特許第6785562号(P6785562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6785562
(24)【登録日】2020年10月29日
(45)【発行日】2020年11月18日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20201109BHJP
   F24F 1/0317 20190101ALI20201109BHJP
【FI】
   F24F1/0007 401D
   F24F1/0317
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-21449(P2016-21449)
(22)【出願日】2016年2月8日
(65)【公開番号】特開2017-141971(P2017-141971A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2019年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】村松 直紀
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 創
(72)【発明者】
【氏名】米倉 幸治
(72)【発明者】
【氏名】平尾 一歩
(72)【発明者】
【氏名】渋沢 遼
(72)【発明者】
【氏名】木下 博貴
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−027328(JP,A)
【文献】 特開2008−309468(JP,A)
【文献】 特開2002−130729(JP,A)
【文献】 特開2014−137202(JP,A)
【文献】 特開2000−274877(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/071181(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24F 1/0317
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に設けられたドレンパンと、
前記ドレンパンに溜まったドレン水を汲み上げるドレンポンプと、
前記筐体の側面に設けられた開口部と、
前記開口部に取り付けられ、前記開口部を塞ぐ蓋部材と、を備え、
前記開口部から前記蓋部材を取り外した状態で、前記開口部から前記ドレンパンの少なくとも一部を目視可能であり、
さらに、前記筐体に設けられたメンテナンス開口部と、前記メンテナンス開口部を塞ぐメンテナンスパネルと、を備え、
前記開口部は前記メンテナンスパネルに設けられていることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
筐体と、
前記筐体内に設けられたドレンパンと、
前記ドレンパンに溜まったドレン水を汲み上げるドレンポンプと、
前記筐体の側面に設けられた開口部と、
前記開口部に取り付けられ、前記開口部を塞ぐ蓋部材と、を備え、
前記開口部から前記蓋部材を取り外した状態で、前記開口部から前記ドレンパンの少なくとも一部を目視可能であり、
前記ドレンパンは、底部と、前記底部から立ち上がる側壁部と、を備えており、
前記側壁部の上部には前記開口部に連続する凹部が形成されており、
前記蓋部材の少なくとも一部は、前記凹部に配置されていることを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
前記蓋部材は、前記開口部に対して工具不要で取り付け取り外し可能に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記開口部は、断面略円形状を呈しており、
前記蓋部材は、前記開口部に対応する断面略円形状を呈しており、
前記蓋部材の周縁部には、周方向への回動により前記開口部の縁部に係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記開口部から前記蓋部材を取り外した状態で、前記開口部から前記ドレンポンプの吸込口を目視可能であることを特徴とする請求項1はたは請求項に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和機には、熱交換器からのドレン水を受けるドレンパンが熱交換器の下方に設けられている。ドレンパンに溜まったドレン水は、ドレンパンに接続されたドレン配管の勾配を利用して外部に排出され、あるいは内蔵されたドレンポンプによって汲み上げられて外部に排出されるようになっている。天井埋め込み型の空気調和機等において、ドレン配管の勾配による自然排水が難しい場合には、ドレンポンプを利用することによってドレンパン内のドレン水を強制的に外部へ排出することが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、建築物衛生法によって、ドレンパンの水質確認を例えば月に一度の高い頻度で実施することが義務付けられている。
【0004】
ドレンパンおよびドレンポンプの吸込口周りの水質確認点検は、ドレンパンを装置から取り外して確認するか、装置の外板の一部を取り外して確認しており、工数のかかる作業を行う必要があった。このため、水質確認点検が煩雑であり、簡単化が要望されていた。
【0005】
従来、水質確認点検を行うことができるものとして、特許文献1の空気調和機が知られている。この空気調和機では、ドレンパンの側壁に透明な板材からなる点検窓を設けるとともに、点検窓を目視可能な開口部を装置のケーシングに形成している。かかる空気調和機では、開口部から点検窓を通じてドレンパンを目視確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−225524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の空気調和機では、点検窓を構成する透明な板材に汚れが付着した場合には、点検窓を通じて目視確認することが難しくなる。このため、特許文献1の空気調和機では、ドレンパンを装置から取り外して確認する等の煩雑な作業が必要になってくる。
【0008】
本発明の目的は、煩雑な作業を必要とせず、目視によりドレンパンの汚れを確認することができる空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、筐体と、前記筐体内に設けられたドレンパンと、前記ドレンパンに溜まったドレン水を汲み上げるドレンポンプと、前記筐体の側面に設けられた開口部と、前記開口部に取り付けられ、前記開口部を塞ぐ蓋部材と、を備え、前記開口部から前記蓋部材を取り外した状態で、前記開口部から前記ドレンパンの少なくとも一部を目視可能であり、さらに、前記筐体に設けられたメンテナンス開口部と、前記メンテナンス開口部を塞ぐメンテナンスパネルと、を備え、前記開口部は前記メンテナンスパネルに設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、煩雑な作業を必要とせず、目視によりドレンパンの汚れを確認することができる空気調和機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機を示す外観斜視図である。
図2】同じく空気調和機の要部を示す側面図である。
図3図2のA−A線断面図である。
図4】(a)は開口部および蓋部材を示す斜視図、(b)は図2のB−B線拡大断面図である。
図5】開口部から蓋部材を取り外した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る空気調和機の実施形態について図面を参照して説明する。ここで、以下の説明において、「前後」、「左右」、「上下」を言うときは、図1に示す方向を基準とする。また、空気調和機として天井埋込型のものを例示するが、本発明が適用される空気調和機の形式を限定する趣旨ではない。
【0013】
図1に示すように、空気調和機は、室内機1と図示しない室外機とを備える。室内機1は、筐体としてのキャビネット2を有し、キャビネット2内に、室内熱交換器(熱交換器)3と、送風機4と、ドレンパン5と、ドレンポンプ6(図3参照)と、ドレン水排水部7と、電装品部8と、を備えている。
【0014】
ドレンパン5は、熱交換器3の下方に配置されており、熱交換器3からのドレン水が流れ込むようになっている。ドレンパン5は、熱交換器3に対応して平面視略四角形状(不図示)に形成されている。ドレンパン5は、図3に示すように、底部51と、底部51の周縁部から立ち上がる側壁部52とを備えている。ドレンパン5は、結露しにくい部材、例えば、樹脂製の発泡材等により形成されている。
【0015】
底部51には、図3に示すように、凹部53が形成されている。凹部53は、底部51の底面51aよりもさらに一段深く形成されている。これにより、底部51に流れ込んだドレン水は、凹部53内に溜まるようになっている。凹部53内には、ドレンポンプ6の下端部に設けられた円筒状の吸込口61が配置されている。これにより、凹部53に溜まったドレン水がドレンポンプ6を介してドレンパン5の外部(室内機1の外部)に排出されるようになっている。
【0016】
側壁部52は、図3に示すように、断面が略台形状を呈している。側壁部52の内面52aは、底面51aに向けて下っており、側壁部52の内側(ドレンパン5の内側)に向けて傾斜している。本実施形態では、凹部53の側方に位置する側壁部52の内面52aが底部51の凹部53に向けて繋がるように傾斜している。これにより、ドレンパン5に流れ込んだドレン水が凹部53内にスムーズに溜まる(流れ落ちる)ようになっている。
【0017】
側壁部52の上端部には、図4(a)に示すように、円弧状の凹部55が形成されている。円弧状の凹部55は、図5に示すように、後記するメンテナンスパネル23に設けられた開口部25に対応して円弧状に形成されている。凹部55は、開口部25に通じる点検通路Rの一部を形成している。凹部55には、後記する蓋部材35の挿入部38の一部が配置される(図3参照)。
【0018】
キャビネット2の外側板21には、図2に示すように、メンテナンス開口部22(図中破線で図示)が開口形成されている。メンテナンス開口部22は、メンテナンスパネル23で塞がれている。メンテナンスパネル23は、例えば、3本のねじ24によりメンテナンス開口部22の縁部に固定されている。メンテナンスパネル23の内面には、図3に示すように、断熱材23aが取り付けられている。断熱材23aは、例えば、樹脂製の発泡材等により形成することができる。
【0019】
なお、外側板21のドレン水排水部7には、図2に示すように、ドレンポンプ6(図3参照)からのドレン水が排出されるドレン水排出口28や、ドレンパン5(図3参照)のドレン水を自然排出する自然排出口29が設けられている。
【0020】
メンテナンスパネル23には、図4(a)に示すように、開口部25が形成されている。開口部25は、側面視で略円形状(断面略円形状)を呈している。開口部25には蓋部材35が取り付け取り外し可能に取り付けられている(図2図3参照)。蓋部材35は、開口部25に対応して側面視で略円形状(断面略円形状)を呈している。開口部25は、蓋部材35によって塞がれ、蓋部材35が取り外されることによって開口する。メンテナンスパネル23の内面側には、図5に示すように、開口部25の円形状に対応して、断熱材23aに円筒状の孔部23bが形成されている。孔部23bは、開口部25に通じる点検通路Rの主要部を形成している。なお、図4(a)では断熱材23aを省略している。
【0021】
蓋部材35は、開口部25に対して周方向に回動させることによって、開口部25に取り付け取り外し可能であり、工具を用いない工具不要の構造となっている。取付構造の詳細は後記する。
【0022】
本実施形態では、開口部25から蓋部材35を取り外した状態で、図5に示すように、開口部25から点検通路Rを通じて、ドレンパン5の少なくとも一部が、外側板21の側方から目視確認可能である(矢印で図示)。具体的には、ドレンパン5の底面51aの一部、凹部53、およびドレンポンプ6の吸込口61が、目視確認可能である。点検通路Rには、前記したドレンパン5の側壁部52が位置しているが、側壁部52の内面52aが前記のように傾斜しており、開口部25から点検通路Rを通じて凹部53に亘る略直線的なスペースが確保されている。これによって、凹部53の周りを含めてドレンポンプ6の吸込口61周りの水質点検確認が可能となっている。なお、ドレンパン5の側壁部52の上端部に凹部55が形成されているので、その分、前記スペースが広がり、目視確認が行い易くなっている。
【0023】
なお、メンテナンスパネル23において、開口部25は、ドレンパン5の少なくとも一部が目視確認可能な位置に形成されていればよく、好ましくは、前記したように、ドレンパン5の底面51aの一部、凹部53、およびドレンポンプ6の吸込口61が目視確認可能な位置に形成されていることが望ましい。また、開口部25は、ドレンパン5の少なくとも一部を触診可能に手や指を挿入可能な大きさに形成されていればよく、好ましくは、ドレンパン5の底面51aの一部、凹部53、およびドレンポンプ6の吸込口61を触診可能な大きさに形成されていることが望ましい。開口部25を最小限の大きさで形成する場合には、作業者の指が少なくとも二本程度挿入することができる大きさ(触診可能な大きさ)であることが好ましい。
【0024】
次に、蓋部材35の取付構造について図4を参照して説明する。
図4(a)に示すように、開口部25の口縁25aには、係合片25bが形成されている。係合片25bは、口縁25aの周方向に延在している。係合片25bは、周方向に60度間隔で計3つ形成されている。各係合片25bの周方向の中央部には、係合突部26が形成されている。係合突部26は、図4(b)に示すように、メンテナンスパネル23の内方へ向けて突出する小突起である。
なお、係合片25bは、特許請求の範囲における「開口部の縁部」に相当する。
【0025】
一方、蓋部材35は、蓋部37と、挿入部38とを備えている。蓋部37は、側面視で略円形状を呈している。蓋部37の側面には、回動用のツマミとして機能する3本の放射状のリブ37aが突設されている。リブ37aは周方向に60度間隔で突設されている。
【0026】
蓋部材35の外周縁部には、突片35aが形成されている。突片35aは、外周縁部の周方向に延在しており、開口部25の係合片25bに対して内面側から対向するようにして当接可能である。突片35aは、周方向に60度間隔で計3つ形成されている。各突片35aは、開口部25の係合片25b間に形成された間隙部25c内に配置可能である。なお、各間隙部25cはメンテナンスパネル23の成形時に形成される。
【0027】
各突片35aは、図4(b)に示すように、側面35bが周方向の中央部に向けて山形状に傾斜している。各突片35aの中央部には、係合受部36が形成されている。係合受部36には、開口部25の係合片25bの係合突部26が係合可能である。
この係合によって、蓋部材35が開口部25に回り止めされるようになっている。また、係合受部36に対する係合突部26の係合を解除することによって(蓋部材35を回動操作することによって)、開口部25に対する蓋部材35の回り止めが解除されるようになっている。この解除により、開口部25から蓋部材35を取り外すことができる。
なお、突片35aは特許請求の範囲における「係合部」に相当する。
【0028】
蓋部材35の外周縁部には、図4(a)に示すように、突片35aに隣接して当接片39が形成されている。当接片39は、図2に示すように、開口部25の口縁部に当接する。蓋部材35は、当接片39により開口部25内に脱落することなく開口部25の口縁部に保持される。
【0029】
挿入部38は、円柱状を呈している。挿入部38は、メンテナンスパネル23の断熱材23aと同様の材料により形成されている。挿入部38は、図3に示すように、断熱材23aの孔部23b内に配置される。挿入部38の一部は、ドレンパン5の側壁部52の凹部55に配置される。
【0030】
メンテナンスパネル23の内面には、図3に示すように、略L字形状の支持部材27が取り付けられている。支持部材27は、メンテナンスパネル23の内側(左側)に向けて延在する延在部27aを備えている。延在部27aには、ドレンポンプ6が取り付けられている。ドレンポンプ6は、支持部材27を介してメンテナンスパネル23に予め組み付けられる。これによって、メンテナンスパネル23を外側板21に固定することによって、キャビネット2内の所定位置にドレンポンプ6を配置することができる。また、メンテナンス時には、メンテナンスパネル23を取り外すことで、ドレンポンプ6も一緒に取り外すことができる。したがって、ドレンポンプ6の組付性に優れているとともに、メンテナンス性に優れている。
【0031】
次に、水質確認点検時の手順について説明する。
はじめに、水質確認点検時には、開口部25から蓋部材35を取り外す。この場合、蓋部材35のリブ37aに指を掛け、蓋部材35を周方向(時計回り方向または反時計回り方向)に回動させる。そうすると、蓋部材35の各突片35aが開口部25の各係合片25bに対して周方向に移動する。これにより、各係合受部36に係合していた係合突部26の係合(図4(b)参照)が解除される。
【0032】
続いて、蓋部材35の各突片35aが開口部25の各係合片25bから外れる位置、すなわち、蓋部材35の各突片35aが各間隙部25cに位置するまで蓋部材35を回動させる。そして、蓋部材35のリブ37aを指でつまんで、蓋部材35を軸方向手前側(キャビネット2の外側板21の外側)に引き抜く(図4(a)参照、図5参照)。これによって、蓋部材35が開口部25から外れる。蓋部材35が外れることで、開口部25の内側には、点検通路Rが形成される(図5参照)。
【0033】
その後、開口部25に顔を近づけ、ランプで照らして開口部25から中を覗き、点検通路Rを通じてドレンパン5の一部およびドレンポンプ6の吸込口61周りを目視確認する。そして、開口部25から手や指を挿入して、ドレンパン5(凹部53)やドレンポンプ6の吸込口61周りを触診する。なお、手や指の他、棒状の器具等を開口部25から挿入して確認することも可能である。
【0034】
目視確認や触診による水質確認点検が終了したら、蓋部材35のリブ37aを指でつまんで蓋部材35の挿入部38を開口部25内に挿入する。
続いて、蓋部材35の各突片35aを開口部25の各間隙部25cに挿入し、蓋部材35を周方向に回動する。
【0035】
これにより、蓋部材35の各突片35aが開口部25の各係合片25bに重なり、その後、各突片35aの係合受部36に各係合片25bの係合突部26が係合する(図4(b)参照)。これによって、開口部25に蓋部材35が回り止め固定される。
以上により水質確認点検が終了する。
【0036】
なお、ドレンポンプ6自体や室内機1の内部のメンテナンスを実施する場合には、メンテナンスパネル23を取り外してメンテナンス開口部22を開いて行うことができる。この場合、メンテナンスパネル23を取り外すだけで、ドレンポンプ6を取り外すことができるので、工数のかからない作業にてメンテナンスを実行できる。
【0037】
以上説明した本実施形態の空気調和機によれば、水質確認点検時には、開口部25から蓋部材35を取り外し、形成される点検通路Rを通じてドレンパン5の少なくとも一部や、凹部53、ドレンポンプ6の吸込口61を目視確認することができる。また、点検通路Rを通じて手や指をキャビネット2内(外側板21内)に挿入し、挿入した手や指でドレンパン5の少なくとも一部や、凹部53、ドレンポンプ6の吸込口61を触診することができる。
なお、ドレンポンプ6が開口部25の近くに配置されていない構造の室内機1である場合には、点検通路Rを通じてドレンパン5の少なくとも一部(要部)を目視確認および触診することが可能である。
【0038】
また、蓋部材35の取り付け取り外しは、工具不要で行うことができる。取り付け取り外しは、開口部25に対して蓋部材35を周方向に回動させることによって可能である。したがって、天井裏等の狭いスペースにおいても蓋部材35の取り付け取り外しが簡単であり、メンテナンス性に優れている。
【0039】
また、開口部25は、メンテナンスパネル23に設けられているので、外側板21の他の部分に設けられている場合に比べて、断熱材23aを簡易に設置することができ、生産性に優れる。また、外側板21の他の部分を断熱材23aで一体的に覆うことも可能となるので、寸法の小さい断熱材23aを複数枚用いて設置した場合に比べて、コストの低減を図ることができる。また、外側板21の他の部分を断熱材23aで一体的に覆うことも可能となるので、断熱性も高まる。
【0040】
また、蓋部材35の挿入部38の少なくとも一部がドレンパン5の側壁部52の凹部5に配置されているので、側壁部52の高さを確保しつつ、水質確認点検時には、目視点検可能で触診可能なスペースが好適に確保される。したがって、メンテナンス性に優れる。
【0041】
また、ドレンパン5の側壁部52の内面52aは、ドレンパン5の内側に向けて傾斜しているので、その分、目視点検可能で触診可能なスペースが拡がりメンテナンス性に優れる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、蓋部材35は、開口部25に対して周方向に回動させることで取り付け取り外しされる取付構造としたが、これに限られることはなく、外側板21の側面に沿ってスライドさせることにより取り付けられる構造としてもよい。
【0043】
また、開口部25の側方にドレンポンプ6が配置される構造としたが、これに限られることはなく、開口部25の前後方向にドレンポンプ6をオフセットさせて配置してもよいし、開口部25から離れた位置にドレンポンプ6を配置してもよい。
【0044】
ドレンポンプ6は、メンテナンスパネル23に一体的に取り付けられる構成としたが、これに限られることはなく、メンテナンスパネル23以外の部分に支持されていてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 室内機
2 キャビネット(筐体)
5 ドレンパン
6 ドレンポンプ
21 側板部(側面)
22 メンテナンス開口部
23 メンテナンスパネル
25 開口部
25b 係合片(開口部の縁部)
35 蓋部材
35b 突片(係合部)
51 底部
52 側壁部
53 凹部
61 吸込口
R 点検通路
図1
図2
図3
図4
図5