理サーバ1、地図データ配信サーバ2、及び各作業員端末装置3が、通信回線4を介して相互に通信可能に接続されている。各作業員端末装置3としては、具体的には、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン等の、演算装置,記憶装置,ディスプレイ,ポインティングデバイス,カメラ318(撮像装置),及びGNSS受信機を備えた、携帯して使用可能な情報通信機器が使用される。尚、本実施例では、作業員端末装置3は、ディスプレイとポインティングデバイスを一体化したタッチパネルディスプレイ317を備えているものとする。また、地図データ配信サーバ2は、管理センターに設置された専用のサーバであってもよいし、通信回線4を利用した通信ネットワーク上に存在する他の地図情報配信ベンダ(地図データ配信サービスを提供するベンダ)が所有するクラウドサーバであってもよい。
【0040】
管理サーバ1は、通信部101、ルート情報記憶部102、ST写真記憶部103、マスターデータ配信部104、ST写真更新部105、業務進捗更新部106、受託者情報記憶部107を備えている。これらの部分構成は、専用のコンピュータ・プログラムを管理サーバ1に読み込ませて実行することにより、管理サーバ1内に機能モジュールとして構成される。通信部101は、通信回線4との間でデータ通信を行うための処理を行うモジュールである。ルート情報記憶部102は、各ゴミ収集ルートに関する情報(以下「ルート情報データベース」という。)を保存し管理するデータベース・モジュールである。ST写真記憶部103は、各ゴミステーションのST写真の画像データを記憶するモジュールである。尚、ここでは説明の便宜上、ルート情報記憶部102とST写真記憶部103とを分けて記載しているが、ルート情報データベースはルート情報記憶部102及びST写真記憶部103に跨がって管理されており、このルート情報データベースの中のST写真のデータを扱うテーブル(
図2のST写真情報テーブル)の部分がST写真記憶部103に保存されているものとする。ルート情報配信部104は、ルート情報記憶部102に保存されたゴミ収集ルートに関する情報を、各作業員端末装置3に配信する処理を行うモジュールである。ST写真更新部105は、各作業員端末装置3から各ゴミステーションの写真データを受信した場合に、ルート情報記憶部102で管理されているルート情報データベースにおいて、該ゴミステーションに関する写真データを更新する処理を行うモジュールである。業務進捗更新部106は、各作業員端末装置3からゴミ収集ルートの業務の進捗情報を受信した場合に、ルート情報記憶部102で管理されているルート情報データベースにおいて、該ゴミ収集ルートの進捗情報を更新する処理を行うモジュールである。受託者情報記憶部107は、各受託者に関する情報(受託者ID,受託者名等)、該受託者に所属する作業車に関する情報(作業車ID,作業車が所属する受託者の受託者ID,作業車の車両番号等)、及び該受託者に所属する各作業員に関する情報(作業員ID,作業員が所属する受託者の受託者ID,作業員の氏名等)を保存し管理するデータベース・モジュールである。
【0041】
作業員端末装置3は、通信部301、撮像部302、GNSS受信部303、ルート情報記憶部304、軌跡情報記憶部305、ST写真記憶部306、ルート情報取得部307、地図情報取得部308、地図情報記憶部309、地図表示部310、STリスト表示部311、ST選択部312、ST写真表示部313、ST写真登録部314、ルート情報更新部315、マスターデータ記憶部316を備えている。これらの部分構成は、専用のコンピュータ・プログラム(アプリ)を作業員端末装置3に読み込ませて実行することにより、管理サーバ1内に機能モジュールとして構成される。通信部301は、通信回線4との間でデータ通信を行うための処理を行うモジュールである。撮像部302は、作業員端末装置3に実装されたカメラ318により写真を撮影する処理を行うモジュールである。GNSS受信部303は、GNSS受信機により、全球測位衛星システム(GNSS)を利用して作業員端末装置3の位置情報を取得する処理を行うモジュールである。ルート情報記憶部304は、現在ゴミ収集業務を行っているゴミ収集ルートに関する情報(以下「カレントルート情報」という。)を保存し管理するモジュールである。軌跡情報記憶部305は、現在行っているゴミ収集業務の期間内において、GNSS受信部303によって取得される位置情報の軌跡を保存し管理するモジュールである。ST写真記憶部306は、撮像部302によって撮影される写真の画像データを保存し管理するモジュールである。ルート情報取得部307は、通信部301により通信回線4を介して管理サーバ1と通信を行うことにより、ゴミ収集ルートに関する情報を取得する処理を行うモジュールである。地図情報取得部308は、通信部301により通信回線4を介して地図データ配信サーバ2と通信を行うことにより、地図情報を取得する処理を行うモジュールである。地図情報記憶部309は、地図情報取得部308によって取得される地図情報を、作業員端末装置3の内部の記憶装置に、一時的に保存し管理する処理を行うモジュールである。地図表示部310は、地図情報取得部308によって取得される地図に、各種追加情報の表示を加えて、タッチパネルディスプレイ317に表示する処理を行うモジュールである。STリスト表示部311は、タッチパネルディスプレイ317に、カレントルート情報に係るSTリストを表示する処理を行うモジュールである。ST選択部312は、タッチパネルディスプレイ317から入力される指示に従って、STリスト内の一のゴミステーションを選択する処理を行うモジュールである。ST写真表示部313は、ST選択部312によって選択されたゴミステーションのST写真をタッチパネルディスプレイ317に表示する処理を行うモジュールである。ST写真登録部314は、撮像部302によって撮影されたゴミステーションのST写真を、STリストに登録する処理を行うモジュールである。ルート情報更新部315は、タッチパネルディスプレイ317から入力される指示に従って、STリストの各ゴミステーションの業務実施情報を更新する処理を行うモジュールである。マスターデータ記憶部316は、作業員端末装置3を利用する作業員が所属する受託者(ゴミ収集業者)に係るマスターデータを保存し管理する処理を行うモジュールである。
【0042】
(3)データベースのデータ構造
図2は、
図1の管理サーバ1のルート情報記憶部102及びST写真記憶部103に格納されるルート情報データベースのデータ構造を表す(a)ER図及び(b)各テーブルの各フィールド内容を表す説明表である。本実施例では、ルート情報記憶部102及びST写真記憶部103に格納されるルート情報データベースは、4つのテーブル(ルート情報テーブル,ステーション情報テーブル,ステーション写真情報テーブル,業務実施情報テーブル)を備えたリレーショナル・データベースとして構成した例を示す。
【0043】
ルート情報テーブルは、ゴミ収集ルートに関する情報を管理するテーブルであり、“ルートID”,“受託者ID”(ゴミ収集ルートに係るゴミ収集業務を受託した受託者のID),“ルート名”(ゴミ収集ルートの名称),“ルート軌跡データ”(ゴミ収集ルートの経路を表す点列の座標情報のデータ),“ゴミ種別”(収集対象となるゴミの種別)の各フィールドを備えている。尚、本実施例では、ルート軌跡データは、ルート情報テーブル内に直接保存されているが、データベースの演算処理のメモリ節約及び高速化の観点から、ルート軌跡データは、ルート情報記憶部102内に、別途、個々に独立したファイルとして保存し、ルート情報テーブルでは該ファイルのファイル名を管理するように構成してもよい。
【0044】
ステーション情報テーブルは、ゴミ収集ルート上の各ゴミステーションに関する情報を管理するテーブルであり、“ステーションID”,“ルートID”(ゴミステーションが属するゴミ収集ルートのルートID),“順序番号”(ゴミ収集ルート上のゴミステーションの順序番号),“ステーション名”(ゴミステーションの名称),“位置座標”(ゴミステーションの経緯座標),“住所”(ゴミステーションの住所表記)の各フィールドを備えている。
【0045】
ステーション写真情報テーブルは、ゴミ収集ルート上の各ゴミステーションの写真情報を管理するテーブルであり、“ステーション写真ID”,“ステーションID”(ST写真に係るゴミステーションのステーションID),“ST写真表示セル番号”(ST写真が登録されたST写真表示セルのセル番号),“ST写真データ”(ST写真の画像データ)の各フィールドを備えている。尚、本実施例では、ST写真の画像データは、ステーション写真情報テーブル内に直接保存されているが、データベースの演算処理のメモリ節約及び高速化の観点から、ST写真の画像データは、ルート情報記憶部102内に、別途、個々に独立した画像ファイルとして保存し、ステーション写真情報テーブルでは該画像ファイルのファイル名を管理するように構成してもよい。また、ST写真表示セルについては後述する。
【0046】
業務実施情報テーブルは、ゴミ収集ルート上の各ゴミステーションの業務実施情報を管理するテーブルであり、“業務実施情報ID”,“ステーションID”(業務実施情報に係るゴミステーションのステーションID),“作業員ID”(業務実施情報に係るゴミ収集業務を実施した作業員の作業員ID),“実施日時”(業務実施情報に係るゴミ収集業務を実施した日時)の各フィールドを備えている。
【0047】
図3は、
図1の作業員端末装置3のルート情報記憶部304及びST写真記憶部306に格納されるカレントルート情報に関するルート情報データベースのデータ構造を表すER図である。本実施例では、ルート情報記憶部304及びST写真記憶部306に格納されるルート情報データベースは、2つのテーブル(ステーション情報テーブル,ステーション写真情報テーブル)を備えたリレーショナル・データベースとして構成した例を示す。尚、
図1では、説明の便宜上、ルート情報記憶部304とST写真記憶部306とを分けて記載しているが、カレントルート情報に関するルート情報データベースはルート情報記憶部304及びST写真記憶部306に跨がって管理されており、このルート情報データベースの中のST写真のデータを扱うテーブル(
図3のST写真情報テーブル)の部分がST写真記憶部306に保存されているものとする。
図3のステーション情報テーブルは、
図2のステーション情報テーブルと同様であるが、作業員端末装置3では特定された一つのゴミ収集ルートの情報のみを扱うので、“ルートID”フィールドは省略されている。また、ゴミステーションのゴミ収集業務が実施済か否かを表す“作業済フラグ” フィールドが追加されている。また、
図3のステーション写真情報テーブルは、
図2のステーション写真情報テーブルと同様である。
【0048】
(4)塵芥収集業務支援システムの動作
(4.1)ログインから作業員端末装置のメイン画面の表示まで
図4は、塵芥収集業務支援システムのログインから作業員端末装置のメイン画面の表示までの動作を表すフローチャートである。作業員Pは、ゴミ収集業務を開始するにあたり、作業員端末装置3から管理サーバ1へログインする(S101,S201)。この作業員端末装置3と管理サーバ1の間のログイン処理は、周知のログイン処理と同様であり、作業員Pは作業員端末装置3から作業員ID及びパスワードを入力してログインを行う。
【0049】
次に、作業員端末装置3において管理サーバ1からマスターデータを取得するマスターデータ取得処理が実行される(S102,S202)。このマスターデータ取得処理では、まず、作業員端末装置3のルート情報取得部307は、マスターデータ配信要求を管理サーバ1へ送信する。管理サーバ1のルート情報配信部104は、作業員端末装置3からマスターデータ配信要求を受信すると、受託者情報記憶部107が管理するデータベースを参照して、現在ログインしている作業員Pの作業員IDからその作業員Pが所属する受託者(ゴミ収集業者)Bの受託者IDを特定し、受託者情報記憶部107及びルート情報記憶部102が管理するデータベースを参照して、該受託者Bに所属する各作業車に関する情報(作業車ID,作業車の車両番号等)、及び該受託者Bに係るゴミ収集ルートに関する情報(ルートID,ルート名,ゴミ種別等)を抽出して、此等抽出されたデータをマスターデータとして作業員端末装置3へ送信する。作業員端末装置3のルート情報取得部307は、マスターデータを受信するとマスターデータ記憶部316に保存する。
【0050】
次に、作業員Pは、作業員端末装置3から、これから実施するゴミ収集業務を特定するための各種情報(作業車の車両番号、収集ゴミの種別、ゴミ収集ルート等)(以下「実施業務特定情報」という。)を入力する(S103)。この際、ルート情報取得部307は、マスターデータ記憶部316に保存されたマスターデータを用いて、作業員Pが、「作業車の車両番号」、「収集ゴミの種別」、「ゴミ収集ルート」等を入力するための各種選択メニューを作成してタッチパネルディスプレイ317に表示させる。作業員Pは、表示された各種選択メニューから「作業車の車両番号」、「収集ゴミの種別」、「ゴミ収集ルート」等の情報を選択することにより、実施業務特定情報を入力する。ルート情報取得部307は、入力されたこれらの実施業務特定情報を、順路情報配信要求と共に管理サーバ1へ送信する(S104)。管理サーバ1のルート情報配信部104は、順路情報配信要求及び実施業務特定情報を受信すると(S203)、実施業務特定情報により特定されるゴミ収集ルート上の各ゴミステーションのST情報(ゴミステーションの位置、名称、所属するゴミ収集ルート、所属するゴミ収集ルート上の順序番号、住所表記、ゴミステーションのST写真等の情報)をルート情報データベースから抽出し、抽出された各ゴミ収集ルートのSTリストを生成し、STリスト及び該STリストに係る各ST情報を作業員端末装置3へ送信する(S204)。また、ルート情報配信部104は、該ゴミ収集ルート上の各ゴミステーションの作業済情報(ゴミステーションのゴミ収集業務が完了したか否かの情報)を、ルート情報データベースの業務実施情報テーブルから抽出して、これら作業済情報を作業員端末装置3へ送信する(S205)。
【0051】
尚、ゴミ収集ルート上には、N個のゴミステーションS
1,S
2,…,S
Nがこの順序で配列されているとすると、このゴミ収集ルートに係るSTリストは、順列(S
1,S
2,…,S
N)となる。
【0052】
作業員端末装置3のルート情報取得部307は、管理サーバ1から受信したSTリスト及びST情報並びに作業済情報をルート情報記憶部304及びST写真記憶部306に保存する(S105)。ここで、ST写真記憶部306には、各ST情報に含まれる各ST写真の画像データが格納される。
【0053】
最後に、作業員端末装置3の地図表示部310、STリスト表示部311、及びST写真表示部313は、作業員端末装置3のタッチパネルディスプレイ317に、
図5(a)に示した様な業務支援メイン画面を表示する(S106)。尚、業務支援メイン画面の説明に関しては、次項で詳細に説明する。
【0054】
(4.2)ST写真の表示及びST写真の登録
図5は、作業員端末装置3のタッチパネルディスプレイ317に表示される業務支援メイン画面の表示構成を示す図である。
図5(a)は標準表示状態を表し、
図5(b)はステーション写真拡大表示状態を表している。
図5(a)において、標準表示状態の業務支援メイン画面には、業者・業務情報表示欄10、地図表示領域11、STリスト表示領域12、ST情報表示領域13、作業進捗状況表示領域14、ST検索ボタン15、ST住所表示領域16、作業完了送信ボタン17、地図表示タブ18、ステーション情報タブ19、計量タブ20、問合せタブ21が配されている。
【0055】
業者・業務情報表示欄10は、作業車の車両番号、ゴミ収集業務の対象となるゴミの種別、及びゴミ収集業務のゴミ収集ルート名を表示する欄(領域)である。地図表示領域11は、ゴミ収集ルート周辺の地図画像を表示する領域である。地図表示部310は、地図表示領域11に地図データ配信サーバ2から通信回線4を介して取得した地図情報を表示すると共に、該地図上に、各ゴミステーションの位置をマーク「●」により表示し、GNSS受信部303により取得される現在位置及び位置情報の軌跡を点線で表示する。また、地図表示部310は、GNSS受信部303が出力する作業員端末装置3の現在の位置情報を、自己位置を示すアイコン(例えば、自動車の形状等のアイコン)として地図上に表示する。
【0056】
STリスト表示領域12は、ゴミ収集ルート上のゴミ集積所のリスト(STリスト)を表示する領域である。STリスト表示領域12は、ゴミ収集ルートに沿って各ゴミステーションの順序番号の順に、上から下に個別ST情報12aが並べて表示されている。各個別ステーション情報12aには、そのゴミステーションS
iの(名称(左上の「広場 前」等の表記),所属するゴミ収集ルート上の順序番号(左下の数字の表記),作業済情報(右下の未収集/収集済の表記))が表示される。タッチパネルディスプレイ317上で、このSTリスト表示領域12を上下にスワイプ又はフリックすることで、STリスト表示領域12に表示されるSTリストを上下にスクロールすることが出来る。
【0057】
ST情報表示領域13は、ゴミ収集ルート上のゴミ集積所のST写真などのゴミステーションに関する情報を表示する領域であり、上下に2つのST写真表示セル13f,13fにより構成されている。各ST写真表示セル13fには、ST写真13a又は写真未登録マーク13b(ST写真が未登録であることを示すマーク)が表示されるとともに、セル内上部にカメラボタン13c(写真撮影用のカメラアプリを起動する電子ボタン)、登録ボタン13d(ST写真をSTリストに登録する指示を入力する電子ボタン)、及び拡大表示ボタン13e(ST写真の拡大表示指示を入力する電子ボタン)が表示されている。尚、本実施例では、ST情報表示領域13に2つのST写真表示セル13f,13fを配置した例を示したが、本発明に於いては、ST情報表示領域13に配置するST写真表示セル13fの数はこれに限るものではなく、1つ若しくは3つ以上であってもよい。尚、ST情報表示領域13に2つ以上のST写真表示セル13fを配置する場合には、ST情報表示領域13をスワイプ又はフリックすることにより、画面上に表示されるST写真表示セル13fのリストが上下にスクロールするように構成することもできる。但し、作業員の操作の簡便化、写真データの管理の容易さ、及び十分なST写真情報の情報登録可能量の確保の観点から、ST写真表示セル13fの数は2つとするのが最も好ましいと考えられる。
【0058】
作業進捗状況表示領域14は、ゴミ収集ルートにおけるゴミ収集業務の進捗状況(業務終了ST数/全ST数)を表示する領域である。ST検索ボタン15は、特定のゴミステーションを検索する指示を入力するための電子ボタンである。尚、特定のゴミステーションの検索は、通常の検索方法(検索画面を表示させて検索処理を行う方法)で実行され、ここでは詳細は省略する。ST住所表示領域16は、現在選択中のゴミステーションの順序番号([ ]で囲まれた数字部分)及び住所表記(「○○市栄1230−1」等)を表示する領域である。作業完了送信ボタン17は、現在選択中のゴミステーションについてゴミ収集業務が完了したことを管理サーバ1へ通知する指示を入力する電子ボタンである。地図表示タブ18は、地図表示領域11及びST情報表示領域13の画面を表示させる選択指示を入力する電子タブである。
【0059】
尚、ステーション情報タブ19は、ゴミ収集業務におけるゴミ集積所の情報入力画面(回収不可ゴミの写真等の入力画面)を表示させる選択指示を入力する電子タブである。計量タブ20は、回収したゴミの計量情報に関する画面を表示させる選択指示を入力する電子タブである。問合せタブ21は、問合せに関する画面を表示させる選択指示を入力する電子タブである。
【0060】
また、
図5(b)において、ステーション写真拡大表示状態の業務支援メイン画面では、ST情報拡大表示窓22がほぼ全面に表示され、ST情報拡大表示窓22内の中央には、ST写真13aが拡大表示されている。また、拡大表示されたST写真13aの下側には、ST情報拡大表示窓22を閉じる指示を入力するOKボタン23が配されている。
【0061】
図6は、作業員端末装置3のタッチパネルディスプレイ317に業務支援メイン画面が表示されている状態における作業員端末装置3の動作を表すフローチャートである。
【0062】
図5(a)の業務支援メイン画面において、地図表示領域11の地図上にマーク「●」により表示されたゴミステーションS、又はSTリスト表示領域12の個別ステーション情報12aをクリック又はタップすることにより、一のゴミステーションの選択指示が入力されると(S301)、ST選択部312は、選択されたゴミステーションS
iのST情報を、ルート情報記憶部304及びST写真記憶部306から取得し、STリスト表示領域12において該ゴミステーションS
iの個別ステーション情報12aを選択状態表示(太線枠で囲んだ表示状態(
図5(a)参照))とする。また、ST写真表示部313は、ST情報表示領域13の2つのST写真表示セル13f,13f内に、ゴミステーションS
iのST写真を表示する(S302)。ここで、何れかのST写真表示セル13fのセル番号(0又は1)に対応するST写真が、ルート情報記憶部304で管理されているルート情報データベースに登録されていない場合には、ST写真表示部313は、該ST写真表示セル13fには、写真未登録マーク13bを表示する。
【0063】
図5(a)の業務支援メイン画面において、ST情報表示領域13の何れかのST写真表示セル13f内のカメラボタン13cが選択(クリック又はタップ)された場合(S303)、撮像部302は、カメラ318により写真画像の取り込みを行い、ST写真表示部313は、取り込まれたゴミステーションS
iのST写真を該ST写真表示セル13f内に表示する(S304)。尚、該ST写真表示セル13f内に既にST写真が表示されていた場合には、その表示されていた写真を消去して、新たに撮影されたST写真を該ST写真表示セル13f内に表示する。
【0064】
図5(a)の業務支援メイン画面において、ST情報表示領域13の何れかのST写真表示セル13f内の登録ボタン13dが選択(クリック又はタップ)された場合(S303)、ST写真登録部314は、該ST写真表示セル13f内に表示されているST写真の画像データをルート情報データベースのステーション写真情報テーブルに登録する。さらに、ST写真登録部314は、ST写真更新要求とともに、(該ST写真の画像データ,ステーションID,セル番号)の情報を管理サーバ1に送信する(S306)。管理サーバ1のST写真更新部105は、ST写真更新要求を受信すると(S401)、該ST写真更新要求に付随して受信された(該ST写真の画像データ,ステーションID,セル番号)の情報を、ルート情報記憶部102で管理されているルート情報データベースのステーション写真情報テーブルに登録する(S402)。
【0065】
図5(a)の業務支援メイン画面において、ST情報表示領域13の何れかのST写真表示セル13f内の拡大表示ボタン13eが選択(クリック又はタップ)された場合(S307)、ST写真表示部313は、選択されたST写真表示セル13fにST写真13aが登録されていれば、
図5(b)に示した様に、そのST写真13aを、タッチパネルディスプレイ317の画面いっぱいに拡大して表示するST写真拡大処理(S311〜S313)を行う(S308)。
【0066】
ST写真拡大処理では、ST写真表示部313は、
図5(b)に示した様に、タッチパネルディスプレイ317の画面いっぱいにST情報拡大表示窓22を開き、選択されたST写真表示セル13f内のST写真13aを該ST情報拡大表示窓22内に表示する(S311)。ST情報拡大表示窓22内の下部には、OKボタン23も表示される。ST情報拡大表示窓22において、OKボタン23が選択(クリック又はタップ)された場合(S312)、ST写真表示部313はST情報拡大表示窓22を閉窓し(S313)、
図5(a)の業務支援メイン画面の標準表示状態に戻る。
【0067】
このように、ゴミステーションS
iが選択された場合に、タッチパネルディスプレイ317上に、該ゴミステーションS
iのST写真13aを、該ゴミステーションS
iの周辺の地図と共に表示することによって、ゴミ収集業務を行う現場の作業員Pは、地図の表示と実際の現場の風景との対応がつきにくいような場合であっても、地図とST写真13aの双方を参照することで、ゴミ収集ルート上の各ゴミステーションの位置をより容易に把握することが可能となる。特に、作業員Pが当該ゴミ収集ルートのゴミ収集業務を初めて担当する場合には、地図とST写真13aの双方を参照することで、ゴミステーションを見落とすことなく確実に業務を遂行することが可能となる。また、本来のゴミステーションの近傍に、決められたゴミステーションの地点以外の場所にゴミが放置されていた場合、作業員PはST写真13aを参照して、その放置ゴミが決められたゴミステーションの地点に置かれたものではないことを容易に判別することが可能となり、ゴミ収集業務を、委託者が決めたルールに従って正確に遂行することが可能となる。また、上述のST写真拡大処理により、ST写真表示セル13fに登録されたゴミステーションS
iのST写真13aを簡単に拡大表示することが出来、ST写真13aに写っているゴミステーションが小さく見えにくい場合でも、作業員Pは簡単に拡大させて確認することが可能である。
【0068】
また、作業員Pは、地図表示領域11の地図上のゴミステーションS
iの位置又はSTリスト表示領域12のゴミステーションS
iの個別ステーション情報12aをクリック又はタップすることで、ゴミステーションS
iを選択して、そのST写真を表示することが出来るので、操作が直感的に分かりやすく、操作に不慣れな作業員Pでも作業員端末装置3を容易に操作することが出来る。
【0069】
また、ゴミステーションのST写真13aが登録されていない場合には、ゴミ収集業務のために現場に出向いた作業員Paは、その場で自分が分かりやすいように該ゴミステーションのST写真を撮影し、ルート情報データベースに登録することが出来る。新たに撮影されたST写真は、管理サーバ1のルート情報記憶部102及びST写真記憶部103において管理されるため、その後、他の作業員Pbが該ゴミステーションに向かう際には、先に作業員Paによって登録されたST写真を参照することが出来、各作業員の間で各ゴミステーションのST写真情報の共有化が図られる。
【0070】
(4.3)業務実施情報の登録
図5(a)の業務支援メイン画面において、作業完了送信ボタン17が選択(クリック又はタップ)された場合(S309)、ルート情報更新部315は、選択されているゴミステーションS
iのステーションIDとともに、該ゴミステーションでのゴミ収集業務の実施結果に関する業務実施情報を管理サーバ1に送信する(S310)。このとき、ルート情報更新部315は、ルート情報記憶部304が管理するルート情報データベースのステーション情報テーブルにおいて、該ゴミステーションS
iの作業済フラグを「作業済」とし(
図3参照)、STリスト表示領域12の該ゴミステーションS
iの個別ステーション情報12aの表示も「未収集」を「収集済」に変更する。また、作業完了送信ボタン17が選択(クリック又はタップ)された場合、ST選択部312は、STリストにおける現在のゴミステーションS
iの次のゴミステーションS
i+1を選択状態とし、これに伴いSTリスト表示部311はSTリスト表示領域12の選択状態の表示を変更するとともに、ST写真表示部313は、該ゴミステーションS
i+1のST写真をST情報表示領域13に表示する。また、地図表示部310は、該ゴミステーションS
i+1を中心とする周辺地図を地図表示領域11に表示する。これにより、作業員Pが次に向かうべきゴミステーションS
i+1のST写真がST情報表示領域13に自動的に表示され、ゴミステーションS
i+1の周辺地図が地図表示領域11に自動的に表示されるため、作業員Pが作業員端末装置3を操作する作業が省略でき、操作の煩わしさが解消され、作業効率がより向上する。
【0071】
管理サーバ1は、業務実施情報を受信すると(S403)、その業務実施情報をルート情報記憶部102が管理するルート情報データベースの業務実施情報テーブルに登録する(S404)(
図2参照)。
【実施例2】
【0072】
図7は、実施例2に係る塵芥収集業務支援システムの全体構成を表すブロック図である。
図7において、実施例1の
図1と同様の構成部分については、同符号を付して説明を省略する。本実施例の塵芥収集業務支援システムでは、管理サーバ1は、新たに、STガイド情報記憶部103aを備えている。また、作業員端末装置3は、新たに、STガイド情報記憶部306a、STガイド出力部313a、及びスピーカ319を備えている。
【0073】
STガイド情報記憶部103a,STガイド情報記憶部306aは、各ゴミステーションに関するステーションガイド情報を記憶するモジュールである。「ステーションガイド情報」とは、ゴミステーションについての詳細な案内に関する情報をいう。本実施例では、ステーションガイド情報には、ゴミステーションの近傍の案内地図情報、ゴミステーションへの誘導又は集積所確認時の注意事項等を音声報知する音声ガイド情報(ナビ音声情報)、ゴミステーション近傍の3次元ポリゴンモデル情報及び経路案内動画情報が含まれている。
【0074】
STガイド出力部313aは、作業員端末装置3のタッチパネルディスプレイ317及びスピーカ319からステーションガイド情報を出力する処理を行うモジュールである。STガイド出力部313aの詳細な動作については後述する。
【0075】
図8は、
図7の管理サーバ1のルート情報記憶部102及びST写真記憶部103並びにSTガイド情報記憶部103aに格納されるルート情報データベースのデータ構造を表す(a)ER図(Entity Relationship Diagram)(IDEF1X記法による)及び(b)各テーブルの各フィールド内容を表す説明表である。
図9は、
図7の作業員端末装置3のルート情報記憶部304及びST写真記憶部306並びにSTガイド情報記憶部306aに格納されるカレントルート情報に関するルート情報データベースのデータ構造を表すER図である。
図8及び
図9は、基本的には
図2及び
図3と同様であるが、
図8及び
図9の両者において、ステーションガイド情報テーブル及びルートナビ情報テーブルが追加されている点が異なる。
【0076】
ステーションガイド情報テーブルは、ゴミ収集ルート上の各ゴミステーションのステーションガイド情報を管理するテーブルであり、“ステーションガイドID”,“ステーションID”(STガイド情報に係るゴミステーションのステーションID),“ガイド図情報”(ST近傍のガイド図情報),“ガイドビデオ情報”(ST近傍の誘導案内ビデオ情報),“注意事項情報”(STに関する注意事項情報),“ナビ音声ID”(ルートナビ音声情報を識別する固有の識別番号)の各フィールドを備えている。
【0077】
ルートナビ情報テーブルは、ゴミ収集ルート上の音声ガイド情報(ナビ音声情報)に関連する情報を格納するテーブルであり、“ナビ音声ID”(ルートナビ音声情報を識別する固有の識別番号),“ルートID”(ゴミ収集ルートを識別する固有の識別番号),“ナビ音声情報”(ゴミステーションの近傍の音声ガイド情報),“ナビ音声位置座標”(ナビ音声情報がガイドの対象とする地点の位置座標)の各フィールドを備えている。
【0078】
以上のように構成された実施例2に係る塵芥収集業務支援システムについて、以下その動作を説明する。塵芥収集業務支援システムを使用する作業員Pは、ゴミ収集業務を開始するにあたり、最初に作業員端末装置3から管理サーバ1へログインし、作業員端末装置3のメイン画面を表示させるが、この動作に関しては実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0079】
図10は、実施例2の作業員端末装置3のタッチパネルディスプレイ317に表示される業務支援メイン画面の表示構成を示す図である。
図10(a)は標準表示状態を表し、
図10(b)はステーション写真拡大表示状態を表している。
図11は、実施例2の作業員端末装置3のタッチパネルディスプレイ317に表示される業務支援メイン画面のステーション情報拡大表示状態を表す図である。
図10において、実施例1の
図5(a)と同様の部分には同符号を付してある。実施例1では、ST情報表示領域13には、上下に2つのST写真表示セル13f,13fが表示されていたが(
図5(a)参照)、本実施例では、ST情報表示領域13には、上側にST写真表示セル13fが表示され、下側にST案内表示セル13f’が表示される(
図10参照)。ST写真表示セル13fについては、実施例1と同様であるので、ここではST案内表示セル13f’について説明する。
【0080】
ST案内表示セル13f’には、STガイド
図13gが表示されるとともに、このSTガイド
図13gに重ねて、ゴミ収集ルート上の道路からゴミステーションに到達するまでの案内矢印13h、ゴミステーションの確認時の注意事項等のメッセージを表示するポップアップウィンドウ13i、拡大表示ボタン13e、及びビデオ再生ボタン13jが表示されている。STガイド
図13gは、ゴミステーションの近傍を拡大し、周囲の建物等の構造物の配置に対するゴミステーションの位置を表す詳細地図である。STガイド
図13gは3次元地図とされているが、
図10(a)の標準表示状態では、真上から視た平面図が表示されている。
【0081】
図11のステーション情報拡大表示状態では、
図10(a)のSTガイド
図13gが拡大表示される。
図11(a)は拡大表示の初期状態を表し、
図11(b)はユーザのスワイプ操作により視点方向が変更された状態を表している。
図11(a),(b)において、ステーション情報拡大表示状態の業務支援メイン画面では、ST情報拡大表示窓22がほぼ全面に表示され、ST情報拡大表示窓22内の中央には、STガイド
図13gが拡大表示されている。また、拡大表示されたST写真13aの下側には、ST情報拡大表示窓22を閉じる指示を入力するOKボタン23が配されている。また、STガイド
図13gに重ねて、案内矢印13h、ポップアップウィンドウ13i、及びビデオ再生ボタン13jが配されている。案内矢印13h及びポップアップウィンドウ13iは、その位置がSTガイド
図13gの3次元地図を構成するポリゴンデータに関連付けられており、
図11(b)に示すように、STガイド
図13gの視点方向の変更に合わせて表示位置が調整される。
【0082】
図12は、実施例2の作業員端末装置3のタッチパネルディスプレイ317に業務支援メイン画面が表示されている状態における作業員端末装置3の動作を表すフローチャートである。
図12において、実施例1の
図6と同様の部分については同符号を付している。実施例1と比較すると、本実施例では、次の点が相違している。
【0083】
(一)ステップS301において、一のゴミステーションの選択指示が入力された場合、ステップS302’において、
(i)ST選択部312は、選択されたゴミステーションS
iのST情報(STガイド情報も含む。)を、ルート情報記憶部304及びST写真記憶部306並びにSTガイド情報記憶部306aから取得し、STリスト表示領域12において該ゴミステーションS
iの個別ステーション情報12aを選択状態表示(太線枠で囲んだ表示状態(
図10(a)参照))とし、
(ii)ST写真表示部313は、ST情報表示領域13のST写真表示セル13f内に、ゴミステーションS
iのST写真を表示し、
(iii)STガイド出力部313aは、ST情報表示領域13のST案内表示セル13f’ 内に、ゴミステーションS
iのSTガイド
図13gを表示し、
(iv)STガイド出力部313aは、ST情報(のSTガイド情報)に含まれるナビ音声IDに対応するナビ音声情報(ガイド音声情報)をルートナビ情報テーブルから取得し、スピーカ319により、そのナビ音声情報(ガイド音声情報)を音声出力する。
【0084】
ここで、ガイド音声情報は、例えば、「垣根裏にありますので、注意してください。」,「壁裏にありますので、注意してください。」,「集積所の蓋をするように、注意してください。」,「ネットをかけないように、注意してください。」,「路地奥にあるので、バックで収集してください。」,「路地奥にあるので、奥でUターンしてください。」のように、ゴミステーションS
iにおける収集作業に於いてのガイドに関する情報である。これにより、作業員Pは、初めて担当するゴミ収集ルートやあまり経験のない不慣れなゴミ収集ルートであっても、各ゴミステーションにおける収集業務を確実に遂行することが可能となり、ゴミ収集業務の質を高めることができる。その結果、作業員の属人的な熟練度,経験値に依ることなく、高水準でのゴミ収集役務の均質化を図ることが出来る。
【0085】
尚、STガイド出力部313aは、ゴミステーションの選択指示が入力された場合に上記ガイド音声情報を音声出力するのであるが、それ以外に、ゴミステーションS
iが選択されている状態において作業員端末装置3がゴミ収集ルート上でゴミステーションS
iの位置から一定の距離まで接近した際にも、上記ガイド音声情報を自動的に音声出力する。ここで、ゴミステーションS
iの位置から一定の距離まで接近したか否かは、GNSS受信部303が出力する位置情報に基づき判定がされる。
【0086】
(二)ステップS307aにおいて、ST情報表示領域13のST案内表示セル13f’内のビデオ再生ボタン13jが選択(クリック又はタップ)された場合、ステップS308bにおいて、STガイド出力部313aは、ビデオ再生処理を行う。このビデオ再生処理については、後述のステップS514に於けるビデオ再生処理と合わせて、後で説明する。
【0087】
(三)ステップS307aにおいて、ST情報表示領域13のST案内表示セル13f’内の拡大表示ボタン13eが選択(クリック又はタップ)された場合、ステップS308aにおいて、STガイド出力部313aは、
図11(a)に示した様に、ゴミステーションS
iのSTガイド
図13gを、タッチパネルディスプレイ317の画面いっぱいに拡大して表示するSTガイド拡大処理(
図13参照)を行う(S308)。
【0088】
図13は、STガイド拡大処理の動作を表すフローチャートである。STガイド拡大処理では、STガイド出力部313aは、
図11(a)に示した様に、タッチパネルディスプレイ317の画面いっぱいにST情報拡大表示窓22を開き、STガイド
図13gを該ST情報拡大表示窓22内に表示する(S501)。ST情報拡大表示窓22内のSTガイド
図13g上には、案内矢印13h,ポップアップウィンドウ13i,ビデオ再生ボタン13jが配置され、ST情報拡大表示窓22内の下部には、OKボタン23が表示される。ST情報拡大表示窓22において、STガイド
図13g上においてスワイプ操作入力が行われた場合(S502)、STガイド出力部313aは、スワイプ操作における指の動きに応じて、STガイド
図13gに表示された3次元地図を構成するポリゴンの回転又は平行移動を行う(S511)。ST情報拡大表示窓22において、STガイド
図13g上においてピンチアウト操作入力が行われた場合(S503)、STガイド出力部313aは、ピンチアウト操作における指の動きに応じて、STガイド
図13gに表示された3次元地図を構成するポリゴンの拡大を行う(S512)。ST情報拡大表示窓22において、STガイド
図13g上においてピンチイン操作入力が行われた場合(S504)、STガイド出力部313aは、ピンチイン操作における指の動きに応じて、STガイド
図13gに表示された3次元地図を構成するポリゴンの縮小を行う(S513)。このように、STガイド
図13gに表示された3次元地図の表示を自在に変化できるようにすることで、作業者Pによるゴミステーションの地図上の位置の把握が容易となる。ST情報拡大表示窓22において、ビデオ再生ボタン13jが選択(クリック又はタップ)された場合(S505)、STガイド出力部313aは、後述のビデオ再生処理を行う(S514)。ST情報拡大表示窓22において、OKボタン23が選択(クリック又はタップ)された場合(S506)、STガイド出力部313aはST情報拡大表示窓22を閉窓し(S507)、
図10(a)の業務支援メイン画面の標準表示状態に戻る。
【0089】
ここで、ビデオ再生処理は、ゴミステーションS
iのST情報(のSTガイド情報)に含まれているガイドビデオ情報を再生する処理である。このガイドビデオ情報は、ST近傍の誘導案内のビデオ情報である。
図14に、ガイドビデオ情報の一例を示す。ガイドビデオ情報では、
図14(a)から
図14(e)にかけて、ゴミステーションS
iの近傍のゴミ収集ルートの道路からゴミステーションS
iまでの周辺景観が動画として再生される。この例では、
図11に示したように、ゴミステーションS
iはゴミ収集ルートの道路から建物の間の路地を入って建物の裏手に位置している。従って、ガイドビデオ情報は、ゴミ収集ルートの道路から建物の間の路地を入る場面から開始し、建物の間の路地を通ってゴミステーションS
iの手前までの移動中の周辺景観を撮影した動画情報となっている。これにより、ゴミステーションS
iがゴミ収集ルートの道路から見えない場所又は見えにくい場所にある場合、若しくは視認しにくい状態である場合であっても、作業員Pはガイドビデオ情報を確認することにより、ゴミステーションS
iの場所を容易に確認することが出来る。
図15に、実際のゴミステーションのわかりにくい例を示す。
図15(a)の例では、ゴミステーションはゴミ収集ルートの道路から駐車場に入ってその奥に設置されており、立体駐車場の構造物が障害となって道路からゴミステーションが見えにくくなっている。
図15(b)の例では、ゴミステーションはゴミ収集ルートの道路から細い路地を入った位置に設置されており、路地の周囲の塀が障害となって道路からゴミステーションが見えにくくなっている。
図15(c)の例では、ゴミステーションは広場の樹木の下にあり、樹木が障害となってゴミ収集ルートの道路から視認しにくい状態となっている。
図15(d)の例では、ゴミステーションはゴミ収集ルートの道路から見えやすい位置にあるが、側の建物と同色であり、その形状も一見してゴミステーションとは判別しにくい状態となっている。このようなケースでは、作業者Pが当該ゴミ収集ルートの収集業務について不慣れな場合、ゴミステーションの発見に手間取り業務効率が低下したり、ゴミステーションを見落として通過してしまい業務効率が低下することが生じる。然し乍ら、作業員端末装置3においてガイドビデオ情報を表示させることにより、このような業務効率の低下を防止することができる。
【0090】
尚、上記ガイドビデオ情報は、実際に現場を撮影した動画情報であってもよいし、
図14のように3次元地図に基づきコンピュータグラフィックスにより合成したCG動画像であってもよい。また、本実施例では、ビデオ再生処理は、ビデオ再生ボタン13jが選択された場合に行われることとしたが、これ以外にも、ガイド音声情報の場合と同様に、ゴミステーションS
iが選択されている状態において作業員端末装置3がゴミ収集ルート上でゴミステーションS
iの位置から一定の距離まで接近した際にも、上記ビデオ再生処理を自動的に実行するようにしてもよい。